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SAPPHIREからリリースされたRadeon RX 5500 XT 8GBグラフィックボード「SAPPHIRE PULSE Radeon RX 5500 XT 8G GDDR6(型番:11295-01-20G)」をレビューしていきます。AMD次世代エントリークラスGPUのRadeon RX 5500 XT 8GBが、前世代ミドルクラスのRadeon RX 480 8GBや競合NVIDIAのエントリークラスGeForce GTX 1650 SUPERをどれくらい上回るのか、実ゲームベンチマークでグラフィック性能を徹底検証します。
代理店公式ページ:https://www.ask-corp.jp/products/sapphire/graphicsboard/radeon-rx-5500-xt/sapphire-pulse-radeon-rx-5500-xt-8g-gddr6.html
製品公式ページ:https://www.sapphiretech.com/en/consumer/pulse-radeon-rx-5500-xt-8g-gddr6
SAPPHIRE PULSE Radeon RX 5500 XT 8G GDDR6
SAPPHIRE PULSE Radeon RX 5700 8G GDDR6
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<PCワンズ><パソコン工房><ソフマップ>
SAPPHIRE PULSE Radeon RX 5700 8G GDDR6
SAPPHIRE
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SAPPHIRE PULSE Radeon RX 5500 XT レビュー目次
1.SAPPHIRE PULSE Radeon RX 5500 XTの外観
2.SAPPHIRE PULSE Radeon RX 5500 XTの分解
3.SAPPHIRE PULSE Radeon RX 5500 XTの検証機材
4.SAPPHIRE PULSE Radeon RX 5500 XTのゲーム性能
5.SAPPHIRE PULSE Radeon RX 5500 XTの温度・消費電力・ファンノイズ
6.SAPPHIRE PULSE Radeon RX 5500 XTのレビューまとめ
SAPPHIRE PULSE Radeon RX 5500 XTの外観
早速、「SAPPHIRE PULSE Radeon RX 5500 XT」を開封していきます。「SAPPHIRE PULSE Radeon RX 5500 XT」はカラープリントの外装の中に茶色段ボールが入っていて、その中に静電防止エアクッション袋に保護されたグラフィックボード本体が収められていました。
「SAPPHIRE PULSE Radeon RX 5500 XT」のグラフィックボード本体を見ていきます。
「SAPPHIRE PULSE Radeon RX 5500 XT」のGPUクーラーの外装は黒色プラスチック製です。
グラフィックボード側面にはSAPPHIREのメーカーロゴが描かれています。
「SAPPHIRE PULSE Radeon RX 5500 XT」は全長228mmと標準的なボード長です。グラフィックボード基板自体は180mm未満のショート基板ですが、GPUクーラーとバックプレートが右に50mmほぼ突き出しています。
「SAPPHIRE PULSE Radeon RX 5500 XT」の基板自体はほぼPCIEブラケットと同じ背の高さですが、GPUクーラーとバックプレートががPCIEブラケットから15mm弱はみ出しています。
「SAPPHIRE PULSE Radeon RX 5500 XT」のGPUクーラーには2基の100mm径の冷却ファンが搭載されています。
「SAPPHIRE PULSE Radeon RX 5500 XT」は近年のグラフィックボードでは標準的な2スロット占有です。
「SAPPHIRE PULSE Radeon RX 5500 XT」の補助電源数はPCIE 8PIN*1です。GPUクーラーはPCIEブラケットより15mm程背が高いですが、補助電源端子のある基板自体はPCIEブラケットとほぼ同じ高さなので、PCIE補助電源とPCケースサイドパネルが干渉する心配はないと思います。
「SAPPHIRE PULSE Radeon RX 5500 XT」のビデオ出力はHDMI2.0×1、DisplayPort1.4×3の4基が実装されています。エントリークラスGPUを搭載したグラフィックボードとしては豪華な構成です。
