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オーストリアのCPUクーラーメーカーNoctuaから120mmサイズ冷却ファン搭載サイドフロー型空冷CPUクーラーの新製品としてリリースされた、次世代高性能ファンNF-A12x25 PWMを2基搭載し、ヒートパイプ7本&フィン面積37%増で140mmサイズ空冷並みの冷却性能を実現する「Noctua NH-U12A」のサンプル機を国内正規代理店TechAce様よりご提供いただけたのでレビューしていきます。Core i9 9900KやCore i9 7980XEをターゲットにして、同社のスタンダードモデルNH-U12SやフラッグシップモデルNH-D15と「Noctua NH-U12A」の冷却性能を比較検証します。
国内正規代理店TechAce:https://techace.jp/product_info.php/products_id/3409
製品公式ページ:https://noctua.at/en/nh-u12a
マニュアル:https://noctua.at/media/blfa_files/manual/noctua_nh_u12a_manual_en_web.pdf
レビュー目次
1.Noctua NH-U12Aの梱包・付属品
2.Noctua NH-U12Aのヒートシンク
3.Noctua NH-U12Aの冷却ファン
4.Noctua NH-U12Aの外観
5.Noctua NH-U12Aの検証機材・セットアップ
6.Noctua NH-U12Aの各種クリアランス
7.Noctua NH-U12Aの冷却性能
8.Noctua NH-U12Aのレビューまとめ
補足.空冷クーラーと水冷クーラーの違いについて
Noctua NH-U12Aの梱包・付属品
まずは「Noctua NH-U12A」の外観や付属品をチェックしていきます。「Noctua NH-U12A」のパッケージは NH-U12SやNH-D15など既存のモデル同様にカラープリントのパッケージになっています。同社フラッグシップモデルNH-D15と比較するとパッケージサイズは2/3以下とコンパクトです。
Noctua NH-U12Aの外パッケージを開くと、まず付属品が収められた小分けパッケージが現れ、その下にはCPUクーラー本体が収められています。
CPUクーラー本体は茶色段ボールのスペーサーに収められており、CPUクーラー本体を保護する段ボールは簡単な組み立て式です。各種付属品は内容品一覧が天面にプリントされた小分けパッケージに収められています。
CPUクーラーマウント関連を除く付属品は、同社製熱伝導グリス「NT-H1」、PWM対応4PINファン端子2分岐Y字ケーブル「NA-YC1」、ファンを低速で動作させるための降圧変換ケーブル「Low Noise Adapter NA-RC14」*2、L字型プラスドライバー、エンブレムバッジシールでした。
CPUクーラーマウント関連の付属品としては、Intelプラットフォーム用マウントバー(NM-IMB3)、Intel LGA115X用プラスチックスペーサー(ブラック、NM-IPS1)、Intel LGA115X用バックプレート(NM-IBP2)、Intel LGA2066用スタンドオフスクリュー(NM-IBT2)、AMDプラットフォーム用マウントバー(NM-AMB11)、AMD AM4用プラスチックスペーサー(グレー、NM-APS4)、AMD AM/FM用プラスチックスペーサー(ホワイト、NM-APS5)、AMDプラットフォーム用スクリュー(NM-ALS1)、マウントバー固定用ハンドスクリューナットとなっています。
詳しくは後ほど紹介しますが、CPUクーラー本体を簡単にチェックしておきます。
Noctua NH-U12Aは120mmサイズの冷却ファンをヒートシンクの前後に搭載していますが、基本的な見た目には標準的なサイドフロー型のCPUクーラーです。細かくチェックしていくとヒートシンクのアルミニウム放熱フィンがニッケルメッキで防錆処理されておりその独特の光沢も目を引きます。
ヒートシンクに冷却ファン等を装着した状態で重量を比較してみたところ、同社製のスタンダード空冷CPUクーラー「Noctua NH-U12S」は723g、フラッグシップ空冷CPUクーラー「Noctua NH-D15」は1302gに対して、「Noctua NH-U12A」は1144gでした。
Noctua NH-U12Aのヒートシンク
続いてNoctua NH-U12Aのヒートシンクをチェックしていきます。Noctua NH-U12Aのヒートシンクの放熱フィンは一般的なアルミニウム製ですがニッケルメッキ表面処理がされており、見た目に美しいだけでなく、汚れにくく錆びにくいというメリットもあります。Noctuaらしい質実剛健な工業製品的な美しさを全面に押し出したデザインです。
PCケースのサイドパネル側から見える放熱フィン上部にはメーカーロゴのNoctuaが刻印されています。
ヒートシンクの放熱フィンはベースコアを中心にして左右方向には対称な形状ですが、前後方向にはオフセットされており、Intel LGA115XやAMD AM4などCPUソケットの片側にメモリスロットがある環境において、ヒートシンク付きメモリと干渉し難い構造です。
放熱フィンのフィンピッチは狭すぎず広すぎずなちょうどいい塩梅で低速から高速まで幅広い冷却ファン動作に対応可能なピッチが採用されていました。側面は放熱フィンの末端が折り曲げ加工によって平面化されており、フィンを手で持った時に指を切る心配もありません。
ニッケルメッキの施された銅製ベースコアからは同じくニッケルメッキ銅製のヒートパイプが左右へ7本ずつ計14本伸びています。
Noctua NH-U12Aのベースコアプレートはニッケルメッキの銅製でCPUクーラーヒートスプレッダとの接触面積を最大化するために鏡面化(平滑化)されています。
