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PC向けVR HMDの二大巨頭の1つである「HTC Vive」をレビューします。
Oculus Rift CV1&Touchも所有していたのですが17年中には新型は来ないだろうという勝手に予想して、昨年の年末にブラックフライデーの米尼セールで699ドルで安売りしていたので購入しました。
公式ページ:https://www.vive.com/jp/
サポートページ:https://www.vive.com/jp/support/
日本語マニュアル:http://dl4.htc.com/web_materials/Manual/Vive/Vive_User_Guide_JPN.pdf
最初に
PC向けVR HMDの二大巨頭であるHTC ViveとOculus Riftは両方とも使用してみた管理人からしてもそれぞれに魅力のあるVR HMDですが、「日本語を含めた多言語に対応した詳細なマニュアルを用意」、「動画によるわかりやすい導入チュートリアルを公式ページで公開」、「SteamというすでにPCゲーム界に浸透しているゲームクライアントがホームアプリである」など、こと日本語を母国語とするユーザーのサポートに観点を絞るとHTC Viveの圧勝という事実は否定できません。実際「Oculus RfitとHTC Viveどっちがおすすめ?」と単純に聞かれて日本人相手に英語しかサポートされていないOculusを勧める人は多くないと思います。
発売当初からほぼ完全な多言語サポートを完備させているところは世界に向けてスマホなど電気製品を製造・販売しているメーカーHTCが流石であると言わざるを得ません。
加えてPCパーツショップのTSUKUMOなどで純正アクセサリーを購入できるという点もHTC ViveをVR HMDとしてとっつきやすい製品にしています。
すでにレビューしたOculus Rfit CV1ともちょくちょく比較しながら、日本語完全サポートで日本人に優しいVR HMD「HTC Vive」をレビューしていきます。
HTC Vive レビュー目次
1.HTC Viveの梱包・付属品
2.HTC ViveのVR HMD本体について
3.HTC ViveのHMD本体にイヤホンを直刺しする
4.HTC Viveのフェイスクッションについて
5.HTC Viveの専用コントローラーについて
6.HTC Viveのトラッキング用ベースステーションについて
7.HTC Viveのソフトウェアセットアップ
8.HTC Viveのレビューまとめ
HTC Viveの梱包・付属品
HTC Viveは60*40*20cmサイズ程度の専用の化粧箱がパッケージになっています。パッケージを開くと間仕切りでパーティション分けされてVR HMD本体や専用コントローラーなどが個別に収納されており、精密機器のVR HMD、コントローラー、ベースステーションについては衝撃から保護するためスポンジ製スペーサーに収められていました。
ベースステーション上の水色の部分はスペーサーではなく、マニュアルやリンクボックスなど小さい付属品が入った箱になっています。
またベースステーションとコントローラーの収められている部分は2重底になっており、下段にはACアダプタなどの付属品が収納されていました。
下の写真はOculus Rift CV1本体のパッケージの中身(専用コンは別)ですが、一目見てわかるように「HTC Vive」は付属品がかなり多く、使用環境(トラッキング環境)の構築にはそれなりに手間がかかります。
実際に使い始めると一長一短なところでもあるのですが極論、「VR HMDとセンサーのHDMI*1とUSB3.0*2をPCに挿して机にセンサーを置いたらセットアップ完了」なOculus Rift CV1に比べると、ハード的なセットアップはHTC Viveのほうが少々複雑なのでその点は予め留意しておいたほうがいいかもしれません。
HTC ViveのVR HMD本体について
HTC ViveのVR HMDの本体についてチェックしていきます。HTC ViveのVR HMD本体はどことなく昆虫の複眼を思わせる外見になっており外装にはベースステーションから発信される赤外線の受光部分である円形の窪みが点在しています。外見のスマートさについてはOculus Riftのほうが好きというユーザーのほうが多いかもしれません。
