Corsair HX1000i


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変換効率92%のPlatinum認証を取得、電源容量1000Wのハイエンド電源ユニット「Corsair HX1000i(型番:CP-9020074-JP)」をレビューしていきます。専用アプリ「Corsari Link / iCUE」による電源パフォーマンスのリアルタイムモニタリングや電源冷却ファンのコントロールにも対応するなど、隙のないハイエンド電源ユニットです。実は発売から5年が経過しているロングセラーなハイエンド電源ユニットの実力を再評価するため徹底検証していきます。
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代理店公式ページ:https://www.links.co.jp/item/hx1000i/
製品公式ページ:https://www.corsair.com/ja/ja/~/~/~/hxi-series-config/p/CP-9020074-JP


「Corsair HX1000i」のモジュラー端子/ケーブル構成
種類 コネクタ数 ケーブル
数量 x 長さ
(1本のコネクタ数)
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ATX
20/24 PIN
1  1 x 610 mm
CPU/EPS
8(4+4) PIN
2
 1 x 650 mm
 1 x 800 mm
PCIE
8(6+2) PIN
8
 4 x 600 + 150 mm (2)
SATA 12
 2 x 500 + 100 + 100 + 100 mm (4)
 1 x 550 + 100 + 100 + 100 mm (4)
Peripheral 12
 3 x 450 + 100 + 100 + 100 mm (4)
Floppy 1  101 mm




Corsair HX1000i レビュー目次


1.Corsair HX1000iの外観・付属品
2.Corsair HX1000iのケーブルや電源端子について
3.専用アプリ「iCUE」:セットアップと基本的な使い方
4.専用アプリ「iCUE」:Corsair HX1000iのファン制御やOCP設定
5.Corsair HX1000iの負荷別のファンノイズについて
6.Corsair HX1000iのレビューまとめ




Corsair HX1000iの梱包・付属品

早速パッケージを開封してCorsair HX1000iの外観や付属品をチェックしていきます。
「Corsair HX1000i」のパッケージは横長でキャラメル箱と呼ばれる外装スリーブに茶色のダンボール製内パッケージという構造になっており、若干開けにくさを感じます。
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内パッケージの構造はN型箱で開くと、左側にはスポンジスペーサーに保護された電源ユニット本体が収められており、各種ケーブル類は専用ナイロンバッグに封入された状態でパッケージ右側に収められていました。
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プラグインケーブル以外に、固定ネジ、ACケーブル、内部USBケーブル、ケーブルタイ、Corsairバッジシールが付属します。
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「Corsair HX1000i」はWindows上で各種電力情報のモニタリングやOCP設定が可能な「iCUE / Corsair Link」に対応しており、PCと接続するためのUSBケーブルが付属します。電源ユニット側はminiUSB端子、マザーボード側は内部USB2.0ヘッダーとなっています。
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マザーボード上の内部USB2.0が不足している場合は内部USB端子を2基備えたCorsair Link用新型ハブ「CORSAIR Commander PRO」や内部USB増設ハブ「NZXT INTERNAL USB HUB」がおすすめです。
Corsair Link用の新型ハブ「CORSAIR Commander PRO」をレビュー
CORSAIR Commander PRO

