
スポンサードリンク
AMD第3世代Ryzen Refresh(Matisse Refresh)としてリリースされた、コアクロックアップ版の12コア24スレッドCPU「AMD Ryzen 9 3900XT」をレビューします。
12コア24スレッドCPUの「AMD Ryzen 9 3900XT」が、クロックアップによってRyzen 9 3900Xからどれくらい高速化を果たしたのか、さらに競合Intelのメインストリーム向けCPUで最上位となる10コア20スレッドCore i9 10900Kと比較して、クリエイティブタスクやPCゲーミングでどれくらいの性能を発揮するのか検証していきます。
製品公式ページ:https://www.amd.com/ja/products/cpu/amd-ryzen-9-3900xt

AMD Ryzen 9 3900XT レビュー目次
1.AMD Ryzen 9 3900XTの外観・付属品・概要
2.AMD Ryzen 9 3900XTの検証機材・動作設定
3.AMD Ryzen 9 3900XTの動作クロック
4.AMD Ryzen 9 3900XTの性能を比較
5.AMD Ryzen 9 3900XTのOC耐性について
6.AMD Ryzen 9 3900XTのレビューまとめ
【機材協力:AMD Japan】
AMD Ryzen 9 3900XTの外観・付属品・概要
「AMD Ryzen 9 3900XT」の外観や付属品について簡単にチェックしておきます。またこの章では「AMD Ryzen 9 3900XT」の仕様等について簡単に触れておきたい概要もあれば紹介します。「AMD Ryzen 9 3900XT」は上位モデルのRyzen 9 3950Xと同じく豪華な化粧箱に梱包されており、3900Xと違ってCPUクーラーが付属しないので奥行がコンパクトです。



「AMD Ryzen 9 3900XT」を含めて第3世代Ryzenは第1/2世代Ryzenと同じAM4ソケットに対応するCPUなので、第1世代から第3世代までCPUの形状には変化はありません。裏面のCPUソケット側はLGAタイプのCPUソケットを採用するIntel製CPUと違って剣山状の金属端子が生えています。

「Ryzen 9 3900XT」には従来モデル3900Xと違ってCPUクーラーは付属しません。Ryzen 9 3900XTを搭載するようなハイエンドゲーミングPCではサードパーティ製の高性能なCPUクーラーを組み合わせるユーザーが多いので、それに配慮したとのこと。公式スライドを見る限りハイエンド空冷やマルチファンの大型簡易水冷が推奨されているようです。

AMD公式に発表されている基本スペックを確認すると、「AMD Ryzen 9 3900XT」はメインストリーム向けCPUながら12コア24スレッドのメニーコアCPUです。エンスー向けCPUクラスのコア数ですが、TDPは下位モデルRyzen 7 3800Xや前世代最上位Ryzen 7 2700Xなど8コア16スレッドCPUと同じくTDP105Wに設定されています。単コア最大ブーストクロックは従来モデルから僅かながら引き上げられて4.7GHz、ベースクロックは据え置きの3.5GHzです。

