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PlayStation 4 ProやXbox One Xなどコンシューマーゲーム機でも対応ソフトが増え始めている4K解像度/60FPS/HDRの超高解像度ハイダイナミックレンジなビデオ出力や、オンライン対戦FPSで勝ちを狙いに行く競技ゲーマーがゲーミングPCで使用するフルHD/240FPSの超ハイフレームレートなビデオ出力を、パススルーによって遅延なく表示しながら録画が可能な、プレイも録画も妥協しない2019年最高峰のPCIE拡張カード型ビデオキャプチャ「Elgato Game Capture 4K60 Pro MK.2」をレビューしていきます。
製品公式ページ:https://www.elgato.com/ja/gaming/game-capture-4k60pro
ソフトウェア:https://www.elgato.com/ja/gaming/downloads
Elgato 4K60 Pro MK.2 レビュー目次
1.Elgato 4K60 Pro MK.2の概要
2.Elgato 4K60 Pro MK.2の外観・付属品
3.Elgato 4K60 Pro MK.2の検証機材
4.Elgato 4K Capture Utility for Windowsについて
5.Elgato 4K60 Pro MK.2とサードパーティ製ソフトとの互換性について
6.Elgato 4K60 Pro MK.2で4K/60FPS/HDRのゲームを録画する 【近日更新】
7.Elgato 4K60 Pro MK.2でフルHD/240FPSのPCゲームを録画する 【近日更新】
8.Elgato 4K60 Pro MK.2の表示遅延について
9.Elgato 4K60 Pro MK.2のレビューまとめ
*時間の都合で、6章と7章が未完成です。近日、追記を予定しています。
Elgato 4K60 Pro MK.2の概要
「Elgato 4K60 Pro MK.2」はPCIE拡張ボード型ビデオキャプチャです。PCIE2.0x4接続に対応し、ボード側PCIE端子はx4サイズとなっています。「Elgato 4K60 Pro MK.2」にはロープロファイルPCIEブラケットが同梱されており、ロープロファイルPCIE拡張ボードとしても使用できます。「Elgato 4K60 Pro MK.2」は専用ドライバのインストールが必要なビデオキャプチャです。ドライバさえインストールすればOBSやXsplitなどサードパーティ製キャプチャソフトからも使用できます。「Elgato 4K60 Pro MK.2」は複数枚の同時使用にも対応しています。さらに1枚の「Elgato 4K60 Pro MK.2」で複数のアプリから録画を行えるマルチフィードにも対応しています。
4K/60FPS/HDRの映像ソースに対応しているので、PlayStation 4 ProやXbox One Xなどから出力される4K解像度/60FPS/HDR映像をそのまま録画できます。
また4K(3840×2160)よりも小さい解像度であれば、フルHD(1920×1080)の240FPSや、WQHD(2560×1440)の144FPSなどハイフレームレート映像ソースを60FPS動画として録画可能です。
「Elgato 4K60 Pro MK.2」にはHDMIパススルー端子も実装されており、4K/60FPS/HDRの映像(音声信号も含む)を4K/60FPS/HDRモニタへ直接にパススルー表示しながら、ビデオ録画が行えます。
パススルー表示はフルHD/240HzやWQHD/144Hzにも対応しており(録画フレームレートは最大60FPS)、近年流行りのバトルロイヤル系PCゲームをメイン機でハイフレームレートでプレイしながら、「Elgato 4K60 Pro MK.2」を搭載したサブ機で録画・配信という2台構成にも最適です。
また「Elgato 4K60 Pro MK.2」ではプレビュー画面についても「Instant Gameview Technology」によってパススルー表示と比較して違和感のない超低遅延を実現しているともアピールされています。
なお「Elgato 4K60 Pro MK.2」はハードウェアエンコーダを搭載していないので、キャプチャにはCPUもしくはGPUのパワーが必要になります。4K/60FPS/HDRなど高解像度/高フレームレートのプレビュー表示・録画を行う場合はGeForce GTX 1660やRadeon RX 590など相応に高性能なGPUが必要になります。
