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エルザ ジャパンから1スロットサイズの超薄型冷却ファンを搭載した「ELSA GeForce GTX 1050 Ti 4GB SP (型番:GD1050-4GERSPT)」のレビュー用サンプルをお借りできたのでレビューします。

2,3年前に発売されたGTX 750 Tiの1スロット以来、NVIDIA GeforceのGPUを積んだ久々のシングルスロットグラフィックボードになります。GTX 750 Tiの1スロットから乗り換え予定の多いであろう「ELSA GeForce GTX 1050 Ti 4GB SP」(以下、ELSA GTX 1050 Ti 4GB SPに省略)の性能をチェックしていきます。
製品公式ページ:http://www.elsa-jp.co.jp/products/products-top/graphicsboard/geforce/midrange/geforce_gtx1050ti_4gb_sp/

ELSA GeForce GTX1050Ti 4GB SP 1スロットファン GD1050-4GERSPTAmazon.co.jpで詳細情報を見る
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エルザ(2017-02-24)<
ELSA GTX 1050 Ti 4GB SP レビュー目次
1.ELSA GTX 1050 Ti 4GB SPの外観
2.ELSA GTX 1050 Ti 4GB SPのセットアップ
3.ELSA GTX 1050 Ti 4GB SPのゲーム性能
4.ELSA GTX 1050 Ti 4GB SPの温度・消費電力
5.ELSA GTX 1050 Ti 4GB SPのレビューまとめ
ELSA GeForce GTX 1050 Ti 4GB SP の外観
早速、ELSA GTX 1050 Ti 4GB SPを開封していきます。キャラメル箱型の外箱の中に段ボールの内パッケージが入っています。内パッケージを開くとグラフィックボード本体はスポンジ製スペーサーで固定された段ボールの四角筒の中に静電防止ビニールに入れられた状態で収められていました。


サンプル品には簡易マニュアル、ドライバCDなどの付属品は入っておらずグラフィックボード本体のみでした。製品版では製品保証書、日本語版インストールガイド、日本語ドライバ操作マニュアル、ドライバ案内チラシなどが付属します。
公式では同製品のグラフィックドライバはELSAの公式サポートからのダウンロードが推奨されています。
ELSA公式サポートページ:http://www.elsa-jp.co.jp/
GeForce GTX 1050 Tiの最新ドライバが必要な場合はNVIDIA公式からダウンロードしてください。
NVIDIA公式ドライバ:http://www.nvidia.co.jp/Download/index.aspx?lang=jp

ELSA GTX 1050 Ti 4GB SPの俯瞰写真は次のようになっています。
GPUクーラーの外装には重厚感のある金属が用いられており、カラーは黒色ですが指紋の付きにくい塗装です。外装表面は予め凹凸のある加工になっているので傷が目立ちにくくなっています。

グラフィックボードの背面にはバックプレートもなく、基板はむき出しの状態です。

PCI-E端子とビデオ出力には保護カバーが装着されていました。エントリーGPUでも保護カバーがあるのは嬉しいですね。

ビデオ出力はHDMI2.0、DisplayPort1.4、DVI-Dの3系統とGTX 1050 Ti搭載グラフィックボードとしては標準的な構成になっています。HDMIとDPは4K・60FPSのビデオ出力にも対応しているので、750Tiを搭載した旧モデルから買い替え予定のユーザーには魅力的なアップグレードだと思います。

PCIスロットの1スロットに収まるスリムなグラフィックボードです。GTX 1050 Tiグラフィックボードなので補助電源もありませんし、既存のPCへの換装にも幅広く対応できます。

グラフィックボード長はPCIスロットから210mmほどとなっており、GPUクーラーの冷却ファンにはPCIブラケットの高さを超えない最大サイズの90mmファンが搭載されています。

ただ外観をチェックしていて2点ほど気になったところがありました。
まず1点目ですが、「ELSA GTX 1050 Ti 4GB SP」はグラフィックボード長が200mmを超えています。200mmを超えたあたりから長さ方向で干渉するケースも増えてくるのでこの点は少しネックかもしれません。
「ELSA GTX 1050 Ti 4GB SP」のボード長は211mmで750Tiを搭載した同社の旧モデル「ELSA GeForce GTX 750 Ti SP 2GB」のボード長が184mmなので20mmほどボード長が長くなっています。


