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Radeon RX 5700 XTグラフィックボードとしてASRockからリリースされた、3スロット占有3連ファンGPUクーラーTaichi Triple Fansを搭載し、最大ブーストクロック2GHz超となる大幅なファクトリーOCが施されたオリジナルファンモデル「ASRock Radeon RX 5700 XT Taichi X 8G OC+(型番:RX5700XT TCX 8GP)」をレビューしていきます。
「Radeon RX 5700 XT」が、競合モデルと位置付けるRTX 2070無印版やカウンターパンチとしてリリースされたRTX 2070 SUPERと比較して、どの程度の性能を発揮するのか実ゲームベンチマークでグラフィック性能を徹底比較します。
製品公式ページ:https://www.asrock.com/Graphics-Card/AMD/Radeon%20RX%205700%20XT%20Taichi%20X%208G%20OC+/index.jp.asp
ASRock Radeon RX 5700 XT Taichi X 8G OC+
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ASRock
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ASRock Radeon RX 5700 XT Taichi X 8G OC+ レビュー目次
1.ASRock Radeon RX 5700 XT Taichi X 8G OC+の外観
2.ASRock Radeon RX 5700 XT Taichi X 8G OC+の分解
3.ASRock Radeon RX 5700 XT Taichi X 8G OC+の検証機材
4.ASRock Radeon RX 5700 XT Taichi X 8G OC+のゲーム性能
5.ASRock Radeon RX 5700 XT Taichi X 8G OC+の温度・消費電力・ファンノイズ
6.ASRock Radeon RX 5700 XT Taichi X 8G OC+のレビューまとめ
ASRock Radeon RX 5700 XT Taichi X 8G OC+の外観
早速、「ASRock Radeon RX 5700 XT Taichi X 8G OC+」を開封していきます。「ASRock Radeon RX 5700 XT Taichi X 8G OC+」はスポンジスペーサーの中央に、静電防止ビニール袋で包装されるという厳重な形で梱包されていました。
「ASRock Radeon RX 5700 XT Taichi X 8G OC+」のグラフィックボード本体を見ていきます。
「ASRock Radeon RX 5700 XT Taichi X 8G OC+」のGPUクーラー外装はプラスチック製で、ブラックを基調にややグレーっぽいシルバーを組み合わせたツートンカラーです。中央の冷却ファンとリング状フレームにはASRock Polychlome RGB Syncによるライティング制御に対応したアドレッサブルLEDイルミネーションが内蔵されています。
「ASRock Radeon RX 5700 XT Taichi X 8G OC+」のグラフィックボード側面のTaichiロゴにはアドレッサブルLEDイルミネーションが内蔵されています。
「ASRock Radeon RX 5700 XT Taichi X 8G OC+」は、リファレンスモデルの全長267mmよりも大幅に長い全長324mmとなっています。近年主流なオープンスペースタイプのPCケースなら干渉の心配はありませんが、PCケースフロントにストレージベイがある少し古めのPCケースではグラフィックボード設置スペースのクリアランスに注意が必要です。
「ASRock Radeon RX 5700 XT Taichi X 8G OC+」のGPUクーラーには”TAICHI トリプルファン”と呼ばれる両側2基の90mmファンと中央の80mmファンを組み合わせた3連ファンが搭載されています。アイドル時にファン停止させることで低負荷時の騒音を低減する「0dB サイレントクーリング」に対応しています。
「ASRock Radeon RX 5700 XT Taichi X 8G OC+」は基板とGPUクーラーがPCIブラケットから25mmほどはみ出しているのでPCケースとの干渉は十分に注意してください。PCケースとの干渉ではグラフィックボードの背の高さは長さに比べて見落としやすいポイントです。
「ASRock Radeon RX 5700 XT Taichi X 8G OC+」はリファレンスの動作クロックよりも高い数値で動作するメーカーによるファクトリーOCが施されたOCモデルなので、補助電源数はリファレンスよりも多い8PIN*2となっています。補助電源部分のPCB基板は切り込みで引っ込んでいるので補助電源ケーブルを装着しても補助電源端コネクタやケーブルとPCケースの干渉が発生し難い構造になっています。
「ASRock Radeon RX 5700 XT Taichi X 8G OC+」の各種ビデオ出力とPCIE端子には黒色の保護カバーが装着されています。
「ASRock Radeon RX 5700 XT Taichi X 8G OC+」のビデオ出力はHDMI2.0×2、DisplayPort1.4×4の6基が実装されています。6基のビデオ出力によってマルチディスプレイ表示が可能です。
「ASRock Radeon RX 5700 XT Taichi X 8G OC+」には基板の反りや背面素子の破損を防止し、放熱を補助する金属製バックプレートが搭載されています。
