WIMAXIT フルHD 144Hz モバイルモニタ


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WIMAXITという中華モバイルモニタメーカーから発売された、USB Type-Cケーブル1本でビデオ入力と電力供給が可能なフルHD解像度144HzリフレッシュレートのIPS液晶モバイルモニタ「WIMAXIT 15.6インチ/フルHD/144Hz/IPS」をレビューしていきます。

モバイルモニタというと画面の小さいノートPCに接続して作業領域を拡張するオフィス・クリエイティブ作業向けというイメージの強い製品ですが、「WIMAXIT 15.6インチ/フルHD/144Hz/IPS」はフルHD解像度IPS液晶ながら144Hzの高リフレッシュレートなのでLanパーティなど各自の自作PCを持ち寄ってゲームをプレイするのにも最適です。

NCASE M1、Dan Cases A4-SFX、In Win A1、RAIJINTEK OPHIONなど高性能グラフィックボードを搭載可能なMini-ITX対応PCケースが増えており、キーボードマウスやゲームパッド等も含め、大きめなショルダーバックを使えば持ち運ぶのも比較的容易です。「WIMAXIT 15.6インチ/フルHD/144Hz/IPS」はGeForce RTX 20XXシリーズのUSB Type-Cビデオ出力からケーブル1本で使えるモバイルモニタなので、出先でもコンセント1つだけあればゲーミングPCを起点にして各自のゲームプレイ環境を簡単に再構築できます。
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「WIMAXIT 15.6インチ/フルHD/144Hz/IPS」は黒色ベースにモニタが描かれた同社製品汎用パッケージに梱包されています。
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N式箱の蓋を開くとスポンジスペーサーに収められたモニタ本体が現れ、下段には各種付属品が入っていました。「WIMAXIT 15.6インチ/フルHD/144Hz/IPS」の付属品はUSB Type-Cケーブル、Mini HDMIケーブル、Type-C ACアダプタ、クリーニングクロスです。
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「WIMAXIT 15.6インチ/フルHD/144Hz/IPS」のモニタ本体をチェックしていきます。
「WIMAXIT 15.6インチ/フルHD/144Hz/IPS」は表示領域が15.6インチサイズのモバイルモニタで、寸法は横355mm×縦230mm、A4用紙と比較すると次のようになっています。
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「WIMAXIT 15.6インチ/フルHD/144Hz/IPS」は標準で折りたたみ式保護カバーが装着されています。カバーは両面テープで強く接着されており、外せなくはありませんが、簡単には着脱できません。
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「WIMAXIT 15.6インチ/フルHD/144Hz/IPS」の背面や側面の外装はヘアライン仕上げの黒色アルミニウム製なので”中華モバイルモニタ”と言っても安っぽさはありません。カバーとアルミ外装の境目付近、左右2か所のスリットは内蔵スピーカーです。
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「WIMAXIT 15.6インチ/フルHD/144Hz/IPS」の厚みを測定してみたところ最厚部で12mm程度なのでモバイルモニタとしてはスリムと言っても差し支えないサイズです。
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重量は、「ASUS ZenScreen MB16AC」が本体のみで771g、付属の折りたたみ式スマートカバーを装着すると1285gに対して、「WIMAXIT 15.6インチ/フルHD/144Hz/IPS」は標準搭載カバー込みで1139gとなっており、持ち運びも苦にならない重さです。
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「WIMAXIT 15.6インチ/フルHD/144Hz/IPS」に標準で装着されている折りたたみ式カバーは、下写真の”くの字”部分がマグネットでモニタ背面に吸着する構造になっており、モニタ本体の底面とカバーの端には滑り止めがあるので、下のような形でカバーをスタンドにしてモニタを立てることができます。ただカバーの角度は固定されていないので安定感は微妙です。
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「WIMAXIT 15.6インチ/フルHD/144Hz/IPS」の左下側面にはOSDメニュー操作ボタンが設置されています。
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「WIMAXIT 15.6インチ/フルHD/144Hz/IPS」の左下側面にはI/Oポートとして、3.5mmヘッドホンジャック、給電専用USB Type-C端子、ビデオ入力用Type-C端子(給電にも対応)、2基のMini HDMI端子が実装されています。USB Type-C端子はDisplayPort Alterrnative Modeに対応した最新モバイルPCやスマートフォンに接続することによってケーブル1本で映像入力と電力供給が可能です。
給電については電圧5V、電流は2~3A程度が要求されるようなので、5V/3Aに対応したUSB ACアダプタなら問題なく使用できます。また予め画面の輝度を50~60%以下に下げておけば、一般的な5V/1AのUSB端子から給電しても使用できます。
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NVIDIA GeForce RTX 20XXシリーズの一部モデルに搭載されているUSB Type-C端子は今後登場が予定されているVirtualLink規格に対応したVR HMDをケーブル1本で接続するためのビデオ出力端子ですが、具体的なハードウェアの仕様としては、DisplayPort Alternate ModeとUSB Power Deliveryの合わせ技となっています。ちなみに5V/3A、9V/3A、12V/2.25Aの3種類のモードで最大27Wの電力供給が可能です。
VirtualLink
RTX 20XXシリーズのType-C端子はもともとVirtualLink規格対応VR HMD向けビデオ出力端子ということもあって試しているユーザーも少なく、「WIMAXIT 15.6インチ/フルHD/144Hz/IPS」を自作PC向けRTX 20XXシリーズグラフィックボードに搭載されたType-C端子で使用できるのか不安だったのですが、付属のType-Cケーブルで接続するだけであっさりと映すことができました。Type-C接続はDisplayPort互換(DisplayPort Alternate Mode)なのでBIOS(UEFI)メニューも表示できます。
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「WIMAXIT 15.6インチ/フルHD/144Hz/IPS」のOSDメニューは日本語に対応していました。画面輝度や入力、色設定など主要なモニタ設定は一通りそろっています。
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スピーカー・ヘッドホンの音量設定については、本体左側面の「-」ボタンを押下するとショートカット画面が表示され、+/-キーで増減させることができます。また「Input」ボタンはその名の通りビデオ入力選択ショートカット、「+」ボタンは輝度設定ショートカットが表示されます。
音声デバイスについては標準では内蔵スピーカーで、3.5mmジャックにヘッドホン・イヤホンを装着するとそちらから出力されるように自動で切り替わります。
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「WIMAXIT 15.6インチ/フルHD/144Hz/IPS」のモニタパネルの表面処理は反射防止のアンチグレアなので、画面点灯時に室内照明の映り込みが気になりにくく、また画面暗転時に鏡面になることもありません。PCゲーミング用モニタとしては嬉しい仕様です。
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「WIMAXIT 15.6インチ/フルHD/144Hz/IPS」は上下左右には1mm程度の段差でベゼルがありますが、上と左右はベゼル幅も狭いのでフレームレスに近い感覚で使用できます。
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「WIMAXIT 15.6インチ/フルHD/144Hz/IPS」にはIPS液晶パネルが採用されており、優れた視野角を実現しています。モバイルPC用ディスプレイなので搭載可能なバックライトに制約があり、視野角を広くしていくと輝度の低下は大きいですが、色の破綻は感じません。
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IPS液晶パネルなので発色や色再現性も良好なのですが、標準の色設定「暖色」では、日本人感覚では白色が黄色っぽく感じるかもしれません。その場合は色設定をユーザー設定に切り替えて、赤と緑を44、青を46くらいに調節すると馴染みのある青っぽい白色にできます。
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以前購入した144HzのモバイルモニタはPCからは144Hzや120Hzに対応したハイリフレッシュレートなモニタとして認識されるものの、実際の物理的な画面更新は60~72Hzで半分間引かれるという詐欺製品でしたが、「WIMAXIT 15.6インチ/フルHD/144Hz/IPS」は物理的にしっかりと144Hzで動作しました。