Elgato 4K60 Pro MK.2の外観・付属品
早速、「Elgato 4K60 Pro MK.2」を開封していきます。「Elgato 4K60 Pro MK.2」は初期モデルと同様にブランドカラーの青色をベースにしたカラープリントのパッケージですが、初期モデルの縦長から短く、横と厚みが大きくなっています。内容品のサイズ的にパッケージはもう少し小さくて良かった気も。
先行して発売された類似スペックの競合モデル「AverMedia Live Gamer 4K」と比較すると、青色ベースの「Elgato 4K60 Pro MK.2」と赤色ベース「AverMedia Live Gamer 4K」で対照的です。
「Elgato 4K60 Pro MK.2」にはビデオキャプチャの本体以外に、パススルー表示用のHDMIケーブル、エンブレムバッジ、ロープロファイルブラケット、クイックリファレンスが付属します。
「Elgato 4K60 Pro MK.2」にはパススルー接続用のHDMIケーブルが標準で付属しますが、HDMIケーブルを個別に購入するのであれば「エレコム Premium HDMIケーブル スリムタイプ」がオススメです。「エレコム Premium HDMIケーブル スリムタイプ」は18Gbpsの高速伝送による4K/60FPS/HDR表示対応のPremium HDMI cable規格認証を取得しており、ケーブル径4.5mmのスリムケーブルなので一般的な各種付属ケーブルと比較して取り回しの面でも非常に優れています。
エレコム PREMIUM HDMIケーブル スリムタイプ 1.0m
エレコム PREMIUM HDMIケーブル スリムタイプ 1.5m
エレコム PREMIUM HDMIケーブル スリムタイプ 2.0m
エレコム
「Elgato 4K60 Pro MK.2」のビデオキャプチャボード本体をチェックしていきます。「Elgato 4K60 Pro MK.2」は標準ではフルハイトのPCIEブラケットが装着されていますが、ボード本体は背の低いロープロファイル設計で、長さ120mm程のPCIE拡張ボードです。物理的なPCIE端子はx4サイズで、PCIEスロットとの電気的な接続レーンはPCIE2.0x4となっています。
「Elgato 4K60 Pro MK.2」の金属製カバーを外してみたところ、実装されたチップには放熱ヒートシンクの類は装着されておらず剥き出しの状態でした。ほぼ同スペックの競合製品AverMedia Live Gamer 4Kにはアルミニウム製ヒートシンクが装着されていたので意外な構造でした。
「Elgato 4K60 Pro MK.2」のI/Oポートを確認すると、ビデオ入力のHDMI2.0端子と、パススルーでモニタ・TVに接続するビデオ出力用のHDMI2.0端子が実装されています。ブラケットにはIN/OUTが黒背景の白太字で表記されているので一目でどちらがどちらか判別できます。
「Elgato 4K60 Pro MK.2」の背面にはバックプレートはなく基板が剥き出しになっています。
「Elgato 4K60 Pro MK.2」の外観を、旧モデルのElgato 4K60 Proやほぼ同スペックで競合製品のAverMedia Live Gamer 4Kと比較すると下のようになっています。一目瞭然なポイントとしてロープロファイルに対応した「Elgato 4K60 Pro MK.2」は最もコンパクトなのは言うまでもないことですが、旧モデルのElgato 4K60 Proでは装着されていたバックプレートがなくなったのは「Elgato 4K60 Pro MK.2」で地味に残念なポイントです。
Elgato 4K60 Pro MK.2の検証機材
「Elgato 4K60 Pro MK.2」の各種検証を行う環境としては、Intel Core i9 9900KやASRock X299 OC Formulaなどで構成されているベンチ機を主に使用しています。構成の詳細は下記テーブルの通りです。テストベンチ機の構成 | ||
CPU | Intel Core i9 9900K(レビュー) Core/Cache:5.1/4.7GHz, 1.300V 殻割り&クマメタル化(レビュー) |
Intel Core i9 7980XE(レビュー) 殻割り&クマメタル化 (レビュー) |
メインメモリ | G.Skill Trident Z Black F4-4400C19D-16GTZKK (レビュー) 4000MHz, CL17-17-17-37-CR2 |
