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次世代スタンダードなWQHD/144Hz+、4K/60FPSのラグジュアリーな超高画質、フルHD/240FPSのスーパーハイフレームレートなど幅広いPCゲーマー層にマッチするミドルハイクラスGPU「GeForce RTX 3070 Ti」を搭載したゲーミングBTO PCのおすすめ機種について各社製品の価格や構成パーツの比較から徹底解説します。ただおすすめ機種をリストアップするだけでなく、読者が一人でも簡単にBTO PCのカスタマイズが可能なカスタマイズ指南も交えて説明していきます。
2022年最新モデルに内容をアップデートした記事を公開中です。
目次
1.はじめに - GeForce RTX 3070 Tiについて
2.簡易水冷RTX 3070 Ti搭載のBTO PCがおすすめ
3.BTO PCメーカー別の簡易比較と特集記事
4.RTX 3070 Ti搭載のBTO PCの簡易紹介
5.RTX 3070 Ti搭載BTO PCのカスタマイズ指南
・CPUやグラボなど各CPU部品の解説記事
6.パーツを揃えてRTX 3070 Ti搭載BTO PCを価格比較
7.おすすめRTX 3070 Ti搭載BTO PCのまとめ
付録.その他のGPU搭載BTO PCのまとめ記事
【執筆:2021年6月11日、最終更新:2021年6月11日】
はじめに - GeForce RTX 3070 Tiについて
2021年6月10日より販売が解禁された「GeForce RTX 3070 Ti」を搭載したBTO PCが早くも各社からリリースされています。GeForce RTX 3070 Tiは、前世代同クラスGeForce RTX 2070 SUPERと比較して平均して50%程度も上回る性能を発揮、さらに実売1199ドルからだった前世代最上位GeForce RTX 2080 Tiを明確に上回り、599ドルからという希望小売価格によって、RTX 30シリーズで何かとアピールされることの多い”前世代比2倍”をコストパフォーマンスの点で実現したモデルです。
次世代スタンダードなWQHD/144Hz+、4K/60FPSのラグジュアリーな超高画質、フルHD/240FPSのスーパーハイフレームレートなど幅広いPCゲーマー層にマッチし、599ドルからという手ごろな価格も相まって新定番なミドルハイクラスGPUです。
・GeForce RTX 30シリーズのレビュー記事一覧へ
RTX 3070 Tiは2021年現在、手ごろな価格で普及しているWQHD/144Hz+のIPS液晶ゲーミングモニタと組み合わせて高画質・ハイフレームレートなPCゲーミング入門に最適なグラフィックボードです。
WQHD/144Hz+のIPS液晶ゲーミングモニタは色々と販売されていますが、リモコン操作&USB Type-C対応でマルチメディアに最適な「BenQ EX2780Q」、ELMB Syncやスナイパーなど独自のゲーミング機能が豊富な「ASUS TUF Gaming VG27AQ」、同スペック製品の中でも特に高発色・高応答速度な「LG 27GL850-B」は当サイトでもレビューを公開していてオススメなモデルです。
・WQHD解像度/144Hz+ゲーミングモニタのレビュー記事一覧へ
なお昨年発売された下位モデルGeForce RTX 3070と比較すると、単純なGPU性能差が10%程度に対して、各GPUを搭載したBTO PCの価格差は2021年6月現在で3~5万円もあり、コストパフォーマンス的にはGeForce RTX 3070無印のほうが強いので、どちらかというとRTX 3070搭載BTO PCを当サイト的にはオススメしています。
RTX 3070 Tiは499ドルのRTX 3070と699ドルのRTX 3080に挟まれているので、コストパフォーマンスを重視するならRTX 3070搭載BTO PC、性能を追求するならRTX 3080搭載BTO PCへランクアップ、というのが正直なオススメの選択です。
またRTX 3070 Tiがサポートする高画質機能「Raytracing(レイトレーシング)」では、照明(エリアライト)や太陽光(グローバルイルミネーション)の影響を厳密に再現し、光の反射や透過も現実に即して忠実に描写されます。レイトレーシングを採用したわかりやすい例としては鏡に映る反射など、視覚(視点から見た)の外にある物体もリアルに描画することができます。