「Corsair HX1000i」本体をチェックしていきます。
Corsair HX1000iは高級電源ユニットなのでスポンジの緩衝材と透明フィルムで衝撃と傷から保護されていました。
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「Corsair HX1000i」の電源ユニット本体は次のようになっています。
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電源ユニット側面にはCorsair HXiシリーズのブランドカラーであるブルーをアクセントにした製品ロゴシールが貼られており、シンプルながらスタイリッシュな外観です。
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「Corsair HX1000i」の奥行は電源容量850Wや750Wの下位モデル同様に180mmです。ハイエンドグラフィックボードによるマルチGPUやエンスーCPUの環境にも対応可能な電源容量1000Wの大容量電源ユニットとしては標準的ですが、最近では1000Wクラスで160mm以下の製品もあるので若干大きく感じるかもしれません。
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「Corsair HX1000i」の冷却ファンは、最近の電源ユニットのトレンド通りに140mm角、135mmサイズの大型冷却ファンで、軸受けには摩擦が少なく低速回転に適した流体動圧軸受(FDB:Fluid Dynamic Bearing)が採用されています。
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「Corsair HX1000i」はPlatinum認証の非常に優れた変換効率を生かして負荷400W以下においては、冷却ファンが停止するセミファンレス機能「Zero RPMファンモード」にも対応しています。上位モデルのHX1200iのファンレス動作閾値は480Wとなっているように、HXiシリーズでは電源容量の40%がセミファンレス閾値です。
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Corsair HX1000iはATX24PINからPCIE補助電源まで全てのケーブルが着脱可能なプラグインケーブルになっているので環境に合わせて使用するケーブルが選択できます。Corsair Link用のMiniUSB端子も左上に実装されています。
電源ユニットが正常に動作するか自己診断(SELF TEST)する機能も搭載されています。ACケーブルをコンセントに接続した状態で「SELF TEST」のボタンを押して、『緑色LEDが点灯して、しばらくファンが回転』すれば正常、『赤色LEDが点灯したり、LEDが全く点灯しない』場合は故障しているとわかります。
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ACコンセントケーブルは国内のPC関連でよく使われる3PINタイプの端子になっています。コンセントからの電力供給を簡単にカットできるロッカー型ハードウェアスイッチが付いています。ロッカースイッチのサイズが非常に大きく管理人が個人的に気に入っているポイントです。
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Corsair HX1000iはPCIE補助電源やEPS電源など12V電源出力がシングルレールの最大83.3Aと非常にパワフルな電源ユニットです。Intel Core i9やAMD Ryzen Threadripperなどエンスー向けCPUのOC環境ではCPUへ電力供給を行うEPS端子だけでも20A以上の出力を要求することもありますが、シングルレーン83.3Aの出力が可能な「Corsair HX1000i」なら余裕で安定した電力供給が可能な容量を備えています。
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「Corsair HX1000i」は変換回路の一時側に日本メーカー製105℃電解コンデンサを採用しています。大きな電圧変動を受けても劣化しない電極箔に加え、低抵抗電解液の採用により超低ESR・超低インピーダンスを実現します。より長寿命で安定した電圧を提供します。
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Corsair HX1000iのケーブルや電源端子について

「Corsair HX1000i」に実装されている電源コネクタの種類やケーブル長についてチェックしていきます。
「Corsair HX1000i」のプラグインケーブルは製品パッケージ内の電源ユニット本体左側に収められていた専用ナイロンバッグの中に入っています。
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使用するプラグインケーブルはいずれも、高級電源に採用されることが多く、省スペースで取り回しに優れたフラットきしめん型ケーブル(リボンケーブル)で構成されています。
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Corsair HX1000iのATX24PINケーブルのATX24PINケーブルは大型フルタワーPCケースにも対応可能な610mmのフラットきしめん型ケーブルです。
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自作PC初心者が間違えやすいPCIE補助電源端子、EPS電源端子およびPSUプラグイン端子には一目でどれがどれか見分けることができるように、コネクタの側面に「PCIe」や「CPU」と表記されています。
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「Corsair HX1000i」にはEPS端子プラグインケーブルとしてケーブル長650mmとケーブル長800mmの2本が付属します。Intel Core-Xに対応するX299マザーボードやAMD Ryzen Threadripperに対応するX399マザーボードなどエンスー向け高性能マザーボードではEPS電源として8+4PINや8PIN×2を要求するものもありますが、Corsair HX1000iではEPS電源8ピン端子は2基搭載されているので問題なく対応可能です。
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2本のEPS電源ケーブルはマザーボードに接続するEPS電源コネクタが両方ともロックピン付きのコネクタになっています。
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「Corsair HX1000i」に付属するPCI-E補助電源ケーブルは8PIN(600mm)からもう1つの8PIN(150mm)が分岐するケーブルです。8PINコネクタはいずれも6+2PINに分離可能なタイプです。
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「Corsair HX1000i」のPCIE補助電源ケーブルは同種のケーブルが4本付属しています。コネクタ数的にも十分ですし、電源容量も1000WなのでGeForce RTX 2080 TiやRadeon VIIのようなハイエンドGPUによるマルチGPU環境にも対応可能です。
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Corsair HX1000iではSATA電源ケーブルとして全長800mmの4コネクタ(500 + 100 + 100 + 100 mm)が2本と、全長850mmの4コネクタ(550 + 100 + 100 + 100 mm)が1本で、計3本/計12コネクタのケーブルが付属します。
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Corsair HX1000iでは4PINペリフェラル電源ケーブルとして、全長750mmの4コネクタ(450 + 100 + 100 + 100 mm)のケーブルが3本付属します。
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ほぼディスコンですがフロッピー端子の変換ケーブルも付属します。
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専用アプリ「iCUE」:セットアップと基本的な使い方