「SAPPHIRE PULSE Radeon RX 5500 XT」には製品名PULSEにちなんでパルス信号のイラストが描かれた金属製バックプレートが搭載されています。グラフィックボード基板とはサーマルパッドを介して接しているわけではないので放熱補助の役割はありませんが、背面素子の破損や基板の反りを防止します。
「SAPPHIRE PULSE Radeon RX 5500 XT」は複数のBIOSを搭載したデュアルBIOSに対応し、PCIブラケット付近にはBIOS切り替え用のスライドスイッチが設置されています。「Performanceモード(Primary Setting、Default)」と「Quietモード(Secondary Setting)」の2つのモードを簡単に切り替えることができます。
グラフィックボードの重量はSAPPHIRE PULSE Radeon RX 5500 XTが699g、SAPPHIRE NITRO+ Radeon RX 5700 XTが1150gに対して、SAPPHIRE PULSE Radeon RX 5500 XTは655gとなっています。
SAPPHIRE PULSE Radeon RX 5500 XTの分解
「SAPPHIRE PULSE Radeon RX 5500 XT」を分解してGPUクーラーやグラフィックボード基板についてチェックしていきます。なお今回はレビュー用サンプル提供先の協力のもと特別に許可を頂いて分解を行っております。GPUクーラーの取り外し(分解行為)はグラフィックボードの正規保証の対象外になる行為です。今回はレビューのために分解しておりますが、繰り返しますが保証対象外になるので基本的には非推奨の行為なのでご注意下さい。
SAPPHIRE PULSE Radeon RX 5500 XTのGPUクーラーは基板裏面のコア周辺4か所とバックプレート上4か所のネジ8個で固定されていました。
8か所のネジを外すとGPUクーラーは容易に取り外しができます。
基板側からさらにネジを外すとバックプレートも取り外せます。バックプレートは金属製ですがサーマルパッドは貼られておらず放熱板としての役割はありません。
「SAPPHIRE PULSE Radeon RX 5500 XT」にはSAPPHIREが独自に設計したオリジナル基板が採用されています。
Radeon RX 5500 XTのGPUコアのサイズは158mm^2です。GPUアークテクチャが7nmプロセス採用なり、シェーダー数も40%程度少ないので、Radeon RX 480等に使用されている前世代Polarisの232mm^2と比べるとダイサイズは大幅に小さくなっています。一方で競合製品のGTX 1650 SUPERやGTX 1660 SUPERのダイサイズは284mm^2とほぼ2倍近いサイズです。この差が価格に反映されることを期待したいところ。
GDDR6メモリはMicron、Samsung、SK Hynixなどがすでに量産を行っていますが、「SAPPHIRE PULSE Radeon RX 5500 XT」にはSamsung製の8GbのGDDR6メモリチップが搭載されています。
「SAPPHIRE PULSE Radeon RX 5500 XT」のVRM電源フェーズ数はエントリークラスGPU搭載グラフィックボードながら7(6+1)フェーズでした。
「SAPPHIRE PULSE Radeon RX 5500 XT」のGPUクーラー本体をチェックすると、GPUコアと接する部分は銅製ベースプレートが採用され、ベースコアからは3本の銅製ヒートパイプが伸び、アルミニウム製放熱フィンが2スロットスペース内いっぱいに展開されています。
GPUコアと接する部分には冷却性能の高さで定評のある銅製ベースプレートが採用されています。またGPUコア周辺のVRAMチップはヒートシンクにろう付けされた金属製プレートとサーマルパッドを介してヒートシンク本体で直接冷却する構造です。
VRM電源については特に発熱の大きいMOS-FETがサーマルパッドを挟んで直接にGPUクーラーヒートシンク本体と接する構造になっているのでVRM電源の冷却も問題なさそうです。
2スロットを占有するGPUクーラー内いっぱいにアルミ製放熱フィンが収められています
SAPPHIRE PULSE Radeon RX 5500 XTの検証機材
外観やハードのチェックはこのあたりにして早速、「SAPPHIRE PULSE Radeon RX 5500 XT」を検証用の機材に組み込みました。テストベンチ機の構成は次のようになっています。テストベンチ機の構成 | ||
ベンチ機1 |
ベンチ機2 |
|
OS | Windows10 Home 64bit | |
CPU |
Intel Core i9 9900K(レビュー) Core/Cache:5.1/4.7GHz, 1.300V 殻割り&クマメタル化(レビュー) |
Intel Core i7 7700K (レビュー) |
CPUクーラー |
Fractal Design Celsius S36(レビュー) Noctua NF-A12x25 PWM (レビュー) |