保護シールを張ったままになっていますが中央下の青いシールが貼られた部分はカメラになっておりVR HMD上にカメラで撮っているものをそのままリアルタイムに表示する機能もあります。
ちなみにVR HMDの重量については本体のみ(ヘッドバンドは含む)で比較して、HTC Viveが約621g、Oculus Rift CV1が約441gとなりました。差は180gとなっておりHTC ViveはOculus Rift CV1よりも40%以上重いので着用してみてもその差ははっきりと感じ取れます。シネマ型のHMDではなく頭を動かすVR HMDなので重量の軽さは非常に重要でこの点はOculusのほうが圧倒的に優れています。
HMDを固定するためのヘッドバンドは左右と上の3本構造になっています。
HTC ViveのVR HMDではメガネユーザーのことも配慮されており、左右ヘッドバンドの根元のロックを外すことでフェイスクッションからレンズまでの距離が離れるように調整できるようになります。レンズ距離を大きくすると視野角は狭くなるので基本的には接触しない範囲で距離は短くすればOKです。
VR HMDからはVR HMDの接続ケーブルと3.5mmジャックケーブルの2本が延びています。Oculus Rift CV1ではヘッドバンドに備え付けられた独自端子に付属の専用ヘッドホンか別売りの専用イヤホンを設置する形になっていますが、HTC Viveの場合は汎用の3.5mmジャックがあるのでお気に入りのヘッドホンやイヤホンをそのまま使用することができます。
HTC Vive発売当初はVR HMD固定用のHDMI・USB・DCの3種をまとめたケーブルは3本をそれぞれ並列させただけの幅の広いきし麺ケーブルだったので取り回しが悪く、長さも5mなので重いと不評でしたが、16年の11月か12月ごろに出荷されたロットからは根本のみが3分岐して中央の4.5mほどは1本になった新型のスリム3 in 1ケーブルに変わっています。
発売当時付属した旧型ケーブルの取り回しの悪さはHTC Viveの大きな欠点で管理人が買い控えていた理由、裏返すとスリムケーブルがあったことも昨年末にHTC Viveを購入した理由でした。
HTC ViveのVR HMD接続ケーブルについては管理人が検証した限りでは最大3mの延長が可能でした。
・HTC ViveのHMD接続ケーブルを延長する方法。ケーブルを天井に吊る効果は?
各種ケーブルはVR HMDに完全に固定されているわけではなく、HTC ViveのVR HMD上側ヘッドバンドの根元のカバーを外すことで接続端子にアクセスすることができます。各種ケーブルは着脱式ですがヘッドバンド固定部根本のカバーとの干渉の問題があるので端子が同じなら何でも接続できるというわけではありません。
右上写真のようにVR HMDには空きのUSBポートがあるので3.5mmジャックを使用したヘッドホン・イヤホンだけでなく、USB接続のヘッドセットを接続したり、モーションセンサーやカメラを使用することができます。USB機器については端子の干渉を避けるために専用のUSBエクステンダーがオプションとして販売されています。
HTC ViveのHMDはHMD本体から出るケーブルを直接PCに接続するのではなくリンクボックスという中継器を経由してPCと接続します。
リンクボックスにはHMD側ケーブルを接続するオレンジ色に塗られたHDMI、USB、DC端子がありその反対側にはACアダプタを接続するDC端子、PCと接続するHDMI端子とUSB端子があります。
加えてPC側にHDMI端子がないor足りない場合にDisplayPort経由でも接続ができるようにMini-DisplayPort端子も設置されています。17年最新のグラフィックボードの多くがDP*3、HDMI*1のビデオ出力を採用しているのでDPによる接続がネイティブにサポートされているのは4Kテレビなどと併用するユーザーには魅力的です。
HTC ViveのHMD本体にイヤホンを直刺しする
HTC Viveは上でも紹介したように3.5mmイヤホンジャックがあり一般に販売されているイヤホンが使用できます。今回管理人は「ゼンハイザー(Sennheiser) IE 80」という高音質イヤホン界隈で知らない人はいないであろう鉄板機種を繋ぐという暴挙?に出ました。ポータブル環境がXperiaZ3&XBA-Z5 with BTケーブルというBluetoothワイヤレス環境に変わったことで出番を失い倉庫で眠っていたやつを発掘してきた次第です。IE 80さんもまさかVR HMDにつながれるとは夢にも思わなかったはず!
