スポンサードリンク
フルHD解像度で240Hzリフレッシュレートの24.5インチサイズIPS液晶ゲーミングモニタ「MSI OPTIX MAG251RX」をレビューしていきます。可変リフレッシュレート同期機能「G-Sync Compatible」に対応、フルHD解像度で240HzリフレッシュレートのIPS液晶パネルを採用という最速と高画質を兼ね備えたスペックで、近年流行りなバトルロイヤル系PCゲームにイチオシなゲーミングモニタの実力を徹底検証します。
製品公式ページ:https://jp.msi.com/Monitor/Optix-MAG251RX
マニュアル:https://download.msi.com/archive/mnu_exe/monitor/MAG251RXv1.0_English.pdf
MSI OPTIX MAG251RX レビュー目次
1.MSI OPTIX MAG251RXの概要
2.MSI OPTIX MAG251RXの開封・付属品
3.MSI OPTIX MAG251RXの液晶モニタ本体
4.MSI OPTIX MAG251RXのOSD操作・設定
・MSI Gaming OSD 2.0について
5.MSI OPTIX MAG251RXの発色・輝度・視野角
6.MSI OPTIX MAG251RXの240Hzリフレッシュレートについて
7.MSI OPTIX MAG251RXの応答速度・表示遅延
8.MSI OPTIX MAG251RXのFreeSync/G-Sync CPについて
9.MSI OPTIX MAG251RXのHDR表示やHDCP対応について
10.MSI OPTIX MAG251RXのアンチモーションブラーについて
11.MSI OPTIX MAG251RXのレビューまとめ
【機材協力:MSI Japan】
MSI OPTIX MAG251RXの概要
「MSI OPTIX MAG251RX」は解像度が1920×1080のフルHD解像度、画面サイズが24.5インチの液晶モニタです。液晶パネルタイプはノングレア(非光沢)で発色や視野角に優れたIPS液晶パネルが採用されています。コントラスト比は通常1,000:1、応答速度は1ms(GTG)、輝度は標準400nits(cd/m^2)です。「MSI OPTIX MAG251RX」はHDR表示にも対応しており標準輝度は400nits(cd/m^2)で、VESAがPCモニター向けに展開している輝度認証のVESA DisplayHDR 400を取得しています。
「MSI OPTIX MAG251RX」のリフレッシュレートはネイティブ240Hzです。240Hzの高リフレッシュレートによって応答速度が高速になるのでブレや残像がなくなってクッキリとした滑らかな表示です。60FPSでは識別の難しいゲーム内遠方で動くエネミーやオブジェクトの発見などが容易になるので、オンライン対戦FPSゲームなど競技性の高いPCゲームにおいて対戦相手よりも優位に立つことができます。
「MSI OPTIX MAG251RX」はAMD/NVIDIA製グラフィックボードやXbox One Xを組み合わせることで利用可能な可変リフレッシュレート同期機能「AMD FreeSync (VESA Adaptive-Sync)」にも対応しており、ティアリングがなくスタッタリングを抑えた快適で鮮明なゲーミング環境を実現できます。AMD FreeSyncに対応したビデオ出力はDisplayPortとHDMIの2系統で、いずれも対応フレームレートは48Hz~240Hzと広範囲です。NVIDIA製GPUとの互換性を証明するG-Sync Compatible認証も取得しています。
「MSI OPTIX MAG251RX」に搭載されたビデオ入力はHDMI2.0×2、DisplayPort1.2×1、USB Type-C×1 (DisplayPort Alternate Mode)の4系統です。全てのビデオ入力がフルHD/240Hzに対応します。3基のUSB3.0端子を備えハブポートとして使用できます。
「MSI OPTIX MAG251RX」はUSBアップストリーム端子をPCと接続することで、USB3.0ハブを使用できるだけでなく、専用ディスプレイ設定ソフトのMSI Gaming OSD APPによって各種表示設定を変更したり、OSDクロスヘアなどゲーミング機能を有効化したりできます。
