GIGABYTE X399 AORUS Gaming 7


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AMD Ryzenのエンスー向けCPU「Ryzen Threadripper」に対応するX399チップセット搭載TR4 SocketマザーボードとしてGIGABYTEのゲーミングブランドAORUSからリリースされた「GIGABYTE X399 AORUS Gaming 7」をレビューしていきます。メモリスロット間やPCI-EスロットにもLEDイルミネーションを内蔵してマザーボード全体をドレスアップする豪華なフルボードLEDイルミネーション、外部温度センサーやセミファンレス機能にも対応する多機能ファンコントロール機能「Smartファン5」などが魅力的なX399マザーボードです。
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製品公式ページ:http://www.gigabyte.jp/Motherboard/X399-AORUS-Gaming-7-rev-10
マニュアル:http://download.gigabyte.asia/FileList/Manual/mb_manual_x399-aorus-gaming-7_j.pdf
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【注意事項】
検証中のトラブルなども記事内で記載していますが、AMD Ryzen Threadripper CPU自体が発売されたばかりなので、OSの問題なのか、マザボBIOSの問題なのか原因の切り分けが現状でできないものも少なくありません。今後ドライバやBIOSなどソフトウェアの更新でパフォーマンスや安定性が向上することは期待できると思うので、その辺りも念頭に置いて読んでもらえるとありがたいです。
同検証は17年9月上旬に行っておりGIGABYTE X399 AORUS Gaming 7のBIOSはF2を使用しています。最新BIOSでは修正されている不具合や追加されている機能もあると思うので、最新BIOSのリリースについては公式ページを各自でチェックしてください。

サポート:http://www.gigabyte.jp/Motherboard/X399-AORUS-Gaming-7-rev-10#support-dl

【17年9月14日:初稿】
レビュー記事初稿を公開、BIOS:F2で検証



GIGABYTE製のマザーボードについて

GIGABYTE製マザーボードについてはGIGABYTEの公式サポートページにおいてアカウント登録が必要ですが、意外なことに日本語による問い合わせに対応しています。問い合わせページのインターフェースの言語は英語なので英語で行けるところは英語で入力するほうがいいと思いますが、長文を書く必要がある問い合わせの本文では日本語で書いてもしっかり対応してもらえました。
サポートページ:http://esupport.gigabyte.com/Login/Index?ReturnUrl=%2f
GIGABYTE サポート
国内のマザーボードベンダー大手を見ると、ASUSとMSIが代理店に丸投げで直通の有人サポートなしに対して、GIGABYTEは日本語対応可能な有人サポートありというのはかなり好印象です。メーカー直通の日本語対応有人サポートが欲しい人はGIGABYTE製マザーボードの購入を検討する価値はあると思います。


GIGABYTEマザーボードでは多数の独自機能アプリが用意されており、統合ランチャーである「APP Center」をスタート地点に利用できます。なお独自アプリの一部は「APP Center」をインストールしてからでないとインストール・使用できないので注意してください。
GIGABYTE APP Center
オンラインであればAPP Centerから最新ドライバやソフトウェアをインストール可能です。「GIGABYTE X399 AORUS Gaming 7」専用アプリは10近くありますが必要なものだけをスマホのアプリ感覚で簡単にインストールできるのでAPP Centerは非常に便利なクライアントソフトです。
GIGABYTE APP Center_1GIGABYTE APP Center_2

「RGB Fusion」やファンコン統合インフォソフト「System Information Viewer」などユーザーにとって魅力的なアプリが多岐にわたって展開されていますが、各アプリの機能や使い方の概要は下の公式紹介ページにて日本語でわかりやすく解説されているので、GIGABYTE独自アプリを使いたい人は参考にしてください。
GIGABYTE独自アプリ解説:http://www.gigabyte.jp/MicroSite/369/images/app-center.html
GIGABYE独自アプリ解説




GIGABYTE X399 AORUS Gaming 7 レビュー目次


1.GIGABYTE X399 AORUS Gaming 7の外観・付属品
2.GIGABYTE X399 AORUS Gaming 7の基板上コンポーネント詳細

3.GIGABYTE X399 AORUS Gaming 7へのパーツ組み込み(ギャラリー)
4.GIGABYTE X399 AORUS Gaming 7の検証機材のセットアップ
5.GIGABYTE X399 AORUS Gaming 7のBIOSについて
6.多機能かつ使いやすいファンコン機能「スマートFan 5」について
7.イルミネーション操作機能「GIGABYTE RGB Fusion」について
8.
GIGABYTE X399 AORUS Gaming 7のOC設定について
9.GIGABYTE X399 AORUS Gaming 7の動作検証・OC耐性
10.GIGABYTE X399 AORUS Gaming 7のレビューまとめ



GIGABYTE X399 AORUS Gaming 7の外観・付属品

まず最初にGIGABYTE X399 AORUS Gaming 7の外観と付属品をチェックしていきます。
GIGABYTE X399 AORUS Gaming 7のパッケージはマザーボードの箱としては独特な上開き化粧箱になっていました。開閉しやすく高級感もあります。
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パッケージを開くと上段にはマザーボード本体はスポンジクッションのスペーサーの中に収められていました。マザーボードを取り出すと2重底になっており下段には各種付属品が入っています。
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なおここまで某A社のR〇Gシリーズと梱包はほぼ同じ形式でした、いいんだろうか?

付属品一覧は次のようになっています。
マニュアルやドライバCDなど必要なものが一通り揃っています。ドライバ類についてはそろそろUSBメモリに移行して欲しいところ。ファングッズとしてはステッカー、バッジが付属します。
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今回管理人が入手したロットについてはGIGABYTE X399 AORUS Gaming 7の付属マニュアルは英語のものでした。全編日本語の詳細なマニュアルはサポートページで公開されているので特に問題はないですが。
マニュアル:http://download.gigabyte.asia/FileList/Manual/mb_manual_x399-aorus-gaming-7_j.pdf