「ASRock Radeon RX 5700 XT Taichi X 8G OC+」のバックプレートは、ASRock X570 Taichiなど同社最新のTaichiシリーズマザーボードと同じくヘアラインアルミニウムと歯車を組み合わせたデザインで、同ブランド製品と非常にマッチする外観です。
「ASRock Radeon RX 5700 XT Taichi X 8G OC+」はデュアルBIOSに対応し、PCIブラケット付近にはBIOS切り替え用のスライドスイッチが設置されています。「OCモード(標準動作)」と「Silentモード」の2つのモードを簡単に切り替えることができます。スライドスイッチを切り替えてPCを起動後、BIOSが変更されていない場合はOSを再起動すると切り替わります。
また「ASRock Radeon RX 5700 XT Taichi X 8G OC+」はLEDイルミネーションをON/OFFできるハードウェアスライドスイッチがPCIE補助電源端子の隣に実装されています。
グラフィックボードの重量は、SAPPHIRE NITRO+ Radeon RX 5700 XTが1150g、Radeon RX 5700 XT リファレンスモデルが1107g、「ASRock Radeon RX 5700 XT Taichi X 8G OC+」は1150gとなっています。「ASRock Radeon RX 5700 XT Taichi X 8G OC+」はサイズから考えると意外に軽量です。
バックプレートでグラフィックボード基板の反りは防止されているものの、重量は1kgを超過しているのでPCI-Eスロットへの負荷を考えるとVGAサポートステイなどで垂れ下がりを防止したほうがいいかもしれません。
ASRock Radeon RX 5700 XT Taichi X 8G OC+の分解
「ASRock Radeon RX 5700 XT Taichi X 8G OC+」を分解してGPUクーラーやグラフィックボード基板についてチェックしていきます。なお今回はレビュー用サンプル提供先の協力のもと特別に許可を頂いて分解を行っております。GPUクーラーの取り外し(分解行為)はグラフィックボードの正規保証の対象外になる行為です。今回はレビューのために分解しておりますが、繰り返しますが保証対象外になるので基本的には非推奨の行為なのでご注意下さい。
「ASRock Radeon RX 5700 XT Taichi X 8G OC+」のGPUクーラーは基板裏面のコア周辺4カ所とバックプレート上2か所、さらに右端2か所(六角ネジ)の計8個のネジによって厳重に固定されていました。3スロットを占有する大型GPUクーラーでも安心な固定状態です。
8か所のネジを外すとGPUクーラーは容易に取り外しができます。
「ASRock Radeon RX 5700 XT Taichi X 8G OC+」のPCB基板は表面の金属製補強プレートと背面のバックプレートによって補強され、基板の折れ曲がりが防止されています。
「ASRock Radeon RX 5700 XT Taichi X 8G OC+」のVRAMメモリチップはGPUクーラーヒートシンク本体とは接しておらず、基板表面の補強プレートが放熱ヒートシンクの役割を果たしています。
基板表面の補強プレートだけでなく、背面の金属製バックプレートもサーマルパッドでVRAMやGPUコアの部分と接して放熱を補助しています。
「ASRock Radeon RX 5700 XT Taichi X 8G OC+」のグラフィックボード基板は下のようになっています。
「ASRock Radeon RX 5700 XT Taichi X 8G OC+」のGPUコアのサイズは251mm^2です。GPUアークテクチャが異なるので単純な比較はできませんが7nmプロセス採用で2500程度のシェーダー数に対して、前世代Polarisとダイサイズはあまり変わっていません。一方で競合製品のRTX 2070は445mm^2、RTX 2070 SUPERは545mm^2となっており、RX 5700 XTの安さに納得がいきます。
GDDR6メモリはMicron、Samsung、SK Hynixなどがすでに量産を行っていますが、「ASRock Radeon RX 5700 XT Taichi X 8G OC+」にはMicron製の8GbのGDDR6メモリチップが搭載されています。
「ASRock Radeon RX 5700 XT Taichi X 8G OC+」にはASRockが独自に設計したオリジナル基板が採用されており、GPU向けVRM電源フェーズ数はリファレンス基板を大きく上回る11(10+1)フェーズです。さらにVRAM用としてGPUコア上側に3フェーズが実装されています。
「ASRock Radeon RX 5700 XT Taichi X 8G OC+」のGPUクーラー本体をチェックすると、銅製ベースプレートから5本の8mm径ヒートパイプが伸び、放熱フィンの厚みも3スロットめいっぱいのサイズになっています。
GPUコアと接する部分には冷却性能に定評のある銅製ベースプレートが採用されています。銅製ベースプレートからはニッケルメッキ処理の施された8mm径の極太ヒートパイプ5本が伸びています。
VRM電源は平面化された放熱フィンとサーマルパッドを介して接し、ヒートシンク本体で直接冷却するという理想的な構造です。
ベースプレートから伸びる5本の銅製ヒートパイプによって3スロットを占有する大型GPUクーラー内部いっぱいに展開された極厚なアルミ製放熱フィンの迫力も圧巻です。
ASRock Radeon RX 5700 XT Taichi X 8G OC+の検証機材
外観やハードのチェックはこのあたりにして早速、「ASRock Radeon RX 5700 XT Taichi X 8G OC+」を検証用の機材に組み込みました。テストベンチ機の構成は次のようになっています。テストベンチ機の構成 | ||
ベンチ機1 |
ベンチ機2 |
|