G.Skill Trident Z Black F4-4200C19Q2-64GTZKK (レビュー) 3600MHz, CL16-16-16-36-CR2 |
マザーボード |
ASUS WS Z390 PRO (レビュー) |
ASRock X299 OC Formula (レビュー) |
ビデオカード | ZOTAC RTX 2080Ti AMP Extreme Core (レビュー) |
|
システム ストレージ |
Samsung SSD 860 EVO M.2 1TB (レビュー) |
Samsung SSD 860 PRO 256GB (レビュー) |
データ ストレージ |
Samsung SSD 860 QVO 4TB (レビュー) |
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OS | Windows10 Home 64bit | |
電源ユニット | Corsair HX1200i (レビュー) | |
ベンチ板 | STREACOM BC1 (レビュー) |
ベンチ機のシステムストレージにはSamsung製MLCタイプ64層V-NANDのメモリチップを採用する18年最速のプロフェッショナル向け2.5インチSATA SSD「Samsung SSD 860 PRO 256GB」を使用しています。Samsung SSD 860 PROシリーズは容量単価が高価ではあるものの、システムストレージに最適な256GBや512GBモデルは製品価格としては手を伸ばしやすい範囲に収まっており、Intel Core-XやAMD Ryzen TRのようなハイエンドデスクトップ環境はもちろん、メインストリーム向けでもハイパフォーマンスな環境を目指すのであれば、システムストレージ用に一押しのSSDです。
・「Samsung SSD 860 PRO 256GB」をレビュー
「Elgato 4K60 Pro MK.2」はドライバ不要ですぐに使用できることがアピールされています。
旧モデルのElgato 4K60 Proやほぼ同スペックで競合製品のAverMedia Live Gamer 4Kはキャプチャソフト以外にドライバのインストールが必要でしたが、「Elgato 4K60 Pro MK.2」はシステムに装着するだけですぐに使用できます。
「Elgato 4K60 Pro MK.2」のPCIEレーンについてはx4という最小リンク速度のみが公表されていましたが、確認してみたところ、PCIE2.0x4で接続されていました。
Elgato 4K Capture Utility for Windowsについて
「Elgato 4K60 Pro MK.2」で使用できるキャプチャソフトについては純正キャプチャソフト「Elgato 4K Capture Utility for Windows」が公開されているので、同ソフトの使い方について簡単に紹介します。「4K Capture Utility for Windows」は公式サポートページからダウンロードできます。
ソフトウェア:https://www.elgato.com/ja/gaming/downloads
なお「Elgato 4K Capture Utility for Windows」は純粋な録画のソフトとなっており、TwitchやYoutube Liveなどストリーミングサービスに動画を配信する機能はありません。リアルタイム配信サービスに対応する「Elgato Game Capture HD」については2019年現在最新のver3.7は「Elgato 4K60 Pro MK.2」が非対応でした。「Elgato 4K60 Pro MK.2」で配信を行うには後述のサードパーティ製ソフトを使用する必要があります。
上の公式ダウンロードリンクから「Elgato 4K Capture Utility for Windows」のインストーラーをダウンロードしたらインストーラーを起動します。すでにインストーラーは日本語にも対応していました。ポチポチとクリックしていくだけなのでソフトウェアの導入は簡単です。
インストールが完了したらデスクトップに生成されるショートカットアイコンから「4K Capture Utility for Windows」を起動します。純正ソフトウェアだけあって、細かい設定は不要で簡単にXbox One Xの画面が表示できました。ホーム画面とゲームについてはXbox One X側でHDCP等の設定も必要ないようです。