組み立てに関連する付属品としては、SATAケーブル4本、リアI/Oパネル、WiFiアンテナ、M.2 SSD固定ネジセット、RGB+W LEDテープ接続ケーブル×2、SLI HBブリッジ、サーモセンサー2本、G-Connector、トルクスL字レンチとなっています。GIGABYTE X399 AORUS Gaming 7は外部温度センサーに対応しているのでそれに接続できるサーモセンサーも付属しているところが特徴的です。
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リアI/Oシールドの表面は光沢のあるガンメタリックになっています。ブランドネーム「AORUS」ロゴも入っておりシンプルにカッコいいリアI/Oシールドです。裏面のマザーボードと接する部分はスポンジが入っていました。
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付属する4本のSATAケーブルについては一般的なビニール被膜タイプではなく、スリーブ化された高級感のあるSATAケーブルが付属しています。
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SLIブリッジについてはGTX 10XXシリーズの広帯域SLI接続に対応したSLI HBブリッジが、17年1月発売の200シリーズマザーボードの一部からは付属するようになっており、GIGABYTE X399 AORUS Gaming 7にも2スロットスペース型SLI HBブリッジが付属しています。SLIコネクタがプラスチックではなく金属シールドタイプなところがマザーボードの付属品としては非常に好印象です。
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GIGABYTEからはAORUSブランドのRGBイルミネーションに対応したSLI HBブリッジ「AORUS SLI HB Bridge RGB」もリリースされています。GIGABYTEのライティング操作機能「GIGABYTE_RGB_Fusion」で発光カラー・パターンの同期操作が可能なのでおすすめです。
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GIGABYTE X399 AORUS Gaming 7には汎用LEDヘッダーとして、マザーボードメーカー各社が採用しているRGB 4PINではなく、白色LEDを搭載するRGBWに対応した5PIN LEDヘッダーが2基実装されており、それに対応した延長ケーブルが2本付属します。
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PINアサイン自体はRGB 4PINにWの1PINが追加されただけなので、LED機器側の端子はWの1PINが分離可能な構造になっており、RGB 4PINのLED機器も問題なく使用可能です。
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GIGABYTEの一部のマザーボードではフロントパネルコネクタのマザーボードへの装着を簡単にする独自パーツ「G-Connector」が付属します。
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今回は検証用スイッチ&LEDで試してみましたが次のように「G-Connector」へ各種コネクタを装着します。
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あとはこのまま「G-Connector」をマザーボードのフロントパネルヘッダーに挿せばOKという非常に便利な独自機能です。
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マザーボード全体像は次のようになっています。
GIGABYTE X399 AORUS Gaming 7はATXフォームファクタのマザーボードです。AORUSシリーズのマザーボードはZ270やX370ではブラック基調にホワイトのアクセントカラーというカラーリングが主流でしたが、X399マザーボードでは黒一色となっています。
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マザーボード右下のチップセット用ヒートシンクについては同製品のブランドネーム「AORUS」を示す「Speed(素早さ)」「Power(力強さ)」「Accuracy(精密さ)」を表現したという”鷲(イーグル)”をモチーフにしたロゴが描かれています。マットな表面加工のアルミヒートシンクは落ち着いた高級感があります。
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チップセットクーラーのAORUSロゴが描かれたアクリルパネルはユーザーが各自で用意したオーバーレイに交換が可能になっています。
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リアI/Oカバーはブラック一色にブランドネームが刻印されており、VRM電源部分にはチップセットヒートシンク同様ににマットな表面加工がされたアルミヒートシンクが装着されています。VRM電源ヒートシンクはヒートパイプで接続されてリアI/Oカバーの下にも伸びていました。
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Z270やX370のAORUSマザーボードではリアI/Oカバーやクーラー自体の外形(カッティング)がポリゴンを模したデザインになっていましたが、GIGABYTE X399 AORUS Gaming 7ではポリゴン調で虹色に光を反射するシールに変わっています。
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GIGABYTE X399 AORUS Gaming 7には8フェーズのVRM電源が搭載されています。IR デジタル・コントローラーおよびPowIRstage ICによってVRM電源間の負荷が均一に分散するよう調停しており、一部のVRM電源へ集中した過負荷がかかりオーバーヒートが発生することを防ぐことで安定した電力供給を可能にしています。また超低ESR特性で長寿命のDurable Black固体コンデンサなど、サーバークラスの高信頼性コンポーネントでVRM電源はデザインされているとのことです。
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多コア&高クロックのRyzen Threadripper CPUへ安定した大電力供給が行えるようにEPS電源は8PIN+4PINが配置されています。EPS電源端子については電源容量800W以下の電源ユニットでは1つしか端子がない場合があるので、EPS端子が足りているか事前に注意して確認してください。
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リアI/Oに設置されたUSB端子のうち赤色のType-Aの4基とType-Cの1基で計2基のUSB端子は最新のUSB3.1規格に対応しています。そのほかのUSB端子についてはUSB3.0端子が8基設置されています。個人的に残念なポイントとしてはUSB3.0/3.1は無線マウスと電波干渉を起こすことがあるので、追加で少し離れた場所にUSB2.0を設置して欲しかったです。ゲーマーには嬉しいPS/2端子も搭載されています。
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有線LANにはWindows上の専用アプリからアクセス優先度の最適化が可能でオンライン対戦PCゲームのパフォーマンス向上が期待できる「Killer E2500」LANコントローラ採用の有線LANが設置されています。GIGABYTE X399 AORUS Gaming 7のKiller製有線LAN「Killer E2500」はWindows10標準搭載のドライバで動作しました。
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GIGABYTE X399 AORUS Gaming 7にはIntel製のワイヤレスモジュールが実装されています。接続規格としてはWi-Fi 802.11 a/b/g/n/ac、2.4/5GHzデュアルバンド、Bluetooth 4.2に対応しています。リアI/Oには無線モジュールのアンテナ端子が設置されており、付属のアンテナを接続できます。
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WiFiに関連した注意事項として「Netwtw04.sys」のBSODが起きる場合はAPP CenterからWiFi ドライバーを更新すると修正されるようなので、同じ不具合が発生した場合は試してみてください。
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重量計を使用して重さを測定してみたところ、GIGABYTE X399 AORUS Gaming 7は1359gとなっており、同じくATXサイズX299マザーボードのGIGABYTE X299 AORUS Gaming 7は1300gと同程度の重量です。ちなみにバックプレートも搭載するGIGABYTE X299 AORUS Gaming 9は1779gでした。
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GIGABYTE X399 AORUS Gaming 7の基板上コンポーネント詳細

続いて「GIGABYTE X399 AORUS Gaming 7」のマザーボード基板上の各種コンポーネントをチェックしていきます。
システムメモリ用のDDR4メモリスロットはCPUソケット両側に8基のスロットが設置されています。
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固定時のツメはマザーボード上側の片側ラッチとなっています。グラフィックカードのあるPCI-Eスロット側はラッチがないので干渉の心配もありません。
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DDR4メモリスロットには外部ノイズEMIから保護して安定したメモリOC環境を実現し、またメモリモジュールの挿抜によるPCB基板の歪みや破損を防止する金属シールド「Ultra Durable Memory Armor」が実装されています。またメモリスロット間にはLEDイルミネーションも実装されています。
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グラフィックボードなどを設置するPCI-Eスロットは全7段で上から[x16、N/A、x16、x16、x16、N/A、x16]サイズのスロットが設置されています。実際のPCI-Eレーン帯域については1段目と5段目はPCI-E3.0x16、3段目と7段目はPCI-E3.0x8、4段目はPCI-E2.0x4帯域となっています。プライマリGPUは1段目のスロットなので大型のハイエンド空冷クーラーを使用する場合はグラフィックボードとCPUクーラーの干渉に注意が必要です。
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グラフィックボード向けのx16スロットとしてプライマリは1段目、セカンダリは5段目に配置されており、現在主流な2スロット占有グラフィックボードを使用しても下位グラフィックボードが上位グラフィックボードのエアフローを妨げないよう配慮されています。付属の2スロットスペース型SLI HBブリッジを使用すれば、NVIDIAの最新GPUであるGTX 1080 Ti、GTX 1080、GTX 1070を使用したマルチGPU SLI環境を構築可能です。
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GIGABYTE X399 AORUS Gaming 7には最近のトレンドとしてx16サイズスロット全てにPCI-Eスロット補強用メタルアーマー「Ultra Durable PCIe Armor」とPCI-Eスロット左右端の固定を補強するGIGABYTE特許取得済「Double Locking Bracket」による2重の保護が施されています。1Kgを超える重量級グラボの重さに耐えるためのこれらの対策により垂直方向に3.2倍、水平方向に1.7倍と両方向の負荷に対する強度は大幅に向上しています。
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SATAストレージ用の端子はマザーボード右下に8基搭載されています。SATA3_0~7はいずれもAMD X399チップセットのコントローラーによる接続で、RAID0/1/10のハードウェアRAID構築にも対応しています。
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高速NVMe接続規格に対応したM.2スロットはCPUソケット下のM2M_32G、チップセット下のM2P_32G、PCI-Eスロット間のM2Q_32Gの計3基が設置されています。3つのM.2スロットはいずれもNVMeとSATAの両方に対応しており、NVMe接続はCPU直結のPCI-Eレーンを使用しています。排他利用もありません。
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「GIGABYTE M.2 Thermal Guard」というカバー型の放熱ヒートシンクが3つのM.2スロット全てに装着されており、 M.2 SSDのサーマルスロットリングを防いで性能を最大限引き出します。
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次世代規格のUSB3.1に対応する内部ヘッダーがATX 24PIN端子の隣に設置されています。
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マザーボード下端にはUSB3.0内部ヘッダーとUSB2.0内部ヘッダーが設置されています。USB2.0内部ヘッダーは2基あるのでCorsairLinkやNZXT CAM対応製品などUSB2.0内部ヘッダーを使用する機器も増えていますが、GIGABYTE X399 AORUS Gaming 7であればそれらの機器も問題なく使用可能です。
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ゲーミングマザーボードということでGIGABYTE独自の高音質オンボードサウンド機能「AMP-UP AUDIO」も採用されています。SN比120dBで圧倒的なオーディオ再生能力を誇る「ALC1220 120dB SNR HD オーディオ」を搭載しています。自動でヘッドホンのインピーダンスを検出して最適な出力を可能にする「Smart Headphone Amp」機能などもあり、サウンドボードや外部DAC要らずな高音質オンボードサウンドが実現されています。
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リアI/Oに設置されているUSB3.0ポートのうち左の黄色USB端子は「USB DAC-UP 2」というUSB機器接続時に電圧の低下やノイズの無い電力を供給することが可能な専用電源回路付き可変電圧USBポートです。例えばUSB給電のUSB DACを接続した場合に高音質化が期待できたり、ケーブルの長いVR HMDを接続する時の信号損失を解消します。
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マニュアルからの画像を使用しますが、冷却ファンや簡易水冷クーラーのポンプの接続用の端子はマザーボード上の各場所に計8か所設置されていました。これだけあれば360サイズなどの大型ラジエーターを複数基積んだハイエンド水冷構成を組んでもマザーボードのファン端子だけで余裕で運用可能です。加えて「PUMP」の添え字の付いたファン端子は最大24W(12V、2A)の出力にも対応しているので本格水冷向けのD5やDDCポンプの電源としても変換ケーブルを噛ませることで使用できます。
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24PIN ATX端子のすぐ上とチップセットの左下には本格水冷PCユーザーには嬉しい外部温度センサーの接続端子が設置されています。GIGABYTEのファンコントロール機能は外部センサーをソースにした水温依存のファンコントロールが可能なので水冷ユーザーにお勧めです。
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上記の外部温度センサー2基に加えてマザーボード上備え付けの温度センサー7基で計9基の温度センサーから自由にソース温度を選択してファンコントロールが可能です。
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マザーボード基板右下にはPOSTエラーのチェックができるDebug LED、またマザーボード左下にはOCerのみならず一般自作erにとっても組み立て中の動作確認に便利なオンボードとスタートスイッチとリセットスイッチが実装されています。CMOSクリアのハードウェアスイッチも設置されているのでOC設定をミスっても簡単に初期化が可能なところは良いのですが、スタート・リセットスイッチと隣接しているレイアウトは誤押下の心配があるので避けて欲しいところでした。
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GIGABYTE X399 AORUS Gaming 7にはGIGABYTE特許取得済みの「デュアルBIOS」機能が採用されており、OC設定によってメインBIOS(M_BIOS)のデータが破損してもバックアップBIOS(B_BIOS)によってメインBIOSの復旧や重要データのバックアップが可能になります。
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GIGABYTE X399 AORUS Gaming 7はCPU不要なBIOSアップデート&修復機能「Q-FLASH PLUS」に対応しています。リアI/Oの白色USB端子にBIOSファイルの入ったストレージを刺すとCPUやメモリがない状態でもBISOのアップデートと修復が可能です。またメインとバックアップBIOSで正常に起動できない場合も、白色USB端子に接続されたストレージにBIOSファイルがあればメインとバックアップのBIOSを修復してくれます。
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マザーボード右下にはフロントパネルI/Oヘッダーがあります。同社独自パーツの「G-Connector」が付属するのであまり重要ではありませんが、基板上に色分けされたプリントのおかげで林立している各ヘッダーピンを視認しやすく、ピンアサインは基板上にヒントもプリントされているのでユーザービリティーに優れる設計です。
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GIGABYTE X399 AORUS Gaming 7へのパーツ組み込み