AMD Ryzen 9 3900XTに加えて、従来モデルAMD Ryzen 9 3900X、上位モデルAMD Ryzen 9 3950X、競合製品のIntel Core i9 10900Kのスペックを早見表にまとめて比較すると次のようになっています。
Ryzen 9 3900XT スペック簡易比較 | ||||
Ryzen 9 3900XT |
Ryzen 9 3900X | Ryzen 9 3950X |
Core i9 10900KF | |
コアスレッド | 12コア24スレッド | 12コア24スレッド | 16コア32スレッド | 10コア20スレッド |
ベースクロック | 3.8GHz | 3.8GHz | 3.5GHz | 3.7GHz |
全コア最大ブースト | ~4.3GHz | ~4.3GHz | ~4.3GHz | 4.9GHz |
単コア最大ブースト | 4.7GHz | 4.6GHz | 4.7GHz | 5.3GHz |
オーバークロック |
O | O (Z490のみ) |
||
L3キャッシュ | 64MB | 20MB | ||
TDP | 105W | 125W | ||
CPUクーラー | X | 付属 (Wraith Prism) |
X | |
iGPU |
X | |||
メモリ ch / pcs |
2 / 4 | |||
CPU直結PCIEレーン |
16 + 4 | 16 | ||
おおよその国内価格 (北米希望小売価格) |
6.6万円 (499ドル) |
6.0万円 (429ドル) |
9.8万円 (749ドル) |
6.1万円 (472ドル) |
iGPU搭載モデル の価格 |
なし |
7.2万円 (488ドル) |
「AMD Ryzen 9 3900XT」など第3世代Ryzen XTシリーズについては第3世代Ryzen初期ラインナップが動作する環境(BIOSバージョン)であれば問題なく動作するようです。
なお一部のメーカーからは第3世代Ryzen XTシリーズや次世代Ryzen APU向けに最適化?された新マイクロコードAMD AGESA ComboV2 1.0.0.2を含むBIOSアップデートがリリースされています。

ただ2020年7月現在、Ryzen 9&B550で特に発生しやすいですが最新のAGESAを原因としているらしいメモリ回りの不具合があるようなので注意してください。
第3世代Ryzen CPU(XT含む)については同時に発売されるX570チップセット、および2020年6月に新たに発売されたB550チップセットを搭載したマザーボードがネイティブサポートするほか、前世代のX470チップセットもしくはB450チップセットを搭載したマザーボードもBIOSアップデートによって対応します。B450などの旧製品であってもチップセットの違いは拡張性だけに影響して基本的にCPU性能に差は生じません。

・主要4社B450マザーボードを徹底比較!第3世代Ryzenにイチオシはどれか?

AMD Ryzen 9 3900XTの検証機材・動作設定
以下、「AMD Ryzen 9 3900XT」の各種検証を行うベンチ機、および比較対象となる各CPUのベンチ機の詳細となります。AMD AM4(X570)環境 テストベンチ機の構成 | |
CPU | 【第3世代Ryzen】 AMD Ryzen 9 3900XT (レビュー) AMD Ryzen 9 3900X (レビュー) AMD Ryzen 7 3700X (レビュー) |
マザーボード | MSI MEG X570 ACE (レビュー) |
CPUクーラー | Corsair H150i PRO RGB (レビュー) Noctua NF-A12x25 PWM x3 (レビュー) |
メインメモリ (第3世代Ryzen) |
G.Skill Trident Z Neo F4-3600C14Q-32GTZN DDR4 8GB*4=32GB (レビュー) 3600MHz, CL16-16-16-36-CR1 |
ビデオカード(共通) | ZOTAC RTX 2080Ti AMP Extreme Core (レビュー) |
システムストレージ(共通) | Samsung 860 PRO 256GB (レビュー) |
OS(共通) | Windows10 Home 64bit |
電源ユニット(共通) | Corsair HX1200i (レビュー) |
ベンチ板 | STREACOM BC1 (レビュー) |

AMD AM4(X570)環境では検証機材マザーボードとして「MSI MEG X570 ACE」を使用しています。「MSI MEG X570 ACE」でCPU動作設定を標準設定のAutoとした場合、各CPUは仕様通りの定格動作で問題なく動作するので、測定に当たってソフトウェア的には特に個別の設定は行っていません。
ただしAMD Ryzen CPUではCPUクーラーの冷却性能が十分であれば電力制限を解除して自動的に動作クロックを引き上げる機能「XFR (Extended Frequency Range)」が効くため、電力制限の閾値となるPPTが仕様値のTDPよりも高く設定されています。例えばRyzen 9 3900XではTDP105Wを上回って仕様上の上限値となるPPT 142W以下で動作します。