OS | Windows10 Home 64bit | |
CPU |
Intel Core i9 9900K(レビュー) Core/Cache:5.1/4.7GHz, 1.300V 殻割り&クマメタル化(レビュー) |
Intel Core i7 7700K (レビュー) |
CPUクーラー |
Fractal Design Celsius S36(レビュー) Noctua NF-A12x25 PWM (レビュー) |
ASUS ROG RYUO 120 (レビュー) |
M/B | ASUS WS Z390 PRO (レビュー) |
ASUS ROG MAXIMUS IX FORMULA (レビュー) |
メインメモリ | G.Skill Trident Z Black F4-4400C19D-16GTZKK DDR4 8GB*2=16GB (レビュー) 4000MHz, CL17-17-17-37-CR2 |
G.Skill Trident Z F4-3600C15D-16GTZ DDR4 8GB*2=16B (レビュー) |
システム ストレージ |
Samsung SSD 860 EVO M.2 1TB (レビュー) |
Samsung 860 PRO 256GB (レビュー) |
データストレージ |
Samsung SSD 860 QVO 4TB (レビュー) | |
電源ユニット |
Corsair HX1200i (レビュー) Corsair RM650i |
Thermaltake Toughpower iRGB PLUS 1250W Titanium (レビュー) |
PCケース/ ベンチ板 |
STREACOM BC1 (レビュー) |
Cooler Master MASTERCASE MAKER 5t (レビュー) NZXT Aer F 140 3基(レビュー) |
ベンチ機のゲームデータストレージには、世界初のQLC NANDメモリ採用2.5インチSATA SSD「Samsung SSD 860 QVO 4TB」を使用しています。「Samsung SSD 860 QVO 4TB」は現行最新かつ主流なTLC型NAND採用のSATA3.0 SSDと同等のアクセススピードを実現しながら、同社の定番モデルである860 EVOの4TBモデルよりも大幅に安価なので、PCゲーム100GB超時代でも容量不足の心配無用なゲームデータストレージとしてオススメのSSDです。
・「Samsung SSD 860 QVO 4TB」をレビュー
「ASRock Radeon RX 5700 XT Taichi X 8G OC+」のGPUクーラー側面のTaichiロゴ、中央ファン&フレームの2か所にアドレッサブルLEDイルミネーションが内蔵されています。
「ASRock Radeon RX 5700 XT Taichi X 8G OC+」のスペックについて簡単に確認しておきます。
Radeon RX 5700シリーズの上位モデル「Radeon RX 5700 XT」のスペックは、40 Compute Unitsでシェーダー数がRX 590から1割増えて2560、コアクロックもベース1605MHz、ゲーミング1705MHz、最大1950MHzへと上昇しており、VRAMには速度14Gbpsで容量8GBのGDDR6メモリが採用され、消費電力の指標となるTBP(Typical Board Power)は225Wです。PCIE補助電源としてリファレンスモデルでは8PIN+6PINが要求されます。
AMD Radeon RX 5700シリーズ スペック一覧 | ||||||
RX 5700 XT | RX 5700 | RX 590 |
||||
GPUコア | Navi | Navi | Polaris 30 |
|||
製造プロセス | 7nm FinFET | 7nm FinFET | 12nm FinFET | |||
シェーダー数 | 2560 | 2304 |
2304 | |||
ベースクロック | 1605 MHz | 1465 MHz | 1469 MHz | |||
ゲームクロック | 1755 MHz | 1625 MHz | - | |||
ブーストクロック | 1905 MHz |
1725 MHz | 1545 MHz | |||
単精度性能 | 9.75 TFLOPs |
7.95 TFLOPs | 7.10 TFLOPs | |||
VRAM | 8GB GDDR6 | 8GB GDDR6 | 8GB GDDR5 | |||
バス幅 | 256-bit | 256-bit | 256-bit | |||
メモリクロック | 14.0 GHz | 14.0 GHz | 8.0 GHz | |||
メモリ帯域 | 448 GB/s | 448 GB/s | 256 GB/s | |||
補助電源 | 8PIN+6PIN~ | 8PIN+6PIN~ | 8PIN*1~ | |||
TBP | 225 W | 180 W | 225W | |||
発売日 | 2019年7月7日 | 2019年7月7日 | 2017年6月 | |||
希望小売価格 | 399ドル~ |
349ドル~ |
279ドル~ |
発売直前だったので見落としている人もいるかもしれませんが、希望小売価格が改訂されており「Radeon RX 5700 XT」が399ドルから、「Radeon RX 5700」が349ドルからとなっています。「Radeon RX 5700 XT」の競合モデルRTX 2070 Superが499ドルから、「Radeon RX 5700」の競合モデルRTX 2060 Superが399ドルからなので価格面ではRadeon RX 5700シリーズにアドバンテージがあります。
Radeon RX 5700シリーズの特長などスペック関連についてはこちらの記事で紹介しています。
・強気な価格設定の「RX 5700 XT」と「RX 5700」は買いなのか?