GIGABYTE X399 AORUS Gaming 7にDDR4メモリとCPUクーラーを設置してみました。内容的には写真のギャラリーだけになっています。
DDR4メモリには「G.Skill Trident Z F4-3866C18Q-32GTZR」(レビュー記事)、CPUクーラーにはNZXT KRAKEN X62(レビュー)を使用しています。
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GIGABYTE X399 AORUS Gaming 7の検証機材

GIGABYTE X399 AORUS Gaming 7を使用して検証機材と組み合わせてベンチ機を構築しました。GIGABYTE X399 AORUS Gaming 7以外の検証機材は次のようになっています。
テストベンチ機の構成
CPU AMD Ryzen Threadripper 1950X
16コア32スレッド 定格全コア同時3.6GHz
レビュー
CPUクーラー NZXT KRAKEN X62
280サイズ簡易水冷 (レビュー
メインメモリ G.Skill Trident Z RGB
F4-3866C18Q-32GTZR
DDR4 8GB*4=32GB (レビュー
CPUベンチ用
ビデオカード
MSI GeForce GT 1030 2GH LP OC
ファンレス (レビュー
システムストレージ
Samsung 850 PRO 256GB (レビュー
OS Windows10 Home 64bit
電源ユニット Corsair RM650i (レビュー


AMD Ryzen ThreadripperのTR4 Socketに対応する280サイズラジエーター採用で最高クラスの冷却性能を誇る簡易水冷CPUクーラー「NZXT KRAKEN X62」をNZXTの国内正規代理店タイムリー社よりAMD Ryzen Threadripper CPUやX399チップセット搭載TR4マザーボードをお借りして検証機材として使用しています。個別レビュー記事も公開中です。
最も美しい簡易水冷CPUクーラー「NZXT KRAKEN X62」をレビュー
NZXT KRAKEN X62
なお「NZXR KRAKEN X62」については水冷チューブがメモリスロットと干渉してしまうので規定の向きではメモリ8枚刺しができません。メモリ4枚刺しであれば問題ありませんが予めご注意ください。
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CPUとCPUクーラー間の熱伝導グリスには当サイト推奨で管理人も愛用しているお馴染みのクマさんグリス(Thermal Grizzly Kryonaut)を塗りました。使い切りの小容量から何度も塗りなおせる大容量までバリエーションも豊富で、性能面でも熱伝導効率が高く、塗布しやすい柔らかいグリスなのでおすすめです。
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グリスを塗る量はてきとうでOKです。管理人はヘラとかも使わず中央山盛りで対角線だけ若干伸ばして塗っています。特にThermal Grizzly Kryonautは柔らかいグリスでCPUクーラー固定時の圧着で伸びるので塗り方を気にする必要もありません。
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以上で検証機材のセットアップが完了となります。
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GIGABYTE X399 AORUS Gaming 7のBIOSについて

GIGABYTE X399 AORUS Gaming 7を使用した検証機の構築も完了したので動作検証とOC耐性のチェックの前にBIOSの紹介をします。
(OSから日付調整する前にスクショを取っている場合、日付がおかしいですが無視してください。また内容的に差異のないものは過去の同社製マザーボードのBIOSスクリーンショットを流用しています。)

GIGABYTE X399 AORUS Gaming 7のBIOSに最初にアクセスするとクラシックモードという従来通りの文字ベースBIOSメニューが表示されました。トップに表示されるシステムタブのシステム言語から日本語を選択可能です。
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GIGABYTE製マザーボードのBIOSの翻訳は一部誤訳もあるものの比較的まともなので日本語UIとしては使いやすいのですが、フォントサイズの調整が微妙で見切れたりするところが玉に瑕です。トップメニューのタブは左右カーソルキーで簡単に移動できます。「左alt」キーを押すかマウスオーバーで右下にメニューとポップアップヒントが表示されています。
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一応、流行に合わせてグラフィカルUIのイージーモードも用意されており、右下メニューや「F2」キーでイージーモードを表示できます。パッと見の見栄えは良いのですが詳細設定ができないのでクラシックモードの利用がおすすめです。
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GIGABYTE X399 AORUS Gaming 7のBIOSにおいて設定の保存とBIOSからの退出はトップメニュータブ最右端の「保存して終了(save and exit)」から行えます。特定のブートデバイスを指定してBIOSから退出するBoot Override機能もあります。
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今回の個体については初期のBIOSバージョンは「F1」だったので、9月11現在公開されている最新版の「F2」にアップデートしました。(ベータ版は不具合が発生する可能性があるので一般的にはアップデート非推奨です)
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BIOSのアップデート方法は、まず下から最新のBIOSファイルをダウンロード、解凍してUSBメモリのルートに解凍フォルダを置きます。
サポート:http://www.gigabyte.jp/Motherboard/X399-AORUS-Gaming-7-rev-10#support-dl