実物の比較写真が次のようになっています。


実機をチェックしていて気になったところのもう1点についてですが、GPUクーラーの右端のサンプルイメージでは放熱フィンに見えたところが実はただのプラスチックカバーでした。


750Tiの旧モデルでは冷却ファンの左右からヒートシンクのアルミフィンを抜けて冷却する構造になっていましたが、ELSA GTX 1050 Ti 4GB SPでは冷却ファンの左側のみにエアが抜ける構造になっています。

冷却風の抜ける方向が片側だけになっており、クーラー外装のエアスリットも面積が狭いので通気性も気になるところです。


グラフィックボードの重量についてはELSA GTX 1050 Ti 4GB SPが367gに対してELSA GeForce GTX 750 Ti SP 2GBは358gとなっており、面積の大きいGTX 1050 Tiはスチール外装の分で重いはずですが、750 Tiよりも9gしか重くないというのはヒートシンクの大きさ的に大丈夫なのか?とかなり気になります。


なおELSAへ確認したところ、『ボード長についてはGTX 750 Tiに比べてGTX 1050 Ti はTDPが15W上昇しているので、それを冷却するためにファンの大口径化などを行なっている』、『逆にボード重量については、PC装着時に「たわみ」など発生しないように軽く設計している』とのことでした。
ELSA GTX 1050 Ti 4GB SPの外観をチェックして、1スロットにしっかりと収まるスリムグラフィックボードであるところは予想通り満足いくものでした。ただ旧モデルからのGPUクーラーの変更について、冷却ファンの径は大きくなっているもののヒートシンクの面で不安が残りました。後述する温度検証ではTDPの上がったGTX 1050 Tiを新型クーラーが冷却できているのか見ていきます。
ELSA GTX 1050 Ti 4GB SPのセットアップ
外観やハードのチェックはこのあたりにして早速、ELSA GTX 1050 Ti 4GB SPを検証用の機材に組み込みました。テストベンチ機の構成は次のようになっています。テストベンチ機の構成 | ||
ベンチ機1 (理想性能測定)![]() |
ベンチ機2 (実用温度測定)![]() |
|
OS | Windows10 64bit Home | |
CPU | i7 6700K core 4.2GHz, cache 4.1GHz |
i7 7700K |
M/B | ASRock Z170M OC Formula (レビュー) |
ASUS ROG MAXIMUS IX FORMULA (レビュー) |
メインメモリ | G.Skill Trident Z F4-3200C16Q-32GTZKY DDR4 8GB*2=16GB (レビュー) |
Corsair Dominator Platinum Special Edition DDR4 8GB*4=32GB (レビュー) |
CPUクーラー | Intel TS15A (レビュー) | |
システムストレージ | Crucial MX300 SATA M.2 SSD 1TBCT1050MX300SSD4 | Intel SSD 540シリーズ SATA M.2 SSD 240GB |
電源ユニット | Corsair RM650i (レビュー) |
Corsair HX1200i (レビュー) |
PCケース/ ベンチ板 |
STREACOM BC1 (レビュー) |
Cooler Master MASTERCASE MAKER 5t (レビュー) |


ELSA GTX 1050 Ti 4GB SPではPC起動時のPOSTでOPTION ROMが表示されました。

ELSA GTX 1050 Ti 4GB SPのGPU-Z情報はこちらになっています。
ELSA GTX 1050 Ti 4GB SPは1スロットGPUクーラー搭載スリムモデルながら、コアクロックはリファレンス定格と同じく1392MHzになっています。GTX 1050 TiグラフィックボードなのでVRAM容量は4GBとなっており、7000MHzのVRAMチップが採用されていました。

GTX 1050 Tiの廉価なモデルは冷却ファンの電源端子がDCの2PINのみでファン回転数のタコメーターやPWM速度調整端子がなく、回転数の検知ができず速度調整範囲の狭いものも多いですが、ELSA GTX 1050 Ti 4GB SPはファン回転数の検知可能かつPWM速度調整に対応でレンジの広いファンスピード設定が可能です。
ELSA GTX 1050 Ti 4GB SPのゲーム性能
ELSA GTX 1050 Ti 4GB SPの性能を測るべく各種ベンチマークを実行しました。性能比較には補助電源不要なグラボ縛りでGTX 750Tiから「ELSA GeForce GTX 750 Ti SP 2GB」、GTX 950から「ZOTAC GTX 950 2GB LowPower」、RX 460から「GIGABYTE RX 460 WINDFORCE OC 4GB」を使用しました。


