Dell Portable Thunderbolt3 SSD


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現在普及の兆しを見せるUSB3.1 Gen2の10Gbpsの4倍となる40Gbpsの超高速帯域による通信を実現するThunderbolt 3接続に対応で、かつバスパワー駆動し、記憶領域には32GbpsのPCI-E3.0x4帯域によるアクセスが可能なNVMe SSDを採用する爆速外付けモバイルストレージ「Dell Portable Thunderbolt 3 SSD 500GB(型番:SD1-T0500)」のサンプル機をメーカーよりお借りできたのでレビューしていきます。連続読み出し2800MB/s&連続書き込み1600MB/sの超高速アクセススピードによって大容量データの持ち出しを変える、 次世代規格USB3.1 Gen2のさらに次をいくThunderbolt 3接続の最新外付けストレージを徹底検証します。
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Thunderbolt3接続のストレージ関係はかなり高額でしたが「Dell Portable Thunderbolt 3 SSD 500GB」は5万円程度で購入でき、高価ではあるものの普及機と呼べる程度の価格帯に収まっているので、高速外付けストレージを探しているのなら要チェックな製品です。
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Dell Portable Thunderbolt 3 SSD 500GB / 1TB
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Dell Portable Thunderbolt 3 SSD 500GB レビュー目次


1.Dell Portable Thunderbolt 3 SSD 500GBの外観・付属品
2.Dell Portable Thunderbolt 3 SSD 500GBの検証機材や動作環境について
3.Dell Portable Thunderbolt 3 SSD 500GBの性能について
4.Dell Portable Thunderbolt 3 SSD 500GBのレビューまとめ


付録:NVMe-Thunderbolt3変換によるボトルネックについて



Dell Portable Thunderbolt 3 SSD 500GBの外観

まずは「Dell Portable Thunderbolt 3 SSD 500GB」の外観について紹介していきます。
「Dell Portable Thunderbolt 3 SSD 500GB」のパッケージを開くとSSD本体に加えて、Thunderbolt3ケーブル、クイックガイドが付属していました。
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「Dell Portable Thunderbolt 3 SSD 500GB」本体はシルバーカラー塗装のプラスチック筐体です。表面中央にはDELLのメーカーロゴが刻印されています。製品寸法は幅48mm x 長さ98.8mm x 厚さ19mmです。
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「Dell Portable Thunderbolt 3 SSD 500GB」の下側には付属のThunderbolt3ケーブルを接続可能な、Thunderbolt3端子が実装されています。
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「Dell Portable Thunderbolt 3 SSD 500GB」に内蔵されているSSDは高速な反面、発熱の大きいNVMe SSDですが、外装はプラスチック製でそれ自体はヒートシンクの役割を果たさないため、小型の冷却ファンが内蔵されています。ファンノイズはさほど大きくないものの、小径ファンのキュイーンという高周波なファンノイズが聞こえます。個人的な好みを言うと、重量が重くなっても金属外装をヒートシンクにしてファンレス構造にして欲しかったところ。
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「Dell Portable Thunderbolt 3 SSD 500GB」にThunderbolt3ケーブルを繋ぐと下のようになります。
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同じくThunderbolt3接続のモバイルストレージである「Cable Matters 480GB External Thunderbolt 3 SSD」と比較すると長さや厚みはほぼ同じですが、横幅は半分程度で「Dell Portable Thunderbolt 3 SSD 500GB」の方がスリムになっています。
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Dell Portable Thunderbolt 3 SSD 500GBの検証機材や動作環境について

「Dell Portable Thunderbolt 3 SSD 500GB」のファイルコピー性能を検証する前に、同製品の検証機材や動作環境について紹介します。
「Dell Portable Thunderbolt 3 SSD 500GB」の各種検証を行う環境としては、ASRock Z270 SuperCarrierなどで構成されているベンチ機を使用しました。構成の詳細は下記テーブルの通りです。
テストベンチ機の構成
CPU Intel Core i7 7700K
殻割り&クマメタル化(レビュー
Core:5.0GHz, Cache:4.8GHz
CPUクーラー Intel TS15A
メインメモリ Corsair Dominator Platinum
Special Edition
DDR4 8GB*4=32GB (レビュー
3200MHz, 14-16-16-36-CR2
マザーボード
ASRock Z270 SuperCarrier
レビュー
ビデオカード 【基礎性能検証用】
MSI GeForce GT 1030 2GH LP OC
レビュー
システムストレージ
Crucial MX300 SATA M.2 SSD 1TBCT1050MX300SSD4
OS Windows10 Home 64bit
電源ユニット Corsair HX1200i (レビュー
ベンチ板 STREACOM BC1 (レビュー