Ryzen CPUの仕様値TDPと標準PPT | ||
仕様値TDP | 標準PPT | |
Ryzen 9 3950X, Ryzen 9 3900XT, Ryzen 9 3900X, Ryzen 7 3800X, Ryzen 7 2700X |
105W | 142W |
Ryzen 5 3600X, Ryzen 5 2600X | 95W | 128W |
Ryzen 7 3700X, Ryzen 5 3600 Ryzen 5 3500X, Ryzen 3 3300X Ryzen 7 2700 |
65W | 88W |
CPU Package Power(CPU消費電力)がTDPを上回るPPTの範囲内で制限されるという動作は、CPU Package PowerがそもそもTDPの範囲内に収まるPCゲーム性能には基本的に影響しないものの、クリエイティブタスク性能には大きく影響し、また消費電力の測定にも当然影響します。そこでPCゲーム性能の測定を除いて、第3世代Ryzenの中でTDPを超えるCPU消費電力になるものについては、参考値としてPPTを仕様値TDPに一致させたケースについても測定を行います。
・Ryzen CPUの検証でPPT=TDPを参考値として測定する理由

Intel LGA1200(Z490)環境 テストベンチ機の構成 | |
CPU | Intel Core i9-10900K(レビュー) Intel Core i9-10900(レビュー) |
マザーボード | ASUS ROG MAXIMUS XII EXTREME (レビュー) |
CPUクーラー | Fractal Design Celsius S36 (レビュー) Noctua NF-A12x25 PWM x3 (レビュー) |
メインメモリ | G.Skill Ripjaws V F4-4000C15Q-32GVK DDR4 8GB*4=32GB (レビュー) 3600MHz, CL16-16-16-36-CR1 |
その他 |
レビュー対象CPUのベンチ機と共通 |

第3世代Ryzen検証環境のシステムメモリには、第3世代Ryzen&X570マザーボードのプラットフォームに最適化されたハイパフォーマンスOCメモリの最速モデル「G.Skill Trident Z Neo F4-3600C14Q-32GTZN」を使用しています。3600MHz/CL14の最速モデル、3200MHz/CL14や3600MHz/CL16といった定番スペックがラインナップされ、高級感のあるヒートシンクや8分割ARGB LEDを搭載してデザイン面でも優れる「G.Skill Trident Z Neo」シリーズは、第3世代Ryzenの自作PCで性能を追求するなら間違いのないオススメなOCメモリです。
・「G.Skill Trident Z Neo F4-3600C14Q-32GTZN」をレビュー

第3世代Ryzen関連の検証機材としてX570マザーボードの「MSI MEG X570 ACE」を使用しています。「MSI MEG X570 ACE」はRyzen 9シリーズも対応できる高耐久・低発熱な14フェーズVRM電源回路を搭載することに始まり、拡張ヒートパイプによるマザーボード全体のアクティブ冷却構造、グラフィックボードとの位置被りを避けるオフセットレイアウトなど非常に完成度の高い製品となっており、数あるX570マザーボードの中でもオススメの1枚です。
・「MSI MEG X570 ACE」をレビュー

ベンチ機のシステムストレージにはSamsung製MLCタイプ64層V-NANDのメモリチップを採用する2019年最速のプロフェッショナル向け2.5インチSATA SSD「Samsung SSD 860 PRO 256GB」を使用しています。Samsung SSD 860 PROシリーズは容量単価が高価ではあるものの、システムストレージに最適な256GBや512GBモデルは製品価格としては手を伸ばしやすい範囲に収まっており、Intel Core-XやAMD Ryzen TRのようなハイエンドデスクトップ環境はもちろん、メインストリーム向けでもハイパフォーマンスな環境を目指すのであれば、システムストレージ用に一押しのSSDです。
・「Samsung SSD 860 PRO 256GB」をレビュー