まずはFF14ベンチのフルHDの高品質と最高品質のスコアは次のようになっています。ELSA GTX 1050 Ti 4GB SPではフルHD・最高品質でもスコアは8000に近い値となり「非常に快適」の評価を獲得しています。GTX750Ti搭載の旧モデルは4400程なので倍近いスコアをはじき出しています。


GTX 1050 Ti搭載グラフィックボードならNVIDIAのプレイ動画録画機能「ShadowPlay」が使用できます。FF14ベンチのフルHD・最高品質でプレイ動画の録画を行ってもパフォーマンスの低下は5%程度と非常に軽量な録画機能なので快適にプレイをしながらプレイ動画の作成が可能です。
FireStrikeとFireStrike Extremeのベンチマーク比較になります。
![]() |
||
FireStrike | Extreme | |
ELSA GTX 1050 Ti 4GB SP | 7731 | 3612 |
RX 460 4GB GIGABYTE | 5556 | 2482 |
GTX 950 2GB LowPower | 5822 | 2688 |
ELSA GTX 750 Ti 2GB SP | 4507 | 2085 |
3DMarkの最新DirectX12ベンチマーク「TimeSpy」の性能比較となります。
![]() |
|||
TimeSpy | Asyncなし | 性能比 | |
ELSA GTX 1050 Ti 4GB SP | 2298 | 2118 | 105% |
RX 460 4GB GIGABYTE | 1715 | 1646 | 104% |
GTX 950 2GB LowPower | 1673 | 1681 | 100% |
ELSA GTX 750 Ti 2GB SP | 1238 | 1243 | 100% |
続いて実ゲームを用いたベンチマークになります。解像度は全てフルHDを選択しています。
ベンチマーク測定を行ったタイトルは、The Division(中設定)、Grand Theft Auto V(グラフィック設定)、Assassin's Creed Syndicate(低設定)、Mirrors Edge Catalyst(中設定)、The Witcher3(グラフィック設定)、DARK SOULS III(高設定)、Rise of the Tomb Raider(DX12、中設定、AAなし)、Battlefield 1(高設定)、Gears of War 4(中設定)、Titanfall 2(グラフィック設定)、For Honor(標準設定)、Deus Ex: Mankind Divided(中設定、AAなし)、OverWatch(ウルトラ設定)以上の12タイトルです。
The Divisionの中設定のベンチマーク比較です。

GTA5のベンチマーク比較は次のようになっています。このグラフィック設定を使いました。

Assassin's Creed Syndicateの低設定のベンチマーク比較です。

Mirrors Edge Catalystの中設定のベンチマーク比較です。

The Witcher3のベンチマーク比較は次のようになっています。このグラフィック設定使いました。

Dark Souls IIIの高設定のベンチマーク比較です。

Rise of the Tomb Raiderの中設定(AAなし、DX12)のベンチマーク比較です。

Battlefield 1 (DX11)の高設定のベンチマーク比較です。

Gears of War 4 (DX12)の中設定のベンチマーク比較です。

Titanfall 2のベンチマーク比較は次のようになっています。このグラフィック設定使いました。

For Honorの標準設定のベンチマーク比較です。

Deus Ex: Mankind Dividedの中設定(AAなし、DX12)のベンチマーク比較です。

OverWatchのウルトラ設定のベンチマーク比較です。

(トレーニングの練習場を1分ほどランニングして測定しているので実際は結果よりもパフォーマンスが多少下がると思います)
GTX 1050 Ti、RX 460、GTX 950(補助電源不要)、GTX 750 Tiの4種類についてGTX 750 Tiを基準に実ゲーム性能の比率の平均を出したところ、GTX 1050 TiはGTX 750 Tiよりも64%も高性能でした。

