スポンサードリンク
2スロット占有シングルファンGPUクーラーを搭載する全長168mm、Mini-ITXに完全対応のショート基板モデルで、販売価格がRTX 2060グラフィックボードの国内最安値な「Palit GeForce RTX 2060 6GB StormX OC(型番:NE62060S18J9-161F)」をレビューしていきます。
NVIDIA Turing世代のミドルクラスにして、フルHDゲーミングに最適で普及帯GPUとされてきた60番台の最新GPU「GeForce RTX 2060」が、前世代同クラスのGeForce GTX 1060や前世代上位クラスのGeForce GTX 1070およびGTX 1070 Tiに対して、どの程度の性能が発揮できるのか実ゲームベンチマークで徹底比較します。
製品公式ページ:https://www.palit.com/palit/vgapro.php?id=3139&lang=jp
Palit GeForce RTX 2060 6GB StormX OC レビュー目次
1.Palit GeForce RTX 2060 6GB StormX OCの外観
2.Palit GeForce RTX 2060 6GB StormX OCの分解
3.Palit GeForce RTX 2060 6GB StormX OCの検証機材セットアップ
4.Palit GeForce RTX 2060 6GB StormX OCのゲーム性能
5.Palit GeForce RTX 2060 6GB StormX OCの温度・消費電力・ファンノイズ
6.Palit GeForce RTX 2060 6GB StormX OCのレビューまとめ
Palit GeForce RTX 2060 6GB StormX OCの外観
早速、Palit GeForce RTX 2060 6GB StormX OCを開封していきます。キャラメルボックス型の外スリーブから取り出した茶色段ボールの内パッケージを開くと、スポンジスペーサー&静電防止ビニールという一般的な梱包でグラフィックボード本体が鎮座していました。
「Palit GeForce RTX 2060 6GB StormX OC」のグラフィックボード本体を見ていきます。
「Palit GeForce RTX 2060 6GB StormX OC」のGPUクーラーの外装は黒色のプラスチック製です。
グラフィックボード側面の「GEFORCE RTX」のテキストロゴが描かれています。
「Palit GeForce RTX 2060 6GB StormX OC」は全長168mmでRTX 2060グラフィックボードの中でも最小クラスのサイズです。
「Palit GeForce RTX 2060 6GB StormX OC」はMini-ITXサイズのマザーボードに装着しても右端がマザーボードの外に出ることがなく、文句なしにMini-ITX完全対応です。キューブ型PCケースなどグラフィックボード設置スペースの奥行が短いコンパクトPCケースにも楽々設置できます。
「Palit GeForce RTX 2060 6GB StormX OC」はショート基板ではあるものの、グラフィックボード基板が8mm程度、GPUクーラーが15mmほどPCIEブラケットからはみ出る背の高いデザインになっています。
「Palit GeForce RTX 2060 6GB StormX OC」のGPUクーラーには100mm径の冷却ファンが1基だけ搭載されています。
「Palit GeForce RTX 2060 6GB StormX OC」の厚みは2スロット占有です。
GTX 10XXシリーズではミドルクラスのGTX 1060でも一部のモデルではVRM電源部分の発熱が話題になることがありましたが、「Palit GeForce RTX 2060 6GB StormX OC」ではGPUクーラーヒートシンク本体がGPUコアだけでなくVRAMとVRM電源などグラフィックボード基板上の発熱の大きい部位を全て冷やす理想的な構造が採用されています。
Palit GeForce RTX 2060 6GB StormX OCはリファレンスの動作クロックよりも高い数値で動作するメーカーによるファクトリーOCが施されたOCモデルですが、補助電源数はリファレンスと同じく8PINとなっています。
Palit GeForce RTX 2060 6GB StormX OCのビデオ出力はHDMI2.0×1、DisplayPort1.4×、DVI-Dの3基が実装されています。
Palit GeForce RTX 2060 6GB StormX OCはショート基板なので基板の反りを防止する必要はありませんが、基板の背面保護や放熱の補助の役割を果たすバックプレートは非搭載です。