ゼンハイザー(Sennheiser) IE 80はイヤホンケーブルの交換に対応しており3000円くらいで購入可能な純正のショートケーブルがあるので地味にHTC Viveに最適?な気がします。
HTC Viveのイヤホン・ヘッドホンには付属の3.5mmジャック延長ケーブルを経由して繋いでいるユーザーも多いと思いますが、L字でコネクタの形状が一部要件を満たすものであればアダプタを経由せずにそのままケーブルを装着できます。
IE 80のショートケーブルについてはL字ジャックの角の部分が干渉したのですが、ただのゴム製だったのでニッパーで削りました。
端子の根元からの長さやL字部分のサイズが要件を満たせば下のようにHTC Viveへ直接イヤホンを接続することができます。
HMDにイヤホン直刺しのショートケーブルで、イヤホンケーブルは左右ヘッドバンドの長さ調整部分の輪っかを通すとケーブルの取り回しに優れ、装着感も抜群なのでおすすめです。
IE 80は3万円以上するイヤホンなのでさすがにこれだけのために購入するには高価ですが、上で紹介した寸法の要件を満たして同じように接続できるイヤホン・ヘッドホンも少なくないと思うのでよろしければ探してみてください。
なお通常のイヤホンでケーブルの長いものを使用する場合はイヤホン用のケーブルタイを購入して下写真のようにケーブルマネジメントすると邪魔にならないように取り回せます。
HTC Viveのフェイスクッションについて
VR HMDの装着感の大半を占めるといっても過言ではないフェイスクッションについてチェックしていきます。HTC Viveではデフォルトでスポンジ製のフェイスクッションが装着されています。また交換用の厚みの薄いフェイスクッションも付属しています。
HTC Viveのフェイスクッションは目の細かいマジックテープで固定されているだけなので、着脱が容易な構造になっており、純正・サードパーティ製のフェイスクッションと交換できます。Oculusではサード製のフェイスプレートに換装しないとフェイスクッションの交換ができません。個人使用・集団使用のどちらであっても顔と直に接触する部分を清潔に保てる構造になっているHTC Viveのほうが好ましいと思います。
管理人はVR Coverというサードパーティーのメーカー製フェイスクッションでコットン生地のものとベロア生地のものを購入してみました。VR Coverの公式通販はPaypalで支払いができて国内に直送してくれます。安い発送方法は届くまで2週間ほどかかるので多少高くても速達を選ぶのがおすすめです。<VR Cover公式ページ>
ベロア生地は光沢がありサラサラで肌触りが非常に良く、コットン生地は若干ザラつきますがベロア未満、スポンジ以上の肌触りで吸水性には優れています。
試着してみた結果ベロア生地のモノがやはり肌触りがよく装着感に優れていたので、管理人はこれを使用することにしました。フェイスクッションの生地については個々人の好みによると思います。
HTC Viveの専用コントローラーについて
HTC Viveの大きな特徴の1つでもある専用コントローラーをチェックしていきます。HTC Viveの専用コントローラーはスティックの先端に輪っかのついた金属探知機を思わせる形状です。画像を見ての通り左右対称な形状になっており左右の区別はなく同じデバイスが2つ付属しています。
コントローラーの表面には、三本線の描かれた「メニューボタン」、中央の「トラックパッド」、2つ重なったひし形の描かれた「システムボタン」の3つが配置されています。裏面には人差し指で操作するトリガースイッチと左右どちらの手で持っても中指で押すことのできるグリップボタンが設置されています。
ゲームのプレイ中はコントローラーを振り回すことになるので手から滑って飛んでいかないように手首に固定するためのストラップも付属します。
サードパーティ製のアクセサリですが、Viveコントローラーは振り回すので傷や汚れ防止にシリコンゴム製のプロテクタカバーがあります。剥き身の状態に比べて若干滑るようになるので好みもあると思いますが2000円程度なので試しに購入してみてもいいかと思います。ワインレッドを購入して使用していますが、ブラックやホワイトのカラーバリエーションがあります。
Oculus Rift CV1専用コントローラーOculus Touchとサイズを比較すると倍くらいの違いがあります。ただしHTC Viveコントローラーが「VR空間で使えるデバイス」をコンセプトにしている一方で、Oculus Touchは「VR空間で手を再現する」ことをコンセプトにした機器なので直接的な比較は難しいというのが正直なところです。
Oculus TouchはVRゲーム「The Climb」のようにハマれば非常に革新的で新鮮な体験を提供してくれるデバイスなのですが、HTC Viveに比べるとコンテンツ制作者側がどれだけその機能を活かせるかというところがネックになるように感じます。銃や剣をそのままVR空間で当てはめるような体験であればOculus TouchよりもHTC ViveやPS VRのようなスティック型デバイスのほうが触覚的にも直感的で没入感は高いと思いました。
