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Crucial製のJEDEC準拠でネイティブ5600MHz対応のDDR5メモリ「Crucial CT16G56C46U5」を使用して、DDR5初期スペックのDDR5-4800や、DDR4メモリでは定番のOCスペックであるDDR4-3600とゲーム性能を最新10タイトル以上で比較検証します。
レビュー目次
1.Crucial製 ネイティブ5600MHzのDDR5メモリについて
2.Intel Core i9 13900の検証機材・動作設定
3.DDR5-5600/4800とDDR4-3600でゲーム性能を比較
・4K解像度/60FPSターゲット
・フルHD解像度/ハイフレームレート
4.レビューまとめ
【機材協力:Crucial/Micron】
Crucial製 ネイティブ5600MHzのDDR5メモリについて
Micron純正メモリモジュールを採用するJEDEC準拠メモリ Crucial DDR5 UDIMMシリーズから、JEDEC準拠の定格動作でネイティブ5600MHzに対応する16GB容量メモリモジュール「Crucial CT16G56C46U5」について簡単にチェックしておきます。今回、検証用に入手した「Crucial CT16G56C46U5」は16GB容量のメモリモジュール 1枚だけのメモリキットです。同社からは16GB×2枚組み=32GBの2枚組メモリキット「Crucial CT2K16G56C46U5」も発売中です。
「Crucial CT16G56C46U5」のメモリモジュールは黒色のPCB基板で、その片面にMicron純正メモリチップが計8枚実装されています。何の変哲もないDDR5メモリといった外観です。
定格電圧1.100Vでメモリ周波数5600MHz/メモリタイミングCL46に対応する16GB容量のメモリモジュール「Crucial CT16G56C46U5」については、CrucialがMicronのコンシューマー向けブランドなので当然ですが、Micron製DDR5メモリモジュールが採用されています。
(製品型番およびスペックはそのままでも、メモリモジュールについてはロットやバージョンで変更される可能性があります。)
「Crucial CT16G56C46U5」にはJEDEC準拠でメモリ周波数5600MHz/メモリタイミングCL45に対応するDDR5メモリですが、上記スペックのSPDプロファイルだけでなく、Intel XMP3.0とAMD EXPOに対応したOCプロファイルが両方とも収録されています。
定格1.100Vで5600MHzに対応するJEDECに準拠な仕様が魅力の製品ではあるのですが、CPU&MB側の定格メモリ周波数が4800MHzや5200MHzなど5600MHzよりも低い場合(Intel第13世代CPUでもCore i5 13400など第12世代リフレッシュな製品)、5600MHzのメモリ設定が適用されないことがあります。あと4枚組みにした時も。
マザーボードBIOSの自動設定やメモリ枚数による制限でメモリ速度が低速になる場合でも、JEDEC準拠の5600MHzや5200MHzと同じものをユーザーが簡単に適用できるよう、XMP/EXPOプロファイルが収録されているところも「Crucial CT16G56C46U5」の地味な魅力です。
ネイティブ5600MHz対応のDDR5メモリ「Crucial CT16G56C46U5」がIntel第13世代CPUやAMD Ryzen 7000シリーズCPUの最新環境で安定動作するかについてはこちらの記事で詳しく確認しているので、気になる方は参照してみてください。
検証機材・動作設定
以下、各種検証を行うベンチ機、および比較対象となる各CPUのベンチ機の詳細となります。テストベンチ機の構成 | ||
CPU |
Intel Core i9 13900K (レビュー) |
|
M/B | ASUS ROG MAXIMUS Z790 HERO (レビュー) |
ASUS TUF GAMING Z790-PLUS WIFI D4 (レビュー) |
メインメモリ | Crucial CT16G56C46U5 ×2 (レビュー) DDR5 16GB×2=32GB |
G.Skill Trident Z Neo F4-3600C16Q-64GTZN (うち2枚) (レビュー) DDR4 16GB×2=32GB |
CPUクーラー |
Fractal Design Celsius S36 (レビュー) Noctua NF-A12x25 PWM x3 (レビュー) |
