スポンサードリンク
従来比1.5倍の高速帯域12GbpsのGDDR6メモリを搭載したGTX1650アップデートモデル「ZOTAC GAMING GeForce GTX 1650 OC GDDR6(型番:ZT-T16520F-10L)」をレビューします。フルHD解像度/標準画質設定のPCゲーミングに最適なNVIDIA Turing世代エントリークラスGPUである「GeForce GTX 1650 GDDR6」が、GDDR5搭載の初期GTX 1650や、前世代同クラスで補助電源レスGPU上位モデルであるGeForce GTX 1050 Tiに対して、どの程度の性能が発揮できるのか実ゲームベンチマークで徹底比較します。
製品公式ページ:https://www.zotac.com/jp/product/graphics_card/zotac-gaming-geforce-gtx-1650-oc-gddr6
ZOTAC GAMING GeForce GTX 1650 OC GDDR6
<TSUKUMO><PCショップアーク><ドスパラ>
<パソコン工房><ソフマップ><ビックカメラ>
ZOTAC
Amazon.co.jp で詳細情報を見る<TSUKUMO><PCショップアーク><ドスパラ>
<パソコン工房><ソフマップ><ビックカメラ>
ZOTAC GAMING GeForce GTX 1650 OC GDDR6 レビュー目次
1.ZOTAC GAMING GeForce GTX 1650 OC GDDR6の外観
2.ZOTAC GAMING GeForce GTX 1650 OC GDDR6の分解
3.ZOTAC GAMING GeForce GTX 1650 OC GDDR6の検証機材
4.ZOTAC GAMING GeForce GTX 1650 OC GDDR6のゲーム性能
5.ZOTAC GAMING GeForce GTX 1650 OC GDDR6の温度・消費電力・ファンノイズ
6.ZOTAC GAMING GeForce GTX 1650 OC GDDR6のレビューまとめ
【機材協力:ZOTAC Japan】
ZOTAC GAMING GeForce GTX 1650 OC GDDR6の外観
早速、ZOTAC GAMING GeForce GTX 1650 OC GDDR6を開封していきます。N式箱のパッケージを開くと、パルプモールド製スペーサーの中央に静電防止のエアパッキンビニールという一般的な梱包でグラフィックボード本体が鎮座していました。付属品はクイックマニュアルです。
「ZOTAC GAMING GeForce GTX 1650 OC GDDR6」のグラフィックボード本体を見ていきます。
「ZOTAC GAMING GeForce GTX 1650 OC GDDR6」のGPUクーラーの外装は黒色プラスチック製で、ポリゴン調の凹凸デザインとなっています。
「ZOTAC GAMING GeForce GTX 1650 OC GDDR6」のグラフィックボード側面には「ZOTAC GAMING」のロゴプレートが装着され、またクーラー外装には「GEFORCE GTX」のテキストロゴが描かれています。
「ZOTAC GAMING GeForce GTX 1650 OC GDDR6」は全長151mmでGTX 1650グラフィックボードでは主流なショート基板になっています。Mini-ITXマザーボードに組み込んでもマザーボード基板からグラフィックボードがほぼはみ出すことのない、Mini-ITX完全対応なグラフィックボードです。
「ZOTAC GAMING GeForce GTX 1650 OC GDDR6」は基板とGPUクーラーがPCIブラケットの高さとほぼ同じ背の低いデザインです。
「ZOTAC GAMING GeForce GTX 1650 OC GDDR6」のGPUクーラーには1基の90mm径の冷却ファンが搭載されています。
「ZOTAC GAMING GeForce GTX 1650 OC GDDR6」の厚みは2スロット占有です。
「ZOTAC GAMING GeForce GTX 1650 OC GDDR6」はリファレンス仕様と同じコアクロックで動作するモデルですが、リファレンスと同じく補助電源が不要です。
ZOTAC GAMING GeForce GTX 1650 OC GDDR6のビデオ出力はHDMI2.0、DisplayPort1.4、DVI-Dの3基が実装されています。エントリークラスGPUのビデオ出力としては標準的な構成です。
ZOTAC GAMING GeForce GTX 1650 OC GDDR6はショート基板なので基板の反りを防止する必要はありませんが、基板の背面保護や放熱の補助の役割を果たすバックプレートは非搭載です。