USBメモリを挿入したままBIOSを起動し、「alt」キーかマウスオーバーでクラシックモード右下に表示される「Q-FLASH」を選択するか、「F8」キーのショートカットキーでQ-FLASHを起動します。
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Update BIOSを選択し、接続したUSBメモリからアップデートファイルを選択します。
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以降のアップデート手中については動画で撮影したので参考にしてください。



ブートとOSインストール周りについて紹介します。
GIGABYTE X399 AORUS Gaming 7のブート回りは下画像のようにトップメニュータブの「BIOSの機能(BIOS)」の中で非常に簡潔にまとめられており初心者でも迷うことはないと思います。OSのインストールも「起動オプション #1」に「UEFI 〇〇」というOSインストールメディアを設定して保存&退出でOKです。
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GIGABYTEのBIOSではブートデバイスの指定が可能なので起動オプションで設定せずに、「保存して終了(save and exit)」のタブメニューから「UEFI 〇〇」というOSインストールメディアを選択してもOKです。
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ちなみにWindows10の製品パッケージに付属するUSBメモリではUEFIで認識できないトラブルが発生することがあるようなのでそういうときはこちらの記事に従ってMS公式ツールを使用して適当なUSBメモリでOSインストールメディアを作成すると上手くいきます。


BIOSのアップデートやWindows OSのインストール方法を紹介したところで、GIGABYTE X399 AORUS Gaming 7のBIOS機能で管理人が気になったものをいくつかチェックしていきます。

GIGABYTE X399 AORUS Gaming 7に搭載される独自機能である「USB DAC-UP 2」という専用電源回路付き可変電圧USBポートについてBIOSから設定可能で電圧補償値を0.1~0.3Vに設定できます。
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また後程別章でも詳しく説明しますが、GIGABYTE X399 AORUS Gaming 7ではBIOSからマザーボード備え付けのRGB LEDイルミネーションを操作可能になっており、リアI/OパネルのLEDの点灯/消灯、スリープ・シャットダウン時のLEDの点灯/消灯、LED発光カラー&パターンの設定などが行えます。
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多機能かつ使いやすいファンコン機能「スマートFan 5」について

GIGABYTE X399 AORUS Gaming 7などGIGABYTE製マザーボードに採用されるファンコントロール機能「スマートFan 5」が外部温度センサー対応など多機能かつ、ユーザービリティーにも優れたUIでかなり使いやすいので詳しくチェックしていきます。
ちなみに「スマートFan 5」はWindows OS上の専用アプリからも設定が可能ですが、BIOSからも専用アプリと同様にフルコントロール可能なので、一度設定したら頻繁に弄るものでもありませんし、余計なものを入れるよりもBIOS上からの操作に慣れておく方がおすすめです。

GIGABYTE X399 AORUS Gaming 7のファンコントロール機能「スマートFan 5」には、「alt」キーでクラシックモード右下に表示される「スマートFan 5」を選択するか、「M.I.T.」タブの「スマートFan 5」を選択することでアクセスできます。
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「GIGABYTE X399 AORUS Gaming 7」のファンコントロール機能は下のスクリーンショットのようにグラフィカルUIによる設定のみで一部他社製品のようなコンソールで値を打ち込むようなメニューは存在しません。グラフィカルUIでマウスを使って簡単にできる機能なのですが、マウスレスでも全て設定可能となっており、ASUSやASRockのBIOSのような直打ちUIが好きな管理人でも使いやすいと感じる良いファンコンでした。
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同ファンコントロール機能でユーザーが主に触る部分は下のスクリーンショットで囲った、「設定を行うファン端子」「速度設定プリセットの選択」「手動設定時のファンカーブ」「ファンカーブの温度ソース」「設定の適用」の5つになると思います。
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左上「Monitor」と表示されたすぐ横にあるプルダウンメニューからはファンコン設定を行うファン端子を選択可能で、選択したファン端子について、その下に位置する各設定項目を変更できます。選択したファン端子について「〇〇ファン速度制御」の項目から、「通常」「静音」「フルスピード((定格)」の3つのプリセットに加えて、ユーザーが各自でファンカーブをカスタマイズできる「手動」の4種類を選択できます。
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また選択しているファン端子の操作を行う温度ソースは「Fan Control Use Temperature input」から選択可能になっており、マザーボード備え付けの7つの温度センサーに加えて、増設可能な2つの温度センサーで計9個の温度センサーを温度ソースに指定できます。ただしCPUファンについてはCPU温度ソース固定となります。水温センサーを外部温度センサー端子に接続すれば水温ソースにしたラジエーターファンのファンコンにも対応可能なので水冷PC用のマザーボードとしても最適なファンコン機能です。
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〇〇ファン速度制御」の項目で「手動:を選択した場合はファンカーブのグラフにおいて、ファンストップ温度と、フルスピード温度に加えて、グラフ内で任意の4点についてファンカーブを設定できます。「Monitor」と「〇〇ファン速度制御」の項目間で上下カーソルキーを使うことで各ファンカーブ頂点を指定することができます。注目ポイントとしては「Shift」キーとカーソルキーの同時押しによってマウスレスでファンカーブの頂点を格子上で移動可能となっており、直打ち派の管理人も唸る非常に設定しやすいグラフィカルUIでした。
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また「0」と書かれたファンカーブの頂点はファンストップ温度となっており、指定した温度ソースがファンストップ温度以下の場合、設定を行ったファン端子に接続されたファンを停止させる、所謂セミファンレス機能が使用できます。試しに止めてみました。
Smart Fan5 fanless
Monitor」からは特定のファン端子を選択するので選択したファン端子1つだけについて設定を適用することも可能なのですが、設定の適用を行う「Apply to」のボタンをクリックするとマザーボードに設置されたファン端子が全て列挙され、ファン端子名の左にあるチェックボックスのチェックを入れるもしくは外すことで、現在設定を行っているファン端子と同じ設定を他のファン端子にも一斉に適用することが可能です。ファン設定の同期適用機能があるというのはユーザービリティーに優れ非常に好印象です。
GIGABYTE X399 AORUS Gaming 7_bios_fan_7
その他にも急激な温度変化へファンコンが過敏に反応しないようファン速度変化に1~3秒の猶予を設ける「Temperature Interval」、ファン操作モードを「DC/PWM/自動検出」から設定する「〇〇ファン Control Mode」などのファンコン設定項目があります。ちなみにファン操作モードがPWMの場合でも手動設定時のセミファンレス機能を問題なく使用できました。(ASUSマザボではDCモードのみだった気がします。)
またマザーボードにブザーユニットが接続されている場合は、特定温度ソースが一定温度を超えた場合にエラーを知らせる「Temperature Warning」や接続されているファンに不具合が発生した(回転数の検出ができない)場合に警告を行う「〇〇ファン以上警告」といった設定も可能です。
GIGABYTE X399 AORUS Gaming 7_bios_fan_8
欲を言えば数値直打ちのコンソール型UIもあると嬉しいとか個人的な要望はあるものの、マザーボードのファンコントロール機能としては同じく外部温度センサーソースに対応したASUSの「Q-Fan control」以上に多機能です。

「Smartファン5」はWindows OS上の専用インフォメーションソフト「System Information Viewer」に統合されており同アプリ上から、BIOSと同じくファンコントロールが可能です。(System Information Viewerの利用にはAPP Centerのインストールも必要になります。)
Smart Fan5_da (1)
上で紹介したBIOS上のファンコントロール同様に、個別のファンについてファンカーブの設定、セミファンレス機能のON/OFF、ヒステリシス間隔の変更など詳細なファンコントロール設定が可能です。
Smart Fan5_da (5)
上のメニューで左にあるケースアイコンをクリックするとPCケース内におけるファンの設置位置やファンコンのソース温度を設定するメニューが表示されます。
Smart Fan5_da (3)
その他にも温度やファン回転数などのハードウェアモニタリングやモニタリング値によるアラーム機能、モニタリング値のログ機能なども用意されていました。
Smart Fan5_da (4)Smart Fan5_da (6)


GIGABYTE X399 AORUS Gaming 7などGIGABYTE製マザーボードに採用されるファンコントロール機能「Smartファン5」はおそらく一般ユーザーにとっては最も使いやすく機能の優れたファンコントロールだと思います。