ASUS ROG RYUO 120 (レビュー) |
M/B | ASUS WS Z390 PRO (レビュー) |
ASUS ROG MAXIMUS IX FORMULA (レビュー) |
メインメモリ | G.Skill Trident Z Black F4-4400C19D-16GTZKK DDR4 8GB*2=16GB (レビュー) 4000MHz, CL17-17-17-37-CR2 |
G.Skill Trident Z F4-3600C15D-16GTZ DDR4 8GB*2=16B (レビュー) |
システム ストレージ |
Samsung SSD 860 EVO M.2 1TB (レビュー) |
Samsung 860 PRO 256GB (レビュー) |
データストレージ |
Samsung SSD 860 QVO 4TB (レビュー) | |
電源ユニット |
Corsair HX1200i (レビュー) Corsair RM650i |
Thermaltake Toughpower iRGB PLUS 1250W Titanium (レビュー) |
PCケース/ ベンチ板 |
STREACOM BC1 (レビュー) |
Cooler Master MASTERCASE MAKER 5t (レビュー) NZXT Aer F 140 3基(レビュー) |
ベンチ機のゲームデータストレージには、世界初のQLC NANDメモリ採用2.5インチSATA SSD「Samsung SSD 860 QVO 4TB」を使用しています。「Samsung SSD 860 QVO 4TB」は現行最新かつ主流なTLC型NAND採用のSATA3.0 SSDと同等のアクセススピードを実現しながら、同社の定番モデルである860 EVOの4TBモデルよりも大幅に安価なので、PCゲーム100GB超時代でも容量不足の心配無用なゲームデータストレージとしてオススメのSSDです。
・「Samsung SSD 860 QVO 4TB」をレビュー
「Radeon RX 5500 XT」のスペックについて簡単に確認しておきます。
「Radeon RX 5500 XT」は、シェーダー数が1408、コアクロックはPCゲーミング時の平均値とされるゲームクロックが1717MHz、VRAMには8GB GDDR6(14Gbps)が採用されています。VRAMはバス幅128bitで12Gbpsの8GBもしくは4GBのGDDR6を搭載し、メモリ帯域は224GB/sに達します。グラフィックボード全体の消費電力の指標となるTBPは150Wとなっており、補助電源はPCIE 8PIN*1からとなります。
AMD Radeon RX 5500 XT スペック一覧 | ||||
RX 5500 XT |
RX 5500 (OEM向け) |
RX 5700 |
RX 590 |
|
GPUコア | Navi | Navi | Navi | Polaris 30 |
製造プロセス | 7nm FinFET | 7nm FinFET | 7nm FinFET | 12nm FinFET |
シェーダー数 | 1408 | 1408 | 2304 | 2304 |
ベースクロック | 1670 MHz | 1607 MHz | 1465 MHz | 1469 MHz |
ゲームクロック | 1717 MHz | 1670 MHz | 1625 MHz | 1469 MHz |
ブーストクロック | 1845 MHz |
1845 MHz |
1725 MHz | 1545 MHz |
単精度性能 | -TFLOPs | 5.2 TFLOPs | 7.95 TFLOPs | 7.1 TFLOPs |
VRAM | 4GB GDDR6 8GB GDDR6 |
4GB GDDR6 | 8GB GDDR6 | 8GB GDDR5 |
バス幅 | 128-bit | 128-bit | 256-bit | 256-bit |
メモリクロック | 14.0 GHz | 14.0 GHz | 14.0 GHz | 8.0 GHz |
メモリ帯域 | 224 GB/s | 224 GB/s | 448 GB/s | 256 GB/s |
PCIE帯域 | PCIE4.0x8 | PCIE4.0x8 | PCIE4.0x16 | PCIE3.0x16 |
TBP | 150W | 150W | 180 W | 225W |
補助電源 | 8PIN*1~ | 8PIN*1~ | 8PIN+6PIN~ | 8PIN*1~ |
発売日 | 2019年11月? | 2019年11月? | 2019年7月 |
2017年6月 |
希望小売価格 | 149ドル~ 199ドル~ |
130~150ドル? | 349ドル~ |
279ドル~ |
