Thermaltake Toughpower iRGB PLUS 850W Platinum


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12球アドレッサブルRGB LEDイルミネーションリング搭載冷却ファンを採用し、変換効率92%以上となるPlatinum認証取得、電源容量850Wのハイパフォーマンス電源ユニット「Thermaltake Toughpower iRGB PLUS 850W Platinum - TT Premium Edition (型番:PS-TPI-850F2FDPJ-1)」のレビュー用サンプルをメーカーよりお借りできたのでレビューしていきます。Thermaltake Toughpower iRGB PLUS 850W Platinumは電源ユニットとしての基本的な高スペックに加えて、高品質・高寿命な日本製105℃キャパシタ採用、リアルタイムモニタリング機能「Thermaltake DPS G APP 3.0」対応、10年間の長期新品交換保証など充実の内容ながら製品販売価格が2.1万円ほどとコストパフォーマンスにも優れた電源ユニットです。
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代理店公式ページ:https://www.ask-corp.jp/products/thermaltake/~/toughpower-irgb-plus-platinum
製品公式ページ:Toughpower iRGB PLUS 850W Platinum - TT Premium Edition
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「TOUGHPOWER DIGITAL iRGB PLUS 850W PLATINUM」のモジュラー端子/ケーブル構成
種類 コネクタ数 ケーブル
数量 x 長さ
(1本のコネクタ数)
PS-TPI-0850F2FDPJ-1 (9)
ATX
20/24 PIN
1  1 x 600 mm
CPU/EPS
8(4+4) PIN
2  2 x 650 mm
PCIE
8(6+2) PIN
6
 3 x 500 + 150 mm (2)
SATA 12  3 x 500 + 150 + 150 + 150 mm (4)
Peripheral 4
 1 x 500 + 150 + 150 + 150 mm (4)
Floppy 1  1 x 150 mm

Thermaltake Toughpower iRGB PLUS Platinumシリーズには今回レビューする850Wモデル以外にも1050Wモデル「Toughpower iRGB PLUS 1050W Platinum (型番:PS-TPI-1050F2FDPJ-1)」や1200Wモデル「Toughpower iRGB PLUS 1200W Platinum (型番:PS-TPI-1200F2FDPJ-1)」もラインナップされています。2.1万円の850Wモデルだけでなく、1050Wモデルは2.4万円、1200Wモデルは2.7万円と上位モデルもコストパフォーマンスに優れているのでシリーズ全体通しておすすめな電源ユニットです。




Thermaltake Toughpower iRGB PLUS 850W Platinum レビュー目次


1.Thermaltake Toughpower iRGB PLUS 850W Platinumの梱包・付属品
2.Thermaltake Toughpower iRGB PLUS 850W Platinumの外観
3.Thermaltake Toughpower iRGB PLUS 850W Platinumのケーブルや電源端子について
4.専用ソフトウェア「Thermaltake DPS G APP 3.0」の使い方
5.Thermaltake Toughpower iRGB PLUS 850W Platinumのイルミネーション操作について
6.Thermaltake Toughpower iRGB PLUS 850W Platinumの負荷別のファンノイズについて
7.Thermaltake Toughpower iRGB PLUS 850W Platinumのレビューまとめ