「WIMAXIT 15.6インチ/フルHD/144Hz/IPS」のOSD設定にOD(オーバードライブ)がありますが、オーバーシュートによる逆像の発生もほぼなく、単純に応答速度が高速化されるので、同設定は有効化推奨です。
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「WIMAXIT 15.6インチ/フルHD/144Hz/IPS」のOSD設定からODを有効化して144Hzで表示させると、3万円から6万円クラスの比較的安価なハイリフレッシュレートIPS液晶ゲーミングモニタを超える応答速度を発揮します。「LG 34GK950G-B」や「Acer Predator X27」など10万円越えの高級製品クラスの応答速度が、4万円以下で手に入るのはかなりお買い得だと思います。


残念ながら液晶パネルの型番がわからないのですが、AIDA64でモニタ情報を確認してみたところ、製造日が2019年の18週(5月半ば?)でした。5月半ばというとちょうどその頃にモバイルゲーミングPCではLG製144HzリフレッシュレートIPS液晶パネルが採用され始めたこともあり、このモバイルモニタはかなり応答速度が優秀なので、LG製パネルが採用されているのではないかと思います。
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144Hz動作時の表示遅延も一般的な144Hzゲーミングモニタと同等です。
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「WIMAXIT 15.6インチ/フルHD/144Hz/IPS」について、付属品の品質など細かいところで微妙なマイナスポイントはあったものの、明確に欠点と呼べる点としては『144Hz以外のリフレッシュレートに対応していない』ところが挙げられます。
下の2つの動画は「WIMAXIT 15.6インチ/フルHD/144Hz/IPS」をPCから60Hzと120Hzに設定した時に、同じリフレッシュレートのPCモニタと比較した様子ですが、特に120Hzでわかりやすいですが、いずれもスタッターに似た引っかかりが「WIMAXIT 15.6インチ/フルHD/144Hz/IPS」で発生しているのが見てとれると思います。
おそらく144Hz以外のリフレッシュレートにPCから設定した時、PCからは60Hzや120Hzのモニタとして認識され、PCから出力される信号もそれに応じたものになるのですが、画面の物理的なリフレッシュレート自体は144Hzで固定されているので、60FPSや120FPSの映像に対してスタッター的なカクツキ(というか原理的にスタッターそのもの)が発生するようです。




PCに接続する場合は144Hzで固定してしまえば問題ないのですが、60Hzや30Hzにする(動作になる)必要のあるコンソールゲーム機を接続する場合、実動144Hzリフレッシュレートと高速なので影響は軽微であるものの「WIMAXIT 15.6インチ/フルHD/144Hz/IPS」ではスタッターが発生するので、一般的な60Hzのモバイルモニタを使用するのが無難です。

以上、『フルHD/144HzのIPS液晶モバイルモニタ』をレビューでした。
WIMAXIT フルHD 144Hz モバイルモニタ








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(注:記事内で参考のため記載された商品価格は記事執筆当時のものとなり変動している場合があります)



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