「Elgato 4K60 Pro MK.2」はHDCPで保護されたコンテンツのプレビューおよび録画は非対応です。Xbox One Xではホーム画面とゲームについてはHDCP等の設定も特に必要ありませんが、PS4 Proはホーム画面の表示にもHDCPによるコンテンツ保護が働くので、プレビュー画面を表示する場合は予めHDCPオフの設定をしておくか、パススルー表示経由で設定を変更する必要があります。
なお「Elgato 4K60 Pro MK.2」にゲーミングPCを接続する場合、規定のカラー設定で、出力カラーフォーマットがRGBではなくYCrCb、また出力ダイナミックレンジがフルではなく限定になっているかもしれません。PCゲームによっては不具合が発生する可能性があるので、「Elgato 4K60 Pro MK.2」にPCを接続する場合は、「カラーフォーマット:RGB」と「ダイナミックレンジ:フル」になっていることを確認してください。NVIDIA製GPUの場合はNVIDIAコントロールパネルから下のように設定できます。
またXbox One Xは対応ゲームこそ今のところないものの、メインメニュー回りはフルHDもしくはWQHDの解像度において120FPSのビデオ出力に対応しています。「Elgato 4K60 Pro MK.2」をパススルーで中継させた時に120FPSの表示が可能でした。
プレビューの表示されるメインウィンドウ右上の歯車アイコンを選択すると設定ウィンドウが表示されます。設定項目はソフトウェアアップデートなどに関する「一般」、キャプチャデバイスの基本設定に関する「デバイス」、キャプチャした映像の明るさや色調を調整できる「ピクチャ」、録画設定に関する「録画」、マイク音声入力に関する「マイク」の5つのタブメニューで構成されたシンプルな設計です。
録画タブではフォーマット(解像度とフレームレート)や動画のビットレートを設定できます。4K/60FPSの録画フォーマットにおいては最大140Mbpsのビットレートで録画できます。
録画時のエンコーダーとしては「グラフィックボードのハードウェアエンコーダ」と「CPUを使用するソフトウェアエンコーダ」の2種類が選択可能です。エンコーダーはプルダウンメニューからの選択のみでいずれも細かいエンコーダ設定はできません。
「Elgato 4K60 Pro MK.2」はHDR映像ソースのパススルー表示とSDR映像としての録画だけでなく、HDR映像をHDR映像として録画することもできます。HDR動画として録画するにはエンコーダーがHEVC(x265)のエンコードに対応している必要があります。現行最新のNVIDIA GeForce RTX 20XX/GTX 16XXシリーズは対応しています。
また「Elgato 4K60 Pro MK.2」は現在から遡って一定時間の動画を自動的に撮り貯めておき、指定の開始点から動画を保存できる「Flashbach録画機能」にも対応しています。標準設定では2時間分の動画が自動で撮り貯められる設定になっています。
Elgato 4K60 Pro MK.2とサードパーティ製キャプチャソフトとの互換性について
「Elgato 4K60 Pro MK.2」用には純正ソフトウェア「Elgato 4K Capture Utility」が用意されていますが、「OBS Studio」や「XSplit Broadcaster」など特定の使い慣れたソフトがあるユーザーも多いと思うので、サードパーティ製キャプチャソフトとの互換性について簡単に確認しておきます。「Elgato 4K60 Pro MK.2」のサードパーティー製ビデオキャプチャソフトとの互換性についてですが、国内含め世界的にユーザー数が比較的多い「OBS Studio」と「XSplit Broadcaster」において、4K/60FPSの映像ソースが正常に表示できるか試してみたところ、この2つのソフトでは正常にプレビューと録画が可能でした。
「Elgato 4K60 Pro MK.2」は1枚の同ビデオキャプチャボードで複数のアプリから録画を行えるマルチフィードにも対応しているので、「Elgato 4K Capture Utility」と「OBS Studio」と「XSplit Broadcaster」の3つのアプリを同時に実行することも可能です。
Elgato 4K60 Pro MK.2で4K/60FPS/HDRのゲームを録画してみる 【近日更新】
