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2スロット占有3連ファンの大型高性能GPUクーラー搭載ながらコストパフォーマンスに優れるGeForce RTX 2070グラフィックボード「MSI GeForce RTX 2070 TRI FROZR」をレビューします。RTX 20XX SUPERシリーズの登場で終売に向かいつつあるGeForce RTX 2070がまだ現役で通用するのか、GeForce RTX 2060 SUPERやRadeon RX 5700と比較検証していきます。

製品公式ページ:https://jp.msi.com/Graphics-card/GeForce-RTX-2070-TRI-FROZR
MSI GeForce RTX 2070 TRI FROZR レビュー目次
1.MSI GeForce RTX 2070 TRI FROZRの外観
2.MSI GeForce RTX 2070 TRI FROZRの分解
3.MSI GeForce RTX 2070 TRI FROZRの検証機材
4.MSI GeForce RTX 2070 TRI FROZRのゲーム性能
5.MSI GeForce RTX 2070 TRI FROZRの温度・消費電力・ファンノイズ
6.MSI GeForce RTX 2070 TRI FROZRのレビューまとめ
【機材協力:MSI】
MSI GeForce RTX 2070 TRI FROZRの外観
早速、MSI GeForce RTX 2070 TRI FROZRを開封していきます。外パッケージの中には黒色段ボールの内パッケージが入っており、マニュアル類の入った紙製ケースとスポンジ蓋を外すと、スポンジスペーサー&静電防止エアパッキン袋という一般的な梱包でグラフィックボード本体が鎮座していました。


「MSI GeForce RTX 2070 TRI FROZR」のグラフィックボード本体を見ていきます。

「MSI GeForce RTX 2070 TRI FROZR」のGPUクーラーの外装はプラスチック製で黒一色のカラーリングになっています。中央にはX字にカーボン調のシールが貼られています。

側面にはGeForce RTXのロゴが白字で描かれているだけでLEDイルミネーション等はなくシンプルなデザインです。

MSI GeForce RTX 2070 TRI FROZRは全長304mmでRTX 2070グラフィックボードとしてはかなり長尺です。

「MSI GeForce RTX 2070 TRI FROZR」は基板とGPUクーラーがPCIブラケットから35mmほどはみ出しているのでPCケースとの干渉は十分に注意してください。PCケースとの干渉ではグラフィックボードの背の高さは長さに比べて見落としやすいポイントです。

「MSI GeForce RTX 2070 TRI FROZR」のGPUクーラーには90mm径の冷却ファンが3基搭載されています。右側の1基の90mmファン、左側と中央の2基の90mmファンは2系統で個別に制御が可能です。

RTX 2070のオリファンモデルの中には3スロット占有クーラーを採用しているモデルも少なくはありませんが、「MSI GeForce RTX 2070 TRI FROZR」は300mmの長尺ながら2スロット占有に収まっています。


「MSI GeForce RTX 2070 TRI FROZR」の補助電源数はRTX 2070のリファレンス仕様であるPCIE 8PIN*1を上回る、PCIE 8PIN+6PINが実装されています。
補助電源部分のPCB基板は切り込みで引っ込んでいるので補助電源ケーブルを装着しても補助電源端コネクタやケーブルとPCケースの干渉が発生し難い構造になっています。ただ切込みの深さは10mmほどで補助電源コネクタはカバーできていますが、ケーブルがはみ出すのでPCケースサイドパネルの干渉回避を考えると、もう10mmほど切込みは深めの方がよかったと思います。

「MSI GeForce RTX 2070 TRI FROZR」のPCI-E端子、各種ビデオ出力には黒色の保護カバーが装着されています。

「MSI GeForce RTX 2070 TRI FROZR」のビデオ出力はHDMI2.0×1、DisplayPort1.4×3の計4基が実装されています。

「MSI GeForce RTX 2070 TRI FROZR」には基板の反りを防止し、GPUコアの冷却を補助するバックプレートが搭載されています。ヘアラインアルミニウム仕上げで、MSIや同社のゲーミングブランドを象徴するドラゴンロゴが描かれています。

なおグラフィックボードの重量はGeForce RTX 2070 Founders Editionが966g、MSI GeForce RTX 2070 TRI FROZRが1173gに対して、MSI GeForce RTX 2070 TRI FROZRは979gとなっており、RTX 2070グラフィックボードとしてサイズの割に意外と軽量です。



