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M.2 2280フォームファクタのSATA接続M.2 SSDを最大転送速度10Gb/sに及ぶUSB3.1 Gen2対応のUSB Type-C端子モバイルストレージに変換可能なエンクロージャーキット「Micro Solution M2EN-CAL178」をレビューしていきます。「Micro Solution M2EN-CAL178」に加えてSamsung SSD 860 EVO M.2 1TBを使用して、USB3.0(US3.1 Gen1)変換を行ったSATA SSDやUSBフラッシュメモリの中では最速クラスの転送速度を誇るSanDisk Extreme PRO USBフラッシュメモリ 256GBなど比較対象にして、数十GBの大容量データや1万枚を超える画像ファイルのコピー速度を徹底検証します。
「Micro Solution M2EN-CAL178」に組み込む検証機材のSATA接続M.2 SSDにはメーカーよりレビュー用サンプルとしてお借りした「Samsung SSD 860 EVO M.2 1TB」を使用しています。Samsung SSD 860 EVO M.2 1TBについては詳細なレビュー記事を公開中です。
・「Samsung SSD 860 EVO M.2 1TB」をレビュー
製品公式ページ:http://www.micro-solution.com/pd/usb/m2en-cal1780.html
Micro Solution M2EN-CAL178 USB3.1 Gen2 Type C 外付けケース
Micro Solution
Micro Solution M2EN-CAL178の外観・使い方
まずは「Micro Solution M2EN-CAL178」の外観や使い方について紹介していきます。「Micro Solution M2EN-CAL178」の本体以外の付属品は簡易マニュアル、USB Type-Cケーブル、ドライバー、ゴム足、専用ポーチです。
「Micro Solution M2EN-CAL178」の本体は高級感のあるサンドブラスト表面加工のシルバーなアルミニウム製筐体です。
「Micro Solution M2EN-CAL178」の外形寸法は横118mm x 縦45mm x 高さ10mmです。
「Micro Solution M2EN-CAL178」のサイズは2.5インチSATA SSDよりも長めかつ細目です。
「Micro Solution M2EN-CAL178」はM.2 SSDやUSBフラッシュメモリと比較するとやはりそこそこ大きくなっています。同じくSATA 接続M.2 SSDをUSB3.1 Gen2に変換するエンクロージャーでType-A端子の「SilverStone SST-MS09B」よりも大きめです。
重量を比較すると、「Micro Solution M2EN-CAL178」とSamsung 860 EVO M.2 1TBが119g、「SilverStone SST-MS09」とSamsung 860 EVO M.2 1TBが45g、「SanDisk Extreme PRO USB3.1 256GB」が19gです。「Micro Solution M2EN-CAL178」はサイズも大きいだけあって重量も重めになっています。
背面の四隅には裏蓋を固定するネジがあります。ネジはトルクス(星形)ネジですが付属のドライバーがあるので別途工具を用意する必要がありません。ネジの上にゴム足を貼る構造です。
ネジを外して裏蓋を開くとM.2 SSDを装着するM.2スロットが現れます。2280サイズだけでなく、2260サイズや2240サイズのM.2 SSDにも対応しています。筐体同様にアルミニウム製の裏蓋にはM.2 SSDの放熱用サーマルパッドが貼られています。
検証機材SSDの「Samsung SSD 860 EVO M.2 1TB」を装着しました。
あとは裏蓋を乗せ直してネジを締めれば組み立て完了です。下の写真のように単純に裏蓋を乗せるだけだと若干浮くのでサーマルパッドとSSDの接触も問題なさそうです。
Micro Solution M2EN-CAL178の性能について
続いて本題となる「Micro Solution M2EN-CAL178」のファイルコピー性能を検証していきます。「Micro Solution M2EN-CAL178」の各種検証を行う環境としては、ASRock Z270 SuperCarrierなどで構成されているベンチ機を使用しました。構成の詳細は下記テーブルの通りです。
テストベンチ機の構成 | |
