Intel 12th-Gen AlderLake-S Review-Kit


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Alder Lake-Sのコードネームで呼ばれる、Intelの最新第12世代Core-S CPUについて最高のパフォーマンスを発揮する環境で検証ができるようにIntel×MSI、さらにKingston FURYやAsetekによって用意された先行レビュアー向けメディアキットに触れる機会に恵まれたので、まずは開封の儀を通して、最新CPUの外観やMSI製Z690マザーボードや新型ハイエンド水冷クーラーをチェックしてみます。
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早速、Intel第12世代Core CPUメディアキットを開封していきます。
Intel第11世代Core CPUのメディアキットも内容品が充実していたので大きかったのですが、Intel第12世代Core CPUメディアキットは前回の2倍以上、小型冷蔵庫くらいのサイズです。大きい…。
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とりあえず、外の段ボール箱を開くとIntel、MSI、Kingston FURYからのメッセージカードが。
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黒色スポンジの緩衝材を取り出すとその下に、メディアキットの本体?となる巨大なトランクケースが現れます。周囲も段ボール紙とスポンジでピッタリと保護されています。
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まさか金具で補強までされたトランクケースでメディアキットが梱包されているとは思わず驚きました。
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トランクケースの中を見ると、前回は内容品がギッシリと詰まっていましたが、今回は内容品の間隔にかなり余裕があり、ビロードの布できらびやかに梱包されていました。
上段にはIntelロゴの謎の箱、ハイエンドZ690マザーボード「MSI MEG Z690 UNIFY」、最新規格のDDR5メモリ「Kingston FURY Beast DDR5」が収められています。
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上段のスペーサーを取り出すと、下段にはMSIのハイエンドゲーミングブランドMEGから初登場となる簡易水冷CPUクーラー「MSI MEG CORELIQUID S360」が現れます。隣には謎の黒い箱が。
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内容品を全て取り出してみても、やはりトランクケースは2倍以上の容積があるように見えます。140cm×70cmの机が手狭に感じますね。
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Intel第12世代Core CPUメディアキットの内容品は上で紹介した通りですが、やはり気になるのは”intel”のロゴが大きく描かれた謎の黒い箱です。
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案の定といいますか、怪しい箱の蓋を開くと、Intel第12世代Alder Lake-Sの最上位モデル「Intel Core i9 12900K」が現れました。
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ちなみに、CPUが収められた箱の蓋の裏側には金属製のカードが入っていました。Intel×MSI製メディアキットの作成に協力したKingston FURYやAsetekの名前も刻印されています。
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ここからはCore i9 12900K本体、Z690マザーボード「MSI MEG Z690 UNIFY」、最新規格のDDR5メモリ「Kingston FURY Beast DDR5」、新型水冷クーラー「MSI MEG CORELIQUID S360」の順番でチェックしていきます。


Intel Core i9 12900Kについて

メディアキットの中でも一番の注目アイテムはやはりIntelの最新CPU、「Core i9 12900K」です。
「Core i9 12900K」は8コア16スレッドの高性能P-Coreと8コア8スレッドの高効率E-Coreを組み合わせた16コア24スレッド(8C/16T+8C8T)のCPUです。P-Coreの単コア最大ブーストクロックは5.2GHz(TBM3.0有効時)、全コア最大ブーストクロックは4.9GHzとなっています。
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「Core i9 12900K」ではCPUソケットがLGA1700に変わり、CPUサイズも従来の正方形から縦長の長方形に変わっています。前世代Core i9 11900Kと比較するとこんな感じです。横幅はほぼ同じですが縦が1cm弱伸びています。
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CPUソケット名”LGA1700”の数字部分はCPUソケットのピン数を示しています。「Core i9 12900K」は基板面積の変化に比べてピン数の増加が大きいので、底面の電極を見ると1つ1つが細かくなっているのが分かります。
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重量を比較してみるとCore i9 11900Kは27gに対して、「Core i9 12900K」は36gでした。Core i9 11900KのIHS単体の重さは22g程度なので、簡単にCPU基盤本体の重量を同じ5gと見積もると、「Core i9 12900K」のIHS重量は31g程度となります。
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単純に縦に延びた分とすると体積から考えて40~50%もの質量増は計算が合いません。Intelの公式リリースによると、『CPUダイとヒートスプレッダの間にはTIMとしてSTIMが採用され、前世代よりもさらにCPUダイとSTIM層を薄くし、放熱バッファとなるヒートスプレッダを厚くすることでCPU温度的にも改良が施されている』とのことでしたが、重量の増加から確かにヒートスプレッダの厚みが増していることが確認できました。
Intel 12th-Gen AlderLake-S_Thermal Improvement


Intel第12世代CPUの詳細仕様についてプレスリリースレベルの内容はこちらの記事でまとめているのでご参考に。



MSI MEG Z690 UNIFYについて

続いてCore i9 12900KなどIntel第12世代CPUにネイティブ対応となるMSI製Z590マザーボード「MSI MEG Z690 UNIFY」についてです。