比較対象としてUSB3.1 Gen2接続やUSB3.0(USB3.1 Gen1)接続のモバイルストレージも使用しています。SATA接続M.2 SSD「Samsung SSD 860 EVO M.2 1TB」のマザーボードM.2スロットによるSATAネイティブ接続に加えて、SATA-USB変換が可能なエンクロージャーキット「Micro Solution M2EN-CAL178(レビュー)」によるUSB3.1 Gen2変換や「SilverStone SST-MS09B(レビュー)」によるUSB3.0(USB3.1 Gen1)変換、およびUSBフラッシュメモリとしては最速クラスの「SanDisk Extreme PRO USB3.1フラッシュメモリ 256GB(レビュー)」についても「Dell Portable Thunderbolt 3 SSD 500GB」と同様の測定を行いました。
Micro Solution M2EN-CAL178SilverStone SST-MS09BSanDisk Extreme PRO USB 256GB


「Dell Portable Thunderbolt 3 SSD 500GB」は検証機材マザーボードの「ASRock Z270 SuperCarrier」のリアI/Oポートに設置されたThunderbolt 3に接続します。
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検証機材マザーボードの「ASRock Z270 SuperCarrier」のリアI/Oポートには2基のThunderbolt3ポートが標準で搭載されているので、事前にマザーボード公式サポートページで配布されているThunderbolt3ドライバーをインストールしておくだけで「Dell Portable Thunderbolt 3 SSD 500GB」を問題なく認識、動作させることができました。
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「Dell Portable Thunderbolt 3 SSD 500GB」のボリュームをWindows上で作製したところ容量は476GBでした。「Dell Portable Thunderbolt 3 SSD 500GB」もNVMe-Thunderbolt3変換が内蔵されており、NVMe SSD自体は「TOSHIBA KXG50ZNV512G」となっているようです。
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なお「Dell Portable Thunderbolt 3 SSD 500GB」の注意点として、Thunderbolt 3はホスト側(PC)には下方互換がありますがクライアント側(周辺機器)には基本的に下方互換がないので、USB3.1 Gen2 Type-C端子に接続しても「Dell Portable Thunderbolt 3 SSD 500GB」は正常に認識されず使用できません。
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USB3.1 Gen2に対応したUSBメモリ等はUSB3.0やUSB2.0のUSBポートでも帯域は制限されるものの使用できますが、「Dell Portable Thunderbolt 3 SSD 500GB」はThunderbolt3に対応していないType-C端子では一切使用できません。今のところThunderbolt 3は外付けGPUやディスプレイアダプタを兼ねたハブなど限定された用途で普及しつつある規格なのでクライアント側の下方互換はなくとも問題ありませんが、モバイルストレージの用途を考えるとクライアント側でもUSB3.0やUSB3.1 Gen2との互換性の必要性を感じました。


デスクトップPCのThunderbolt 3ポートについては今回の検証機材マザーボード「ASRock Z270 SuperCarrier」のようにリアIOに標準で搭載しているマザーボードもありますが、標準では非搭載であっても、Intel Z370/Z270/X299チップセットを搭載した最新のマザーボードであれば、当サイトでもレビューしているThunderbolt 3端子増設PCIE拡張ボードの「ASRock Thunderbolt 3 AIC」(レビュー)や「GIGABYTE GC-ALPINE RIDGE」(レビュー)を使用することでThunderbolt 3ポートの増設が可能です。
ASRock X299 OC Formula review_01188GIGABYTE Z370 AORUS Gaming 7 review_01730
Thunderbolt 3標準搭載マザーボードは現状で限られており、標準搭載マザーボードよりも拡張ボード対応マザーボードの方が多いというのが実情なので、Thunderbolt 3対応を目指すのであれば拡張ボードを利用するほうが手っ取り早いと思います。