イルミネーション操作機能「GIGABYTE RGB Fusion」について

GIGABYTE X399 AORUS Gaming 7にはマザーボード備え付けLEDイルミネーションや4PIN RGB LEDテープやアドレス指定LEDテープに対応したイルミネーション操作機能「GIGABYTE RGB Fusion」が用意されています。
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GIGABYTE X399 AORUS Gaming 7は4基のDDR4メモリスロットの間に設置された3本列のLEDイルミネーションやPCI-Eスロット内蔵LEDイルミネーションなどマザーボード備え付けLEDイルミネーションが他社製品と比較しても非常に豊富な所が特徴的です。
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下の写真はIntel Core-X対応の「GIGABYTE X399 AORUS Gaming 7」でリアI/Oカバーからオンボードサウンドカバーに設置されたLEDイルミネーションはアドレス指定型になっていましたが、「GIGABYTE X399 AORUS Gaming 7」では通常のRGB LEDになっているのが少し残念でした。
GIGABYTE X399 AORUS Gaming 7 review_08093

マザーボード上にはLEDイルミネーション同期調整機能「GIGABYTE RGB Fusion」による操作に対応した汎用ヘッダーとして5PIN LEDヘッダーがマザーボードの右上と左下に設置されています。付属の延長ケーブルを使用することで当サイトでもレビュー記事を公開している「SilverStone SST-LS02」や「SilverStone FG121 / FG141」など汎用LED機器が接続可能です。出力は最大24W(12V, 2A)まで対応しており、最長2mのLEDテープを延長接続可能です。また対応機器が今のところ不明ながらアドレス指定LEDテープに対応したDigital LEDヘッダーも設置されています。
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GIGABYTEのLEDイルミネーション操作機能「RGB Fusion」はWindows OS上の同名アプリ「RGB Fusion」から各種設定が可能です。Z270やX370マザーボードをレビューした時よりもプリセットも豊富になり設定可能な範囲が広くなってRGB Fusionは使いやすくブラッシュアップされています。
GIGABYTE RGB Fusion_1
ちなみにRGB Fusionの使用は統合ランチャーAPP Center経由の利用が推奨されていますが、アプリのインストール自体は単独でも可能になっており、インストールフォルダから実行ファイル「SelledV2.exe」を起動することで問題なく使用できました。
RGB Fusion_5
なお9月11日現在、クライアントソフト「APP Center」経由でRGB Fusionをインストールするとアプリ起動時の初期化中にBSODが発生しました。製品サポートページからDLしたインストーラーでインストールした場合はBSODが発生しないので、サポートページからのDLでインストールを推奨します。
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ウィンドウトップメニュータブの「Basic」を選択すると、LEDイルミネーション発光パターンとして「Static(固定発光)」「Pulse(ゆっくり明滅)」「Flash(点滅)」「Double Flash(2回点滅)」「Color Cycle(カラーサイクル)」「Random(ランダムに点滅)」「Wave」「Demo(Wave+Color Cycle)」の9つがGIGABYTE X399 AORUS Gaming 7では選択可能でした。
GIGABYTE RGB Fusion_2
「Static(固定発光)」「Pulse(ゆっくり明滅)」「Flash(点滅)」「Double Flash(2回点滅)」では円形カラーパレットから自由に発光カラーを設定できます。
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カラーサイクルのプリセットも発光カラーの遷移が滑らかで見栄えが良好です。


トップメニュータブの「Intelligent(各種ソースに同期)」ではCPU温度やCPU使用率などハードウェアモニタリングの数値に応じて発光カラーが変更する発光パターンです。状態に応じて3種類の発光カラーをアサインすることでLEDイルミネーションをインジケーターとして使用できます。
GIGABYTE RGB Fusion_3

ウィンドウ左にあるアイコンの「Advanced」を選択するとより詳細なLEDイルミネーション設定が可能です。マザーボード上の備え付けのLEDイルミネーションもメモリスロットやPCI-Eスロットなど個別の場所ごとに発光カラーや発光パターンの設定が可能です。
GIGABYTE RGB Fusion_5
マザーボード備え付けのLEDイルミネーションを下のように個別に設定できます。なおリアI/Oカバー&オンボードサウンド部分とメモリスロットのLEDの発光カラー・パターン設定は共有されており個別に設定できません。
DSC00605GIGABYTE RGB Fusion_7

また「Advanced」の「Peripheral Device LED」を選択するとグラフィックボードやDDR4メモリなどGIGABYTE RGB Fusionに対応する外部機器のLEDイルミネーションも一括で管理できます。当サイトでレビュー記事を公開している「GIGABYTE AORUS GTX 1080 Ti Xtreme Edition」や「Corsair VENGEANCE RGB DDR4メモリ」が対応機器となっています。
GIGABYTE RGB Fusion_6

「GIGABYTE RGB Fusion」はデスクトップアプリだけでなくBIOS上のグラフィカルUIでLEDイルミネーションの調整を行えます。いちいち専用アプリをインストールするのが面倒なのでBIOSから設定できるのは非常に便利で。ただし残念ながらBIOSからは設定可能な発光パターンが少なく、マザーボード上の個別箇所設定が不可能など、デスクトップアプリと比べて設定内容が限定されています。
RGB Fusionの設定へアクセスするには「周辺機器(Peripherals)」タブメニューにある「RGB Fusion(誤訳?:アンビエントLED)」を選択します。
GIGABYTE X399 AORUS Gaming 7_BIOS_11
BIOSから設定可能な発光パターンは「Breathing(パルス発光モード)」「カラーサイクル(Color Cycle)」「固定(Static Mode)」「点滅(Flash Mode)」の4種類となっており、個別箇所ごとの設定などは不可能でした。
GIGABYTE GA-AX370-Gaming K7_bios_led_1

またPCと同じネットワーク上にあるスマートフォンからもLEDイルミネーションの設定が可能です。
GIGABYTE GA-AX370-Gaming K7_web_9



GIGABYTE X399 AORUS Gaming 7のOC設定について

GIGABYTE X399 AORUS Gaming 7を使用した場合のオーバークロックの方法を紹介します。
なおオーバークロックはメーカー保証外の行為であり製品の破損やデータの消失もすべて自己責任となります。オーバークロック検証時は最小構成(CPU、マザーボード、メモリ、システムストレージ、グラフィックボード)以外は基本的にすべて外し、可能ならOC検証用のシステムストレージを用意するなど細心の注意を払ってください。


AMD Ryzen Threadripper CPUについては純正のOCツール「AMD Ryzen Masterユーティリティ」が用意されていますが、こちらの使い方については下の記事を参考にしてください。
AMD Ryzen専用純正OCツール「AMD Ryzen Masterユーティリティ」の使い方
AMD Ryzen Masterユーティリティ

GIGABYTE X399 AORUS Gaming 7ではオーバークロック関連の設定項目はトップメニュータブ「M.I.T.」の「高度な周波数設定」「高度なメモリ設定」「高度な電圧設定」に各種設定がまとめられています。ちなみに設定値を直接入力する項目でデフォルトの「Auto」に戻す場合は「a」キーを入力すればOKです。
GIGABYTE X399 AORUS Gaming 7_BIOS_OC_1


CPUコアクロック(コア倍率)の変更について説明します。
コアクロックはコア数に対して各コアに最大動作クロック(BCLKに対する倍率)を指定できます。「コア0:コア1:コア2:コア3」を倍率として、例えば「45:43:43:42」のようにバラバラに指定した場合、4つのコアのうち1つに負荷が掛かる場合は4コアのうち1つが45倍動作、2つと3つの場合は43、4つの場合は42となります。そしてベースクロック(BCLK)は通常100MHzなので動作倍率40倍であればコアクロックは4.0GHzとなります。

