GIGABYTE AORUS NVMe Gen4 SSD 1TB


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GIGABYTEからリリースされた東芝製TLC型96層3D NANDメモリチップBiCS4を搭載するPCIE4.0x4対応NVMe M.2 SSD「GIGABYTE AORUS NVMe Gen4 SSD」シリーズの容量1TBモデル「GIGABYTE AORUS NVMe Gen4 SSD 1TB(型番:GP-ASM2NE6100TTTD)」のサンプル機をメーカーよりお借りできたのでレビューしていきます。
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製品公式ページ:https://www.gigabyte.com/jp/Solid-State-Drive/AORUS-NVMe-Gen4-SSD-1TB#kf





GIGABYTE AORUS NVMe Gen4 SSD 1TB レビュー目次


1.GIGABYTE AORUS NVMe Gen4 SSDについて
2.GIGABYTE AORUS NVMe Gen4 SSD 1TBの外観
3.GIGABYTE AORUS NVMe Gen4 SSD 1TBの検証機材と基本仕様
4.GIGABYTE AORUS NVMe Gen4 SSD 1TBのベンチマーク比較
5.GIGABYTE AORUS NVMe Gen4 SSD 1TBの連続書き込みについて
6.GIGABYTE AORUS NVMe Gen4 SSD 1TBの温度について
7.GIGABYTE AORUS NVMe Gen4 SSD 1TBのデータコピー・ゲームロード比較
8.GIGABYTE AORUS NVMe Gen4 SSD 1TBのレビューまとめ




GIGABYTE AORUS NVMe Gen4 SSDについて

「GIGABYTE AORUS NVMe Gen4 SSD」シリーズはPCIE4.0x4帯域のNVMe接続に対応した世界初のメモリコントローラーPhison PS5016-E16、メモリチップには東芝製TLC型96層3D NAND「BiCS4」が採用された、NVMe(PCIE4.0x4)接続でM.2 2280フォームファクタのM.2 SSDです。容量は1TBと2TBの2モデルがラインナップされています。

「GIGABYTE AORUS NVMe Gen4 SSD」はPCIE4.0に対応することで、既存のPCIE3.0x4接続のNVMe M.2 SSDよりも高発熱になることが予想されるので、高熱伝導効率サーマルパッドを介して銅製ベースプレートと銅製ヒートシンクを標準装備し、放熱が強化されています。

「GIGABYTE AORUS NVMe Gen4 SSD」シリーズのアクセススピードは容量によって若干異なりますが、最大でシーケンシャル読出5000MB/s、シーケンシャル書込4400MB/s、ランダム読出750,000 IOPS、ランダム書込700,000 IOPSの高速アクセススピードを実現しています。

「GIGABYTE AORUS NVMe Gen4 SSD」シリーズのMTBFは177万時間、書込耐性は1TBが1800TBW、2TBが3600TBWとなっており、メーカーによる製品保証期間は5年間です。

GIGABYTE AORUS NVMe Gen4 SSD スペック一覧
容量 1TB
GP-ASM2NE6100TTTD
2TB
GP-ASM2NE6200TTTD
インターフェース
NVMe(PCI-E4.0x4)
メモリー 東芝製 TLC型96層3D NAND BiCS4
メモリコントローラー PHISON PS5016-E16
キャッシュ DDR4 1GB
DDR4 2GB
連続読出 5000MB/s
連続書込 4400MB/s
4Kランダム読出 750,000 IOPS
4Kランダム書込 700,000 IOPS
消費電力(アベレージ) 6.5W(Read)、6.6W(Write)、21.1mW(idle)
動作温度範囲 0°C~70°C
MTBF 177万時間
耐久性評価 1800TBW 3600TBW
保証期間 メーカー5年



GIGABYTE AORUS NVMe Gen4 SSD 1TBの外観

まず最初にGIGABYTE AORUS NVMe Gen4 SSD 1TBの外観や付属品について簡単にチェックしておきます。
「GIGABYTE AORUS NVMe Gen4 SSD 1TB」のパッケージは紙製スリーブと化粧箱で構成されており、化粧箱の蓋を開くとスポンジ製スペーサーの中央に、SSD本体が安置されている高級感のある梱包です。