Thermaltake Toughpower iRGB PLUS 850W Platinumの梱包・付属品

早速パッケージを開封してThermaltake Toughpower iRGB PLUS 850W Platinumの外観や付属品をチェックしていきます。
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パッケージを開くとまずは電源ユニットの多言語マニュアルや保証書が入っていました。その下には左側にスポンジのスペーサーで安置された電源ユニットが、右側にはビニール袋と専用ナイロンバッグの中にACケーブルやモジュラーケーブル各種が入っていました。
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スポンジスペーサーの蓋を外すと不織布のスリーブで保護された電源ユニットが安置されていました。各種プラグインケーブルが収められた専用ナイロンバッグといい高級感のある梱包です。
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電源ユニットの仕様が書かれた多言語マニュアル、モニタリング&イルミネーション操作ソフト「Smart Power Management」導入ガイド、保証書がビニール袋にまとめられています。プラグインケーブル以外の付属品としては、PCと接続するための内部USB2.0ヘッダーケーブル、固定ネジ、ケーブルタイとなっています。
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Toughpower iRGB PLUS 850W PlatinumはWindows上から電源出力のリアルタイムモニタリングやLEDイルミネーション操作が可能な専用アプリ「Thermaltake DPS G APP 3.0」に対応しており、PCと接続するためのUSBケーブルが付属します。電源ユニット側はminiUSB端子、マザーボード側は内部USB2.0ヘッダーとなっています。内部USB2.0ヘッダーが不足している場合はUSB2.0ヘッダー増設ハブ「NZXT INTERNAL USB HUB」がおすすめです。
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Thermaltake Toughpower iRGB PLUS 850W Platinumの外観

「Thermaltake Toughpower iRGB PLUS 850W Platinum」本体をチェックしていきます。
Toughpower iRGB PLUS 850W Platinumは2.1万円程度のミドルハイクラスな電源ユニットですが、緩衝材には高級モデル同様にスポンジスペーサーが使用されています。
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高級電源はベロア布袋で保護されているものも多いですが、Toughpower iRGB PLUS 850W Platinumは不織布のスリーブで保護されていました。
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Thermaltake Toughpower iRGB PLUS 850W Platinumの電源ユニット本体は次のようになっています。スチール製の電源ユニット外装は粒度の小さいシボ塗装でブラック一色となっており、同製品の下位もしくは旧モデルにあたる「DPS G RGB」シリーズでは人を選ぶ感のあったオレン色の製品シールも万人受けするブラックに変わっています。
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電源ファンの吸気面、背面の排気面だけでなく側面にも通気スリットが開いているのがToughpower iRGB PLUS 850W Platinumの外観としては特徴的です。電源ユニット側面のスリットは、セミファンレス機能に関連して通気性を上げるためエアスリットを増やしているという理由に加えて、冷却ファンに備わっているRGB LEDリングの発光を魅せるための役割も果たします。
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Thermaltake Toughpower iRGB PLUS 850W Platinumは電源容量850Wでメインストリーム向け電源としては比較的大容量ですが変換効率92%のPlatinum認証の低発熱を活かして奥行はコンパクトな160mmとなっています。上位の1050Wモデルも奥行160mm、1200Wは奥行180mmで容量に対してコンパクトなのでかなり使い勝手のいいシリーズだと思います。
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Thermaltake Toughpower iRGB PLUS 850W Platinumの電源ユニット冷却ファンには最近の電源ユニットのトレンド通りに140mm角の冷却ファンが採用されています。