ELSA GTX 1050 Ti 4GB SPの温度・消費電力
ELSA GTX 1050 Ti 4GB SPの負荷時のGPU温度とファンノイズを検証しました。温度とファンノイズの検証負荷としてはFF14ベンチを使用しており、その結果は次のようになっています。ELSA GTX 1050 Ti 4GB SPのブーストクロック仕様値は1392MHzでしたが、実働ブーストクロックの平均値は1666MHzでした。ELSA GTX 1050 Ti 4GB SPは1スロットのスリムGPUクーラー搭載ですがベンチ板計測では負荷時でGPUコアの最大温度71度になりました。さすがに2スロット占有のグラフィックボードと比較すると冷却性能では劣りますが、実用上は問題ない温度だと思います。

スマホで使用できるサーモグラフィカメラ「FLIR ONE」を使用してゲーム負荷時のグラフィックボード上の各所の温度をチェックしました。
表面を見ると基板のある左側はクーラー外装の温度も50度を超えており、触ったら当然ですが熱かったです。背面を見るとGPUコア周辺は69度です。GTX 10XXシリーズではお馴染みですがGPUコアよりも熱くてVRM電源部分は70度後半になっています。とはいえこの程度の温度なら壊れる心配はないと思います。ただコンパクトPCケースに入れる場合は少し注意が必要かも。


またベンチ機2のPCケースに組み込んでFireStrikeグラフィックテスト1を1時間に渡ってループさせて実用の冷却性能を確認してみました。PCケースに入れて長時間負荷をかけても最大温度は75度でした。

サウンドレベルメーター(騒音計)をレビュー用に導入したのでそちらで相対的にファンノイズの大きさを比較しました。ノイズレベルの測定には「サンワダイレクト 400-TST901A」を使用しています。安価で測定値の校正も厳密にはされていない機器なので測定値自体にはあまり意味がありません。あくまで当測定環境における相対的なファンノイズの比較になるのでその点には留意してください。また同じ騒音値でも音の種類によって耳障りであったり、さほど気にならなかったりもします。
管理人の所有しているグラフィックボードをいくつか見繕い、サウンドレベルメーターを利用してゲーム負荷時のノイズレベルを測定・比較しました。

ノイズレベルの測定結果は次のようになっています。測定日時による外部ノイズの影響を考慮してテストベンチ機の電源OFF時のノイズレベルも併記しています。

ELSA GTX 1050 Ti 4GB SPはベンチテーブルに置いて真横で聞いていればファンノイズも聞こえますが、PCケースに入れてしまえば聞こえるものの不快感を感じない程度のファンノイズだと思います。
続いてELSA GTX 1050 Ti 4GB SPの消費電力と瞬間的な最大電源負荷を測定しました。測定にはCorsair RM650i電源ユニットのCorsair Linkによる電力ログ機能を用いてコンセントからの出力ではなく変換ロスを差し引いた純粋な検証システム全体への入力電力をチェックしています。また測定方法は「FireStrike Extremeのグラフィックテストを3回行い、その際の平均値を消費電力に、最大値を瞬間的な最大電源負荷」としました。測定結果は次のようになっています。

ELSA GTX 1050 Ti 4GB SPの消費電力は106Wで補助電源不要なGTX 950よりも10W消費電力が小さいという結果になりました。瞬間的な最大電源負荷も124WとなりGTX950より6W小さくなっています。TDP120WのEVGA GTX 1060 SCの消費電力と比較すると消費電力は50W以上小さいのでPCI-Eスロットから供給可能な75Wの範囲内で動作していると見ていいと思います。(参考画像:ログ1、ログ2)
ELSA GTX 1050 Ti 4GB SP レビューまとめ
最後に1スロットサイズの超薄型冷却ファンを搭載した「ELSA GeForce GTX 1050 Ti 4GB SP (型番:GD1050-4GERSPT)」を検証してみた結果のまとめを行います。簡単に箇条書きで以下、管理人のレビュー後の所感となります。良いところ
- FF14のフルHD・最高画質設定や軽量なe-スポーツ系PCゲームを快適にプレイ可能
- 最新の高画質PCゲームも標準設定であれば60FPS前後でプレイ可能
- 1スロットの750Tiを搭載した旧モデルよりも160%も高速
- 補助電源なしで動作可能
- PCIスロットを1スロットのみ占有するスリムなグラフィックボード
- ボード長は200mmを超えて211mm (賛否あると思いますので注意点)
- GTX 1050 Tiとしては2.3万円とやや高価 (GTX 1060 3GBに手が届く)
NVIDIAの次世代GPUにおいてローエンド上位モデルに当たるGTX 1050 Tiは、9XX番台では950の補助電源なしがあるものの半ばスキップされており、GTX 750 Tiからのアップグレードを検討するユーザーの多いGPUですが、GTX 1050 Tiの実ゲームにおける性能はGTX 750 Ti比で60%も高速になっています。