Dell Portable Thunderbolt 3 SSD 500GBの性能について

続いて本題となる「Dell Portable Thunderbolt 3 SSD 500GB」のファイルコピー性能を検証していきます。
ファイルコピー検証の前にまずは「Dell Portable Thunderbolt 3 SSD 500GB」の基本的な読み出し性能と書き込み性能を確認するためCrystalDiskMark6.0.0(QD32, 8GiB)のベンチマーク結果を比較してみました。
Thunderbolt3の帯域はNVMe(PCI-E3.x4)の32Gbpsよりも高速な40Gbpsなので、「Dell Portable Thunderbolt 3 SSD 500GB」のシーケンシャルリード性能は2800MB/s、シーケンシャルライト性能は1000MB/s程度で、自作PC向けのNVMe M.2 SSDと遜色ない高速アクセスを実現しています。
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また比較対象としてSATA接続M.2 SSD「Samsung SSD 860 EVO M.2 1TB」のSATAネイティブ接続やUSB変換、およびUSBフラッシュメモリとしては最速クラスの「SanDisk Extreme PRO USB3.1フラッシュメモリ 256GB」についてもCrystalDiskMark6.0.0(QD32, 8GiB)でベンチマーク測定を行いました。
USB3.0は帯域が5GbpsでSATA3.0の6Gbpsに及ばないのでUSB3.0変換を行うとシーケンシャル性能も下がります。またSATAによるネイティブ接続と比較してUSB3.1 Gen2とUSB3.0ではランダム性能に大きく落差があるのは上と同様ですが、USB3.1 Gen2とUSB3.0ではランダム性能を見るとベンチマーク上の差はあまりないようです。「SanDisk Extreme PRO USB3.1フラッシュメモリ 256GB」についてはUSBフラッシュメモリとしては最速クラスの製品ですが、SATA SSDのUSB変換にはやはり及びません。
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また「Dell Portable Thunderbolt 3 SSD 500GB」(NVMe-Thunderbolt3変換で内蔵されているNVMe SSD「TOSHIBA KXG50ZNV512G」)はTLC型SSDとなっており、書き込みアクセス開始直後は1000MB/sの高速な書き込み速度となりますが、SLCキャッシュ容量15GBを超過する連続した大容量の書き込みでは450MB/sまで書き込み速度が低下します。
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続いて本題となる外付けストレージの性能評価で最重要項目となるファイルコピーにおける読み出し・書き込みについて性能比較をしてみました。
ファイルコピー性能の比較対象として、同じくThunderbolt3接続モバイルストレージの「Cable Matters 480GB External Thunderbolt 3 SSD」、Samsung SSD 860 EVO M.2 1TBのSATAネイティブ接続、Samsung SSD 860 EVO M.2 1TBの「Micro Solution M2EN-CAL178」によるUSB3.1 Gen2変換、Samsung SSD 860 EVO M.2 1TBの「SilverStone SST-MS09B」によるUSB3.0(USB3.1 Gen1)変換、SanDisk Extreme PRO USBフラッシュメモリ 256GBを使用しています。

検証に使用するデータとしては次のような50GBの動画ファイル、80GBで多数のファイルが入ったゲームのフォルダ(The Witcher 3とRise of the tomb Raiderなどのゲームフォルダ)、1KB~1MBの画像ファイル10,000枚が入った3GBのフォルダ、5MB~8MBの画像ファイル1,000枚が入った7GBのフォルダの4種類を使用しています。
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データのコピーにおいては当然ですが、元データのあるストレージの読み出し性能とコピー先の書き込み性能の両方が重要になります。測定においては書き込み先/読み出し元の対象となるストレージが必要になるため、各ストレージのコピー相手にはM.2-PCIE変換アダプタ「Aquacomputer kryoM.2」に設置したSamsung SSD 970 PRO 1TBを使用しています。
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なお下で掲載している検証結果の比較グラフにおいて*の添え字が付いているものは、コピー相手にSamsung 960 PRO 512GBを使用しています。SATA3.0 SSDが検証ストレージの場合は、コピー相手がSamsung 960 PRO 512GBとSamsung SSD 970 PRO 1TBのどちらであっても動画ファイルおよびゲームフォルダのコピー速度に大きな差はありません。