CPU | Intel Core i7 7700K 殻割り&クマメタル化(レビュー) Core:5.0GHz, Cache:4.8GHz |
CPUクーラー | Intel TS15A |
メインメモリ | Corsair Dominator Platinum Special Edition DDR4 8GB*4=32GB (レビュー) 3200MHz, 14-16-16-36-CR2 |
マザーボード |
ASRock Z270 SuperCarrier (レビュー) |
ビデオカード | 【基礎性能検証用】 MSI GeForce GT 1030 2GH LP OC (レビュー) |
システムストレージ |
Crucial MX300 SATA M.2 SSD 1TBCT1050MX300SSD4 |
OS | Windows10 Home 64bit |
電源ユニット | Corsair HX1200i (レビュー) |
ベンチ板 | STREACOM BC1 (レビュー) |
まずは「Micro Solution M2EN-CAL178」の基本的な性能を確認するためCrystalDiskMark6.0.0(QD32, 8GiB)のベンチマーク結果を比較してみました。USB3.1 Gen2の帯域は10gbpsでSATA3.0の6Gbpsよりも帯域の大きいので、USB3.1 Gen2に変換して接続してもシーケンシャル性能はSATA接続と大差ありません。ただしランダム性能については比較的落差が大きくなっています。
参考までにSamsung 850 PRO 2TBのSATA接続、Samsung 850 PRO 2TBの「Plugable USB 3.1 Gen 2 TypeC-SATA変換ケーブル」によるUSB3.1 Gen2変換、Samsung 850 PRO 2TBの「AINEX CVT-08 USB3.0-SATA変換アダプタ」によるUSB3.0(USB3.1 Gen1)変換、「SanDisk Extreme PRO USB3.1フラッシュメモリ 256GB」、以上の4種類についても検証してみました。
USB3.0は帯域が5GbpsでSATA3.0の6Gbpsに及ばないのでUSB3.0変換を行うとシーケンシャル性能も下がります。またSATAによるネイティブ接続と比較してUSB3.1 Gen2とUSB3.0ではランダム性能に大きく落差があるのは上と同様ですが、USB3.1 Gen2とUSB3.0ではランダム性能を見るとベンチマーク上の差はあまりないようです。「SanDisk Extreme PRO USB3.1フラッシュメモリ 256GB」についてはUSBフラッシュメモリとしては最速クラスの製品ですが、SATA SSDのUSB変換にはやはり及びません。
外付けストレージの性能評価で最重要項目となるファイルコピーにおける読み出し・書き込みについて性能比較をしてみました。ファイルコピー性能の比較対象として、Samsung 850 PRO 2TBのSATA接続、Samsung 850 PRO 2TBの「Plugable USB 3.1 Gen 2 TypeC-SATA変換ケーブル」によるUSB3.1 Gen2変換、Samsung 850 PRO 2TBの「AINEX CVT-08 USB3.0-SATA変換アダプタ」によるUSB3.0(USB3.1 Gen1)変換、SanDisk Extreme PRO USBフラッシュメモリ 256GBを使用しました。
検証に使用するデータとしては次のような50GBの動画ファイル、80GBで多数のファイルが入ったゲームのフォルダ(The Witcher 3とRise of the tomb Raiderなどのゲームフォルダ)、1KB~1MBの画像ファイル10,000枚が入った3GBのフォルダ、5MB~8MBの画像ファイル1,000枚が入った7GBのフォルダの4種類を使用しています。
データのコピーにおいては当然ですが、元データのあるストレージの読み出し性能とコピー先の書き込み性能の両方が重要になります。測定においては書き込み先/読み出し元の対象となるストレージが必要になるため、各ストレージのコピー相手にはM.2-PCIE変換アダプタ「Aquacomputer kryoM.2」に設置したSamsung 960 PRO 512GBを使用しています。
コピーテストにおいて検証ストレージがコピー相手「Samsung 960 PRO 512GB」と同じくNVMe SSDの場合は、ASRock Z270 SuperCarrierの1段目PCI-Eスロットにグラフィックボード、3段目PCI-Eスロットにコピー相手「Samsung 960 PRO 512GB」、5段目PCI-Eスロットに検証ストレージを装着しています。
