Fractal Design Ion+ Platinum 860W


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変換効率92%のPlatinum認証を取得かつ860Wの電源容量を備えたハイパフォーマンスATX電源ユニット「Fractal Design Ion+ Platinum 860W(型番:FD-PSU-IONP-860P-BK)」のレビュー用サンプルをメーカーよりご提供いただけたのでレビューしていきます。奥行150mmのコンパクトサイズや、”フニャフニャ”の擬音で形容するのが相応しい超柔らかな電源ケーブル「UltraFlexケーブル」によって干渉フリーと組みやすさも兼ね備えた電源ユニットです。
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代理店公式ページ:https://www.ask-corp.jp/products/fractal-design/power-supply/ion-plus.html
プレスリリース:https://www.ask-corp.jp/news/2019/08/fractal-design-ion-plus.html
製品公式ページ:http://www.fractal-design.jp/home/products/power-supplies/ion-plus-platinum

Fractal Design Ion+ Platinum_series




Fractal Design Ion+ Platinum 860W レビュー目次


1.Fractal Design Ion+ Platinum 860Wの外観
2.Fractal Design Ion+ Platinum 860Wのケーブルや電源端子について
3.Fractal Design Ion+ Platinum 860Wの負荷別のファンノイズについて
4.Fractal Design Ion+ Platinum 860Wのレビューまとめ




Fractal Design Ion+ Platinum 860Wの外観

早速パッケージを開封してFractal Design Ion+ Platinum 860Wの外観や付属品をチェックしていきます。
パッケージの構造はN型箱で、天面を短辺方向に開くので開封時のスペースが最小限です。キャラメル箱型の外スリーブや長辺方向に開くN式箱でないのは個人的に好感が持てるところです。
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パッケージを開くと左側にはスポンジスペーサーに保護された電源ユニット本体が収められており、各種ケーブル類は専用ナイロンバッグに封入された状態でパッケージ右側に収められていました。
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プラグインケーブル以外の付属品としては固定ネジとACケーブルとケーブルタイとマニュアルです。
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「Fractal Design Ion+ Platinum 860W」本体をチェックしていきます。
Fractal Design Ion+ Platinum 860Wは2.5万円程度のミドルハイクラスな電源ユニットですが、緩衝材には高級モデル同様にスポンジスペーサーが使用され、不織布のケースのさらに下にビニール袋で包まれるという万全の梱包です。
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Fractal Design Ion+ Platinum 860Wの電源ユニット本体は次のようになっています。
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最近はPSUシュラウドを搭載したPCケースが多いからか、「Fractal Design Ion+ Platinum」シリーズの天面は何の装飾もないフラットなパネルです。
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一方でPSUシュラウドに電源ユニット側面が覗けるウィンドウが備わったPCケースもあるので、電源ユニット側面は、上側にラメ感のある黒寄りガンメタルなプレートと、下側にシルキーで滑らかなブラックのプレートを組み合わせたツーロンカラー構造になっており、シンプルながら高い質感を感じさせます。さりげなく刻印されている「Fractal Design」のメーカーロゴもクールです。
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Fractal Design Ion+ Platinum 860Wは電源容量860Wでメインストリーム向け電源としては比較的大容量ですが、ATX電源としてはコンパクトな部類の奥行150mmです。
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MicroATXやMini-ITXに対応するコンパクトPCケースや電源ユニット前方にストレージシャドウベイのあるATXケースでは奥行方向クリアランスが小さく、ATX電源で主流な奥行160mm~180mmだとケーブルスペースが十分に確保できない場合があります。奥行き150mmの「Fractal Design Ion+ Platinum 860W」ならそういったコンパクトPCケースでも難なく電源ケーブルを収納できます。(下写真は奥行が140mmと160mmの比較)
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「Fractal Design Ion+ Platinum」シリーズには近年主流な140mm角、135mmサイズでFractal Design Dynamic Seriesを電源ユニット専用にカスタマイズした冷却ファンが搭載されています。
軸受にはMTBF(平均故障間隔)がトップクラスの100,000時間である高級LLS軸受けを使用し、さらにハブ部分にベアリングの軸圧力を軽減するカウンターバランスマグネットを採用することでベアリングの耐用性を更に強化しています。
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電源負荷40%前後を閾値として冷却ファンを停止させるセミファンレス機能「Zero RPM Mode」にも対応しており、本体プラグイン端子傍のハードウェアスイッチによってON/OFFを切り替えることができます。「Zero RPM Mode」が無効でもファンレス区間のファン回転数は600RPM程度、最大電源負荷においても1000RPM未満なので、「Fractal Design Ion+ Platinum」シリーズの静音性にはかなり期待できそうです。
Fractal Design Ion+ Platinum 860W_Zero RPM Mode
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「Fractal Design Ion+ Platinum 860W」は電源ケーブルが全て着脱可能なフルプラグイン型で、プラグイン端子は次のようになっています。
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ACコンセントケーブルは国内のPC関連でよく使われる3PINタイプの端子になっています。コンセントからの電力供給を簡単にカットできるロッカー型ハードウェアスイッチが付いています。
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「Fractal Design Ion+ Platinum 860W」はシステム負荷50%の環境下において92%以上の電力変換効率を発揮することが確認済みの80PLUS Platinum認証が取得されています。電源容量は860Wで、+12V出力はシングルレールで71.6Aの出力に対応しています。Intel Core i9やAMD Ryzen ThreadripperのOC環境ではCPUへ電力供給を行うEPS端子だけでも20A以上の出力を要求することもありますが、シングルレール70Aの出力が可能なFractal Design Ion+ Platinum 860Wなら安定した電力供給が可能な容量を備えています。
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「Fractal Design Ion+ Platinum 860W」を含めFractal Design Ion+ Platinumシリーズのキャパシタには、全て日本メーカー製105℃コンデンサが採用されています。信頼性と耐久性の強化に加え、低ESR及び低インピーダンスのコンデンサによって、システムの安定性、信頼性の向上を実現しています。
+12Vの電源出力においては電圧誤差0.35%未満、リプルノイズ15m未満という高精度かつ安定した電力供給能力が謳われています。
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電源ユニットの重量も確認してみたところ同容量ATX電源ユニットの「Thermaltake Toughpower Grand RGB 850W Platinum」が1936g、「Seasonic PRIME Ultra 850 Titanium SSR-850TR」が2037gに対して、「Fractal Design Ion+ Platinum 860W」は1606gで比較的軽量でした。
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Fractal Design Ion+ Platinum 860Wのケーブルや電源端子について