「ASRock Radeon RX 5700 XT Taichi X 8G OC+」のコアクロックは標準設定であるPerformanceモードにおいてRX 5700 XTのリファレンス仕様よりも高い値へとファクトリーOCが施されており、ベース1810MHz、ゲーミング1935MHz、最大2025MHzへと引き上げられています。
Radeon RX 5700 XTなどAMD製GPUではNVIDIA製GPUと違ってGPU-Zからは電力制限値が確認できませんが、「Radeon RX 5700 XTリファレンス仕様値のTBP(Typical Board Power)である225Wよりも高い値に引き上げられているものと思われます。
「ASRock Radeon RX 5700 XT Taichi X 8G OC+」にはメーカーから「ASRock Taichi Tweak」という専用のチューニングソフトが配布されており、チューニングソフト上のDefaultがデュアルBIOSで指定されるOC Modeに当たり、一方で”チューニングソフト上のOC Mode”を選択すると、電力制限が+10%に引き上げられて、メーカーホームページで公表されている、ゲームクロック2000MHzの動作が可能になります。
「ASRock Radeon RX 5700 XT Taichi X 8G OC+」はデュアルBIOSスライドスイッチで切り替えることが可能な静音動作のSilentモードでも、ベース1650MHz、ゲーミング1795MHz、最大1905MHzと、軽めのファクトリーOCが施されています。
Radeon設定のWattmanからは前世代同様にコアクロックやメモリクロックに関する設定が可能です。今回入手した「ASRock Radeon RX 5700 XT Taichi X 8G OC+」のコアクロック/コア電圧カーブの最大値は2004MHz/1167mVでした。個体差がある部分なので、低電圧耐性やOC耐性の参考になります。
「Radeon RX 5700 XT」に搭載されたGDDR6メモリの定格動作クロックは14.0GHzですが、手動オーバークロックでは最大15.2GHzに設定が可能です。メモリ電圧の設定項目はありません。
ファン制御カーブの手動設定も可能です。「Radeon RX 5700 XT」にはGPU温度とジャンクション温度の2種類の温度がありファン制御カーブはジャンクション温度を参照します。
自動ファン制御モードではセミファンレス機能「Zero RPM」をスライドスイッチによってON/OFFの切り替えが可能です。
「ASRock Radeon RX 5700 XT Taichi X 8G OC+」では標準設定のTBPを基準にしてスライダーによって-50%~+50%の範囲内で電力制限を指定できます。
ASRock Radeon RX 5700 XT Taichi X 8G OC+のゲーム性能
「ASRock Radeon RX 5700 XT Taichi X 8G OC+」の性能を測るべく各種ベンチマークを実行しました。性能比較には「Radeon RX 5700」、「GeForce RTX 2070 SUPER Founders Edition」、「GeForce RTX 2070 Founders Edition」、「GeForce RTX 2060 SUPER Founders Edition」、「GeForce GTX 1080 Ti Founders Edition」、「EVGA GeForce GTX 1080 SC2」を使用しています。「ASRock Radeon RX 5700 XT Taichi X 8G OC+」を含めた各グラフィックボードについて、3DMarkで現在主流なDirectX11のベンチマーク「FireStrike」による比較になります。
FireStrike | Extreme | Ultra | |
Radeon RX 5700 XT ASRock Taichi |
27627 | 13204 | 6713 |
Radeon RX 5700 |
23546 | 11213 | 5633 |
RTX 2070 SUPER FE | 25726 | 12467 | 6103 |
RTX 2070 FE |
22944 | 10946 | 5383 |
RTX 2060 SUPER FE | 22876 | 10868 | 5356 |
GTX 1080 Ti FE |
27344 | 13617 | 6781 |
GTX 1080 | 22049 | 10602 | 5311 |
「ASRock Radeon RX 5700 XT Taichi X 8G OC+」を含めた各グラフィックボードについて、3DMarkのDirectX12ベンチマーク「TimeSpy」による性能比較となります。
TimeSpy | Async Off |
Extreme | |
Radeon RX 5700 XT ASRock Taichi |
9209 | 8340 | 4100 |
Radeon RX 5700 |
7739 | 7025 | 3490 |
RTX 2070 SUPER FE |
10315 | 9572 | 4751 |
RTX 2070 FE |
9042 | 8390 | 4202 |
RTX 2060 SUPER FE |
8933 | 8270 | 4173 |
GTX 1080 Ti FE | 9542 |
8831 | 4425 |
GTX 1080 |
7505 | 7151 | 3410 |