なおグラフィックボードの重量はGeForce RTX 2060 Founders Editionが966g、Palit GeForce GTX 1660 Ti 6GB StormX OCが417gに対して、Palit GeForce RTX 2060 6GB StormX OCは414gとなっており、RTX 2060グラフィックボードとしてはコンパクトなサイズのとおり軽量です。
Palit GeForce RTX 2060 6GB StormX OCの分解
Palit GeForce RTX 2060 6GB StormX OCを分解してGPUクーラーやグラフィックボード基板についてチェックしていきます。なお今回はレビュー用サンプル貸出先の協力のもと特別に許可を頂いて分解を行っております。GPUクーラーの取り外し(分解行為)はグラフィックボードの正規保証の対象外になる行為です。今回はレビューのために分解しておりますが、繰り返しますが保証対象外になるので基本的には非推奨の行為なのでご注意下さい。
Palit GeForce RTX 2060 6GB StormX OCのGPUクーラーは基板裏面のコア周辺4カ所とVRM電源付近2か所のネジ6つで固定されていました。
6か所のネジを外すとGPUクーラーは容易に取り外しができます。
RTX 2060のGPUコアにはTU106-200A-KA-A1が使用されていました。GDDR6メモリはMicron、Samsung、SK Hynixなどがすでに量産を行っていますが、今回入手した「Palit GeForce RTX 2060 6GB StormX OC」にはSamsung製の8GbのGDDR6メモリチップが搭載されています。
「Palit GeForce RTX 2060 6GB StormX OC」のVRM電源フェーズ数は6(4+2)フェーズでした。
GPUクーラー本体をチェックすると、GPUコアはアルミニウム製ベースプレートと接しており、ベースプレートには3本の銅製ヒートパイプがろう付けされ、アルミニウム製放熱フィンが2スロットスペース内いっぱいに展開されています。
GPUコアと接する部分はヒートパイプダイレクトタッチ構造ではなく、アルミニウム製ベースプレートが採用されています。GPUコア周辺のVRAMチップとVRM電源はサーマルパッドを介して同じくアルミニウム製ベースプレートに接してヒートシンク本体で直接冷却する構造です。安価なモデルなので仕方ないところですが、欲を言えば上位GPUの製品のようにGPUコア部分は銅製ベースプレートを採用して欲しかったです。
アルミニウム製ベースプレートから3本の銅製ヒートパイプを介して、2スロットを占有するGPUクーラー内いっぱいにアルミ製放熱フィンが収められています。
Palit GeForce RTX 2060 6GB StormX OCの検証機材セットアップ
外観やハードのチェックはこのあたりにして早速、Palit GeForce RTX 2060 6GB StormX OCを検証用の機材に組み込みました。テストベンチ機の構成は次のようになっています。テストベンチ機の構成 | ||
ベンチ機1 |
ベンチ機2 |
|
OS | Windows10 Home 64bit | |
CPU |
Intel Core i9 9900K(レビュー) Core/Cache:5.1/4.7GHz, 1.300V 殻割り&クマメタル化(レビュー) |
Intel Core i7 7700K (レビュー) |
CPUクーラー |
Fractal Design Celsius S36(レビュー) Noctua NF-A12x25 PWM (レビュー) |
ASUS ROG RYUO 120 (レビュー) |
M/B | ASUS WS Z390 PRO (レビュー) |
ASUS ROG MAXIMUS IX FORMULA (レビュー) |
メインメモリ | G.Skill Trident Z Black F4-4400C19D-16GTZKK DDR4 8GB*2=16GB (レビュー) 4000MHz, CL17-17-17-37-CR2 |
G.Skill Trident Z F4-3600C15D-16GTZ DDR4 8GB*2=16B (レビュー) |
システム ストレージ |
Samsung SSD 860 EVO M.2 1TB (レビュー) |
Samsung 860 PRO 256GB (レビュー) |
データストレージ |
SanDisk SSD Ultra 3D SATA SSD 2TB (レビュー) | |
電源ユニット |
Corsair HX1200i (レビュー) Corsair RM650i |
Thermaltake Toughpower iRGB PLUS 1250W Titanium (レビュー) |
PCケース/ ベンチ板 |
STREACOM BC1 (レビュー) |
Cooler Master MASTERCASE MAKER 5t (レビュー) NZXT Aer F 140 3基(レビュー) |