ベースプレートのサイズはIntel LGA2066/2011系CPUの比較的大きいヒートスプレッダでも全体と接する十分なサイズになっています。
「Noctua NH-U12A」をマザーボードに固定するためのリテンションには同社独自の簡単かつ安定した固定が可能な「SecuFirm2」という構造が採用されています。「Noctua NH-U12A」にはIntel/AMDの各種プラットフォームで共通して使用するリテンションブラケットが標準で装着されています。スプリング付きスクリューが装着されており、付属のL字型ドライバーを使用して簡単かつ適切にCPUクーラーを装着可能となっています。
NH-U12Sのヒートシンクと比較してみると、同じシングルタワータイプの空冷CPUクーラーながら「Noctua NH-U12A」のヒートシンクは厚みを増していることがわかります。また銅製ベースプレートがから伸びるヒートパイプの本数も1本1本の太さはそのままで5本から7本に増量しており、それに合わせて銅製ベースプレート自体も若干大型化しています。
同社がフラッグシップモデルに位置付けるNH-D15のヒートシンクと比較すると、やはりデュアルタワーのNH-D15に対して「Noctua NH-U12A」はシングルタワーなのでコンパクトに見えます。ヒートパイプの本数も実はNH-D15が6本なので、7本の「Noctua NH-U12A」のほうが多く、上と同様に銅製ベースプレートも若干大きいです。
ベースコアに関して、NH-D15やNH-U12SではIntel LGA2066環境でベースコアの中心に綺麗にCPUのヒートスプレッダが合わさっていたのですが、「Noctua NH-U12A」は位置が中心から若干ズレていました。冷却性能への影響は非常に小さいか、ほぼないレベルだと思いますが、Noctuaの工作精度を考えると”らしくない”と感じました。
この件についてNoctua公式に確認したところ、『 「NH-U12A」はNH-D15やその他の商品と比較しますと、左右非対称的なデザインとなっております。そのため、クーラーの左右バランスとLGA2066ソケット対応を想定して大きめな設計にしているので、 ベースコアのズレが多少生じます 』、とのことでした。
Noctua NH-U12Aの冷却ファン
Noctua NH-U12Aには冷却ファンとして、超硬質かつ軽量な新素材「Sterrox LCP」の採用によってフレーム-ブレード間0.5mmの限界を実現させた次世代汎用120mm口径ファン「Noctua NF-A12x25 PWM」が2基付属します。NF-A12x25 PWMは単品でも販売されているので保守部品の入手性についても心配ありません。「Noctua NF-A12x25 PWM」は定格2000RPMのPWM速度調整対応4PIN冷却ファンです。PWM速度調整によって450~2000RPMの範囲内で速度調整が可能です。また付属の低ファンノイズ変換アダプタ(L.N.A.)を接続すると降圧調整によって定格回転数が1700RPMに下がります。
「Noctua NF-A12x25 PWM」はベージュのファンフレームとブラウンのファンブレードというNoctuaらしいカラーリングです。『これぞNoctua!』という肯定的な意見もあれば、『ダサい、きたない』といった否定的な意見もある賛否両論なデザインですが、少なくともパッと見でNoctuaの存在を頭に刻み込むというブランド認知には一役買っていることは間違いありません。
冷却ファンのサイズは汎用120mmファンと同じです。乱流の発生により静音化を向上させるファンブレードに刻み込まれた溝構造「Flow Acceleration Channels」も採用されています。
またファンフレーム内側を階段状のすり鉢形にする「Stepped Inlet Design」構造によって大風量の実現や、エア流れを最適化し静圧の改善やノイズの低減に寄与するそうです。ファンフレームの四隅には防振ラバーパッドが装着されており冷却ファンの振動による共振の発生を抑制します。
「NF-A12x25 PWM」と「NF-F12 PWM」を比較すると「NF-A12x25 PWM」ではモーターハブが若干大型化されています。また中心部の材質をスチール製に、金色のアクスルマウントは真鍮製になっており補強が施されています。軸受けは従来機種でも採用されているNoctua第2世代「SSO2ベアリング」が使用され、さらに真鍮製CNCベアリングシェルによって軸ブレをなくし、高い耐久性が実現されています。
NF-F12 PWMでは直進整流効果が期待できる11枚羽の軸フレーム構造「Focused Flow frame」が採用されていましたが、「Noctua NF-A12x25 PWM」ではファンブレード回転方向と直交する向きに4本の軸フレームが伸びているシンプルな構造が採用されています。
「Noctua NF-A12x25 PWM」の最大の特徴は何といっても、0.5mmという限界に挑んだフレーム-ブレード間の隙間の小ささです。この間隔が狭いほど漏れる空気は少なくなりエアの直進性も増すので、回転数に対する風量の効率が増し、静音性も向上するという、シンプルイズベストなアプローチになっています。
超硬質かつ軽量な新素材「Sterrox LCP」をファンブレードの素材として採用することによって、ファンブレード回転時の振動が軽減され、中心軸からぶれず、遠心力による変形が発生しないので、フレーム-ブレード間0.5mmの限界を実現しています。
冷却ファンのヒートシンクへの固定方法はサイドフローCPUクーラーとしては一般的な針金のファンクリップを使用する方式です。冷却ファンのネジ穴にファンクリップ左右端のU字部分を引っかけます。
あとはヒートシンクの溝にファンクリップ中央を引っかけるだけです。ファンクリップには中央に指をかけやすい凸形状があるので着脱も容易な構造になっています。