バックプレート等で基板の反りは防止されていますが、重量はほぼ1kgなのでPCI-Eスロットへの負荷を考えるとVGAサポートステイなどで垂れ下がりを防止したほうがいいかもしれません。
MSI GeForce RTX 2070 TRI FROZRの分解
「MSI GeForce RTX 2070 TRI FROZR」を分解してGPUクーラーやグラフィックボード基板についてチェックしていきます。なお今回はレビュー用サンプル提供先の協力のもと特別に許可を頂いて分解を行っております。GPUクーラーの取り外し(分解行為)はグラフィックボードの正規保証の対象外になる行為です。今回はレビューのために分解しておりますが、繰り返しますが保証対象外になるので基本的には非推奨の行為なのでご注意下さい。
MSI GeForce RTX 2070 TRI FROZRのGPUクーラーは基板裏面のコア周辺4カ所のネジ4つで固定されていました。またバックプレートとミドルプレートが、バックプレート上の10カ所およびPCIEブラケット側の2か所の計12個のネジで固定されています。

GPUコア周辺の4か所のネジを外すとGPUクーラーは容易に取り外しができます。GPUクーラー本体を取り外すと、保護プレートが装着されたグラフィックボード基板が現れます。

「MSI GeForce RTX 2070 TRI FROZR」はミドルプレートとバックプレートに挟まれた2重構造でしっかりと保護されているのでGPUクーラーや自重の負荷に負けて基板が反る心配はありません。

VRM電源部分で最も発熱の大きいMOSFETはGPUクーラー本体のヒートシンクではなく、ミドルプレートとサーマルパッド経由で接触しており、ミドルプレートはVRM電源ヒートシンクとしての役割も果たします。

「MSI GeForce RTX 2070 TRI FROZR」のバックプレートについてはグラフィックボード基板の補強や装飾目的に加えて、GPUコアとVRAMの背面にサーマルパッドが貼り付けられており放熱板としての役割も果たします。金属製プレートなので短絡防止のため絶縁シートが貼られています。

ミドルプレートを取り外すとグラフィックボード基板が現れます。「MSI GeForce RTX 2070 ARMOR 8G」にはMSIが独自に設計したオリジナル基板が採用されています。MSI GeForce RTX 2070 GAMING Z 8Gなど上位モデルと共通の基板ですが、VRM電源フェーズが一部無効化されてコストカットが施されています。

RTX 2070のファクトリーOCモデルではGPUコアに「TU106-400A-A1」が使用されていますが、「MSI GeForce RTX 2070 TRI FROZR」はリファレンス仕様モデルなのでGPUコアには「TU106-400-A1」が使用されています。GDDR6メモリはMicron、Samsung、SK Hynixなどがすでに量産を行っていますが、今回入手した「MSI GeForce RTX 2070 ARMOR 8G」にはMicron製の8GbのGDDR6メモリチップが搭載されています。

「MSI GeForce RTX 2070 TRI FROZR」のVRM電源フェーズ数は8(6+2)フェーズでした。

「MSI GeForce RTX 2070 TRI FROZR」のGPUクーラー本体をチェックすると、GPUコアと接する部分は銅製ベースプレートが採用され、ベースコアからは3本の銅製ヒートパイプが伸び、アルミニウム製放熱フィンが2スロットスペース内に展開されています。

GPUコアと接する部分には冷却性能に定評のある銅製ベースプレートが採用されています。ベースプレートからは同じく銅製のヒートパイプが3本伸びています。またGPUコア周辺のVRAMチップはアルミニウム製プレートとサーマルパッドを介してヒートシンク本体で直接冷却する構造です。

「MSI GeForce RTX 2070 TRI FROZR」のGPUクーラーは外装から見ると全長300mm超で非常に巨大ですが中のヒートシンク放熱フィンは意外とコンパクトでした。

