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接続帯域20Gbpsの次世代規格USB3.2 Gen2x2に対応するNVMe M.2 SSD内蔵の高速外付けモバイルストレージ「WD_BLACK P50 Game Drive SSD 1TB(型番:WDBA3S0010BBK-JESN)」をレビューしていきます。「WD_BLACK P50 Game Drive SSD 1TB」をUSB3.2 Gen2x2でPCの外付けストレージとすることによって大容量データの取り扱いがどれくらい速くなるのか徹底検証していきます。
製品公式ページ:https://shop.westerndigital.com/ja-jp/products/portable-drives/wd-black-p50-game-drive-usb-3-2-ssd
WD_BLACK P50 Game Drive SSD
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WD_BLACK P50 Game Drive SSD 1TB レビュー目次
1.WD_BLACK P50 Game Drive SSD 1TBについて
・補足:USB3.2 Gen2x2規格について
2.WD_BLACK P50 Game Drive SSD 1TBの外観・付属品
3.WD_BLACK P50 Game Drive SSD 1TBの検証機材や動作環境について
4.WD_BLACK P50 Game Drive SSD 1TBのファイルコピー性能について
5.WD_BLACK P50 Game Drive SSD 1TBのレビューまとめ
WD_BLACK P50 Game Drive SSDについて
「WD_BLACK P50 Game Drive SSD」シリーズは同社製の最新NVMe M.2 SSD「WD Black SN750 NVMe SSD」を内蔵したUSB3.2 Gen2x2接続のモバイルストレージです。USB3.1 Gen2やUSB3.0などホスト側に対する下方互換も備えています。「WD_BLACK P50 Game Drive SSD」は容量別で500GB(型番:WDBA3S5000ABK-JESN)、1TB(型番:WDBA3S0010BBK-JESN)、2TB(型番:WDBA3S0020BBK-JESN)の3モデルがラインナップされ、2020年1月現在の販売価格は税込みで2.3万円、3.5万円、6.0万円となっています。
「WD_BLACK P50 Game Drive SSD」は内蔵されたNVMe(PCI-E3.0x4)接続M.2 SSDを広帯域な20GbpsのUSB3.2 Gen2x2接続に変換してPCと接続するので、最大でシーケンシャル読出2000MB/sの高速アクセスを実現しています。メーカーによる製品保証期間は5年間です。
「WD_BLACK P50 Game Drive SSD」シリーズはPCに接続するモバイルストレージとしてだけでなく、HDDを内蔵するコンソールゲーム機のPS4やXbox One Xとの互換性もアピールされており、ゲームインストール先として使用することでロード時間が短縮できるので、ゲーム機用の外付けストレージとしても推奨されています。
WD_BLACK P50 Game Drive SSD スペック |
|||
容量 | 500GB (型番:WDBA3S5000ABK-JESN) |
1TB (型番:WDBA3S0010BBK-JESN) |
2TB (型番: WDBA3S0020BBK-JESN) |
インターフェース |
USB3.2 Gen2 x2対応 (USB3.1 Gen2やUSB3.0など下方互換あり) |
||
外形寸法 |
縦118mm x 横62mm x 高さ14mm | ||
重量 |
-g | ||
連続読出 | 2000MB/s | ||
連続書込 | -MB/s | -MB/s | -MB/s |
MTBF | -万時間 | ||
保証期間 | メーカー5年 |
補足:USB3.2 Gen2x2規格について
2020年現在USB規格が新旧入り乱れて分かり難くなっていますが、簡単にまとめると下のようになっています。接続帯域5Gbps : USB3.2 Gen1 = USB3.1 Gen1 = USB3.0 (Type-AとType-C)
接続帯域10Gbps : USB3.2 Gen2 = USB3.1 Gen2 (Type-AとType-C)
接続帯域20Gbps : USB3.2 Gen2x2 (Type-Cのみ)