「Fractal Design Ion+ Platinum 860W」に実装されている電源コネクタの種類やケーブル長についてチェックしていきます。
「Fractal Design Ion+ Platinum 860W」のプラグインケーブルは製品パッケージ内の電源ユニット本体左側に収められていたジッパー付き専用ナイロンバッグの中に入っています。
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Fractal Design Ion+ Platinum 860Wで使用するプラグインケーブルはATX24PINを除いて、高級電源に採用されることが多く、省スペースで取り回しに優れたフラットきしめん型ケーブル(リボンケーブル)で構成されています。
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「Fractal Design Ion+ Platinum」シリーズのプラグインケーブルは「UltraFlexケーブル」と呼ばれ非常に曲げやすく取り回しに優れることがアピールされています。専用設計された絶縁体によって高密度配線が可能になり、導体をわずか直径0.08mmに抑えることに成功しています。効率や電流容量を失うことなく、競合製品に比べての半分の直径を実現しているとのこと。
「Fractal Design Ion+ Platinum」シリーズのUltraFlexケーブルは確かに”フニャフニャ”という擬音で形容するのが相応しい柔らかさでした。
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「Fractal Design Ion+ Platinum 860W」のケーブルの中で一番太いATX24PIN電源ケーブルですら、自重だけで容易に折れ曲がってしまうほど柔らかいケーブルになっています。
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「Fractal Design Ion+ Platinum 860W」で使用可能な電源ケーブルの長さやコネクタ数の一覧は次のテーブルのようになっています。
 「Fractal Design Ion+ Platinum 860W」のモジュラー端子/ケーブル構成
種類 コネクタ数 ケーブル
数量 x 長さ
(1本のコネクタ数)
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ATX
20/24 PIN
1  1 x 600 mm
CPU/EPS
8(4+4) PIN
2
 1 x 600 mm
 1 x 700 mm
PCIE
8(6+2) PIN
6
 3 x 550 + 120 mm (2)
SATA 12
 2 x 400 + 120 + 120 + 120 mm (4)
 3 x 650 + 120 mm (2)
Peripheral 4
 1 x 400 + 120 + 120 + 120 mm (4)
Floppy -  -