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冷却ファンには、12個の独立操作が可能なアドレッサブルLEDを搭載し1680万色の発光カラーに対応し特許取得・申請中の「Thermaltake Riing PLUS 14 RGB Fan」が採用されています。専用ソフト「DPS G PC App」からPCやスマホを介してLEDイルミネーションリングの発光カラー・パターンの操作に対応しています。
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Riing Plus 14 RGBファンは、大風量・高静圧を生み出す9枚の独自デザインのファンブレードや、回転抵抗を低減させ高寿命・高静音性を実現するハイドロリックベアリング(Hydraulic Bearing)が採用されており、ラジエーター向けにも最適化されているので空間が狭く静圧が要求される電源ユニット用冷却ファンとしても最適な冷却ファンです。
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「Thermaltake Toughpower iRGB PLUS 850W Platinum」を含めてThermaltake Toughpower iRGB PLUS  PlatinumシリーズではPlatinum認証の非常に優れた変換効率を生かして負荷率40%以下の低負荷時にファンの回転を停止させる「Smart Zero Fan Mode」に対応しています。各モデルに対して入力電力が850Wモデルは340W以下、1050Wモデルは420W以下、1200Wモデルでは480W以下であれば「Smart Zero Fan Mode」において冷却ファンを完全に停止させることができます。電源の負荷状況に応じて回転数を制御することが可能なため静音PCの構築にも最適です。
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Thermaltake Toughpower iRGB PLUS 850W PlatinumはATX24PINからPCIE補助電源まで全てのケーブルが着脱可能なフルプラグイン式になっているので環境に合わせて使用するケーブルが選択できます。
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ACコンセントケーブルは国内のPC関連でよく使われる3PINタイプの端子になっています。コンセントからの電力供給を簡単にカットできるロッカー型ハードウェアスイッチが付いています。排気用の背面エアスリットもほぼ全体に及び大きく取られているので上面の吸気スリットや側面エアスリットと合わせて通気性も十分です。
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Thermaltake Toughpower iRGB PLUS 850W PlatinumはPCI-E補助電源やEPS電源など12V電源出力がシングルレーン最大70.83Aとパワフルな電源ユニットです。Skylake-X i9 7900XのOC環境ではCPUへ電力供給を行うEPS端子だけでも20A以上の出力を要求することもありますが、シングルレーン70.83Aの出力が可能なThermaltake Toughpower iRGB PLUS 850W Platinumなら安定した電力供給が可能な容量を備えています。
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「Thermaltake Toughpower iRGB PLUS 850W Platinum」などToughpower iRGB PLUS Platinumシリーズは1次側と2次側ともに高品質・高信頼性な日本製105℃コンデンサを100%採用することによりシステムの安定性、信頼性を向上させています。Digital Control Boardによって少ないパーツでコンパクトにより高い変換効率を実現しています。
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厳しい部品選定と出力テストを実施することにより、±2%以下の優れた電圧制御を実現。また、30mV以下の低リップルノイズを実現しており、ハイエンド構成のシステムでも安定して動作させることが可能です。
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電源ユニットの重量も確認してみたところ標準的なATX電源の「Corsair RM650i」が1666g、「Seasonic PRIME Ultra 850 Titanium SSR-850TR」が2037gに対して、「Thermaltake Toughpower iRGB PLUS 850W Platinum」は1984gでした。
Thermaltake Toughpower iRGB PLUS 850W Platinum review_04286Seasonic PRIME Ultra 850 Titanium SSR-850TR review_03388Thermaltake Toughpower iRGB PLUS 850W Platinum review




