SilverStone SST-TP02-M2


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コンパクトながら高速なアクセス速度ゆえに発熱が大きめでメモリコントローラーやメモリチップの温度が高くなりがちなNVMe M.2 SSDで使用可能なシリコンバンド固定タイプのM.2 SSDヒートシンク「SilverStone SST-TP02-M2」をレビューしていきます。M.2 SSD用ヒートシンクはサーマルパッドの吸着力でそのままくっ付けるものやクリップ固定するものが多いですが、SilverStone SST-TP02-M2は薄くて絶縁性のあるシリコンバンドでM.2 SSDに固定する方式が採用された使いやすいM.2 SSDヒートシンクです。
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代理店公式ページ:http://www.dirac.co.jp/sst-tp02-m2/
製品公式ページ:http://www.silverstonetek.com/product.php?pid=781
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SilverStone M.2 SSD専用放熱ヒートシンク/パッドセット SST-TP02-M2
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SilverStone SST-TP02-M2の外観・付属品

まずは「SilverStone SST-TP02-M2」の外観や付属品についてチェックしていきます。
プラスチック製パッケージにはヒートシンク本体、サーマルパッド3枚、シリコンバンド2つが入っていました。
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SilverStone SST-TP02-M2にはサーマルパッドとして、ヒートシンクとM.2 SSDの間に貼る青色サーマルパッドに加えて、「SilverStone SST-ECM22」などM.2-PCIE変換アダプタの基板部分を放熱板として利用するためのグレーのサーマルパッドが2枚付属します。グレーのサーマルパッドはM.2 SSDの背面にメモリチップ等の実装があっても対応できるように1.0mm厚と1.5mm厚の2枚があります。
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ヒートシンクを固定するためのシリコンバンドは、フラットなきしめん状になっておりヒートシンクとM.2 SSDを安定して固定することができる形状です。金属クリップではなくゴムバンドなので絶縁性かつM.2 SSDへ傷をつけることもないためヒートシンク固定も安心できます。
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SilverStone SST-TP02-M2のヒートシンク本体の外観は次のようになっています。表面は艶のあるブラック塗装でヘアライン加工も施されておりシンプルにカッコいいデザインだと思います。放熱面ではM.2 SSDと接するベースプレートからI字やT字の放熱プレートが伸びて放熱表面積を確保するという二重層構造です。
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SilverStone SST-TP02-M2をM.2 SSDに装着すると次のようなります。下の写真ではM.2 SSDに先日発売され当サイトでもレビューしたばかりの「Intel SSD 760p 512GB」を使用しています。
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SilverStone SST-TP02-M2は高さ10mmなのでグラフィックボード用PCI-Eスロットの直下に配置されたM.2スロットに設置するM.2 SSDで使用する場合はGPUクーラーと干渉する可能性が高いです。M.2-PCIE変換アダプタ「SilverStone SST-ECM22」との組み合わせが想定された製品なので仕方ないのかもしれませんが、欲を言えばマザーボード上M.2スロットに設置することを考えると高さ7mm程度に収めてほしかったとも思います。
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SilverStone SST-TP02-M2の冷却性能

続いて本題の「SilverStone SST-TP02-M2」の冷却性能をチェックしていきます。
アクセススピードが数GB/sに及ぶ高速NVMe接続に対応したM.2 SSDでは、そのコンパクトさゆえに放熱性能には表面積的な限界があり、連続した高速アクセスが発生するとメモリチップやメモリコントローラーが高温になって速度制限がかかるサーマルスロットリングが発生する可能性があることが知られているので、先日レビューした「Intel SSD 760p 512GB」を検証機材SSDに使用して、連続した高速アクセス発生時の温度やサーマルスロットリング発生の有無をモニタリングソフトとサーモグラフィーを使用して検証します。

測定時の負荷としてはCrystalDiskMark6.0.0(QD32, 8GiB)を使用して間を置かず複数回ベンチマークをループさせ、その間のSSD温度や読み出し・書き込み速度のモニタリング値をHWinfoを使用してログ取得します。
Samsung 960 PRO 512GB_temp test

まずは比較対象としてIntel SSD 760p 512GBをヒートシンクがないPCIE-M.2アダプタ拡張ボードに装着して検証を行いました。
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ヒートシンクがない状態で負荷をかけるとHWinfoでモニタリング可能なメモリチップ温度は70度に達して読み出し速度と書き込み速度共にサーマルスロットリングによる若干速度低下がみられます。
noHS_temp
負荷テスト終盤におけるIntel SSD 760p 512GBのサーモグラフィーは下のようになっています。ソフトウェアモニタリングでは最大70度程度でしたが、右端のメモリコントローラー温度は90度前後とかなり高くなっています。左半分にはメモリチップが2枚実装されていますが、こちらもやはり60~70度程度となっています。
Intel SSD 760p 512GB_FLIR

続いて「SilverStone SST-TP02-M2」を装着した状態での負荷テストの結果をチェックしていきます。なお今回はM.2-PCIE変換ボードとM.2 SSDの間にはサーマルパッドを使用していません。
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「SilverStone SST-TP02-M2」を装着した状態でHWinfoのログをグラフ化すると、メモリチップ温度は最大54度となり、ヒートシンクなしの状態よりも大幅に低下しています。また読み出し速度や書き込み速度も安定していることがわかります。
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サーモグラフィーで見てもヒートシンクとM.2 SSDの温度はせいぜい60度半ばに収まりました。
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SilverStone SST-TP02-M2のレビューまとめ

最後にM.2 SSDヒートシンク「SilverStone SST-TP02-M2」を検証してみた結果のまとめを行います。簡単に箇条書きで以下、管理人のレビュー後の所感となります。

良いところ
  • 艶のあるブラック塗装とヘアライン加工で見た目がカッコいい
  • 固定方法がシリコンバンドなのでSSDに傷がつかないし、絶縁性なので安心
  • Intel SSD 760p 512GBで検証してメモコンで30度、メモリチップで15度程度の温度低下を実現
悪いところor注意点
  • マザーボード上M.2スロットで使用する場合グラフィックボードと干渉する可能性あり

M.2 SSDに直接装着するタイプのヒートシンクは、M.2-PCIE変換拡張ボード備え付けの大型ヒートシンクに比べて小型なので性能的に微妙というイメージがありましたが、「SilverStone SST-TP02-M2」はマザーボード上のM.2スロットで使用可能なコンパクトサイズながら十分な冷却性能が発揮できています。
また金属クリップ固定ではなくシリコンバンドを使用してM.2 SSDに装着する方式が採用されているので、絶縁性でありM.2 SSDに傷がつくこともないので安心して使用できるというメリットもあります。
マザーボード上M.2スロットで使用する場合、2スロットや3スロットを占有するグラフィックボードの直下に配置されるM.2スロットではSilverStone SST-TP02-M2とGPUクーラーが干渉する可能性が高いという欠点はありますが、それを除けば非常に使いやすく高性能なM.2 SSDヒートシンクです。
M.2 SSDに直接装着するタイプのヒートシンクを探しているのであれば、シリコンバンド固定で安心かつ冷却性能も高い「SilverStone SST-TP02-M2」はおすすめな製品です。

以上、「SilverStone SST-TP02-M2」のレビューでした。
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(注:記事内で参考のため記載された商品価格は記事執筆当時のものとなり変動している場合があります)



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