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1月6日のIntel最新CPUとなる第7世代KabyLakeの発売から一月ほど遅れて国内でも2月11日発売予定となっているIntel公式の倍率変更オーバークロックに対応した「Intel Core i3 7350K」を個人輸入で一足早く入手できたのでレビューします。

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Intel Core i3 7350K レビュー目次
1.i3 7350Kの比較レビューの検証機材とセットアップ
2.Intel Core i3 7350Kのオーバークロック
3.Intel Core i3 7350KのCPU性能比較
4.Intel Core i3 7350Kのグラフィックベンチ比較
5.Intel Core i3 7350Kのゲーム性能比較
6.Intel Core i3 7350Kのレビューまとめ
i3 7350Kの比較レビューの検証機材とセットアップ
まず最初にi3 7350Kの比較レビューを行うにあたって検証機材の紹介をしておきます。「Intel Core i3 7350K」は2コア4スレッドでハイパースレッディングに対応したCPUになっており、CPUコアクロックはKabyLake世代のi3 CPUで最高となる最大4.2GHzとデフォルトで非常に高い数値です。
比較用のCPUには手持ちにストックのあった前世代のi5 CPUでi5 6400(4コア4スレッド、全コア同時ターボクロック3.1GHz)を使用しました。

KabyLakeではヒートスプレッダの形状が若干変更されており、SkyLake同様に2段構造ですが上段の上下中央部分に出っ張りが出ておりCPUの着脱が容易になるよう改良されています。
以下が今回使用した検証機材です。
テストベンチ機の構成 | |
CPU | Intel Core i3 7350K Intel Core i5 6400 |
CPUクーラー | Intel TS15A (レビュー) |
マザーボード | ASUS ROG STRIX Z270G GAMING (レビュー) |
メインメモリ | G.Skill TridentZ 8GB*4 =32GB F4-3333C16D-16GTZ ×2 |
ビデオカード | EVGA GTX 1060 SC (レビュー) |
システムストレージ |
Samsung 960 PRO 512GB NVMe接続M.2 SSD (レビュー) |
ゲーム用ストレージ |
PNY SATA SSD 960GB SSD7CS1311-960-RB |
OS | Windows10 64bit Home |
電源ユニット | Corsair RM650i (レビュー) |

CPU熱伝導グリスには当サイト推奨で管理人も愛用しているお馴染みのクマさんグリス(Thermal Grizzly Kryonaut)を塗りました。熱伝導効率も高く、柔らかいグリスで塗布しやすいのでおすすめです。

グリスを塗る量はてきとうでOKです。管理人はヘラとかも使わず中央山盛りで対角線だけ若干伸ばして塗っています。特にThermal Grizzly Kryonautは柔らかいグリスでCPUクーラー固定時の圧着で伸びるので塗り方を気にする必要もありません。

以上で検証機材のセットアップが完了となります。

Intel Core i3 7350Kのオーバークロック
検証機材のセットアップが完了したので、早速Intel Core i3 7350Kの動作検証を行いました。今回管理人が入手した個体はコア電圧最大1.04V程度で定格動作となっていました。

Intel Core i3 7350Kが定格動作時にCinebenchのスコアは451でした。

コアクロックのOCをBIOSから簡単に行ったところ、今回管理人が入手したi3 7350Kの個体では5.0GHzで安定動作させるためには1.4Vほどコア電圧が要求されました。(1.38Vではエンコードのストレステスト中にBSOD)
SkyLake世代でi5 6600Kとi7 6700KのOCを行った時も同じ動作クロックでは6700Kのほうが低い電圧で同じ動作クロックをクリアできたので、KabyLakeについても同じ傾向にあり、i7 7700Kの5.0GHzよりもi3 7350Kの5.0GHzのほうが高いコア電圧を要求するようです。



定格同様にCinebenchのスコアを測ってみたところ、i3 7350Kの5.0GHzで527となり、定格の451から比較してほぼコアクロックに比例する形でスコアが伸びました。