今回検証する「Corsair HX1000i」だけでなく、Corsair製のLEDイルミネーション搭載メモリ、CPUクーラー、ゲーミングキーボードなどは専用アプリケーション「iCUE (Corsair Utility Engine)」によって各種設定が可能です。「iCUE」はキーボード・マウス向けアプリケーションCorsair Utility Engineと自作PCパーツ向けアプリケーションCorsair Linkを統合発展させた後継アプリケーションとなっています。
iCUE

「iCUE」はCorsairの公式ページからダウンロードできます。
「iCUE」ダウンロードページ:https://www.corsair.com/ww/ja/icue
iCUE_download

「Corsair HX1000i」のリリース当初はCorsair Linkという専用アプリケーションでモニタリングと各種制御が可能でしたが、後継となる新アプリケーションの「iCUE」がリリースされています。
iCUE_Corsair Link
なおCorsair LinkとiCUEは一緒にインストールできますが、iCUEがインストールされるとCorsair Linkからは対応機器をコントロールできなくなります。
iCUE_Corsair Link_2

公式ページから「iCUE」のインストーラーをダウンロードして、インストールするところはポチポチクリックしていくだけで簡単です。日本語にも対応しています。セットアップ後は再起動を求められるかもしれませんが、その際は一度再起動してから再度「iCUE」を起動してください。
iCUE_gen_1

インストールが完了したらデスクトップのショートカットアイコンから「iCUE」を起動します。
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「Corsair Dominator Platinum RGB」、「Corsair VENGEANCE RGB PRO」、「Corsair HX1200i」、「Corsair Commander PRO」などiCUE対応機器はデバイスとして一覧に表示されます。
iCUE_gen_2b

各デバイスのアイコンを選択すると詳細設定画面が表示されます。「iCUE」はCorsair Linkの後継アプリでもあるので、電源ユニットHX1200iやマルチコントローラー「Corsair Commander PRO」など従来Corsair Linkで操作していた機器に関する詳細設定も行えます。
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Corsair Linkに慣れているだけかもしれませんが、ファン制御やグラフ表示などについてはCorsair Linkのほうが直感的に簡単に設定できたので、「iCUE」の設定UIは今後の改良に期待したいです。
iCUE_gen_3e
iCUEの画面左側にあるプロファイルパネルからは複数の機器に対する設定をひとまとめにしたプロファイルを作成することができます。
iCUE_gen_3f

画面上部のメニューから「ダッシュボード」を選択すると、iCUE対応機器やシステム情報など、任意に指定したモニタリング値やグラフを表示できます。「ダッシュボード」の右にあるプラス(+)アイコンをクリックするとダッシュボードに表示する機器の選択メニューが表示されます。
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画面上部のメニューから「簡易証明」を選択すると11色のカラーパレットが表示されます。カラーパレットからカラーを選択すると、「Corsair VENGEANCE RGB PRO」やゲーミングマウス・キーボードなどLEDイルミネーションを搭載したiCUE対応機器の発光カラーを1ステップで変更できます。
iCUE_gen_5
画面上部のメニューから「設定」を選択すると、画面右上にはiCUE対応機器の簡易設定メニュー、画面右下にはiCUEの設定メニューが表示されます。
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iCUE対応機器の簡易設定メニューでは、iCUE対応の各種デバイスについて簡単な設定が行えます。電源ユニットであればシングルレール/マルチレール設定、LED機器については明るさ設定が行えます。あくまで簡易設定なので詳細設定を行う場合は、上で紹介した各種デバイスの詳細設定メニューを開いてください。
iCUE_gen_7
iCUEの設定メニューには、スタートアップ設定や言語設定などiCUEに関する基本設定を行う「全般」、アプリケーション別のOSDプロファイルを設定する「OSD」、ダッシュボードの表示について設定する「ダッシュボード」、iCUE対応機器やシステムのログ機能について設定する「センサロギング」の4項目があります。
iCUE登場当初はログ機能で開始・終了を任意に指定できなかったり、ログファイルの保存場所を指定できなかったのですが、最新版では両方に対応しました。
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専用アプリ「iCUE」:Corsair HX1000iのファン制御とOCP設定