「MSI OPTIX MAG251RX」の寸法はモニタスタンド込みで幅556mm x 高さ507mm x 奥行184mm(モニタ単体では-mm)となっています。付属モニタスタンドは上下チルト、昇降高さ調整に対応しています。左右首振りスイーベルと90度回転ピボットには非対応です。チルト角は上20度から下5度、高さ調整は最大130mmの範囲で調節可能です。本体重量はモニタスタンドありで5.4kg、モニタスタンドなしの液晶パネル本体のみは3.1kgとなります。VESA100x100マウントにも対応しておりモニタアームも使用可能です。
MSI OPTIX MAG251RXの開封・付属品
まずは「MSI OPTIX MAG251RX」を開封していきます。「MSI OPTIX MAG251RX」のパッケージサイズは幅600mm×厚さ213mm×高さ523mmとなっており、24.5インチモニタが入っている箱としては若干大きめで、重量は7~8kg程度です。側面に持ち手の穴があるので成人男性なら特に問題なく持ち運べると思います。
パッケージを開くと液晶モニタ本体や付属品が収められた発泡スチロール製スペーサーが現れます。ケーブル等の付属品が入った面を上に向けて、発泡スチロール製スペーサーを取り出します。
発泡スチロール製スペーサーの上側に各種付属品とモニタスタンドが収納されており、下の段にはモニタ本体があります。
「MSI OPTIX MAG251RX」の付属品を簡単にチェックしておくと、HDMIケーブル、DisplayPortケーブル、ACアダプタ、ACケーブル、USBアップストリームケーブル、VESAマウント用スタンドオフ、モニタスタンドネジ穴カバー、マニュアル冊子類となっています。
「MSI OPTIX MAG251RX」のビデオ入力はDisplayPort1.2とHDMI2.0×2とUSB Type-Cの4つがありますが、付属するケーブルはHDMIケーブルとDisplayPortケーブルの2本です。
各種ケーブルを個別に購入するのであれば、4K/120Hz対応のDisplayPort1.4ケーブルなら「サンワサプライ KC-DP14シリーズ」、HDMI2.0ケーブルなら「エレコム Premium HDMIケーブル スリムタイプ DH-HDP14ESBKシリーズ」がおすすめです。いずれも標準で付属するケーブルよりもケーブル径が細くて取り回しが良いので管理人も個人的に使用しており、おすすめのケーブルです。
エレコム PREMIUM HDMIケーブル スリムタイプ 1.0m
エレコム PREMIUM HDMIケーブル スリムタイプ 1.5m
エレコム PREMIUM HDMIケーブル スリムタイプ 2.0m
エレコム
「MSI OPTIX MAG251RX」はUSB Type-Cによるビデオ入力にも対応していますが、長さ2mのUSB Type-Cケーブル「エレコム USB Type-Cケーブル USB3.1(Gen1) 2.0m MPA-CC13A20NBK」で正常に表示できました。最大15W(5V/3A)の電力供給に対応しており、接続機器の充電が可能です。なおデータ通信には非対応なので、モニタのUSB端子をUSBハブとしては使用できません。
「MSI OPTIX MAG251RX」に付属するモニタスタンドはフレームとフットプレートの2つの部品で構成されています。
フットプレートをフレームに差し込んで底面のネジを締めるだけで簡単にモニタスタンドを組み立てられます。ネジにレバーが付いているのでドライバー不要で組み立てが可能です。
モニタスタンドの組み立てまではツールレスなのですが、「MSI OPTIX MAG251RX」はモニタ本体にモニタスタンドを装着する手順でプラスドライバーが必要になるので注意してください。最初にモニタ本体に装着されているネジを取り外します。
ネジを外したら斜め下からモニタスタンドを挿入します。
最後にモニタスタンド下側左右のネジ穴に先ほど取り外したネジを使って固定します。ネジを締めたら付属のネジ穴カバーを装着してモニタスタンドの取り付け完了です。
MSI OPTIX MAG251RXの液晶モニタ本体