なおグラフィックボードの重量はMSI GeForce GTX 1650 AERO ITX 4G OCが371g、Palit GeForce GTX 1660 6GB StormX OCが406gに対して、ZOTAC GAMING GeForce GTX 1650 OC GDDR6は354gとなっており、GTX 1650グラフィックボードとしてはコンパクトなサイズのとおり軽量です。
ちなみにGDDR5メモリを搭載する初期版と比較すると、「ZOTAC GAMING GeForce GTX 1650 OC GDDR6」の違いはパッケージのメモリ規格の印刷や製品シールだけで、パッと見で見分けられる差はありません。
ZOTAC GAMING GeForce GTX 1650 OC GDDR6の分解
ZOTAC GAMING GeForce GTX 1650 OC GDDR6を分解してGPUクーラーやグラフィックボード基板についてチェックしていきます。なお今回はレビュー用サンプル提供先の協力のもと特別に許可を頂いて分解を行っております。GPUクーラーの取り外し(分解行為)はグラフィックボードの正規保証の対象外になる行為です。今回はレビューのために分解しておりますが、繰り返しますが保証対象外になるので基本的には非推奨の行為なのでご注意下さい。
ZOTAC GAMING GeForce GTX 1650 OC GDDR6のGPUクーラーは基板裏面のコア周辺4カ所のネジ4個で固定されていました。
4か所のネジを外すとGPUクーラーは容易に取り外しができます。
「ZOTAC GAMING GeForce GTX 1650 OC GDDR6」にはZOTACが独自に設計したオリジナル基板が採用されています。
GeForce GTX 1650のGPUコアにはTU117-300-A1が使用されていました。GDDR6メモリはMicron、Samsung、SK Hynixなどがすでに量産を行っていますが、今回入手した「ZOTAC GAMING GeForce GTX 1650 OC GDDR6」にはMicron製の8GbのGDDR6メモリチップが搭載されています。
「ZOTAC GAMING GeForce GTX 1650 OC GDDR6」のVRM電源フェーズ数は3(2+1)フェーズでした。VRM電源の冷却については、冷却ファンの風が当たるだけでヒートシンクとは接していません。
「ZOTAC GAMING GeForce GTX 1650 OC GDDR6」のGPUクーラー本体をチェックすると、銅製ヒートパイプやフィンアレイ型放熱フィンは採用されておらず、アルミニウム塊型のヒートシンクで、直接にGPUコアと接する構造です。VRAMチップやVRM電源回路には一切接していません。
ZOTAC GAMING GeForce GTX 1650 OC GDDR6の検証機材セットアップ
外観やハードのチェックはこのあたりにして早速、ZOTAC GAMING GeForce GTX 1650 OC GDDR6を検証用の機材に組み込みました。テストベンチ機の構成は次のようになっています。テストベンチ機の構成 | ||
ベンチ機1 |
ベンチ機2 |
|
OS | Windows10 Home 64bit | |
CPU |
Intel Core i9 9900K(レビュー) Core/Cache:5.1/4.7GHz, 1.300V 殻割り&クマメタル化(レビュー) |
Intel Core i7 7700K (レビュー) |
CPUクーラー |
Fractal Design Celsius S36(レビュー) Noctua NF-A12x25 PWM (レビュー) |
ASUS ROG RYUO 120 (レビュー) |
M/B | ASUS WS Z390 PRO (レビュー) |
ASUS ROG MAXIMUS IX FORMULA (レビュー) |
メインメモリ | G.Skill Trident Z Black F4-4400C19D-16GTZKK DDR4 8GB*2=16GB (レビュー) 4000MHz, CL17-17-17-37-CR2 |
G.Skill Trident Z F4-3600C15D-16GTZ DDR4 8GB*2=16B (レビュー) |
システム ストレージ |
Samsung SSD 860 EVO M.2 1TB (レビュー) |
Samsung 860 PRO 256GB (レビュー) |
データストレージ |
Samsung SSD 860 QVO 4TB (レビュー) | |
電源ユニット |
Corsair HX1200i (レビュー) Corsair RM650i |