Fractal Design Ion+ Platinum 860Wの電源ケーブルについて個別にチェックしていきます。
Fractal Design Ion+ Platinum 860WのATX24PINケーブルのATX24PINケーブルは一般的なミドルタワーPCケースに対応可能な600mmの黒色スリーブまとめ型ケーブルです。スリーブまとめ型ケーブルは曲げ難いというのが通例ですが、UltraFlexケーブルが採用されているのでこちらも曲げやすさは抜群です。
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PCI-E補助電源とEPS電源のケーブルは見分けるのが面倒ですが、「Fractal Design Ion+ Platinum 860W」のプラグインケーブルではそれぞれの電源コネクタの側面に「PCI-E」や「CPU」と表記されており、自作PC初心者にもわかりやすくなっています。
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「Fractal Design Ion+ Platinum 860W」のEPS端子プラグインケーブルとしてケーブル長600mmとケーブル長700mmの2本付属します。Intel Core-Xに対応するX299マザーボードやAMD Ryzen Threadripperに対応するX399マザーボードなどエンスー向け高性能マザーボードではEPS電源として8+4PINや8PIN×2を要求するものもありますが、Fractal Design Ion+ Platinum 860WではEPS電源8PIN端子は2基搭載されているので問題なく対応可能です。
なお電源容量760Wモデルは同様に2本が付属しますが、660Wモデルと560Wモデルはケーブル長700mmの1本のみなので注意してください。
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EPS端子についてはケーブル長600mmは8PIN固定のコネクタ、ケーブル長700mmは8PINを4+4PINに分離可能なコネクタが採用されています。欲を言えば使い勝手を考えると分離できるほうは4PIN同士がロックピンで結合できるコネクタ(参考写真)を採用して欲しいところ。
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「Fractal Design Ion+ Platinum 860W」に付属するPCI-E補助電源ケーブルは8PIN(550mm)からもう1つの8PIN(120mm)が分岐するケーブルです。8PINコネクタはいずれも6+2PINに分離可能なタイプです。
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「Fractal Design Ion+ Platinum 860W」のPCIE補助電源ケーブルは同種のケーブルが3本付属しています。コネクタ数的にはマルチGPUにも対応可能ですが、ハイエンドGPUでマルチGPUを組むとなると電源容量的にギリギリなので、その場合は電源1000W以上の製品を選択した方がいいと思います。
なお電源容量760Wモデルは同様に3本が付属しますが、660Wモデルと560Wモデルは2本のみなので注意してください。
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SATA電源ケーブルとして、全長760mm(400 + 120 + 120 + 120mm)で4コネクタのケーブル2本と、全長770mm(500 + 120mm)で2コネクタのケーブル1本の計3本が付属します。SATA端子は10基使用可能となっており多数のHDDストレージを搭載するようなサーバー機用の電源としても使用できます。
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4PINペリフェラル電源ケーブルは760mm(400 + 120 + 120 + 120mm)で4コネクタのケーブルです。
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Fractal Design Ion+ Platinum 860Wの負荷別のファンノイズについて

Fractal Design Ion+ Platinum 860Wの負荷に対する冷却ファンの動作をチェックしてみました。
Fractal Design Ion+ Platinum 860Wの検証機材は次のようになっています。
テストベンチ機の構成
OS Windows10 Home 64bit

CPU

Intel Core i9 9900K(レビュー
Core/Cache:5.1/4.7GHz, 1.300V
殻割り&クマメタル化(レビュー
M/B ASUS WS Z390 PRO
レビュー
メインメモリ G.Skill Trident Z Black
F4-4400C19D-16GTZKK
DDR4 8GB*2=16GB (レビュー
4000MHz, CL17-17-17-37-CR2
システムストレージ
Samsung SSD 860 EVO M.2 1TB
MZ-N6E1T0B/IT (レビュー
PCケース/
ベンチ板
STREACOM BC1 (レビュー