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GIGABYTE AORUS NVMe Gen4 SSDシリーズのSSD本体デザインについてはM.2 2280サイズ、M-Key型のM.2 SSDです。PCB基板は黒色で、専用の銅製大型ヒートシンクが搭載されています。
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現在主流な黒色を基調としてマザーボードの中でカッパーカラーを前面に押し出した「GIGABYTE AORUS NVMe Gen4 SSD」のデザインはアクセントとして非常に映えます。
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「GIGABYTE AORUS NVMe Gen4 SSD」のヒートシンクは全銅製なので94gと重量もかなり大きく、実際に持ってみてもアルミニウム製ヒートシンクを搭載したSSD製品よりもかなりズッシリした重量感があります。
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GIGABYTE AORUS NVMe Gen4 SSDシリーズのSSDヒートシンクは高さ11.4mmと比較的低いので、グラフィックボードなどPCIE拡張ボードとの干渉の心配はなさそうです。
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ただし背面にも金属製プレートがあるのでマザーボード基板の実装素子との干渉には注意が必要です。
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ヒートシンクは側面6か所のネジで固定されているだけ、さらにSSDとヒートシンクの間に貼られているのは熱伝導両面接着テープではなく、サーマルパッドなので、簡単に着脱できます。サーマルパッドはヒートシンクとバックプレートの両方に貼られています。ヒートシンクの着脱は容易ですがヒートシンクを取り外すと国内正規代理店による保証対象外となるので注意してください。
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GIGABYTE AORUS NVMe Gen4 SSDシリーズの表面にはM.2端子を左端として、左から順番にキャッシュメモリ、メモリコントローラー、2枚のメモリチップが実装されています。
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GIGABYTE AORUS NVMe Gen4 SSDシリーズの1TBモデルと2TBモデルの両方において、背面にメモリチップとキャッシュメモリが実装される両面実装です。背面には2枚のメモリチップと1枚のキャッシュメモリが実装されています。
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メモリコントローラーはPCIE4.0x4帯域のNVMe接続に対応した「Phison PS5016-E16」、メモリチップは東芝製TLC型96層3D NAND「BiCS4」の256GB(型番:TABBG65AWV)、DRAMキャッシュメモリはSK Hynix製でした。発熱の大きいメモリコントローラーのチップ表面にはニッケルメッキの金属プレートを装着して放熱を補助・促進しています。
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GIGABYTE AORUS NVMe Gen4 SSD 1TBの検証機材と基本仕様

「GIGABYTE AORUS NVMe Gen4 SSD 1TB」の各種検証を行う環境としては、Intel Core i9 9900K&ASUS WS Z390 PROなどで構成されているベンチ機を使用しました。構成の詳細は下記テーブルの通りです。
テストベンチ機の構成
CPU AMD Ryzen 9 3900X(レビュー
CPUクーラー Corsair H150i PRO RGB (レビュー
Noctua NF-A12x25 PWM (レビュー
メインメモリ G.Skill Trident Z Neo
F4-3600C14Q-32GTZN
DDR4 8GB*4=32GB (レビュー
3600MHz, CL16-16-16-36-CR1
マザーボード
MSI MEG X570 ACE (レビュー
ビデオカード 【基礎性能検証用】
MSI GeForce GT 1030 2GH LP OC
レビュー

【PCゲームロード時間検証用】
ZOTAC RTX 2080Ti AMP Extreme Core
レビュー
システムストレージ
Samsung 860 PRO 256GB (レビュー
OS Windows10 Home 64bit
電源ユニット Corsair HX1200i (レビュー
ベンチ板 STREACOM BC1 (レビュー

AMD Ryzen 7 3700X review_00823
Strage Test Bench_2

第3世代Ryzen検証環境のシステムメモリには、第3世代Ryzen&X570マザーボードのプラットフォームに最適化されたハイパフォーマンスOCメモリの最速モデル「G.Skill Trident Z Neo F4-3600C14Q-32GTZN」を使用しています。3600MHz/CL14の最速モデル、3200MHz/CL14や3600MHz/CL16といった定番スペックがラインナップされ、高級感のあるヒートシンクや8分割ARGB LEDを搭載してデザイン面でも優れる「G.Skill Trident Z Neo」シリーズは、第3世代Ryzenの自作PCで性能を追求するなら間違いのないオススメなOCメモリです。
「G.Skill Trident Z Neo F4-3600C14Q-32GTZN」をレビュー
G.Skill Trident Z Neo F4-3600C14Q-32GTZN

第3世代Ryzen関連の検証機材としてX570マザーボードの「MSI MEG X570 ACE」を使用しています。「MSI MEG X570 ACE」はRyzen 9シリーズも対応できる高耐久・低発熱な14フェーズVRM電源回路を搭載することに始まり、拡張ヒートパイプによるマザーボード全体のアクティブ冷却構造、グラフィックボードとの位置被りを避けるオフセットレイアウトなど非常に完成度の高い製品となっており、数あるX570マザーボードの中でもオススメの1枚です。
「MSI MEG X570 ACE」をレビュー
MSI MEG X570 ACE


「GIGABYTE AORUS NVMe Gen4 SSD 1TB」のテスト環境において、同製品を含めNVMe M.2 SSDはCPU直結PCIEレーンに接続されているマザーボード上のM.2スロットに設置して各種ベンチマーク測定を行います。
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また温度検証を除く各種ベンチマーク測定においては、各SSDが最大性能が発揮できるようにスポットクーラーを使用して十分に冷却した状態で測定を行いました。
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「GIGABYTE AORUS NVMe Gen4 SSD 1TB」のボリュームをWindows10上で作成したところ、空きスペースは931GBでした。
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GIGABYTE AORUS NVMe Gen4 SSD 1TBのベンチマーク比較

「GIGABYTE AORUS NVMe Gen4 SSD 1TB」の性能を測るためストレージに関する基本的なベンチマークソフトを使用して測定を行います。比較対象として同じくNVMe M.2 SSDの「Samsung SSD 970 PRO 1TB(レビュー)」、「Kingston KC2000 1TB(レビュー)」、「WD Black SN750 NVMe SSD 1TB(レビュー)」、「Corsair Force MP510 960GB(レビュー)」等でも同様の測定を行いました。