「Noctua NH-U12A」にはPWM対応4PINファン2分岐ケーブルも標準で付属しているので、ヒートシンク前後に設置されるNF-A12x25 PWMのファン電源は1つの4PINファン端子から取得できます。
Noctua NH-U12Aの外観
ヒートシンクと冷却ファンの個別チェックも済んだところで、ヒートシンクへ冷却ファンを組み込んで「Noctua NH-U12A」の完成状態の外観や寸法をチェックしていきます。Noctua NH-U12Aは120mmサイズの冷却ファンをヒートシンクの前後に搭載していますが、基本的な見た目には標準的なサイドフロー型のCPUクーラーです。細かくチェックしていくとヒートシンクのアルミニウム放熱フィンがニッケルメッキで防錆処理されておりその独特の光沢も目を引きます。
アルミニウム放熱フィン1枚1枚にファンクリップ用の溝があるので、ファンを固定する高さはユーザー側で自由に設定可能です。高い位置にファンを固定すれば、当然その分だけCPUクーラーの高さが高くなります。
冷却ファンが標準位置に配置されている場合は冷却ファンの方が最高位置が高く、「Noctua NH-U12A」の全高は製品仕様通り158mmです。ヒートシンク自体は数mm程低くなっています。
Noctua NH-U12Aの検証機材・セットアップ
「Noctua NH-U12A」を検証機材のベンチ機にセットアップします。Noctua NH-U12Aの検証機材として、Intel Core i9 9900KとIntel Core i9 7980XEなどで構成されているベンチ機を使用しました。構成の詳細は下記テーブルの通りです。テストベンチ機の構成 | ||
CPU | Intel Core i9 9900K(レビュー) | Intel Core i9 7980XE(レビュー) 殻割り&クマメタル化 (レビュー) |
メインメモリ | G.Skill Trident Z Black F4-4400C19D-16GTZKK (レビュー) 4000MHz, CL17-17-17-37-CR2 |
G.Skill Trident Z Black F4-4200C19Q2-64GTZKK (レビュー) 3600MHz, CL16-16-16-36-CR2 |
マザーボード |
ASUS WS Z390 PRO (レビュー) |
ASRock X299 OC Formula (レビュー) |
ビデオカード | ZOTAC RTX 2080Ti AMP Extreme Core (レビュー) MSI GeForce GT 1030 2GH LP OC (レビュー) |
|
システム ストレージ |
Samsung SSD 860 EVO M.2 1TB (レビュー) |
Samsung SSD 860 PRO 256GB (レビュー) |
データ ストレージ |
Samsung SSD 860 QVO 4TB (レビュー) |
|
OS | Windows10 Home 64bit | |
電源ユニット | Corsair HX1200i (レビュー) | |
ベンチ板 | STREACOM BC1 (レビュー) |
ベンチ機のシステムストレージにはSamsung製MLCタイプ64層V-NANDのメモリチップを採用する18年最速のプロフェッショナル向け2.5インチSATA SSD「Samsung SSD 860 PRO 256GB」を使用しています。Samsung SSD 860 PROシリーズは容量単価が高価ではあるものの、システムストレージに最適な256GBや512GBモデルは製品価格としては手を伸ばしやすい範囲に収まっており、Intel 第9世代Core-Xのようなエンスー環境はもちろん、Intel/AMDのメインストリーム向けCPU環境であってもシステムストレージ用に一押しのSSDです。
・「Samsung SSD 860 PRO 256GB」をレビュー
CPUクーラーの設置方法について、当サイトの評価基準となるチェックポイントは次の3つです。
- LGA115Xの場合、CPU固定バックプレートが単独でマザーボードに固定できるか
- マウントパーツ設置状態でCPUを交換できるか
- 空冷の場合、ネジ止めの場合はマザーボード側から固定できるか
簡易水冷or水冷ブロックの場合、ハンドスクリューなどツールレス固定ができるか
上の3項目を全て満たす例として本格水冷用のCPU水冷ブロックですが「EK-Supremacy EVO」のマウンタ構造は「バックプレートをM/Bに固定可能」「完全ツールレス」「マウンタ設置状態でCPUの交換が可能」なので本格水冷・簡易水冷クーラーの水冷ブロック固定方式としてはベストだと思っています。水冷クーラーメーカーにはどんどん真似してもらいたい理想的な構造です。
「Noctua NH-U12A」のCPUクーラー設置手順についてはNoctua公式からYoutube上で各プラットフォーム毎に動画が公開されているのでこちらを参照するのが一番わかりやすいと思います。
上の動画でも設置方法は十分にわかると思いますが、今回は検証環境の1つであるIntel Core i9 9900Kに対応するIntel LGA1151プラットフォームを例にして「Noctua NH-U12A」の設置手順を簡単に紹介します。
「Noctua NH-U12A」はマルチプラットフォーム対応CPUクーラーなのでマウントパーツの種類がいくつかありますが、Intel LGA1151プラットフォームでは下写真に写っている、Intelプラットフォーム用マウントバー(NM-IMB3)、Intel LGA115X用プラスチックスペーサー(ブラック、NM-IPS1)、Intel LGA115X用バックプレート(NM-IBP2)、マウントバー固定用ハンドスクリューナットを使用します。
まずはマザーボードを裏返してバックプレートのネジピラーをCPUソケット四隅の穴に挿入します。