RTX 30シリーズのリリース情報ではレイトレーシング(NVIDIA RTX)をサポートするゲームとしてすでに発売済みのShadow of the Tomb Raiderやバトルフィールド5を含めて20タイトル以上が発表されていますが、2020年後半にはさらに大人気バトルロイヤルゲーム「Fortnite」の対応に加え、「CYBERPUNK 2077」「Call of Duty: Black Ops Cold War」「Watch Dogs: Legion」といったビッグネームも対応タイトルとして発売します。今後もますますレイトレーシング対応タイトルは増えていく予定です。
そんな高性能GPUであるRTX3070Ti搭載ゲーミングBTO PCを狙っている非自作erとしてはどこで買うのが一番良い(お得であるとか、高品質であるとか)のかわからない人も多いと思うので、ハード面やコスト面中心に徹底比較を行い、RTX 3070 Ti搭載のおすすめBTO PCを紹介していきます。サポート面についてはググってください。
簡易水冷RTX 3070 Ti搭載のBTO PCがおすすめ
サイコムから発売されている、同社が独自に簡易水冷化したGeForce RTX 3070 Tiグラフィックボードを搭載するG-Master Hydroシリーズも非常におすすめです。例えば、GeForce RTX 3080のようにグラフィックボード消費電力が300Wを超えるハイエンドGPUとなると、空冷では3スロット占有大型クーラーでもGPUコア温度は70~80度に達しますが、簡易水冷クーラーであればラジエーターの設置スペースを確保する必要があるものの、GPUコア温度を50度前後という非常に低い温度で運用できます。
グラフィックボードの場合、空冷クーラーと比較して簡易水冷クーラーの冷却性能と静音性は抜群に優秀なので高性能なGPUを搭載するBTO PCを購入するなら、簡易水冷の導入を検討する価値は十分にあります。
また最新GPUはGPUコア温度が低いほど高いコアクロックで動作する仕様です。冷却性能の高い簡易水冷グラフィックボードは空冷よりも高いコアクロックで動作できるので、性能(PCゲームのフレームレート)においてもメリットがある製品です。
G-Master Hydroシリーズで特にオススメなのは、PCゲーミングに最適なIntel第12世代CPUを採用した「G-Master Hydro Z690/D4」です。またCPUクーラーに360サイズラジエーターの大型簡易水冷CPUクーラーを採用する上位モデル「G-Master Hydro Z690 Extreme/D4」もラインナップされています。
Intel第12世代CPU搭載モデルについては、最新のDDR5メモリが採用された「G-Master Hydro Z690/D5」や「G-Master Hydro Z690 Extreme/D5」、簡易水冷化GeForce RX 3070にグラフィックボードが限定されますが、Micro-ATXマザーボード採用のミニタワーPC「G-Master Hydro Z690-Mini/D4」もラインナップされています。
その他にも従来のIntel製CPUを上回るシングル/マルチスレッド性能を実現したAMD Ryzen 5000シリーズCPUを搭載する「G-Master Hydro X570A II」、CPUクーラーに360サイズラジエーターの大型簡易水冷CPUクーラーを採用する上位モデル「G-Master Hydro X570A Extreme」、20コア以上ウルトラメニーコアでプロレベルのクリエイティブタスクにも最適なAMD Ryzen Threadripperを搭載した「G-Master Hydro TRX40 Extreme」もラインナップされています。
当サイトでは簡易水冷グラフィックボード搭載したG-Master Hydroシリーズから、Core i9 11900KなどIntel第11世代CPUと簡易水冷GeForce RTX 30シリーズを搭載したゲーミングBTO PC「G-Master Hydro Z590」のレビュー記事を公開中です。G-Master Hydroシリーズの購入を検討する際には参考になると思います。
・簡易水冷GeForce RTX 30搭載「G-Master Hydro Z590」をレビュー