「Elgato 4K60 Pro MK.2」を使用して4K/60FPS/HDRの映像ソースの録画を試してみます。なお「Elgato 4K60 Pro MK.2」はH.265(HEVC)コーデックによってHDR映像ソースをそのままHDR対応動画として保存でき、また『4K/60FPS/HDRの映像ソースの録画』と言いましたが、H.265(HEVC)コーデックのHDR動画については再生や編集可能なソフトや環境が限られるので、今回は『4K/60FPS/HDRの映像ソースをパススルーによって遅延なく表示しながら、4K/60FPSのSDR動画として録画する』という、「Elgato 4K60 Pro MK.2」の導入を検討しているユーザーにとっておそらく最も需要が高いであろうケースについて検証します。
動作検証の主な映像ソースにはコンシューマーゲーム機「Xbox One X」でネイティブ4Kかつ60FPS対応が売りになっている超高画質レーシングゲーム「Forza Motorsport 7」を使用します。
まずは上で紹介した「エレコム PREMIUM HDMIケーブル スリムタイプ 2.0m DH-HDP14ES20BK」を2本使用して、「Elgato 4K60 Pro MK.2」のパススルー経由で4K/60FPS/HDRの表示を行いました。Xbox One Xからモニタまでケーブル長は計4.0mですが4K/60FPS/HDRで問題なく表示ができました。
「Elgato 4K60 Pro MK.2」に対してHDR映像ソースが入力された場合の映像データの取り扱いについては、「Elgato 4K Capture Utility」のHDR録画モードの仕組みやサードパーティー製キャプチャソフトとの互換性から推測するに、どうやらハードウェアもしくはドライバレベルでHDR映像をSDR映像にダウンコンバートしているようです。このSDRダウンコンバートは「Elgato 4K60 Pro MK.2」へHDR映像が入力された場合の既定の動作となっており、「Elgato 4K Capture Utility」でHDR録画モードを有効にした場合のみ例外的にHDR映像としてそのまま映像ソースを取り込んでいるものと思われます。
HDR映像をSDR映像にダウンコンバートする場合に画質の劣化があるのか気になるところなので、PS4 Proのアンチャーテッド4を使用して(時間経過による変化がないので比較写真が撮りやすい)、HDR映像ソースとSDR映像ソースを比較してみます。
まずはプレビュー画面でHDR映像ソース(左)とSDR映像ソース(右)を比較してみました。シーンにもよると思いますが、HDRの広い輝度域をSDRに圧縮しているので、基本的に明るいシーンは暗く(明る過ぎるとクリップされる)、暗いシーンは明るくなり、加えて若干彩度が落ちる印象です。とはいえ色調に破綻があるわけでもないので違和感なく見られる絵になっていると思います。
HDR映像ソースに対するSDRダウンコンバートで発症する問題の一例として確認できたものでは、画面の広範囲に渡って大きくグラデーションが表示された場合にカラーバンディング(帯)が出ました。大きく損なわれるわけではないものの、「高画質でプレイ」と「高画質で録画」の両者は若干トレードオフになるようです。
前置きが長くなりましたが、上で紹介した検証機材を録画マシンとして、「Elgato 4K60 Pro MK.2」のパススルーとプレビューをマルチモニタで同時に表示しながら録画してみました。
表示遅延については後ほど詳しく検証した結果を紹介しますが、「Elgato 4K60 Pro MK.2」でキャプチャソフトにOBSを使用して4K/60FPSの映像ソースをプレビュー表示しても表示遅延は小さいので、レーシングゲームのForza Motorsport 7についてはプレビュー表示でも違和感なくプレイできました。
4K/60FPSの録画中(プレビュー表示含む)の「Elgato 4K60 Pro MK.2」の温度についてスマホで使用できるサーモグラフィカメラ「FLIR ONE Pro(レビュー)」で撮影してみました。
「Elgato 4K60 Pro MK.2」はヒートシンクを搭載していませんが、エアフローがほとんどないベンチ板測定でも一番熱い部分で-度前後でした。実際にPCケースに入れる場合は温度管理に注意した方がいいかもしれません。
Elgato 4K60 Pro MK.2でフルHD/240FPSのPCゲームを録画してみる 【近日更新】
PUBGやFortnitなどバトルロイヤルFPSやLeague of LegendsなどMOBAといったオンライン対戦PCゲームにおいて、1,2フレームを争い勝ちを狙うガチゲーマーの大きな武器となる240FPSの超ハイフレームレートな映像をパススルーで240Hzゲーミングモニタへ無遅延に表示しながら、フルHD/60FPSのプレイ動画の録画ができるのか試してみました。「Elgato 4K60 Pro MK.2」のパススルー表示はフルHD/240FPSやWQHD/144FPSといった60FPS以上の高フレームレートな映像ソースに対応しています。