まずはCrystalDiskMark6.0.0(QD32, 8GiB)について、「GIGABYTE AORUS NVMe Gen4 SSD 1TB」やその他の比較対象ストレージのベンチマーク結果は次のようになっています。
「GIGABYTE AORUS NVMe Gen4 SSD 1TB」のベンチマークススコアは仕様値の通り連続読み出し5000MB/s、連続書き込み4200MB/sと、既存のPCIE3.0x4接続NVMe M.2 SSDを大きく上回る連続アクセススピードを実現しています。
GIGABYTE AORUS NVMe Gen4 SSD 1TB_CDM
Samsnug SSD 970 PRO 1TB_CDMKingston KC2000 1TB_CDM
WD Black SN750 1TB HS_CDMCorsair MP510 960GB_CDM


ATTO Disk Benchmark 4.00.0f2(512B-64MB, 8GB, QD1/QD4)について、「GIGABYTE AORUS NVMe Gen4 SSD 1TB」やその他の比較対象ストレージのベンチマーク結果は次のようになっています。
ATTO Disk Benchmarkはブロックサイズ別のシーケンシャル性能を主にチェックするベンチマークなので4KB~1MBを抜粋してリード/ライト性能をグラフにして比較しました。
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GIGABYTE AORUS NVMe Gen4 SSD 1TB_ATTO_QD1_write
GIGABYTE AORUS NVMe Gen4 SSD 1TB_ATTO_QD4_read
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GIGABYTE AORUS NVMe Gen4 SSD 1TB_ATTO_QD1GIGABYTE AORUS NVMe Gen4 SSD 1TB_ATTO_QD4


AS SSD Benchmark v2.0.6821.41776(5GB)について、「GIGABYTE AORUS NVMe Gen4 SSD 1TB」やその他の比較対象ストレージのベンチマーク結果は次のようになっています。
GIGABYTE AORUS NVMe Gen4 SSD 1TB_AS
Samsnug SSD 970 PRO 1TB_ASKingston KC2000 1TB_AS
WD Black SN750 1TB HS_ASCorsair MP510 960GB_AS


PCMark8 ストレージテストについて、「GIGABYTE AORUS NVMe Gen4 SSD 1TB」やその他の比較対象ストレージのベンチマーク結果は次のようになっています。
GIGABYTE AORUS NVMe Gen4 SSD 1TB_PCM8
Samsnug SSD 970 PRO 1TB_PCM8Kingston KC2000 1TB_PCM8
WD Black SN750 1TB HS_PCM8Corsair MP510 960GB_PCM8



GIGABYTE AORUS NVMe Gen4 SSD 1TBの連続書き込みについて

「GIGABYTE AORUS NVMe Gen4 SSD 1TB」に連続書き込みを行った場合の動作についてチェックします。
TLC型NANDやQLC型NANDと呼ばれる3bit以上のマルチレベルセルで動作するNANDが採用されているSSDでは、マルチレベルセル化によって遅くなる書き込み速度の底上げのため、NANDメモリの一部を高速キャッシュ領域とする機能が実装されています。2019年現在、TLCやQLCの記憶領域を動的にSLC化する製品が多いので、この高速キャッシュ領域のことをSLCキャッシュと呼ぶことにします。(可能性としてTLC型SSDやQLC型SSDがMLCで高速キャッシュを構築することもありうる)
このようなSLCキャッシュを有するSSDにおいては、連続した大容量の書き込みによって書き込み総量がSLCキャッシュを超過した場合、書き込み速度がステップ状にガクッと下がります。
例えば600MB/sが理論的な上限速度となるSATA SSDの場合は、動画ファイルなど数十GB以上の単一ファイルの連続書き込みが発生すると、SLCキャッシュ超過後はCrystalDiskMarkなどベンチマークソフトで表示される500MB/s程度の連続書き込み速度を維持できず、100~200MB/sまで書き込み速度が低下する可能性があります。


2.5インチSATA SSDの「Samsung 860 PRO 2TB(レビュー)」やNVMe M.2 SSDの「Samsung 970 PRO 1TB(レビュー)」はMLC型なので、HD Tune Proを使用して100GB以上の大容量な連続書き込みを行っても書き込み速度が下がることはなく、いずれも理想的な書き込み速度を維持することが可能です。
Samsung 970 PRO 1TB_HDT
SATA SSDの「PNY CS1311 960GB」はSLCキャッシュによる書き込み速度の底上げを行っている典型的なTLC型SSDとなっており、書き込み開始直後は500MB/sの書き込み速度をマークしているものの、全容量960GBに対して1.5%程度の13~15GBを書き込んだ後は300~350MB/sまで書き込み速度が低下します。
PNY SSD 960GB_HDTP
しかしながら2018年から2019年初頭にかけて主流な64層3D NANDや、2019年以降に採用製品が増えつつある90層オーバーの最新3D NANDでは、SLCキャッシュを介さない書き込み速度が改善されています。
64層3D NANDを採用しているTLC型SATA SSDの「Samsung SSD 860 EVO(レビュー)」「WD Blue 3D NAND SATA SSD(レビュー)」「SanDisk SSD Ultra 3D(レビュー)」「Crucial MX500(レビュー)」などで、かつ容量が1TB以上の大容量モデルでは書き込み速度の低下は解消されています。(SATA3.0規格の速度上限が先にくるので)
SanDisk 3D SSD 2TB_HDTP
またTLC型SSDの書き込み速度の低下はNVMe SSDでも発生することがあります。「Samsung 970 EVO Plus 1TB(レビュー)」もTLC型NANDの一部を高速なSLCキャッシュとして用いて書き込み時にそこを優先的に使用する高速化技術「Intelligent TurboWrite」が使用されているので、SLCキャッシュ容量を超過する連続した大容量な書き込みが発生すると書き込み速度が低下します。
Samsung 970 EVO Plus 1TB_HDT