・簡易水冷化GeForce RTX 30搭載G-Master Hydroシリーズの販売ページへ
BTO PCメーカー別の簡易比較と特集記事
当サイトでもよく紹介するBTO PCメーカーの取り扱いモデルについて簡単な比較表を紹介しておきます。各パーツを個別に選択できるほうが管理人的には好みですが、固定のほうが価格面では優れていることが多いです。BTO PCメーカーの特徴比較 | ||||
グラフィックボード のモデル |
PCケース | マザーボード | 納期 | |
サイコム | 〇:選択可能 | 〇:自作PC向け | 〇:選択可能 | |
TSUKUMO | 固定 | 自社オリジナル | 固定 (ほぼASUS or ASRock) |
|
ドスパラ | 固定 | 自社オリジナル 2020年最新 |
固定 |
◎: 最短当日 |
PCショップアーク | 〇:選択可能 | 〇:自作PC向け | 〇:選択可能 | |
パソコン工房 | 固定 | △:自作向けベースのオリジナル |
固定 | |
マウスコンピューター |
固定 | △:自作向けベースのオリジナル | 固定 | |
フロンティア |
固定 | △:ほぼ自作向け PCケースを採用 |
固定 (ほぼASUS or ASRock) |
・ドスパラ「GALLERIA」のおすすめゲーミングBTO PCの選び方
・TSUKUMO「G-GEAR」のおすすめゲーミングBTO PCの選び方
・マウスコンピューター「G-Tune」のおすすめゲーミングBTO PCの選び方
・フロンティアのおすすめゲーミングBTO PCの選び方
RTX 3070 Ti搭載のBTO PCの簡易紹介
1.PCショップアーク
PCショップアークでは2020年11月より同社のBTO PCブランドが「archive(アークハイブ)」へとリニューアルされました。PCショップアーク archiveではRTX 3070 Tiグラフィックボードを選択可能なBTO PCとして、自作PC向けの高品質で拡張性の高いPCケースを使用したコンセプトモデルが展開されており、カスタマイズ自由度も高いので、基本的にPCケースの好みで選択していけばOKです。
最新PCケースが採用されたおすすめモデルをいくつか紹介すると、Fractal Design Meshify 2 Compactをベースにした「arkhive Gaming Custom FM」、SilverStone SG14Bをベースにした「archive Gaming Custom SG」などがおすすめです。
CPUはIntel製CPUのCore i5/i7/i9やAMD製CPUのRyzen 5/7/9から自由に選択可能であるなど、カスタマイズ項目が多様で採用パーツも高品質なBTOメーカーなので”わかっている”人にはありがたいのですが、初心者向きとは言い辛いかもしれません。RTX 3070 Tiグラフィックボードのベンダーやモデルをカスタマイズで選択可能です。
2.TSUKUMO(ツクモ) eX.computer
ツクモeX.computerからはRTX 3070 Ti搭載BTO PCとして、スタンダードタワーPCの「G-GEAR」、コンパクトPCの「G-GEAR mini」、フルタワーPCの「G-GEAR neo」の3シリーズから、CPU&チップセット別でいくつかのモデルがラインナップされています。TSUKUMOからはRTX 3070 Ti搭載ゲーミングBTO PCとして、スタンダートモデルG-GEARシリーズで、RTX 3070 Tiに最適なIntel Core i7 11700(F)を組み合わせた「G-GEAR GA7J-G212/T」が発売されています。
TSUKUMO G-GEARではマザーボードに「ASRock H570 Phantom Gaming 4」など自作PCユーザーにも定評のある市販モデルが採用されています。BTO PCに採用され単品でも販売される同社オリジナル電源ユニットを開発していることからも分かる通り、細かい部分も自作PC向けの高品質製品でまとめられています。スタンダードモデルG-GEARではまだPCケースが更新されておらず、ここだけ設計が古いのは気になるものの、内部パーツについては総合的に高品質なBTO PCです。
なおRTX 3070 Tiグラフィックボードのベンダーやモデルを指定できません。