Thermaltake Toughpower iRGB PLUS 1250W Titanium (レビュー) |
PCケース/ ベンチ板 |
STREACOM BC1 (レビュー) |
Cooler Master MASTERCASE MAKER 5t (レビュー) NZXT Aer F 140 3基(レビュー) |
ベンチ機のゲームデータストレージには、世界初のQLC NANDメモリ採用2.5インチSATA SSD「Samsung SSD 860 QVO 4TB」を使用しています。「Samsung SSD 860 QVO 4TB」は現行最新かつ主流なTLC型NAND採用のSATA3.0 SSDと同等のアクセススピードを実現しながら、同社の定番モデルである860 EVOの4TBモデルよりも大幅に安価なので、PCゲーム100GB超時代でも容量不足の心配無用なゲームデータストレージとしてオススメのSSDです。
・「Samsung SSD 860 QVO 4TB」をレビュー
「ZOTAC GAMING GeForce GTX 1650 OC GDDR6」のコアクロックはGeForce GTX 1650の定格値である1665
MHzよりも僅かに低い1620MHzに設定されています。パワーリミット(TDP)はリファレンス仕様値75Wのままなので、GDDR5よりも消費電力の高いGDDR6メモリに合わせてバランスを取るためコアクロックを下げているようです。
またGTX 1650の初期モデルはVRAMにGDDR5メモリが採用されていましたが、「ZOTAC GAMING GeForce GTX 1650 OC GDDR6」はより高速なGDDR6メモリを採用しているのでメモリ速度は1.5倍の12000MHz(GPU-Z上では1/8の1500MHz表記)となっています。
「GeForce GTX 1650」は製品仕様においてGPUエンコーダーのバージョン情報は『NVEnc(Volta)』と表記されており、Turing世代のGPUでサポートされる最新のGPUエンコーダー機能のうち、「HEVC B Frame」は非サポートです
「GeForce GTX 1650」のGPUエンコーダーのバージョンはVolta世代とのことですが、対応するデコード機能に注目してみると、Volta世代のTITAN Vが非対応のH.265 YUV 4:4:4形式にGTX 1650は対応しています。
Truing世代GPUの登場とともに高画質化・高速化のアップグレードが施されたNVEncの諸事情についてはこちらの記事で解説しているので、気になる人は参考にしてください。
・【快適配信:5】Turing&新SDKによるNVEncの高画質・高速化を解説
ZOTAC GAMING GeForce GTX 1650 OC GDDR6のゲーム性能
「ZOTAC GAMING GeForce GTX 1650 OC GDDR6」の性能を測るべく各種ベンチマークを実行しました。性能比較には「MSI GeForce GTX 1650 AERO ITX 4G OC」、「ZOTAC GAMING GeForce GTX 1660 SUPER Twin Fan」、「SAPPHIRE PULSE Radeon RX 5500 XT 8G GDDR6」、「ZOTAC GAMING GeForce GTX 1650 SUPER Twin Fan」、「EVGA GeForce GTX 1060 6GB SC ACX2.0」、「ZOTAC GeForce GTX 1050 Ti OC Edition」を使用しています。「ZOTAC GAMING GeForce GTX 1650 OC GDDR6」を含めた各グラフィックボードについて、3DMarkで現在主流なDirectX11のベンチマーク「FireStrike」による比較になります。
FireStrike | Extreme | Ultra | |
GTX 1650 ZOTAC GDDR6 |
8882 | 3875 | 1694 |
GTX 1650 | 9026 | 4000 | 1617 |
GTX 1660 SUPER | 15972 | 7119 | 3093 |
RX 5500 XT 8GB | 14342 | 6809 | 3514 |
GTX 1650 SUPER | 12163 | 5213 | 2112 |
GTX 1060 6GB | 13056 | 6256 | 3023 |
GTX 1050 Ti |
7639 | 3627 | 1780 |
「ZOTAC GAMING GeForce GTX 1650 OC GDDR6」を含めた各グラフィックボードについて、3DMarkのDirectX12ベンチマーク「TimeSpy」による性能比較となります。