パススルーで144FPSや240FPSの高フレームレートな映像ソースをモニタに遅延なく表示しながら、ネイティブ解像度かつ最大60FPSのフレームレートでプレビュー表示と録画が可能です。
Elgato 4K60 Pro MK.2の表示遅延について
最後に「Elgato 4K60 Pro MK.2」を使用する上で気になっているユーザーも多いであろう、パススルーやプレビュー表示の表示遅延について検証してみました。ビデオキャプチャの表示遅延を測定する具体的な方法としては、キー押下時にそのキーのLEDが点灯するキーボードを使用して、LEDの点灯から画面表示への反映までの間隔を遅延時間として測定します。画面表示の確認については簡単に検索テキストボックスを使用しています。この様子を「SONY DSC-RX100M5」の16倍速(960FPS)スーパースローモーションムービーで撮影し、遅延フレーム数を数えて遅延時間を算出します。
なおキー入力でテキストボックスの変化を確認する方法は画面変化が小さいですが、実際のゲーム中など画面変化が大きい場合の表示遅延と比較しても遅延時間には基本的に大差がないようなので、簡単のため上の手順を採用しています
「Elgato 4K60 Pro MK.2」の比較対象として、4K/60FPS/HDRのネイティブ録画にも対応するPCIE拡張ボード型ビデオキャプチャ「AVerMedia Live Gamer 4K」、4K/60FPS/HDRパススルーに対応したUSB3.0接続外付け機器型ビデオキャプチャ「AVerMedia Live Gamer Ultra」、フルHD/60FPS対応製品の先駆けだったUSB3.0接続外付け機器型ビデオキャプチャ「MonsterX U3.0R」等でも同様に測定を行いました。
上の手順で測定した表示遅延の生のデータを比較すると次のようになっています。
Xbox One XからHDMIケーブルで直接にモニタへ接続するネイティブ、およびパススルー表示において表示遅延が70ms前後であるのに対して、「Elgato 4K60 Pro MK.2」でキャプチャソフトにOBSやXSplitを使った時のプレビュー表示の遅延は120ms前後となりました。この時、60FPS基準でネイティブやパススルーと比較して遅延は+3フレーム程度なので、プレビュー表示の画面でも違和感なくゲームをプレイできると思います。ただし純正ソフトのElgato 4K Capture Utilityを使用するとさらに+3フレーム遅くなるのが残念です。ちなみにプレビュー表示するPCのモニタリフレッシュレートを120~240Hzにするとプレビュー表示の表示遅延を小さくできます。
製品別で比較してみると、初期モデルElgato 4K60 Proよりも「Elgato 4K60 Pro MK.2」の表示遅延は改善していることが分かります。一方で競合モデルAverMedia Live Gamer 4Kと比較した場合、OBSやXSplitを使えばプレビュー表示の遅延にはほぼ差はありませんが、それぞれの純正ソフトで比較すると「Elgato 4K60 Pro MK.2」のほうが遅くなっています。
ゲーム実況・リアルタイム配信ではOBSを使用するユーザーが数では圧倒的とはいえ、ビデオキャプチャの初心者は純正ソフトを使用するケースも多いはずなので、純正ソフトと組み合わせた場合の評価としては、録画回りの機能が充実していて、表示遅延も小さいAverMedia Live Gamer 4K&RECentralに軍配が上がると思います。
Elgato 4K60 Pro MK.2 レビューまとめ
最後に4K/60FPS/HDRやフルHD/240FPSの録画&パススルーに対応するPCIE拡張カード型ビデオキャプチャ「Elgato Game Capture 4K60 Pro MK.2」を検証してみた結果のまとめを行います。簡単に箇条書きで以下、管理人のレビュー後の所感となります。良いところ
- PlayStation 4 ProやXbox One Xの4Kゲームを4K/60FPS/HDRで録画可能
- ゲーミングPCによるフルHD/240FPSなど高FPSな映像もパススルー&録画が可能
- ドライバ不要ですぐに使える
- 純正ソフト「Elgato 4K Capture Utility」は導入から4K録画までが簡単
- HDR映像ソースはSDRにダウンコンバートする仕様になっている?ので、