TLC型96層3D NANDをメモリチップに採用する「GIGABYTE AORUS NVMe Gen4 SSD 1TB」はどのような挙動を見せるのか確認してみたところ、全体容量の10%に当たる100GBの大容量データを連続して書き込みしても製品仕様でも紹介されている4000MB/s前後の最大連続書き込み速度を維持し続けました。
GIGABYTE AORUS NVMe Gen4 SSD 1TB_HDT


BiCS4採用SSDは記憶領域の一部をQLC化できるのではないか?

上の測定だけを見るとかなり良い結果なのですが、もう少し詳しく検証していくと、「GIGABYTE AORUS NVMe Gen4 SSD 1TB」についていくつか疑問の残る検証結果が得られました。
まず追加検証その1として、50GBの動画ファイルを16個で計800GB程度のデータを用意し、Windows10のエクスプローラー上で別のNVMe M.2 SSDから「GIGABYTE AORUS NVMe Gen4 SSD 1TB」へコピーを実行しました。このようなファイルコピーテストを実行してみたところ、書き込み総量が400~450GBに達したタイミングで900~700MB/sまで大幅に書き込み速度が低下し、最終的に500~600MB/s程度のSATA SSD相当まで書き込み速度が低下しました。
Phison PS5016-E16_SLC Cache-test_1
なお同様のテストを「Samsung 970 PRO 1TB」、「Corsair Force MP510 960GB」、「WD Black SN750 NVMe SSD 1TB」、「Kingston KC2000 1TB」の4種類でも実行してみたところ、MLC型の「Samsung 970 PRO 1TB」は終始一定した書き込み速度、TLC型の「Corsair Force MP510 960GB」と「WD Black SN750 NVMe SSD 1TB」もSLCキャッシュ超過で速度低下は起こりますが、その後は一定した書き込み速度でした。
しかしながら、「GIGABYTE AORUS NVMe Gen4 SSD 1TB」と同じく東芝製96層3D NAND BiCS4が使用されている「Kingston KC2000 1TB」では150GB程度のSLCキャッシュ超過後、再び速度低下が発生し、書き込み速度が700MB/s程度となりました。
Phison PS5016-E16_SLC Cache-test_1a
さらに追加検証その2として、上のコピーテストによって「GIGABYTE AORUS NVMe Gen4 SSD 1TB」のWindows10上のボリューム容量930GBのうち800GB程度を使用済みにした状態(残り容量は107GBと表示)で、HD Tune Proによって80GBの連続書き込みを実行したところ、70GB程度の書き込みが完了したところで、やはり500~600MB/s程度まで書き込み速度が低下しました。
Phison PS5016-E16_SLC Cache-test_2

まず追加検証その1の検証結果から考えると、64層3D NAND BiCS3を使用している「Corsair Force MP510 960GB」と「WD Black SN750 NVMe SSD 1TB」がSLCキャッシュ超過後でも900~1400MB/sを維持しているのに対して、同じくTLC型で後継であり書き込み速度に優れると発表もされている96層3D NAND BiCS4を搭載している「GIGABYTE AORUS NVMe Gen4 SSD 1TB」や「Kingston KC2000 1TB」の書き込み速度が、最終的に前世代3D NANDを下回る500~700MB/sまで低下するというのはかなり違和感を覚える結果です。
なおメモリコントローラーは「GIGABYTE AORUS NVMe Gen4 SSD 1TB」がPhison PS5016-E16、「Kingston KC2000 1TB」はSilicon Motion SM2262ENなので、この挙動について大本の原因はメモリコントローラーではなく、メモリチップ側にあると思います。

さらに追加検証その2では、使用可能な残りの容量が110GB程度しかない状況で、70GB程度のSLCキャッシュが利用できるという相当におかしい検証結果です。TLCで110GBの残容量ということは単純計算で考えてSLCキャッシュとして確保できるのは36GB程度、仮にMLC形式で高速なキャッシュ領域が形成されていたとしてもかなり怪しい配分になります。なおPhison PS5016-E16については「fully-dynamic SLC cache」という機能が実装されており、名称からも高速なキャッシュ領域はSLCで構成されていると考えられます。

以上の結果から管理人としては「東芝製96層3D NAND採用製品は高速キャッシュ領域を大きく確保するために、メモリ領域の一部をQLC化しているのではないか」と推測しています。
TLC型と表記されるとき、1セル当たり3bitの計算で合計容量が決まっているだけであって、SLCもしくはMLCの高速領域と、TLCもしくはQLCの大容量領域を使い分けていると考えると今回の結果にもある程度納得がいきます。

以下、検証結果を根拠に記憶領域の一部がQLC化されていると仮定して論じていきますが、空き領域がQLC化されている分については、高速領域が大きいため上の追加検証その1のような、かなり特殊なアクセスでも発生しない限り使用されることがない領域なので実用上、特に問題ないと思います。