Thermaltake Toughpower iRGB PLUS 850W Platinumのケーブルや電源端子について

Thermaltake Toughpower iRGB PLUS 850W Platinumに実装されている電源コネクタの種類やケーブル長についてチェックしていきます。
Thermaltake Toughpower iRGB PLUS 850W Platinumのプラグインケーブルは製品パッケージ内の電源ユニット本体右側に収められていた専用ナイロンバッグの中に入っています。
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Thermaltake Toughpower iRGB PLUS 850W Platinumで使用するプラグインケーブルはいずれも省スペースで取り回しに優れたフラットきしめん型ケーブルになっています。
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Thermaltake Toughpower iRGB PLUS 850W PlatinumのATX24PINケーブルは標準的なミドルタワーPCケースに幅広く対応可能な600mmのフラットきしめん型ケーブルが採用されています。
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PCI-E補助電源とEPS電源のケーブルは見分けるのが面倒ですが、付属のケーブルではコネクタの側面に「PCIe」と「CPU」と表記されて、自作PC初心者にもわかりやすくなっています。
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Intel Skylake-Xに対応するX299マザーボードやAMD Ryzen Threadripperに対応するX399マザーボードなどエンスー向け高性能マザーボードではEPS電源として8+4PINや8PIN×2を要求するものもありますが、Thermaltake Toughpower iRGB PLUS 850W PlatinumではEPS 8ピン端子は2基搭載されているので問題なく対応可能です。
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2本のEPS端子プラグインケーブルはどちらもケーブル長650mmです。一方はEPS端子が8PIN固定ですが、もう一方は4+4PINで分離可能になっています。
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4+4PINに分離可能なコネクタは4PINコネクタ間にロックピンも用意されているので取り扱いも簡単になっています。
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Thermaltake Toughpower iRGB PLUS 850W Platinumに付属するPCI-E補助電源ケーブルは8PINからもう1つの8PINが分岐するケーブルです。8PINコネクタはいずれも6+2PINに分離可能なタイプです。
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PCI-E補助電源ケーブルのケーブル長は全長650mm(500 + 150 mm)で、同種のケーブルが3本付属しています。Thermaltake Toughpower iRGB PLUS 850W Platinumは電源容量が850WなのでGTX 1080 TiやRadeon RX VegaなどハイエンドGPUを2つ使用したマルチGPUとなると電源容量が比較的ギリギリになりますが、コネクタ数的にはマルチGPUにも対応が可能です。
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EPS電源ケーブルとPCI-E補助電源ケーブルは電源ユニット側の8PINコネクタを使用しますが、Thermaltake Toughpower iRGB PLUS 850W Platinumには8PINプラグイン端子が4つしかありません。EPS電源ケーブルが2本とPCI-E補助電源ケーブルが3本で8PINプラグイン端子5基分のケーブルがありますが、うち1本は排他利用になります。マルチGPUを組まない限り基本的に問題ありませんが念のため注意してください。
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ちなみに上位モデルの1050W(左)と1200W(右)では8PINプラグイン端子が850Wよりも1基多い5基が実装されていますが、付属するPCI-E補助電源ケーブルが1本増えるので、やはりEPS電源ケーブルとPCI-E補助電源ケーブルのうち1本が排他利用になります。
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SATA電源ケーブルは全長950mm(500 + 150 + 150 + 150mm)で4コネクタのケーブルです。
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同種のSATA電源ケーブルが3本付属するのでSATA端子は12基使用可能となっており多数のHDDストレージを搭載するようなサーバー機用の電源としても使用できます。
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4PINペリフェラル電源ケーブルは全長950mm(500 + 150 + 150 + 150mm)で4PINペリフェラル端子が4つあります。ケーブルは1本のみ付属します。
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ほぼディスコンですがフロッピー端子の変換ケーブルも付属します。
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専用ソフトウェア「Thermaltake DPS G APP 3.0」の使い方

Thermaltake Toughpower iRGB PLUS 850W PlatinumなどThermaltake製電源ユニットの上位モデルの一部は「Thermaltake DPS G APP 3.0」という専用ソフトウェアによるリアルタイムモニタリング&各種操作設定が可能です。
「Thermaltake DPS G APP 3.0」は使用している対応製品のサポートページや下記の公式ページからダウンロードできます。
公式ページ:http://www.thermaltake.com/products-model.aspx?id=C_00002578#tab2

インストーラは英語ですが普通にポチポチとクリックしていけば特に問題なくインストールできます。インストールが完了したらデスクトップのショートカットなどから「Thermaltake DPS G APP 3.0」を起動します。

「Thermaltake DPS G APP 3.0」をインストールして起動すると下のようなウィンドウが現れます。
Thermaltake DPS G APP 3_1
「Thermaltake DPS G APP 3.0」は標準では英語表示ですが、18年2月現在の最新版ver3.0.1では日本語UIにも対応しており、左上のSettingタブを選択して表示されるLanguageのタイルを選択、右側の言語一覧から日本語を選ぶことで日本語表示にできます。
Thermaltake DPS G APP 3_2