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グラフィックボード |
PNY GeForce RTX 4090 24GB XLR8 Gaming VERTO EPIC-X RGB OC 3FAN (レビュー) |
|
システム ストレージ |
Samsung SSD 980 PRO 500GB (レビュー) | |
OS | Windows 11 Home 64bit | |
電源ユニット |
Corsair HX1500i 2022 (レビュー) | |
PCケース/ ベンチ板 |
STREACOM BC1 (レビュー) |
Intelの最新世代、第13世代Raptor Lake-SシリーズCPUは最新規格のDDR5メモリだけでなく、従来規格のDDR4メモリもサポートしているところが大きな特徴の1つです。
DDR4メモリの検証環境としてマザーボードには「ASUS TUF GAMING Z790-PLUS WIFI D4」を使用しています。
「ASUS TUF GAMING Z790-PLUS WIFI D4」はCPU消費電力が200Wを超過するCore i9シリーズの常用にも余裕で耐える60A対応Dr. MOSで構成された17フェーズの堅牢VRM電源やPCIEスロットのロック解除スイッチ PCIe Slot Q-Releaseを搭載しています。
その他の特長として、PCIE4.0x4対応のNVMe SSD用M.2スロットを4基搭載し、2.5Gb有線LANやWiFi6対応無線LANといった最新規格なコネクティビティを備え、さらに3.9万円前後(2023年3月現在)と価格面でも手を伸ばしやすく、Intel第13世代CPUでハイパフォーマンスなゲーミングPCを構築したいユーザーにオススメしたい製品です。
・「ASUS TUF GAMING Z790-PLUS WIFI D4」をレビュー
性能比較の統一検証機材として、2023年最新のウルトラハイエンドGPUを搭載したグラフィックボード「PNY GeForce RTX 4090 24GB XLR8 Gaming VERTO EPIC-X RGB OC 3FAN」を使用しています。
PNY GeForce RTX 4090 24GB XLR8は、ベイパーチャンバー構造のベースコアや、厚みのあるファンブレードをバリヤーリングで結合した重厚な冷却ファンを採用する4スロット占有大型GPUクーラーにより、各社AIBモデルの中でもトップクラスの静音性を実現しています。
メーカーのPNYは2022年に株式会社アスクが販売代理店契約を結んだばかりの新参なので国内での知名度は高くありませんが、北米など海外市場では30年以上に渡りコンシューマーならびにビジネス向けで電子機器の製造・販売を行う大手メーカーです。
国内正規品なら代理店を介してPNY公式のグローバル保証と同じ3年間の長期保証が受けられるところも魅力です。
・「PNY GeForce RTX 4090 24GB XLR8」をレビュー
DDR5-5600/4800とDDR4-3600でゲーム性能を比較
DDR5-5600/4800とDDR4-3600のPCゲームに関する性能を実ゲームを用いたベンチマーク測定で検証しました。メモリ速度については、DDR5-5600はJEDEC準拠のまま5600MHz/CL46-45-45-89、
DDR5-4800もJEDEC準拠のまま4800MHz/CL40-39-39-76です。
DDR4-3600はXMPのOCプロファイルを適用し、3600MHz/CL16-16-16-36としています。
ゲーム性能の比較には近年の高画質PCゲームから、Assassin’s Creed Valhalla、Cyberpunk 2077、F1 2022、Far Cry 6、Marvel’s Guardians of the Galaxy、Shadow of the Tomb Raider、Tom Clancy's Rainbow Six Extraction、Forza Horizon 5、MONSTER HUNTER RISE : SUNBREAK、Marvel’s Spider-Man Remastered、Call of Duty: Modern Warfare II、The Witcher 3: Next Gen Update、Microsoft Flight Simulator(4Kのみ)の13タイトルを使用しています。
メモリがゲーム性能に与える影響の多くは100FPS以上の高フレームレートにおけるボトルネックの解消なので、フルHD(1920×1080)解像度/高画質設定について、各ゲームで平均フレームレートと1% Lowフレームレートを測定しました。