続いて「MSI OPTIX MAG251RX」の液晶モニタ本体をチェックしていきます。「MSI OPTIX MAG251RX」の上と左右はフレームレス構造ですが、フレーム内パネル上には非表示領域があり、上左右の非表示領域の幅は7mm程度、フレームのある下は20mm程度です。
「MSI OPTIX MAG251RX」の背面外装は黒色プラスチック製で、独特な多面体デザインになっています。
「MSI OPTIX MAG251RX」はE-Sports志向なゲーミングモニタという位置づけの製品なので、MSIのゲーミングブランドを代表するドラゴンアイコンと、”Gaming E-Sports”ロゴが背面右上に描かれています。またモニタスタンドのフレーム下側中央には各種ケーブルを通してまとめるケーブルホールがあります。
また「MSI OPTIX MAG251RX」の背面左側の斜めラインには7分割アドレッサブルLEDイルミネーションが内蔵されています。標準では赤色に点灯しますが、後ほど紹介するMSI Gaming OSD 2.0というWindows上アプリケーションから発光カラーや発光パターンを設定できます。
「MSI OPTIX MAG251RX」のモニタ本体の厚さは最薄部で30mm、最厚部で80mmほどと最近の液晶モニタとしては厚みは大きいです。モニタ本体重量は3.1kg程度と軽量です。
「MSI OPTIX MAG251RX」のモニタ本体背面の右側には下向きに各種I/OやAC端子が配置されています。右側に左から順に、USBアップストリーム端子、DC端子、ヘッドホン端子、USB Type-Cビデオ入力(DisplayPort Alternate Mode)、HDMI2.0ビデオ入力×2、DisplayPort1.2ビデオ入力が設置されています。
またモニタ本体の正面から見て左側面には3基のUSB3.0端子が搭載されており、USBアップストリーム端子を接続したPCからUSBハブとして使用できます。なおType-Cビデオ入力からはハブ端子にデータ通信はできません。
「MSI OPTIX MAG251RX」付属モニタスタンドの上下チルトの可動域は仕様通り下に5度、上に20度です。
モニターの高さはモニター本体とスタンドの付け根部分が上下に動く構造になっており、全高で337mm~507mmの範囲内で調整できます。
「MSI OPTIX MAG251RX」はVESA100x100規格のVESAマウントに対応しておりサードパーティ製のモニターアームを使用できます。モニタ単体の重量も3.1kgほどなのでモニターアームを問題なく利用可能です。
「MSI OPTIX MAG251RX」のVESAネジ穴は背面外装から窪んだ場所にありますが、高さをオフセットするスタンドオフが標準で付属するので、外装とモニターアームなどのVESA接続機器が干渉する心配はありません。
モニターアームについては管理人は「Lumen MA-GS102BK」、もしくは色違いでほぼ同機能な「サンワダイレクト 100-LA018」という製品をおすすめしています。モニターアームというとエルゴトロン製が一番の売れ筋ですが、クランプのネジが下に伸びているタイプのモニターアームは机に干渉して使えないという問題があり、MA-GS102BKはクランプを上側から六角レンチで締めるタイプでテーブル下の隙間が狭いデスクでも使用できるので管理人も使っています。
「Lumen MA-GS102BK」はモニタとアームを接続する部分がクイックリリースのブラケット式になっていてモニタアームからモニタ本体の着脱が非常に簡単です。ピボット機能もあるので設置後にモニタを縦・横で向きを切り替えることもできます。ただ関節の滑りに若干難があるので潤滑剤を塗布するのがおすすめです。
MSI OPTIX MAG251RXのOSD操作・設定
「MSI OPTIX MAG251RX」のOSD操作はモニタ背面左側(正面から見て右側)に配置された操作スティックを使用します。またモニタ本体の電源ボタンが操作スティックのある位置からすぐ下の底面に実装されています。操作スティックは上下左右と押下の5つの操作が可能で、操作ボタン各種の応答も良好でした。同種の操作スティックを採用する他社製品の一部では操作スティックの応答が微妙なことがありますが、「MSI OPTIX MAG251RX」は押下ボタンも含めて反応が良いので操作しやすく感じました。