CPUとCPUクーラー間の熱伝導グリスには当サイト推奨で管理人も愛用しているお馴染みのクマさんグリス(Thermal Grizzly Kryonaut)を塗りました。使い切りの小容量から何度も塗りなおせる大容量までバリエーションも豊富で、性能面でも熱伝導効率が高く、塗布しやすい柔らかいグリスなのでおすすめです。

グリスを塗る量はてきとうでOKです。管理人はヘラとかも使わず中央山盛りで対角線だけ若干伸ばして塗っています。Thermal Grizzly Kryonautは柔らかいグリスで適量が塗布されていれば、CPUクーラー固定時の圧着でヒートスプレッダ全体へ自然に伸びるので塗り方を気にする必要もありません。

サーマルグリスの代用品として、数年スパンの長期使用においても性能低下が基本的になく再利用も可能、グリスが零れてマザーボードが汚れたり壊れる心配もないので、炭素繊維サーマルシート「Thermal Grizzly Carbonaut」もオススメです。
・「Thermal Grizzly Carbonaut」はRyzen 9 3900Xを冷やせるか!?

AMD Ryzen 9 3900XTの動作クロック・消費電力・温度
「AMD Ryzen 9 3900XT」に関する検証のはじめに、「AMD Ryzen 9 3900XT」の動作クロック、消費電力、温度など同CPUの基本的な動作についてチェックしていきます。「AMD Ryzen 9 3900XT」は12コア24スレッドのCPUで、AMD公式の仕様ではベースクロック3.8GHz、単コア最大ブーストクロック4.7GHzとなっています。

HWiNFOから「AMD Ryzen 9 3900XT」のコアクロックの挙動を確認したところ、確かに負荷の軽い場面では最大4.7GHz程度で動作するコアがありました。

「AMD Ryzen 9 3900XT」のAMD公称仕様値としてはTDP105WのCPUですが、実際の内部設定としてはPPT142Wが許容されています。「AMD Ryzen 9 3900XT」はCPUクーラーによるCPUの冷却が十分であれば(CPU温度が閾値95度以下であれば)、PPT142Wの制限下で動作しXFRによって仕様値ベースクロック3.8GHzよりも高い動作クロックへ引き上げられます。

「AMD Ryzen 9 3900XT」をX570マザーボード「MSI MEG X570 ACE(BIOS:180)」と組み合わせてCPU動作をBIOS標準設定とし、CinebenchやAviult&x264エンコードを実行したところ、いずれのケースにおいても全12コアへ同時に大きな負荷がかかった時の動作クロックは平均4.10GHz程度でした。この時のCPU Package Powerは145W前後で推移しています。

従来モデルのRyzen 9 3900Xで同様の負荷をかけると、全コア最大動作クロックは平均4.05GHz程度なので、僅かな差ではありますが、「AMD Ryzen 9 3900XT」は高選別な電圧特性の良い個体であることがわかります。

AMD Ryzen 9 3900XTの性能を比較
「AMD Ryzen 9 3900XT」の性能をRyzen 9 3900XやCore i9 10900Kと比較してチェックしていきます。「AMD Ryzen 9 3900XT」は、12コア24スレッドのCPUであり、単コア最大動作クロックは4.7GHz、全コア最大動作クロックは4.3GHz程度です。PPT142Wの電力制限が仕様通り適用されている場合、3Dレンダリングや動画のエンコードなど全コアに対して大きく負荷がかかる時の実動クロックは4.10GHz程度となります。
「AMD Ryzen 9 3900XT」は全コア4.10GHz程度で動作するので、CPUのマルチスレッド性能を測定するベンチマークで定番のCinebench R15のスコアは3200程度、Cinebench R20のスコアは7200程度でした。


「AMD Ryzen 9 3900XT」は単コア最大ブーストクロックが4.7GHzへ引き上げられているので、Cinebench R15のシングルスレッド性能も220をマークし、Ryzen 9 3900Xを上回っています。