TSUKUMOからは上で紹介したモデル以外にもRTX 3070 Ti搭載BTO PCが複数ラインナップされており、同社販売ページのトップではCPU別とGPU別で縦横軸分類表で各モデルが紹介されています。詳しくは『TSUKUMO「G-GEAR」のおすすめゲーミングBTO PCの選び方』の記事を参考にしてください。
3.パソコン工房
パソコン工房のゲーミングBTO PC LEVEL∞は主に5つのシリーズが展開されています。5シリーズの中で最も一般的なモデルはミニタワーPCケース採用のLEVEL∞ M-Class、ミドルタワーPCケース採用のLEVEL∞ R-Classの2つです。さらにコンパクトサイズなLEVEL∞ C-Class、フルタワーPCケース最上でハイスペックなLEVEL∞ G-Class、メニーコアなエンスージアスト向けCPUを搭載したハイエンドモデルLEVEL∞ F-Classがあります。
パソコン工房のBTO PCでは各モデルでCPUやGPUの組み合わせが固定されていることが多いです。マザーボードや電源ユニットに型番不明の廉価なパーツを使っているのが気になるところ。カスタマイズの幅もさほど広くありませんが価格面では強いです。RTX 3070 Tiグラフィックボードのベンダーやモデルを指定できません。
パソコン工房のゲーミングPCブランドLEVEL∞からはRTX 3070 Ti搭載BTO PCとして、いくつかのモデルがラインナップされていますが、今回はRTX 3070 Tiに最適なCPUのCore i7 11700Kを選択可能なミドルタワーPCの「LEVEL-G059-LC117K-UAX」をチェックしていきます。
なおパソコン工房のゲーミングBTO PCではラインナップの移り変わりが激しく、新製品や終売になるモデルも多いため、RTX 3070 Ti搭載BTO PC一覧ページも確認してみて下さい。
4.サイコム
サイコムではRTX 3070 Ti搭載のデフォルト構成モデルというものがなく、Intel第11世代Rocket Lake-S CPUを搭載するミドルタワーPC「G-Master Spear Z590」や、AMD Ryzen 5000/3000シリーズCPUを搭載するミドルタワーPC「G-Master Spear X570A II」など複数のシリーズで、カスタマイズ項目からRTX 3070 Tiを選択可能になっています。CPUはIntel製ならCore i3からCore i9、AMD製ならRyzen 3からRyzen 9と自由に選択可能であるなど、カスタマイズ項目が多様で採用パーツも高品質なBTOメーカーなので”わかっている”人にはありがたいのですが、初心者向きとは言い辛いかもしれません。RTX 3070 Tiグラフィックボードのベンダーやモデルをカスタマイズで選択可能です。
サイコムのRTX 3070 Ti搭載BTO PCについては拡張性やメンテナンス性に優れたPCケースと、ゲーミングPCで定番のIntel製最新CPUを採用している「G-Master Spear Z590」に的を絞って紹介します。このBTO PCではCooler Master MasterBox CM694という自作er界隈だけでなくBTO PC用筐体としても非常に評価の高いPCケースを採用しているのがポイントです。
また同社が独自に簡易水冷化したGeForce RTX 3070 Tiグラフィックボードを搭載するG-Master Hydroシリーズも非常におすすめです。
・簡易水冷化GeForce RTX 30搭載G-Master Hydroシリーズの販売ページへ
5.ドスパラ
ドスパラからはRTX 3070 Ti搭載BTO PCとしてミドルタワーPCの「GALLERIA X/Z/U」シリーズからCPU別で、Ryzen 7 3700Xを採用する「GALLERIA ZA7R-R37T 3700X搭載」、Core i7 11700を採用する「GALLERIA XA7C-R37T」、Ryzen 7 5800Xを採用する「GALLERIA ZA7R-R37T 5800X搭載」、Ryzen 9 5900Xを採用する「GALLERIA UA9R-R37T」などがリリースされています。ミニタワーPCケースSKM採用モデルはリリースされていません。ドスパラBTO PCは”2日で出荷可能、カスタマイズしても納期そのまま”など注文から数日で発送してくれる、驚愕の納期速度を誇っているので早く欲しいユーザーにとっては有力な候補だと思います。【注:発売直後はRTX 3070 Ti自体が品薄のため実際の納期は製品ページでご確認ください。】