厳密にいうと違いもあるのですが、USB外付けストレージの接続規格としては上のように簡単に理解しておけばOKです。
2020年1月現在、接続帯域20GbpsのUSB3.2 Gen2x2に対応したUSB端子を搭載する製品は非常に限られていますが、自作PC向けではAMD第3世代Ryzen Threadripperに対応するTRX40マザーボードやIntel第10世代Core-Xに対応するX299マザーボードの一部の上位モデルがUSB3.2 Gen2x2対応Type-C端子を搭載しています。
またPlayStation 4やXbox Oneなどコンソールゲーム機のUSB接続規格はUSB3.0( = USB3.2 Gen1 = USB3.1 Gen1)です。
ホスト側に対して下方互換があるので「WD_BLACK P50 Game Drive SSD」も使用できますが、USB3.0の場合は内蔵SSD規格がNVMeではなくSATAでも性能的に十分なので、コストパフォーマンスを考えるともったいないというのが正直なところ。容量重視で大容量かつ安価なUSB3.0接続の外付けストレージを用意するのがオススメです。
WD_BLACK P50 Game Drive SSD 1TBの外観・付属品
まずは「WD_BLACK P50 Game Drive SSD 1TB」の外観や付属品について紹介していきます。パッケージを開くと白色の紙製スペーサーの中央に「WD_BLACK P50 Game Drive SSD 1TB」のSSD本体が収められています。
「WD_BLACK P50 Game Drive SSD 1TB」の付属品は、USB Type-C to Type-Aケーブル、USB Type-C to Type-Cケーブルクイックガイドです。
「WD_BLACK P50 Game Drive SSD 1TB」の本体は白字のロゴを除けば製品名の通り黒一色のカラーリングで、ミリタリー感のある頑丈そうな形状です。
背面には滑り止めとして四隅にゴム足が装着されています。「WD_BLACK P50 Game Drive SSD 1TB」には発熱の大きいNVMe M.2 SSDが内蔵されていることもあって、中央にエアスリットも設けられています。
WD_BLACK P50 Game Drive SSD シリーズの製品寸法は縦118mm×横62mm×高さ14mmです。小型スマートフォンくらいのサイズ感です。
「WD_BLACK P50 Game Drive SSD 1TB」は重量も114gです。金属外装なのでサイズの割にズッシリとした重さを感じます。
「WD_BLACK P50 Game Drive SSD 1TB」の右端にはUSBケーブルを接続するためのUSB Type-C端子が実装されています。SSD本体のType-C端子にType-C to Type-AケーブルやType-C to Type-Cケーブルを接続して使用します。
「WD_BLACK P50 Game Drive SSD 1TB」にはType-C to Type-AケーブルやType-C to Type-Cケーブルはそれぞれ1本ずつ標準で付属しますが長さは0.5mなので、1.0mなど長いケーブルが欲しい場合は「エレコム USB-Cケーブル C-C USB3.1Gen2」や「エレコム USB-Cケーブル A-C USB3.1Gen2」がオススメです。いずれもUSB3.1 Gen2(帯域10Gbps)を正式にサポートしています。
エレコム USB3.1 Gen2ケーブル Type C to Type-C 0.5m/1.0m
エレコム USB3.1 Gen2ケーブル Type C to Type-A 0.5m/1.0m
エレコム
ちなみに「エレコム USB-Cケーブル C-C USB3.1Gen2」はその名前の通りUSB3.1 Gen2を正式サポートするUSBケーブルですが、この製品の長さ1m版を使用してマザーボードのUSB3.2 Gen2x2端子に「WD_BLACK P50 Game Drive SSD 1TB」を接続したところ、付属のC-Cケーブルと同様に20GbpsのUSB3.2 Gen2x2で使用できました。正式サポートではありませんが、一応動作するので長さ1mのケーブルでUSB3.2 Gen2x2接続したい場合は「エレコム USB-Cケーブル C-C USB3.1Gen2」を試してみてください。
「WD_BLACK P50 Game Drive SSD 1TB」には同社製NVMe接続M.2 SSDの「WD Black SN750 NVMe SSD 1TB」が内蔵され、専用の変換基板によってUSB3.2 Gen2x2 Type-Cに変換されています。