12コア24スレッドCPU「AMD Ryzen 9 3900XT」のクリエイティブタスク性能を簡単にまとめると下のグラフのようになっています。
Ryzen 9 3900XTは全コア4.10GHzt程度で動作する定格設定の場合、Ryzen 7 3700XやCore i7 10700Fなど8コア16スレッドCPUをコアスレッド数の通りスケーリングして50%程度高い性能を発揮します。また競合Intelのメインストリーム向け最上位CPUであるCore i9 10900Kと比較しても、相手は10コア20スレッドでコア数で劣るので、コア数に比例して20%程度高い性能を発揮します。
一方で従来モデルRyzen 9 3900Xと比較すると、3Dレンダリング系やエンコード系は僅かなコアクロックの差も比較的綺麗に反映されるのですが、他のタスクでは測定誤差に埋もれる感じになってしまい、3900XTと3900Xの違いを測定するのはなかなか難しいというのが正直なところです。

ハイフレームレートなゲーミング性能についても、PPT142WよりCPU Package Powerが十分に小さい時の全コア最大動作倍率にRyzen 9 3900XTとRyzen 9 3900Xではほとんど差がなく、いずれも全コア4.2~4.3GHzで動作するので、平均・最小FPSに誤差を超えるような差は確認できません。


AMD Ryzen 9 3900XTのOC耐性について
「AMD Ryzen 9 3900XT」のOC耐性をRyzen 9 3900Xと比較してチェックしていきます。まずは「AMD Ryzen 9 3900XT」にPrecision Boost Overdriveを適用して、単コア最大ブーストクロックを4.7GHzに維持したまま、全コア最大ブーストクロックをどれだけ引き上げられるか検証してみました。
『PPT = 300W、TDC = 180A、EDC = 250A』に設定して動画のエンコードで長期的に負荷をかけてみたところ、実動コアクロックは4.15GHzへ微増でした。
XTへのマイナーアップグレードでPrecision Boost Overdriveによるクロックアップ可能なテーブルに手が加えられているのでは、と少し期待していたのですが、3900Xとほぼ同じ結果です。


続いて「AMD Ryzen 9 3900XT」に全コア最大動作クロックを固定するマニュアルOCについて検証してみました。
MSI MEG X570 ACEにおいて「コア倍率:44」「コア電圧:1.400V(Override Mode)」「ロードラインキャリブレーション:レベル2」として、動画のエンコードによるストレステストを実行してみましたが、10分程度経ってエンコードにエラーが発生しました。
個体差もあると思いますが、一般にマニュアルOCで常用可能な限界が4.3GHz程度、当たり石でも4.4GHzという特性は3900XTでも3900Xでも大きく変わりはないようです。全コア4.5GHz以上へのOCはCinebench一発芸的なチャレンジ要素だと思います。

続いてコア倍率:43に下げた時のコア電圧の下限について簡単にチェックしてみました。0.025V刻みで電圧を下げていったところ、「AMD Ryzen 9 3900XT」は1.275Vまでは安定し、1.250Vではブラックアウトで再起動となりました。


同様に従来モデルRyzen 9 3900Xで検証してみたところ、1.300Vは安定動作が確認できましたが、1.275Vではエンコードでエラーが発生しました。個体差で上下する可能性も否定できませんが、やはり「AMD Ryzen 9 3900XT」の電圧特性はRyzen 9 3900Xよりも良いのだと思います。

