MASTERCASE MAKER 5t


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グラフィックボードや新コンテンツのCPUクーラー比較レビュー記事をしっかり書けるようにリファレンスPCケースとして「Cooler Master MASTERCASE MAKER 5t」を購入したのでレビューします。
MASTERCASE 5シリーズは国内でもすでに一部モデルが展開されていますが、MAKER 5tは国内未発売のゲーミングPCケースを指向したモデルになっています。国内で発売されている「MASTERCASE PRO 5」や「MASTERCASE MAKER 5」などミドルタワーPCケースのMASTERCASE 5シリーズは共通のシャーシを採用してモジュラーオプションで差別化(カスタマイズ可能に)している製品なので、同シリーズ製品の購入を検討しているユーザーには参考になる部分も多いかと思います。

ちなみに管理人は待ちきれずに米尼から購入しましたが送料がべらぼうに高くなりました。国内でも販売予定はあるそう(噂)なので欲しい人は国内販売開始を待機推奨だと思います。

製品公式ページ:http://www.coolermaster.com/case/mid-tower/mastercase-maker-5t/

MASTERCASE 5シリーズの早見比較表は次のようになっています。MASTERCASE MAKER 5tのシャーシカラーとハンドル以外は全てオプション・スペアパーツで代用可能です。
MASTERCASE 5シリーズの早見比較表
MASTERCASE 5
mc5 (3)
MASTERCASE
 PRO 5
mc5 (4)
MASTERCASE
MAKER 5
mc5 (2)
MASTERCASE
MAKER 5t
mc5 (1)
国内販売 ×
(発売予定あり?)
PCケース
シャーシ
ブラック ブラック ブラック ブラック&レッド
トップカバー
ラジエーター
ブラケット
なし あり あり ハンドル付き
サイドパネル
(M/B側)
スチール製
ソリッドパネル
アクリルパネル アクリルパネル 強化ガラスパネル
サイドパネル
(裏側)
スチール製
ソリッドパネル
スチール製
ソリッドパネル
スチール製
ソリッドパネル
強化ガラスパネル
3.5インチ
ストレージ*3
なし あり あり なし
フロントドアパネル なし なし あり あり
ファン・LED
スプリッタ
なし なし あり あり
LEDテープ&コントローラ なし なし あり あり
ビデオカード
ホルダー
なし なし なし あり

MASTERCASEシリーズは「FreeForm モジュラーシステム」という純正&サードパーティ製のアクセサリパーツを展開しています。このアクセサリは代表的なものはAmazonなどの国内通販でも販売されていますが、欧州向けのCooler Master公式通販がスペアパーツも含めて取り扱いが一番多かったです。
CoolerMaster.eu公式通販のアクセサリ販売ページ
http://www.cmstore.eu/accessories-7/
http://www.cmstore.eu/mastercase/?sort=featured&page=1
http://www.cmstore.eu/maker-made/





レビュー目次


1.MASTERCASE MAKER 5tの梱包・付属品
2.MASTERCASE MAKER 5tの外観
3.MASTERCASE MAKER 5tのPCケーストップ
4.MASTERCASE MAKER 5tの電源・ケース足
5.MASTERCASE MAKER 5tの内部構造の概要
6.MASTERCASE MAKER 5tの裏配線スペース
7.MASTERCASE MAKER 5tのストレージ・ドライブ設置
8.MASTERCASE MAKER 5tのギャラリー
9.MASTERCASE MAKER 5tのレビューまとめ