TimeSpy | Async Off |
Extreme | |
GTX 1650 ZOTAC GDDR6 |
3289 | 3208 | 1501 |
GTX 1650 | 3388 | 3265 | 1505 |
GTX 1660 SUPER | 5982 | 5693 | 2725 |
RX 5500 XT 8GB | 4821 | 4350 | 2153 |
GTX 1650 SUPER | 4682 | 4518 | 2018 |
GTX 1060 6GB | 4281 | 4124 | 1950 |
GTX 1050 Ti | 2391 | 2278 | 1109 |
「ZOTAC GAMING GeForce GTX 1650 OC GDDR6」を含めた各グラフィックボードについて、17年中頃から普及しつつあるHTC VIVEやOculus RiftなどVR HMDを使用したVRゲームに関する性能を測定する最新ベンチマーク「VRMark」による性能比較となります。
Orange Room |
Cyan Room |
Blue Room |
|
GTX 1650 ZOTAC GDDR6 |
5272 | 3265 | 1028 |
GTX 1650 | 5305 | 3447 | 1061 |
GTX 1660 SUPER | 8858 | 5824 | 1812 |
RX 5500 XT 8GB | 7192 | 5142 | 1344 |
GTX 1650 SUPER | 7104 | 4810 | 1464 |
GTX 1060 6GB | 7175 | 3901 | 1291 |
GTX 1050 Ti | 4003 | 2207 | 714 |
続いて2019年最新の実PCゲームを用いたベンチマークになります。同一のグラフィック設定で同一のシーンについてフルHD解像度で平均FPSを比較しました。
ベンチマーク測定を行ったゲームタイトルは、Anthem(ウルトラ設定プリセット)、Assassin's Creed Odyssey(超高設定プリセット)、Battlefield V(最高設定プリセット, DirectX12)、CONTROL(高設定プリセット, DirectX11)、Destiny 2(最高設定プリセット)、The Division 2(ウルトラ設定プリセット, DirectX11)、Far Cry 5(最高設定プリセット&TAA)、Final Fantasy XV(最高設定プリセット、NVIDIA GameWorks無効)、Gears 5(最高設定プリセット)、Ghost Recon Wildlands(非常に高い設定プリセット)、Metro Exodus(エクストリーム設定プリセット, DirectX11)、MONSTER HUNTER: WORLD(最高設定プリセット)、Shadow of the Tomb Raider(最高設定プリセット, DirectX12)、Middle-Earth: Shadow of War(とても高い設定プリセット)、The Witcher 3(個別設定を全て最高設定)以上の15タイトルです。
Anthem(ウルトラ設定プリセット)に関する「ZOTAC GAMING GeForce GTX 1650 OC GDDR6」を含めた各グラフィックボードのベンチマーク結果です。
Assassin's Creed Odyssey(超高設定プリセット)に関する「ZOTAC GAMING GeForce GTX 1650 OC GDDR6」を含めた各グラフィックボードのベンチマーク結果です。
Battlefield V(最高設定プリセット, DirectX12)に関する「ZOTAC GAMING GeForce GTX 1650 OC GDDR6」を含めた各グラフィックボードのベンチマーク結果です。
CONTROL(高設定プリセット, DirectX11)に関する「ZOTAC GAMING GeForce GTX 1650 OC GDDR6」を含めた各グラフィックボードのベンチマーク結果です。
Destiny 2(最高設定プリセット)に関する「ZOTAC GAMING GeForce GTX 1650 OC GDDR6」を含めた各グラフィックボードのベンチマーク結果です。
The Division 2(ウルトラ設定プリセット, DirectX11)に関する「ZOTAC GAMING GeForce GTX 1650 OC GDDR6」を含めた各グラフィックボードのベンチマーク結果です。
Far Cry 5(最高設定プリセット&TAA)に関する「ZOTAC GAMING GeForce GTX 1650 OC GDDR6」を含めた各グラフィックボードのベンチマーク結果です。