コピーテストにおいて検証ストレージがコピー相手の「Samsung SSD 970 PRO 1TB」と同じくNVMe SSDの場合は、ASRock Z270 SuperCarrierの1段目PCI-Eスロットにグラフィックボード、3段目PCI-Eスロットにコピー相手「Samsung SSD 970 PRO 1TB」、5段目PCI-Eスロットに検証ストレージを装着しています。
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Z270プラットフォームではCPU-チップセット間のDIMM3.0の帯域がボトルネックになって複数のNVMe SSDへ同時にアクセスが発生するとトータルのアクセススピードが4GB/s程度に制限される場合がありますが、ASRock Z270 SuperCarrierではPLXスイッチチップを介するものの、各NVMeストレージはCPU直結PCI-Eレーンに接続されているので、この問題は発生しません。
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「Dell Portable Thunderbolt 3 SSD 500GB」など各種検証ストレージとSamsung 970 PRO 1TBとの間で50GBの動画ファイルおよび80GBのゲームフォルダをコピーした時間の比較結果は次のようになりました。
まずは50GBの動画ファイルのコピーについてですが、動画ファイルは単一の大容量ファイルなので実際のコピーではベンチマークのシーケンシャルリード・ライト性能が重要になってきます。
「Dell Portable Thunderbolt 3 SSD 500GB」による動画ファイルのコピー読み出し時間は32秒ほどとなっており、ファイルサイズが50GBなので読み出し速度は1500MB/sに達しています。18年最速のNVMe M.2 SSDであるSamsung SSD 970 PRO 1TB間のコピー時間は23秒程度なので、それに比べると若干遅いですが、一般的なPC内設のNVMe SSDとほぼ同等のコピー速度です。現在普及しつつあるUSB3.1 Gen2変換のSATA SSDでも100秒以上かかるのと比較すると、「Dell Portable Thunderbolt 3 SSD 500GB」は2倍以上のコピー読み出し速度になっています。
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動画ファイルのコピー書き込みに関しては、Samsung SSD 970 PRO 1TB間が26秒、TB3接続モバイルストレージの「Cable Matters 480GB External Thunderbolt 3 SSD」が43秒に対して、「Dell Portable Thunderbolt 3 SSD 500GB」は109秒となり、USB変換のSATA SSDに近い速度になってしまいました。「Dell Portable Thunderbolt 3 SSD 500GB」に内蔵されているNVMe SSDがTLC型なので、SLCキャッシュ容量15GB超過後は書き込み速度が450MB/sまで低下するため、このような結果になっています。
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続いてゲームフォルダのコピーについてですが、ゲームフォルダは大小様々なファイルを含むので、実際のコピーではベンチマークの連続性能だけでなく、ランダム性能も重要になってきます。
動画ファイルのコピー読み出し同様にゲームフォルダのコピー読み出しにおいても「Dell Portable Thunderbolt 3 SSD 500GB」はSATA接続SSDやUSB3.1 Gen2変換よりも大幅に高速で、Samsung SSD 970 PRO 1TB間のコピーに近いコピー読み出し速度を実現しています。「Dell Portable Thunderbolt 3 SSD 500GB」のコピー時間は80秒程度なので読み出し速度は平均1000MB/sに達しています。
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ゲームフォルダのコピー書き込みについても、データ容量がSLCキャッシュを上回るので「Dell Portable Thunderbolt 3 SSD 500GB」のコピー時間はSATA SSDに近い数字になっています。とはいえUSB3.1 Gen2変換よりは50%も高速です。
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続いて1KB~1MBの画像ファイル10,000枚が入った3GBのフォルダのコピーについてですが、1つ1つのファイルサイズは1KB~1MBと比較的小さいのでゲームフォルダのコピーテストよりもベンチマークのランダム性能が重要になります。ただし合計サイズが3GBと小さいのでキャッシュ性能もコピー速度に効いてきます。
小容量画像ファイルを多数含むコピー読み出しについては、「Dell Portable Thunderbolt 3 SSD 500GB」のコピー時間は13秒ほどとなっており、Samsung SSD 970 PRO 1TB間のコピーに次いで、2番目に高速なコピー読み出し速度です。なおTB3接続の競合製品「Cable Matters 480GB External Thunderbolt 3 SSD」がSATA-USB3.0変換よりも遅いという結果になっているのは内蔵SSDのランダム性能が低いからです。
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小容量画像ファイルを多数含むコピー書き込みについては、コンマ秒の差なのでSamsung SSD 970 PRO 1TB間のコピーとほぼ同じコピー書き込み速度です。モバイルストレージ間で比較するとSATA-USB3.1 Gen2変換やSATA-USB3.0変換よりも2倍近く高速という結果になりました。
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最後に5MB~8MBの画像ファイル1,000枚が入った7GBのフォルダのコピーについてですが、1つ1つのファイルサイズは5MB以上で比較的大きいので、完全にシーケンシャル性能というわけではありませんが、シーケンシャルに近い形でアクセスが発生します。やはりキャッシュ性能も効いてきます。
比較的大きい画像ファイルを多数含むフォルダのコピー読み出しにおいては、「Dell Portable Thunderbolt 3 SSD 500GB」のコピー時間は7秒程度で、Samsung SSD 970 PRO 1TBに近いコピー読み出し速度になっています。モバイルストレージ間で比較するとSATA-USB3.1 Gen2変換やSATA-USB3.0変換よりも2倍以上高速という結果です
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一方で比較的大きい画像ファイルを多数含むフォルダのコピー書き込みにおいて、「Dell Portable Thunderbolt 3 SSD 500GB」はSamsung SSD 970 PRO 1TB間と同等のコピー時間になっています。
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Dell Portable Thunderbolt 3 SSD 500GBのレビューまとめ