製品公式ページ:https://www.msi.com/Motherboard/MEG-Z690-UNIFY
MSI MEG Z690 UNIFY_Feature (3)

「MSI MEG Z690 UNIFY」は、105A対応Dr. MOSで構成される21フェーズの超堅牢VRM電源や5基のNVMe対応M.2スロットを搭載するなど、コアクロック的にも機能的にも最新CPUのフルポテンシャルを引き出すことが可能な製品です。
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MSI MEG Z690 UNIFYにはメインストリーム向けマザーボードながら、21(19+2)フェーズの超堅牢なVRM電源回路が実装されています。
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VRM電源回路を構成する素子も、定格105Aを処理可能なSmart Power Stage(所謂、低発熱で定評のあるDr. MOSの105A対応版)、従来製品より電力効率を改善した「TITANIUM CHOKE III」、93%のエネルギー変換効率かつCPUクーラーと干渉し難い小型サイズキャパシタ「Hi-C CAP」、低ESRかつ10年以上の長寿命な日本製個体コンデンサなどなど厳選された高品質素子です。
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マザーボード裏面左側には頑丈な金属製バックプレートが装着されています。各種素子の半田の出っ張りで指を切ることがありますが、バックプレートがあればその心配もありません。バックプレートはVRM電源回路背面とサーマルパッドを介して接しており、放熱プレートとしての役割も果たしています。
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有線LANには一般的なギガビットイーサの2.5倍の帯域幅を実現するIntel製LANコントローラー I225-V(Foxville)による2.5Gb LANが搭載されています。
さらに従来の2.4GHz帯と5GHz帯に加えて、グローバルに免許不要で使用可能な6GHz帯もサポートするWiFi 6E&Bluetooth5.2に対応した無線LAN(Intel AX210)も搭載しています。(注:2021年10月現在、日本国内では法令に基づく規制のため6GHz帯は使用不可。将来的に使用できるようになる予定)
接続規格としてはWi-Fi 802.11 a/b/g/n/ac/ax、2.4/5GHz/6GHzトライバンド、最大通信速度2400Mbps、Bluetooth 5.2に対応しています。リアI/Oには無線モジュールのアンテナ端子が設置されているので付属のアンテナを接続できます。
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「MSI MEG Z690 UNIFY」にはは高速NVMe接続規格に対応したM.2スロットが、CPUソケット下やPCIEスロットと並んで計5基設置されています。
メインストリーム向けのATXサイズマザーボードでNVMe SSD対応M.2スロットを5基も搭載している製品はかなり希少です。
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「MSI MEG Z690 UNIFY」のM.2スロットにはM.2 SSD自体の固定にはネジを使用しない、「EZ M.2 Clip」という独自の構造が採用されています。クリップを90度回すだけで簡単にM.2 SSDを固定できるので非常に楽です。
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あとドライバがCDではなく専用のUSBメモリに収録されているところも地味な注目ポイント。光学ドライブを搭載しない環境も増えているので嬉しい配慮です。その他のマザーボード製品でもドライバはUSBメモリに移行して欲しいところです。
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Kingston FURY Beast DDR5について

Intel第12世代Alder Lake-SシリーズCPUで初めてサポートが開始される次世代システムメモリ、DDR5メモリの「Kingston FURY Beast DDR5」をチェックしていきます。

今回のメディアキットにおいてCPUと組み合わせるZ690マザーボードのMSI MEG Z690 UNIFYは、一般的にまだ流通していない最新規格のDDR5メモリをサポートするので、KingstonのゲーミングブランドFURYから発売が予定されているOCメモリキット「Kingston FURY Beast DDR5」が同封されていました。
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「Kingston FURY Beast DDR5」は、艶のあるブラックカラーで機械装甲のようなデザインの薄型アルミニウム製ヒートシンクを標準で搭載したOCメモリです。
ヒートシンク搭載ながら、全高35mmのロープロファイル設計となっており、大型空冷CPUクーラーとも高い互換性があります。
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Intel第12世代Core CPUメディアキットに付属する「Kingston FURY Beast DDR5」は、16GB×2枚組みの32GB容量、定格4800MHzに対してXMP3.0でメモリ周波数5200MHz、メモリタイミングCL40-40-40のOCに対応するメモリキット(型番:KF552C40BBK2-32)です。
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ちなみにDDR5ではまだ未発表ですが、Kingston FURYブランドにおいてBeastはスタンダードモデルという位置づけで、その上にはハイエンドモデルのRenegadeもラインナップされています。Renegadeから6000MHz超のXMPに対応したモデルが登場するのにも期待したいところ。