Final Fantasy XV(最高設定プリセット、NVIDIA GameWorks無効)に関する「ZOTAC GAMING GeForce GTX 1650 OC GDDR6」を含めた各グラフィックボードのベンチマーク結果です。
Gears 5(最高設定プリセット)に関する「ZOTAC GAMING GeForce GTX 1650 OC GDDR6」を含めた各グラフィックボードのベンチマーク結果です。
Ghost Recon Wildlands(非常に高い設定プリセット)に関する「ZOTAC GAMING GeForce GTX 1650 OC GDDR6」を含めた各グラフィックボードのベンチマーク結果です。
Metro Exodus(エクストリーム設定プリセット, DirectX11)に関する「ZOTAC GAMING GeForce GTX 1650 OC GDDR6」を含めた各グラフィックボードのベンチマーク結果です。
MONSTER HUNTER: WORLD(最高設定プリセット)に関する「ZOTAC GAMING GeForce GTX 1650 OC GDDR6」を含めた各グラフィックボードのベンチマーク結果です。
Shadow of the Tomb Raider(最高設定プリセット, DirectX12)に関する「ZOTAC GAMING GeForce GTX 1650 OC GDDR6」を含めた各グラフィックボードのベンチマーク結果です。
Middle-Earth: Shadow of War(とても高い設定プリセット)に関する「ZOTAC GAMING GeForce GTX 1650 OC GDDR6」を含めた各グラフィックボードのベンチマーク結果です。
The Witcher 3(個別設定を全て最高設定)に関する「ZOTAC GAMING GeForce GTX 1650 OC GDDR6」を含めた各グラフィックボードのベンチマーク結果です。
ZOTAC GAMING GeForce GTX 1650 OC GDDR6など7種類のGPUについて実ゲーム性能の比率の平均を出してみたところ、ZOTAC GAMING GeForce GTX 1650 OC GDDR6は同GPUコアでGDDR6メモリを採用した初期モデルと比較して10%程度の性能向上を実現しており、同じく補助電源不要モデルで前世代同クラスのGeForce GTX 1050 Tiよりも平均で46%程度、ベストケースでは50%以上も上回る性能を発揮しました。2019年以降にリリースされる最新高画質PCゲームをフルHD解像度の標準画質、負荷が軽めのものであれば高画質設定でプレイできるグラフィック性能です。
「GeForce GTX 1650」はあくまでエントリークラスGPUなので、Turing世代のミドルクラスGPUであるGTX 1660シリーズや同GPUのマイナーアップデート版でほぼGTX 1660なGTX 1650 SUPERはもとより、前世代のGTX 1060 3GB/6GBにも及びませんが、補助電源不要という制約の中で40%以上も性能を伸ばしてきたところは評価に値すると思います。
ZOTAC GAMING GeForce GTX 1650 OC GDDR6の温度・消費電力・ファンノイズ
ZOTAC GAMING GeForce GTX 1650 OC GDDR6の負荷時のGPU温度やファンノイズや消費電力についてチェックしていきます。「ZOTAC GAMING GeForce GTX 1650 OC GDDR6」のGPU温度とファンノイズの検証負荷としては20分間に渡たり連続してGPUに100%近い負荷をかける3DMark TimeSpy Stress Testを使用しています。
ZOTAC GAMING GeForce GTX 1650 OC GDDR6のテスト終盤におけるGPU温度は最大55度で、コンパクトサイズのGPUクーラーながら非常に低い温度に収まっていますが、ファン回転数を測定してみたところ(ソフトウェアモニタリング非対応なので物理的にタコメーターで測定)、2200RPMという比較的高い回転数でした。
GPUコアクロックについては「ZOTAC GAMING GeForce GTX 1650 SUPER Twin Fan」の仕様値ではブースト1620MHzとなっていましたが、負荷テスト中の実動平均は1775MHzでした。高消費電力なGDDR6メモリを採用している一方でTDP75Wに収まるようにコアクロックが設定されているので、GDDR5メモリを採用する初期製品に比べると実動コアクロック自体は低めに推移しています。