「ASRock Radeon RX 5700 XT Taichi X 8G OC+」を含めた各グラフィックボードについて、17年中頃から普及しつつあるHTC VIVEやOculus RiftなどVR HMDを使用したVRゲームに関する性能を測定する最新ベンチマーク「VRMark」による性能比較となります。
Orange Room |
Cyan Room |
Blue Room |
|
Radeon RX 5700 XT ASRock Taichi |
12187 | 9417 | 2599 |
Radeon RX 5700 |
11730 | 7804 | 2155 |
RTX 2070 SUPER FE |
12633 | 10123 | 3264 |
RTX 2070 FE |
12557 | 9146 | 2844 |
RTX 2060 SUPER FE |
12142 | 8655 | 2784 |
GTX 1080 Ti FE | 13084 | 8409 | 3028 |
GTX 1080 |
11630 | 6648 | 2285 |
続いて2019年最新の実PCゲームを用いたベンチマークになります。同一のグラフィック設定で同一のシーンについてフルHDとWQHDの2種類の解像度で平均FPSを比較しました。
ベンチマーク測定を行ったゲームタイトルは、Anthem(ウルトラ設定プリセット)、Assassin's Creed Odyssey(最高設定プリセット)、Battlefield V(最高設定プリセット, DirectX12)、CONTROL(最高設定プリセット, DirectX11)、Destiny 2(最高設定プリセット)、The Division 2(ウルトラ設定プリセット, DirectX11)、Far Cry 5(最高設定プリセット&TAA)、Final Fantasy XV(最高設定プリセット、NVIDIA GameWorks無効)、Gears 5(最高設定プリセット)、Ghost Recon Wildlands(ウルトラ設定から以下を変更、ターフエフェクト:オフ/ゴッドレイ:オン/ロングレンジシャドウ:オン)、Metro Exodus(エクストリーム設定プリセット, DirectX11)、MONSTER HUNTER: WORLD(最高設定プリセット)、Shadow of the Tomb Raider(最高設定プリセット, DirectX12)、Middle-Earth: Shadow of War(ウルトラ設定プリセット)、The Witcher 3(個別設定を全て最高設定)以上の15タイトルです。
Anthem(ウルトラ設定プリセット)に関する「ASRock Radeon RX 5700 XT Taichi X 8G OC+」を含めた各グラフィックボードのベンチマーク結果です。
Assassin's Creed Odyssey(最高設定プリセット)に関する「ASRock Radeon RX 5700 XT Taichi X 8G OC+」を含めた各グラフィックボードのベンチマーク結果です。
Battlefield V(最高設定プリセット, DirectX12)に関する「ASRock Radeon RX 5700 XT Taichi X 8G OC+」を含めた各グラフィックボードのベンチマーク結果です。
CONTROL(最高設定プリセット, DirectX11)に関する「ASRock Radeon RX 5700 XT Taichi X 8G OC+」を含めた各グラフィックボードのベンチマーク結果です。
Destiny 2(最高設定プリセット)に関する「ASRock Radeon RX 5700 XT Taichi X 8G OC+」を含めた各グラフィックボードのベンチマーク結果です。
The Division 2(ウルトラ設定プリセット, DirectX11)に関する「ASRock Radeon RX 5700 XT Taichi X 8G OC+」を含めた各グラフィックボードのベンチマーク結果です。
Far Cry 5(最高設定プリセット&TAA)に関する「ASRock Radeon RX 5700 XT Taichi X 8G OC+」を含めた各グラフィックボードのベンチマーク結果です。
Final Fantasy XV(最高設定プリセット、NVIDIA GameWorks無効)に関する「ASRock Radeon RX 5700 XT Taichi X 8G OC+」を含めた各グラフィックボードのベンチマーク結果です。
Gears 5(最高設定プリセット)に関する「ASRock Radeon RX 5700 XT Taichi X 8G OC+」を含めた各グラフィックボードのベンチマーク結果です。
Ghost Recon Wildlands(ウルトラ設定から以下を変更、ターフエフェクト:オフ/ゴッドレイ:オン/ロングレンジシャドウ:オン)に関する「ASRock Radeon RX 5700 XT Taichi X 8G OC+」を含めた各グラフィックボードのベンチマーク結果です。
Metro Exodus(エクストリーム設定プリセット, DirectX11)に関する「ASRock Radeon RX 5700 XT Taichi X 8G OC+」を含めた各グラフィックボードのベンチマーク結果です。
MONSTER HUNTER: WORLD(最高設定プリセット)に関する「ASRock Radeon RX 5700 XT Taichi X 8G OC+」を含めた各グラフィックボードのベンチマーク結果です。