バックプレートが脱落しないように注意してマザーボードを表に向け、黒色のプラスチックスペーサーをネジピラーに装着します。
CPUクーラーを固定する向きに合わせてマウントバーを乗せます。「Noctua NH-U12A」の場合はマウントバーとファンが平行になると考えて、メモリスロット側からリアI/O側に風が流れるようにCPUクーラーを設置する場合はマウントバーをメモリスロットと並行に装着します。
あとはハンドスクリューナットでマウントバーを固定したらCPUクーラーの設置準備は完了です。
マウントパーツは単独でもマザーボードに固定されているので、CPUクーラーの設置が完了していない状態でもバックプレートなどが脱落することはなく、PCケースに設置した状態でもCPUクーラーの設置が容易です。
CPUクーラーをマザーボードに固定する準備はこれで完了したので熱伝導グリスをCPUのヒートスプレッダに塗布します。熱伝導グリスには当サイト推奨で管理人も愛用しているお馴染みのクマさんグリス(Thermal Grizzly Kryonaut)を塗りました。使い切りの小容量から何度も塗りなおせる大容量までバリエーションも豊富で、性能面でも熱伝導効率が高く、塗布しやすい柔らかいグリスなのでおすすめです。
Thermal Grizzly Kryonaut TG-K-001-RS(少量、1g)
Thermal Grizzly Kryonaut TG-K-015-RS(1.5ml)
Thermal Grizzly Kryonaut TG-K-030-RS(3.0ml)
親和産業
グリスを塗る量はてきとうでOKです。管理人はヘラとかも使わず中央山盛りで対角線だけ若干伸ばして塗っています。特にThermal Grizzly Kryonautは柔らかいグリスでCPUクーラー固定時の圧着で伸びるので塗り方を気にする必要もありません。
熱伝導グリスを塗ったらCPUクーラーヒートシンクを乗せて付属のL字型ドライバーでネジ止めしします。
ファンクリップでヒートシンクに冷却ファンを装着したらNoctua NH-U12Aの設置完了です。
Noctua NH-U12Aの各種クリアランス
CPUクーラーの性能検証に入る前に、空冷CPUクーラーにはつきものである最上段PCI-Eスロットのグラフィックボードやヒートシンク搭載システムメモリとのクリアランス問題についてNoctua NH-U12Aの事情をチェックしていきます。まずは「Noctua NH-U12A」とマザーボードのプライマリグラフィックボード用PCI-Eスロットとのクリアランスについてチェックします。
クリアランス検証には「Noctua NH-U12A」が対応する最新の三大プラットフォームから代表して、Intel LGA1151の「ASUS WS X390 PRO」、Intel LGA2066の「ASRock X299 OC Formula」、AMD AM4の「ASUS ROG CROSSHAIR VII HERO (Wi-Fi)」を使用しています。
Intel LGA1151環境ではCPUクーラーとPCIEスロットの間隔の基準値として、左下CPUクーラーネジ穴の内周上端からPCIEスロットの上端までを測定して、「ASUS WS X390 PRO」では約38.8mmです。
「ASUS WS X390 PRO」において最上段のPCIEスロットにプライマリグラフィックボードを設置しても、「Noctua NH-U12A」とグラフィックボードが干渉することはありませんでした。
CPUクーラーとグラフィックボードの間には約9.0mmほどまだ余裕があるので、各自で使用するIntel LGA115X系マザーボードにおいて、上で測定したCPUクーラーとPCIEスロットの間隔が約29.8mm以上あれば「Noctua NH-U12A」を設置してもCPUクーラーとグラフィックボードの干渉は発生しません。
AMD AM4環境ではCPUクーラーとPCIEスロットの間隔の基準値として、左下CPUクーラーネジ穴(標準搭載バックプレートのネジ穴)外周の下端からPCIEスロットの上端までを測定して、「ASUS ROG CROSSHAIR VII HERO (Wi-Fi)」では約32.7mmです。
「ASUS ROG CROSSHAIR VII HERO (Wi-Fi)」において最上段のPCIEスロットにプライマリグラフィックボードを設置しても、「Noctua NH-U12A」とグラフィックボードが干渉することはありませんでした。
CPUクーラーとグラフィックボードの間には約17.8mmほどまだ余裕があるので、各自で使用するAMD AM4系マザーボードにおいて、上で測定したCPUクーラーとPCIEスロットの間隔が約14.9mm以上あれば「Noctua NH-U12A」を設置してもCPUクーラーとグラフィックボードの干渉は発生しません。
Intel LGA2066環境ではCPUクーラーとPCIEスロットの間隔の基準値として、左下CPUクーラーネジ穴外周の下端からPCIEスロットの上端までを測定して、「ASRock X299 OC Formula」では約29.8mmです。
「ASRock X299 OC Formula」において最上段のPCIEスロットにプライマリグラフィックボードを設置しても、「Noctua NH-U12A」とグラフィックボードが干渉することはありませんでした。
CPUクーラーとグラフィックボードの間には約7.6mmほどまだ余裕があるので、各自で使用するIntel LGA2066系マザーボードにおいて、上で測定したCPUクーラーとPCIEスロットの間隔が約22.2mm以上あれば「Noctua NH-U12A」を設置してもCPUクーラーとグラフィックボードの干渉は発生しません。