「ZOTAC GAMING GeForce GTX 1650 OC GDDR6」を含めていくつかのグラフィックボードについてサウンドレベルメーターを利用してゲーム負荷時のノイズレベルを測定・比較しました。ノイズレベルの測定には「サンワダイレクト 400-TST901A」を使用しています。
電源OFF時の騒音値は33~35dBです。目安として40dBを超えたあたりからファンノイズがはっきりと聞こえるようになり、45dB前後で煩く感じます。50dBを超えてくるとヘッドホンをしていても煩く感じます。同じ騒音値でも周波数(ファン回転数)が高いほど体感としては大きな音に感じやすく、また不快に感じたり感じなかったりは音の性質(細かい乱高下の有無や軸ブレ)にもよるので注意してください。
ノイズレベルの測定結果は次のようになっています。
ZOTAC GAMING GeForce GTX 1650 SUPER Twin Fanのファンノイズは、2200RPMという比較的高いファン回転数の通り、ノイズレベルも45dB程度と高めの数値を示しており、実際に耳で聞いてもファンノイズは耳に付きました。アイドル時の最低回転数でもファン速度は1900RPM程度、ノイズレベルは40dB程度となっており、アイドル時としてはやはり静音性がやや低いという評価です。
TDP75Wの省電力なGPUで冷却的には十分余裕があるので、アイドル時に1000~1500RPM以下、負荷時に1800RPM以下に収まるようなもう少し静音性を重視したチューニングにして欲しかったというのが正直な感想です。
ZOTAC GAMING GeForce GTX 1650 OC GDDR6の消費電力と瞬間的な最大電源負荷を測定しました。
測定負荷には上で行った温度検証と同様に3DMark TimeSpy ストレステストを使用しています。テスト全体から1秒間隔でモニタリングを行い、平均値を”消費電力”、最大値を”瞬間的な最大電源負荷”とします。なお電源ユニットに対する実際の最大瞬間負荷は測定値より50~100W上回る場合があるので、電源ユニットの電源容量選択の参考にする場合は注意してください。
消費電力の測定は電源ユニット「Corsair HX1200i」のCorsair Linkによる電力ログ機能を用いてコンセントからの入力ではなく変換ロスを差し引いたシステムへの出力電力をチェックしています。また電力測定の際は上記の主電源ユニットに加えて、CPUへの電力供給を行うEPS端子へ接続するために別の副電源ユニットを使用しています。
この方法であれば、CPU(後述のiGPUも)に負荷をかけても、CPUによる消費電力の変動はメイン電源ユニットCorsair HX 1200iの測定値には影響しません。しかしながら、測定値にはまだATX24PIN経由で供給されるマザーボードやDDR4メモリの電力が含まれるので、iGPUを使用した時の3DMark TimeSpy ストレステスト中の消費電力と最大電源負荷を同様に測定し、各種グラフィックボード使用時と差分を取る形でグラフィックボード単体の消費電力と最大電源負荷を算出します。
ZOTAC GAMING GeForce GTX 1650 OC GDDR6の消費電力は60W、最大瞬間負荷は71Wでした。ZOTAC GAMING GeForce GTX 1650 OC GDDR6のTDP(パワーターゲット)はリファレンス仕様値と同じ75Wに設定されていますが、同じく補助電源不要でTDP75WのGTX 1050 Tiと比較すると、消費電力は10W程度増加しています。
GDDR5を搭載した初期のGTX 1650と比較すると微増傾向ではありますが、ほぼ同消費電力と考えてよいレベルの違いとなっており、TDP75Wの制約の中でZOTAC GAMING GeForce GTX 1650 OC GDDR6がさらに10%性能を伸ばしてきたことは評価に値すると思います。
GTX 1050 Ti比では若干の消費電力上昇が確認されましたが、とはいえミドルクラスのGTX 1660やGTX 1060と比較すれば半分ちょっとという非常に優れた省電力性能を実現しており、NVIDIAがGeForce GTX 1650のローンチにおいてデスクトップ向けよりもモバイルゲーミングPC搭載版の広報に力を入れていたのも納得です。
ZOTAC GAMING GeForce GTX 1650 OC GDDR6 レビューまとめ
最後に「ZOTAC GAMING GeForce GTX 1650 OC GDDR6」を検証してみた結果のまとめを行います。簡単に箇条書きで以下、管理人のレビュー後の所感となります。良いところ
- 最新PCゲームをフルHD/標準画質~高画質設定でプレイ可能なグラフィック性能
