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前世代フラッグシップのGTX 980 Tiと同性能ながら、Mini-ITX対応ショート基板、手のひら+サイズのNUCとワットパフォーマンスの進歩をいかんなく発揮して2016年の自作PC業界を沸かせ続けてきたGTX 1070から、第三の矢として満を持して登場した”1スロット”サイズを実現するGTX 1070グラフィックボード「GALAX GeForce GTX 1070 KATANA」をレビューします。
公式ページ:http://www.galax.com/jp/graphics-card/10-series/galax-geforcer-gtx-1070-katana.html
「GALAX GTX 1070 KATANA」は国内では未発売の製品ですが、韓国や北米など一部の海外市場ではすでに発売されています。北米のGALAX公式通販(転送経由でも利用不可)での販売価格は420ドルでした。
管理人は以前GALAX HOF SLI HBブリッジを購入した時同様に、韓国のネット通販Gmarketから購入しました。こちらはPaypalで支払い可能かつ国内に直送してくれます。
「GALAX GTX 1070」で検索して、「International Shipping」にチェックを入れて絞り込んだら、サムネイル画像から探すと簡単に購入できます。なお価格は5.5万円ほどかかりました。
http://glistings.gmarket.co.kr/Listview/List?GdlcCd=100000055&GdmcCd=200000062&GdscCd=300027948
GALAX GTX 1070 KATANA レビュー目次
1.GALAX GTX 1070 KATANAの外観
2.GALAX GTX 1070 KATANAの検証機材セットアップ
3.GALAX GTX 1070 KATANAのゲーム性能
4.GALAX GTX 1070 KATANAの温度・消費電力
5.GALAX GTX 1070 KATANAのレビューまとめ
GALAX GTX 1070 KATANAの外観
早速、GALAX GeForce GTX 1070 KATANAをチェックしてきます。スポンジ製緩衝材と静電防止ビニールに包まれるという一般的な形式でグラフィックボードは保護されています。付属品はマニュアル、ドライバCD、補助電源変換ケーブルです。
GALAX GTX 1070 KATANAの外観は次のようになっています。GPUクーラー外装はやや緑がかった光沢のないガンメタルカラーです。
1スロット占有GPUクーラーなので斜めから見下ろすとGALAX GTX 1070 KATANAのスリムさが際立ちます。ちなみにSLIにも対応しています。
グラフィックボードの全長は250mm超(製品スペック上はブラケット込267mm、ブラケットなし253mm)となっており、リファレンスのFounders Editionよりもやや短い程度の長さになっています。1スロットですが長さはあるのでPCケースとの干渉によって導入が難しい場面も多いかもしれません。
ショート基板のGTX 1060や1スロット化改造を施したGTX 1050 Tiと比較すると、GALAX GTX 1070 KATANAのボード長が比較的長いことが確認できます。
GPUクーラーには80mm径のブロアーファンが冷却ファンとして採用されています。
GPUクーラー外装のエアスリットからは全銅製のヒートシンクが覗いて見えます。
補助電源の端子数はリファレンスとなるGTX 1070 Founders Editionと同じく8PIN*1です。
グラフィックボード背面にはバックプレートは装着されておらず基盤がむき出しでした。グラフィックボードの全長は250mm超ですが基板自体は180mm程度でGPUクーラー分で70mmほど長くなっています。
GALAX GTX 1070 KATANAの1スロット占有というスペースの制約があり、ビデオ出力はHDMI2.0×1、DisplayPort1.4×1、DVI-D×1というGTX1070グラフィックボードとしては少々変則的なビデオ出力になっています。他の多くのGTX 1070グラフィックボードのようにDPを複数使用したマルチモニタ環境は構築できないので注意してください。
なおグラフィックボードの重量はGTX 1070 Founders Editionが1056g、GIGABYTE GTX 1070 ITX OCが613g、玄人志向 GTX 1070 Short(GALAX GTX 1070 mini)が462gですが、GALAX GTX 1070 KATANAは604gで1スロット占有ながらショート基板と比較しても重めでした。