しかしながら、使用済み記憶領域までQLC化されているとすると若干話が変わってきます。
1.
QLC化されている使用済み領域のデータを読み出す、データの変更を行う等のアクセスが発生した場合に、「Corsair Force MP510 960GB」と「WD Black SN750 NVMe SSD 1TB」のような既存のTLC型SSDと同等のパフォーマンスが発揮できるのか。
2.
通常のベンチマーク測定では高速領域のみが使用される可能性が高く、QLC化されたデータ領域にアクセスする実ユーザーの利用環境とは齟齬が生じているのではないか
3.
使用済みデータ領域がQLC化されている場合、書き込み耐性への影響はないのか。仕様値の書き込み耐性(TBW)はその影響も考慮された数値なのか。

あくまで今回得られた検証結果から管理人なりに考えた推測の域を出ませんが、記憶領域の一部がQLC化されている場合、ユーザーにとって以上のようなデメリットが発生し得るのではないかと疑問が残ります。

なお以上の疑問についてメーカーへ問い合わせてみましたが、『Phison様の技術秘になるため、お答えできません。』とのことで、具体的な回答・情報をえることはできませんでした。



GIGABYTE AORUS NVMe Gen4 SSD 1TBの温度とサーマルスロットリングについて

NVMe M.2 SSDでは重要になる項目として「GIGABYTE AORUS NVMe Gen4 SSD 1TB」の温度とサーマルスロットリングについてチェックしていきます。
アクセススピードが数GB/sに及ぶ非常に高速なNVMe接続に対応したM.2 SSDでは、そのコンパクトさゆえに放熱性能には表面積的な限界があり、連続したアクセスが発生するとメモリチップやメモリコントローラーが高温になって速度制限がかかるサーマルスロットリングが発生する可能性があることが知られています。
「GIGABYTE AORUS NVMe Gen4 SSD 1TB」について、連続した高速アクセス発生時の温度やサーマルスロットリング発生の有無をソフトウェアモニタリングとサーモグラフィーカメラを使用して検証します。

GIGABYTE AORUS NVMe Gen4 SSD 1TBのSSD温度の測定やサーマルスロットリング発生の有無の確認については、マザーボード上CPUソケット直下のM.2スロットに設置して測定を行いました。
GIGABYTE AORUS NVMe Gen4 SSD 1TB review_01254_DxO
測定時の検証負荷としては上で行ったベンチマーク測定同様にCrystalDiskMark6.0.0(QD32, 8GiB)を使用して間を置かず複数回ベンチマークをループさせ、その間のSSD温度や読み出し・書き込み速度のモニタリング値はHWiNFOを使用してログを取得します。
PCIE4.0x4-NVMe M.2 SSD_Temp-test

GIGABYTE AORUS NVMe Gen4 SSD 1TBの検証結果を確認する前に比較参考のサンプルとして、GIGABYTE AORUS NVMe Gen4 SSD 1TBのSSD本体も設計上準拠しているPCIE4.0x4対応NVMe M.2 SSDのPHISONリファレンスモデル(1TB)でヒートシンクを使用しない状態において、上記の負荷テストを実行した結果を確認しておきます。
PHISONリファレンスモデルのSSD温度とアクセススピードの推移は下のようになっています。PHISONリファレンスモデルではメモリチップの温度についてソフトウェアモニタリングが可能になっているようです。ベンチマークを複数回繰り返すと、サーマルスロットリングによって連続読み出し速度は理想値の5000MB/sからSATA接続SSD相当の600MB/s程度まで低下していることが確認できます。
PCIE4.0x4-NVMe M.2 SSD PHISON Reference_temp
負荷テスト終盤におけるPHISONリファレンスモデルのサーモグラフィーは下のようになっています。サーモグラフィーで温度分布を確認すると、最も高温になるメモリコントローラー周辺が100度近くに達し、メモリコントローラーから遠い位置のメモリチップですら80度を超過しています。
CFD PG3VNF 1TB_FLIR

さて本題のGIGABYTE AORUS NVMe Gen4 SSD 1TBの温度やサーマルスロットリングの有無についてチェックしていきます。
「GIGABYTE AORUS NVMe Gen4 SSD 1TB」において上と同様のストレステストを実行したところ、CrystalDiskMarkを1,2回実行した後、Windowsシステムから認識できなくなりました。「GIGABYTE AORUS NVMe Gen4 SSD 1TB」のサンプル機が2つあったので両方で同様の検証を行いましたが、いずれもストレージを認識できなくなりました。
GIGABYTE AORUS NVMe Gen4 SSD 1TB_stop_#1
GIGABYTE AORUS NVMe Gen4 SSD 1TB_stop_#2
HWiNFOのログを確認してみたところ、GIGABYTE AORUS NVMe Gen4 SSD 1TBでソフトウェアモニタリングが可能な温度はメモリチップ付近の温度になっていますが、いずれのケースでもメモリチップの温度は50~60度程度に収まっており、サーマルスロットリングによる速度低下も確認できません。
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そこでスポットクーラーを使用して「GIGABYTE AORUS NVMe Gen4 SSD 1TB」に直接風を当てて冷却する状態で同様の検証を行ったところ、SSDがハングアップすることなく正常にテストを完了できました。
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また「GIGABYTE AORUS NVMe Gen4 SSD 1TB」からヒートシンクを取り外して、SSDだけを検証機材マザーボード「MSI MEG X570 ACE」のM.2スロットに装着し、標準搭載されているM.2 SSDヒートシンクを使用して(スポットクーラーは不使用)、同様のテストを実行したところ、こちらもSSDがハングアップすることなくテストを完走できました。
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今回、簡易水冷CPUクーラーでCPUソケット周辺のM.2スロットには直接風が当たらず、エアフローもほとんどない環境において「GIGABYTE AORUS NVMe Gen4 SSD 1TB」を使用したところ、メモリコントローラーがオーバーヒートしてSSDがハングアップするため、まともに使用することができませんでした。