「Thermaltake DPS G APP 3.0」はUIとしては単純で、左上に「メイン」「RGB(ライティングやファン制御)」「Info(CPUやGPUのモニタリング)」「Setteing(各種設定)」のタブメニューがあり、メインのウィンドウでは下のように左半分には電源ユニットの出力はファンに関する情報が、右半分にはSPMの節電関連情報がタイル形式で表示されます。
Thermaltake DPS G APP 3_3
「Thermaltake DPS G APP 3.0」から電源ユニットのハードウェア関連でモニタリング可能なものは、電圧(+12V, +5V, +3.3V)、電流(+12V, +5V, +3.3V)、変換効率、消費(出力)電力、電源ユニット温度、電源ファン回転数です。各種モニタリング値は1秒ごとに更新されます。
Thermaltake DPS G APP 3_4
右上には小さく履歴グラフも表示されます。横軸は分単位で固定となっています。上に配置されたプルダウンメニューから表示するモニタリング値を選択可能です。ただ画面が小さく横軸の刻み幅が大きいので正直に言って実用的なものではなく飾りだと思います。
Thermaltake DPS G APP 3_5
「Thermaltake DPS G APP 3.0」では電源ユニットとしては主要な出力情報等をモニタリングできるものの、競合他社製品のCorsari Link対応電源ユニットで行えるような『ログ間隔を1秒や5秒など設定して、手動で開始・停止できるログ機能』がありません。
その代わりにサードパーティ製のモニタリングソフト「HWInfo」(Ver5.72以降)を使用すれば、Thermaltake Toughpower iRGB PLUS 850W Platinumのモニタリング値を読み取ってリアルタイムモニタリングとログの取得を行うことができます。
HWinfo_TT_PSU
注意点としてHWInfoで同電源のモニタリングを行うと「Thermaltake DPS G APP 3.0」が初期化失敗で起動エラーを起こし、再度インストールしないと起動できなくなります。一度、起動してファンとライティングの設定をしたら次回以降は起動することもないはずなので特に問題ないと思いますが、HWInfoでモニタリングやログの取得を行う場合は注意してください。

RGBのトップメニューから「RGB」を選択するとLEDイルミネーションと電源ユニット冷却ファンの設定画面が表示されます。冷却ファンの動作モードについては右側のアイコンから「Silent(サイレント) Mode」「Performance(パフォーマンス) Mode」「Zero Fan Mode」の3つが選択可能です。「Zero Fan Mode」は電源負荷50%以下では冷却ファンが停止するセミファンレス機能に対応したモードとなっています。50%以下でも冷却ファンが動作する「Silent Mode」と「Performance Mode」であっても静音性に優れており電源ユニットを冷やして運用したいユーザーにおすすめです。
Thermaltake DPS G APP 3_6
ファン動作モードについては一度ソフトウェアから設定すれば電源側で記憶されるので電源を切ってからも前回設定した動作モードで動作します。USBケーブルの接続を外した場合も最後に設定したファン動作設定がそのまま適用され続けます。
管理人がメイン機で使用しているCoolerMaster MasterWatt Maker 1200や先日レビューしたCorsair AX 1600iではシャットダウン後にファン動作モードが標準プロファイルにリセットされる面倒な仕様でしたが、「Thermaltake Toughpower iRGB PLUS 850W Platinum」はこの点でも安心して使用できます。



Thermaltake Toughpower iRGB PLUS 850W Platinumのイルミネーション操作について

Thermaltake Toughpower iRGB PLUS 850W Platinumの冷却ファンには同社製の12球アドレッサブルLEDリングを搭載した冷却ファン「Thermaltake Riing PLUS 14 RGB Fan」が搭載されており、上でも紹介した専用ソフトウェア「Thermaltake DPS G APP 3.0」から発光カラー・パターンの設定が可能です。
Thermaltake Toughpower iRGB PLUS 850W Platinumに搭載されたLEDリングは12分割でアドレス指定に対応しており、オーロラライクなアドレッサブル型発光パターンの適用だけでなく、ソフトウェアから各アドレスに対して発光カラーをフルコントロール可能です。
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電源ユニット外装側面や背面にもスリットがあるのでイルミネーションの発光を眺めることができます。
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「Thermaltake Toughpower iRGB PLUS 850W Platinum」に搭載されたLEDリングの発送カラー・パターンを操作するには、Thermaltake DPS G APP 3.0の「RGB」と書かれたトップメニューを選択するとイルミネーション操作ウィンドウが開きます。
Thermaltake DPS G APP 3_6
発光パターンは「Light Mode」の項目を「Flow」「RGB Spectrum」「Ripple」「Blink(点滅)」「Pulse(明滅)」「Wave(任意カラーセットが時計回りに回転)」「Full Lighted(固定発光)」の7種類から選択できます。
Thermaltake DPS G APP 3_LED_2
「Blink(点滅)」「Pulse(明滅)」「Wave(任意カラーセットが時計回りに回転)」「Full Lighted(固定発光)」の4種類では任意のカラーセットを選択できます。LEDリング上には12分割のアドレスが指定されており、「Color Mode」の項目を「RGB」に設定すると各アドレスに対して個別に、「Single」に設定すると全てのアドレスを同じ発光カラーに設定できます。
Thermaltake DPS G APP 3_LED_4
アドレスの書かれた円形アイコンをクリックするとそのアドレスに対して発光カラーを変更するかどうか設定できます。アイコンがグレーの状態は変更OFF、アイコンに色が付いていると変更ONとなります、アイコンの色はそのまま発光カラーを示しています。変更ONの状態で中央のカラーパレットから希望のカラーをクリックすると変更ONのアドレスを全てその発光カラーに変更できます。
Thermaltake DPS G APP 3_LED_4