・「WD Black SN750 NVMe SSD 1TB」をレビュー
WD_BLACK P50 Game Drive SSD 1TBの検証機材や動作環境について
「WD_BLACK P50 Game Drive SSD 1TB」のファイルコピー性能を検証する前に、同製品の検証機材や動作環境について紹介します。「WD_BLACK P50 Game Drive SSD 1TB」の各種検証を行う環境としては、ASRock Z270 SuperCarrierなどで構成されているベンチ機を使用しました。構成の詳細は下記テーブルの通りです。
テストベンチ機の構成 | |
CPU | AMD Ryzen Threadripper 3970X 32コア64スレッド (レビュー) |
マザーボード |
ASUS ROG Zenith II Extreme (レビュー) |
メインメモリ | G.Skill Trident Z Neo F4-3600C14Q-32GTZN (+F4-3600C14D-16GTZN×2セット) DDR4 8GB*8=64GB (レビュー) 3600MHz, 16-16-16-36-CR1 |
CPUクーラー | ENERMAX LIQTECH TR4 II 360 ELC-LTTRO360-TBP (レビュー) Noctua NF-A12x25 PWM x3 (レビュー) |
ビデオカード | MSI GeForce GT 1030 2GH LP OC (レビュー) |
システムストレージ |
Samsung 860 PRO 256GB (レビュー) |
OS | Windows10 Home 64bit |
電源ユニット | Corsair HX1200i (レビュー) |
ベンチ板 | STREACOM BC1 (レビュー) |
「WD_BLACK P50 Game Drive SSD 1TB」は検証機材マザーボードの「ASUS ROG Zenith II Extreme」のリアI/Oポートに設置されたUSB3.2 Gen2x2 Type-C端子に接続します。
「WD_BLACK P50 Game Drive SSD 1TB」はUSB3.2 Gen2x2接続に対応していますが、ホストに対する下方互換性も確保されており、接続帯域は制限されますがUSB3.0(USB3.1 Gen1、USB3.2 Gen1)やUSB2.0のUSB端子と接続して、外付けストレージとして使用することもできます。
「WD_BLACK P50 Game Drive SSD 1TB」のボリュームをWindows上で作製したところ容量は931GBでした。
WD_BLACK P50 Game Drive SSD 1TBのファイルコピー性能について
続いて本題となる「WD_BLACK P50 Game Drive SSD 1TB」のファイルコピー性能を検証していきます。ファイルコピー検証の前にまずは「WD_BLACK P50 Game Drive SSD 1TB」の基本的な読み出し性能と書き込み性能を確認するため、CrystalDiskMark7.0.0(デフォルト, Mix , 8GiB)のベンチマーク結果を比較してみました。
「WD_BLACK P50 Game Drive SSD 1TB」をUSB3.2 Gen2x2で接続すると公式に発表されている仕様値通り、連続読み出しと連続書き込みで2000MB/s越えの超高速アクセスが実現できています。
「WD_BLACK P50 Game Drive SSD 1TB」には下方互換もありますが接続規格毎に帯域がボトルネックとなり、USB3.1 Gen2(USB3.2 Gen2)では連続アクセススピードが1100MB/s以下、USB3.0(USB3.1 Gen1)では連続アクセススピードが450MB/s以下となります。
接続帯域に応じて性能は低下しますが、「WD_BLACK P50 Game Drive SSD 1TB」はUSB3.1 Gen2やUSB3.0など普及規格の製品としても理想的な性能を発揮しています。
「WD_BLACK P50 Game Drive SSD 1TB」に内蔵されている「WD Black SN750 NVMe SSD 1TB」をPC内蔵ストレージとしてNVMe(PCIE3.0x4)で接続するとNVMe M.2 SSDとして理想的な連続読み出し3500MB/s、連続書き込み3000MB/sのアクセススピードを発揮します。NVMe-USB3.2 Gen2x2変換に対して内蔵SSDの性能がボトルネックになることはないのがベンチマークスコアからも確認できます。