最後に「Dell Portable Thunderbolt 3 SSD 500GB」を検証してみた結果のまとめを行います。簡単に箇条書きで以下、管理人のレビュー後の所感となります。

良いところ
  • Thunderbolt3接続により連続リード2800MB/s、連続ライト1000MB/sの高速アクセスを実現
  • 実際のコピーにおいてNVMe SSDに近い性能で、コピー速度はUSB3.1 Gen2の2倍以上
  • 外部電源不要なThunderbolt3端子からのバスパワー駆動
  • Thunderbolt 3接続のモバイルストレージとしては小型かつ軽量
  • 5万円前後で購入可能なのでThunderbolt 3対応外付けストレージとしては普及帯な価格
悪いところor注意点
  • USBフラッシュメモリと比べるとサイズは大きい
  • 内蔵SSDがTLC型なのでキャッシュ15GBを超過すると書き込み速度は450MB/sに低下
  • 冷却ファンを内蔵しているのでキュイーンという高周波なファンノイズが聞こえる
  • SSD側には下位互換がないのでホスト(PC)がThunderbolt3に対応している必要あり
  • 500GBで5万円なので外付けストレージの容量単価としては高価
  • 内蔵SSDの交換には非対応

接続帯域10GbpsのUSB3.1 Gen2が次世代規格として普及しつつある現在、その4倍の40Gbpsというさらに高速な接続帯域を実現する”次の次”をいく接続規格Thunderbolt3に対応したバスパワー駆動のモバイルストレージ「Dell Portable Thunderbolt 3 SSD 500GB」を検証してみたところ、実際のファイルコピーテストにおいて、SATA-USB3.1 Gen2変換ストレージと比較してファイルコピーテストの多くでファイルコピー時間を半分以下に短縮できるという抜群の性能を発揮しました。
NVMe接続の内部ストレージが普及しておりPC内部におけるデータ転送の高速化に対して、PC外へデータを伝送する接続規格は未だにUSB3.0(USB3.1 Gen1)が標準、USB3.1 Gen2がやっと普及し始めている状態なので、PC内外へのデータ移動がボトルネックになっていましたが、Thunderbolt3に対応した外付けストレージを使用することによって数十GBの大容量データであってもPC内部で運用するのと同様のスピード感で別の環境に持ち運ぶことが可能になります。

ただし「Dell Portable Thunderbolt 3 SSD 500GB」の内蔵SSDはTLC型なので、SLCキャッシュ容量15GBを超過するような、連続した大容量の書き込みアクセスが発生すると、ベンチマーク上の連続書き込み速度1000MB/sを維持できず、450MB/sまで書き込み速度が低下します。それでもSATA-USB変換のモバイルストレージよりは十分に高速ですが、仕様としては抑えてきたいポイントです。