比較的大型な空冷CPUクーラーの多くに言えることですが、干渉しないとしてもCPUクーラーとグラフィックボードの隙間は狭いので、CPUクーラーの設置自体は問題ないのですが取り外しの際には少し困るかもしれません。取り付けよりも取り外しで困るというのは大型空冷CPUクーラーのあるあるネタなので注意してください。取り外しの際はグラフィックボード固定爪の解除のためにプラスチックの定規など細くて固いものを事前に用意しておくことをお勧めします。
続いて空冷CPUクーラーではヒートシンク付きDDR4メモリとの干渉が起きやすいのでリファレンス機材としてKingstonから提供いただいた「Kingston HyperX Fury DDR4」などを使用してCPUクーラーとメモリの干渉の有無をチェックしていきます。
その他のメモリのクリアランス検証の機材として「Samsung B-Die バルクメモリ(レビュー)」「Kingston HyperX Savage(レビュー)」「Kingston HyperX Predator RGB(レビュー)」「Corsair VENGEANCE LPX(レビュー)」「G.Skill Flare X(レビュー)」「G.Skill Trident Z Red/Black/RGB/Royal(レビュー)」「Corsair VENGEANCE RGB PRO(レビュー)」「Corsair Dominator Platinum RGB(レビュー)」も使用します。
まずはCPUクーラーとメモリの高さ方向のクリアランスをチェックしていきます。
「Noctua NH-U12A」ではヒートシンクなしのDDR4メモリより全高が12mm程度高いG.Skill Trident Zであれば、ファンの下端とメモリヒートシンクの上端が接して、ちょうど標準ファン固定位置にファンを設置することができました。つまり「Noctua NH-U12A」におけるメモリの高さ方向のクリアランスとしては、メモリの全高が約43mm以下なら左右方向のクリアランスも無視でき、干渉フリーでメモリとCPUクーラーを設置できます。
「Noctua NH-U12A」ではファンを固定する高さをファンクリップの装着位置でオフセットして調節できますが、「Corsair VENGEANCE RGB PRO」や「Corsair Dominator Platinum RGB」など全高43mmよりも背の高いヒートシンク付きメモリでは、その分だけヒートシンク放熱フィンと冷却ファンのエアフロー面がずれてしまいます。こういった使い方は避けた方が無難なので、後述の左右方向クリアランスでファンとメモリスロットが被る場合は、使用するメモリの高さに制限がかかると考えてください。
続いて各種プラットフォームに関してCPUクーラーとメモリの左右方向のクリアランスをチェックします。
Intel LGA1151環境ではCPUクーラーとメモリスロットの間隔の基準値として、右上CPUクーラーネジ穴の内周左端からメモリの左端までを測定して、「ASUS WS X390 PRO」では約17.1mmです。
「ASUS WS X390 PRO」においてCPUソケットに最も近いメモリスロットにヒートシンク付きメモリを設置しても、「Noctua NH-U12A」とメモリが干渉することはありませんでした。「Noctua NH-U12A」はリアI/O側にヒートシンク本体がオフセットする形状になっているので、Intel LGA115X系マザーボードで使用する分にはCPUクーラーとメモリが干渉することはないと思います。
CPUクーラーとメモリヒートシンク表面の間には約5.0mmほどまだ余裕があるので(Corsair Dominator PlatinumではPCB基板表面からヒートシンクの最厚部まで+3.3mm)、各自で使用するIntel LGA115Xマザーボードにおいて、上で測定したCPUクーラーとPCIEスロットの間隔が約12.1mm以上あれば、「Noctua NH-U12A」を設置してもCPUクーラーとメモリの干渉は発生しません。
AMD AM4環境ではCPUクーラーとメモリスロットの間隔の基準値として、右上CPUクーラーネジ穴(標準搭載バックプレートのネジ穴)外周の右端からPCIEスロットの右端までを測定して、「ASUS ROG CROSSHAIR VII HERO (Wi-Fi)」では約22.0mmです。
「ASUS ROG CROSSHAIR VII HERO (Wi-Fi)」においてCPUソケットに最も近いメモリスロットにヒートシンク付きメモリを設置しても、「Noctua NH-U12A」とメモリが干渉することはありませんでした。「Noctua NH-U12A」はリアI/O側にヒートシンク本体がオフセットする形状になっているので、AMD AM4系マザーボードで使用する分にはCPUクーラーとメモリが干渉することはないと思います。
CPUクーラーとメモリヒートシンク表面の間には約3.1mmほどまだ余裕があるので(Corsair Dominator PlatinumではPCB基板表面からヒートシンクの最厚部まで+3.3mm)、各自で使用するAMD AM4系マザーボードにおいて、上で測定したCPUクーラーとPCIEスロットの間隔が約18.9mm以上あれば、「Noctua NH-U12A」を設置してもCPUクーラーとメモリの干渉は発生しません。
Intel LGA2066環境ではCPUスロットの左右にメモリスロットがありますが、CPUクーラーと右側のメモリスロットの間隔の基準値として、右上CPUクーラーネジ穴(標準搭載バックプレートのネジ穴)外周の右端からPCIEスロットの右端までを測定して、「ASRock X299 OC Formula」では約10.7mmです。また左側は前述の右と対象に測定して10.6mmです。
「ASRock X299 OC Formula」においてCPUソケットに最も近いメモリスロットにメモリを設置すると、「Noctua NH-U12A」はリアI/O側にヒートシンク本体がオフセットする形状になっているため、右側スロットではヒートシンク付きメモリでも干渉は発生しないのですが、左側スロットではCPUソケットに近い2つのスロットの両方に冷却ファンが被さりました。