ちなみに重量については左右の合計で、HTC Viveコントローラーが400gほど、Oculus Touchが310gほどとなっておりやはりOculus Rift側が軽量でした。
HTC Viveのコントローラーは内臓バッテリーで動作しています。スティック部分の下部にmicro-USB端子が設置されており、この端子を使ってUSBケーブル経由でPCなどのUSB給電機能のある機器や付属のACアダプタ経由で充電を行います。
コントローラーは2つあり基本的に2つ同時使用なので充電も同時に行うことになります。そのためACアダプタとケーブルを2組使用して2つのコントローラーを同時に充電するという少々面倒な充電事情になります。
電池式で簡単に充電・交換のできるOculus Touchに比べてバッテリー周りはHTC Viveのほうが使いにくいと感じました。PS4パッドのように接点アダプタ&クレードルのサード製アクセサリが登場して欲しいです。
HTC Viveのトラッキング用ベースステーションについて
続いてHTC Viveのトラッキングの要であるベースステーションについてチェックしていきます。HTC Viveは外部センサー(正確にはHMDがセンサーでベースステーションは赤外線の発信機)としてベースステーションを使用する「Lighthouse」というトラッキング手法が採用されています。
HTC Viveのトラッキングでは、部屋に設置したベースステーションが一定周期で赤外線を照射しており、その照射角度をVR HMDに備え付けられたセンサーが検知、それを逆算することでトラッキングしています。HTC Viveのベースステーション自体はPCと全く通信をしていないのでコンセントから電源を取るだけでOKというのがHTC Viveのトラッキング方式です。
ベースステーションは下写真の箱型のユニットで、HTC Viveには必要数の2つが付属しています。
ベースステーションの背面にはDC端子、モードセレクトボタン、ベースステーション接続端子、micro-USB端子が設置されています。このうち基本的に使用するのはDC端子のみです。
ベースステーション接続端子はベースステーションの位置が低く、障害物などでベースステーション間の通信が遮られる場合のみ有線接続で使用します。micro-USB端子はベースステーションのファームウェアアップデートのためにPCと接続する場合のみ使用します。
付属のACアダプタはケーブル長が3mと長いので配線に困ることはないと思います。長さが足りない場合は5.5mm径のDC延長ケーブルか普通のコンセント延長ケーブルを購入して伸ばしてください。
HTC Viveには壁に穴をあけるタイプのマウンタが付属しています。
ただしベースステーションの固定ネジはデジカメの三脚などに使用される汎用ネジと同じ規格になっているので、クリップやクランプ型のアダプタやつっかえ棒、クイックシューなど下の記事で紹介しているアイテムを使用環境に合わせて別途購入するのがお勧めです。
・Oculus RiftやHTC Viveのセンサー固定におすすめなグッズを紹介
ベースステーションを適切な位置に設置(参考1、参考2)したらACアダプタを両方のベースステーションに接続します。ベースステーション間に障害物がなく正常に通信ができていれば左下の文字に「b」と「c」が表示されます。また中央上のステータスインジケータが緑色に点灯します。この状態であればベースステーションが正常動作しているのでトラッキング環境の構築は完了です。
ベースステーションは機器を部屋に設置するのは面倒ですがOculusのセンサーと違ってUSB3.0の相性問題や通信の安定性に悩まされることがほぼないのでその点は優れています。
ベースステーションに関連してあと1点、HTC Viveのベースステーションにはモーターが内蔵されており「ジー」という駆動音がするため寝室などに設置する場合は音が気になるかもしれません。
HTC ViveのクライアントアプリであるSteamVRの起動・終了に合わせてベースステーションをスタンバイさせる機能もあるのですが環境によっては「スタンバイから復帰できない」「スタンバイモードに移行しない」など正常に動作しないこともあるようです。ちなみに管理人の環境ではスタンバイから復帰できませんでした。
下の記事で紹介するリモコン操作の電源タップを使用すれば簡単にベースステーションの電源をON/OFFできるので駆動音が気になるユーザーにはお勧めです。
・HTC Vive ベースステーションの電源管理にリモコンでON/OFF可能な電源タップがおすすめ
最後にHTC ViveとOculus Rift CV1についてトラッキング面で簡単に比較表にまとめました。