「Dell Portable Thunderbolt 3 SSD 500GB」は容量500GBで販売価格が5万円程度なので容量単価でみると外付けストレージとしては高価な部類ですが、ファイルコピー性能を考慮すればThunderbolt3対応モバイルストレージとして普及帯と言える価格に収まっていると思います。

欠点としてUSB3.1 Gen2がホスト側(PC)だけでなくクライアント側(ストレージ)にも下位互換があり、例えばUSB3.1 Gen2対応外付けストレージはPCのUSB3.0ポートやUSB2.0ポートでも帯域は下方に制限されても接続して正常に動作しますが、「Dell Portable Thunderbolt 3 SSD 500GB」には下位互換がないので物理的形状は同じでもThunderbolt 3非対応のUSB Type-Cでは使用できません。
デスクトップPCで使用する場合は、Thunderbolt 3端子増設PCIE拡張ボードの「ASRock Thunderbolt 3 AIC」(レビュー)や「GIGABYTE GC-ALPINE RIDGE」(レビュー)を使用して利用環境を事前に構築しておく必要があるという点で汎用性においてデメリットがあります。

”次の次”をいく接続規格Thunderbolt3に対応したバスパワー駆動のモバイルストレージ「Dell Portable Thunderbolt 3 SSD 500GB」は数十GBの大容量データを複数環境で運用するようなクリエイティブ作業を行うパワーユーザーにとって作業効率を爆上げする救世主と言っても過言ではない製品なので、USB3.1 Gen2でも速度が足りない!と感じている人にはお勧めです。

以上、「Dell Portable Thunderbolt 3 SSD 500GB」のレビューでした。
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おまけ:NVMe-Thunderbolt3変換によるボトルネックについて

他社製品ですが「Dell Portable Thunderbolt 3 SSD 500GB」同様に専用のNVMe-Thunderbolt3変換によってNVMe M.2 SSDをモバイルストレージ化してある「Cable Matters 480GB External Thunderbolt 3 SSD」をしようして、NVMeをThunderbolt3に変換した場合のボトルネック(性能の低下)について検証していたのでその結果について紹介しておきます。
「Cable Matters 480GB External Thunderbolt 3 SSD」を分解することによって、内部構造の実態は一般的なNVMe M.2 SSDを専用のNVMe-Thunderbolt3変換基板によってThunderbolt3に変換して接続しているだけということがわかったので、この変換基板の1つのサンプルケースとしてNVMeをThunderbolt3に変換した場合のボトルネック(性能の低下)について簡単に検証してみました。
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「Cable Matters 480GB External Thunderbolt 3 SSD」の素の状態での性能評価に加えて、純正SSDを取り出し、SSDをヒートシンク付きM.2-PCIE変換ボード「Aquacomputer kryoM.2」に装着して同じ測定を行いました。
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まずは「Cable Matters 480GB External Thunderbolt 3 SSD」に内蔵されたSSDの基本的な読み出し性能と書き込み性能を確認するためCrystalDiskMark6.0.0(QD32, 8GiB)のベンチマーク結果を比較してみました。
「Cable Matters 480GB External Thunderbolt 3 SSD」のThunderbolt3接続と、内蔵SSDのPCI-E接続を比較するとベンチマーク上では若干性能が下がっているもの、SATAネイティブ接続とUSB3.1 Gen2変換に比べると性能の落差は小さいことがわかります。
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実際のファイルコピー検証における、PCI-E接続に対するNVMe-Thunderbolt3変換の性能比率とSATAネイティブ接続に対するSATA-USB3.1 Gen2変換の性能比率を比較すると次のようになりました。

SATA-USB3.1 Gen2変換では特に書き込みにおいてSATA接続時の50~80%程度のパフォーマンスしか期待できないのに対して、SATA接続よりも倍以上のコピー速度を実現できるNVMe接続では、Thunderbolt3に変換しても読み出し・書き込みともにほぼ90~100%のパフォーマンスを維持できるという非常に良好な結果が得られました。「Cable Matters 480GB External Thunderbolt 3 SSD」に内蔵されたNVMe M.2 SSD程度の性能であればThunderbolt3変換がボトルネックとして強く影響することはないようです。
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