ベンチ機のシステムストレージにはSamsung製3bit-MLC型64層V-NANDのメモリチップを採用するメインストリーム向け最新SATA接続M.2 SSD「Samsung SSD 860 EVO M.2 1TB」を使用しています。「Samsung SSD 860 EVO M.2」は2.5インチSATA SSDと同等のパフォーマンスをケーブルレスで発揮できる手軽さが魅力です。Samsung SSD 860 EVOシリーズの容量1TB以上のモデルは大容量データの連続書き込みにおける書き込み速度の低下というTLC型SSDの欠点も解消されているので、大容量ファイルをまとめて入れても余裕のあるメインストレージとしてお勧めのSSDです。
・「Samsung SSD 860 EVO M.2 1TB」をレビュー
「Palit GeForce RTX 2060 6GB StormX OC」は、RTX 2060のリファレンス仕様がブーストクロック1680MHzに対して、1725MHzにファクトリーOCが施されており、またパワーリミット(TDP)も160Wに設定されています。
Palit GeForce RTX 2060 6GB StormX OCのゲーム性能
Palit GeForce RTX 2060 6GB StormX OCの性能を測るべく各種ベンチマークを実行しました。性能比較には「Palit GeForce GTX 1660 Ti 6GB StormX OC」、「COLORFUL iGame GTX 1070 Ti Vulcan X Top」、「Radeon RX Vega 64 Limited Edition」、「Radeon RX Vega 56」、「EVGA GeForce GTX 1070 SC ACX3.0」、「EVGA GeForce GTX 1060 6GB SC ACX2.0」を使用しています。「Palit GeForce RTX 2060 6GB StormX OC」を含めた各グラフィックボードについて、3DMarkで現在主流なDirectX11のベンチマーク「FireStrike」による比較になります。
FireStrike | Extreme | Ultra | |
RTX 2060 Palit StormX OC |
19444 | 9084 | 4233 |
GTX 1660 Ti | 16221 | 7254 | 3188 |
RX Vega 64(B1, BL) | 23023 | 10776 | 5442 |
GTX 1070 Ti |
19628 | 9454 | 4773 |
RX Vega 56(B1, BL) | 20430 | 9474 | 4797 |
GTX 1070 | 17917 | 8477 | 4252 |
GTX 1060 | 13056 | 6256 | 3023 |
「Palit GeForce RTX 2060 6GB StormX OC」を含めた各グラフィックボードについて、3DMarkのDirectX12ベンチマーク「TimeSpy」による性能比較となります。
TimeSpy | Async Off |
Extreme | |
RTX 2060 FE Palit StormX OC |
7587 | 7085 | 3469 |
GTX 1660 Ti | 6262 | 5875 | 2822 |
RX Vega 64(B1, BL) | 7168 |
6697 | 3430 |
GTX 1070 Ti | 6832 |
6529 | 3148 |
RX Vega 56(B1, BL) | 6331 | 5931 | 2357 |
GTX 1070 | 5954 | 5711 | 2761 |
GTX 1060 | 4281 | 4124 | 1950 |
「Palit GeForce RTX 2060 6GB StormX OC」を含めた各グラフィックボードについて、17年中頃から普及しつつあるHTC VIVEやOculus RiftなどVR HMDを使用したVRゲームに関する性能を測定する最新ベンチマーク「VRMark」による性能比較となります。
Orange Room |
Cyan Room |
Blue Room |
|
RTX 2060 FE Palit StormX OC |
11265 | 7634 | 2406 |
GTX 1660 Ti | 9366 | 6129 | 1952 |
RX Vega 64(B1, BL) | 11619 | 8319 | 2197 |
GTX 1070 Ti | 10969 | 6011 | 2080 |
RX Vega 56(B1, BL) | 10726 | 7114 | 1876 |
GTX 1070 | 9852 | 5338 | 1791 |
GTX 1060 | 7175 | 3901 | 1291 |
続いて実ゲームを用いたベンチマークになります。解像度はフルHDについて行っており、同一のグラフィック設定で同一のシーンについて平均FPSを比較しました。