例えば「OverWatch」のようなe-Sports系の軽量なオンライン対戦PCゲームやFF14のようなMMO RPGであれば余裕で対応可能なGPU性能があり、加えて最新の高画質PCゲームでも標準設定であれば快適にプレイ可能です。2万円以下のエントリー向け低価格GPUと考えれば十分過ぎるグラフィック性能だと思います。

ベンチマーク測定を行ったタイトルは、The Division(中設定)、Grand Theft Auto V(グラフィック設定)、Assassin's Creed Syndicate(低設定)、Mirrors Edge Catalyst(中設定)、The Witcher3(グラフィック設定)、DARK SOULS III(高設定)、Rise of the Tomb Raider(DX12、中設定、AAなし)、Battlefield 1(高設定)、Gears of War 4(中設定)、Titanfall 2(グラフィック設定)、For Honor(標準設定)以上の11タイトルです。
非常に負荷の軽いNVIDIA独自のプレイ動画録画機能「ShadowPlay」も利用できるので、ゲームプレイへの影響を気にせずにe-Sportsのカッコいいプレイを高画質で録画して、対戦後にはその動画を編集してYoutubeなどにアップすることも可能です。
とりわけ今回レビューした「ELSA GTX 1050 Ti 4GB SP」は同社の旧モデル「ELSA GTX 750 Ti SP 2GB」以来となる待望の1スロット補助電源不要な一般向けグラフィックボードです。750 Tiよりも60%以上高性能ながら同じ消費電力というワッパを実現しており、1スロットの極薄スリムクーラーでも実用レベルの冷却を実現しています。
200mm以下短尺も維持して欲しかったというのは心残りではありますが、1スロットサイズのGTX 1050 Tiである「ELSA GTX 1050 Ti 4GB SP」はグラフィックボード搭載スペースや補助電源に乏しいメーカー製PCへの換装の救世主になりえますし、また性能自体は60%以上伸びるので750Tiの旧モデルユーザーのアップグレードにもおすすめできるグラフィックボードです。
以上、ELSA GeForce GTX 1050 Ti 4GB SP (型番:GD1050-4GERSPT)のレビューでした。

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エルザ(2017-02-24)<
おまけ:新旧クーラーの冷却性能比較
基本的な検証も終わったのでELSA GTX 1050 Ti 4GB SPのGPUクーラーを分解して、ELSA GeForce GTX 1050 Ti 4GB SPに搭載された新クーラーと、ELSA GeForce GTX 750 Ti SP 2GBに搭載された新クーラーの性能を比較してみました。まずはELSA GeForce GTX 1050 Ti 4GB SPを分解して、同グラフィックボードの基板とGPUクーラーの構造がどうなっているのかチェックしていきます。
なお今回はレビュー用サンプル貸出先のエルザジャパン様の協力のもと特別に許可を頂いて分解を行っております。GPUクーラーの取り外し(分解行為)はグラフィックボードの正規保証の対象外になる行為です。今回はレビューのために分解しておりますが、繰り返しますが保証対象外になるので基本的には非推奨の行為なのでご注意下さい。
GPUクーラーは基板裏面のコア周辺のネジ4つで固定されていました。

ネジを外すと簡単に分解できます。

GTX 1050 TiのGPUコアはGP107-400-A1コアです。VRAMチップはSamsung製でした。


VRM電源フェーズ数は3フェーズのようです。

続いてGPUクーラーをチェックしていきます。
ELSA GTX 1050 Ti 4GB SPのGPUクーラーは1スロットサイズのスリムクーラーながらヒートパイプを搭載しておりGPUコアにダイレクトタッチしていました。


新旧の1スロットGPUクーラーの比較は次のようになっています。ヒートシンクは一見同じサイズに見えますが、上側の750Tiに搭載されたクーラーのほうは右端までヒートシンクが延びています。一方で下側のGTX 1050 Tiのほうは右側はただのプラスチックカバーです。