「SAPPHIRE PULSE Radeon RX 5500 XT」のコアクロックはRX 5500 XTのリファレンス仕様と同じでベース1607MHz、ゲーミング1717MHz、最大1845MHzに設定されています。 Radeon RX 5500などAMD製GPUではNVIDIA製GPUと違ってGPU-Zからは電力制限値が確認できませんが、「SAPPHIRE PULSE Radeon RX 5500 XT」に関しては仕様値のTBP(Typical Board Power)である130Wと同じ値がそのまま設定されているようです。
「SAPPHIRE PULSE Radeon RX 5500 XT」は静音動作のQuietモードはファン制御プロファイルの変更のみとなっており、動作クロックや電力制限の設定は標準動作のPerformanceモードと同じです。
Radeon設定の「パフォーマンス - チューニング」からはコアクロック・メモリクロックやファン制御などグラフィックボードの動作に関する設定が可能です。
今回入手した「SAPPHIRE PULSE Radeon RX 5500 XT」のコアクロック/コア電圧カーブの最大値は1890MHz/1143mVでした。個体差がある部分なので、低電圧耐性やOC耐性の参考になります。
「Radeon RX 5500 XT」に搭載されたGDDR6メモリの定格動作クロックは14.0GHzですが、手動オーバークロックでは最大15.2GHzに設定が可能です。メモリ電圧の設定項目はありません。
ファン制御カーブの手動設定も可能です。「Radeon RX 5500 XT」にはGPU温度とジャンクション温度の2種類の温度がありファン制御カーブはジャンクション温度を参照します。
「SAPPHIRE PULSE Radeon RX 5500 XT」では標準設定のTBPを基準にしてスライダーによって-50%~+20%の範囲内で電力制限を指定できます。
SAPPHIRE PULSE Radeon RX 5500 XTのゲーム性能
「SAPPHIRE PULSE Radeon RX 5500 XT」の性能を測るべく各種ベンチマークを実行しました。性能比較には「ZOTAC GAMING GeForce GTX 1650 SUPER Twin Fan」、「ZOTAC GAMING GeForce GTX 1660 SUPER Twin Fan」、「EVGA GeForce GTX 1660 Ti SC ULTRA」、「EVGA GeForce GTX 1660 SC ULTRA」、「XFX Radeon RX 480 8GB TRIPLE X」、「EVGA GeForce GTX 1060 6GB SC ACX2.0」を使用しています。「SAPPHIRE PULSE Radeon RX 5500 XT」を含めた各グラフィックボードについて、3DMarkで現在主流なDirectX11のベンチマーク「FireStrike」による比較になります。
FireStrike | Extreme | Ultra | |
RX 5500 XT 8GB SAPPHIRE PULSE |
14342 | 6809 | 3514 |
GTX 1650 SUPER | 12163 | 5213 | 2112 |
GTX 1660 SUPER | 15972 | 7119 | 3093 |
GTX 1660 Ti | 16252 | 7319 | 3263 |
GTX 1660 | 13880 | 6234 | 2703 |
GTX 1060 6GB | 13056 | 6256 | 3023 |
RX 480 8GB |
14136 | 6285 | 3153 |
GTX 1650 | 9026 | 4000 | 1617 |
「SAPPHIRE PULSE Radeon RX 5500 XT」を含めた各グラフィックボードについて、3DMarkのDirectX12ベンチマーク「TimeSpy」による性能比較となります。
TimeSpy | Async Off |
Extreme | |
RX 5500 XT 8GB SAPPHIRE PULSE |
4821 | 4350 | 2153 |
GTX 1650 SUPER | 4682 | 4518 | 2018 |
GTX 1660 SUPER | 5982 | 5693 | 2725 |
GTX 1660 Ti | 6400 | 5978 | 2896 |
GTX 1660 | 5485 | 5167 | 2447 |
GTX 1060 6GB | 4281 | 4124 | 1950 |
RX 480 8GB |
4085 | 3923 | 1824 |
GTX 1650 | 3388 | 3265 | 1505 |
「SAPPHIRE PULSE Radeon RX 5500 XT」を含めた各グラフィックボードについて、17年中頃から普及しつつあるHTC VIVEやOculus RiftなどVR HMDを使用したVRゲームに関する性能を測定する最新ベンチマーク「VRMark」による性能比較となります。