「WD_BLACK P50 Game Drive SSD 1TB」に対して大容量データの連続書き込みを実行してみたところ、WD Black SN750 NVMe SSD 1TBと同じく、書き込み総量が12GB程度に達してSLCキャッシュを超過すると書き込み速度が1500MB/s前後まで低下しました。
ただしWD Black SN750 NVMe SSD 1TBのテスト結果と比較してみると、「WD_BLACK P50 Game Drive SSD 1TB」では書き込み速度だけでなく読み出し速度もSLCキャッシュ外で1500MB/s程度に低下するという不思議な挙動でした。
続いて本題となる外付けストレージの性能評価で最重要項目となるファイルコピーにおける読み出し・書き込みについて性能比較をしてみました。
ファイルコピー性能の比較対象として、「WD_BLACK P50 Game Drive SSD 1TB」のUSB3.2 Gen2x2とUSB3.2 Gen2とUSB3.2 Gen1との3種類の接続状態に加えて、NVMe M.2 SSDの「WD Black SN750 NVMe SSD 1TB」と「Samsung SSD 970 PRO 1TB」、2.5インチSATA SSDの「WD Blue 3D NAND SATA SSD 2TB」、USBフラッシュメモリの「SanDisk Extreme PRO USB3.1フラッシュメモリ 256GB」でも同様に検証を行いました。
検証に使用するデータとしては次のような50GBの動画ファイル、80GBで多数のファイルが入ったゲームのフォルダ(The Witcher 3とRise of the tomb Raiderなどのゲームフォルダ)、1KB~1MBの画像ファイル10,000枚が入った3GBのフォルダ、5MB~8MBの画像ファイル1,000枚が入った7GBのフォルダの4種類を使用しています。
データのコピーにおいては当然ですが、元データのあるストレージの読み出し性能とコピー先の書き込み性能の両方が重要になります。測定においては書き込み先/読み出し元の対象となるストレージが必要になるため、各ストレージのコピー相手にはM.2-PCIE変換アダプタ Aquacomputer kryoM.2に設置したSamsung SSD 970 PRO 1TBを使用しています。
IntelやAMDのメインストリーム向け環境では2つのNVMe M.2 SSDに対して同時にアクセスが発生した場合に、CPU-チップセット間の帯域がボトルネックになることがありますが、今回検証機材として使用するTRX40マザーボードではCPU直結PCIEレーンで両方を接続しているので、帯域がボトルネックになることがありません。
2つのSamsung SSD 970 PRO 1TBに対して同時に連続読み出しを実行したところ、理想的な3500MB/sを安定して発揮しています。
なお「WD_BLACK P50 Game Drive SSD 1TB」のUSB3.2 Gen2x2接続において、50GB容量の単一動画ファイルのコピーを行うと読み出しと書き込みに依らず、33.5GB程度のコピーが完了した時点で、I/Oデバイスエラーが発生しました。この症状はASUS ROG Zenith II ExtremeとASRock X299 Taichi CLXの2種類のマザーボードのUSB3.2 Gen2x2対応USB端子の両方で発生しました。なお同症状は80GBのゲームフォルダでは発生しませんでした。
「WD_BLACK P50 Game Drive SSD 1TB」をUSB3.2 Gen2やUSB3.2 Gen1で接続した場合は同症状は発生せず、また検証機材として使用したASUS ROG Zenith II ExtremeのUSB3.2 Gen2x2対応USB端子に、WD Black SN750 NVMe SSD 1TBを内蔵したUSB3.1 Gen1変換エンクロージャーを接続しても同症状は発生しませんでした。
「WD_BLACK P50 Game Drive SSD 1TB」とASUS ROG Zenith II ExtremeとをUSB3.2 Gen2x2で接続した時に限定して30~40GB以上の単一ファイルをコピーしようとすると、SSD側かUSB端子側のどちらか、もしくは両方に起因して発生する現象のようです。
以上のように「WD_BLACK P50 Game Drive SSD 1TB」のUSB3.2 Gen2x2接続において動画ファイルのコピーを行うとエラーが発生してコピー作業を完了できないので、エラーが発生するまでにコピーできる約33.5GBに対する平均コピー時間から、全データがコピーできた場合のコピー時間を算出して比較することにしました。