パススルーで4K/60FPS/HDRの映像を表示しながら、SDRとして4K/60FPSの録画が可能 - 純正ソフト「Elgato 4K Capture Utility」はH265/HEVCでHDR動画の録画が可能
- サード製の「OBS Studio」や「XSplit」でもHDR映像ソースから4K/60FPS/SDRの録画が可能
- 複数のアプリを同時使用可能なマルチフィード機能
- ほぼ無遅延なパススルーで4K/60FPS/HDRやFHD/240FPSの表示が可能
- 4K入力/4K表示でも表示遅延はフルHDと比較して+1フレーム以下と高速
- 純正ソフト「Elgato 4K Capture Utility」はプレビューの表示遅延が大きい
- 純正ソフト「Elgato 4K Capture Utility」は配信サービスには非対応
- 120FPS+のハイフレームレートはパススルーだけで、録画は最大60FPS
- 製品本体価格3.2万円とやや高価
基本的な機能こそほぼ同等のElgato 4K60 Pro MK.2とAverMedia Live Gamer 4Kですが、Elgato 4K60 Pro MK.2は「ロープロファイルでコンパクト」「ドライバ不要」「複数アプリの同時使用が可能なマルチフィード機能」、AverMedia Live Gamer 4Kは「OBSやXSplit並みに多機能な純正ソフトRECentral」「LEDイルミネーションを搭載したカッコいいな外観」のように、それぞれに独自の魅力もあるので、その辺りで購入する製品を選べばいいかと思います。
「Elgato 4K60 Pro MK.2」の登場でPlayStation 4 ProやXbox One Xなどコンシューマーゲーム機でも対応ソフトが出始めている4K解像度/60FPS/HDRのビデオ出力を一般のゲーマーが簡単に録画・配信できるようになったところは手放しで褒めることができるポイントだと思います。さらにフルHD/240FPSやWQHD/144FPSなどハイフレームレートにも対応しているので、競技ゲーマーがハイフレームレートのアドバンテージを維持したままプレイ動画の録画や配信が可能になって、ビデオキャプチャという市場の間口がさらに広がっています。
フルHD/60FPSのビデオキャプチャが1万円から2万円程度で購入できるので、3万円程度という価格は若干ネックではあるものの、一般ユーザーが全く手を出せないというほどでもないので機能・性能的には相応な価格かなという感想です。
HDR映像ソースについては規定動作ではSDRにダウンコンバートする仕様になっている?ようなので、 パススルーで4K/60FPS/HDRの映像を表示しながら、SDRとして4K/60FPSの録画が可能です。ソフトウェアがキャプチャデバイスから受け取る映像も普通のSDRなので、OBSやXSplitなどサードパーティ製ソフトウェアにも問題なく対応しています。
「Elgato 4K60 Pro MK.2」で4K/60FPSの映像をプレビュー表示した時の表示遅延については、OBSやXSplitを使用すれば100ms未満に収まり、現在主流なフルHD/60FPS対応製品と同等なので、レーシングゲームやRPGなどは違和感なくプレイできると思います。ネイティブ接続に対して表示遅延の発生しないパススルー表示にも対応しているので、表示遅延にこだわるユーザーでもFPSや格闘ゲームを快適にプレイできます。
「Elgato 4K60 Pro MK.2」は国内販売価格で税込み3.2円前後と現在出回っているフルHD解像度対応ビデオキャプチャより高価であるところを除けば、欠点らしい欠点も見当たらず、現在一般ユーザーが入手できる中では最高性能なビデオキャプチャであることは間違いありません。4K/60FPS/HDRやフルHD/240FPSなど最高の環境でゲームをプレイしながら、録画・配信したいという欲張りな人に「Elgato 4K60 Pro MK.2」はおすすめなビデオキャプチャです。
以上、「Elgato 4K60 Pro MK.2」のレビューでした。
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(注:記事内で参考のため記載された商品価格は記事執筆当時のものとなり変動している場合があります)
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順序を逆にした場合、4K Caputure Utilityの方には「そのデバイスは別のソフトで使用中です」といった意味の英語表記がなされて4K Caputure Utilityには映りません。
どんな原因が考えられますか??