トラッキング技術については今のところHTC Viveのほうが優れていると見る人が多いようですが、Oculus Rift CV1も実用レベルには余裕で達しています。管理人としては甲乙つけがたいというのが正直な感想です。バックパック型PCで使用するとかかなり特殊な理由を除けば、HTC ViveとOculus Riftで迷っていてトラッキングを理由にどちらかを選ぶというのはあまりお勧めできない選び方だと思います。
HTC Viveのソフトウェアセットアップ
HTC Viveのソフトウェアセットアップについて簡単に紹介していきます。とはいえ冒頭でも紹介したようにフルに日本語説明になっているためここで長々と書くこともないと思うので、セットアップのスタート地点についてだけ紹介します。多くのユーザーはおそらくHTC Viveをセットアップする際はHTC Vive公式ホームページのViveセットアップのページからセットアップ用のソフトをダウンロードしてセットアップを行うと思います。
セットアップページ:https://www.vive.com/jp/setup/
このアプリを使ってインストールを行うとソフトからハードまで一挙に全て日本語で解説してくれます。
ただしこのソフトを使用するとセットアップには30分近くかかり(ハードウェアも含む)、加えてHTC Viveのゲームライブラリ的なクライアントソフトもインストールされます。初セットアップのユーザーには図解を含んで説明もわかりやすくありがたいのですが、必須ではないVive関連ソフトが自動でインストールされます。
ということで最初からSteamクライアントだけインストールしてサクッとSteamVRからHTC Viveの使用環境をセットアップするという手もあるので覚えておいても損はないと思います。
SteamクライアントDLページ:https://store.steampowered.com/about/
クライアント右上の「VR」ボタンを押せばトラッキング設定に関するポップアップが表示されます。もしも表示されない場合はライブラリ-ツールからSteamVRを見つけて手動でインストールしてください。
HTC Viveを購入したばかりで初めてセットアップする場合は純正セットアップソフトを使ってもいいと思いますが、2回目以降は面倒なのでSteamクライアントから一気にSteamVRを起動する手順がおすすめです。
HTC Viveのレビューまとめ
唯一の欠点と言っても過言ではなかった激太のきし麺ケーブルが新型3 in 1スリムケーブルに更新された「HTC Vive」は、AmazonやPCパーツショップで購入できる入手性の良さやクライアントソフトとサポートが完全に日本語対応しているので、日本語を母国語にする英語が苦手なユーザーにとって非常に優しいVR HMDです。この1点だけとってもHTC ViveとOculus Riftを比較してPC向けVR機器にHTC Viveを選ぶ意味があると思います。専用コントローラーについては一長一短ではありますが、VR内で手を再現するOculus Touchと違って、HTC Viveの専用コントローラーは単純なスティック型デバイスなのでOculus Touchとはまた別の方向性で操作が直感的です。
Oculus Touchの場合は剣を振る、銃を撃つ前に「握る」という当たり前の動作をゲームが認識してくれるように入力する必要があります(もちろん慣れでその意識は薄れてくるはずですが)。HTC ViveコンであればコントローラーがそのままVR内の剣や銃になるので、そういった意味で直感的であり自然な動作になります。
Oculus Touchが不自然というわけでなく「The Climb」のように手を使って握ったりすることに意味のあるゲームであれば没入感は抜群に高まりますし、Viveコンとは違った「直感的な操作」になります。
管理人的にはOculus Touchは手の再現に意味がある等、ゲームの内容にハマればViveコンよりも優れた没入感や操作性が得られるものの、Viveコンのほうが汎用性は高く、多くのゲームにおいては使いやすくてわかりやすいデバイスかな、というのが正直な感想です。
Oculus Riftと比較してHTC Viveで明確にデメリットを感じる部分があるとすればVR HMDの重量だと思います。180gも重いと装着感にははっきりと影響してきますし、頭を上下に動かした時はやはりHTC ViveのほうがHMDがズレやすいです。
トラッキングについてはVive優勢の声が多いものの管理人的には両者のどちらかを選ぶ上で決め手になるほどのポイントではないと思いました。
以上ハードウェア中心になりますがOculus Rift CV1&Touchと比較しながらの「HTC Vive」のレビューでした。
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(注:記事内で参考のため記載された商品価格は記事執筆当時のものとなり変動している場合があります)
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