下は以前レビューした同社製電源ユニット「Thermaltake Toughpower iRGB PLUS 1250W Titanium」で各種発光パターンを試した動画です。「Thermaltake Toughpower iRGB PLUS 850W Platinum」でも同様に「Flow」「RGB Spectrum」「Ripple」「Blink(点滅)」「Pulse(明滅)」「Wave(任意カラーセットが時計回りに回転)」などで電源ユニットをライティングできます。















Thermaltake Toughpower iRGB PLUS 850W Platinumの負荷別のファンノイズについて

Thermaltake Toughpower iRGB PLUS 850W Platinumの負荷に対する冷却ファンの動作をチェックしてみました。

検証機材は次のようになっています。
テストベンチ機の構成
OS Windows10 Home 64bit

CPU

i7 7700K
Core/Cache:5.0/4.8GHz, 1.300V
殻割り&クマメタル化(レビュー
M/B ASRock Z270 SuperCarrier
レビュー
メインメモリ Corsair Dominator Platinum
Special Edition
DDR4 8GB*4=32GB (レビュー
3200MHz, 14-16-16-36-CR2
システムストレージ
Crucial MX300 SATA M.2 SSD
 1TBCT1050MX300SSD4
PCケース/
ベンチ板
STREACOM BC1 (レビュー

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「Thermaltake Toughpower iRGB PLUS 850W Platinum」のファン動作モードのうちSilent ModeとPerfomance Modeについては、Perfomance Modeの方が若干ファン回転数が高いものの、両者の間に大きな差は見えないのでセミファンレス対応のZero Fan ModeとSilent Modeの2つについて検証しています。
Fan_sFan_p

上記のベンチ機でグラフィックボードをGTX 1050 Ti、GTX 1060、GTX 1070、GTX 1080、GTX 1080 Ti、RX Vega 64、GTX 1080 Ti SLIなどに変えてそれぞれについて消費電力と負荷時の電源ファンのファンノイズを測定しました。測定負荷にはFireStrike Extremeグラフィックテスト1を15分以上ループさせています。
Thermaltake Toughpower iRGB PLUS 850W Platinum_Test