AMD Ryzen Threadripper CPUについても定格では同様に、例えばRyzen Threadripper 1950Xでは冷却性能依存の自動OC機能「XFR」の影響で若干前後しますが、単コア負荷の場合は4.2GHz、全コア負荷の場合はTDPの範囲内で変動しますが軽いワークロードであれば全コア4.0GHzで動作し、動画のエンコードなど重いワークロードでは平均3.5~3.6GHz程度で動作します。
AMD Ryzen Threadripper 1950X def clock
Ryzen ThreadripperのCPUコアクロックに関してBIOSから行う基本的なOC設定や専用ユーティリティー「Ryzen Master」によるOC設定では、単一の「P-State」を設定して固定コアクロックかつ固定電圧でOC設定としていますが、Ryzen CPUでは本来、複数の「P-State」が設定可能です。
アイドル時のP-State0、低負荷時のP-State1、高負荷時のP-State2のように負荷に応じてP-State(コアクロックと電圧の組み合わせ)という状態を遷移できます。例えばRyzen Threadripperの定格動作ではCPUごとにデフォルトで設定されたP-Stateに従って動作しているので可変コアクロックかつ可変電圧になっています。
固定最大コアクロック&固定電圧によるOCに比べて、複数のP-Stateを設定する方法は難易度が高いですが、一部のコアのみより高いクロックで動作させるなど細かい設定が可能になります。とはいえやはり複数のP-Stateを設定する方法は難易度が高い設定になるので、簡単な単一P-Stateで固定最大倍率&固定電圧のOCがおすすめです。
Ryzen P-State_1

GIGABYTE X399 AORUS Gaming 7のコアクロックのOC設定方法はベースクロック(BCLK):100MHzに対する倍率指定となっており0.25倍単位でCPUコアクロックの倍率を設定できます。「CPU クロック倍率:40.00」と設定することでデフォルトのベースクロック100MHzの40倍で4.0GHzで動作します。上で説明したように現時点では全コア同時の最大クロックしか設定できません。
GIGABYTE X399 AORUS Gaming 7_BIOS_OC_2
GIGABYTE X399 AORUS Gaming 7にはBIOS:F2においてベースクロックの変更が可能な設定項目は用意されていませんでした。ベースクロックは100MHzで固定となります。

コアクロック倍率設定の下にある「高度なCPUコア設定」へアクセスするとAMD CPUのマルチスレッディング機能である「SMT:サイマルテイニアス マルチスレッディング(Simultaneous multithreading)」の有効・無効などCPUの動作に関する追加設定が可能です。
GIGABYTE X399 AORUS Gaming 7_BIOS_OC_3


続いてコア電圧の調整を行います。
AMD Ryzen Threadripper CPUの手動OCに関連する電圧設定については基本的に「CPUコア電圧(CPU Vコア)」「SOC電圧(VCORE SOC)」「DRAM電圧」の3項目のみと非常に簡単化されています。
GIGABYTE X399 AORUS Gaming 7_BIOS_OC_4

CPUコアクロックのOCに関連する電圧のOC設定としては、GIGABYTE X399 AORUS Gaming 7ではCPUコア電圧(BIOS上ではCPU Core voltageもしくはCPU Vコアと表記されています)の項目を変更します。GIGABYTE X399 AORUS Gaming 7ではマニュアルの設定値を指定して入力する固定モードのみが使用できます。AMD Ryzen CPUのコア電圧は0.00625V刻みでコア電圧の設定が可能です。
GIGABYTE X399 AORUS Gaming 7_BIOS_OC_5

CPUコア電圧モードについて簡単に説明すると、オフセットモードやアダプティブモードはCPU負荷に比例して電圧が設定されており、低負荷時は電圧が下がるので省電力に優れるのですが、OCをする場合はマザーボードによって挙動に差があり安定する設定を見極めるのが難しいので、個人的にはオフセットやアダプティブは定格向け、OCには固定値適用の固定モードを推奨しています。
仮にOCでオフセットやアダプティブを使う場合も最初はコアクロックに対して安定する電圧を見極める必要があるので、まずは固定モードを使用します。
ちなみにマザーボードにより対応しているモードは異なりますが、CPUのオーバークロックに付随するコア電圧のモードの概略図は次のようになっています。
vc
またコアクロックを高く設定する時に追加で変更するといい電圧設定項目としてCPUコア電圧の設定欄の下にある「CPU VRINロードラインキャリブレーション」が挙げられます。この設定を変更することでCPU負荷時の電圧降下を補正してOCを安定させることが可能です。補正を強くするほどOCの安定性は増しますがCPUやVRM電源部分の発熱も大きくなるので真ん中あたりを最初に使っておいて、ストレステストのCPU温度をチェックしながらモードを上げていくのがおすすめです。
GIGABYTE X399 AORUS Gaming 7_BIOS_OC_6
GIGABYTE X399 AORUS Gaming 7では「CPU VRINロードラインキャリブレーション」の設定方法が少し特殊で、デフォルトの設定値は「Auto」ですが、数字キーの1~6が「Standard」「Low」「Medium」「High」「Turbo」「Extreme」に割り当てられており、その他の入力を行うと「Auto」に戻ります。
またキーボードにテンキーがある場合は「+」「-」キーで設定内容を「Standard」~「Extreme」で変更できました。「Standard」の動作がよくわかりませんが、「Low」~「Extreme」は補正の強さをそのまま示しているので、MediumかHigh辺りから使っていけばいいと思います。


あと「GIGABYTE X399 AORUS Gaming 7」では複数のP-State(Custom P-State)の個別設定も可能です。設定項目は若干わかりにくい場所にに配置されており、トップメニュータブ「周辺機器」から「AMD CBS」「Zen Common Options」と下っていきます。
まず最初に「OC Mode」の項目を「Customized」に変更します。
GIGABYTE X399 AORUS Gaming 7_BIOS_OC_7
「OC Mode」の項目を変更した後、「Custom Pstates / Throttling」の項目を開くと複数のP-State(Custom P-State)の個別設定画面が表示されます。
GIGABYTE X399 AORUS Gaming 7_BIOS_OC_8
Custom P-Stateでは「P-State X FID」「P-State X DID」「P-State X VID」の3種の設定値を各P-State Xに対して設定します。いずれの設定値も16進数(0~9、A~F)による設定で例えば、3a(16進数)=3*16+10=58(10進数)となります。
各P-State Xに対するコアクロックの設定は次のようになります。
 コアクロック = BCLK(ベースクロック)*FID / DID * 2
つまり「FID / DID * 2」がコアクロックOC一般に言うコア倍率になります。例えば上のスクリーンショットでは「FID:88」「DID:8」なので10進数に戻してコア倍率を計算すると、34.00となりBCLK:100MHzに乗じて3400MHz動作となります。「Custom P-States X」の下にある「Frequency(MHz)」の横のテキストボックスにも3400と表示されています。似たようなコア倍率に対して「Core FID」と「Core DID」の組み合わせが複数存在する可能性がありますが、この組み合わせによるOC安定性に関する違いまではわからないので、そのあたりは各自で詰めてみてください。
各P-State Xに対するコア電圧は「P-State X VID」によって決まっており、同様に16進数による設定値入力で、0~FFの範囲内で設定可能です。「P-State X VID」の設定値に対してコア電圧は次のようになります。
 コア電圧 = 1.55000V - 0.00625 * VID
例えばVID:3a(16進数)=58(10進数)の場合はコア電圧は1.18750Vとなります。
以上のような流れで最大コアクロックをP-State 0として順番に下がるように設定していきます。



メモリのオーバークロックについても簡単に紹介だけしておきます。
メモリの性能について簡単に言うと「動作クロックが高く」「タイミングが小さい」ほど性能は高くなります。そのためメモリOCを手動で行う手順を簡単にすると「電圧を上げて動作可能なクロックを探し」、「そのクロックにおいて正常に動作する最小のタイミングを探る」という2つの手順を繰り返すことになります。
一方でXMPによるメモリOCは上の手順によるOCをメーカー側がすでに行い動作確認をしているので、メーカーが動作確認を行ったOCプロファイルを適用するだけで簡単にメモリをオーバークロックできます。

なおAMD Ryzen Threadripper環境ではメモリのオーバークロックに伴って、コアクロックOC時のコア電圧の要求値が上がるので注意してください。一例として1950XとASRock X399 Taichiの組み合わせで全コア4.0GHzのOCに関して、メモリ周波数2133MHzでは1.275Vで回った石でもメモリ周波数3466MHzにOCすると1.320V程度が安定動作に要求されました。