MASTERCASE MAKER 5tの梱包・付属品

まず最初にMASTERCASE MAKER 5tの梱包や付属品をチェックしていきます。
MASTERCASE MAKER 5tはカラー刷りの専用段ボール箱に入っていました。箱は非常に大きいですが横に持つための穴が開いているので成人男性なら持ち運びにはそこまで苦労しないと思います。製品は固めのスポンジスペーサーでしっかり固定されているので輸送時も安心です。
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パッケージを開くとまずはスポンジスペーサーに置かれた付属品の入った缶ケースとマニュアル・注意書きが出てきます。
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缶ケースの中には各種ネジ類、ケーブルタイ、ガラスパネルのロックキーなど「MASTERCASE MAKER 5t」に必要な付属品が全て収められています。細かいですが開閉式の蓋だと嬉しかったです。
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各種ネジは小分けのビニール袋に入っていますが、ビニール袋に各種ネジの用途が記載されているので何に使うネジなのかわからないということはないと思います。ネジの種類が10くらいあるのに対して、缶ケースの間仕切り部屋が4つしかないのはちょっと微妙ですね。
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他社製品(Phanteks Enthoo EVOLV ATX)の例ですがネジの種類別に完全に小分けできる仕切り付きパックに最初からネジが収納されているとユーザー的にかなり好感が持てるので、MASTERCASE MAKER 5tはちょっと惜しいと感じました。


MASTERCASE MAKER 5tの外観

MASTERCASE MAKER 5tの外観をチェックします。
MASTERCASE MAKER 5tで一番最初に目につく注目ポイントは両サイドパネルが強化ガラス製であることだと思います。完全に透明なガラスではなくブラックスモークになっているので裏配線に雑なところがあっても適度にごまかしてくれますし、マザーボード側は内部からLEDで照らすことではっきりと鑑賞することもできるので嬉しい仕様ですね。
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他社PCケースでは強化ガラスパネルの固定方法としてはネジ止めが最も主流で、Phanteks Enthoo Luxe TGのようなヒンジ付き開閉パネルやIn Win 303のようなワンタッチツールレスタイプなどもありますが、MASTERCASE MAKER 5tでは専用のロックキー&スチールのレールを組み合わせて固定されており、単純なネジ止めよりも着脱が容易な"ツータッチ着脱"構造になっています。
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付属の専用ロックキーを使用してガラスサイドパネルのロックを解除します。専用のロックキーも悪くないですが鍵なしでロックを掛けられる構造でもよかったのでは?とちょっと思わなくもありません。
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詳しくは動画を見てもらうとわかりやすいと思います。


フロントパネルはプラスチック製の軽量なものが使用されています。ラメの入ったようなスチールっぽい表面加工がされているのでパッと見ではプラスチッキーな安っぽさはなく、むしろプラスチック素材を採用したことによる軽量さのメリットを感じました。フロント下部には「COOLER MASTER」のロゴがあります。
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フロントI/O部分は六角錐を切り取った断面のようなデザインになっており、どことなく「COOLER MASTER」ロゴの六角形をイメージしているように見えますね。上下の開口部分はそれぞれトップとフロントの吸気ファンへ繋がっておりエアスリットのないソリッドパネル構造ながら窒息過ぎるということはなさそうです。
フロントI/Oとしては、USB3.0端子が4基、マイク・イヤホン端子、電源・リセットスイッチ、LEDイルミネーション電源スイッチ、ファンコンスイッチ(High/Low)が設置されています。
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4PINペリフェラルから電源をとることでPCケースフロントI/OのLEDが点灯します。
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PCに電源が入るとフロントI/OのLEDが点灯します。


フロントパネルは下部が簡易なヒンジ的構造になっており上部もマグネット固定になっているので、下の写真のように簡単に開閉可能です。開いた状態で上に引き抜くとフロントパネルをツールレスに外すこともできて、開閉・着脱ともに容易な構造でした。
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フロントパネルの開閉と着脱の様子も動画にしています。


フロントパネルの裏にはメッシュ構造の5インチベイパネルと、こちらもフロントパネル同様にツールレスで着脱可能なメッシュ構造のダストフィルターが装着されています。またフロントパネルの裏側には静音のため吸音スポンジが貼られていました。PCケールのリアもチェックすると、トップの吸排気スリット、マザーボード横には最大140mmファンを搭載可能、7段のPCI-Eスロット、ボトムの電源ユニット設置など通気性に優れ最新のPCケーストレンドにも対応していることが伺える構造です。
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フロントパネル裏のダストフィルター着脱の様子は次のようになっています。


