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5月14日に発売されたKingstonのゲーミングブランドHyperXの新フラッグシップヘッドセットである「HyperX Cloud Revolver」を同社(敬称略)から試供品として提供いただいたのでレビューさせていただきます。
実はちょうど一月程前に同社製の「HyperX Cloud II」をレビューさせていただいたばかりでした。
発売日としては1年ほど間のある新フラッグシップ「HyperX Cloud Revolver」がどんな進化・変貌を遂げたのか期待しつつチェックしていこうと思います。
製品スペック・詳細
「HyperX Cloud Revolver」公式ページ:http://www.hyperxgaming.com/jp/cloud/hx-hscrHyperX Cloud Revolver | HyperX Cloud II | |
ドライバー | ネオジム磁石、ダイナミック50mm径 | ネオジム磁石、ダイナミック53mm径 |
タイプ | サーカムオーラル、密閉型 | サーカムオーラル 密閉型 |
周波数 | 12Hz~28,000 Hz | 15Hz~25,000 Hz |
音圧レベル | 104.5dBSPL/mW (1kHz時) | 98±3dBSPL/mW (1kHz時) |
入力電力定格 | 30mW、最大 500mW | 150mW |
重量 | 360g | 330g |
重量(マイク含む) | 376g | 350g |
ケーブル長 | ヘッドセット:1m コントロールボックス:2m |
ヘッドセット:1m USB接続延長ケーブル:2m |
接続方式 | ヘッドセット:3.5mmプラグ(4極) コントロールボックス: 3.5mmステレオおよびマイクプラグ |
ヘッドセット:3.5mmプラグ(4極) コントロールボックス:USB |
マイク | 方式:エレクトレットコンデンサーマイク 極性パターン:単一指向性 ノイズキャンセリング 周波数:50Hz~18,000 Hz |
方式:エレクトレットコンデンサーマイク 極性パターン:カージオイド パッシブノイズキャンセリング 周波数応答:50~18,000 Hz |
価格帯 | 15000円程 | 12000円程 |
「HyperX Cloud Revolver」と「HyperX Cloud II」を比べるとドライバ径は3㎜小さくなっていますが、周波数レベルや音圧など音質にかかわる部分はスペックシートでは性能が上がっています。実際に聞き比べてどうなるのかは気になるところですね。
重量は30gほど重くなっています。これはヘッドバンドに高耐久かつ柔軟性を備えたスチール製フレームを採用したためと思われます。
また接続方式はヘッドセット本体はPS4やXBOX等のコンソール機とスマホの音声入出力に対応した4極3.5㎜プラグですが、コントロールボックスの接続方式がUSBから、3.5mmのステレオプラグ&マイクプラグに変更になったようです。
マイクは極性パターンがカージオイド型(ヘタの根がマイク部分のリンゴみたいな極性パターン)から、単一指向性に変更したことで外部ノイズを少なく声だけをキャッチできるようになっているようです。風防によるパッシブノイズキャンセルからノイズキャンセリングの方式が変更になったようですが、こちらの詳細については不明です。
ヘッドセット本体の外観など
では早速「HyperX Cloud Revolver」の外観からチェックしていきます。まずはパッケージから、「HyperX Cloud II」と比較してみると高さが5㎝ほど小さくなっています。
箱の外側はスリーブ形式でになっていました。
ヘッドセット本体やコントロールボックス等はスポンジのスペーサーでしっかり梱包されています。毎度のことながらHyperXシリーズの梱包は所有の満足感をそそりますね。
ヘッドセットはドライバー部分がリボルバーをイメージしたデザインになっており、スチール製フレームはマットな質感になっていて非常にクールな装いです。
「HyperX Cloud II」は実はQPAD社とbeyerdynamicと共同開発したヘッドセットをリブランドしたものでしたが、今回の「HyperX Cloud Revolver」はKingstonが独自にドイツでデザインを行ったそうです。(アメリカのKingstonがなぜドイツでデザインしたのかは不明、ひょっとしたらどこかと共同開発したのかも) 完全に刷新された外観はゲーミングブランドらしさを保ちながら、ゴテゴテし過ぎずカッコいい仕上がりになっています。
ドライバーユニットの可動域は半球方向に自由に動くようになっているので、耳や側頭部の形状に合わせてしっかりとフィットしてくれる構造になっていました。
「HyperX Cloud II」ではクッション付きのヘッドバンド1本でしたが、「HyperX Cloud Revolver」ではスチール製のフレームとサスペンションのクッションバンドの2重構造になっています。
スチール製のフレームは1,2㎜ほどでかなり細いですが、柔軟性と形状維持の耐久性を兼ね備えており、下の画像かそれ以上に開いても問題なく元の幅に戻ってくれました。細いからと舐めてはいけませんね。
サスペンションバンドはゴム紐で軽く伸び縮みしますし、クッションバンドは柔らかく頭の形状に沿って曲がってヘッドセット重量からの圧力を頭全体に分散してくれるので装着感は非常に快適でした。
スチール製フレームは柔軟で決して側圧は強くないのですが、サスペンションのヘッドバンドが頭の頂点だけでなく全体的に圧を分散してくれるので、ヘッドセット装着時の安定性も高く、実重量では1割ほど思いにも関わらず「HyperX Cloud Revolver」は「HyperX Cloud II」よりも軽く感じました。
イヤーパッドについては厚さ2.5㎝ほどのフェイクレザー製です。耳の構造(耳殻)を意識して後側は前側よりもやや深くなっており耳殻にドライバー部分が押し付けられる感覚はほぼありませんでした。
イヤーパッドは簡単にツメで引っ掛けるタイプの取り外し可能な構造になっています。