続いてこのOC設定を使用してストレステストを実行しました。
検証方法については、FF14ベンチマークの動画(再生時間8分、WQHD解像度、60FPS、容量4.7GB)でAviutl+x264を使ってエンコードを行いました。エンコード時間はi3 7350K定格で44分ほどです。
注:CPUのストレステストについてはOCCTなど専用負荷ソフトを使用する検証が多いですが、当サイトではPCゲームや動画のエンコードなど一般的なユースで安定動作すればOKとういう観点から管理人の経験的に上の検証方法をストレステストとして採用しています。
ストレステスト中のCPU温度、CPU使用率、ファン回転数のログは次のようになりました。冷却性能が比較的高くないTS15Aをファン回転数3000RPMで冷やしてコア温度の最大値が79度程度なので、ミドルクラスの120mmファン搭載サイドフローCPUクーラーでも冷却は間に合う程度の発熱だと思います。

Intel Core i3 7350Kの定格やOC時の消費電力をBluetooth接続でスマホから消費電力を見れるワットチェッカーを使って測定しました。Intel Core i3 7350Kの定格では公式TDPの60Wに近い66Wとなり、5.0GHzにOCすると消費電力は跳ね上がって100Wを超えました。


Intel Core i3 7350KのCPU性能比較
Intel Core i3 7350Kの定格と5.0GHz OCに加えてi5 6400の3者でCPU性能を比較してみました。まずはCineBenchのスコア比較が次のようになっています。

またOC時のストレステストで使用した動画のエンコード時間を同じく比較したところ、i3 7350Kの5.0GHz OCは37分48秒、i3 7350Kの定格は44分26秒、i5 6400は38分18秒となりました。比較結果をまとめたグラフは次のようになっており各CPUによるエンコード性能は概ねCinebenchのスコア比較と一致します。

実用的にCPU性能の差が大きく出る動画のエンコード性能比較においてはi3 7350Kを5.0GHzまでOCを行ってやっと3.1GHzのi5 6400を軽く超える程度となっており、コスパ的にもワッパ的にもあまりうまみはありません。
Intel Core i3 7350Kのグラフィックベンチ比較
Intel Core i3 7350Kの定格と5.0GHz OCに加えてi5 6400でグラフィック系のベンチマークソフトを使用してグラフィック性能を比較してみました。まずは3DMark FireStrikeのスコア比較が次のようになっています。FireStrikeを比較で使う時は普段あまりPhysicsスコアには注目しないのですが、FireStrikeにおけるCPU性能テスト的なPhysicsでi5 6400よりもi3 7350Kの定格のほうが性能が高いのは意外でした。
![]() |
|||
i3 7350K 5GHz | i3 7350K | i5 6400 | |
総合スコア | 10606 | 10024 | 10301 |
グラフィック | 13755 | 13743 | 13643 |
Physics | 8588 | 7245 | 6987 |
3DMark TimeSpyのスコア比較が次のようになっています。
![]() |
|||
i3 7350K 5GHz | i3 7350K | i5 6400 | |
総合スコア | 4074 | 3954 | 4083 |
グラフィック | 4299 | 4293 | 4295 |
CPU | 3145 | 2733 | 3192 |
続いてVRMarkの現行VRゲームへの対応を調べるOrengeRoomのスコアを比較しました。
![]() |
|||
i3 7350K 5GHz | i3 7350K | i5 6400 | |
スコア | 7309 | 7065 | 7331 |
Intel Core i3 7350Kのゲーム性能比較
Intel Core i3 7350Kの定格と5.0GHz OCに加えてi5 6400の3種類について2017年のミドル帯グラフィックボードGTX 1060を組み合わせてフルHD解像度で実ゲームの性能を比較してみました。GTA5のゲーム内ベンチを使用したフレームレートの比較は次のようになりました。終盤の街中を車で爆走するシーンでは7350K 5.0GHzと6400に対して、7350Kの定格は若干フレームレートが低くなりました。

The Witcher3のノヴィグラドの広場から橋までの往復を走ってフレームレートを比較したところ次のようになりました。The Witcher3はフレームレートが上がってくるとCPUボトルネックの出やすいゲームなのですが、60FPS以下であればi5 6400でもi3 7350Kでも大差はないようです。