Orange Room |
Cyan Room |
Blue Room |
|
RX 5500 XT 8GB SAPPHIRE PULSE |
7192 | 5142 | 1344 |
GTX 1650 SUPER | 7104 | 4810 | 1464 |
GTX 1660 SUPER | 8858 | 5824 | 1812 |
GTX 1660 Ti | 9328 | 6234 | 2003 |
GTX 1660 | 8103 | 5354 | 1692 |
GTX 1060 6GB | 7175 | 3901 | 1291 |
RX 480 8GB |
6977 | 4600 | 1172 |
GTX 1650 | 5305 | 3447 | 1061 |
続いて2019年最新の実PCゲームを用いたベンチマークになります。同一のグラフィック設定で同一のシーンについてフルHD解像度で平均FPSを比較しました。
ベンチマーク測定を行ったゲームタイトルは、Anthem(ウルトラ設定プリセット)、Assassin's Creed Odyssey(超高設定プリセット)、Battlefield V(最高設定プリセット, DirectX12)、CONTROL(高設定プリセット, DirectX11)、Destiny 2(最高設定プリセット)、The Division 2(ウルトラ設定プリセット, DirectX11)、Far Cry 5(最高設定プリセット&TAA)、Final Fantasy XV(最高設定プリセット、NVIDIA GameWorks無効)、Gears 5(最高設定プリセット)、Ghost Recon Wildlands(非常に高い設定プリセット)、Metro Exodus(エクストリーム設定プリセット, DirectX11)、MONSTER HUNTER: WORLD(最高設定プリセット)、Shadow of the Tomb Raider(最高設定プリセット, DirectX12)、Middle-Earth: Shadow of War(とても高い設定プリセット)、The Witcher 3(個別設定を全て最高設定)以上の15タイトルです。
Anthem(ウルトラ設定プリセット)に関する「SAPPHIRE PULSE Radeon RX 5500 XT」を含めた各グラフィックボードのベンチマーク結果です。
Assassin's Creed Odyssey(超高設定プリセット)に関する「SAPPHIRE PULSE Radeon RX 5500 XT」を含めた各グラフィックボードのベンチマーク結果です。
Battlefield V(最高設定プリセット, DirectX12)に関する「SAPPHIRE PULSE Radeon RX 5500 XT」を含めた各グラフィックボードのベンチマーク結果です。
CONTROL(高設定プリセット, DirectX11)に関する「SAPPHIRE PULSE Radeon RX 5500 XT」を含めた各グラフィックボードのベンチマーク結果です。
Destiny 2(最高設定プリセット)に関する「SAPPHIRE PULSE Radeon RX 5500 XT」を含めた各グラフィックボードのベンチマーク結果です。
The Division 2(ウルトラ設定プリセット, DirectX11)に関する「SAPPHIRE PULSE Radeon RX 5500 XT」を含めた各グラフィックボードのベンチマーク結果です。
Far Cry 5(最高設定プリセット&TAA)に関する「SAPPHIRE PULSE Radeon RX 5500 XT」を含めた各グラフィックボードのベンチマーク結果です。
Final Fantasy XV(最高設定プリセット、NVIDIA GameWorks無効)に関する「SAPPHIRE PULSE Radeon RX 5500 XT」を含めた各グラフィックボードのベンチマーク結果です。
Gears 5(最高設定プリセット)に関する「SAPPHIRE PULSE Radeon RX 5500 XT」を含めた各グラフィックボードのベンチマーク結果です。
Ghost Recon Wildlands(非常に高い設定プリセット)に関する「SAPPHIRE PULSE Radeon RX 5500 XT」を含めた各グラフィックボードのベンチマーク結果です。
Metro Exodus(エクストリーム設定プリセット, DirectX11)に関する「SAPPHIRE PULSE Radeon RX 5500 XT」を含めた各グラフィックボードのベンチマーク結果です。
MONSTER HUNTER: WORLD(最高設定プリセット)に関する「SAPPHIRE PULSE Radeon RX 5500 XT」を含めた各グラフィックボードのベンチマーク結果です。