音漏れを防止するため密閉性の高い構造になっているようですが、どうしても長時間着用すると蒸れてしまうので、蒸れ難いメッシュやベロア性の交換用イヤーパッドも同封もしくは別売りされてくれるとありがたいです。この点はスポンジ製の交換用イヤーパッドが同封されていた「HyperX Cloud II」からの数少ない改悪点だと思います。
また「HyperX Cloud II」のイヤーパッドと比較すると内径が若干広くなっていて、確かに装着して比べてみると、耳回りの窮屈感は少なくなって、というかほぼ窮屈感は感じませんでした。
ヘッドバンドの構造が管理人の愛用してるPHILIPS Fidelio X2に酷似しているからか、装着感は限りなくX2に近く、ヘッドホンの装着感にうるさい管理人も満足のいく快適さでした。イヤーパッドもフカフカで耳の構造を反映した深さになっておりドライバーが半球方向に自由に動くこともあってフィット感も高いです。同時に密閉型であることもあいまって音漏れの心配もないと思います。
マイク・コントロールボックス・接続方式
マイクはヘッドセットから取り外し可能です。マイクの集音部分は旧型と異なり風防もなくなってスマートになっています。
ヘッドセットからマイクを外した状態はこんな感じになっています。
マイクを取り付けるとこうなります。
マイクのアームはかなり柔らかくしなやかな素材になっており、おそらく針金ではなく形状記憶樹脂を採用しているように思います。
ヘッドセット本体のジャックは3.5㎜の4極タイプになっているので、PS4やXBOXなどのコンソールゲーム機のコントローラーやスマホのイヤホンジャックに装着することでヘッドホンの音声出力とマイクの音声入力を利用可能になっています。
一方でヘッドセットのコントロールボックスからの出力は3.5㎜のステレオジャック(音声出力)と3.5㎜のマイクジャック(音声入力)の2本構成になっています。
コントロールボックス正面のスライドスイッチはマイクのミュートボタンになっています。
コントロールボックス横にはアナログ式の音量調整ダイヤルが付いています。
「HyperX Cloud II」ではUSBだったコントロールボックス経由の接続方式が「HyperX Cloud Revolver」では3.5㎜のステレオジャック(音声出力)と3.5㎜のマイクジャック(音声入力)の2本構成になっています。
その背景としては昨今のゲーミングPC向けマザボ搭載への高音質モジュール採用が挙げられるでしょう。ASUS、MSIなど各社の高級ゲーミングマザーボードでは高品質なヘッドホンアンプやデジタルサラウンド機能が搭載されており、ヘッドセットにUSBDACやサラウンド機能を個別に搭載する必要がなくなったことを反映して「HyperX Cloud Revolver」ではコントロールボックスからの接続方式を変更したものと思われます。
「HyperX Cloud II」の”USBに刺すだけ”という手軽さは確かに利点でしたが、最近のPCゲーム業界の流行を汲んだ「HyperX Cloud Revolver」の接続方式は高級なゲーミングマザーボードや専用のサウンドボード・DACを使っているユーザーには非常に好ましいのではないでしょうか。
音質について
激しく主観によるのですが音質についても「HyperX Cloud Revolver」と「HyperX Cloud II」の聞き比べを行ってみました。管理人の耳はともかく、UD-503にそれぞれステレオで繋いで聞き比べを行っているので比較を行う試聴環境としてはかなり公平になっていと思います。「HyperX Cloud Revolver」は、3000円差とは考えられないくらい「HyperX Cloud II」よりも圧倒的に音質が良くて驚きました。高音はで明瞭で全くボヤけていませんし、重低音もズッシリと鼓膜を揺らしてきます。周波数:12Hz~28,000 Hz、音圧レベル:104.5dBSPL/mW (1kHz時)という性能向上はスペックシート上のものだけではないとはっきりわかるレベルです。高音は明瞭ですが楽曲のボーカルや音声のサ行も刺さりません。「HyperX Cloud Revolver」の音を聞いた後に「HyperX Cloud II」の音を聞くと高音から低音まで丸め込んで軽くモザイクを掛けたようなボンヤリ感があって、「音の分解能が高い」というのはこういうことかと納得できるほど、音の切り分けがはっきりしていました。
高額になればなるほどヘッドホンの音質は好みの問題と思っていましたが、「HyperX Cloud Revolver」はブラインドテストでも確実に判別できるレベルで「HyperX Cloud II」よりも高音質であると断言できます。1万5千円ほどでこの音質はかなりコスパに優れると思いました。装着感も非常に良いのでマイクを外せば普段のオーディオユースにも十分に耐える品質です。
まとめ
良いところ
- サスペンションバンドが重量を分散するので体感的に軽い
- 頭にフィットする構造なので側圧は小さいのに安定して着用できる
- イヤーパッドは深く、柔らかい。
- 装着感は高級ヘッドホン並み
- 1.5万円のヘッドホンとしては音質が非常に高い
- コントロールボックスの接続方式が3.5㎜ジャック*2なのでマザボの高音質機能が活用できる
悪いところ
- フェイクレザーのイヤーパッドは長時間のゲームプレイでは蒸れるかも
- 交換式パッドなのに今回はメッシュやスポンジタイプが同梱されていない(数少ない改悪要素)
- 着用時にスチールフレームに当たると鐘のように響く
デザインはOEMから自社オリジナルとなり、音質は圧倒的な向上を遂げ、接続方式は現在のゲーミングPCにマッチした方式を採用、そして何よりも数万円クラスの快適な装着感を実現してる「HyperX Cloud Revolver」は1.5万円程という価格帯で購入を検討しているなら間違いなく買いなヘッドセットだと思います。
(注:記事内で参考のため記載された商品価格は記事執筆当時のものとなり変動している場合があります)
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