The Divisionでもゲーム内ベンチマークを使用してフレームレートを比較してみました。こちらもCPU別で大差のないという結果になっています。

最後に上の3つのゲームについて各CPUでロード時間の比較を行いました。ゲームのロード時間についてはThe Witcher3がコアクロック別で若干差がある、GTA5はどれも大差なし、The Divisionは7350Kの定格のみ遅いという結果になりましたがそこまで大きい差は出ませんでした。

Intel Core i3 7350Kのレビューまとめ
Intel公式の倍率変更オーバークロックに対応した初のi3 CPUである「Intel Core i3 7350K」をi5 6400と比較レビューしてみましたが、CPU性能については5GHz OCでi5 CPUの末席に名を連ねるi5 6400とほぼ同性能となり、ゲーム性能についてはフルHD解像度の60FPSターゲットであれば定格でも5GHz OCでもi5 6400とは大差がないという結果になりました。
ゲーム用CPUにはi5 CPU以上が鉄板と考えていたのですが、2コア4スレッドのi3 CPUシリーズでも普通に通用するという意外な結果になり少し驚きました。
正確な比較が難しかったのでデータは上げていませんが、i3 CPUの場合はi5やi7 CPUに比べてPCのシャットダウンや再起動にかかる時間が長い場合がありましたが、その他の実用面において通常使用でi5やi7に比べて重いと感じるような場面はありませんでした。
KabyLake世代のi3 CPUは4GHz台の高クロックで動作していますし、ミドル帯グラボと組み合わせてフルHD解像度用の安価なゲーミングPCを組むならかなりコスパの高いCPUだと見直しました。
一方で肝心のK付きで倍率アンロックな点については、個体差はあるもののおそらく「i3<i5<i7」の順に低電圧でも回るようなので単純に高クロックを目指したいならi3 7350Kを購入する意味はあまりないように感じました。OCerは素直に最上位の7700Kを買え、という天の声が聞こえます。
もともと4.2GHzと高い動作クロックになっているので0.8GHz上げるためにi3 7350Kを購入するよりは、似たような価格で4コアCPUのi5 7500などを購入したほうが全体的な性能の底上げになって幸せになれるという当初の考えは検証後も変わりませんでした。
i5 CPUを普通に購入可能な2.2~2.3万円というi3 7350Kの価格もネックだと思います。i3 7350Kは定格ターボクロックが4.2GHzで、5.0GHz OCの常用も可能なので、1~2コアにしか負荷のかからないソフトやゲームには強いかもしれませんが、最近は多コア多スレッドへの対応も進んでいるのであえてi3 7350Kを選ぶ意味があるか?というと微妙な気がします。とはいえ7350K定格の性能から類推するに2万円以下の7300や1.5万の7100などは非常にコスパが高いことが予想されるので、下位のi3シリーズはおすすめできますね。
以上を短くまとめると、
KabyLake世代のi3 CPU自体は一般ユース・PCゲーム(フルHD・60FPSターゲット)共に必要十分な性能でコスパが高くておすすめですが、Core i3 7350Kについては、価格的に上位のi5を買ったほうが幸せになれるし、OCerは最上位のi7 7700Kのほうが高クロックを回しやすいので買う意味があまりありません。「Intel Core i3 7350K」は2万円前半でアンロックOCを試してみたいというニッチな層向けのCPUでした。
2017年のCPU選びでは「コスパのi3、万能なi5、ハイエンドのi7」のような住み分けを考えればよさそうです。
以上、「Intel Core i3 7350K」の比較レビューでした。

【余談】
CPU別の検証は初めてだったので検証方法や結果が正しいかのチェックなどにもかなり時間がかかったため、今回はCPU(OC含む)別の3種とゲーム3種でしか検証できませんでしたが、後日i7 7700Kを加えてバトルフィールド1やWatch Dogs_2など16年後半に発売された最新ゲームなども加えて再度検証してみようと思います。
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(注:記事内で参考のため記載された商品価格は記事執筆当時のものとなり変動している場合があります)
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