消費電力の測定にはBluetooth接続でスマホから消費電力を見れるワットチェッカーを使用して、電源ユニットの変換損を含めたシステム全体の消費電力をチェックしています。なお同ワットチェッカーでは消費電力は1秒ごとにW単位で表示されますが、平均的な数値になっており実際の瞬間最大値はさらに高い値を取っている場合があります。記事中では表示値からおおよその平均を取って表記しますが、実際には+100Wから+200Wの瞬間的な負荷が発生することがあるので注意してください。
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サウンドレベルメーターを利用してゲーム負荷時のノイズレベルを測定・比較しています。ノイズレベルの測定には「サンワダイレクト 400-TST901A」を使用しています。電源OFF時の騒音値は33~35dBです。目安として40dBを超えたあたりからファンノイズがはっきりと聞こえるようになり、45dB前後で煩く感じます。50dBを超えてくるとヘッドホンをしていても煩く感じます。同じ騒音値でも不快に感じたり感じなかったりとファンノイズが不快に感じるかどうかは音の性質にもよるので注意してください。
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またベンチ機のCPUクーラーやグラフィックボードから出るファンノイズについては吸音材の板を使用して電源ユニット本体のファンノイズ測定への影響を下げています。非負荷時にグラフィックボードのファン回転数を負荷時の最大値に固定してもサウンドレベルメーターが35~36dBしか示さないのでこれらの影響は基本的に無視して問題ありません。
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消費電力とファンノイズの測定結果は次のようになりました。
「Thermaltake Toughpower iRGB PLUS 850W Platinum」はセミファンレス動作が可能なCPUがZero Fan Modeを選択することで、Core i7 7700Kなどメインストリーム向けCPUとTDP180~220W程度のGTX 1080 OCグラフィックボードの環境であればファンレス動作が可能でした。TDP250WのGTX 1080 Tiではファンレス動作の閾値を超えたり超えなかったりするのでGTX 1080 Tiでもファンレス閾値に収めたい場合は1050Wや1200Wの上位モデルがおすすめです。
常時ファンが動作するSilent Modeや負荷340W以上におけるZero Fan Modeでは最大でGTX 1080 Ti SLIによる負荷もかけてみましたが、ファン回転数は最大でも700RPM程度までしか上がらず抜群の静音性でした。電源ユニットがCPUクーラーやグラフィックボードよりも煩くなるということはまずないとはずです。
Thermaltake Toughpower iRGB PLUS 850W Platinum_noise
システム 消費電力 Zero Fan Mode Silent Mode
アイドル 60 33.8(ファン停止) 36.1
(600RPM)
GTX 1050 Ti 120
GTX 1060 200
GTX 1070 230
GTX 1080 260
GTX 1080 OC 300
GTX 1080 Ti 325 ~36.1(600RPM)
GTX 1080 Ti OC
400 36.1 (600RPM)
RX Vega 64
450
36.1 (600RPM)
GTX 1080 Ti SLI
630
37.5 (650~700RPM)


「Thermaltake Toughpower iRGB PLUS 850W Platinum」がファンレス動作可能な閾値を超えないように、320W前後の負荷を3時間ほどかけ続けて電源ユニットの内部温度をサーモグラフィーで確認してみました。
Thermaltake Toughpower iRGB PLUS 850W Platinum review_04328
サーモグラフィーで電源ユニットの内部温度をチェックしてみたところ、閾値付近320Wの長時間負荷で内部温度は70度前後に達しました。高温ではありますが壊れる心配があるような温度というわけでもないのでファンレス運用自体は問題なさそうです。もしも温度が気になるのであれば常時ファンが動作するSilent Modeを選択すればいいと思います。Silent Modeでも上で解説したようにファン回転数はせいぜい700RPM程度なので静音性が損なわれる心配は全くありません。
Thermaltake Toughpower iRGB PLUS 850W Platinum_FLIR (1)
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Thermaltake Toughpower iRGB PLUS 850W Platinumのレビューまとめ

最後に「Thermaltake Toughpower iRGB PLUS 850W Platinum - TT Premium Edition (型番:PS-TPI-850F2FDPJ-1)」を検証してみた結果のまとめを行います。簡単に箇条書きで以下、管理人のレビュー後の所感となります。

良いところ
  • 電源容量850W、変換効率92%以上のPlatinum認証取得のハイエンド電源ユニット
  • +12Vは70.83Aのシングルレーン出力
  • プラグインケーブルは全て取り回しに優れたフラットきしめん型ケーブル
  • Zero Fan Modeでは負荷40%、入力電力340W以下でファンレス動作に対応
  • 冷却ファン回転数はCore i7 7700K&GTX 1080 Ti SLIでも700RPM程度で静音性が抜群
  • アドレッサブルなLEDリング搭載ファンを冷却ファンとして採用
  • 専用ソフトウェアからアドレス指定でイルミネーションをフルコントロール可能
  • 10年間の長期新品交換保証
  • 上記通りの高スペックながら2.1万円とコストパフォーマンスも優秀
悪いところor注意点
  • EPS電源ケーブルとPCI-E補助電源ケーブルのうち1本は排他利用になる
  • 専用ソフトウェアの機能が微妙
    手動ログ機能がない、消費電力のモニタリング値がおかしい、など。
    手動で開始・停止できて1秒間隔の手動ログ機能は最低限実装して欲しい