一般的なIntel LGA2066系マザーボードで考えた場合、CPUソケットに一番近いメモリスロットを使用する8枚刺しは当然として、1つ外側を使用する4枚刺しであっても、ほぼ確実にCPUクーラーの冷却ファンがリアI/O側のメモリスロットに被さります。Intel LGA2066系マザーボードでは左側メモリスロットで冷却ファンが被さる可能性が非常に高いので、使用するメモリは上述のように全高43mm以下のものを選択するのがオススメです。
なおCPUクーラーヒートシンク自体はメモリスロットまで十分な間隔があるので、フロント側のみのシングルファン構成にすればIntel LGA2066系マザーボードでもメモリヒートシンクの高さを気にする必要はなくなります。
念のために寸法も確認しておくと、
まず右側スロットについてはCPUクーラーとメモリヒートシンク表面の間には約4.4mmほどまだ余裕があるので(Corsair Dominator PlatinumではPCB基板表面からヒートシンクの最厚部まで+3.3mm)、各自で使用するIntel LGA2066系マザーボードにおいて、上で測定したCPUクーラーとPCIEスロットの間隔が約6.3mm以上あれば、「Noctua NH-U12A」を設置してもCPUクーラーとメモリの干渉は発生しません。
一方で左側スロットについてはCPUソケットに最も近いメモリスロットを使用しない4枚刺しを想定しても、CPUクーラーのヒートシンクとメモリヒートシンク表面の間隔は19.6mmなので25mm厚のファンを設置するには5.4mm余分にスペースが必要なので、上で測定したCPUクーラーとPCIEスロットの間隔が約15mm以上も要求されます。正直なところそんなLGA2066マザーボードは存在しないかなと。
今回検証で使用した各種DDR4メモリと「Noctua NH-U12A」のクリアランスに関する互換性を簡単にまとめると次の表のようになります。
Noctua NH-U12Aのメモリ互換性 | |||||
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高さ 全高 |
HS 厚み |
Intel 115X AMD AM4 |
Intel 2066 4枚 |
Intel 2066 8枚 |
ヒートシンクなし | 31mm | - | 〇 | 〇 | 〇 |
HyperX Fury | 34mm +0mm |
2.9mm | 〇 | 〇 | 〇 |
HyperX Savage | 34mm +0mm |
3.1mm | 〇 | 〇 | 〇 |
Corsair VENGEANCE LPX | 34mm +0mm |
3.0mm | 〇 | 〇 | 〇 |
G.Skill Flare X |
39mm +0mm |
3.1mm | 〇 | 〇 | 〇 |
HyperX Predator RGB | 42mm +0mm |
3.4mm | 〇 | 〇 | 〇 |
G.Skill Trident Z RGB/Royal |
43mm +0mm |
3.6mm | 〇 | 〇 | 〇 |
Corsair Vengeance RGB PRO |
49mm +6mm |
2.9mm | 〇 | △ | △: 非推奨 |
Corsair Dominator Platinum RGB |
54mm +11mm |
3.4mm | 〇 | △ | △: 非推奨 |
Noctua NH-U12Aのファンノイズと冷却性能
続いて本題となる「Noctua NH-U12A」の冷却性能と静音性を詳細に検証していきます。「Noctua NH-U12A」の比較対象として、「Noctua NH-U12A」のファンをフロントの1基のみにした「Noctua NH-U12A SF(カスタム設定として命名)」、「Noctua NH-U12S」、「Noctua NH-D15」、NH-D15の冷却ファンを中央の1基のみとした「Noctua NH-D15S」でも同様に検証を行いました。
検証システムをベンチ板に置いた状態で測定を行っているためCPUクーラーが水冷・空冷によらず基本的にCPUクーラーの理想的な性能をチェックすることになります。
まずはサウンドレベルメーター(騒音計)を使用してファンノイズをCPUクーラー別で比較しました。騒音計の収音部分とノイズ発生部分との距離が15cm程度になる位置で測定を行っています。簡易水冷の場合はラジエーターとポンプ両方からの距離が15cm程度になるように設置しています。
電源OFF時の騒音値は33~35dBです。目安として40dBを超えたあたりからファンノイズがはっきりと聞こえるようになり、45dB前後で煩く感じます。50dBを超えてくるとヘッドホンをしていても煩く感じます。同じ騒音値でも周波数(ファン回転数)が高いほど体感としては大きな音に感じやすく、また不快に感じたり感じなかったりは音の性質にもよるので注意してください。
「Noctua NH-U12A」と比較対象の各種CPUクーラーについてファン回転数に対するファンノイズをまとめると次のようになりました。
「Noctua NH-U12A」は120mmサイズのNoctua NF-A12x25 PWMを2基搭載していますが、同じく120mmサイズのNF-F12 PWMを1基だけ搭載しているNoctua NH-U12Sよりも高い静音性を実現しており、同じノイズレベルで200~300RPM高い回転数で運用できます。
続いて「Noctua NH-U12A」など各種CPUクーラーの冷却性能をチェックしていきます。