- GTX 1050 Tiを平均で40%以上、ベストケースでは50%近く上回るグラフィック性能
- GDDR5採用の初期GTX 1650と比較して消費電力はほぼ据え置きで10%の高速化
- PCIE補助電源が不要
- 全長151mmのMini-ITX対応ショートモデル
- 希望小売価格149ドルからと安価なエントリークラスGPU
- GTX 1650 SUPERやGTX 1660と比べるとグラフィック性能が一段劣る
- NVEncは最新Turing世代ではない(GTX 1650で共通の仕様)
GeForce GTX 1650は同じく補助電源不要で前世代同クラス上位モデルのGTX 1050 Tiを30%程度も上回ります。Turing世代のGPUは古いゲームよりも2018年以降に登場する最新ゲームでより高速化の恩恵が受けられる傾向があり、ベストケースでは40%程度も上回るパフォーマンスを発揮します。
GeForce GTX 1650は2019年以降に登場する最新高画質PCゲームをフルHD/標準画質でプレイするのに最適なグラフィック性能があり、最新Turing世代ではなく前世代NVEncではありますが軽量・高画質なハードウェアエンコーダにも対応しており、価格帯も149ドルからと安価なので、CPUに予算を割けないエントリークラスのゲーミングPCで動画配信を気軽に始めることができるところもアピールポイントだと思います。
「ZOTAC GAMING GeForce GTX 1650 OC GDDR6」については、とりあえずファン速度のチューニングが悪く、TDP75Wの低消費電力なGPUを搭載するグラフィックボードとしてはファンノイズがやや大きいと感じました。そのままで使用すると負荷時2200RPM程度までファン回転数が上がってしまいファンノイズが煩くなるので、実際に使ってみて煩いと感じたらAfterBurnerなどのGPU用チューニングソフトでファン速度を最低値の1900RPMに下げて固定するのがオススメです。
エントリークラスGPUのグラフィックボードなのGPUクーラーの品質については妥当なところとなっており、実際にファン速度を最低まで落としても、GTX 1650は元々の消費電力が大して高くないなので問題なく運用できます。負荷時のファン回転数が1800RPM以下に収束し、アイドル時に1000~1500RPM以下で推移するような設計&チューニングになっていれば、静音性についてはデフォルト設定でも及第点になっていたと思います。
以上、「ZOTAC GAMING GeForce GTX 1650 OC GDDR6」のレビューでした。
記事が参考になったと思ったら、ツイートの共有(リツイートやいいね)をお願いします。
ZOTAC GAMING GeForce GTX 1650 OC GDDR6 レビュー
— 自作とゲームと趣味の日々 (@jisakuhibi) May 5, 2020
良い
✅GTX1050Tiより平均40%以上、ベストケース50%も高速
✅GDDR5採用の初期GTX 1650と比較して
消費電力はほぼ据え置きで10%の高速化
✅PCIE補助電源が不要
悪いor注意
⛔GPUクーラーの静音性が微妙https://t.co/JysvHAqxIG
ZOTAC GAMING GeForce GTX 1650 OC GDDR6
<TSUKUMO><PCショップアーク><ドスパラ>
<パソコン工房><ソフマップ><ビックカメラ>
ZOTAC
Amazon.co.jp で詳細情報を見る<TSUKUMO><PCショップアーク><ドスパラ>
<パソコン工房><ソフマップ><ビックカメラ>
関連記事
・GeForce RTX 20XX/GTX 16XX SUPERシリーズのレビュー記事一覧へ・Radeon RX 5700/5600/5500シリーズのレビュー記事一覧へ
・PCモニタ・ディスプレイのレビュー記事一覧へ
・ゲーミングモニタの選び方シリーズの記事一覧へ
・GTX 1660 SUPER搭載のおすすめゲーミングBTO PCを徹底比較!
・RTX 2060 SUPER搭載のおすすめゲーミングBTO PCを徹底比較!
・RTX 2070 SUPER搭載のおすすめゲーミングBTO PCを徹底比較!
・RTX 2080 SUPER搭載のおすすめゲーミングBTO PCを徹底比較!
・おすすめグラボまとめ。予算・性能別で比較。各社AIBモデルの選び方
・グラフィックボードのレビュー記事一覧へ
・【できる!個人輸入】米尼でおすすめなEVGA製グラボのまとめ
・おすすめBTO PCまとめ。予算・性能別で比較。カスタマイズ指南も
(注:記事内で参考のため記載された商品価格は記事執筆当時のものとなり変動している場合があります)
スポンサードリンク