MASTERCASE 5シリーズ内でも「MASTERCASE MAKER 5t」独自の特徴としてはトップパネルに設置された持ち運び用のハンドルです。ハンドル部分はゴム製で太さも十分なので重量が10Kgを超えるシステムであっても持ち運びの際に持つ場所に困りません。検証機材として購入したので持ち運びの容易さも重視したため、このハンドル構造がMASTERCASE MAKER 5tの購入の決め手と言っても過言ではありません。ハンドル下スペースはそのまま吸気スリットとして活用されています。
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PCケースのボトム構造は次のようになっています。
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最近のPCケースのトレンドとして底面吸気の電源ユニットを埃から保護する、スライド構造で着脱の容易な防塵ダストフィルターも完備。アクセントカラーの赤色PCケースフットもオシャレです。
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MASTERCASE MAKER 5tのPCケーストップ

MASTERCASE MAKER 5tのPCケーストップは複数のパーツが重なった構造になっているので詳細にチェックしていきます。
まずPCケーストップのフロント側には先にも紹介したPCケース持ち運び用のハンドルが設置されており、ハンドルの直下は吸排気用のエアスリットがありあます。DSC03209
PCケーストップのリア側に目を向けると、マグネット固定で着脱可能なパネルが設置されており、リア側の窪みにツメをかけてパネルを外すと下には吸排気のメッシュエアスリットがありました。ただマグネット着脱のパネルは窪み部分が狭いのでツメの短い管理人にはちょっと外しにくかったです。
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続いてトップパネル外装ですが、材質はフロントパネル同様にプラスチックになっています。こちらも表面加工が綺麗なので安っぽさは感じません。裏面に設置されたマグネットでトップパネルは固定されているので着脱が容易な構造です。
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PCケーストップの外装パネルを取り外すとハンドルパーツが出てきます。
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ハンドルはPCケースサイド2か所とフロント1か所の計3か所のネジ止めに加えてフロント側のひょうたん形の穴にネジ頭をスライドさせて固定する5点止めになっています。
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ハンドルのネジ固定数は実質3つだけなので着脱も容易ですね。ハンドスクリューによる固定なら良かったかもとも思いますが、重いPCケースの持ち運び用ハンドルであることを考えるとドライバーによるネジ固定のほうが信頼性が高いのでこれが正解のようにも思います。
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MASTERCASE MAKER 5tには「MasterCase用 Top Cover Kit(MCA-0005-KTC00)」がデフォルトで搭載されており。ハンドルを外すと水冷ラジエーターに対応したファン&ラジエーターグリルが現れます。製品公式ページでは280サイズのラジエーターに対応と記載されていますが、『maximum 297mm radiator length』とも併記されておりそんな長さの280サイズラジエーターは簡易水冷でも存在しない?はずなので、実際のところトップに設置可能な最大ラジエーターサイズは240mmなので注意してください。140mmサイズの冷却ファンを単純に2つ設置する分には問題ありません。とはいえトップに280サイズラジエーターを設置しても余裕なスペースは確保しておいて欲しかったというのが正直な感想ですね。
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トップのファン・ラジエーターグリルについてはハンドスクリューで簡単に着脱可能です。
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MASTERCASE MAKER 5tをはじめ、MASTERCASE 5シリーズではPCケースシャーシに着脱可能なパーツの固定ネジが各パーツから外れない構造(以降、レビュー記事内では脱落防止機構と呼ぶ)になっており、ネジを紛失しにくいという非常に便利な特徴があります。下の写真のようにネジ頭とネジ山の間にフラットな部分があり、その部分に着脱可能なパーツのネジ穴が挟まっているので逆さにしてもネジが脱落しません。ラジエーターグリルやドライブマウンタなどに頻繁にアクセスする可能性のある個所に採用されおり、こういう配慮はユーザー的に好感が持てます。
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MASTERCASE MAKER 5tの電源・ケース足

