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北米で11月15日に発売となった「Samsung 960 PRO 512GB」を米尼からの個人輸入でいち早く入手できたので早速レビューします。SSDの速度やパフォーマンスについては発売前先行レビューでほぼ語りつくされているので旧モデルのSamsung 950 PROや競合製品のOCZ RD400 512GBなどと比較しつつ、Samsung 960 PRO 512GBの温度や発熱を中心にレビューしていこうと思います。
Samsung 960 PROの開封&外観チェック
まずは「Samsung 960 PRO 512GB」の外観からチェックしていきます。パッケージについてはほぼ旧モデルと同じデザインになっています。
パッケージを開封すると簡易マニュアルが上にあり、プラスチックのスペーサーの中央にSSDが置かれていました。
512GB版はメモリチップも片面実装になっており4枚搭載されていました。
960PROと旧モデルの950PROを比べるとなぜか製品ラベルの向きが逆向きになっていました。
銅箔層を加えて放熱性能を上げたという「Heat Spreading Label」が公式発表会でもアピールされていましたが、製品裏側のラベルには肉眼でもわかる銅箔の層がありました。はたしてこの銅箔層にどれほどの意味があるのか気になりますね。
Samsung 960 PROの性能&温度
外観のチェックはこの辺りにして早速、性能のほうをチェックしていきます。とはいえ冒頭でも書いたように速度やパフォーマンス面ではかなり詳しい先行レビューがあるので簡単にCrystalDiskMarkだけ回して終わりです。管理人も発売前サンプルが貰える(借りれる)レベルに到達したい。
左から順にSamsung 960 Pro、Samsung 950 Pro、OCZ RD400になります。シーケンシャルはSamsung 960 PROでがっつり伸びていますが、CDMで見る限りランダム性能はそこまで伸びていませんね。
続いて肝心の発熱や温度についてです。CrystalDiskMarkを負荷に同ベンチを数回行ってその時のリード・ライト速度と温度のログを取ってグラフ化しました。なお測定時の室温は20度ほどでした。
まずは比較対象その1のSamsung 950 Proです。1周目の終盤ですでに温度が75度付近まで上がっておりリードライトともにサーマルリミットが発生しているのが確認できますね。
続いて比較対象その2のOCZ RD400です。こちらは温度が80度に達していますが。サーマルリミットの発生が確認できません。不思議です。閾値がかなり高めに設定されているのでしょうか?
最後にSamsung 960 PROです。温度は60度台に留まっておりサーマルリミットも確認できませんでした。また同じくサーマルリミットの確認できないRD400と比べてもリード・ライトともに最大値で安定しています。
さらに各SSDのアイドル時と負荷時(CDMループ5週目)のサーモグラフィーでメモコンとメモリチップの温度を確認してみました。なおソフトの仕様で温度色分布の温度幅は設定できるのですがグラデーションは設定できないので別画像間での色の比較はできません。
先ほどのグラフ同様にまずはSamsung 950 PROからです。サーモグラフィを確認するとアイドル時でもメモコンは40度で比較的高温であることが分かります。負荷をかけるとメモリチップは80度、メモコンも90度近くまで温度が上がっていました。
続いてOCZ RD400のサーモグラフィです。アイドル時にも関わらずメモコンは65度とかなり高温です。メモリチップもSamsung 950 PROに比べて温度が高いですね。ところが一転して負荷時についてはメモコンはSamsung 950 PRO同様に90程度になっていました。そしてメモリチップの温度を見ると実はOCZ RD 400のほうが10度程度低いという結果になっています。
上のグラフでははっきりとSamsung 950 PROのほうがOCZ RD400よりも冷えるような印象でしたが、実際に負荷時のサーモグラフィーを見てわかるようにSamsung 950 PROはおそらくメモリチップ付近、OCZ RD400はメモコン付近の温度をモニターしていたものと思われます。
そして本命のSamsung 960 PROのサーモグラフィがこちら。まずアイドルの温度は全体的に30度前半以下に収まっており良好な数字に見えますね。しかしながら負荷時の温度を見てみるとメモコンはやはり80度後半から90度付近まで達しているようでした。しかしながらメモリチップに着目すると950PROが80度を超えていたのに対して960 PROでは70度以下に収まっています。
最新の第3世代 V-NAND MLCによるメモリチップを採用しているから?、Samsung 960 PROではメモリチップの発熱(消費電力)下がっているようです。
また950 PRO、RD400、960 PROの3機種の比較からサーマルリミットの発生条件として重要になってくるのはメモコンの温度ではなくメモリチップの温度だったようです。
960PROは新しい5コアのメモリコントローラー「Polaris」を搭載しているとのことですが、こちらはランダム性能向上に寄与するだけであまり省電力性能は伸びていません。今後はM.2 SSDメーカー各社にメモコンの省電力性能向上を期待したいところ。
Samsung 960 PROについて結論をまとめると、省電力性能が伸びているため発熱が小さく、特にメモリチップは旧モデルの950 PROよりも10度程度温度が下がっており、室温20℃程度の環境下であればサーマルリミットが発生せずに安定した性能を発揮できるようです。ただし依然としてメモコンの発熱は大きいのでヒートシンク付きM.2→PCI-Eアダプタ推奨というのが本音。
とはいえCDM連続ループレベルの負荷でもサーマルリミットも回避できる程度には低発熱になっていますし、連続リード・ライトの速度も文句なしに世界最速なのでこれからM.2 SSDを購入するなら真っ先に購入候補に加えても間違いない製品だと思います。
以上、Samsung 960 PRO 512GBのレビューでした。
(注:記事内で参考のため記載された商品価格は記事執筆当時のものとなり変動している場合があります)
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SM961も温度低めで良い感じって事みたいなので、銅箔シール付きの
こちらはちょびっと放熱向上なのかな・・・?