MSI GeForce RTX 2070 TRI FROZRの検証機材
外観やハードのチェックはこのあたりにして早速、「MSI GeForce RTX 2070 TRI FROZR」を検証用の機材に組み込みました。テストベンチ機の構成は次のようになっています。テストベンチ機の構成 | ||
ベンチ機1![]() |
ベンチ機2![]() |
|
OS | Windows10 Home 64bit | |
CPU |
Intel Core i9 9900K(レビュー) Core/Cache:5.1/4.7GHz, 1.300V 殻割り&クマメタル化(レビュー) |
Intel Core i7 7700K (レビュー) |
CPUクーラー |
Fractal Design Celsius S36(レビュー) Noctua NF-A12x25 PWM (レビュー) |
ASUS ROG RYUO 120 (レビュー) |
M/B | ASUS WS Z390 PRO (レビュー) |
ASUS ROG MAXIMUS IX FORMULA (レビュー) |
メインメモリ | G.Skill Trident Z Black F4-4400C19D-16GTZKK DDR4 8GB*2=16GB (レビュー) 4000MHz, CL17-17-17-37-CR2 |
G.Skill Trident Z F4-3600C15D-16GTZ DDR4 8GB*2=16B (レビュー) |
システム ストレージ |
Samsung SSD 860 EVO M.2 1TB (レビュー) |
Samsung 860 PRO 256GB (レビュー) |
データストレージ |
Samsung SSD 860 QVO 4TB (レビュー) | |
電源ユニット |
Corsair HX1200i (レビュー) Corsair RM650i |
Thermaltake Toughpower iRGB PLUS 1250W Titanium (レビュー) |
PCケース/ ベンチ板 |
STREACOM BC1 (レビュー) |
Cooler Master MASTERCASE MAKER 5t (レビュー) NZXT Aer F 140 3基(レビュー) |

ベンチ機のゲームデータストレージには、世界初のQLC NANDメモリ採用2.5インチSATA SSD「Samsung SSD 860 QVO 4TB」を使用しています。「Samsung SSD 860 QVO 4TB」は現行最新かつ主流なTLC型NAND採用のSATA3.0 SSDと同等のアクセススピードを実現しながら、同社の定番モデルである860 EVOの4TBモデルよりも大幅に安価なので、PCゲーム100GB超時代でも容量不足の心配無用なゲームデータストレージとしてオススメのSSDです。
・「Samsung SSD 860 QVO 4TB」をレビュー

「GeForce RTX 2070」のスペックについて簡単に確認しておきます。
まず「GeForce RTX 2070」はCUDAコア数が2304、ベースクロックが1410MHz、ブーストクロックが1620MHzであり、VRAMには14Gbpsの8GB GDDR6を搭載しています。マイナーアップデート版のRTX SUPERシリーズと比較すると、RTX 2070 SUPERよりも10%弱遅く、RTX 2060 SUPERよりも数%高速という性能です。
NVIDIA GeForce RTX 2070 のスペック一覧 | ||||
GPU名 | RTX 2070 SUPER |
RTX 2070 | RTX 2060 SUPER |
RTX 2060 |
GPUダイ | TU104-410 | TU106-400 | TU106-410 | TU106-300 |
製造プロセス | 12nm FinFET | 12nm FinFET | 12nm FinFET | 12nm FinFET |
CUDAコア | 2560 | 2304 | 2176 | 1920 |
TMU/ROP | 184/64 | 144/64 | 136/48 |
120/48 |
RTコア | 40 | 36 | 32 |
30 |
Tensorコア | 320 | 288 | 272 | 240 |
ベースクロック | 1605MHz | 1410MHz | 1470 MHz | 1365MHz |
ブーストクロック (FE) |
1770MHz (") |
1620MHz (1710MHz) |
1650 MHz (") |
1680MHz (") |
メモリ | 8GB GDDR6 | 8GB GDDR6 | 8GB GDDR6 | 6GB GDDR6 |
バス幅 | 256-bit | 256-bit | 256-bit | 192-bit |
メモリクロック | 3500 MHz | 3500 MHz | 3500 MHz | 3500 MHz |
有効メモリクロック | 14000 MHz | 14000 MHz | 14000 MHz | 14000 MHz |
メモリ帯域 | 448 GB/s | 448 GB/s | 448 GB/s | 336 GB/s |
補助電源 | 8PIN+6PIN~ |
8PIN~ | 8PIN~ | 8PIN~ |
TDP / TGP (FE) |
215W | 175W (FE:185W) |
175W |
160W |
登場時期 |
19年7月 |
18年10月 | 19年7月 | 19年1月 |
価格 | 499ドル |
499ドル~ | 399ドル | 349ドル~ |
「MSI GeForce RTX 2070 TRI FROZR」はリファレンス仕様の通りにブーストクロックは1620MHz、またパワーリミット(TDP)も175Wに設定されています。リファレンススペックのまま高性能な大型GPUクーラーを搭載したモデルと言う感じです。