Shadow of the Tomb Raider(最高設定プリセット, DirectX12)に関する「ASRock Radeon RX 5700 XT Taichi X 8G OC+」を含めた各グラフィックボードのベンチマーク結果です。
Middle-Earth: Shadow of War(ウルトラ設定プリセット)に関する「ASRock Radeon RX 5700 XT Taichi X 8G OC+」を含めた各グラフィックボードのベンチマーク結果です。
The Witcher 3(個別設定を全て最高設定)に関する「ASRock Radeon RX 5700 XT Taichi X 8G OC+」を含めた各グラフィックボードのベンチマーク結果です。
「ASRock Radeon RX 5700 XT Taichi X 8G OC+」を含めた6種類のGPUについて実ゲーム性能の比率の平均を出してみたところ、Radeon RX 5700 XTは現行最新の競合GPUであるRTX 2070を10%程度上回り、NVIDIAの前世代最上位GPUであるGTX 1080 Tiに迫る性能です。
一方でNVIDIAがカウンターパンチとしてリリースしてきたRTX 2070 SUPERと比較すると、上で個別タイトルについて確認したようにそれぞれのGPUでゲームによって得手不得手がありますが、「Radeon RX 5700 XT」はあと1歩及びませんでした。RTX 20XX SUPER自体がRX 5700の性能に合わせて繰り出された後だしジャンケン的製品なので仕方ないことですが。
今回の検証ではRX 5700 XTやRTX 2070 SUPERがターゲットとするフルHDやWQHDの解像度においてRTX 2070 SUPERが数%程度上回りましたが、競合製品として十分に通用する性能を発揮していると思います。
ASRock Radeon RX 5700 XT Taichi X 8G OC+の温度・消費電力・ファンノイズ
「ASRock Radeon RX 5700 XT Taichi X 8G OC+」の負荷時のGPU温度やファンノイズや消費電力についてチェックしていきます。「ASRock Radeon RX 5700 XT Taichi X 8G OC+」のGPU温度とファンノイズの検証負荷としては20分間に渡たり連続してGPUに100%近い負荷をかける3DMark TimeSpy Stress Testを使用しています。
「ASRock Radeon RX 5700 XT Taichi X 8G OC+」のOCモード(標準設定)では、テスト終盤におけるGPU温度は最大68度前後、ファン回転数は2000RPM程度に収束しています。ジャンクション温度と違ってGPU温度は定点の温度になっていますが、Radeon RX 5700 XTリファレンスモデルよりも低い値を示します。ファン回転数については数字上、大きな差はありません。
GPUに搭載された複数の温度センサーのうち、最大温度を示すジャンクション温度の推移は下のようになりました。Radeon RX 5700シリーズはジャンクション温度をファン制御のソース温度とし、負荷がかかるといったん比較的高速な極大値的速度まで上昇し、徐々に収束していく方式が採用されています。
「ASRock Radeon RX 5700 XT Taichi X 8G OC+」はOCモードにおいて、ファン回転数は2000RPM前後で安定しています。ジャンクション温度はRX 5700シリーズ製品で一般的な90度の閾値を下回る86,7度ですが、ファン速度は波打つことなく一定値を保っています。
「ASRock Radeon RX 5700 XT Taichi X 8G OC+」はセミファンレス機能に対応しており、OCモードではジャンクション温度55度前後が始動閾値、ジャンクション温度45~50度が停止閾値でヒステリシスも採用されています。閾値前後でファンの始動・停止がピタッと切り替わっているのは良いのですが、始動閾値が低めに設定されているせいか、数分置きにファンの始動と停止を繰り返しました。アイドルから軽い負荷まではファンがしっかりと停止するように閾値を設定して欲しかったところです。
「ASRock Radeon RX 5700 XT Taichi X 8G OC+」ではGDDR6メモリやVRM電源回路の温度もモニタリングが可能であり、ストレステスト中の推移は下のようになりました。GDDR6メモリやVRM電源回路もRadeon RX 5700 XTのリファレンスモデルより冷えていることが分かります。
また「ASRock Radeon RX 5700 XT Taichi X 8G OC+」を静音性重視のSilentモードで動作させるとストレステスト中のGPU温度やジャンクション温度の推移は次のようになります。
一定時間経過後にステップ状にファン回転数が下がるというよくわからない動作がありますが、とはいえリファレンスモデルよりも冷えていることは間違いありません。ファン回転数も最終的に1200RPM程度へ収束しており、ノイズレベルを測定するまでもなく静音性が高いであろうことが分かります。
GPUコアクロックについて、「ASRock Radeon RX 5700 XT Taichi X 8G OC+」の仕様値はOCモードではゲームクロック1935MHzとなっていましたが、それを若干上回って負荷テスト中の実動平均は1960MHzでした。またSilentモードではゲームクロック1795MHzですが、負荷テスト中の実動平均は1848MHzを示しています。どちらのモードでもリファレンスモデルより高速であることが分かります。