エルザジャパン様によると『750 Ti のクーラーはシンク全体で放熱するタイプ、1050 Tiのクーラーはヒートパイプで熱を運んでより積極的に排熱するタイプ』のように設計されているとのことです。
新旧クーラーの特徴 | ||||
全体サイズ | ファンサイズ | ヒートシンク容積 | ヒートパイプ | |
1050 Ti 1スロ | 大 | 大 | 小 | あり |
750 Ti 1スロ | 小 | 小 | 大 | なし |
GPUクーラーの比較方法としては単純な対照実験が一番確度が高いのでクーラーを入れ替えて冷却性能を比較しようと思いました。ところが、他モデルのGPUクーラーに他モデルのクーラーが付かないのは当然ではあるものの、ELSA GTX 1050 Ti 4GB SPの中央上側にあるコンデンサが干渉して同基板には旧型クーラーを取り付けることができませんでした。

クーラーを取り換えただけの単純な対照実験が比較方法としては最良でしたが、次善策として「ELSA GTX 1050 Ti 4GB SP」の代わりに某Z社のGTX 1050 Tiの基板を使用して750Ti用の1スロットクーラーを装着してみました。

なお同基板のファン端子は2PINとなっているため旧クーラーを接続した場合、PWM速度調整には非対応で電圧調整によるファン回転速度の速度調整となり、加えてファン回転数のモニタリングが行えません。また同基板のVRM電源フェーズ数はELSA GTX 1050 Ti 4GB SP基板よりも1フェーズ多い4フェーズとなっており、過去に行ったシングルスロット化改造の名残でVRM電源部分には個別にヒートシンクが追加されています。
GPUクーラーとGPUダイの間にはいつも通りに管理人愛用のクマさんグリス(Thermal Grizzly Kryonaut)を塗りなおしました。クマさんグリスは熱伝導効率も高く、柔らかいグリスで塗布しやすいのでCPUクーラー用の熱伝導グリスとしてもおすすめです。

Thermal Grizzly オーバークロック用特別設計高性能熱伝導グリス TG-K-001-RSAmazon.co.jpで詳細情報を見る
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親和産業(2015-09-02)クーラーの換装を終えたところで早速、冷え具合などを検証してみます。

ELSA GTX 1050 Ti 4GB SPの温度検証の時と同様にFF14ベンチ中のGPU温度を比較したところ次のようになりました。やはりヒートシンクの大きい旧クーラーのほうが冷えるという結果になっています。

また上のグラフのGPUコア温度のモニタリング値が正しいかをチェックするためサーモグラフィも撮影しました。GPUコア付近は63度となっておりモニタリング値は問題なさそうです。表面の外装、裏面のVRM電源部分などその他の部分もELSA GTX 1050 Ti 4GB SPと似たような温度分布になっています。


VRM電源部分が新クーラーと比較して旧クーラーで低くなっているのは上でも説明したようにVRM電源部分にヒートシンクを追加しているからなので注意していください。
上記の温度比較時におけるファンノイズについても同様に測定して比較を行いました。
旧クーラー&GTX 1050 Tiの組み合わせではPWM速度調整ができないので、ファン回転数の速度調整範囲が狭くアイドル時はELSA GTX 1050 Ti 4GB SPよりもファンノイズが大きいですが、ゲーム負荷時にはELSA GTX 1050 Ti 4GB SPよりもやや同じくらいという結果になりました。

以上、GPUは揃えていますが上述のようにグラフィックボードの基盤が異なるため単純な対照実験ではないので誤差が含まれる余地があることを念頭に、あくまで管理人の私見ではありますが、今回の比較結果から「ELSA GTX 1050 Ti 4GB SP」に採用された新型クーラーは、750Tiに採用されていた旧型クーラーよりも大きくて冷えないのでは?、という結論に至りました。
新型クーラーではヒートパイプの採用でヒートシンク中への熱拡散の速度が上がり、大口径ファンを採用したことで旧クーラーよりも低回転で大きな風量を生み出せるようになっていますが、ヒートシンクとの熱交換部分が冷却ファンの右側のみとなって放熱面積が少なくなった(もしくは熱交換効率が悪くなった)ことが原因ではないかと推測します。
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