MSI GeForce RTX 2070 TRI FROZRのゲーム性能
「MSI GeForce RTX 2070 TRI FROZR」の性能を測るべく各種ベンチマークを実行しました。性能比較には「GeForce RTX 2060 SUPER Founders Edition」、「GeForce RTX 2060 Founders Edition」、「玄人志向 Radeon RX 5700 RD-RX5700-E8GB/DF」、「GeForce GTX 1080 Ti Founders Edition」、「EVGA GeForce GTX 1080 SC2」、「EVGA GeForce GTX 1070 SC ACX3.0」を使用しています。
「MSI GeForce RTX 2070 TRI FROZR」を含めた各グラフィックボードについて、3DMarkで現在主流なDirectX11のベンチマーク「FireStrike」による比較になります。
![]() | |||
FireStrike | Extreme | Ultra | |
RTX 2070 MSI TRI FROZR |
22072 | 10541 | 5186 |
RTX 2060 SUPER FE | 22876 | 10868 | 5356 |
RTX 2060 FE | 19258 | 8990 | 4181 |
Radeon RX 5700 | 23998 | 11388 | 5734 |
GTX 1080 Ti FE |
27344 | 13617 | 6781 |
GTX 1080 | 22049 | 10602 | 5311 |
GTX 1070 | 17917 | 8477 | 4252 |
「MSI GeForce RTX 2070 TRI FROZR」を含めた各グラフィックボードについて、3DMarkのDirectX12ベンチマーク「TimeSpy」による性能比較となります。
![]() |
|||
TimeSpy | Async Off |
Extreme | |
RTX 2070 MSI TRI FROZR |
8676 | 8206 | 4059 |
RTX 2060 SUPER FE |
8933 | 8270 | 4173 |
RTX 2060 FE |
7561 | 7071 | 3450 |
Radeon RX 5700 |
7910 | 7219 | 3571 |
GTX 1080 Ti FE | 9542 |
8831 | 4425 |
GTX 1080 |
7505 | 7151 | 3410 |
GTX 1070 | 5954 | 5711 | 2761 |
「MSI GeForce RTX 2070 TRI FROZR」を含めた各グラフィックボードについて、17年中頃から普及しつつあるHTC VIVEやOculus RiftなどVR HMDを使用したVRゲームに関する性能を測定する最新ベンチマーク「VRMark」による性能比較となります。
![]() |
|||
Orange Room |
Cyan Room |
Blue Room |
|
RTX 2070 MSI TRI FROZR |
12212 | 8595 | 2684 |
RTX 2060 SUPER FE |
12142 | 8655 | 2784 |
RTX 2060 FE |
11452 | 7776 | 2379 |
Radeon RX 5700 |
11891 | 7975 | 2195 |
GTX 1080 Ti FE | 13084 | 8409 | 3028 |
GTX 1080 |
11630 | 6648 | 2285 |
GTX 1070 | 9852 | 5338 | 1791 |
続いて2019年最新の実PCゲームを用いたベンチマークになります。同一のグラフィック設定で同一のシーンについてフルHDとWQHDの2種類の解像度で平均FPSを比較しました。
ベンチマーク測定を行ったゲームタイトルは、Anthem(ウルトラ設定プリセット)、Assassin's Creed Odyssey(最高設定プリセット)、Battlefield V(最高設定プリセット, DirectX12)、CONTROL(最高設定プリセット, DirectX11)、Destiny 2(最高設定プリセット)、The Division 2(ウルトラ設定プリセット, DirectX11)、Far Cry 5(最高設定プリセット&TAA)、Final Fantasy XV(最高設定プリセット、NVIDIA GameWorks無効)、Gears 5(最高設定プリセット)、Ghost Recon Wildlands(ウルトラ設定から以下を変更、ターフエフェクト:オフ/ゴッドレイ:オン/ロングレンジシャドウ:オン)、Metro Exodus(エクストリーム設定プリセット, DirectX11)、MONSTER HUNTER: WORLD(最高設定プリセット)、Shadow of the Tomb Raider(最高設定プリセット, DirectX12)、Middle-Earth: Shadow of War(ウルトラ設定プリセット)、The Witcher 3(個別設定を全て最高設定)以上の15タイトルです。

