EVGA iCX3 Cooler&Technology



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安価かつ高品質なグラボとして定評のあるEVGA製のGeForce RTX 30シリーズ(RTX 3090、RTX 3080、RTX 3070)搭載グラフィックボードで新たに採用された冷却ソリューション「EVGA iCX3 Cooler&Technology」について解説します。

EVGAでは旧GTX10シリーズにおけるVRM電源周りの発熱問題を受けて新型GPUクーラーである「iCX Cooler」などを含む冷却ソリューション「iCX Technology」が採用された新モデルが追加投入されましたが、最新GeForce RTX 30シリーズを搭載したEVGA製グラフィックボードではこの技術をさらに発展させた第3世代、「EVGA iCX3 Cooler&Technology」が採用されています。
EVGA iCX3 Cooler&Technology_logo

「EVGA iCX3」の概要はオリジナル設計のGPUクーラー「iCX3 Cooler」、および温度センサーによる制御モニタリングに関連した「iCX3 Technology」の2つに大別することができます。
GPUコア&VRAM一体型銅製コールドプレート、グラフィックボードを突き抜けるフロースルー空冷構造、バックプレートに埋め込まれたマイクロ薄型ヒートパイプなどの新設計によってブラッシュアップを遂げた「iCX3 Cooler&Technology」は。初代よりも15%以上高性能化を果たした第2世代と比較して、5.1%高い冷却性能と9.7%高い静音性を実現しています。
EVGA iCX3紹介ページ:https://www.evga.com/technology/icx3/
EVGA iCX3 Cooler&Technology_Performance




「EVGA iCX3」のオリジナル設計GPUクーラー「iCX3 Cooler」はEVGAが設計してきたGPUクーラーの集大成といっても過言ではない高品質設計です。
EVGA iCX3 Cooler
「iCX3 Cooler」では、従来モデルにおいてVRAMやVRM電源の冷却に使用されていたベースプレートを廃し、GPUコアとVRAMを一括して冷却する一体型銅製コールドプレートが採用されています。GPUコアとVRAMを一括して冷却する構造は同社のAIO水冷クーラー搭載モデルHYBRIDシリーズで定評があり、特許取得の銅製ベースプレートはGPUコア&VRAMエリアを満遍なくカバーして熱伝導効率を25%も改善します。
EVGA iCX3 Cooler_Unified Copper Block
またVRM電源回路についてもヒートシンク本体にロウ付けされたヒートシンクに直接コンタクトする理想的な構造が採用されています。
GPUクーラー放熱フィン全体へ熱拡散を行う7本の銅製ヒートパイプは半円状に変形させて接することで、GPUコア&VRAM一体型銅製コールドプレートとの接触面積を65%も向上させています。
EVGA iCX3 Cooler_Semicircular Heatpipes
「iCX3 Cooler」の放熱ヒートシンク本体では放熱フィンの形状にも工夫が見られます。放熱フィンの端に折り目を付けてL字にする「L-Shaped Fins」構造によって、グラフィックボード基板上のホットスポットに冷却ファンからの風が集中するように調整されています。また放熱フィン上に設けられた穴「Fin Holes/Harf Open Fin」によって放熱フィン内のエアフローの自由度が増して空気へより多く放熱できるようになります。
EVGA iCX3 Cooler_heatsink_Airflow pockets_L-shaped fins

iCX3 Coolerの冷却ファンには第2世代となる改良型FDBファンが採用されています。流体動圧軸受(Hydraulic Dynamic Bearing)を採用した高寿命・高耐久性な冷却ファンはアイドル時にファンが停止するセミファンレス動作に最適化されています。
デザイン的には賛否分かれるファンブレード上の"ε(E)”の文字は今回も採用されており、スリップストリームを生成することで乱流ノイズを軽減するようです。
EVGA iCX3 Cooler_2nd-Gen FDB Fan
3連ファンGPUクーラーを搭載する上位モデルFTW3については、3基のファンのうち中央のファンを縦方向に10mmオフセット配置することで、GPUコア/VRAM/VRM電源回路など発熱部位にファンから直接風が当たる面積を16%拡大しています。
EVGA iCX3 Cooler_FTW3_Fan Offset

また最上位モデルGeForce RTX 3090ではPCB基板背面にもVRAMが実装されているので、グラフィックボードを横断するように埋め込まれたマイクロ薄型ヒートパイプはVRAMの発熱を効率的にバックプレート全体へ拡散し、バックプレート上で広範囲に展開されたエアスリットや前述のエアスルー構造によって放熱します。
EVGA iCX3 Cooler_Backplate


「EVGA iCX3」ではオリジナル設計GPUクーラー「iCX3 Cooler」のハードウェア的な特徴に加えて、温度センサーや専用アプリケーションEVGA Precision X1を使用したファン制御に関する「iCX3 Technology」という特徴も備えています。「iCX3 Technology」ではグラフィックボード上のホットスポットを検出し、インタラクティブに冷却を最適化し、「Peace of Mind Gaming」の理念を実現します。
iCX3 Technology

「iCX3 Technology」はiCXという名前の元になった”Interactive Cooling”の文字通り、従来のGPUコアだけの温度をチェックして冷却ファンを制御する方式をやめて、グラフィックボード基板上に追加で実装された9個の温度センサーを設置し、MCUによってGPUコアだけでなくVRAMやVRM電源など各ホットスポット温度に異常がないかチェックするようにPCB基板に改良が加えられています。
iCX3 Technology_sensors
GPUクーラーに搭載されたトリプルファンは、グラフィックボード上に散りばめられた温度センサーをソースにして独立動作する「Asynchronous Fan Control」に対応しています。GPU温度が高いときは左側のファンが、VRM電源やVRAMの温度が高いときは右側のファンが高速に回転するといったように、発熱の大きい箇所に合わせてファン速度が個別に制御されます。
iCX3 Technology_Asynchronous Fan Control
専用アプリケーション「EVGA Precision X1」を使用することで、追加の9個の温度センサーを加えた10か所の温度をモニタリングし、それらを温度ソースにしてカスタム設定で個別ファンを非同期制御できます。マルチGPU環境の場合はグラフィックボード毎にも個別に設定が可能です。
EVGA Precision X1_Fan control_1EVGA Precision X1_Fan control_2
さらに「iCX3 Technology」対応製品は「EVGA Precision X1」上で、PCIEスロットとPCIE補助電源からの供給電力のリアルタイムモニタリングにも対応しています。
iCX3 Technology_power monitor


以上、「EVGA iCX3 Cooler&Technology」についての解説でした。
EVGA iCX3 Cooler&Technology



GeForce RTX 30シリーズの登場で国内価格高騰が再燃しそうなので、再び単純な価格面で個人輸入が断然お得になるかもしれません。
グローバル3年保証があり高品質・高性能GPUクーラーを積んだEVGA製のグラフィックボードは同じ型番のGPUを搭載したグラフィックボードの国内最安値かそれ以下で購入できるとなれば、総合的に見てかなりコストパフォーマンスに優れた選択肢になるので検討してみてください。
EVGA製グラボの個人輸入についてはこちらでまとめています。RTX30シリーズの製品情報については順次アップデートしている最中ですが、個人輸入の方法など基本的なところは同じなので参考にしてください。
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