この結果についてGIGABYTE社へ問い合わせたところ次のようにご回答いただきました。
レビュー中の文章にもあります通り、
冷却不足(ヒートシンクに風がまったく当たらない無風状態)によるオーバーヒートです。

弊社の製品ウェブサイトや、AORUS TVで説明しています通り、 トップフロー型クーラーや、
ケースファンによって十分なエアフローが前提で設計されておりますので、 正常です。   

SSDヒートシンクを標準搭載した他社製品や、マザーボード標準搭載のヒートシンクを使用した検証を当サイトでは数多く実施していますが、SSDがハングアップするようなケースは初めてです。
第3世代Ryzenに標準で付属するCPUクーラーはCPUソケット周辺にも風の当たるトップフロー型空冷CPUクーラーなので、そういった環境であればメーカーの主張通り問題なく使用できるのだろうと思いますが、PCIEスロットの中間やチップセット下など、気流が直接当たり難い場所にM.2スロットが設置されているマザーボードも多いので、当サイトとしては厳しい評価になりますが、正直に言って「GIGABYTE AORUS NVMe Gen4 SSD」のヒートシンクは見掛け倒しで実用に足らないと感じました。

もしも「GIGABYTE AORUS NVMe Gen4 SSD 1TB」をより冷やすためにスポットクーラーを使用するのであれば、フレキシブルファンアーム「サイズ 弥七」や、可変アルミニウム製ファンフレームでVRM電源を狙って設置が容易な「IN WIN MARS」がオススメです。
マザーボードVRM電源クーラーのレビュー記事一覧へ
マザーボードVRM電源クーラー



GIGABYTE AORUS NVMe Gen4 SSD 1TBのデータコピー・ゲームロード性能比較

続いて「GIGABYTE AORUS NVMe Gen4 SSD 1TB」で大容量・多数データのコピーやPCゲームのロード時間など実際の使用について性能比較をしてみました。
比較対象としてPCIE3.0x4対応NVMe M.2 SSDの「Samsung SSD 970 PRO 1TB(レビュー)」、「Kingston KC200 1TB(レビュー)」、「WD Black SN750 NVMe SSD 1TB(レビュー)」」、「Corsair Force MP510 960GB(レビュー)」等でも同様の測定を行いました。

まずはファイルのコピーに関する実性能比較となります。検証に使用するデータとしては総容量が約80GBで多数のファイルが入ったPCゲームフォルダ(The Witcher 3とRise of the tomb Raiderなど)、および容量50GBの単一動画ファイルの2種類を使用しています。
Copy File
データのコピーにおいては当然ですが、元データのあるストレージの読み出し性能とコピー先の書き込み性能の両方が重要になります。測定においては書き込み先/読み出し元の対象となるストレージが必要になるため、各ストレージのコピー相手はPCIE3.0x4対応NVMe M.2 SSD「Samsung SSD 970 PRO 1TB」で統一しています。
Windows10ファイルシステムのエクスプローラーを使用したコピー速度は2GB/s前後で上限になり、「Samsung SSD 970 PRO 1TB」と比較して、Phison PS5016-E16搭載リファレンスモデルに準拠したPCIE4.0x4対応NVMe M.2 SSDに優位な性能が確認できなかったため、同テストにおけるコピー相手ストレージは「Samsung SSD 970 PRO 1TB」で統一しました。
PCIE4.0x4-NVMe M.2 SSD_copy test
コピーテストにおいて検証ストレージがコピー相手の「Samsung SSD 970 PRO 1TB」と同じくNVMe SSDの場合は、検証機材マザーボード「MSI MEG X570 ACE」のCPUソケット下のM.2スロットに検証ストレージ最下段のM.2スロットにコピー相手ストレージの「Samsung SSD 970 PRO 1TB」を設置しています。
AMD X570マザーボードはCPU直結×1基およびチップセット経由×2基で計3基のPCIE4.0x4対応M.2スロットの実装に対応しています。チップセット経由で実装された2基のM.2スロットにPCIE4.0x4対応NVMe M.2 SSDを設置すると、同時にアクセスが発生した場合に、CPU-チップセット間接続帯域のPCIE4.0x4がボトルネックになる可能性があります。
AMD-X570_PCIE4-NVMe
検証機材マザーボード「MSI MEG X570 ACE」において上で説明した通りに検証ストレージとコピー相手ストレージを設置すると、接続帯域はそれぞれCPU直結とPCH経由となるので、仮にPCIE4.0x4接続のNVMe M.2 SSD同士で同時に5GB/sのアクセスが発生してもCPU-チップセット間接続帯域がボトルネックになることはありません。
AMD X570_CPUtoPCH