また参考としてAssassin’s Creed Valhalla、Cyberpunk 2077、Shadow of the Tomb Raider、Marvel’s Spider-Man Remastered、Microsoft Flight Simulator、The Witcher 3: Next Gen Updateの6種類については4K解像度をターゲットとしたベンチマーク測定も行っています。
Intel Core i9 13900のゲーム性能 - 4K解像度/60FPSターゲット
まずは60FPSの標準フレームレートをターゲットとした4K(3840×2160)解像度のゲーミング性能についてベンチマーク結果をチェックしていきます。メモリがゲーム性能に与える影響の多くは100FPS以上の高フレームレートにおけるボトルネックの解消なので、4Kの高解像度ではメモリ速度による差はほとんど誤差のような感じです。
Assassin's Creed Valhara(4K解像度、画質プリセット:高)に関するベンチマーク結果は次のようになっています。
Cyberpunk 2077(4K解像度、画質プリセット:高、FSR:オフ)に関するベンチマーク結果は次のようになっています。
Shadow of the Tomb Raider(4K解像度、DirectX12、画質プリセット:最高、レイトレーシング表現:最高、アンチエイリアス:TAA)に関するベンチマーク結果は次のようになっています。
Marvel’s Spider-Man Remastered(4K解像度、DLSS:品質、画質プリセット:非常に高い、レイトレーシング:高/高/6)に関するベンチマーク結果は次のようになっています。
Microsoft Flight Simulator(4K解像度、画質プリセット:ウルトラ、アンチエイリアス:TAA、オンライン機能:オフ)に関するベンチマーク結果は次のようになっています。
The Witcher 3: Wild Hunt, Next Gen Update(4K解像度、DLSS:品質、画質プリセット:RTウルトラ、レイトレーシング:有効)に関するベンチマーク結果は次のようになっています。
Intel Core i9 13900のゲーム性能 - フルHD解像度/ハイフレームレート
続いて100FPS以上のハイフレームレートをターゲットとしたフルHD(1920×1080)解像度/高画質設定のゲーミング性能について「Intel Core i9 13900」や比較対象CPUのベンチマーク結果をチェックしていきます。Assassin's Creed Valhara(フルHD解像度、画質プリセット:高)に関するベンチマーク結果は次のようになっています。
Cyberpunk 2077(フルHD解像度、画質プリセット:高、FSR:オフ)に関するベンチマーク結果は次のようになっています。
F1 2022(フルHD解像度、画質プリセット:高、異方性フィルタリング:x16、アンチエイリアス:TAA/FidelityFX)に関するベンチマーク結果は次のようになっています。
Far Cry 6(フルHD解像度、画質プリセット:高)に関するベンチマーク結果は次のようになっています。
Marvel's Guardians of the Galaxy(フルHD解像度、画質プリセット:高)に関するベンチマーク結果は次のようになっています。
Shadow of the Tomb Raider(フルHD解像度、DirectX12、画質プリセット:高、アンチエイリアス:TAA)に関するベンチマーク結果は次のようになっています。
Tom Clancy's Rainbow Six Extraction(フルHD解像度、画質プリセット:高、レンダースケール:固定100%)に関するベンチマーク結果は次のようになっています。
Forza Horizon 5(フルHD解像度、画質プリセット:高)に関するベンチマーク結果は次のようになっています。
MONSTER HUNTER RISE(フルHD解像度、画質プリセット:高)に関するベンチマーク結果は次のようになっています。
Marvel’s Spider-Man Remastered(フルHD解像度、アンチエイリアス:TAA、画質プリセット:高い、レイトレーシング表現:オフ)に関するベンチマーク結果は次のようになっています。
Call of Duty: Modern Warfare II(フルHD解像度、画質プリセット:バランス、アンチエイリアス:オフ)に関するベンチマーク結果は次のようになっています。