「Thermaltake Toughpower iRGB PLUS 850W Platinum」は、50%負荷時の変換効率が92%以上のPlatinum認証取得、メインストリーム向けハイスペック環境に最適な電源容量850W、取り回しに優れたフラットきしめん型ケーブルによるフルプラグイン式、10年間新品交換保証など自作PC向けハイパフォーマンス電源ユニットとして完全に隙の無い構成です。

40%以下でファンレス動作可能な「Zero Fan Mode」では340Wの電源負荷(入力電力)に対してもファンレスで運用可能です。メインストリーム向けCPUとの組み合わせであればGTX 1080 OCやRadeon RX Vega 56などのシングルグラフィックボード環境でもファンレス運用が可能です。ファンが常時動作する「Silent Mode」や「Perfomance Mode」であってもGTX 1080 Ti SLIによる負荷に対してファン回転数はせいぜい700RPM程度という抜群の静音性を発揮しています。

前モデルでは側面の製品ロゴシールがカラフルで若干人を選ぶデザインでしたが、「Thermaltake Toughpower iRGB PLUS 850W Platinum」は万人受けするブラックに変わっているのでデザインで躊躇することもありません。12分割でアドレス指定によるフルコントロールが可能なRGB LEDリングを搭載した冷却ファンが採用されており、電源ユニットの正面や側面のエアスリットから零れる光も綺麗なので魅せる自作PCの構成パーツとしても最適な電源ユニットです。
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一方で同電源ユニットのもう1つの目玉である専用ソフトウェア「Thermaltake DPS G APP 3.0」については、ファン動作モードの変更とアドレッサブルLEDイルミネーションの操作設定など最低限の部分はカバーできているものの、モニタリング機能としては手動で開始・停止可能なログ機能がないなど機能性に乏しくこの点は期待外れになるかもしれません。同種の機能については競合他社Corsairが上位モデルの電源ユニットに採用しているCorsar Linkがかなり高い完成度を誇っているので現状では比べるに足る機能とは言えないというのが正直な感想です。モニタリング周りは”消極的な”と頭につくものの同製品にとって唯一と言っていい欠点かもしれません。

Platinum認証取得、電源容量850W、取り回しに優れたフラットきしめん型ケーブル、電源ユニット冷却ファンの回転数が700RPM以下の抜群の静音性、12分割でアドレス指定によるフルコントロールが可能なRGB LEDリング搭載など、ハードウェアとして高性能かつ魅せる要素も兼ね備えるという万能ハイパフォーマンス電源ユニットながら、販売価格は2.1万円と安価でコストパフォーマンスにも優れる「Thermaltake Toughpower iRGB PLUS 850W Platinum」は今、自作PC用電源ユニットを購入するのであれば間違いなく一押しな製品です。


以上、Thermaltake Toughpower iRGB PLUS 850W Platinumのレビューでした。
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Thermaltake Toughpower iRGB PLUS Platinumシリーズには今回レビューした850Wモデル以外にも1050Wモデル「Toughpower iRGB PLUS 1050W Platinum (型番:PS-TPI-1050F2FDPJ-1)」や1200Wモデル「Toughpower iRGB PLUS 1200W Platinum (型番:PS-TPI-1200F2FDPJ-1)」もラインナップされています。2.1万円の850Wモデルだけでなく、1050Wモデルは2.4万円、1200Wモデルは2.7万円と上位モデルもコストパフォーマンスに優れているのでシリーズ全体通しておすすめな電源ユニットです。



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(注:記事内で参考のため記載された商品価格は記事執筆当時のものとなり変動している場合があります)



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