MASTERCASE MAKER 5tのケースボトム付近、電源ユニットの設置個所やケース足などをクローズアップしていきます。
まずは電源ユニットの設置についてですが、MASTERCASE MAKER 5tでは最近のPCケースで主流なボトム吸気型の電源ユニットのボトム配置構造を採用しています。ケースボトムから電源ユニットは冷却ファンによって吸気を行うのでスライド式で簡単に着脱可能な防塵ダストフィルターが付属しています。
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単純にPCケース内から電源ユニットを配置して外側からネジ止めするといった構造ではなく、ハンドスクリューによってシャーシに固定する専用のアダプタを電源ユニットにネジ止めして、PCケース後方からスロットインするという構造がMASTERCASE MAKER 5tでは採用されていました。
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先に紹介したラジエーターブラケット同様にアダプタのハンドスクリューは脱落防止機構が備わっています。
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電源ユニットをスムーズに挿入してネジ止めも簡単に行えるように、外部からのスロットイン構造のみならず、PCケース内には電源ユニットのためのレールが設置されていました。アダプタのハンドスクリューの固定が容易なだけでなく大型で重量の大きい電源ユニットを設置してもレールがあると安心ですね。
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実際にPCケースへ電源ユニットを設置してみます。まずアダプタを電源ユニットに装着します。
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あとはPCケース後方からアダプタを装着した電源を挿入してハンドスクリューを締めたら設置完了です。
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200mmの大型電源ユニットでも余裕のある内部スペースが確保されていました。
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続いてPCケース足ですが、意外なことに着脱可能な構造になっていました。PCケースシャーシ側のツメにスライド固定して、2か所のネジで止めるだけという非常に簡単な構造です。加えて足自体は2.0mmあるかないかくらいのスチール板になっており20Kgを超えるようなシステムを構築すると考えるとちょっと不安になります。耐荷重とか大丈夫なんだろうか?
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可能ならキャスター付きで頑丈な足を特注して換装したい。


MASTERCASE MAKER 5tの内部構造

ここまでは外側を中心にMASTERCASE MAKER 5tの特徴をチェックしてきましたが、続いてここからはPCケース内部の構造を細かくチェックしてきます。
まずPCケース内部の俯瞰写真は次のようになっています。マザーボードトレイ等シャーシの一部はグロスがかった赤色になっておりゲーミングPCケースらしいカラーリングです。
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光沢のあるグロッシーな赤塗装のマザーボードトレイとミッドパネルがカッコいい内部構造になっています。ケース内リアには最大140mmのケースファンが設置可能、固定ネジ穴も縦長スリットになっており、簡易水冷ラジエーターなどにも対応可能になっています。
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マザーボード部分の上側と電源部分の下側は赤色のミッドパネルで分断されており、2つのパーティションに分けられています。
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ミッドパネルはマザーボード側と電源ユニット側を完全に分断しているわけではなく、2.5インチストレージマウンタの裏には細長いケーブルホール、中央には2か所にグロメット付きのケーブルホール、前方には大型の水冷ラジエーター設置を考慮したスペースも確保されています。
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MASTERCASE MAKER 5tやMASTERCASE MAKER 5にはフロントパネルでオン/オフ/ブリーディングのコントロールが可能なLEDストリップが付属しており、MASTERCASE MAKER 5tの場合は赤色に発行するものが付属していました。
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マザーボードトレイ右には裏配線用のグロメット付きケーブルホールが3か所用意されています。その隣にはMASTERCASE MAKER 5t用オプションパーツ(EU圏公式通販で個別販売あり)の重量級グラフィックボードの垂れ下がりを防止するホルダーが設置されています。グラボホルダーは高さや奥行も自由に変更可能な構造になっているので可動域にはもちろん限界はありますが、多くのマザーボードやグラフィックボード対応可能な汎用性があると思います。
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3スロット占有の大型クーラーを搭載する「Palit GTX 1070 Super JetStream」もしっかり固定できています。
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あと管理人がPCケースをチェックする時の小姑窓さっし的な項目、PCI-Eスロットの固定ネジとシャーシの干渉についてですが、MASTERCASE MAKER 5tでは固定ネジ上にシャーシが被っておらずしっかりとクリアランスが確保されています。これならドライバーでネジ止めも簡単ですね。
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MASTERCASE MAKER 5tの裏配線スペース