Shadow of the Tomb Raider(最高設定プリセット, DirectX12)に関する「SAPPHIRE PULSE Radeon RX 5500 XT」を含めた各グラフィックボードのベンチマーク結果です。
Middle-Earth: Shadow of War(とても高い設定プリセット)に関する「SAPPHIRE PULSE Radeon RX 5500 XT」を含めた各グラフィックボードのベンチマーク結果です。
The Witcher 3(個別設定を全て最高設定)に関する「SAPPHIRE PULSE Radeon RX 5500 XT」を含めた各グラフィックボードのベンチマーク結果です。
SAPPHIRE PULSE Radeon RX 5500 XTなど7種類のGPUについて実ゲーム性能の比率の平均を出してみたところ、SAPPHIRE PULSE Radeon RX 5500 XTは、同社が競合モデルと位置付けるGeForce GTX 1650 SUPERを上回る性能となりました。
Radeon RX 5500 XT 8GBは199ドルから、Radeon RX 5500 XT 4GBは169ドルから、というエントリークラスGPUの価格帯ながら、前世代ミドルクラスGPUとして好評を博したGTX 1060 6GBやRadeon RX 480を10%弱程度上回るパフォーマンスを発揮しており、2019年下半期以降にリリースされる最新高画質PCゲームをフルHD解像度の標準画質~高画質設定でプレイするのに最適なGPUです。
SAPPHIRE PULSE Radeon RX 5500 XTの温度・消費電力・ファンノイズ
SAPPHIRE PULSE Radeon RX 5500 XTの負荷時のGPU温度やファンノイズや消費電力についてチェックしていきます。「SAPPHIRE PULSE Radeon RX 5500 XT」のGPU温度とファンノイズの検証負荷としては20分間に渡たり連続してGPUに100%近い負荷をかける3DMark TimeSpy Stress Testを使用しています。
SAPPHIRE PULSE Radeon RX 5500 XTのテスト終盤におけるGPU温度は最大65度、ファン回転数も1000RPM未満に収まっており非常に良好な結果です。
標準設定のPerformanceモード(PM)とBIOSスイッチで選択可能な静音動作設定のQuietモード(QM)については、SAPPHIRE製の上位モデルでは実際の動作にかなり大きな差がでるのですが、SAPPHIRE PULSE Radeon RX 5500 XTにおいてはGPU温度が2度上がってファン回転数が100RPM下がるという程度です。Performanceモードでも静音性は非常に高いので、そのままでいいと思います。
GPUに搭載された複数の温度センサーのうち、最大温度を示すジャンクション温度の推移は下のようになりました。RX 5500シリーズではファン速度はジャンクション温度をソースとして制御されますが、「SAPPHIRE PULSE Radeon RX 5500 XT」ではジャンクション温度に比例したファン速度の大きな変化は確認できません。セミファンレス機能に対応しているので、ファン始動時に一瞬だけ1000~1200RPM程度にファン回転数が上がりますが、Performanceモードでは800RPM程度、Quietモードでは700RPM程度に収束して安定します。
「SAPPHIRE PULSE Radeon RX 5500 XT」はセミファンレス機能に対応しており、ジャンクション温度60度前後が始動閾値、ジャンクション温度50度が停止閾値でヒステリシスも採用されています。閾値前後でファンの始動・停止がピタッと切り替わっており、セミファンレスの制御回りも良くできています。
「Radeon RX 5500 XT」ではGDDR6メモリやVRM電源回路の温度もモニタリングが可能ですが、「SAPPHIRE PULSE Radeon RX 5500 XT」についてはGDDR6メモリのモニタリングにのみ対応していました。ストレステスト中の推移は下のようになりました。
GPUコアクロックについては「SAPPHIRE PULSE Radeon RX 5500 XT」の仕様値ではゲームクロック1717MHzとなっていましたが、負荷テスト中の実動平均は1832MHzとなりました。
SAPPHIRE PULSE Radeon RX 5500 XTを含めていくつかのグラフィックボードについてサウンドレベルメーターを利用してゲーム負荷時のノイズレベルを測定・比較しました。ノイズレベルの測定には「サンワダイレクト 400-TST901A」を使用しています。
電源OFF時の騒音値は33~35dBです。目安として40dBを超えたあたりからファンノイズがはっきりと聞こえるようになり、45dB前後で煩く感じます。50dBを超えてくるとヘッドホンをしていても煩く感じます。同じ騒音値でも周波数(ファン回転数)が高いほど体感としては大きな音に感じやすく、また不快に感じたり感じなかったりは音の性質(細かい乱高下の有無や軸ブレ)にもよるので注意してください。