「WD_BLACK P50 Game Drive SSD 1TB」など各種検証ストレージとSamsung 970 PRO 1TBとの間で50GBの動画ファイル、80GBのゲームフォルダ、各種画像フォルダなどのコピーに要した時間の比較結果は次のようになりました。
まずは50GBの動画ファイルのコピーについてですが、動画ファイルは単一の大容量ファイルなので実際のコピーではベンチマークのシーケンシャルリード・ライト性能が重要になってきます。
動画ファイルのコピー読み出しにおいて、「WD_BLACK P50 Game Drive SSD 1TB (USB3.2 Gen2x2)」によるコピー時間は46秒ほどとなっており、現在普及している中で最も高速なUSB3.1 Gen2接続を30%程度上回るコピー時間です。内蔵SATA SSDよりも2倍も高速な転送を実現しています。
動画ファイルのコピー書き込みにおいて、「WD_BLACK P50 Game Drive SSD 1TB (USB3.2 Gen2x2)」によるコピー時間は54秒ほどで、USB3.1 Gen2接続に対して40%と、読み出し時よりも高い性能向上となりました。
続いてゲームフォルダのコピーについてですが、ゲームフォルダは大小様々なファイルを含むので、実際のコピーではベンチマークの連続性能だけでなく、ランダム性能も重要になってきます。
ゲームフォルダのコピー読み出しにおいて、「WD_BLACK P50 Game Drive SSD 1TB (USB3.2 Gen2x2)」によるコピー時間は102秒程でした。若干ランダム性のあるデータになるせいか、USB3.1 Gen2接続と比較した時の性能の伸びは動画ファイルコピー時より小さいくなっています。とはいえやはり内蔵SATA SSDより2倍高速であり、ランダム性があると内蔵NVMe SSDも遅くなるので、「WD_BLACK P50 Game Drive SSD 1TB (USB3.2 Gen2x2)」は内蔵NVMe SSDに迫っています。
ゲームフォルダのコピー書き込みにおいて、「WD_BLACK P50 Game Drive SSD 1TB (USB3.2 Gen2x2)」はUSB3.1 Gen2接続を35%程度上回るパフォーマンスを発揮しています。ただしUSB接続モバイルストレージはランダム性のある書き込みに弱い傾向があり、内蔵SSDと比較して相対的に性能を落としています。とはいえ、やはり内蔵SATA SSDよりも大幅に高速です。
続いて1KB~1MBの画像ファイル10,000枚が入った3GBのフォルダのコピーについてですが、1つ1つのファイルサイズは1KB~1MBと比較的小さいのでゲームフォルダのコピーテストよりもベンチマークのランダム性能が重要になります。ただし合計サイズが3GBと小さいのでキャッシュ性能もコピー速度に効いてきます。
小容量画像ファイルを多数含むコピー読み出しにおいて、「WD_BLACK P50 Game Drive SSD 1TB (USB3.2 Gen2x2)」のコピー時間は23秒ほどとなっており、「SanDisk Extreme PRO USB3.1フラッシュメモリ 256GB」よりは高速ですが、USB3.1 Gen2接続の時に比べてコピー時間の短縮はほぼありませんでした。ランダムデータが苦手なUSB外付けストレージの特長が出ています。
小容量画像ファイルを多数含むコピー書き込みにおいて、「WD_BLACK P50 Game Drive SSD 1TB (USB3.2 Gen2x2)」のコピー時間は34秒ほどとなっており、USB3.1 Gen2接続と比較して10%程度の性能向上でした。
数GBのデータの場合、内蔵ストレージでは書き込みキャッシュが効くので、外付けストレージはどうしても差が開いてしまいます。外付けストレージでもデバイスマネージャーから書き込みキャッシュを有効化してコピーを高速にすることは可能ですが、安全にストレージを取り外すには操作が必要になります。実際に書き込みが完了する時間は同じで、バックグラウンドでコピーを進めているだけというのが実状ですし。
最後にデジタルカメラで撮影した原寸ファイルを想定した5MB~8MBの画像ファイル1,000枚が入った7GBのフォルダのコピーについてですが、1つ1つのファイルサイズは5MB以上で比較的大きいので、完全にシーケンシャル性能というわけではありませんが、シーケンシャルに近い形でアクセスが発生します。やはりキャッシュ性能も効いてきます。