「GIGABYTE AORUS NVMe Gen4 SSD 1TB」など各種検証ストレージとSamsung SSD 970 PRO 1TBとの間で50GBの動画ファイルおよび80GBのゲームフォルダをコピーした時間の比較結果は次のようになりました。
まずは50GBの動画ファイルのコピーについてですが、動画ファイルは単一の大容量ファイルなので実際のコピーではベンチマークのシーケンシャルリード・ライト性能が重要になってきます。
GIGABYTE AORUS NVMe Gen4 SSD 1TBは動画ファイルのコピー読み出しにおいて、最速のSamsung 970 PRO 1TBには数秒の差で及びませんでしたが、WD Black SN750 NVMe SSD 1TBやKingston KC200 1TBなど2019年最新TLC型NVMe M.2 SSDと同等のパフォーマンスを発揮しています。
またCorsair Force MP510 960GBなどPhison製メモリコントローラーPS5012-E12とTLC型64層3D NAND BiCS3を搭載するリファレンス準拠なOEM的製品ではコピーテストで競合製品よりも若干遅い傾向がありましたが、「GIGABYTE AORUS NVMe Gen4 SSD 1TB」では改善されていることも確認できます。
GIGABYTE AORUS NVMe Gen4 SSD 1TBはPCI-E4.0x4帯域のNVMe接続に対応した高速SSDなので、SATA3.0接続のSSDと比較すると4倍以上高速な読み出し速度を実現しており、読み出し速度は2000MB/s程度となっています。
GIGABYTE AORUS NVMe Gen4 SSD 1TB_copy_movie_read
動画ファイルのコピー書き込みについてチェックしてみると「GIGABYTE AORUS NVMe Gen4 SSD 1TB」のコピー書き込み時間は27秒程でした。SLCキャッシュが10GB程度しかないWD Black SN750 NVMe SSD 1TBやCorsair Force MP510 960GBと比較するとやはり高速です。
GIGABYTE AORUS NVMe Gen4 SSD 1TB_copy_movie_write

続いてゲームフォルダのコピーについてですが、ゲームフォルダは大小様々なファイルを含むので、実際のコピーではベンチマークの連続性能だけでなく、ランダム性能も重要になってきます。
「GIGABYTE AORUS NVMe Gen4 SSD 1TB」はゲームフォルダのコピー読み出しにおいて、Samsung 970 PRO 1TBやKingston KC2000 1TBには1歩及びませんが、NVMe M.2 SSDとしては優秀なパフォーマンスを発揮しています。ランダム性も重要になるゲームフォルダのコピーテストでもPS5012-E12採用製品よりも性能は改善しています。
GIGABYTE AORUS NVMe Gen4 SSD 1TB_copy_game_read
GIGABYTE AORUS NVMe Gen4 SSD 1TBのゲームフォルダのコピー書き込み速度については、100GB超の大容量なSLCキャッシュに反して、Kingston KC2000 1TBやWD Black SN750 NVMe SSD 1TBに対して1歩遅れる結果となりました。SLCキャッシュが10GB程度で超過後の書き込み速度が1GB/s程度まで下がるCorsair Force MP510 960GBなどPS5012-E12採用製品よりは高速です。
GIGABYTE AORUS NVMe Gen4 SSD 1TB_copy_game_write
「GIGABYTE AORUS NVMe Gen4 SSD 1TB」のゲームフォルダの書き込み速度が比較対象に比べて若干低速な理由について、下は動画ファイルの書き込み時の様子ですが、2GB/s程度の最大速度を維持できず、アクセススピードが波打っています。「GIGABYTE AORUS NVMe Gen4 SSD 1TB」はベンチマークソフトにおけるランダム性能も悪くないので、SLCキャッシュの問題なのか、この辺りの安定性が影響しているように思います。
Phison PS5016-E16_Copy-Game


続いて実際にPCゲームのロード時間も比較してみました。
PCゲームのロード時間比較に関してはゲームインストールデータへのアクセスが最も大きくなる4K解像度/最高グラフィック設定を対象とするため、統一検証機材として、2019年最新にして最速のGPUである「NVIDIA GeForce RTX 2080 Ti」を搭載したグラフィックボード「ZOTAC GAMING GeForce RTX 2080 Ti AMP Extreme Core」を使用しています。
ZOTAC GAMING GeForce RTX 2080 Ti AMP Extreme Coreは、RTX 2080 TiのAIBパートナーの中でも屈指のOCチューニング力を誇るZOTACによって良質なGPUコアが選別され、リファレンスよりも200MHz以上も高いブーストクロック、さらにGDDR6メモリのメモリクロックまで引き上げるという、RTX 2080 Tiグラフィックボードで最速を狙えるファクトリーOCが施されています。加えて、ZOTACを高品質メーカーとして一躍ブランド力を押し上げたAMP Extremeシリーズの代名詞とも言える3スロットを占有する超弩級な大型GPUクーラーが採用され、静音性も非常に優れたモデルです。
「ZOTAC GAMING GeForce RTX 2080 Ti AMP Extreme」をレビュー
ZOTAC GAMING GeForce RTX 2080 Ti AMP Extreme