GALAX GTX 1070 KATANAの検証機材
外観やハードのチェックはこのあたりにして早速、GALAX GeForce GTX 1070 KATANAを検証用の機材に組み込みました。テストベンチ機の構成は次のようになっています。テストベンチ機の構成 | ||
ベンチ機1 |
ベンチ機2 |
|
OS | Windows10 64bit Home | |
CPU |
i7 7700K Core/Cache:5.0/4.8GHz, 1.300V 殻割り&クマメタル化(レビュー) |
i7 7700K Core/Cache:5.0/4.8GHz, 1.300V 殻割り&クマメタル化(レビュー) |
M/B | ASRock Z270 SuperCarrier (レビュー)(BIOS:1, 2) |
ASUS ROG MAXIMUS IX FORMULA (レビュー) |
メインメモリ | Corsair Dominator Platinum Special Edition DDR4 8GB*4=32GB (レビュー) |
G.Skill TridentZ DDR4 8GB*4=32GB |
システムストレージ |
Crucial MX300 SATA M.2 SSD 1TBCT1050MX300SSD4 | Intel SSD 540シリーズ SATA M.2 SSD 240GB |
電源ユニット |
Corsair RM650i (レビュー) |
Corsair HX1200i (レビュー) |
PCケース/ ベンチ板 |
STREACOM BC1 (レビュー) |
Cooler Master MASTERCASE MAKER 5t (レビュー) |
GALAX GTX 1070 KATANAはブーストクロック1709にデフォルトでオーバークロックされており、リファレンスモデルのFounders Editionと比較すると20MHz程度ですがコアクロックに高い値が設定されています。
GALAX GTX 1070 KATANAのゲーム性能
GALAX GeForce GTX 1070 KATANAの性能を測るべく各種ベンチマークを実行しました。性能比較には「玄人志向 GF-GTX1070-E8GB/OC/SHORT(GALAX GTX 1070 Mini)」「EVGA GTX 1060 6GB SC ACX 2.0」、「XFX RX 480 8GB TRIPLE X」「ZOTAC GTX 1050 Ti OC」を使用しました。まずFFXIV 紅蓮のリベレーター ベンチマークのフルHD・最高品質のスコアは同検証環境では非常に快適の水準を軽く超えて15000以上のスコアをたたき出しています。
なおFF14ベンチではスコアが1万を超えたあたりからFPSが上がりすぎてCPUベンチの傾向が強くなりグラフィックボードの性能比較ベンチとしてはあまり使えなくなってくるので注意してください。FFXIV 紅蓮のリベレーター ベンチマークについては個別記事で詳しく紹介しています。
FireStrikeとFireStrike Extremeのベンチマーク比較になります。
FireStrike | Extreme | |
GTX 1070 GALAX KATANA |
17931 | 8496 |
GTX 1070 玄人志向 Short |
18067 | 8568 |
GTX 1060 6GB OC | 13446 | 6362 |
RX 480 8GB OC | 13463 | 6019 |
GTX 1050 Ti OC | 7966 | 3744 |
3DMarkの最新DirectX12ベンチマーク「TimeSpy」の性能比較となります。
TimeSpy | Asyncなし | 性能伸び率 | |
GTX 1070 GALAX KATANA |
5758 | 5549 | 104% |
GTX 1070 玄人志向 Short |
5808 | 5596 | 104% |
GTX 1060 6GB OC | 4266 | 4116 | 104% |
RX 480 8GB OC | 4091 | 3929 | 104% |
続いて実ゲームを用いたベンチマークになります。解像度はフルHD、WQHDの2種類について行っており、同一のグラフィック設定で同一のシーンについて平均FPSを比較しました。