「ASRock Radeon RX 5700 XT Taichi X 8G OC+」を含めていくつかのグラフィックボードについてサウンドレベルメーターを利用してゲーム負荷時のノイズレベルを測定・比較しました。ノイズレベルの測定には「サンワダイレクト 400-TST901A」を使用しています。
電源OFF時の騒音値は33~35dBです。目安として40dBを超えたあたりからファンノイズがはっきりと聞こえるようになり、45dB前後で煩く感じます。50dBを超えてくるとヘッドホンをしていても煩く感じます。同じ騒音値でも周波数(ファン回転数)が高いほど体感としては大きな音に感じやすく、また不快に感じたり感じなかったりは音の性質(細かい乱高下の有無や軸ブレ)にもよるので注意してください。
ノイズレベルの測定結果は次のようになっています。
「ASRock Radeon RX 5700 XT Taichi X 8G OC+」のファンノイズは、グラフィック性能重視のPerformanceモードでは2000RPMという高速なファン回転数の通りノイズレベルも48.2dBと高い数値を示します。とはいえ、ノイズレベルが50dBを軽く上回るリファレンスモデルよりは明らかに静かです。
また静音性重視のSilentモードでは、一定時間が経過してファン回転数が落ち着く1200RPMでは37dB前後となり静寂と表現できるレベルの非常に優れた静音性を発揮します。
【注意】 ファンノイズの比較グラフではレビュー製品と同等のGPUを搭載したグラフィックボードと各GPUのリファレンスモデルを抜粋して掲載しています。AMDが従来通り外排気GPUクーラーであるのに対し、NVIDIAのリファレンスモデルであるFounders Editionが内排気GPUクーラーを採用したため、NVIDIA<AMDという傾向になっていますが、あくまで静音性はGPUの消費電力とGPUクーラーの性能によります。同グラフからAMD製GPUを搭載したグラフィックボードが一般的にNVIDIA製GPUを搭載したグラフィックボードより煩いと考えるのは誤った評価なので注意してください。
「ASRock Radeon RX 5700 XT Taichi X 8G OC+」の消費電力と瞬間的な最大電源負荷を測定しました。
測定負荷には上で行った温度検証と同様に3DMark TimeSpy ストレステストを使用しています。テスト全体から1秒間隔でモニタリングを行い、平均値を”消費電力”、最大値を”瞬間的な最大電源負荷”とします。なお電源ユニットに対する実際の最大瞬間負荷は測定値より50~100W上回る場合があるので、電源ユニットの電源容量選択の参考にする場合は注意してください。
消費電力の測定は電源ユニット「Corsair HX1200i」のCorsair Linkによる電力ログ機能を用いてコンセントからの入力ではなく変換ロスを差し引いたシステムへの出力電力をチェックしています。また電力測定の際は上記の主電源ユニットに加えて、CPUへの電力供給を行うEPS端子へ接続するために別の副電源ユニットを使用しています。
この方法であれば、CPU(後述のiGPUも)に負荷をかけても、CPUによる消費電力の変動はメイン電源ユニットCorsair HX 1200iの測定値には影響しません。しかしながら、測定値にはまだATX24PIN経由で供給されるマザーボードやDDR4メモリの電力が含まれるので、iGPUを使用した時の3DMark TimeSpy ストレステスト中の消費電力と最大電源負荷を同様に測定し、各種グラフィックボード使用時と差分を取る形でグラフィックボード単体の消費電力と最大電源負荷を算出します。
「ASRock Radeon RX 5700 XT Taichi X 8G OC+」の標準設定であるOCモードにおける消費電力は263W、最大瞬間負荷は332Wでした。静音性重視のSilentモードでは消費電力は221W、最大瞬間負荷は285Wに下がります。
「ASRock Radeon RX 5700 XT Taichi X 8G OC+」はRX 5700 XTグラフィックボードの中でも有数の非常に高いファクトリーOCが施されたモデルとなっており、特に最大のグラフィック性能を追求するOCモードではRTX 2080やRadeon VIIなどハイエンドGPUクラスの消費電力になります。静音性に優れたSilentモードでも軽いファクトリーOCが施されているのでやはりリファレンスモデルよりも若干高めの消費電力を示しています。
「ASRock Radeon RX 5700 XT Taichi X 8G OC+」は大幅なファクトリーOCが施されたモデルなので消費電力が高めですが、一般に「Radeon RX 5700 XT」のリファレンスモデルはしっかりとTBP225Wの仕様値を守り、性能の近いRTX 2070 SUPERと同等の消費電力なので、「Radeon RX 5700 XT」はワットパフォーマンス的にもNVIDIAの最新GPUと競合できています。RTX 2070無印版と比較してみると電圧を盛って性能面で若干無理をしてきた感がありますが、ここは逆にNVIDIAのカウンターパンチでマイナス面が相殺されています。
競合RTX 2070 SUPERよりも100ドル安価でコスパに優れる「Radeon RX 5700 XT」を、ワッパ的にも美味しく使えるようにする”低電圧化”については別記事で詳細に解説しています。
・2ステップ低電圧化でRX 5700 XTのワッパを大幅改善!
