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3月11日に満を持して発売されたNVIDIA GeForce GTX 10XXシリーズのナンバリング最上位となる「NVIDIA GeForce GTX 1080 Ti Founders Edition」のレビュー用サンプルを例のごとく購入したので各種ベンチマークや温度・ファンノイズなど詳細にレビューしていきます。GTX 1080 Ti購入予定者向けのプレビュー的なものになっており、GTX 1080 TiというGPUにどの程度の性能を期待できるのかの指標にしてください。基本的にオリファン待ち推奨です。
3DMarkなどの各種ベンチソフトや実ゲームを用いてTITAN X PascalやGTX 1080とベンチマーク比較も多数行っています。ちなみに2017年に行うハイエンドグラボの比較用データベースの構築も兼ねており、発売前にサンプルを入手できないこともありまったりと検証していました。
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<GIGABYTE><玄人志向><MSI><GALAX>
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Asustek(2017-03-11)<GIGABYTE><玄人志向><MSI><GALAX>
・GTX 1080 Ti販売ページ:
<Amazon><TSUKUMO><PCショップアーク><ドスパラ><NTT-X>
GTX 1080 Ti Founders Edition レビュー目次
1.GTX 1080 Ti Founders Editionの外観
2.GTX 1080 Ti Founders Editionの検証機材セットアップ
3.GTX 1080 Ti Founders Editionのゲーム性能
4.GTX 1080 Ti Founders Editionの温度・消費電力
5.GTX 1080 Ti Founders Editionのレビューまとめ
GTX 1080 Ti Founders Editionの外観
早速、GTX 1080 Ti Founders Editionを開封していきます。今回管理人はASUSが箱詰めしたGTX 1080 Ti Founders Editionを購入しました。GTX 10XXシリーズのリファレンスモデルであるFounders Editionについてはどのベンダーが販売しているものを購入してもグラフィックボード本体は全く同じで保護カバーや付属品の有無に差があるだけです。
ASUSのGTX 1080 Ti Founders Editionは先日記事にしましたが、梱包の構造が少し特殊?なので開封方法を間違えないように注意してください。
付属品はドライバCDとDP→DVI-D変換ケーブルでした。
梱包や付属品のチェックは簡単に済ませて、グラフィックボード本体を見ていきます。
とはいえ基本的にはGTX 1080やGTX 1070のFounders Editionと同じ外観になっています。GPUクーラーはポリゴンをイメージしたダイヤモンドカットなデザインです。
従来のNVIDIAのリファレンスグラフィックボード同様に外排気のブロアーファン採用です。
モデルのロゴ部分には「GTX 1080 Ti」と刻まれています。
GPUクーラーのサイドにはLEDイルミネーションを備えたブランドカラーの緑色で「GEFORCE GTX」のロゴがあります。
また補助電源の端子数はTITAN X Pascal同様に8PIN*6PINでGTX 1080や1070のリファレンスから6PINが追加されています。
ビデオ出力はついにDVI-Dが廃止されて、HDMI2.0×1とDisplayPort1.4×3の4基が実装されています。
バックプレートも装備していますが、基板保護のみで放熱面では貢献していません。
GTX 1080 Ti Founders Editionの検証機材
外観やハードのチェックはこのあたりにして早速、GTX 1080 Ti Founders Editionを検証用の機材に組み込みました。テストベンチ機の構成は次のようになっています。テストベンチ機の構成 | ||
ベンチ機1 |
ベンチ機2 |
|
OS | Windows10 64bit Home | |
CPU |
i7 7700K Core/Cache:5.0/4.8GHz, 1.300V 殻割り&クマメタル化(レビュー) |
i7 7700K Core/Cache:4.8/4.6GHz, 1.260V 殻割り&クマメタル化(レビュー) |
M/B | ASRock Z270 SuperCarrier (レビュー)(BIOS:1, 2) |
ASUS ROG MAXIMUS IX FORMULA (レビュー) |
メインメモリ | Corsair Dominator Platinum Special Edition DDR4 8GB*4=32GB (レビュー) |
G.Skill TridentZ DDR4 8GB*4=32GB |
システムストレージ |
Crucial MX300 SATA M.2 SSD 1TBCT1050MX300SSD4 | Intel SSD 540シリーズ SATA M.2 SSD 240GB |
電源ユニット |
Corsair RM650i (レビュー) |
Corsair HX1200i (レビュー) |
PCケース/ ベンチ板 |
STREACOM BC1 (レビュー) |
Cooler Master MASTERCASE MAKER 5t (レビュー) |
GTX 1080 Ti Founders Editionのゲーム性能