ベンチマーク測定を行ったゲームタイトルは、Assassin's Creed Origins(最高設定プリセット)、Battlefield 1(最高設定プリセット)、Destiny2(最高設定プリセット)、The Division(グラフィック設定)、Far Cry 5(最高設定プリセット&TAA)、Final Fantasy XV(最高設定プリセット、NVIDIA GameWorks無効)、Ghost Recon Wildlands(非常に高い設定プリセット)、Mirrors Edge Catalyst(最高設定プリセット)、MONSTER HUNTER: WORLD(最高設定プリセット)、Rise of the Tomb Raider(高設定プリセット/FXAA/DX12)、Middle-Earth: Shadow of War(とても高い設定プリセット)、Titanfall 2(グラフィック設定)、WatchDogs_2(超高設定プリセット)、The Witcher3(最高設定)、Gears of War 4(高設定プリセット)以上の15タイトルです。
Assassin's Creed Origins(最高設定プリセット)に関する「Palit GeForce RTX 2060 6GB StormX OC」を含めた各グラフィックボードのベンチマーク結果です。
Battlefield 1(最高設定プリセット)に関する「Palit GeForce RTX 2060 6GB StormX OC」を含めた各グラフィックボードのベンチマーク結果です。
Destiny2(最高設定プリセット)に関する「Palit GeForce RTX 2060 6GB StormX OC」を含めた各グラフィックボードのベンチマーク結果です。
The Division(グラフィック設定)に関する「Palit GeForce RTX 2060 6GB StormX OC」を含めた各グラフィックボードのベンチマーク結果です。
Far Cry 5(最高設定プリセット&TAA)に関する「Palit GeForce RTX 2060 6GB StormX OC」を含めた各グラフィックボードのベンチマーク結果です。
Final Fantasy XV(最高設定プリセット、NVIDIA GameWorks無効)に関する「Palit GeForce RTX 2060 6GB StormX OC」を含めた各グラフィックボードのベンチマーク結果です。
Ghost Recon Wildlands(非常に高い設定プリセット)に関する「Palit GeForce RTX 2060 6GB StormX OC」を含めた各グラフィックボードのベンチマーク結果です。
Mirrors Edge Catalyst(最高設定プリセット)に関する「Palit GeForce RTX 2060 6GB StormX OC」を含めた各グラフィックボードのベンチマーク結果です。
MONSTER HUNTER: WORLD(最高設定プリセット)に関する「Palit GeForce RTX 2060 6GB StormX OC」を含めた各グラフィックボードのベンチマーク結果です。
Rise of the Tomb Raider(高設定プリセット/FXAA/DX12)に関する「Palit GeForce RTX 2060 6GB StormX OC」を含めた各グラフィックボードのベンチマーク結果です。
Middle-Earth: Shadow of War(非常に高い設定プリセット)に関する「Palit GeForce RTX 2060 6GB StormX OC」を含めた各グラフィックボードのベンチマーク結果です。
Titanfall 2(グラフィック設定)に関する「Palit GeForce RTX 2060 6GB StormX OC」を含めた各グラフィックボードのベンチマーク結果です。
WatchDogs_2(超高設定プリセット)に関する「Palit GeForce RTX 2060 6GB StormX OC」を含めた各グラフィックボードのベンチマーク結果です。
The Witcher3(グラフィック設定)に関する「Palit GeForce RTX 2060 6GB StormX OC」を含めた各グラフィックボードのベンチマーク結果です。
Gears of War 4(高設定プリセット)に関する「Palit GeForce RTX 2060 6GB StormX OC」を含めた各グラフィックボードのベンチマーク結果です。
Palit GeForce RTX 2060 6GB StormX OC、GTX 1660 Ti 6GB、Radeon RX Vega 64、GeForce GTX 1070 Ti、Radeon RX Vega 56、GeForce GTX 1070、GeForce GTX 1060 6GBの7種類のGPUについて実ゲーム性能の比率の平均を出してみたところ、「Palit GeForce RTX 2060 6GB StormX OC」は前世代同クラスのGeForce GTX 1060よりも50%以上も高速という結果になりました。