AMD Ryzen 9 3900XTのレビューまとめ
「AMD Ryzen 9 3900XT」を検証してみた結果のまとめを行います。簡単に箇条書きで以下、管理人のレビュー後の所感となります。良いところ or 概要
- メインストリーム向け12コア24スレッドCPU
- 定格でメモリ周波数3200MHzに対応
- PPT142W制限下において全コアが実動平均で4.1GHz程度
- TDP105Wとしては全コアが実動平均で3.7GHz程度
- 12コア24スレッドCPUながら6.6万円程度(2020年7月現在)
- Intelでメインストリーム向け最上位Core i9(10C20T)を20%上回るクリエイティブタスク性能
- 144FPS~240FPSのハイフレームレートなPCゲーミングにも対応可能
- Ryzen 9 3900Xよりも電圧特性が良い
- Ryzen 9 3900Xとの性能差は微妙で、価格差は6千円程(2020年7月現在)
- PPT142W設定なので、CPU温度が95度以下に収まる環境ではTDP142W相当のCPUとして動く
- ピーク負荷が大きいのでVRM電源が弱いB450マザーボードでの運用は非推奨
検証結果の多くは数多くある先行レビューと同じく、やはりというべきか、「AMD Ryzen 9 3900XT」を従来モデルRyzen 9 3900Xと性能比較すると測定誤差に埋もれ、ほぼ間違い探し的な状態でした。
「AMD Ryzen 9 3900XT」の電圧特性は確かに3900Xよりも良好で、同等の消費電力においてコアクロックが高く、また単コア最大ブーストクロックも引き上げられているのですが、4GHzオーバーのコアクロックに対して、その差は50~100MHz程度なので体感はもちろん、比較データとしての測定も難しいというのが正直な感想です。
気持ち程度に電圧特性が良く、性能が高いRyzen 9 3900Xというのが、「AMD Ryzen 9 3900XT」の評価で間違いないと思います。
管理人的には『Precision Boost Overdriveによるクロックアップ可能なテーブルに手が加えられているのか?』、『電圧特性の差で全コア4.5GHzのマニュアルOCは安定するのか』が特に気になっていたポイントなので、その他の検証内容は流し気味になっているのですが、上述のように3900Xと性能には大差ないので、詳しくはRyzen 9 3900Xのレビュー、もしくは競合Intelの最新CPUとの比較が気になるということならCore i9 10900Kのレビューを参照していただければと思います。
・Ryzen 9 3900Xのコスパが光る、9900Kと3950Xとの頂上決戦!!

・「Intel Core i9 10900K」をレビュー。ゲーマー向け最速は偽りなし

従来モデルRyzen 9 3900Xが2020年7月現在、税込み6.0万円程度で購入できるのに対して、「AMD Ryzen 9 3900XT」の予価は税込み6.6万円程度となっています。
AMDが公式スライドで書いているようにこのクラスのCPUを購入するユーザーはマルチファン簡易水冷など高性能なサードパーティ製品を別途購入するので付属CPUクーラーの有無は特に問題にならないと思いますが、10%の価格差に対して、微妙な性能差に価値を見出せるかどうかは、購入者次第なのかなと思います。
以上、「AMD Ryzen 9 3900XT」のレビューでした。

記事が参考になったと思ったら、ツイートの共有(リツイートやいいね)をお願いします。
クロックアップ版12コア24スレッドCPU「AMD Ryzen 9 3900XT」をレビュー。
— 自作とゲームと趣味の日々 (@jisakuhibi) July 16, 2020
Ryzen 9 3900XやCore i9 10900Kとクリエイティブ性能やゲーミング性能を比較、OC耐性についても徹底検証https://t.co/P2VEqoLCms
関連記事
・AMD第3世代Ryzen CPUのレビュー記事一覧へ
・【できる!自作PC】最新CPUの選び方とオススメCPUを徹底解説

・主要4社B450マザーボードを徹底比較!第3世代Ryzenにイチオシはどれか?

・第3世代Ryzen対応X570チップセット搭載AM4マザーボードのレビュー記事一覧

・第3世代Ryzen自作PCにオススメなDDR4メモリの容量や速度を解説

・第3世代Ryzen搭載のオススメなBTO PCを解説

・Intel第10世代Comet Lake-Sのレビュー記事一覧へ

・主要4社Z490マザーボードを徹底比較!第10世代Core-Sにイチオシはどれか?

(注:記事内で参考のため記載された商品価格は記事執筆当時のものとなり変動している場合があります)
スポンサードリンク