GTX 1080 Ti Founders Editionの性能を測るべく各種ベンチマークを実行しました。性能比較には「TITAN X Pascal」、「EVGA GTX 1080 SC2」、「GIGABYTE GTX 1070 ITX OC」を使用しました。まずはFF14ベンチのフルHD・最高品質のスコアは同検証環境で軽く2万を超えました。
FF14ベンチではスコアが1万を超えたあたりからFPSが上がりすぎてCPUベンチの傾向が強くなりグラボの性能比較ベンチとしてはあまり使えなくなってくるので注意してください。
FireStrikeとFireStrike Extremeのベンチマーク比較になります。
FireStrike | Extreme | Ultra | |
GTX 1080 Ti FE | 27758 | 13686 | 6739 |
TITAN X Pascal | 28137 | 13851 | 6876 |
GTX 1080 OC | 22463 | 10715 | 5323 |
GTX 1070 OC | 18211 | 8697 | 4307 |
3DMarkの最新DirectX12ベンチマーク「TimeSpy」の性能比較となります。
TimeSpy | Asyncなし | 性能伸び率 | |
GTX1080 Ti FE | 9345 | 8797 | 106% |
TITAN X Pascal | 9302 | 8687 | 107% |
GTX 1080 OC | 7382 | 7047 | 105% |
GTX 1070 OC | 5884 | 5657 | 104% |
続いて実ゲームを用いたベンチマークになります。解像度はフルHD、WQHD、ウルトラワイドQHD(UWQHD, 3440*1440)の3種類について行っており、同一のグラフィック設定で同一のシーンについて平均FPSを比較しました。
ベンチマーク測定を行ったタイトルは、Assassin's Creed Syndicate(グラフィック設定)、Battlefield 1(最高設定プリセット)、The Division(グラフィック設定)、For Honor(超高設定プリセット)、Ghost Recon Wildlands(グラフィック設定)、Mirrors Edge Catalyst(ハイパー設定プリセット)、Rise of the Tomb Raider(グラフィック設定)、Titanfall 2(グラフィック設定)、WatchDogs_2(最高設定プリセット)、The Witcher3(グラフィック設定)、Gears of War 4(最高設定プリセット、UWQHDではなく4K解像度)以上の11タイトルです。
Assassin's Creed Syndicate(グラフィック設定)のベンチマーク結果です。
Battlefield 1(最高設定プリセット)のベンチマーク結果です。
The Division(グラフィック設定)のベンチマーク結果です。
For Honor(超高設定プリセット)のベンチマーク結果です。
Ghost Recon Wildlands(グラフィック設定)のベンチマーク結果です。
Mirrors Edge Catalyst(ハイパー設定プリセット)のベンチマーク結果です。
Rise of the Tomb Raider(グラフィック設定)のベンチマーク結果です。
Titanfall 2(グラフィック設定)のベンチマーク結果です。
WatchDogs_2(最高設定プリセット)のベンチマーク結果です。
The Witcher3(グラフィック設定)のベンチマーク結果です。
Gears of War 4(最高設定プリセット、UWQHDではなく4K解像度)のベンチマーク結果です。
GTX 1080 Ti、TITAN X Pascal、GTX 1080 OC、GTX 1070 OCの4種類について実ゲーム性能の比率の平均を出したところ、GTX 1080 TiはGTX 1080よりも20%以上高速という結果になりました。FPSが上がりすぎてCPUボトルネックの影響が出始めるフルHDに対して、60FPS前後に近づいていく超高解像度でより高いパフォーマンスを発揮できます。
なおNVIDIAの公称値ではGTX 1080比で35%のパフォーマンス増とのことでしたが、比較対象のGTX 1080がオリファンモデルであり冷却性能が高くコアクロックもリファレンスよりデフォルトでオーバークロックされているので上のように少し低い結果になっています。
GTX 1080 Ti Founders Editionの温度・消費電力
GTX 1080 Ti Founders Editionの負荷時のGPU温度とファンノイズを検証しました。温度とファンノイズの検証負荷としてはFireStrike Extreme ストレステスト、比較対象にはTITAN X Pascalを使用しています。その結果は次のようになっています。
GTX 1080 Ti Founders EditionでもTITAN X Pascal同様にストレステスト開始5分程度でGPU温度は飽和して80度を超えて、ファン回転数も2000RPMを超えています。
ストレステスト中のGPUコアクロックはTITAN X Pascalよりも100MHzほど高い平均1736MHzとなりました。序盤1800MHz以上あることを考えるとリファレンスGPUクーラーの限界も感じます。
またベンチ機2のPCケースに組み込んでFire Strike Extreme グラフィックテスト1を1時間に渡ってループさせて実用の冷却性能を確認してみました。PCケースに入れて長時間負荷をかけても最大温度は84度で、コアロックの平均値は1695MHzでした。