MASTERCASE MAKER 5tのマザーボード側表面の内部構造をざっくりとチェックしたので、次は裏面の裏配線スペースをチェックしていきます。
まずPCケース裏面の俯瞰写真は次のようになっています。
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CPUクーラーバックプレート用のスペースも十分に確保されていました。
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裏配線用スペースの厚みはマザーボードトレイからシャーシの端までで23mmほどとなっていました。狭くはありませんが30mmあると余裕を持った裏配線が可能になると思うのでもう少し厚みがあってもよかったかなと感じます。
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裏配線スペースですが、マザーボードトレイのグロメット付きケーブルホールのすぐ左に、ケーブルを通すための溝が設置されており、溝の上からマジックテープ固定のケーブルタイを締めることができる構造になっています。配線経路として溝を用意するというのはケーブルをまとめ易いので非常にいいアイデアだと思いました。
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MASTERCASE MAKER 5tには専用のファン&LED用の電源スプリッタがマザーボードトレイ裏面に設置されています。スプリッタに接続された機器を動かすには左のSATA電源端子から給電を行う必要があります。このスプリッタには6基の冷却ファンを接続可能で、PCケースフロントのファンコンボタンによってHigh/Lowの2段階速度調整が可能です。
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ファンコン機能は製品ページでは「High(12V)とLow(7V)」の2段階速度調整と書いてあったので単純な降圧型だと思って落胆していたのですが、嬉しい誤算でPWM信号生成型でした。


サーモグラフィを見るとわかりますが、供給電圧が5V下がっている割にはファンコン基板上の最大温度は40度を下回っており最も熱い場所は抵抗ではなくコイルでした。単純な降圧型と違って12Vから7Vまで落としても発熱が小さいので安心して使用できます。

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またLEDケーブルについても4基接続可能になっていますがコネクタが独自規格なので汎用性については微妙です。最近は汎用品のRBG対応4PIN LEDテープに対応したマザーボードが増えているので、DC12VだけSATAから取って、RGB信号をマザーボードのソースから各LEDテープに分岐させるようなスプリッタへのマイナーバージョンアップを期待したいです。
あとスプリッタのSATA電源とは別に、先に説明したフロントパネルのLED用に4PINペリフェラルが必要になるというのが冗長に感じました。スプリッタ側にフロントパネルのLEDへ給電を行える端子を用意しておいて欲しいところ。


MASTERCASE MAKER 5tのストレージ・ドライブ設置

MASTERCASE MAKER 5tのストレージ設置可能スペースをチェックしていきます。
まず一番最初に目につく場所としては、ミッドパネル上に脱落防止機構を備えたハンドスクリューで固定する「スリップ・アンド・クリップポケット」と呼ばれる2.5インチストレージトレイが2基設置可能になっています。
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同じストレージトレイを使用して、マザーボードトレイ背面にも2基の2.5インチストレージが搭載可能になっています。PCケースには同トレイは2個しか付属しませんが、オプションパーツとして1つ700円程度で購入可能になっています。
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電源ユニット側の下パーティションの前方には3.5インチストレージを2基搭載可能なストレージマウンタが設置されています。
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3.5インチストレージトレイはプラスチック製で、3.5インチストレージをツールレスに固定可能です。
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シャドウストレージマウンタは、3.5インチストレージ*2マウンタと台座の組み合わせになっており、台座は単体でも使用可能で、水冷ポンプなどの設置スペースとして使用できます。固定ネジはいずれも脱落防止機能付きのハンドスクリューです。
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ネジによる固定は表面だけで背面はツメを引っかけるだけのお手軽な固定方法になっています。台座自体は右に2つズラして固定できるようになっています。
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ボトムのシャドウベイを取り外すことで下パーティションのスペースが拡張されフロントに大型の水冷ラジエーターも搭載可能になります。
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最近では撤廃するメーカーも増えてきている光学ドライブなどを設置可能な5インチストレージトレイが2基搭載されているのも注目ポイントだと思います。
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5インチドライブの固定方法は専用のスライドロック構造になっています。
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5インチストレージトレイはマザーボード側と裏配線側の2か所ずつ径4か所のハンドスクリューで固定されています。なお5インチストレージトレイでは脱落防止機構は採用されていません。
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あと付属のアダプタを使用することでファンコンなどの5インチベイパーツも利用可能です。アダプタについては固定穴ではなく横長スリット穴で自由度を設けて欲しかったのと、5インチベイが2か所あるのにアダプタが1セットしか入っていなかったのがちょっと不満点です。
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MASTERCASE MAKER 5tのギャラリー