ベンチマーク測定を行ったタイトルは、Assassin's Creed Syndicate(非常に高い設定プリセット)、Battlefield 1(最高設定プリセット)、The Division(ウルトラ設定プリセット)、For Honor(超高設定プリセット)、Ghost Recon Wildlands(非常に高い設定プリセット)、Mirrors Edge Catalyst(ハイパー設定プリセット)、Rise of the Tomb Raider(グラフィック設定)、Titanfall 2(グラフィック設定)、WatchDogs_2(超高設定プリセット)、The Witcher3(高画質設定プリセット)、Gears of War 4(最高設定プリセット)以上の11タイトルです。
Assassin's Creed Syndicate(非常に高いプリセット)のベンチマーク結果です。
Battlefield 1(最高設定プリセット、DX12)のベンチマーク結果です。
The Division(ウルトラ設定プリセット)のベンチマーク結果です。
For Honor(超高設定プリセット)のベンチマーク結果です。
Ghost Recon Wildlands(非常に高いプリセット)のベンチマーク結果です。
Mirrors Edge Catalyst(ハイパー設定プリセット)のベンチマーク結果です。
Rise of the Tomb Raider(グラフィック設定)のベンチマーク結果です。
Titanfall 2(グラフィック設定)のベンチマーク結果です。
WatchDogs_2(超高設定プリセット)のベンチマーク結果です。
The Witcher3(高画質設定プリセット)のベンチマーク結果です。
Gears of War 4(最高設定プリセット、UWQHDではなく4K解像度)のベンチマーク結果です。
GALAX GTX 1070 KATANA、玄人志向 GTX 1070 Short OC(GALAX Mini)、EVGA GTX 1060 6GB SC ACX 2.0、XFX RX 480 8GB TRIPLE X、ZOTAC GTX 1050 Ti OCの5種類について実ゲーム性能の比率の平均を出したところ、GTX 1070は17年の最新ミドル帯グラフィックボードであるGTX 1060やRX 480よりも30%以上高速という結果になりました。
GTX 1070は2017年最新PCゲームのフルHD解像度・最高設定の60FPSやWQHD・高画質設定の60FPSを狙うのに最適な次世代標準と言えるアッパーミドルのグラフィックボードです。
なおGALAX GTX 1070 KATANAの場合はGPUクーラーの冷却にやや限界があってサーマルリミットが発生するため2スロット占有ショート基板GTX 1070と比べて数%パフォーマンスが低くなっています。
GALAX GTX 1070 KATANAの温度・消費電力
GALAX GeForce GTX 1070 KATANAの負荷時のGPU温度とファンノイズを検証しました。温度とファンノイズの検証負荷としてはFireStrike Extreme ストレステスト、比較対象には同じくショート基板のGIGABYTE GTX 1070 ITX OCを使用しています。その結果は次のようになっています。
GALAX GTX 1070 KATANAではストレステスト中のGPUコア温度は最大83度、ファン回転数も2300RPM程度となりました。1スロット占有GPUクーラーということもあり冷却性能と静音性は決して高くありません。
ストレステスト中のGPUコアクロックはGTX 1070ショートモデルの玄人志向 GTX 1070 Short OC(GALAX Mini)と比較すると序盤こそコアクロックは一致しているものの、GPU温度が上がりきってサーマルリミットの発生する後半は平均で120MHz程度低い値をとっています。
【ベンチ機2を別件で使っているので、実働長時間負荷テストとサーモグラフィは後日更新します】
GALAX GTX 1070 KATANAを含めていくつかのグラフィックボードについてサウンドレベルメーターを利用してゲーム負荷時のノイズレベルを測定・比較しました。ノイズレベルの測定には「サンワダイレクト 400-TST901A」を使用しています。
電源OFF時の騒音値は33~35dBです。目安として40dBを超えたあたりからファンノイズがはっきりと聞こえるようになり、45dB前後で煩く感じます。50dBを超えてくるとヘッドホンをしていても煩く感じます。同じ騒音値でも不快に感じたり感じなかったりと音の性質にもよるので注意してください。