メモリOCではPOSTすらクリアできずBIOSに到達できないことも少なくありませんが、「GIGABYTE X399 AORUS Gaming 7」では正常にPOSTできないメモリOC設定でエラーが出た場合は数回再起動した後、自動で2133MHzのような緩い設定で起動してくれるのでメモリOCを安心して行えます。


メモリOCで有名なXMPプロファイルはIntelの策定した規格なのでAMD CPU&マザーボードの環境では非対応ですが、GIGABYTE X399 AORUS Gaming 7ではXMPプロファイルの項目が表示されており、おそらくXMPプロファイルから適当なOCプロファイルを自動生成しているものと思われます。
GIGABYTE X399 AORUS Gaming 7_BIOS_OC_10
GIGABYTE X399 AORUS Gaming 7ではメモリクロックの設定方法も少々独特で、1333MHz(13.33倍)から4000MHz(40.00倍)まで選択可能ですが、プルダウンメニューによる選択ではなく、メモリ周波数の直打ち(補正あり)か、テンキーの「+/-」キーによる設定値変更で選択する形式になっています。
GIGABYTE X399 AORUS Gaming 7_BIOS_OC_9
メモリ設定の「DRAMタイミングモード」を「手動」に設定することでメモリタイミングの個別打ち込み設定も可能です。メモリタイミングを手動で設定する場合は基本的には「CAS Latency (tCL)」、「RAS to CAS Read (tRCDrd)」、「RAS to CAS Write (tRCDwr)」、「RAS Precharge (tRP)」、「RAS Active Time (tRAS)」の主要な5タイミングと、加えて各種タイミングの下の方に配置されている「Command Rate:1 or 2」の6つ以外はAutoのままでいいと思います。
GIGABYTE X399 AORUS Gaming 7_BIOS_OC_11
GIGABYTE X399 AORUS Gaming 7_BIOS_OC_12
メモリタイミングの下の方にある「ProcODT」という設定値がAutoのままではPOSTがクリアできない場合があります。AutoでPOSTをクリアできない、もしくは起動後に安定しない場合は「ProcODT」を43.6~68.6の間で固定して安定するものを探してみてください
GIGABYTE X399 AORUS Gaming 7_BIOS_OC_13
メモリ周波数を3200MHz以上にOCする場合は「メモリコントローラーの設定」にある「GearDownMode」をEnabledに設定すると動作が安定するかもしれないので、Autoで上手くいかない場合は設定を変更してみてください。
GIGABYTE X399 AORUS Gaming 7_BIOS_OC_14
DDR4メモリの周波数OCを行う際は「DRAM CH AB/CD Voltage」の項目を、3000MHz以上にOCする場合は1.300~1.350V、3600MHz以上にOCする場合は1.370~1.400Vに上げる必要があります。メモリをOCする場合は最初から1.350V以上にDRAM電圧を盛っておくのがおすすめです。
加えてAMD Ryzen Threadripper CPUでメモリの動作クロックをOCする場合はDRAM電圧だけでなく「CPU SOC電圧(VDD SOC電圧)」も1.100V程度に盛ってやると動作が安定しやすいようです。
GIGABYTE X399 AORUS Gaming 7_BIOS_OC_15

AMD Ryzen Threadripperにはメモリーアクセスモードとして「Distributed / Local」の2つのモードが用意されていますが、「GIGABYTE X399 AORUS Gaming 7」では専用アプリ「AMD Ryzen Master」を使用せずBIOSからメモリーアクセスモードの変更を行うことが可能です。
メモリ設定画面の「メモリコントローラーの設定」(もしくは「周辺機器ーAMD CBSーDF Common Options」)にある「Memory interleaving」の項目がメモリーアクセスモードの設定に該当しています。「Memory interleaving」の設定値は次のようになっています。
 Die : Distributed : UMAモード
 Channel : Local : NUMAモード

GIGABYTE X399 AORUS Gaming 7_BIOS_OC_16


GIGABYTE X399 AORUS Gaming 7のOC設定についてはテンキーの「+/-」キーで設定値の変更はできるものの、メモリ周波数やロードラインキャリブレーションの設定がプルダウンメニューでないところが不便なのでこの点についてはアップデートで修正して欲しいです。



GIGABYTE X399 AORUS Gaming 7の動作検証・OC耐性

BIOS周りの管理人的に気になるところの紹介はこのあたりにしてGIGABYTE X399 AORUS Gaming 7を使用した検証機で具体的に動作検証とOC耐性をチェックしていきます。

まずはFast Bootとフルスクリーンロゴを無効(BIOS設定)にしてOSの起動時間を測定したところ、GIGABYTE X399 AORUS Gaming 7の起動時間は23秒ほどした。多機能なエンスー向けマザーボードの起動時間としては標準的な起動時間だと思います。




続いてGIGABYTE X399 AORUS Gaming 7を使用した場合のCPUとメモリのオーバークロック耐性をチェックしてみました。
なおオーバークロックはメーカー保証外の行為であり製品の破損やデータの消失もすべて自己責任となります。オーバークロック検証時は最小構成(CPU、マザーボード、メモリ、システムストレージ、グラフィックボード)以外は基本的にすべて外し、可能ならOC検証用のシステムストレージを用意するなど細心の注意を払ってください。


Ryzen Threadripper 1950XのOC設定は「CPUクロック倍率:40」「CPUコア電圧:1.33125V」「CPU VRINロードラインキャリブレーション: Medium」「メモリ周波数:3466MHz」「メモリ電圧:1.400V」「メモリタイミング:16-18-18-38-CR1」「Trfc:720」「Trfc2:360」「ProcODT:68.6ohm」「GeaDownMode:Enabled」としています。
GIGABYTE X399 AORUS Gaming 7_BIOS_OC test (1)GIGABYTE X399 AORUS Gaming 7_BIOS_OC test (2)GIGABYTE X399 AORUS Gaming 7_BIOS_OC test (3)
GIGABYTE X399 AORUS Gaming 7_BIOS_OC test (4)GIGABYTE X399 AORUS Gaming 7_BIOS_OC test (5)

上の設定を適用したところ問題なくOSを起動させることができました。
GIGABYTE X399 AORUS Gaming 7_OC test_1
GIGABYTE X399 AORUS Gaming 7_OC test_2

GIGABYTE X399 AORUS Gaming 7の環境(BIOS:F2)でメモリ周波数を3466MHzにOCしてメモリタイミング:16-18-18-38-CR1に詰めることができました。
GIGABYTE X399 AORUS Gaming 7_OC test_AIDA
「GIGABYTE X399 AORUS Gaming 7」はメモリのオーバークロック耐性が優秀なようで3466MHzだけでなく3600MHzについてもOSを起動させることができました。ランダムに?POSTに失敗するので常用設定ではありませんが、一度起動できればMemtestでもそこそこ安定しているのでBIOSの成熟で3600MHz以上のメモリ周波数もさらに狙いやすくなるのではないかと思います。
GIGABYTE X399 AORUS Gaming 7_OC test_mem3600MHz

またF4-4200C19Q2-64GTZKK(8GB*8, XMP4200MHz)」で8GB*8=64GBについて動作を確認してみたところ、2933MHzで安定動作となりました。また3066MHzは起動するもののMemtestに失敗、3200MHzは起動はPOSTするもののOS起動でエラーとなりました。Samsung Bダイ 8GBの8枚組であれば2666MHzは余裕、2933MHzもタイミング微調整を頑張れば安定動作を狙えると思います。
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16コア32スレッド「AMD Ryzen Threadripper 1950X」のコアクロック4.0GHz、メモリ周波数3466MHz、メモリタイミング16-18-18-38-CR1でCinebenchも問題なくクリアできました。
GIGABYTE X399 AORUS Gaming 7_OC test_cninebench