ストレステストについては、FF14ベンチマークの動画(再生時間7分、4K解像度、60FPS、容量5.7GB)でAviutl+x264を使ってエンコードを行いました。エンコード時間はCore i9 9900K 定格の場合は20分ほどなので同じ動画のエンコードを2つ並列して実行、Core i9 7980XEの場合は12分ほどなので同じ動画のエンコードを2つ並列して実行しています。テスト中のファン回転数は一定値に固定しています。
注:CPUのストレステストについてはOCCTなど専用負荷ソフトを使用する検証が多いですが、当サイトではPCゲームや動画のエンコードなど一般的なユースで安定動作すればOKとういう観点から管理人の経験的に上の検証方法をストレステストとして採用しています。
まずはIntelの最新メインストリーム向けCPUである第9世代CoffeeLake Refresh-Sの最上位モデル8コア16スレッド「Core i9 9900K」で「Noctua NH-U12A」の冷却性能を検証していきます。
Core i9 9900Kの動作設定は「短期間/長期間電力制限:200W」で全コア4.7GHzでコアクロックが張り付くように設定し、メモリも「メモリ周波数3600MHz」「メモリタイミング16-16-16-36-CR2」「メモリ電圧:1.350V」にOCしています。
この動作設定において上で紹介したストレステストを実行すると、Core i9 9900KのEPS電源経由の消費電力は150~160W前後に達します。
まずはファンノイズの騒音値が36dB程度になるように統一して、「Noctua NH-U12A」は1400RPM、「Noctua NH-U12A SF」は1500RPM、「Noctua NH-U12S」は1100RPM、「Noctua NH-D15」は1000RPM、「Noctua NH-D15S」は1000RPMにファン回転数を固定して、Core i9 9900Kで負荷テストを実施したところ、CPU温度の推移は次のようになりました。
続いてファンノイズの騒音値が42dB程度になるように統一して、「Noctua NH-U12A」は1800RPM、「Noctua NH-U12A SF」は2000RPM、「Noctua NH-U12S」は1500RPM、「Noctua NH-D15」は1300RPM、「Noctua NH-D15S」は1400RPMにファン回転数を固定して、Core i9 9900Kで負荷テストを実施したところ、CPU温度の推移は次のようになりました。
Core i9 9900Kは4.7GHz動作にするとメインストリーム向けCPUとしては大きな消費電力ですが、それでも150W程度なので大きな差は出ませんが、それでもしっかりとCPUクーラー別の傾向は読み取れます。
「Noctua NH-U12A」とファンを片面のみにした「Noctua NH-U12A SF」は次世代120mmファンNF-A12x25 PWMを搭載していて、NF-F12 PWMを搭載したNH-U12Sよりも高いファン回転数で運用できることもあって、より高い冷却性能を発揮しているのがわかります。また「Noctua NH-U12A」は同社のフラッグシップモデルNH-D15にこそ及びませんでしたが、同社が140mmサイズクラスの冷却性能を謳うだけあって、仮想140mmサイズCPUクーラーとして用意したNH-D15Sとそん色ない冷却性能を発揮しています。
次にIntelのエンスー向けCPUであるCore-Xの最上位モデル18コア36スレッド「Core i9 7980XE」で「Noctua NH-U12A」の冷却性能を検証していきます。
検証機材のCore i9 7980XEはCPUダイとヒートスプレッダ間のグリスを液体金属グリスに塗り替えているので通常よりも低い温度で動作していますが、TIMがシリコングリスからSTIMに変更された第9世代Core-XのCore i9 9980XEとの温度差は4~5度程度なので、Core i9 9980XEの運用に関する指標としては問題なく使えるデータになっています。
・Intel Core i9 9980XEを4.4GHz OCで7980XEと比較レビュー
Intel Core i9 7980XEの動作設定は「全コア3.8GHz」「コア電圧0.980V」、メモリも「メモリ周波数3600MHz」「メモリタイミング16-16-16-36-CR2」「メモリ電圧:1.350V」にOCしています。この設定でIntel Core i9 7980XEをOCするとCinebenchのスコアは3800ほどとなります。この動作設定において上で紹介したストレステストを実行すると、Core i9 7980XEのEPS電源経由の消費電力は290~300W前後に達します。
まずはファンノイズの騒音値が36dB程度になるように統一して、「Noctua NH-U12A」は1400RPM、「Noctua NH-U12A SF」は1500RPM、「Noctua NH-U12S」は1100RPM、「Noctua NH-D15」は1000RPM、「Noctua NH-D15S」は1000RPMにファン回転数を固定して、Core i9 7980XEで負荷テストを実施したところ、CPU温度の推移は次のようになりました。
続いてファンノイズの騒音値が42dB程度になるように統一して、「Noctua NH-U12A」は1800RPM、「Noctua NH-U12A SF」は2000RPM、「Noctua NH-U12S」は1500RPM、「Noctua NH-D15」は1300RPM、「Noctua NH-D15S」は1400RPMにファン回転数を固定して、Core i9 7980XEで負荷テストを実施したところ、CPU温度の推移は次のようになりました。
CPUクーラー別の傾向はCore i9 9900K 4.7GHzの時と類似していますが、Core i9 7980XE 3.8GHzが負荷に変わったことでCPU消費電力が150W程度から300W程度へと倍増しているので、CPUクーラーの冷却性能ポテンシャルが反映される形で温度差が広がっています。