ASRock Radeon RX 5700 XT Taichi X 8G OC+ レビューまとめ
最後に「ASRock Radeon RX 5700 XT Taichi X 8G OC+(型番:RX5700XT TCX 8GP」を検証してみた結果のまとめを行います。簡単に箇条書きで以下、管理人のレビュー後の所感となります。良いところ
- WQHD/144HzのIPS液晶ゲーミングモニタと組み合わせた高画質/高FPSゲーミングの入門に最適
- RTX 2070を10%程度上回り、RTX 2070 SUPERに迫るグラフィック性能
- GPUクーラーに搭載されたアドレッサブルLEDイルミネーションが綺麗
- 3連ファンの大型GPUクーラーで大幅なファクトリーOCも余裕で御しきる
- 静音性重視のSilentモードはその名の通り非常に静か
- 物理スライドスイッチによって動作モード(BIOS)を簡単に切り替え可能
- 全長300mm超、PCIブラケットより背が高い、3スロット占有と非常に巨大
- 動画倍速補完機能Fluid Motionはサポートされない(RX 5700 XTの仕様)
「Radeon RX 5700 XT」は競合NVIDIAのRTX 20XX SUPERシリーズと比較して、グラフィック性能・省電力性能・価格の3点全てにおいて総合的に張り合える製品に仕上がっています。AMDの新製品では第3世代Ryzenが脚光を浴び過ぎていて相対的に新GPUは目立っておらず、管理人自身もその口でしたが、実際に検証してみると「Radeon RX 5700 XT」は非常に高評価なGPUでした。
省電力性能的には下位モデルRadeon RX 5700がNAVI GPUのスイートスポットのようですが、Radeon RX 5700に+50ドルで10%以上高いグラフィック性能が得られ、競合RTX 2070 SUPERとほぼ同等の性能で100ドルも安価な「Radeon RX 5700 XT」はコストパフォーマンスにおいて非常に強いミドルハイクラスGPUだと思います。
「Radeon RX 5700 XT」は、競合製品であるRTX 2070を10%程度上回り、カウンターパンチとしてリリースされたRTX 2070 SUPERに迫るグラフィック性能を実現しており、2019年現在、手ごろな価格で普及しつつあるWQHD/144HzのIPS液晶ゲーミングモニタと組み合わせて高画質・ハイフレームレートなPCゲーミング入門に最適なモデルです。
・G-Sync CP対応144Hz/WQHD/IPS液晶モニタ「AORUS AD27QD」をレビュー
また「Radeon RX 5700 XT」はRTX 2070 SUPERと競合できるワットパフォーマンスを実現しているところも注目ポイントです。前世代最上位Radeon RX Vega 64はGTX 1080 Ti以上の消費電力でもっても競合と位置付けるGTX 1080に対してグラフィック性能で苦戦を強いられ、近年のAMD製GPUはNVIDIA製GPUに比べてワットパフォーマンスに劣るというのが定説でした。しかしながら「Radeon RX 5700 XT」はGTX 1080 Tiを大きく下回る消費電力でGTX 1080 Tiに迫るグラフィック性能を発揮しており、7nmプロセスによって製造された次世代GPU”NAVI”は省電力性能においても優秀です。
RTX 2070 SUPERシリーズはRadeon RX 5700 XTに対するカウンターパンチとしてリリースされましたが、性能を引き上げる反面、消費電力も引き上げてしまったので、逆にRadeon RX 5700 XTの省電力性能の見栄えが良くなり、塩を送った形になっています。
Radeon RX 5700 XT発表当初の管理人の感想は、『シェーダー数やダイサイズといったハードウェアスペック的に考えると、RX 590クラスの価格帯が妥当ではないか、Radeon RX 5700シリーズはそれぞれ100ドルくらい安価にリリースされるものと予想していたので、その点は少し残念だったというのが正直なところです』というもので、端的に”強気な価格”とまとめていました。
しかしながら発売直前で50ドル程度の値下げが発表されたので、「RX 5700 vs RTX 2060 SUPER」と「RX 5700 XT vs RTX 2070 SUPER」という競合製品対決において、価格面ではRadeon RX 5700シリーズにアドバンテージがあります。最初からオリファンモデルが投入されたRTX 2070 SUPERに対して、RX 5700 XTのオリファンモデルは2019年9月から順次発売されたばかりなので、まだオリファンモデルは高止まりしていますが、次第に希望小売価格通りの価格差になっていくのではないかと思います。
「ASRock Radeon RX 5700 XT Taichi X 8G OC+」の評価については、同社のハイエンドマザーボードブランド”Taichi”の名を冠する初のグラフィックボードですが、ASRock X570 Taichiと親和性の高い歯車デザインが採用されているので、第3世代Ryzen&RX 5700 XTのオールAMDな自作PCとして是非とも組み合わせたくなる製品です。
Taichiシリーズの歯車を強調したユニークな外見だけでなく、Radeon RX 5700 XTの限界近い大幅なファクトリーOCの発熱を御す冷却性能、スライドスイッチで簡単に切り替え可能なSilentモードでは優れた静音性を発揮するなど、Radeon RX 5700 XTのオリファンモデルとして隙がなく非常に高い完成度だと思います。
以上、「ASRock Radeon RX 5700 XT Taichi X 8G OC+」のレビューでした。
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