RTX 3070 Tiグラフィックボードのベンダーやモデルを指定できませんが、標準でPalit製の3スロット占有の高冷却性能モデルが採用されています。
RTX 3070 Tiグラフィックボードは長さ300mm超かつ3スロット占有で重量が1kgを軽く超過するモデルが大半ですが、GALLERIAの新型PCケースでは超重量級グラフィックボードを強固に保持するGPUホルダー「リジッドカードサポート」が付属します。(一部モデルではカスタマイズ対象)
GALLERIAの新型PCケースは自作PCユーザーの目線から見ても非常に拡張性が高く、ユーザビリティーに優れた設計になっていて、見た目もスマートでカッコいいので、自作PC専用筐体を採用するBTO PCメーカーの中でも特にオススメです。
・「ガレリア専用 SKケース (ATX)」をレビュー。新生GALLERIAを完全解説
ドスパラ GALLERIAからは各種CPUや各種GPUを組み合わせたモデルが多数ラインナップされており一見して分かり難いかもしれませんが、添え字アルファベットで簡単に分類することができます。詳しくは『ドスパラ「GALLERIA」のおすすめゲーミングBTO PCの選び方』の記事を参照してください。
6.マウスコンピューター
マウスコンピューターについてはRTX 3070 Ti搭載ゲーミングBTO PCとしてG-TuneデスクトップPCの基本4ブランドから各モデルがラインナップされています。マウスコンピューター G-TuneのゲーミングBTO PCのブランドは大まかに、小型で若干廉価な「ミニタワー型」(PCケース詳細)、中堅モデルでスタンダード仕様の「ミドルタワー型」(PCケース詳細)、高級ハイエンドモデルの「フルタワー型」(PCケース詳細)と松竹梅の3段構成、さらにコンパクトキューブの「ハンドル付きミニタワー型」(PCケース詳細)の4バリエーションとなっています。
GPUとCPUの組み合わせが固定されているので、希望の組み合わせを探すのが少し難しいかもしれません。カスタマイズの幅は広くありませんが、その分だけ他社と比べて安価になっています。オプション料金+2000円がかかりますが対象製品は翌営業日出荷と納期も速いのが特徴です。RTX 3070 Tiグラフィックボードのベンダーやモデルをカスタマイズ(選択)できません。
マウスコンピューターからは4シリーズを基本ラインアップとして、CPU&GPUセット別で細かく分類されたBTO PCが販売されています。詳しくは『マウスコンピューター「G-Tune」のおすすめゲーミングBTO PCの選び方』の記事を参考にしてください。
7.フロンティア
フロンティアについてはRTX 3070 Ti搭載ゲーミングBTO PCとして基本3ブランドから各モデルがラインナップされています。フロンティアのゲーミングBTO PCのブランドは大まかに、安価なエントリークラスで安価なミドルタワーケース採用の「GAシリーズ」、高性能ミドルタワー採用のスタンダードモデル「GHシリーズ」、拡張性に優れる最上位のフルタワーPC「GBシリーズ」の3バリエーションとなっています。
またゲーミングBTO PCとしてはラインナップされていませんが、比較的新しい自作向けPCケース採用で見た目にもこだわったミニタワーPCの「GKシリーズ」や、安価なミニタワーPCの「GXシリーズ」もあります。
2021年の最新モデルでは(下写真で左から順に)、GBシリーズにPhanteks Eclipse P500A、GHシリーズにPhanteks Eclipse P360A、GKシリーズにIn Win 301という比較的新しい自作向け製品をベースにしたPCケースが採用されているので個人的にはオススメです。
GPUとCPUの組み合わせが基本的に固定されているので、希望の組み合わせを探すのが少し難しいかもしれません。カスタマイズの幅は広くありませんが、その分だけ他社と比べて安価になっています。RTX 3070 Tiグラフィックボードのベンダーやモデルをカスタマイズ(選択)できません。
フロンティアではRTX 3070 Ti搭載BTO PCのまとめページも公開されています。ただしメーカーの傾向としてリリース直後のモデルが掲載されているだけで最新ラインナップは更新頻度が低いようです。(品切れのまままだ補充されていないだけかもしれませんが)