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ベンチ機のシステムストレージにはSamsung製3bit-MLC型64層V-NANDのメモリチップを採用するメインストリーム向け最新SATA接続M.2 SSD「Samsung SSD 860 EVO M.2 1TB」を使用しています。「Samsung SSD 860 EVO M.2」は2.5インチSATA SSDと同等のパフォーマンスをケーブルレスで発揮できる手軽さが魅力です。Samsung SSD 860 EVOシリーズの容量1TB以上のモデルは大容量データの連続書き込みにおける書き込み速度の低下というTLC型SSDの欠点も解消されているので、大容量ファイルをまとめて入れても余裕のあるメインストレージとしてお勧めのSSDです。
「Samsung SSD 860 EVO M.2 1TB」をレビュー
Samsung 860 EVO M.2 1TB

上記のベンチ機でグラフィックボードをGeForce GTX 1050 Ti、GeForce GTX 1650、GeForce GTX 1660 Ti、GeForce RTX 1070、GeForce RTX 2080、GeForce RTX 2080 Ti、Radeon VIIなどに変え、それぞれについて消費電力と負荷時の電源ファンのファンノイズを測定しました。測定負荷にはFireStrike Extremeグラフィックテスト1を15分以上ループさせています。

消費電力の測定にはBluetooth接続でスマホから消費電力を見られるワットチェッカーを使用して、電源ユニットの変換損を含めたシステム全体の消費電力をチェックしています。なお同ワットチェッカーでは消費電力は1秒ごとにW単位で表示されますが、平均的な数値になっており実際の瞬間最大値はさらに高い値を取っている場合があります。記事中では表示値からおおよその平均を取って表記しますが、実際には+100Wから+200Wの瞬間的な負荷が発生することがあるので注意してください。
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サウンドレベルメーターを利用してゲーム負荷時のノイズレベルを測定・比較しています。ノイズレベルの測定には「サンワダイレクト 400-TST901A」を使用しています。電源OFF時の騒音値は33~35dBです。目安として40dBを超えたあたりからファンノイズがはっきりと聞こえるようになり、45dB前後で煩く感じます。50dBを超えてくるとヘッドホンをしていても煩く感じます。同じ騒音値でも周波数(ファン回転数)が高いほど体感としては大きな音に感じやすく、また不快に感じたり感じなかったりは音の性質にもよるので注意してください。
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またベンチ機のCPUクーラーやグラフィックボードから出るファンノイズについては吸音材の板を使用して電源ユニット本体のファンノイズ測定への影響を下げています。非負荷時にグラフィックボードのファン回転数を負荷時の最大値に固定してもサウンドレベルメーターが35~36dBしか示さないのでこれらの影響は基本的に無視して問題ありません。
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消費電力とファンノイズの測定結果は次のようになりました。
「Fractal Design Ion+ Platinum 860W」のファンノイズについては、シングルグラフィックボード環境で一般的に消費される400W以下の負荷においてノイズレベルが35dB以下に収まるという抜群に優れた結果です。さらに電源負荷を上げていっても600W前後でも依然としてノイズレベルは36dB程度に収まるので、PCケースに組み込んでしまえば電源ユニット冷却ファンのファンノイズが聞こえることは基本的にありません。700Wを超えた辺りからノイズレベルが40dBを超えてきてファンノイズを認識できるようになってきます。
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システム 消費電力 ファンノイズ
アイドル
60 33.1 (ファン停止)

33.8(ファン動作)
GTX 1650 120
GTX 1660 Ti / GTX 1660
200
 RTX 2060 230
 RTX 2060 Super / RX 5700
260
RTX 2070 Super / RX 5700 XT
325
RTX 2080 Super / Radeon VII
350 34.2
RTX 2080 Ti 400
34.2

500
34.4
RTX 2080 SLI
600
36.0
RTX 2080 Ti SLI
700
40.4

「Fractal Design Ion+ Platinum 860W」は電源負荷40%(340W)前後を閾値として冷却ファンが停止するセミファンレス機能「Zero RPM Mode」に対応しています。
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「Fractal Design Ion+ Platinum 860W」はセミファンレス機能を含めて冷却ファンの速度制御は単純に電力負荷に比例しているようです。
セミファンレス機能においては閾値を超える負荷が発生すると即座にファンが始動、閾値を下回るとファンが停止しました。ファン始動時にファンがフル回転になって大きなノイズが発生するといったことはありません。閾値前後でファンが始動と停止を繰り返す状況を考えると温度依存のヒステリシスな制御が併用されていても良かったかなと感じます。