Anthem(ウルトラ設定プリセット)に関する「MSI GeForce RTX 2070 TRI FROZR」を含めた各グラフィックボードのベンチマーク結果です。

Assassin's Creed Odyssey(最高設定プリセット)に関する「MSI GeForce RTX 2070 TRI FROZR」を含めた各グラフィックボードのベンチマーク結果です。

Battlefield V(最高設定プリセット, DirectX12)に関する「MSI GeForce RTX 2070 TRI FROZR」を含めた各グラフィックボードのベンチマーク結果です。

CONTROL(最高設定プリセット, DirectX11)に関する「MSI GeForce RTX 2070 TRI FROZR」を含めた各グラフィックボードのベンチマーク結果です。

Destiny 2(最高設定プリセット)に関する「MSI GeForce RTX 2070 TRI FROZR」を含めた各グラフィックボードのベンチマーク結果です。

The Division 2(ウルトラ設定プリセット, DirectX11)に関する「MSI GeForce RTX 2070 TRI FROZR」を含めた各グラフィックボードのベンチマーク結果です。

Far Cry 5(最高設定プリセット&TAA)に関する「MSI GeForce RTX 2070 TRI FROZR」を含めた各グラフィックボードのベンチマーク結果です。

Final Fantasy XV(最高設定プリセット、NVIDIA GameWorks無効)に関する「MSI GeForce RTX 2070 TRI FROZR」を含めた各グラフィックボードのベンチマーク結果です。

Gears 5(最高設定プリセット)に関する「MSI GeForce RTX 2070 TRI FROZR」を含めた各グラフィックボードのベンチマーク結果です。

Ghost Recon Wildlands(ウルトラ設定から以下を変更、ターフエフェクト:オフ/ゴッドレイ:オン/ロングレンジシャドウ:オン)に関する「MSI GeForce RTX 2070 TRI FROZR」を含めた各グラフィックボードのベンチマーク結果です。

Metro Exodus(エクストリーム設定プリセット, DirectX11)に関する「MSI GeForce RTX 2070 TRI FROZR」を含めた各グラフィックボードのベンチマーク結果です。

MONSTER HUNTER: WORLD(最高設定プリセット)に関する「MSI GeForce RTX 2070 TRI FROZR」を含めた各グラフィックボードのベンチマーク結果です。

Shadow of the Tomb Raider(最高設定プリセット, DirectX12)に関する「MSI GeForce RTX 2070 TRI FROZR」を含めた各グラフィックボードのベンチマーク結果です。

Middle-Earth: Shadow of War(ウルトラ設定プリセット)に関する「MSI GeForce RTX 2070 TRI FROZR」を含めた各グラフィックボードのベンチマーク結果です。

The Witcher 3(個別設定を全て最高設定)に関する「MSI GeForce RTX 2070 TRI FROZR」を含めた各グラフィックボードのベンチマーク結果です。

MSI GeForce RTX 2070 TRI FROZRなどの7種類のGPUについて実ゲーム性能の比率の平均を出してみたところ、MSI GeForce RTX 2070 TRI FROZRは前世代同クラスのGeForce GTX 1070より30%以上も高速、前世代上位クラスのGTX 1080を上回るという結果になりました。
RTX SUPERシリーズの登場と共にRTX 2070は終売に向かっていますが、無印版とSUPERのGPUアーキテクチャは完全に同じなので、細かいことは気にせずにRTX 2060 SUPER相当のGPUと考えれば大丈夫です。GeForce RTX 2070はハードウェアスペックから推察できる通りRTX 2060無印版を15%程度上回るので、2019年下半期以降にリリースされる最新高画質PCゲームをフルHD解像度/ハイフレームレートやWQHD解像度/高画質設定でプレイするのに最適なGPUです。

MSI GeForce RTX 2070 TRI FROZRの温度・消費電力・ファンノイズ
MSI GeForce RTX 2070 TRI FROZRの負荷時のGPU温度やファンノイズや消費電力についてチェックしていきます。「MSI GeForce RTX 2070 TRI FROZR」のGPU温度とファンノイズの検証負荷としては20分間に渡たり連続してGPUに100%近い負荷をかける3DMark TimeSpy Stress Testを使用しています。

MSI GeForce RTX 2070 TRI FROZRのテスト終盤におけるGPU温度は最大66度に収まっていますが、ファン回転数は最大1800RPM程度とやや高めです。GPU温度には余裕があるので静音性を重視して1400RPM以下に収まるようなファン速度チューニングになっていた方がよかったと思います。