続いてこのOC設定を使用してストレステストを実行しました。
検証方法については、FF14ベンチマークの動画(再生時間8分、WQHD解像度、60FPS、容量4.7GB)でAviutl+x264を使ってエンコードを行いました。エンコード時間はThreadripper 1950Xの場合10分ほどなので同じ動画のエンコードを2つ並列して2周実行しています。テスト中のファン回転数は一定値に固定しています。
注:CPUのストレステストについてはOCCTなど専用負荷ソフトを使用する検証が多いですが、当サイトではPCゲームや動画のエンコードなど一般的なユースで安定動作すればOKとういう観点から管理人の経験的に上の検証方法をストレステストとして採用しています。
AMD Ryzen Threadripper_stress

ストレステスト中のCPU温度とCPU使用率のログは次のようになりました。マザーボードにGIGABYTE X399 AORUS Gaming 7を使用して「AMD Ryzen Threadripper 1950X」のコアクロック4.0GHz、メモリ周波数3466MHzにOCしてストレステストをクリアできました。CPUクーラーのファン回転数は1500RPMで固定しています。
GIGABYTE X399 AORUS Gaming 7_OC test_stress

スマホで使用できるサーモグラフィカメラ「FLIR ONE」を使用してGIGABYTE X399 AORUS Gaming 7のVRM電源温度をチェックしてみました。
まずは同マザーボードにおいてAMD Ryzen Threadripper 1950Xをデフォルト設定で負荷をかけてからVRM電源温度を測定してみました。定格では180W制限下で動作するため平均して全コア3.5~3.6GHz程度での動作となります。
AMD Ryzen Threadripper 1950X def clock
デフォルト設定の動作でもEPS端子経由の消費電力は180W程度に達するので、簡易水冷CPUクーラーでVRM電源周りに風が直接当たらない場合、VRM電源温度は高温部分で70度半ばに達します。ソフトウェア読みでも70度半ばでした。破損に繋がるレベルの温度ではありませんが定格運用であっても可能であればスポットクーラーなどでVRM電源周りを冷やしたいところです。
GIGABYTE X399 AORUS Gaming 7_OC FLIR (1)
GIGABYTE X399 AORUS Gaming 7_OC FLIR (2)

続いてRyzen Threadripper 1950Xを上記のBIOS設定でOCした時の負荷テスト中の温度をチェックしていきます。同マザーボードに限った話ではありませんがRyzen Threadripper CPUで12コア以上のモデルをOCする場合はスポットクーラーを使用してVRM電源部分の冷却推奨です。ちなみにGIGABYTE X399 AORUS Gaming 7環境でRyzen Threadripper 1950Xを4.0GHz、メモリ3466MHzまでOCするとシステム全体の消費電力が370~400Wに達します。
DSC00607GIGABYTE X399 AORUS Gaming 7_OC test_power
Ryzen Threadripper 1950Xを全コア4.0GHzにOCしていますがスポットクーラーとして120mmファンを1500RPMで回していますが、サーモグラフィー上ではVRM電源周りの温度は90度前後、ソフトウェア読みのVRM電源温度も最大88度に達していたので、Ryzen Threadripper 1950Xでコアクロック4.0GHz、メモリ周波数3000MHz以上にOCするのであればVRM電源周りにスポットクーラーの使用を強く推奨します。
GIGABYTE X399 AORUS Gaming 7_OC FLIR (3)
GIGABYTE X399 AORUS Gaming 7_OC FLIR (4)


GIGABYTE X399 AORUS Gaming 7のレビューまとめ

最後に「GIGABYTE X399 AORUS Gaming 7」を検証してみた結果のまとめを行います。簡単に箇条書きで以下、管理人のレビュー後の所感となります。

良いところ
  • ブラックメインのクールなデザイン
  • マザーボード全体を覆うLEDイルミネーションが非常に豪華
  • ヒートパイプ付きの大型VRM電源クーラーを搭載
  • 16コアRyzen TR 1950X 4.0GHz、メモリクロック3466MHz OCで安定動作
  • 重量級グラボにも耐える2大独自機能「Ultra Durable PCIe Armor」と「Double Locking Bracket」
  • 外部ノイズから保護することで安定したメモリOCを実現する「Ultra Durable Memory Armor」
  • スタート・リセットスイッチなど動作検証に便利なオンボードスイッチ
  • 外部温度センサーに対応したファンコン「Smartfan 5」は多機能で使いやすい
  • 高速NVMe接続のM.2スロットが3基設置されている
  • 全てのM.2スロットに独自ヒートシンク「GIGABYTE M.2 Thermal Guard」が設置されている
  • NVIDIA GTX 10XXシリーズのマルチGPU用の金属端子SLI HBブリッジが付属する
  • フロントパネルコネクタのマザーボードへの装着を簡単にする独自パーツ「G-Connector」
悪いところor注意点
  • 1950XのOC時はVRM電源周りにスポットクーラーの使用を推奨
  • CMOSクリアスイッチがスタートスイッチとリセットスイッチの間にある
  • リアI/OにUSB2.0端子がないのでワイヤレスUSB機器との干渉が心配
  • ベースクロックは100MHz固定でBCLKによるOCには非対応

AMD Ryzen Threadripper CPU対応X399マザーボード「GIGABYTE X399 AORUS Gaming 7」はGIGABYTEのゲーミングブランドAORUSシリーズらしく、多機能でマザーボード全体を覆うLEDイルミネーションが豪華なマザーボードとして仕上がっています。
GIGABYTE社のファンコントロール機能「Smartfan 5」は外部センサーを含めた9個温度センサーをソースに8基のファンを自由自在にコントロールできるので、これを目当てにGIGABYTE製マザーボードを購入しても後悔のないほど非常に優れた機能でした。水冷ユーザーにもおすすめです。


BIOSデザインについては好みの問題かと思いますが、GIGABYTE X399 AORUS Gaming 7ではカーソルキー操作を基本としたクラシカルなUIが採用されており管理人的に好みでした。ただグラフィカルUI好きにとっては物足りないかもしれません。
翻訳は一部誤訳があるものの比較的まともですが、日本語フォントの調整が微妙なのが玉に瑕です。あとOC設定でLLCやメモリ周波数などプルダウン選択形式が推奨されそうな項目で直打ちorテンキーで設定変更なところは改善して欲しいです。

GIGABYTE X399 AORUS Gaming 7を使用した検証機では16コア32スレッドのAMD Ryzen Threadripper 1950Xを全コア4.0GHzに、メモリ周波数も3466MHzにオーバークロックして負荷テストをクリアすることができました。
Ryzen Threadripper 1950Xと組み合わせて使用した場合、定格運用ではTDP180Wの制限内で動作するためCPU温度は240サイズ以上の簡易水冷CPUクーラーであればサーマルスロットリングの閾値となる実温度68度、Tctl95度以下での運用も難しくはありません。ただし定格とはいえ消費電力は180WなのでVRM電源温度はサーモ・ソフト読みで70度半ばまで達します。ヒートパイプで連結された大型VRM電源クーラーが採用されていますが、可能であれば定格運用でもスポットクーラーを使用したいところです。
またRyzen Threadripper 1950XのOCについてはEPS端子経由の消費電力も300Wを超えてくるのでスポットクーラーによるVRM電源周りの冷却は必須です。VRM電源周りの発熱自体はありますがスポットクーラーさえ適切に運用すればRyzen TR 1950Xの4.0GHz OCでも最大90度前後に抑えることができるのでRyzen TR 1950XのOC環境としても十分戦えると思います。
GIGABYTE X399 AORUS Gaming 7は他社のX399マザーボードと比較してもメモリのオーバークロック耐性がかなり優秀という手ごたえを感じました。3466MHzでタイミングを16-18-18-38-CR1まで詰めて安定させることができましたし、POSTが安定しないので常用設定とはいきませんが、起動後はそこそこ安定する設定として3600MHz、18-19-19-40-CR1が可能でした。メモリOCについてはAMD公式もAGESAマイクロコードのアップデートなどで改善を進めているので今後は3600MHz以上で安定させやすくなっていくことも期待できると思います。

以上、「GIGABYTE X399 AORUS Gaming 7」のレビューでした。
GIGABYTE X399 AORUS Gaming 7







検証機材として使用している以下のパーツもおすすめです。
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Ryzen Threadripperは従来のCPUに比べて非常に大きいヒートスプレッダが採用されているので、大型ベースコアを採用するThreadripper専用CPUクーラーもおすすめです。

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