GeForce RTX 2060は前世代で1.5クラス程度上位に位置するGeForce GTX 1070 Tiと等しいパフォーマンスを発揮しており、2019年以降にリリースされる最新高画質PCゲームをフルHD解像度の最高画質設定でプレイするのに最適なGPUです。
Palit GeForce RTX 2060 6GB StormX OCの温度・消費電力・ファンノイズ
Palit GeForce RTX 2060 6GB StormX OCの負荷時のGPU温度やファンノイズや消費電力についてチェックしていきます。「Palit GeForce RTX 2060 6GB StormX OC」のGPU温度とファンノイズの検証負荷としては20分間に渡たり連続してGPUに100%近い負荷をかける3DMark TimeSpy Stress Testを使用しています。
Palit GeForce RTX 2060 6GB StormX OCのテスト終盤におけるGPU温度は最大72度に収まっていますが、ファン回転数は最大2000RPM程度で高めな回転数です。Mini-ITX対応ショート基板でシングルファンのGPUクーラーなので仕方のないところですが。
GPUコアクロックについては「Palit GeForce RTX 2060 6GB StormX OC」の仕様値ではブースト1725MHzとなっていますが、負荷テスト中の実動平均は1847MHzでした。
Palit GeForce RTX 2060 6GB StormX OCを含めていくつかのグラフィックボードについてサウンドレベルメーターを利用してゲーム負荷時のノイズレベルを測定・比較しました。ノイズレベルの測定には「サンワダイレクト 400-TST901A」を使用しています。
電源OFF時の騒音値は33~35dBです。目安として40dBを超えたあたりからファンノイズがはっきりと聞こえるようになり、45dB前後で煩く感じます。50dBを超えてくるとヘッドホンをしていても煩く感じます。同じ騒音値でも周波数(ファン回転数)が高いほど体感としては大きな音に感じやすく、また不快に感じたり感じなかったりは音の性質にもよるので注意してください。
ノイズレベルの測定結果は次のようになっています。
Palit GeForce RTX 2060 6GB StormX OCのファンノイズは、2000RPMという高めなファン回転数の通り、ノイズレベルも45.2dB程度とやはり高めです。とはいえ2スロット占有シングルファンGPUクーラーであることを考えれば及第点だと思います。
Palit GeForce RTX 2060 6GB StormX OCの消費電力と瞬間的な最大電源負荷を測定しました。
測定負荷には上で行った温度検証と同様に3DMark TimeSpy ストレステストを使用しています。テスト全体から1秒間隔でモニタリングを行い、平均値を”消費電力”、最大値を”瞬間的な最大電源負荷”とします。なお電源ユニットに対する実際の最大瞬間負荷は測定値より50~100W上回る場合があるので、電源ユニットの電源容量選択の参考にする場合は注意してください。
消費電力の測定は電源ユニット「Corsair HX1200i」のCorsair Linkによる電力ログ機能を用いてコンセントからの入力ではなく変換ロスを差し引いたシステムへの出力電力をチェックしています。また電力測定の際は上記の主電源ユニットに加えて、CPUへの電力供給を行うEPS端子へ接続するために別の副電源ユニットを使用しています。
この方法であれば、CPU(後述のiGPUも)に負荷をかけても、CPUによる消費電力の変動はメイン電源ユニットCorsair HX 1200iの測定値には影響しません。しかしながら、測定値にはまだATX24PIN経由で供給されるマザーボードやDDR4メモリの電力が含まれるので、iGPUを使用した時の3DMark TimeSpy ストレステスト中の消費電力と最大電源負荷を同様に測定し、各種グラフィックボード使用時と差分を取る形でグラフィックボード単体の消費電力と最大電源負荷を算出します。
Palit GeForce RTX 2060 6GB StormX OCの消費電力は152W、最大瞬間負荷は198Wでした。Palit GeForce RTX 2060 6GB StormX OCのTDP(パワーターゲット)は160Wに設定されており、仕様値通りの消費電力になっており、仕様値通りの消費電力になっていると思います。
NVIDIAの60番のGPUはGTX 960とGTX 1060ともにTDP120Wだったので、これまでの傾向から考えると消費電力の大幅増とも言えますが、RTX 2060がほぼ等しいグラフィック性能を発揮するGTX 1070 Tiよりも低い消費電力で動作していることを考えると、さほど悪くない結果にも見えるので評価が難しいところです。
Palit GeForce RTX 2060 6GB StormX OC レビューまとめ