「MSI GeForce RTX 2070 TRI FROZR」はセミファンレス機能に対応しており、GPU温度62度前後が始動閾値、GPU温度48度前後が停止閾値でヒステリシスも採用されています。閾値前後でファンの始動・停止がピタッと切り替わっており、セミファンレスの制御回りも良くできているのですが、始動時に瞬間的に2400RPM超までファン回転数が上がって、ブンッとファンノイズ生じるところは玉に瑕でした。
GPUコアクロックについては「MSI GeForce RTX 2070 TRI FROZR」の仕様値ではブースト1620MHzとなっていましたが、負荷テスト中の実動平均は1749MHzでした。

MSI GeForce RTX 2070 TRI FROZRを含めていくつかのグラフィックボードについてサウンドレベルメーターを利用してゲーム負荷時のノイズレベルを測定・比較しました。ノイズレベルの測定には「サンワダイレクト 400-TST901A」を使用しています。

電源OFF時の騒音値は33~35dBです。目安として40dBを超えたあたりからファンノイズがはっきりと聞こえるようになり、45dB前後で煩く感じます。50dBを超えてくるとヘッドホンをしていても煩く感じます。同じ騒音値でも周波数(ファン回転数)が高いほど体感としては大きな音に感じやすく、また不快に感じたり感じなかったりは音の性質(細かい乱高下の有無や軸ブレ)にもよるので注意してください。
ノイズレベルの測定結果は次のようになっています。
MSI GeForce RTX 2070 TRI FROZRのファンノイズは、1800RPMというやや高めなファン回転数の通りノイズレベルも46.4dBとやや高めの数値を示しています。3連ファンの大型GPUクーラーを搭載していて上のストレステストの結果のようにGPUも十分に冷えているのですが、ファン速度のチューニングが静音性重視になっていないようです。GPUクーラーの冷却性能自体は問題ないので、ファン速度をMSI AfterBurner等のチューニングアプリで最大1400RPM以下になるよう落としてやれば、静音動作で運用できるはずです。

【注意】 ファンノイズの比較グラフではレビュー製品と同等のGPUを搭載したグラフィックボードと各GPUのリファレンスモデルを抜粋して掲載しています。AMDが従来通り外排気GPUクーラーであるのに対し、NVIDIAのリファレンスモデルであるFounders Editionが内排気GPUクーラーを採用したため、NVIDIA<AMDという傾向になっていますが、あくまで静音性はGPUの消費電力とGPUクーラーの性能によります。同グラフからAMD製GPUを搭載したグラフィックボードが一般的にNVIDIA製GPUを搭載したグラフィックボードより煩いと考えるのは誤った評価なので注意してください。
MSI GeForce RTX 2070 TRI FROZRの消費電力と瞬間的な最大電源負荷を測定しました。
測定負荷には上で行った温度検証と同様に3DMark TimeSpy ストレステストを使用しています。テスト全体から1秒間隔でモニタリングを行い、平均値を”消費電力”、最大値を”瞬間的な最大電源負荷”とします。なお電源ユニットに対する実際の最大瞬間負荷は測定値より50~100W上回る場合があるので、電源ユニットの電源容量選択の参考にする場合は注意してください。
消費電力の測定は電源ユニット「Corsair HX1200i」のCorsair Linkによる電力ログ機能を用いてコンセントからの入力ではなく変換ロスを差し引いたシステムへの出力電力をチェックしています。また電力測定の際は上記の主電源ユニットに加えて、CPUへの電力供給を行うEPS端子へ接続するために別の副電源ユニットを使用しています。
この方法であれば、CPU(後述のiGPUも)に負荷をかけても、CPUによる消費電力の変動はメイン電源ユニットCorsair HX 1200iの測定値には影響しません。しかしながら、測定値にはまだATX24PIN経由で供給されるマザーボードやDDR4メモリの電力が含まれるので、iGPUを使用した時の3DMark TimeSpy ストレステスト中の消費電力と最大電源負荷を同様に測定し、各種グラフィックボード使用時と差分を取る形でグラフィックボード単体の消費電力と最大電源負荷を算出します。