専用アプリ「iCUE」を使用したCorsair HX1000iのファン制御とOCP設定について紹介します。
iCUEのトップページ上に表示されたCorsair HX1000iのアイコンを選択すると、Corsair HX1000iのファン制御やモニタリング・アラームの設定が行える個別ページが表示されます。
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ウィンドウ右側の「パフォーマンス」タブを選択すると「Corsair HX1000i」の電源ユニット冷却ファンのファン制御設定ページが表示されます。
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最初は標準動作設定のデフォルトだけがプロファイルとして表示されますが、パフォーマンスの表記の右側にある「+」アイコンを選択するとカスタムプロファイルを追加できます。
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カスタムプロファイルを追加して選択すると、iCUEのウィンドウ右下にファン制御設定が表示されます。
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「Corsair HX1000i」ではファン制御の設定方法として、電源温度や電源出力など各種モニタリング値を制御ソースとしたファン回転数の比例カーブによる「カスタムカーブ」モード、固定デューティ比で冷却ファンを制御する「固定%」モードの2種類が選択できます。
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「グラフ」タブでは「Corsair HX1000i」の電源出力・入力、各種電源など電力情報をリアルタイムにモニタリングすることができます。
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「Corsair HX1000i」に接続されているACケーブルのコンセント端子に中継させたワットメーターの消費電力値と、「Corsair HX1000i」の入力電力のモニタリング値がほぼ一致しているので、「Corsair HX1000i」の電力モニタリングの精度は十分に信用できます。
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「通知」タブでは「Corsair HX1000i」の電源温度をソースとして、指定値を超えた時にLEDイルミネーションの発光カラーが変更される、PCをシャットダウンするなどのアラーム・セーフティ機能の設定が行えます。
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「Corsair HX1000i」では+12V出力のOCP(過電流保護)の閾値をプラグイン端子(1つ1つor組み合わせ)ごとに設定する「マルチレールOCP」と、シングルレール扱いで1つの端子から大電流を出力できるようにする「シングルOCP」が選択できます。「マルチレールOCP」はコネクタ1つから出力される電流を制限して接続機器が過電流によって破損するのを防止する機能になっています。
基本的には初期設定の「マルチレールOCP」で問題ありませんが、PCIE補助電源やEPS電源でコネクタ1つからの出力が大きく、OCPによって予期せずシステムがダウンする場合は「シングルOCP」に切り替えることで症状を回避できます。
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Corsair HX1000iの負荷別のファンノイズについて

Corsair HX1000iの負荷に対する冷却ファンの動作をチェックしてみました。

検証機材は次のようになっています。
テストベンチ機の構成
OS Windows10 Home 64bit

CPU

Intel Core i9 9900K(レビュー
Core/Cache:5.1/4.7GHz, 1.300V
殻割り&クマメタル化(レビュー
M/B ASUS WS Z390 PRO
レビュー
メインメモリ G.Skill Trident Z Black
F4-4400C19D-16GTZKK
DDR4 8GB*2=16GB (レビュー
4000MHz, CL17-17-17-37-CR2
システムストレージ
Samsung SSD 860 EVO M.2 1TB
MZ-N6E1T0B/IT (レビュー
PCケース/
ベンチ板
STREACOM BC1 (レビュー

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ベンチ機のシステムストレージにはSamsung製MLCタイプ64層V-NANDのメモリチップを採用する18年最速のプロフェッショナル向け2.5インチSATA SSD「Samsung SSD 860 PRO 256GB」を使用しています。Samsung SSD 860 PROシリーズは容量単価が高価ではあるものの、システムストレージに最適な256GBや512GBモデルは製品価格としては手を伸ばしやすい範囲に収まっており、Intel Core-XやAMD Ryzen TRのようなハイエンドデスクトップ環境はもちろん、メインストリーム向けでもハイパフォーマンスな環境を目指すのであれば、システムストレージ用に一押しのSSDです。
「Samsung SSD 860 PRO 256GB」をレビュー
Samsung SSD 860 PRO 256GB