モデルの出入りが激しいようなので具体的に名前を挙げても在庫がない可能性もあるのですが、今オススメなのはCore i7 11700を組み合わせている「GAシリーズ FRGAH570/37Ti/NTK」です。
フロンティアでRTX 3070 Tiのような最新GPUを搭載したモデルを探す時は「セール・特集」のページから、希望のGPUを搭載したモデルを探すのが良いようです。希望のモデルを探すのが少々大変ですが、その分、安価なモデルも多いようなので頑張ってみてください。
RTX 3070 Ti搭載BTO PCのカスタマイズ指南
一口にRTX 3070 Ti搭載BTO PCと言っても上で述べたようにCPUやストレージなどその他の部分で製品スペックには各社で違いがあります。それによって価格が上下するのでそのまま価格比較を行っても公平ではありません。そのためググった時によく出てくる”BTO PCの価格比較”をうたうもので、各メーカーのデフォルト価格を載せているだけのサイトはほぼ当てになりません。(全部とは言いませんが、BTO PCでカスタマイズしないユーザー以外にはほぼ意味がないと思います)
RTX 3070 Ti搭載BTO PCの価格比較を行う前に、購入を検討している人が理解しておくべきRTX 3070 Tiを搭載するBTO PCの最適なカスタマイズ方法や予備知識を簡単に紹介しておきます。
RTX 3070 Ti搭載BTO PCのカスタマイズについては、「CPU」「メモリ」「電源容量」「ストレージ」「マザーボード」のBTO PCの主要な5パーツに注目します。
これら5つの適切な選び方さえ知っていれば、記事の更新や閲覧のタイミングに左右されず、解説に合わせてカスタマイズすれば各自で簡単にリアルタイムな価格比較もできて最適なBTO PCを選択可能です。
- CPUについてはIntel製CPU(Core i5 11400など)とAMD製CPU(Ryzen 5 5600Xなど)の2種類があります。AMD製CPUもコスパに優れた良いCPUですが、PCに詳しくない初心者は長年主流な製品ということもあって基本的に安定しているのでIntel製CPUを選ぶのが無難だと思います。
ハイエンドGPUのRTX 3070 Tiと組み合わせるのであれば、最近はCPUを大きく使用するゲームも増えつつあるので、8コア16スレッドのCore i7 11700/11700Kを選択するのがおすすめです。BTO PCメーカーによっては組み合わせがなければRyzen 7 5800Xや3700XでもOK。
プレイ動画の録画・配信もするのであれば、AMD製CPUになりますが、クリエイティブタスクにおいてさらに高性能な12コア24スレッドのRyzen 9 5900Xを検討してみてください。
- システムメモリはゲーム用途なら16GBあれば基本的に十分ですが、偶にシステムメモリを多く要求するゲームもあるので予算に余裕があれば32GBを選択してもいいかもしれません。8GBでは足りない場合が多いので少なくとも16GB以上を推奨します。メモリ枚数は合計容量が同じなら4枚でなくて2枚で大丈夫。
- 電源容量は700Wもあれば問題ありません。変換効率は予算が許すならGold以上を選ぶと電源ユニットの静音性の面で有利かもしれません。
- システムストレージ(WindowsOSをインストールするストレージ)は必ずHDDではなくSSDを選んでください。とはいえ、最近では500GB以上のSSDを標準で採用しているBTO PCが大半なのであまり気にしなくていいかも。Windows10をインストールするシステムドライブのサイズは最低でも240GB以上であればOKです。
PCゲーム用ストレージはシステムとは別に用意するほうが後々便利です。システムストレージ同様にHDDではなくSSD推奨、ゲームのロード時間は2~3倍も差があります。
ゲーム用ストレージの容量は可能なら1TB(1000GB)、少なくても500GBが望ましいです。1TBのSSDは1.2万円程度からでパーツのみを購入できるので各自でBTO PC購入後に増設してもかまいません。
- マザーボードは「Z590」や「H570」などチップセット名だけでなく「ASUS Prime Z590-A」のように市販のマザーボード名が記載されているor市販マザボを選択できるBTOが推奨です。市販のマザボであれば専用のマニュアルも存在しますし、何かトラブルがあってもググって解決法を見つけるのが容易になります。