ノイズレベルの測定結果は次のようになっています。
SAPPHIRE PULSE Radeon RX 5500 XTのファンノイズは、700~800RPMという非常に低いファン回転数から想像がつきますが、ノイズレベルは35dB未満という極めて優秀な数値を示しました。このくらいのノイズレベルであれば体感的には”無音”と表現しても過言ではありません。消費電力が低く比較的に冷やしやすいエントリークラスGPUといえど、このクラスの静音性を実現しているグラフィックボード製品はなかなかお目にかかれません。
【注意】 ファンノイズの比較グラフではレビュー製品と同等のGPUを搭載したグラフィックボードと各GPUのリファレンスモデルを抜粋して掲載しています。AMDが従来通り外排気GPUクーラーであるのに対し、NVIDIAのリファレンスモデルであるFounders Editionが内排気GPUクーラーを採用したため、NVIDIA<AMDという傾向になっていますが、あくまで静音性はGPUの消費電力とGPUクーラーの性能によります。同グラフからAMD製GPUを搭載したグラフィックボードが一般的にNVIDIA製GPUを搭載したグラフィックボードより煩いと考えるのは誤った評価なので注意してください。
SAPPHIRE PULSE Radeon RX 5500 XTの消費電力と瞬間的な最大電源負荷を測定しました。
測定負荷には上で行った温度検証と同様に3DMark TimeSpy ストレステストを使用しています。テスト全体から1秒間隔でモニタリングを行い、平均値を”消費電力”、最大値を”瞬間的な最大電源負荷”とします。なお電源ユニットに対する実際の最大瞬間負荷は測定値より50~100W上回る場合があるので、電源ユニットの電源容量選択の参考にする場合は注意してください。
消費電力の測定は電源ユニット「Corsair HX1200i」のCorsair Linkによる電力ログ機能を用いてコンセントからの入力ではなく変換ロスを差し引いたシステムへの出力電力をチェックしています。また電力測定の際は上記の主電源ユニットに加えて、CPUへの電力供給を行うEPS端子へ接続するために別の副電源ユニットを使用しています。
この方法であれば、CPU(後述のiGPUも)に負荷をかけても、CPUによる消費電力の変動はメイン電源ユニットCorsair HX 1200iの測定値には影響しません。しかしながら、測定値にはまだATX24PIN経由で供給されるマザーボードやDDR4メモリの電力が含まれるので、iGPUを使用した時の3DMark TimeSpy ストレステスト中の消費電力と最大電源負荷を同様に測定し、各種グラフィックボード使用時と差分を取る形でグラフィックボード単体の消費電力と最大電源負荷を算出します。
SAPPHIRE PULSE Radeon RX 5500 XTの消費電力は118W、最大瞬間負荷は151Wでした。SAPPHIRE PULSE Radeon RX 5500 XTのTDP(パワーターゲット)は130Wに設定されており、仕様値通りの消費電力になっていると思います。
前世代ミドルクラスのRX 480 8GBと比較すると10%程度高い性能を発揮しつつ平均で30W、瞬間最大で50W以上も消費電力が小さくなっており「Radeon RX 5500 XT 8GB」、Navi世代におけるワットパフォーマンスの向上がしっかりと確認できます。
一方で競合NVIDIAの最新GPUと比較すると、近い性能のGTX 1650 SUPERよりも消費電力が30W程度大きく、性能で20%程度劣るGTX 1660 SUPERと同程度の消費電力なので、やはり省電力性能ではNVIDIAに軍配が上がります。
SAPPHIRE PULSE Radeon RX 5500 XT レビューまとめ
最後に「SAPPHIRE PULSE Radeon RX 5500 XT 8G GDDR6(型番:11295-01-20G)」を検証してみた結果のまとめを行います。簡単に箇条書きで以下、管理人のレビュー後の所感となります。良いところ
- 最新PCゲームをフルHD/標準から高画質設定でプレイ可能なグラフィック性能
- GTX 1650 SUPERを数%上回るグラフィック性能
- RX 480 8GBを10%以上超える性能ながら消費電力が大きく下がってワッパが改善
- ノイズレベル35dB未満という極めて優秀な静音性
- HDMI×1&DP×3で計4基のビデオ入力搭載
- GPUの仕様上、動画倍速補完機能Fluid Motionはサポートされない
- 競合GeForce GTX 16XXシリーズに比べると消費電力が大きい