上記のベンチ機でグラフィックボードをGeForce GTX 1050 Ti、GeForce GTX 1650、GeForce GTX 1660 Ti、GeForce RTX 1070、GeForce RTX 2080、GeForce RTX 2080 Ti、Radeon VIIなどに変え、それぞれについて消費電力と負荷時の電源ファンのファンノイズを測定しました。測定負荷にはFireStrike Extremeグラフィックテスト1を15分以上ループさせています。

消費電力の測定にはBluetooth接続でスマホから消費電力を見られるワットチェッカーを使用して、電源ユニットの変換損を含めたシステム全体の消費電力をチェックしています。なお同ワットチェッカーでは消費電力は1秒ごとにW単位で表示されますが、平均的な数値になっており実際の瞬間最大値はさらに高い値を取っている場合があります。記事中では表示値からおおよその平均を取って表記しますが、実際には+100~200Wの瞬間的な負荷が発生することがあるので注意してください。
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サウンドレベルメーターを利用してゲーム負荷時のノイズレベルを測定・比較しています。ノイズレベルの測定には「サンワダイレクト 400-TST901A」を使用しています。電源OFF時の騒音値は33~35dBです。目安として40dBを超えたあたりからファンノイズがはっきりと聞こえるようになり、45dB前後で煩く感じます。50dBを超えてくるとヘッドホンをしていても煩く感じます。同じ騒音値でも周波数(ファン回転数)が高いほど体感としては大きな音に感じやすく、また不快に感じたり感じなかったりは音の性質にもよるので注意してください。
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またベンチ機のCPUクーラーやグラフィックボードから出るファンノイズについては吸音材の板を使用して電源ユニット本体のファンノイズ測定への影響を下げています。ノイズレベルを測定する瞬間は非負荷時と同等までCPUクーラーやグラフィックボードのファン回転数を一時的に下げており、非負荷時のグラフィックボードのファン回転数ではサウンドレベルメーターのノイズレベルは35dB~36dBしか示さないので、電源ユニット以外の影響は基本的に無視して問題ありません。
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消費電力とファンノイズの測定結果は次のようになりました。
Corsair HX1000iは2018年後半にリリースされたばかりの最速ウルトラハイエンドGPUのGeForce RTX 2080 TiによるマルチGPU環境の電力負荷700~800W程度においてファンノイズは36dB~38dB前後という優秀な静音性を発揮しています。

シングルグラフィックボード環境で一般的な400W以下の電源負荷おいてはセミファンレス機能によってファンが停止しますし、後述の温度セーフティによってファンが動作してもファン回転数500RPM前後、ノイズレベルも35dB未満で動いているのかどうかもわからないレベルです。
Corsair HX1000i_noise
システム 消費電力 ファンノイズ
アイドル
60 33.3 (ファン停止)
34.7 (ファン動作)
GTX 1650 120
GTX 1660 Ti
200
 RTX 2060 / GTX 1070 230
RTX 2070 / GTX 1080 260
RTX 2080 / GTX 1080 Ti 325
RTX 2080 Ti / Radeon VII
350