「Fractal Design Ion+ Platinum 860W」でセミファンレス機能の閾値ギリギリとなる300W前後の負荷を長時間かけ続けてみたところ、内部に実装された温度センサーによるセーフティ機能が働き、ファンが始動しました。セミファンレス動作の閾値の範囲内の電源負荷であっても温度セーフティによって冷却ファンが動作することがありますが、340W以下のノイズレベルは35dB以下なので、実用上、電源ユニット冷却ファンのファンノイズが聞こえることはまずないと思います。
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ちなみに「Fractal Design Ion+ Platinum 860W」でZero RPM Modeにおいて300W前後の電源負荷をかけ続けた時、冷却ファンが始動する直前の内部温度は電源ユニット外装の外からサーモグラフィで確認する限りではせいぜい70度未満に収まっていました。
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温度セーフティでファンが始動した後、数分の間、電源ユニットを冷却し内部温度が一定以下まで下がると冷却ファンは再び停止します。この時にサーモグラフィで確認できる最大温度は50度半ば程度でした。
Fractal Design Ion+ Platinum 860W_FLIR_Fan-Stop

また「Fractal Design Ion+ Platinum 860W」にはOSをシャットダウンした後に、電源ユニット冷却ファンを1分程度動作させて電源ユニット内部をクールダウンさせる機能も搭載されています。この時のファンノイズも35dB程度なのでPCケースに組み込んでしまえば、基本的に聞こえないレベルです。



Fractal Design Ion+ Platinum 860Wのレビューまとめ

最後に「Fractal Design Ion+ Platinum 860W(型番:FD-PSU-IONP-860P-BK)」を検証してみた結果のまとめを行います。簡単に箇条書きで以下、管理人のレビュー後の所感となります。

良いところ
  • 電源容量860W、変換効率92%以上のPlatinum認証取得のハイパフォーマンス電源ユニット
  • +12Vは71Aのシングルレール出力
  • 奥行150mmのコンパクトサイズなATX電源ユニット
  • シングルグラフィックボード環境の400W以下の負荷に対してノイズレベルは35dB未満
  • 電源負荷40%(340W)以下でファンレス動作が可能
  • ファンレス機能は背面のハードウェアスイッチで簡単にON/OFF切り替えが可能
  • UltraFlexケーブルの”フニャフニャ”質感は極上の組みやすさ
  • シャットダウン後に1分程度ファンを動作させるクールダウン機能
悪いところor注意点
  • ATX24PIN電源ケーブルは黒色スリーブまとめ型

「Fractal Design Ion+ Platinum 860W」は50%負荷時の変換効率が92%以上のPlatinum認証を取得かつ電源容量も860Wの大容量モデルなので、GeForce RTX 2080 TiやRadeon VIIなどハイエンドグラフィックボードとCore i9 9900KやRyzen 9 3900Xなどメインストリーム向け最上位CPUの組み合わせにも対応できるスペックです。

「Fractal Design Ion+ Platinum 860W」を含めFractal Design Ion+ Platinumシリーズにおいて「UltraFlexケーブル」という名でアピールされている非常に柔らかい電源ケーブルは間違いなく同シリーズの最大の魅力の1つです。UltraFlexケーブルは”フニャフニャ”という擬音で形容するのが相応しい柔らかさとなっており、非常に曲げやすく取り回しに優れているので極上の組みやすさを実現してくれます。

冷却ファンの静音性については、シングルグラフィックボード環境で一般的に消費される400W以下の負荷においてノイズレベルが35dB未満に収まっており、実用上、無音と評価して差し支えない抜群の静音性を発揮しました。600Wまで負荷を上げても36dB、700Wを超えるとファンノイズを認識できる40dBなので、電源容量860Wの「Fractal Design Ion+ Platinum 860W」を導入するようなシステムの負荷においては、電源ユニット冷却ファンが主とした騒音源になることはなく、またファンノイズを認識するようなケースもないと思います。
Fractal Design Ion+ Platinumシリーズには電源負荷40%前後を閾値としてセミファンレス機能「Zero RPM Mode」も搭載されており、ハードウェアスイッチで簡単にON/OFFの切り替えが可能、温度セーフティ機能付きなど使い勝手も良好です。またシステムのシャットダウン後に一定時間の間、電源ユニット冷却ファンを動作させるクールダウン機能も実装されており、電源回路の耐久性向上に嬉しい配慮です。

以上、「Fractal Design Ion+ Platinum 860W」のレビューでした。
Fractal Design Ion+ Platinum 860W





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