最後にMASTERCASE MAKER 5tを使って簡単に自作PCを組んでみたのでそのギャラリーを掲載しておきます。構成パーツには1月に発売したばかりのKabyLake CPU対応マザーボード「ASUS ROG MAXIMUS IX FORMULA(レビュー記事)」などを使用しています。
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今回、MASTERCASE MAKER 5tのレビュー用に自作PC構成パーツとして次のパーツを使用しました。
Cooler Master MASTERCASE MAKER 5t 自作PC
OS Windows10 Home 64bit<販売ページ
15,000
CPU Intel Core i7 7700K
レビュー記事><販売ページ
43,000
CPUクーラー Cooler Master MasterLiquid Pro 120
レビュー記事><販売ページ
12,000
メモリ Corsair Dominator Platinum
Special Edition Blackout, 8GB*4 =32GB
45,000
マザーボード ASUS ROG MAXIMUS IX FORMULA
レビュー記事><販売ページ
50,000
GPU Palit GTX 1070 Super JetStream
NE51070S15P2-1041J
レビュー記事><販売ページ
47,000
PCケース Cooler Master MASTERCASE MAKER 5t
商品公式ページ
249ドル
システムストレージ Samsung 960 PRO 512GB NVMe M.2 SSD
レビュー記事><販売ページ
39,800
電源ユニット
(スリーブケーブル)
Corsair RM650i GOLD認証
販売ページ><レビュー
(BitFenix ALCHEMY 2.0 Cable Kit for Corsair
販売ページ><レビュー>)
19,000
(9,000)

まずはPCケース内部の表裏の俯瞰写真がこちら。システム全部組み込んでガラスパネルも装備すると20Kg近くなりますがケーストップのハンドルのおかげで持ち運びにも困りません。
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ミッドパネルで分けられたパーティションのうち上側にクローズアップしてみました。
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簡易水冷クーラー「Cooler Master MasterLiquid Pro 120」を使用するとCPU周辺はこんな感じになります。
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公式ページのサンプルイメージではリアにラジエーター&冷却ファンが設置されていましたが、ファン1基の構成ならトップにも設置可能です。
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グラボホルダーは重量級グラフィックボードでも安心ですし、ミッドパネルに設置されたケーブルホールはマザーボード下部の内部USB端子やフロントI/O端子接続するケーブルマネジメントに便利です。
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電源を入れるとこんな感じになります。
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背面もマジックテープ式のケーブルタイや幅広のグロメット付きケーブルホールで裏配線の構築が捗ります。
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両サイドともにサイドパネルは暗めのブラックスモークガラスになっています。スモークガラスの恩恵で裏面は雑な裏配線をしても見た目が悪くなる心配がありません。
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フロント側にガラスパネルを装着して電源を入れた写真がこちら。ブラックスモークガラスが暗めなので中はっきり一望できるようにしたい場合はオプションのLEDテープを使うかASUS AURAやMSI Mystic Lightで汎用RGB 4PIN LEDテープを接続して、PCケース内部の光量を確保する必要がありそうです。
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MASTERCASE MAKER 5tのレビューまとめ