DDR5メモリとDDR4メモリの違いを少し説明しておくと、まず最大の違いとしてメモリ端子の切り込み(キー)の位置が異なります。物理的にも両者には互換性がないことは一目瞭然です。
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「Kingston FURY Beast DDR5」はヒートシンク搭載なので視認できないのですが、DDR5メモリの大きな特徴として、メモリ基板上にPMIC(パワーマネジメントIC)を搭載しています。
DDR4ではメモリの各種電圧はマザーボード側で制御・生成していたのですが、DDR5ではマザーボードからメモリへの電圧は5V電圧のみ、メモリ上の素子への各種電圧はPMICによって管理されます。
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MSI MEG CORELIQUID S360について

最後にIntel第12世代CPUに合わせてMSIからリリースされた多機能ハイエンド仕様な簡易水冷CPUクーラー「MSI MEG CORELIQUID S360」をチェックしていきます。
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製品公式ページ:https://www.msi.com/Liquid-Cooling/MEG-CORELIQUID-S360
MSI MEG CORELIQUID S360_top

「MSI MEG CORELIQUID S360」のOEM元は自作PC用水冷CPUクーラーでは定評のあるAsetekとなっており、水冷ポンプには最新のAsetek第7世代ポンプが採用されています。
水冷ヘッドの天面、LCDディスプレイを囲うアクリルプレート部分はミラー状です。側面はアルミニウム金属製でマットな塗装が施され、曲面の柔らかい形状が特徴的です。同社のハイエンドマザーボードMEG UNIFYシリーズと非常にマッチするデザインだと思います。
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「MSI MEG CORELIQUID S360」の天面には2.4インチ、240x360解像度のフルカラーIPS液晶ディスプレイが搭載されています。
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LCDディスプレイの表示内容は、MSI Centerから制御が可能です。表示内容は大別してHardware Monitor、Image、Customize Banner、System Clock、Live Weatherの5種類が用意されています。
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LCDディスプレイを覆うカバー部分はマグネット式で着脱が可能です。ちなみにカバー側面の金属製外装パネルもマグネット式で着脱できます。
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CPUクーラーに標準装備のカバーはガンメタルカラーですが、今回のレビュアーキットはZ690マザーボードがフルブラックのMSI MEG Z690 UNIFYだからなのか、さらに重厚感あるブラックのカバーが入っていました。(おそらく非売品)
今後、MEG ACEのゴールドやMEG GODLIKEのシルバーなど同社ハイエンドマザーボードに交換用カバーが付属するような展開にも期待したいところ。
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「MSI MEG CORELIQUID S360」のLCDディスプレイが搭載された天面プレートの下には、CPUソケット周辺のM.2スロットやVRM電源に風を当てて冷却するため、エアフローファンとして60mm径のTORX FAN 3.0が内蔵されています。制御アプリによって1000~4000RPMの範囲で速度制御にも対応しています。
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MSIによれば、エアフローファン動作時はパッシブ空冷時と比較して20~30度もVRM電源周りの温度が低減するとのこと。
MSI MEG CORELIQUID S360_Water-Block-Fan

簡易水冷クーラーの冷却ファンというと、やはり付属品なので安価で品質はそこそこというイメージがありますが、「MSI MEG CORELIQUID S360」の冷却ファンには、引張強度と熱膨張率に優れる液晶ポリマー素材をファンブレードに採用し、従来製品よりも高い風量・静圧と静音性を実現した高性能ファン「MSI MEG SILENT GALE P12」が採用されているのが大きな特徴です。
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MSI MEG SILENT GALE P12の最大の特徴は引張強度と熱膨張率に優れる特殊な液晶ポリマー素材を採用したファンブレードです。高速回転でも変形・振動し難い強度を備え、かつ熱膨張もしにくいのでファン自体も高温になるラジエーター冷却にも最適です。
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MSI MEG SILENT GALE P12は優れた設計によって、水冷ラジエーター、空冷CPUクーラー、PCケースエアフローの3つの用途で求められる静圧に対して、一般的な冷却ファンよりも高い風量を得ることができるとアピールされています。
MSI MEG SILENT GALE P12_performance

「MSI MEG CORELIQUID S360」は付属ファンも高品質ですが、ファン制御もかなり優秀です。
上で紹介したLCDディスプレイと同じくMSI Centerから制御しますが、任意設定が可能なCustomizeモードではラジエーター冷却ファンのセミファンレス動作設定が可能です。またCPU温度を制御ソースとしますが、ファンカーブに対してファン速度の変化には遅延があるので、CPU温度が短時間で乱高下してもファンノイズが煩くなりません。
MSI MEG CORELIQUID S360_LCD-Fan_customize


以上、駆け足でお送りしましたが『Intel第12世代Core CPUのレビュアーキットで開封の儀!』でした。
近日には気になるIntel第12世代CPU最上位モデルCore i9 12900Kを実際に動作させたレビューや、マザーボードとCPUクーラーの個別レビューも公開予定なので、お楽しみに。



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(注:記事内で参考のため記載された商品価格は記事執筆当時のものとなり変動している場合があります)



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