ノイズレベルの測定結果は次のようになっています。GALAX GTX 1070 KATANAのファンノイズは52.0dBでした。ショート基板GTX 1070よりもノイズレベルが明確に高くなっており、上位GPUのリファレンスと大差ないファンノイズで結構うるさいです。
GALAX GTX 1070 KATANAの消費電力と瞬間的な最大電源負荷を測定しました。
測定には電源ユニット「Corsair RM650i」のCorsair Linkによる電力ログ機能を用いてコンセントからの出力ではなく変換ロスを差し引いた純粋な検証システム全体への入力電力をチェックしています。また測定負荷にFireStrike Extreme ストレステストを使用して、”平均値を消費電力”、”最大値を瞬間的な最大電源負荷”としました。測定結果は次のようになっています。
同検証環境においてGALAX GTX 1070 KATANAの消費電力は205W、瞬間的な最大電源負荷は261Wでした。ショート基板のGTX 1070と比較しても若干消費電力が若干低く出ているのはストレステスト終盤にGPUコア温度が高くなってサーマルリミットが発生しているからです。サーマルリミットが発生していない最初の数分間の消費電力はGTX 1070 玄人志向 Short(GALAX Mini)とほぼ同じ値になりました。
GALAX GTX 1070 KATANA レビューまとめ
最後に前世代フラッグシップGTX 980 Tiと同性能のGTX 1070を1スロットに詰め込んだ世界初のグラフィックボード「GALAX GeForce GTX 1070 KATANA」を検証してみた結果のまとめを行います。簡単に箇条書きで以下、管理人のレビュー後の所感となります。良いところ
- 1スロットに収まる世界初のGTX 1070グラフィックボード
- PCIブラケットと同じ高さの背の低い基板とGPUクーラー
- 最新高画質PCゲームのフルHD・最高設定やWQHD・高画質に最適なグラフィック性能
- ボード長は250mm超と長い
- 2スロット占有ショート基板のGTX 1070グラボと比べても冷却性能・静音性は劣る
- ビデオ出力にはHDMIかDPが複数欲しい。DVI-D端子はいらない (個人的な意見)
- 5月14日現在、国内での発売は未定
NVIDIA GeForce GTX 1070は最新の高画質PCゲームでもフルHD解像度の最高設定を60FPSで遊んだり、高画質設定のまま120Hzなどの高リフレッシュレートでガチプレイや、WQHDの高解像度&高画質設定で60FPSで安定してプレイが可能なグラフィック性能があります。前世代フラッグシップであるGTX 980 Tiと同等性能でありDX12やVRなど最新コンテンツであればそれを超える性能を発揮でき、4万円半ば購入可能なGTX 1070はGTX 10XXシリーズの中でもコストパフォーマンス的に最高のモデルだと思います。
GALAX GTX 1070 KATANAはそんなGTX 1070の次世代GPUらしい省電力性能を遺憾なく発揮して、同製品登場前は1スロットグラフィックボードとして最高性能だったGTX 1050 Tiに対してダブルスコアのパフォーマンスをたたき出します。
さすがに1スロット占有GPUクーラーでは冷却性能がやや足りておらずサーマルスロットリングが発生していますが、それでもコアクロックのスペックが等しい玄人志向 Short(GALAX Mini)に対して実ゲームで平均3%程度の性能差に収まっているのでGTX 1070を名乗れる水準はクリアしています。
冷却性能・静音性はGPUクーラーや冷却ファンのサイズとトレードオフになるので、その点ではフルレンジの2スロットモデルはもちろんショート基板モデルにすら劣ってしまうものの、1スロット占有のGTX 1070という唯一無二の存在なので、1スロットで最速のGPUが欲しいというユーザーであればGALAX GTX 1070 KATANAはおすすめのグラフィックボードです。
以上、GALAX GeForce GTX 1070 KATANAのレビューでした。
・GTX 1070販売ページ:
<Amazon><TSUKUMO><PCショップアーク>
<ドスパラ><PCワンズ><パソコン工房>
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(注:記事内で参考のため記載された商品価格は記事執筆当時のものとなり変動している場合があります)
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ただ、私もホントにDVIいらないと思います…グラボ会を牛耳るDVI協会みたいなのがあるんですかね(笑)?