最後にフルモジュラーPCケースMASTERCASE 5シリーズのゲーミングモデル「Cooler Master MASTERCASE MAKER 5t」を検証してみた結果のまとめを行います。簡単に箇条書きで以下、管理人のレビュー後の所感となります。

良いところ
  • 表面塗装で高級感を保ちつつ軽量なプラスチック製のフロント&トップパネル
  • ゲーミングPCケースらしいブラック&レッドのツートンカラー
  • PCケーストップに持ち運び用のラバーハンドルがある
  • ロックキーでツータッチ着脱の可能な両サイド強化ガラスパネル
  • マグネットやハンドスクリューが多用されておりツールレスに弄れる
  • ハンドスクリューの脱落防止機能
  • 電源ユニットのレール付きスロットイン構造
  • 裏配線でケーブルの経路になっている溝とマジックテープケーブルタイの組み合わせは秀逸
  • PCIスロット固定ネジ直上のクリアランス確保
  • トップには最大240、フロントには最大280サイズの水冷ラジエーターを設置可能
  • 専用ビデオカードホルダーで重量級グラボの垂れ下がりを防止できる
  • MASTERCASE 5シリーズ用の純正&サード製のアクセサリが豊富に展開されている
  • PWM信号生成型の2段階調整ファンコン搭載ファンスプリッタ
悪いところor注意点
  • ケーストップのラジエータ―グリルが280サイズに実際は非対応
  • PCケース足が見るからに貧弱で耐荷重が不安
  • 裏配線スペースは23mmで狭くはないもののできれば30mm欲しかった
  • LEDスプリッタは規格を「ASUS AURA Sync」や「MSI Mystic light」に合わせて欲しい
  • MAKER 5が2.4万円、MAKER 5tが249ドルと高価

MASTERCASE MAKER 5tはそもそも今後のCPUクーラー&グラフィックボードの冷却性能検証に使用するリファレンスPCケースとして使用するため検討したPCケースということもあり、下調べをしまくった上で購入したので概ね期待通りの製品でした。

実物をチェックしてみないとわからないこととして「ケーストップのラジエータ―グリルが280サイズに実際は非対応」「PCケース足が見るからに貧弱で耐荷重が不安」の2点は予想できなかったマイナスポイントでしたが、実用上致命的な問題でもないのでOKです。逆にPWM信号生成型のファンコン機能や裏配線のケーブルガイドに使える溝など予想外のプラスポイントもありましたし。

MASTERCASE MAKER 5tは一見最近流行のフラットケースに見えるので窒息ケースかと思いきや、六角形で大胆にカットされた開口部から十分な吸排気が可能になっています。

検証機材なので写真撮影の際など持ち運ぶ機会も多いため大型のラバーハンドルが搭載されているのは非常に便利ですし、ロックキーを使用した”ツータッチ”着脱可能な両面ガラスパネルの使用感も良好でした。

ミドルタワーPCケース「MASTERCASE 5」シリーズはPCパーツメーカーの老舗「Cooler Master 」が同社のメーカー名の一部を与えて展開しているブランドだけあって、カスタマイズ性やメンテナンス性などユーザビリティーに富んだ構造になるようメーカーが徹底して練りこみ工夫を凝らして設計されたことが触っていて肌で感じるようなPCケースでした。ユーザービリティーや基本的な機能性を確保したうえで似たり寄ったりになりがちなミドルタワーPCケースに独自色の強いデザインを持ってきたところもポイントが高いと思います。

「MASTERCASE MAKER 5t」だけでなく、国内ですでに発売中の「MASTERCASE MAKER 5」も基本構造は同じなのでミドルタワーPCケースをお探しならお勧めできる製品だと思います。

以上、MASTERCASE MAKER 5tのレビューでした。
MASTERCASE MAKER 5t








(注:記事内で参考のため記載された商品価格は記事執筆当時のものとなり変動している場合があります)



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