マザーボードメーカーは日本語マニュアルが一番しっかりしていてユーザー数の多いASUSを選ぶのが鉄板ですが、機能的にはASRockやMSIのマザーボードでも十分です。
この記事では長年主流ということもあってIntel製CPUをベースに比較紹介していきますが、2020年11月に発売されてゲーマー向け最速を更新したAMD Ryzen 5000シリーズCPUと最新グラフィックボードを組み合わせたゲーミングBTO PCについてはこちらの記事で解説しています。
・AMD Ryzen 5000シリーズCPU搭載のオススメなBTO PCを解説
CPUやグラボなど各CPU部品の解説記事
グラフィックボードや電源ユニットなどBTO PCを選択する上で主要なパーツについては、個別のまとめ記事も公開しているので予備知識としても参考にしてください。・BTO PCにオススメなCPUを用途&予算別で5種厳選
・【できる!自作PC】最新CPUの選び方とオススメCPUを徹底解説
・おすすめグラボまとめ。予算・性能別で比較。各社AIBモデルの選び方
・【SATA SSD vs NVMe SSD vs HDD】 ゲームロード時間を比較
・おすすめSSDまとめ。QLC/TLC/MLCやNVMe/SATA3.0など最新SSD事情を解説
・自作PC電源ユニット(PSU)の徹底解説とおすすめ電源の選び方
・おすすめの自作PCマザーボードを徹底解説
・予算と性能で選ぶオススメのゲーミングモニタを解説
パーツを揃えてRTX 3070 Ti搭載BTO PCを価格比較
上で紹介したカスタマイズ指南を念頭において、下の表の基本パーツ構成に可能な限り準拠した状態で各社のRTX 3070 Ti搭載BTO PCの価格を比較します。価格比較用のパーツ構成 | |
OS | Windows10 Home |
CPU | Core i7 10700 / 10700K Ryzen 7 3700X / 5800X |
メモリ | 16GB (8GB*2) |
グラボ | RTX 3070 Ti |
システムストレージ | SSD 250GB~500GB |
データストレージ | なし(実際の購入に際しては 960GB以上のSSDが推奨) |
電源 | 700W~800W、Gold |
その他付属品 | なし |
比較を行う上での注意点
・ゲーム用のデータストレージは960GB以上のSSDがオススメですが、個別に購入しても問題ないので簡単のためになしの設定で比較します。ちなみに960~1000GB(1TB)のSSDの価格相場は1.2万円程です。
・各社カスタマイズできない設定で1TB HDD(2千円程度)やオリジナルCPUクーラー(2~3千円程度)の有無があり最終価格には数千円誤差がある場合があります。
BTOメーカー | 型番 | 電源 | マザボ | 価格 |
PCショップアーク Ryzen 7 3700X |
arkhive Gaming Custom FM | Antec NeoECO GOLD 750W Gold |
GIGABYTE X570 AORUS ELITE ATX |
30.4万円 |
TSUKUMO Core i7 10700 |
G-GEAR GA7J-G212/T |
G-GEAR CSE850SGGP 850W Gold |
ASRock H570 Phantom Gaming 4 ATX |
23.9万円 |
パソコン工房 Core i7 11700K |
LEVEL-G059-LC117K-UAX |
800W Titanium (詳細不明) |
MSI Z590-S01 ATX (非市販品) |
28.0万円 |
サイコム Core i7 11700K |
G-Master Spear Z590 |
SilverStone SST-ST75F-GS V2 750W Gold |
ASUS TUF GAMING Z590-PLUS ATX |
28.6万円 |
G-Master Hydro Z590 |
SilverStone SST-ST85F-GS V2 850W Gold |
ASUS TUF GAMING Z590-PLUS WiFi ATX |
34.4万円 | |
ドスパラ Ryzen 7 3700X |