Z270プラットフォームではCPU-チップセット間のDIMM3.0の帯域がボトルネックになって複数のNVMe SSDへ同時にアクセスが発生するとトータルのアクセススピードが4GB/s程度に制限される場合がありますが、ASRock Z270 SuperCarrierではPLXスイッチチップを介するもののCPU直結PCI-Eレーンに接続されているので、この問題は発生しません。
「Micro Solution M2EN-CAL178」など各種検証ストレージとSamsung 960 PRO 512GBとの間で50GBの動画ファイルおよび80GBのゲームフォルダをコピーした時間の比較結果は次のようになりました。
まずは50GBの動画ファイルのコピーについてですが、動画ファイルは単一の大容量ファイルなので実際のコピーではベンチマークのシーケンシャルリード・ライト性能が重要になってきます。
「Micro Solution M2EN-CAL178」によるSATA3.0 SSDのUSB3.1 Gen2変換やSATA3.0ネイティブ接続についてはCrystalDiskMarkのベンチマーク結果同様に100秒程度で横並びになっており、読み出し速度は500MB/s程度となっています。USB3.0変換は帯域が5Gbpsに制限されるので、こちらはベンチマークスコアに比例して遅れる形になっています。USBフラッシュメモリとしては最速クラスのSanDisk Extreme PRO USB 256GBでもSATA3.0-USB3.0変換よりも若干遅れています。
動画ファイルのコピー書き込みに関しては「Micro Solution M2EN-CAL178」によるSATA3.0 SSDのUSB3.1 Gen2変換は、SATAネイティブ接続よりも25%ほど書き込み時間が長くなっています。CrystalDiskMarkの連続書き込み速度も若干下がっていましたが比率的に書き込み時間の伸びの方が大きいので、コピー書き込みはUSB変換によってキャッシュ機能との関連で速度が落ちやすいようです。
続いてゲームフォルダのコピーについてですが、ゲームフォルダは大小様々なファイルを含むので、実際のコピーではベンチマークの連続性能だけでなく、ランダム性能も重要になってきます。
動画ファイルのコピー読み出し同様にゲームフォルダのコピー読み出しにおいても「Micro Solution M2EN-CAL178」によるSATA3.0 SSDのUSB3.1 Gen2変換やSATA3.0ネイティブ接続については180秒程度で横並びになっており、読み出し速度は平均420MB/s程度となっています。多少ランダム性能が効いてくる検証ですが、ベンチマークにおけるランダム性能の差は実際のコピー速度では出ないようです。
ゲームフォルダのコピー書き込みについては動画ファイルのコピー書き込みと同じ傾向の結果です。
続いて1KB~1MBの画像ファイル10,000枚が入った3GBのフォルダのコピーについてですが、1つ1つのファイルサイズは1KB~1MBと比較的小さいのでゲームフォルダのコピーテストよりもベンチマークのランダム性能が重要になります。ただし合計サイズが3GBと小さいのでキャッシュ性能もコピー速度に効いてきます。
小容量画像ファイルを多数含むコピー読み出しにおいては、USB3.0変換は若干遅くなるもののSATAネイティブ接続と「Micro Solution M2EN-CAL178」によるUSB3.1 Gen2変換ではほぼ同じ読み出し速度を実現できています。一方でSanDisk Extreme PRO USB 256GBは倍近く時間がかかるのでランダム性が上がってくるとSATA SSDに比べてUSBフラッシュメモリは厳しくなるようです。
「Micro Solution M2EN-CAL178」によるUSB3.1 Gen2変換のコピー書き込み時間をSATAネイティブ接続と比較すると2倍近い時間がかかっています。やはりUSB変換では書き込みキャッシュ機能の差が出るようです。とはいえSanDisk Extreme PRO USB 256GBと比較しても3分の1程度の書き込み時間を実現できているのでSATA-USB3.1 Gen2変換はUSBフラッシュメモリと比較すると高速です。
最後に5MB~8MBの画像ファイル1,000枚が入った7GBのフォルダのコピーについてですが、1つ1つのファイルサイズは5MB以上で比較的大きいので、完全にシーケンシャル性能というわけではありませんが、シーケンシャルに近い形でアクセスが発生します。やはりキャッシュ性能も効いてきます。