MSI GeForce RTX 2070 TRI FROZRの消費電力は161W、最大瞬間負荷は203Wでした。MSI GeForce RTX 2070 TRI FROZRのTDP(パワーターゲット)は175Wに設定されており、実測値が若干低めではありますが仕様値通りの消費電力になっていると思います。
「MSI GeForce RTX 2070 TRI FROZR」のグラフィック性能はマイナーアップデート版のRTX 2060 SUPERと同等ですが、”多コアをゆっくり”が高ワッパの鉄則なので、RTX 2060 SUPERよりも低い消費電力を実現しています。より低い消費電力で同性能を発揮できるので、高い静音性を追求するという点で、新モデルRTX 2060 SUPERではなく無印版のRTX 2070を選択する価値はあると思います。

MSI GeForce RTX 2070 TRI FROZR レビューまとめ
最後に「MSI GeForce RTX 2070 TRI FROZR」を検証してみた結果のまとめを行います。簡単に箇条書きで以下、管理人のレビュー後の所感となります。良いところ
- 最新PCゲームをフルHD/高FPSやWQHD/高画質でプレイ可能なグラフィック性能
- GTX 1070を30%以上も上回り、GTX 1080も超えるグラフィック性能
- RTX 2060 SUPERより低い消費電力で、同等のグラフィック性能
- 高冷却性能な2スロット占有3連ファンの大型GPUクーラーを搭載
- RTX 2060 SUPERと同等の5万円を切る価格(2020年2月現在)
- 全長304mm、PCIEブラケットより35mm背難いなど、サイズが大きい
- ファンチューニングが微妙なので、静音性を重視する場合は手動設定がオススメ
GeForce RTX 2070は前世代で同クラス製品のGeForce GTX 1070よりも30%以上、GeForce GTX 1080よりも10%程度の高速化を果たしており、マイナーアップデートとなるGeForce RTX 2060 SUPERを僅かに上回るグラフィック性能を発揮します。フルHD/144FPSのハイフレームレートゲーミングやWQHD解像度における高画質なPCゲーミングに対応できる性能を備えています。

GeForce RTX 2070は2020年現在、手ごろな価格で普及しつつあるWQHD/144HzのIPS液晶ゲーミングモニタと組み合わせて高画質・ハイフレームレートなPCゲーミング入門に最適なGPUの1つです。
WQHD/144HzのIPS液晶ゲーミングモニタは色々と販売されていますが、リモコン操作&USB Type-C対応でマルチメディアに最適な「BenQ EX2780Q」、OSDクロスヘアやMBRなどゲーミング機能が豊富な「AORUS AD27QD」、同スペック製品の中でも特に高発色・高応答速度な「LG 27GL850-B」は当サイトでもレビューを公開していてオススメなモデルです。

RTX 20XX SUPERシリーズの登場と共にRTX 2070無印版は終売に向かいつつありますが、GPUアーキテクチャ自体は共通なので、RTX 20XX SUPERシリーズが主流になっている2020年以降でもRTX 2070は問題なく通用するGPUです。
北米希望小売価格的にはRTX 0206 SUPERは100ドル安価になったRTX 2070という位置づけですが、RTX 2060 SUPERはいずれも5万円を少し切る程度の価格からとなっており、「MSI GeForce RTX 2070 TRI FROZR」に関しては性能と価格の両面で今のところRTX 2060 SUPER≒RTX 2070なので、5万円台からのミドルハイクラスGPUを狙っているのであれば、RTX 2060 SUPERの代わりに検討する価値は十分にあると思います。

「MSI GeForce RTX 2070 TRI FROZR」について、GPUスペック自体はBIOS設定を含めてGeForce RTX 2070のリファレンススペック通りとなっており、シンプルに高性能な3連ファン大型GPUクーラーを搭載したRTX 2070オリファンモデルです。
GPUクーラーの冷却性能自体は流石のMSIと言うべきか、ミドルハイクラスGPUのRTX 2070をしっかりと冷やせていて問題ないのですが、ファン速度のチューニングが冷却性能寄りなためファンノイズが若干大きいです。GPU温度的には70~80度に収まれば問題ないので、「MSI GeForce RTX 2070 TRI FROZR」で静音性を追求したい人は、純正チューニングアプリのMSI AfterBurnerを使用してファン速度を適度に(最大1200~1400RPM程度に収まるように)落としてみてください。
以上、「MSI GeForce RTX 2070 TRI FROZR」のレビューでした。

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(注:記事内で参考のため記載された商品価格は記事執筆当時のものとなり変動している場合があります)
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