The Witcher 3ではグラフィック設定を4K解像度/最高グラフィック設定として、ノヴィグラドの広場からトゥサンのコルヴォ・ビアンコブドウ園までのファストトラベル時のロード時間を比較しています。


Rise of the Tomb Raiderでは4K解像度においてグラフィック設定をDirectX12で個別に最高グラフィック設定として、製鋼所の空き地までのファストトラベル時のロード時間を比較しています。


Final Fantasy XV PC版では4K以上の超高解像度向けに無料配布されている「FFXV WINDOWS EDITION 4K Resolution Pack」を使用して4K解像度/最高グラフィック設定で、『スタートメニューのロード画面からレスタルムまで』についてロード時間を比較しています。


以上の条件で「GIGABYTE AORUS NVMe Gen4 SSD 1TB」など各ストレージについてゲームのロード時間比較を行った結果は次のようになりました。
ロード時間を測定して比較してみたところThe Witcher 3とRise of the Tomb Raiderではコンマ秒で差がある可能性はあるものの「GIGABYTE AORUS NVMe Gen4 SSD 1TB」を含めて各SSDでは大きな差は確認できませんでした。
一方、Final Fantasy XV PC版ではNVMe(PCIE4.0x4) SSDの「GIGABYTE AORUS NVMe Gen4 SSD 1TB」とSATA3.0 SSDとの間に若干ではありますが、ロード時間に差が確認できました。今後PCゲームが高解像度・高画質化してテクスチャなどのゲームデータが大きくなっていけば、NVMe SSDがSATA SSDよりもゲームのロード時間で明確に優位に立つかもしれません
GIGABYTE AORUS NVMe Gen4 SSD 1TB_game



GIGABYTE AORUS NVMe Gen4 SSD 1TBのレビューまとめ

最後に東芝製TLC型96層3D NANDメモリチップBiCS4を搭載するPCIE4.0x4対応NVMe M.2 SSD「GIGABYTE AORUS NVMe Gen4 SSD 1TB(型番:GP-ASM2NE6100TTTD)」を検証してみた結果のまとめを行います。簡単に箇条書きで以下、管理人のレビュー後の所感となります。

良いところ
  • PCIE4.0 NVMe対応で連続読み出し5000MB/sと連続書き込み4200MB/s(最大)
  • 100GB超の大容量なSLCキャッシュ
  • TLC型96層3D NAND採用で高速NVMe M.2 SSDとしては標準的な価格帯
  • 1TB当たり1800TBWの高い書き込み耐性
  • メーカー正規保証期間が5年間
悪いところor注意点
  • 実用上、PCIE4.0x4帯域にメリットがあるのかは未知数
  • エアフローがない環境で使用した場合、SSDがハングアップする可能性がある
  • SLCキャッシュ容量確保のため記憶領域の一部がQLC化されているのではないか?

「GIGABYTE AORUS NVMe Gen4 SSD 1TB」を検証してみたところ、PCIE4.0x4帯域のNVMe接続に対応したスペックの通り、AMD第3世代Ryzen&X570マザーボード環境において連続読み出し5000MB/s、連続書き込み4200MB/sの極めて高速な連続アクセススピードを発揮しました。
ただしPCMark 8 Strage Test、ファイルコピー、ゲームロード時間などの実用的な検証においては既存のPCIE3.0x4帯域NVMe M.2 SSDと同等の性能となっており、「GIGABYTE AORUS NVMe Gen4 SSD 1TB」のPCIE4.0x4帯域が実用上メリットを生むのかどうかは正直なところ未知数です。
とはいえ、Samsung 970 EVO PlusやWD Black SN750などTLC型NVMe M.2 SSDの主要製品と比較して容量単価に差はないので、「GIGABYTE AORUS NVMe Gen4 SSD」を選択することにデメリットと呼べるものは基本的にないと思います。

「GIGABYTE AORUS NVMe Gen4 SSD」シリーズは東芝製TLC型96層3D NANDメモリチップ「BiCS4」を搭載し、多くのTLC型SSDと同様にSLCキャッシュ機能が使用されていますが「GIGABYTE AORUS NVMe Gen4 SSD」シリーズのSLCキャッシュの容量は100GB超と非常に大きいので一般的なユースにおいて超過する心配はほぼなく、書き込み速度の低下が発生しないMLC型SSDのような感覚で使用できます。
ただし詳細はSLCキャッシュに関する章で述べた通り、得られた検証結果から推測するに記憶領域の一部がQLC化されているのではないかと疑問が残りました。

「GIGABYTE AORUS NVMe Gen4 SSD」は標準で全銅製の非常に豪華な放熱ヒートシンクを搭載しているものの、簡易水冷CPUクーラー環境などエアフローが不足するとメモリコントローラーのオーバーヒートによってSSDがハングアップしてしまいます。正直に言って見掛け倒し感は否めません。
メーカーは第3世代Ryzen CPUに付属するトップフローCPUクーラーなどSSDヒートシンクに対して直接的にエアフローが発生する環境を想定して設計しているようなので、導入を検討している人やすでに使用しているユーザーは注意してください。

以上、「GIGABYTE AORUS NVMe Gen4 SSD 1TB」のレビューでした。
GIGABYTE AORUS NVMe Gen4 SSD 1TB





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