ヒートシンクの大きさだけ見れば仮想140mmサイズCPUクーラーのNH-D15Sの方が大きいですが、300Wクラスの発熱に対して「Noctua NH-U12A」は同じノイズレベルで比較して高い冷却性能を実現しており、120mmサイズCPUクーラーとしては最強と言っても過言ではないと思います。
Noctua NH-U12Aのレビューまとめ
最後に「Noctua NH-U12A」(国内正規代理店TechAce提供)を検証してみた結果のまとめを行います。簡単に箇条書きで以下、管理人のレビュー後の所感となります。良いところ
- Noctua空冷らしい無骨なデザインでニッケルメッキのヒートシンクが美しい
- 120mmサイズ冷却ファン採用の標準サイズなのでオールラウンドに対応可能
- 全高43mm以下のヒートシンク付きメモリなら標準の高さのままで使用可能
- Intel LGA115XやAMD AM4環境ではメモリとの干渉は発生しない
LGA2066もフロントファンのみで運用すればメモリとの干渉は発生しない - 基本的にグラフィックボードとの干渉は発生しない
- 8コア16スレッドCore i9 9900Kを全コア4.7GHzで運用できる冷却性能
- 18コア36スレッドCore i9 7980XEを全コア3.8GHzで運用できる冷却性能
- NF-A12x25 PWM搭載で一般的な120mmサイズCPUクーラーよりも静音性が高い
- 良くも悪くもNoctuaらしいベージュ&ブラウンの冷却ファンのカラーリング
- 大型グラフィックボードと組み合わせた場合に取り付けは問題ないが取り外しがやや難しい
- フラッグシップモデルNH-D15よりも若干高価
冷却性能の検証結果からもわかるように「Noctua NH-U12A」は、最大で150Wクラスの電力負荷になるメインストリーム向け最上位CPUのCore i9 9900KやRyzen 7 2700Xはもちろんのこと、Intelの最新エンスー向けCPUで18コア36スレッドの最上位モデル「Intel Core i9 7980XE」を全コア3.8GHzにOCした300Wクラスの発熱も静音性を保ったままで十分に冷却できる性能があります。
同社のスタンダートモデルであるNH-U12Sを上回るのは当然に、仮想140mmサイズCPUクーラーとして今回用意したNH-D15Sと比較して同じノイズレベルで同等もしくは上回る冷却性能を発揮しています。同社が『140サイズCPUクーラーなみの冷却性能』と謳っているのも納得のパフォーマンスでしたし、120mmサイズ空冷CPUクーラーでは最強の冷却性能と言っても過言ではないと思います。
また「Noctua NH-U12A」は120mmサイズ冷却ファンを搭載する標準的なサイズのサイドフロー型CPUクーラーなのでPCケースとの干渉を気にすることなくオールラウンドに対応可能な汎用性も魅力です。Intel LGA1151やAMD AM4の環境であればグラフィックボードとメモリともに基本的に干渉フリーですし、Intel LGA2066でもG.Skill Trident Zなど全高43mm以下のメモリは問題なく使用でき、フロントファンのみで運用するのであればメインストリーム向けプラットフォーム同様に干渉フリーで使用できます。
ニッケルメッキで表面処理された大型のアルミ放熱フィンを搭載するヒートシンクは工業製品的な美しさがあるものの、Noctuaを代表するベージュ&ブラウンのカラーリングの冷却ファンはかなりユニークなのでNoctua NH-U12Aは総じて人を選ぶデザインだと思います。
あとNoctua NH-U12Aに限った話ではありませんが標準サイズの空冷CPUクーラーでも取り付けは比較的簡単ですが大型グラフィックボードと組み合わせた場合に取り外しに難儀する場合があるのでその点は事前に押さえておいてください。取り外しの際はグラフィックボード固定爪の解除のために定規など細くて固いものが必要になります。
「Noctua NH-U12A」は冷却性能、静音性、コンパクトで取り回しが良く干渉フリーと3拍子揃った製品ですが、流石に価格だけはついてこなかったようで、同社フラッグシップモデルのNH-D15よりも1000~2000円程度高価なのは若干悩ましいポイントです。フロントファンのみの片面ファン構成で10000円を切るバリエーションモデルの登場にも期待したいところ。
以上、「Noctua NH-U12A」のレビューでした。
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Noctua NF-A12x25 PWM 120mmファン 定格2000RPM PWM対応
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補足:空冷クーラーと水冷クーラーの違いについて
「空冷クーラー」と「水冷クーラー」の2種類ついて同じところと違うところ、また原理的に考えた冷却性能の比較を簡単に補足しておきます。関連記事
・質実剛健なハイエンド空冷「Noctua NH-D15」をレビュー・次世代120mmファン「Noctua NF-A12x25 PWM」をレビュー
・「Noctua NF-A12x25 PWM」を360サイズ簡易水冷に組み込む
(注:記事内で参考のため記載された商品価格は記事執筆当時のものとなり変動している場合があります)
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どうもありがとうございます
あと誤字報告です
×同じく120mmサイズのNF-F12 PWMを1基だけ搭載しているNoctua NH-U12Aよりも
○同じく120mmサイズのNF-F12 PWMを1基だけ搭載しているNoctua NH-U12Sよりも