また実働ストレステスト中の0分, 10分, 20分…について30秒間の平均FPSの推移をチェックしました。GPUクーラーの冷却性能の低さによって4%程度パフォーマンスが下がっていることがわかります。
1時間のストレステスト終盤にスマホで使用できるサーモグラフィカメラ「FLIR ONE」を使用してゲーム負荷時のグラフィックボード上の各所の温度をチェックしました。
GTX 10XXシリーズの上位モデルではVRM電源部分の温度がかなり高くなりがちですが、GTX 1080 Ti Founders Editionでは70度程度でした。リファクーラーはGPUコアの冷却こそ弱いもののVRM電源の冷却は優秀です。
GTX 1080 Ti Founders Editionを含めていくつかのグラフィックボードについてサウンドレベルメーターを利用してゲーム負荷時のノイズレベルを測定・比較しました。ノイズレベルの測定には「サンワダイレクト 400-TST901A」を使用しています。
電源OFF時の騒音値は33~35dBです。目安として40dBを超えたあたりからファンノイズがはっきりと聞こえるようになり、45dB前後で煩く感じます。50dBを超えてくるとヘッドホンをしていても煩く感じます。同じ騒音値でも不快に感じたり感じなかったりと音の性質にもよるので注意してください。
ノイズレベルの測定結果は次のようになっています。GTX 1080 Ti Founders EditionのファンノイズはリファレンスのブロアーファンGPUクーラー相応なファンノイズでした。ファンノイズは大きくPCケースに入れていても負荷時はファンノイズがはっきり聞こえます。
GTX 1080 Ti Founders Editionの消費電力と瞬間的な最大電源負荷を測定しました。
測定には電源ユニット「Corsair RM650i」のCorsair Linkによる電力ログ機能を用いてコンセントからの出力ではなく変換ロスを差し引いた純粋な検証システム全体への入力電力をチェックしています。また測定負荷にFireStrike Extreme ストレステストを使用して、”平均値を消費電力”、”最大値を瞬間的な最大電源負荷”としました。測定結果は次のようになっています。
同検証環境に置いてTDP250WのGTX 1080 Ti Founders Editionの消費電力は327Wでとなり、TDP180WのGTX 1080 OCが251W、GTX 1070 OCは229Wなのでほぼ仕様値通りの消費電力になっています。瞬間的な最大電源負荷は378Wでした。
GTX 1080 Ti Founders Edition レビューまとめ
最後にGTX 10XXシリーズ最上位モデルとなる「GTX 1080 Ti Founders Edition」を検証してみた結果のまとめを行います。簡単に箇条書きで以下、管理人のレビュー後の所感となります。良いところ
- 最新高画質PCゲームをUWQHDなどの超高解像度で快適にプレイ可能なグラフィック性能
- GTX 1080のOCモデルよりも20~30%程度高速
- DVI端子が廃止されているので水冷化で完全1スロット化可能(後日レビュー予定)
- リファレンスのブロアーファンGPUクーラーは冷却性能が優秀なオリファンモデルと比べて低くサーマルスロットリング発生の可能性も高いので、水冷化ユーザー以外はオリファン待ち推奨
- 3月16日時点で699ドルのFounders Editionが国内では税抜き9.98万円で142円/ドル
GTX 10XXシリーズ最上位モデルとなる「GeForce GTX 1080 Ti」は昨年5月末にNew Kingとして鳴り物入りで登場したGTX 1080よりも20~30%程度高速です。昨年8月には前世代TITAN X Maxwellよりも50%以上高速というバケモノGPUとして登場したTITAN X Pascalを僅差で上回るという圧倒的な性能を誇っており、1200ドルのTITAN X Pascalに対して699ドルという圧倒的な安価さも兼ね備えたGTX 1080 Tiは究極のハイエンドグラフィックボードと言っても過言ではない製品です。
惜しむらくは本来GTX 1080とそっくりそのまま、もしくは+1万円程度で置き変わるはずのGTX 1080 Ti Founders Editionが日本国内においては税込み10万円を超えるという事態でしょうか。管理人は昨年為替レートが100円/ドルで激ウマだった時に1200ドルのTITAN X Pascalを13.5万円ほどで個人輸入した経緯もあって相対的に見てもかなり割高に感じました。しばらくすればGTX 1080同様に価格も落ち着いてくるとは思いますが、GTX 1080 Tiのオリファンモデルが登場すると噂される4月中頃を過ぎて5月くらいにならないと”適正よりちょっと高いけどまあ買うか”くらいの値段には下がってこないような気がします。
どちらにせよリファレンスモデルのFounders Editionは冷却性能がオリファンモデルに比べて高くないので水冷化ユーザー以外は差し迫った必要がないのであればオリファン待ちでOKだと思います。今回のパフォーマンスサマリーでは冷却とデフォルトOCの都合でGTX 1080 OCとの性能差が20~30%程度に留まっていますが、高性能なオリファンを搭載しデフォルトでOCされたGTX 1080 TiであればGTX 1080 OCを公式アナウンス通り35%近く圧倒するのは間違いないはずです。
以上、GTX 1080 Ti Founders Editionのレビューでした。
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<ドスパラ><PCワンズ><パソコン工房>
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