比較的大きい画像ファイルを多数含むフォルダのコピー読み出しにおいて、「WD_BLACK P50 Game Drive SSD 1TB (USB3.2 Gen2x2)」のコピー時間は10秒程度でした。内蔵SATA SSDよりも大幅に高速ですが、USB3.1 Gen1と比べて伸び幅が微妙です。
比較的大きい画像ファイルを多数含むフォルダのコピー書き込みにおいて、「WD_BLACK P50 Game Drive SSD 1TB (USB3.2 Gen2x2)」は12秒ほどのコピー時間を要しています。他のテスト同様に書き込みではUSB3.1 Gen2と比較して着実に高速化しています。
WD_BLACK P50 Game Drive SSD 1TBのレビューまとめ
最後に「WD_BLACK P50 Game Drive SSD 1TB(型番:WDBA3S0010BBK-JESN)」を検証してみた結果のまとめを行います。簡単に箇条書きで以下、管理人のレビュー後の所感となります。良いところ
- USB3.2 Gen2x2接続により連続リード2000MB/sの高速アクセスを実現
- USB3.2 Gen1接続と比較して実際のファイルコピーにおいて最大40%高速に
- 外部電源不要なUSB端子からのバスパワー駆動
- 堅牢な金属製外装のエンクロージャー
- 下方互換もあるのでPS4やXbox Oneの外付けストレージとして使用できる
- ゲーム機の外付けストレージにすることでゲームのロード時間を最大で半分にできる
- USBフラッシュメモリと比べるとサイズは大きい
- 2020年1月現在、USB3.2 Gen2x2に対応するホスト機器が少ない
- ゲーム機の外付けストレージとしては容量単価的にメリットは薄い
「WD_BLACK P50 Game Drive SSD 1TB」を検証してみたところ、帯域20Gbpsの次世代規格USB3.2 Gen2x2接続に対応ということもあって、同規格をサポートするUSB端子を搭載した2020年最新マザーボードと組み合わせると基礎的なベンチマークでは2GB/sを超えるアクセススピードを発揮しました。
実際のファイルコピーにおいても、50GBの動画ファイルや80GBのゲームフォルダのコピーにおいて、「WD_BLACK P50 Game Drive SSD 1TB」のUSB3.2 Gen2x2接続は、現在普及している中では最も早いUSB3.1 Gen2接続の外付けストレージよりも30~40%程度も高いパフォーマンスを発揮します。
USB3.2 Gen2x2接続はまだ利用できる環境の限られた規格ですが、AMD第3世代Ryzen Threadripperに対応するTRX40マザーボードやIntel第10世代Core-Xに対応するX299マザーボードなら標準搭載しているものも少なくないので、実際のところ導入はそれほど難しくないと思います。
大容量データを高速に取り扱うことが可能な「WD_BLACK P50 Game Drive SSD 1TB」はクリエイター向けで特にオススメなモバイルストレージです。
またUSB3.1 Gen2など最新規格に対応していても内蔵SSDが古くて性能が微妙というケースは割とよくあるのですが、「WD_BLACK P50 Game Drive SSD 1TB」では内蔵SSDとして自作PC向けに同社から市販されている「WD Black SN750 NVMe SSD」が採用されているのが公表されているところも魅力です。連続読み出し3.5GB/s、連続書き込み3.0GB/s、SLCキャッシュ超過時でも連続書き込み1.5GB/sという優れた性能により、USB3.2 Gen2x2変換に対して内蔵SSDが性能のボトルネックになることがありません。
一方で「WD_BLACK P50 Game Drive SSD 1TB」をコンソールゲーム機との互換性もアピールされており外付けのゲームインストール先として活用することでゲームのロード時間をベストケースでは半分以下など大幅に短縮できますが、PS4やXbox OneのUSB規格はUSB3.0なので次世代規格に対応しNVMe SSDを内蔵した同製品を使用するのはコストパフォーマンス的に微妙です。コンソールゲーム機の外付けストレージとして使用するのであれば、USB3.0対応SATA SSD変換を選択するのが容量単価的にベストだと思います。
以上、「WD_BLACK P50 Game Drive SSD 1TB」のレビューでした。
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(注:記事内で参考のため記載された商品価格は記事執筆当時のものとなり変動している場合があります)
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