Radeon RX 5500 XTは、7nmプロセスによって製造される最新アーキテクチャRDNAを採用することによって、前世代ミドルクラスGPUのRadeon RX 480 8GBを10%強も上回る性能を発揮しつつ、大幅な省電力化に成功しています。競合GeForce GTX 1650 SUPERよりも高速なので、2019年下半期以降にリリースされる最新高画質PCゲームをフルHD解像度の標準画質~高画質設定でプレイするのに最適なGPUです。
今回、実ゲームベンチマークを行ったAssassin's Creed OdysseyやFinal Fantasy XVのようにVRAMを大量に消費するゲーム(の高画質設定)では、VRAM容量が4GBで足らずに大幅に性能を落としたり、もしくは50~60FPSくらいが出ていてGPU性能は足りているのに、VRAM容量が不足して瞬間的に停止するようなスタッターが生じたりします。
画質設定を落としてVRAM消費量を減らせば解決すると言えばそうですが、Borderlands3、Call of Duty: Modern Warfare、Forza Horizon 4、Tom Clancy's Ghost Recon Breakpoint、Wolfenstein II: The New ColossusとAMD公式も5タイトルを挙げるように、フルHDでもVRAM容量を大量に消費するゲームは増えつつあり、決してレアケースではなくなってきています。その点でVRAM容量8GBのモデルがラインナップされているところはRX 5500 XTの強みです。
グラフィック性能面ではGTX 1650 SUPERの競合として申し分のないRadeon RX 5500 XTにとって一番の壁は価格だと思います。
RX 5700シリーズが競合RTX 2060/2070 SUPERに対して低い価格設定のコストパフォーマンスで訴求していたのに対して、Radeon RX 5500 XTの北米希望小売価格は4GB版が169ドルから、8GB版が199ドルからと報じられており、ほぼ同性能のGTX 1650 SUPERが159ドルから、20%程度高速なGTX 1660 SUPERが229ドルからなので、このクラスのGPUについては両社ともに性能相応の価格帯で展開されています。
ただし国内市場に目を向けると、GTX 1650 SUPERが2.0万円、GTX 1660 SUPERが2.5万円程度で購入できるなか、18日に解禁されるRadeon RX 5500 XTの予想価格は4GB版が2.2~2.3万円から、8GB版が2.6~2.8万円からと報じられています。Radeon RX 5500 XT 4GB版はまだGTX 1650 SUPERの競合として通用しそうですが、価格的に性能差の大きいGTX 1660 SUPERとマッチアップしてしまうRadeon RX 5500 XT 8GB版は厳しいポジショニングです。
時系列で遡って考えるとGTX 16XX SUPERシリーズによって出鼻を挫かれたというのが正確なのでしょうが、VRAM容量8GBの魅力が活かせるように、GTX 1650 SUPERとマッチアップできる価格帯でRadeon RX 5500 XTをリリースして欲しかったというのが正直な感想です。
「SAPPHIRE PULSE Radeon RX 5500 XT」については、負荷時のノイズレベルが35dB未満に収まっており、GPUクーラーの静音性が極めて優秀です。エントリー~ミドルクラスのGPUで消費電力が150W以下になるとGPUクーラーにこだわらなくても問題なく冷やせてしまうので、安いなりに煩いオリファンモデルというのもそこそこ見当たりますが、「SAPPHIRE PULSE Radeon RX 5500 XT」はGPUクーラーの性能が非常に高いので、RX 5500 XTならこれを選べば間違いないと断言できる仕上がりです。
また「SAPPHIRE PULSE Radeon RX 5500 XT」はビデオ出力がHDMI×1&DisplayPort×3の計4系統でエントリークラスGPUとしては豊富なところも魅力です。
以上、「SAPPHIRE PULSE Radeon RX 5500 XT」のレビューでした。
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「SAPPHIRE PULSE Radeon RX 5500 XT 8G」 レビュー
— 自作とゲームと趣味の日々 (@jisakuhibi) December 13, 2019
良い
✅騒音値35dB未満で体感無音なGPUクーラー、極めて優秀
✅RX 480 8GBより10%強高速かつ30~50Wも低消費電力
✅GTX1650Sより高速でVRAM 8GB
悪いor注意
⛔Fluid Motionは非サポート
⛔GTX1660Sとマッチアップする価格https://t.co/YdFTWqYlFd
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