400

500
34.7
RTX 2080 SLI
630
34.7
RTX 2080 Ti SLI
700
35.8

800
38.7

「Corsair HX1000i」はPlatinum認証の非常に優れた変換効率を生かして、負荷400W以下において冷却ファンが停止するセミファンレス機能「Zero RPMファンモード」にも対応しているので、その動作について詳しくチェックしてみました。
まず「Corsair HX1000i」のセミファンレス機能の始動閾値について、公称値としては電力負荷400Wと記載されていますが、実際は500~600W前後の消費電力が一時的にかかってもファンが始動することはありませんでした。
Corsair HX1000i review_09153
じわじわと電力負荷を上げてみたところ、「Corsair HX1000i」において消費電力依存でファンが強制的に始動する閾値は600~650W前後に設定されていることが確認できました。セミファンレス機能においてファンが始動する瞬間一時的にファンが全速になる製品もありますが、「Corsair HX1000i」は静かに始動しました。
Corsair HX1000i_Fan-Start
「Corsair HX1000i」のセミファンレス機能が対応する公称値となっている約400Wの電力負荷を長時間かけ続けてみたところ、約1時間が過ぎたあたりで内部温度をソースにした温度セーフティーが機能するのか、冷却ファンが強制的に始動しました。
一度ファンが始動すると消費電力が十分に下がった状態で数分が経過しないとファンは動作し続けますが、400W未満ならファン回転数500RPM程度の定速回転となるので、動いているのか止まっているのかわからない程度のファンノイズですし、動作と停止を繰り返すよりもかえって静かだと思います。
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Corsair HX1000iのレビューまとめ

最後に「Corsair HX1000i(型番:CP-9020074-JP)」を検証してみた結果のまとめを行います。簡単に箇条書きで以下、管理人のレビュー後の所感となります。

良いところ
  • 電源容量1000W、変換効率Platinum認証取得のハイエンド電源ユニット
  • +12Vは83.3Aのシングルレーン出力
  • 電源負荷400W以下で温度閾値以下ならセミファンレス動作可能
  • RTX 2080 Ti SLI環境の負荷でもファンノイズ36~38dB程度と静音性は優秀
  • Corsari Link / iCUEによる電力モニタリングやファン制御に対応
  • 10年間の長期新品交換保証
悪いところor注意点
  • 特になし、強いて言えば製品パッケージをAX1600iなど最新のものと揃えて欲しい

「Corsair HX1000i」は、電源容量1000Wの大容量、最大92%以上の高い変換効率を証明する80Plus Platinum認証取得、+12V出力はシングルレーン83Aとなっており、Intel Core i9 9900KやAMD Ryzen 7 2700Xなどメインストリーム向け最上位CPUに、NVIDIA GeForce RTX 2080 TiやAMD Radeon VIIのマルチGPUを組み合わせるような2019年最高クラスの環境に対しても安定した電力供給が可能なポテンシャルを有しています。

「Corsair HX1000i」のファンノイズについては検証結果の通りとても優秀です。RTX 2080 Ti SLIによる平均700~800W程度の電源負荷に対してもファンノイズは36~38dB前後に収まるので、電源ユニットのファンノイズがグラフィックボードやCPUクーラーよりも煩くなり、騒音のボトルネックになる可能性はないと思います。
「Corsair HX1000i」は電源ユニット冷却ファンの制御において標準でセミファンレス機能「Zero RPMファンモード」に対応しており、電源負荷400W以下において冷却ファンを完全に停止させることが可能です。
シングルグラフィックボードであれば400W以下に収めるのは最上位GPUであっても余裕ですし、ファンレス動作範囲内においては高温による故障を防止するための温度センサーによるセーフティ機能も採用されています。400W以下においては仮にファンが動作してもファン回転数は500RPM程度なので静音性の点では全く問題ありませんし、故障防止のセーフティ機能として評価できる動作だと思います。

一般ユーザー向けにはあまり活躍の機会がないのかもしれませんが、「Corsari Link / iCUE」によるリアルタイムの電力モニタリングに対応しているところは管理人的に非常に気に入っているポイントです。自作PC電源ユニットで電力モニタリング機能を搭載しているものはCorsair製以外でもいくつかありますが、同社の機能は精度も十分でログ機能も使いやすいです。

「Corsair HX1000i」は2014年に発売されてから5年間経つCorsairのロングセラー製品ですが、依然としてハイエンド自作PCに通用するパフォーマンスを発揮しています。CPU/GPU/SSDなど自作PCパーツは進歩も早く、5年も経つとハイエンドを名乗るのは難しくなりますが、高級な電源ユニットは発売から数年経ってもハイエンド界の最前線で戦えて、長く使えるという数少ないPCパーツです。
ハイエンド自作PCのお供に高性能かつ
10年間長期保証の「Corsair HX1000i」は非常にオススメな電源ユニットです。

以上、Corsair HX1000iのレビューでした。
Corsair HX1000i





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(注:記事内で参考のため記載された商品価格は記事執筆当時のものとなり変動している場合があります)



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