比較的大きい画像ファイルを多数含むフォルダのコピー読み出しにおいては、「Micro Solution M2EN-CAL178」によるSATA3.0 SSDのUSB3.1 Gen2変換やSATA3.0ネイティブ接続については16秒程度で横並びになっており、USB3.0変換やSanDisk Extreme PRO USB 256GBはそれに若干遅れる形なので、大容量動画ファイルのコピーと同じ傾向になっています。
一方で比較的大きい画像ファイルを多数含むフォルダのコピー書き込みにおいては、所要時間の比率がSATAネイティブ接続と「Micro Solution M2EN-CAL178」によるSATA3.0 SSDのUSB3.1 Gen2変換で2倍近い差が出ています。SanDisk Extreme PRO USB 256GBとの性能差が小さくなっていることも勘案すると、シーケンシャル性が強いコピー書き込みでも容量が数GB程度であれば書き込みキャッシュ機能の差が大きく出るようです。
Micro Solution M2EN-CAL178のレビューまとめ
最後にSATA接続M.2 SSDをUSB3.1 Gen2 Type-C端子のモバイルストレージに変換可能なエンクロージャーキット「Micro Solution M2EN-CAL178」を検証してみた結果のまとめを行います。簡単に箇条書きで以下、管理人のレビュー後の所感となります。良いところ
- SATA接続M.2 SSDをUSB3.1 Gen2 Type-C端子に変換可能
- 変換後もSATA3.0規格の理想的な連続リード560MB/s、連続ライト500MB/sを維持
- 実際のコピー読み出しにおいてはSATA3.0接続と同等の速度を実現
- 最速クラスUSBメモリSanDisk Extreme PRO USB 256GBよりも高速なコピー速度
- 18年現在、M.2 SSDの選択によって最大2TBの大容量を実現可能
- アルミ筐体をサーマルパッド経由でM.2 SSDの放熱ヒートシンクにできる
- 3000円で購入可能なので比較的安価
- USBフラッシュメモリと比べるとサイズは大きめ
- 実際のコピー書き込みではSATA比で連続20~30%、ランダム100%の速度低下
「Micro Solution M2EN-CAL178」を検証してみたところ、SATA3.0の帯域6Gbpsを超える帯域10GbpsのUSB3.1 Gen2接続への変換ということもあって、基礎的なベンチマークではSATA3.0の規格上限を満たすシーケンシャル性能を発揮できました。
ベンチマーク上のランダム性能はSATAネイティブ接続と比較すると半減程度に下がってしまうものの、実際のファイルコピーテストにおいて、「Micro Solution M2EN-CAL178」によるSATA3.0 SSDのUSB3.1 Gen2変換はコピー読み出しでSATAネイティブ接続とシーケンシャル重視アクセス、ランダム重視アクセスともに同等のパフォーマンスが発揮できています。
一方でコピー書き込みではシーケンシャル重視のアクセスで20~30%、ランダム重視のアクセスで100%程度のSATAネイティブ接続比で速度低下が発生することが確認できました。おそらく書き込みキャッシュ機能が液晶しているのだと思います。
「Micro Solution M2EN-CAL178」は最速クラスのUSBフラッシュメモリ「SanDisk Extreme PRO USB 256GB」と比較しても全てのテストで大幅に高速なファイルコピー速度が実現できているので、USB3.1 Gen2 Type-C接続で汎用性が高く、高性能な外付けモバイルストレージとして非常に有用な製品だと思います。大容量、比較的コンパクト、高性能と3拍子揃った外付けモバイルストレージをお探しであれば「Micro Solution M2EN-CAL178」はおすすめの製品です。
以上、「Micro Solution M2EN-CAL178」のレビューでした。
Micro Solution M2EN-CAL178 USB3.1 Gen2 Type C 外付けケース
Micro Solution
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(注:記事内で参考のため記載された商品価格は記事執筆当時のものとなり変動している場合があります)
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デバイス自身は利用される側でしか無いことから
「読み出し」「書き込み」と表記統一された方が
直感的に理解しやすいと思いますが、如何でしょうか?