The Witcher 3: Wild Hunt, Next Gen Update(フルHD解像度、画質プリセット:高)に関するベンチマーク結果は次のようになっています。
レビューまとめ
DDR5-5600/4800とDDR4-3600でゲーム性能を比較検証してみた結果のまとめを行います。DDR5メモリにはJEDEC準拠の5600MHzと4800MHzを使用しているのに対して、比較対象に用意したDDR4メモリの設定はXMPによるOCを行った3600MHz/CL16です。
簡単に補足しておくと、DDR4メモリにおいて3600MHz/CL16は、主要4社のゲーマー向けマザーボードなら大抵の製品でOCプロファイルを適用するだけで安定動作する手軽さがあり、なおかつ性能と価格のバランスに優れているので、DDR4メモリとしては1つの完成形とも言えるスペックです。
そんなDDR4-3600/C16に対して、DDR5メモリはJEDEC準拠というCPU&MBが対応していれば装着するだけでそのまま動作するDDR5-5600/C46という速度で、平均FPSにおいてやや上回る、もしくは同等以上と評価できる性能を発揮しました。
大雑把な計算だとDDR5-7200/C32程度のレイテンシなので、ゲームタイトルの相性によってはDDR4-3600/C16のほうが上回るケースもあるのですが、スタッター(カクツキ)抑制において意味のある最小FPS(1% Low FPS)に注目すると、DDR5メモリの場合、DDR5-5600/C46程度のスペックがあれば、勝率は7,8割を上回る感じです。
DDR5メモリの初期スペックである4800MHzとDDR4-3600の比較を見ると、5600MHzネイティブ対応の登場でPCゲーム性能においても定格動作なDDR5メモリの魅力が増したと感じます。
ゲーム性能に対しては、言うまでもなく、グラフィックボード(GPU)が最も影響の大きいPCパーツであり、次にCPU、そして今回検証したシステムメモリは容量さえ足りていれば最も影響が小さいPCパーツです。
とはいえ、高速なメモリを組み合わせることでゲーム性能が向上することは事実です。
ネイティブ5600MHzに対応した「Crucial CT16G56C46U5 / CT2K16G56C46U5」なら32GB容量が1.8万円以下で購入でき、予算を圧迫しないので従来環境からDDR4メモリを使いまわす前提でなければ、DDR5メモリの登場当初と比べると導入のハードルは下がっていると思います。
2023年現在、推奨される容量32GBを上回りさえすれば、システムメモリをどうするかは優先度が下がる項目なので、すでに3600MHzかつ32GB容量のDDR4メモリを使用しているなら引き継ぐのもアリですが、既存環境(DDR4)で『メモリ速度が3200MHz以下』もしくは『容量が16GBなど32GB以下』ということなら、新規の自作PCやCPU&MBのアップグレードに合わせて、ネイティブ5600MHzに対応したCrucial製DDR5メモリを選ぶ価値があると思います。
以上、『DDR5-5600/4800とDDR4-3600でゲーム性能を比較』でした。
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ネイティブ5600MHz対応DDR5メモリ「Crucial CT16G56C46U5」を使用して、DDR5初期スペックのDDR5-4800や、DDR4メモリでは定番のOCスペックであるDDR4-3600とゲーム性能を最新10タイトル以上で比較検証https://t.co/WAJ3Kzwedj pic.twitter.com/BpvycXcFng
— 自作とゲームと趣味の日々 (@jisakuhibi) April 1, 2023
DDR4メモリに対応したIntel第13世代CPU対応マザーボードについては、「ASUS TUF GAMING Z790-PLUS WIFI D4」がオススメの製品です。
ASUS TUF GamingからはDDR5メモリに対応した「ASUS TUF GAMING Z790-PLUS WIFI」も発売されており、LGA1700マザーボードに悩んだら、この2つから選べば間違いありません。
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(注:記事内で参考のため記載された商品価格は記事執筆当時のものとなり変動している場合があります)
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