スポンサードリンク
汎用ケースファンをスポットクーラーとして設置可能なフレキシブルファンアーム「サイズ 弥七(型番:SC-YSC01)」のサンプル機をメーカーよりご提供いただけたので、Core i9 9900Kで5GHzオーバーのOCをした時のマザーボードVRM電源の冷却を例にして実用性のほどをレビューしていきます。
製品公式ページ:https://www.scythe.co.jp/product/cooling-acce/sc-ysc01
サイズ 弥七の外観・付属品
まずは「サイズ 弥七」の外観や構造など基本的なところをチェックしていきます。「サイズ 弥七」の内容品は、フレキシブルアーム、固定ネジソケット*2種、ファン固定用の長ネジ&ハンドスクリュー、ファン固定プレートとなっています。
「サイズ 弥七」はマザーボード固定スペーサーのネジ穴に直接固定する構造で、通常はネジ山の小さいミリネジの方(下写真の右側)を使用しますが、インチネジの固定ネジソケットも付属するので、PCケース内にインチネジ穴があればそこにも固定できます。
「サイズ 弥七」はアーム長120mmの蛇腹構造なフレキシブルアームによって位置調整が可能で、VRM電源やグラフィックボード背面に直接風を当てることができます。角型ファンを付属のハンドスクリューで固定します。
今回は「サイズ 弥七」と組み合わせる冷却ファンとして92mm角の「Noctua NF-A9 PWM」を選択しましたが、公式にはファン重量によるフレキシブルアームのたわみの都合上、厚さ12~25mmの92mm角ファンが推奨されています。終売品ですが過去に他社から発売されていた120mm角ファン対応フレキシブルアームに比べると蛇腹部分の径が細いので、やはり公式の推奨通り「サイズ 弥七」では最大でも92mm角/25mm厚の冷却ファンが推奨だと思います。
サイズ 弥七でマザーボードVRM電源を冷やしてみる
「サイズ 弥七」の外観や構造など基本的なところをチェックできたので、Core i9 9900Kで5GHzオーバーのOCをした時のマザーボードVRM電源の冷却を例にして「サイズ 弥七」の実用性を検証していきます。今回は「サイズ 弥七」を使用して冷やす検証システムとして次のベンチ機を用意しました。
テストベンチ機の構成 | |
CPU | Intel Core i9 9900K 8コア16スレッド (レビュー) |
CPUクーラー | Fractal Design Celsius S36(レビュー) Noctua NF-A12x25 PWM x3 (レビュー) |
メインメモリ | G.Skill Trident Z Black F4-4400C19D-16GTZKK DDR4 8GB*2=16GB (レビュー) |
マザーボード | ASUS WS Z390 PRO (レビュー) |
ビデオカード | MSI GeForce GT 1030 2GH LP OC ファンレス (レビュー) |
システムストレージ |
Samsung 860 PRO 256GB (レビュー) |
OS | Windows10 Home 64bit |
電源ユニット | Corsair HX1200i (レビュー) |
ベンチ板 | STREACOM BC1 (レビュー) |
Core i9 9900KのOC設定は「CPUクロック倍率:51」「CPUキャッシュ倍率:47」「CPUコア/キャッシュ電圧:1.300V(固定モード)」「ロードラインキャリブレーション: Level 7」「SVIDサポート: Disabled」「C State: Disabled」「メモリ周波数:4000MHz」「メモリ電圧:1.400V」「メモリタイミング:17-17-17-37-CR2」としています。
8コア16スレッド「Intel Core i9 9900K」をコア5.1GHz/キャッシュ4.7GHz、メモリ周波数4000MHz、メモリタイミング17-17-17-37-CR2でにOCするとCinebenchスコアは2200オーバーになります。
VRM電源に長時間負荷をかけるため、このOC設定を使用してストレステストを実行しました。
検証方法については、FF14ベンチマークの動画(再生時間8分、4K解像度、60FPS、容量5.7GB)でAviutl+x264を使ってエンコードを行いました。エンコード時間はCore i9 9900K 定格の場合20分ほどなので同じ動画のエンコードを2つ並列して実行しています。テスト中のファン回転数は一定値に固定しています。
注:CPUのストレステストについてはOCCTなど専用負荷ソフトを使用する検証が多いですが、当サイトではPCゲームや動画のエンコードなど一般的なユースで安定動作すればOKとういう観点から管理人の経験的に上の検証方法をストレステストとして採用しています。
Core i9 9900Kを上記のBIOS設定でOCしてストレステストを実行すると、システム全体(マイナス20~30WでほぼCPU)の消費電力が280Wに達します。VRM電源はこの大きな電力を長時間安定して供給するために結構大きな発熱を伴います。
VRM電源周りに風の直接当たらない簡易水冷CPUクーラーの環境において、Core i9 9900Kを全コア5.1GHzにOCして長時間負荷をかけた状態で放置し、VRM電源温度をサーモグラフィーで確認したところ、VRM電源周りの温度は100度前後まで達しました。ちなみに検証機材マザーボード「ASUS WS Z390 PRO」に限らず、最上位クラスのハイエンドZ390マザーボードでもCore i9 9900Kをパッシブ空冷のままで5GHz超にOCするとVRM電源温度は90度を超えてきます。
さて本題となる「サイズ 弥七」に92mm角冷却ファン「Noctua NF-A9 PWM」に組み合わせ、これをスポットクーラーとしてVRM電源を冷やしたケースについてチェックしていきます。「Noctua NF-A9 PWM」のファン回転数は1500RPMで固定しています。
スポットクーラーのないパッシブ空冷の状態ではVRM電源温度が100度前後に達しましたが、「サイズ 弥七」によって92mm角冷却ファンをスポットクーラーとして使用して適切に冷やしてやれば、VRM電源温度を70度半ばまで下げることができました。
「サイズ 弥七」はマザーボードスペーサーのネジ穴を利用して簡単に設置ができ、マザーボードVRM電源やグラフィックボードの背面など、発熱が大きく高温になるスポットを狙って重点的に冷やせるので、高性能なCPUやグラフィックボードを使用しているユーザーにはオススメな製品です。
以上、「サイズ 弥七」のレビューでした。
関連記事
・可変アルミフレーム搭載ファン「IN WIN MARS」をレビュー・エアフロー重視のケースファン「NZXT Aer F 120/140」をレビュー
・「Aer RGB 120/140」と「HUE+」をレビュー
(注:記事内で参考のため記載された商品価格は記事執筆当時のものとなり変動している場合があります)
スポンサードリンク
ようやく代替品が現れたか