スポンサードリンク
Intelの新CPU KabyLakeのデスクトップ版が公式に発表され、各社からKabyLakeをネイティブサポートする200シリーズチップセットを搭載したマザーボードもリリースされていますが、今回はKabyLakeの特徴の1つで200シリーズマザーボードを組み合わせた場合にサポートされる「Intel Optane Technology」について簡単に紹介します。
Intel公式ページ:
http://www.intel.co.jp/content/www/jp/ja/architecture-and-technology/intel-optane-technology.html
http://www.intel.co.jp/content/www/jp/ja/architecture-and-technology/optane-memory.html
「Intel Optane Technology」ってなに?
「Intel Optane Technology」(略してOptaneとも呼ばれる)については管理人も今回調べるまでざっくりとしかわかっていませんでした。というか調べてみると「Intel Optane Technology」という言葉自体が技術というか機能の非常に大雑把なくくりを指し示すもので名前だけが独り歩きしているためわかりにくさに拍車をかけているように思います。「Intel Optane Technology」を簡単に説明すると「3D XPointを利用した新しいメモリ(SSD)の利用方法の総称」もしくは「3D XPointを利用した新しいメモリ(SSD)自体のIntelのブランド名」となります。
「Intel Optane Technology」というのはあくまで3D XPointを使用したIntelが提唱するソフトウェアやハード設計に関する枠組みでしかありません。実際にMicronなどはOptaneとは別の名前で3D XPointを使用したQuantXというブランドを展開しています。
やや語弊のある例えですが、IPS液晶パネルにAH-IPS、PLS、ADSなどメーカーごとに名前や微妙な設計が異なるものの大本の技術は一致しているのに似ています。
「3D XPoint」ってなに?
3D XPointとは「低レイテンシな不揮発性」の新型メモリのことです。SSDなどのレビューで用いられるシーケンシャルリード・ライト速度を「車の最大速度」に例えるなら、レイテンシというのは「車の加速度」(厳密にはその逆数)にあたるものです。
CPUのL1/L2キャッシュが1ns以下、L3キャッシュが10ns以下、DRAM(システムメモリ)が100ns以下とこれらの揮発性メモリはレイテンシが小さく非常に高速なのですが、既存の不揮発性メモリであるNAND SSDは100,000ns以下、HDDでは10,000,000以下となっており揮発性メモリに比べてレイテンシが大きく非常に低速でした。
しかしながら3D XPointを利用した新しいメモリ(SSD)は従来のNAND SSDがレイテンシ100,000nsに対して、レイテンシ10,000nsを実現しています。
現行最新のNAND型NVMe SSD(例えばSamsung 960 PRO/EVO)はシーケンシャルリードやシーケンシャルライドはどんどん高速になっているもののランダム性能が伸び悩んでいるのはこのレイテンシが影響していたりします。
各メモリのレイテンシについてはGIGABYTEが200シリーズマザーボードの紹介で非常にわかりやすいスライドを公開してくれています。
「Intel Optane Technology」で何ができるの?
3D XPointについて上でざっくりと説明したので、本題のKabyLakeからサポートされる「Intel Optane Technology」の話に戻りましょう。繰り返しになりますが「Intel Optane Technology」とは3D XPointを使用した新型SSDの使用方法の総称です。今のところ主に次のような使用方法が提唱されています。
- 単純にNAND SSDの置き換えとしてストレージに使用
- 低レイテンシであることを活用して不揮発性キャッシュメモリに使用(「Optane Memory」)
- (将来的に)不揮発性のシステムメモリとして使用(「Intel DIMM」)
3つほど「Intel Optane Technology」の例を示しましたが、特に2つ目の「低レイテンシであることを活用して不揮発性キャッシュメモリに使用」については「Optane Memory」と呼ばれています。
GIGABYTEのスライド(Intel公式の発表内容)によるとPCMarkのストレージテストにおいて、HDDの性能を1とするとNAND SSDは23になりますが、「Optane Memory」によって3D XPoint SSDをキャッシュに使用してHDDと組み合わせることで、1TB HDDと16GB 3D XPoint SSDによってNAND SSDよりも高速な27というスコアを実現できます。ちなみに3D XPoint SSD単体の性能は60程度となるようです。
速度だけ考えればDRAMのメインメモリなどをキャッシュに使用するほうが高速になることは想像できますが、3D XPoint SSDは前述の通り「不揮発性」のメモリなので3D XPoint SSDをキャッシュとして使用する「Optane Memory」は高い信頼性を備えたストレージの高速化の手法として期待されているようです。
「Intel Optane Memory」はどうやったら使えるの?
Intelによると「Optane Memory」を使用するための3D XPoint SSD「Optane」は既存のNVMe SSDと同じM.2フォームファクタで供給され、接続帯域はPCI-E3.0x4となります。モジュールサイズはM.2-2280とM.2-2242の2種類、メモリ容量は16/32/60/120/180GBがラインナップされるようです。一部情報では17年3月ごろに3D XPoint SSD「Optane」が投入されるとも報じられています。
3D XPoint SSD「Optane」は従来のNVMe M.2 SSDと同じスロットを使用するため、200シリーズチップセットではPCI-Eレーンが100シリーズの20レーンから24レーンに拡張され、マザーボードベンダーも「Optane Memory」を意識しているのですでに発表されている多くのマザーボードで2スロット以上のM.2端子が搭載されています。
そのため基本的にKabyLake CPUと200シリーズマザーボードを購入しておけば3D XPoint SSD「Optane」が発売されたら「Optane Memory」を使用できると考えてOKだと思います。
(注:記事内で参考のため記載された商品価格は記事執筆当時のものとなり変動している場合があります)
スポンサードリンク
果たして180GBの製品でいくらになるのか……。