最後に「Palit GeForce RTX 2060 6GB StormX OC」を検証してみた結果のまとめを行います。簡単に箇条書きで以下、管理人のレビュー後の所感となります。良いところ
- 最新PCゲームをフルHD/最高画質設定でプレイ可能なグラフィック性能
- GTX 1060を50%以上も上回り、GTX 1070 Tiと同等のグラフィック性能
- 168mmのMini-ITX完全対応ショート基板
- RTX 2060としては国内最安値な税込み4.1万円(2019年3月)
- 2連ファンGPUクーラーの標準的なモデルに比べると静音性で劣る
GeForce RTX 2060は前世代同クラスのGTX 1060を平均で50%以上も上回り、また古いゲームよりも2019年以降に登場する最新ゲームでより高速化の恩恵が受けられるので、ベストケースでは80%以上のパフォーマンスを発揮します。前世代では上位に位置するミドルハイクラスGPUのGTX 1070 Tiと同等のグラフィック性能を実現し、消費電力も低下して扱いやすさも改善されているので、「GeForce RTX 2060」は2019年以降に登場する最新高画質PCゲームをフルHD/最高画質でプレイするのに最適な次世代ミドルクラスGPUです。
GeForce RTX 2060はRTX 20XXシリーズのナンバリングの中では一番下に位置するモデルですが、RTXの名前の通り、まだ利用できるゲームは少ないものの、同シリーズの目玉機能であるレイトレーシングやDLSSに対応しています。
上位モデルのRTX 2070がWQHD解像度のPCゲーミングやフルHDのレイトレーシングをターゲットにしているのに対して、RTX 2060はフルHD解像度のゲーミングに特化し、レイトレーシングもDLSSの併用による性能の底上げを前提にしたモデルですが、最安値でも6万円台なRTX 2070に対して、それより2万円程度安い4万円台前半で購入できるRTX 2060は次世代グラフィックスを体験するエントリーモデルとして魅力のある製品です。
ただし従来の60番台は税込みで2~3万円程度で購入できる普及帯的な製品でしたが、RTX 2060の希望小売価格は349ドルからとなっており、国内販売価格も税込みで4万円台前半から販売されているので、GTX 1060の後継というよりは、1万円以上安価になり、かつ付加価値的機能が充実したGTX 1070 Tiの後継としての傾向が強いGPUです。RTX 2060はレイトレーシングの普及帯GPUとは言えますが、GTX 1060のような一般的なPCゲーミング無向け普及帯GPUにはGTX 1660 Tiを選択するか、近日登場が噂されているさらに下位モデルのGTX 1660を待つ必要がありそうです。
「Palit GeForce RTX 2060 6GB StormX OC」については、何といっても2019年3月現在において販売価格が税込み4.1万円とRTX 2060グラフィックボード中、最安値であることが最大の魅力です。RTX 2060として安価であり、Mini-ITXにも完全対応なショート基板モデルなのでPCケース内での干渉の心配もほぼなく、旧世代GPUからのアップグレードにもお勧めなモデルです。
ショート基板でヒートシンク放熱フィンの面積が狭く、冷却ファンもシングルファンなので、一般的な2連ファンGPUクーラーに比べると冷却性能や静音性では劣りますが、RTX 2060自体が消費電力160W程度とそこまで発熱は大きくないので、実用に耐える静音性は十分に備わっていると思います。
以上、「Palit GeForce RTX 2060 6GB StormX OC」のレビューでした。
・RTX 2060 販売ページ:
<Amazon><PCショップアーク><パソコン工房>
<TSUKUMO><ドスパラ><PCワンズ><ソフマップ>
関連記事
・GeForce RTX 20XX/GTX 16XXシリーズのレビュー記事一覧へ・AMD Radeon VIIシリーズのレビュー記事一覧へ
・RTX 2060搭載のおすすめゲーミングBTO PCを徹底比較!
・GTX 1660 Ti搭載のおすすめゲーミングBTO PCを徹底比較!
・RTX 2070搭載のおすすめゲーミングBTO PCを徹底比較!
・RTX 2080搭載のおすすめゲーミングBTO PCを徹底比較!
・史上最速! RTX 2080 Ti搭載のおすすめBTO PCを徹底比較!
・G-Sync HDR対応4K/120Hzゲーミング液晶モニタ「ASUS ROG SWIFT PG27UQ」をレビュー
・おすすめグラボまとめ。予算・性能別で比較。各社AIBモデルの選び方
・グラフィックボードのレビュー記事一覧へ
・【できる!個人輸入】米尼でおすすめなEVGA製グラボのまとめ
・おすすめBTO PCまとめ。予算・性能別で比較。カスタマイズ指南も
(注:記事内で参考のため記載された商品価格は記事執筆当時のものとなり変動している場合があります)
スポンサードリンク