GALLERIA XA7R-R37T |
850W Gold (詳細不明) |
ASRock B550 TW ATX (詳細不明) |
25.9万円 |
マウス コンピューター |
G-Tune |
- | - | -万円 |
フロンティア Core i7 11700 |
GAシリーズ FRGAH570/37Ti/NTK |
85W Gold (詳細不明) |
H570 ATX (詳細不明) |
26.9万円 |
おすすめRTX 3070 Ti搭載BTO PCのまとめ
構成パーツが多少違うので誤差はあるものの、各BTOメーカーやPCの種類で上の表のような価格になることが分かりました。上記参考価格とBTOメーカーの特色を踏まえて、RTX 3070 Tiを搭載したBTO PCの価格と特徴を簡単にまとめます。- PCショップアークについてはマザーボードや電源も自作PC向けに一般販売されている高品質なものになっていて、PCケースも2020年最新のものが選択できて拡張性が高く、品質・カスタマイズ性いずれも優れたBTO PCです。価格は相対的に高めですが、予算が許すならオススメ。
- TSUKUMOは構成パーツの品質が良く、今回の価格比較では最安値でした。PCケースの設計が古いところは玉に瑕ですが、価格を重視するならイチオシです。
- パソコン工房については構成パーツは自作PC向けではないものが多く詳細が不明ですが、今回の価格比較では価格面でもメリットもあまりないので、特にオススメする要素がないかも。
- サイコムについてはマザーボードや電源も自作PC向けに一般販売されている高品質なものになっていて、PCケースも2021年最新のものが選択できて拡張性が高く、品質・カスタマイズ性いずれも優れたBTO PCです。価格は相対的に高めですが、自作PC向けケースにこだわるなら検討してみる価値があると思います。
- ドスパラはPCケースも刷新されたのでマザーボードが不明なところを除けば隙がありません。価格も安価な部類です。RTX 3070 Tiが品薄なうちは難しいのですが、「当日で出荷可能、カスタマイズしても翌日」という納期に関する面では頭一つ飛び抜けています。早く欲しいということであればかなり有力な候補でしょう。
- マウスコンピューター:未発売
- フロンティアは構成パーツは自作PC向けではないものが多く詳細が不明、今回の比較では価格も平均的なので、選び難い感じになりました。
当サイトの結論としてはRTX 3070 Ti搭載PCの中でも、TSUKUMOから発売中のCore i7 10700が組み合わせられた「G-GEAR GA7J-G212/T」が飛び抜けて安価だったので、これがイチオシのモデルです。
TSUKUMOからは10コア以上のメニーコアCPUとRTX 3070 Tiを組み合わせたモデルが今のところないので、プレイ動画の編集やゲーム実況も行うのであれば、12コア24スレッドの上位モデルRyzen 9 5900Xを搭載した「GALLERIA UA9R-R37T」を検討してみてください。
グラフィックボードのモデルが選べて、マザーボードや電源ユニットも詳細に選択できるので、細部まで構成パーツにこだわりたい人には、少し割高になりますが、サイコムの「G-Master Spear Z590」や、PCショップアークの「arkhive Gaming Custom FM」を検討してみてください。
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幅広いPCゲーマー層にマッチするアッパーミドルGPUの2021年新モデル「NVIDIA GeForce RTX 3070 Ti」を搭載したゲーミングBTO PCのおすすめ機種について、大手7社の各製品で価格や構成パーツの比較から徹底解説https://t.co/xW9zLGQ0NL pic.twitter.com/OX7c45PT9F
— 自作とゲームと趣味の日々 (@jisakuhibi) June 11, 2021
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(注:記事内で参考のため記載された商品価格は記事執筆当時のものとなり変動している場合があります)
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