操作スティックの上下左右にはショートカット機能が割り当てられています。OSDメニューが表示されていない状態で操作スティックを上方向に動かすと画面表示モード切替(ゲームモード)のショートカットメニューが画面中央下に表示されます。下方向に動かすとスクリーンアシスタント(OSDクロスヘア)、右方向に動かすとビデオ入力切替、左方向に動かすとアラームクロック、のように各種設定のショートカットメニューが表示されます。
操作スティックを上下左右に切り替えた時に表示されるショートカットメニューについては、OSDメニューのNaviキーから割り当てを変更可能です。
「MSI OPTIX MAG251RX」の操作スティックを押下すると詳細メニューが表示されます。メニューは24.5インチ画面の4分の1程度を占有するので見やすいサイズ感だと思います。
「MSI OPTIX MAG251RX」は初めて起動した時にOSD言語として日本語が適用されています。もし別の言語だった場合も日本語UIに切り替えが可能です。
「MSI OPTIX MAG251RX」のOSDメニューには大きく分けて、「ゲーム」「プロフェッショナル」「イメージ」「入力源」「Naviキー」「設定」の6つの項目が用意されています。
「MSI OPTIX MAG251RX」の画質モードはOSDメニューのゲームとプロフェッショナルに分けて配置されており、ゲーマー向け設定のゲームモード、クリエイター向け設定のプロモードがあります。ゲームモードにはユーザー、FPS、Racing、RTS、RPG、プロフェッショナルモードにはユーザー(ゲームモードと共通)、Reader、Cinema、Designer、HDR、以上の計9種類があり、いずれのモードも任意に個別設定を変更できます。
一般にオーバードライブと呼ばれる応答速度を調整する機能は、「MSI OPTIX MAG251RX」では「応答速度」の名前で配置されています。オーバードライブ補正の強度を通常/速い/最も速いの3段階で設定ができて、標準設定は速いになっています。
黒の強弱を調節して暗がりの視認性を高める機能「ナイトビジョン」も用意されており、補正強度はオフ/通常/強い/最も強いの4段階があり、レベルを上げるほど明るく(白く)なります。加えて暗所と明所を分けて補正するAI.も用意されています。
可変リフレッシュレート同期機能AMD FreeSync (VESA Adaptive-Sync)は、「Adaptive-Sync」の名前で設定項目が配置されています。標準ではオフになっています。
モーションブラーリダクション機能「アンチモーションブラー」については標準ではグレーアウトしており選択できませんが、Adaptive-SyncをOFFにして、リフレッシュレートが120Hz、144Hz、240Hzの時に選択可能となります。
ゲーミングモニタの便利機能として定番のOSDクロスヘア表示は「スクリーンアシスタンス」という設定項目で配置されています。アイコンの種類選択だけでなく、表示位置の微調整も可能です。
「MSI OPTIX MAG251RX」は可変リフレッシュレート同期機能にも対応しているのでリアルタイムなリフレッシュレートをOSD表示する機能も実装されています。
MSI Gaming OSD 2.0について
「MSI OPTIX MAG251RX」はモニタのアップストリーム端子に付属のUSBケーブルを使用してPCと接続することで、PCから専用アプリケーション「MSI Gaming OSD 2.0」を介して、各種OSD設定を行ったり、OSD設定をキーボード操作で調整できるホットキーが利用できます。MSI Gaming OSD 2.0はMSI OPTIX MAG251RXサポートページからダウンロードできます。日本語に対応しており、UIもシンプルで分かりやすく、画質モード別に全てのOSD設定を細かく設定できます。いちいちモニタの背面にある操作スティックを弄る必要がないので、非常に便利な機能です。
「MSI Gaming OSD 2.0」ではアプリケーションウィンドウ上でOSD設定にフルアクセスできるだけでなく、輝度の調整、OSDクロスヘアの表示、画質モードの切り替えなど各種OSD操作にホットキーを割り当てることができます。ショートカットキー1つでモニタ設定を切り替えることができるのは非常に便利です。
MSI OPTIX MAG251RXの発色・輝度・視野角
MSI OPTIX MAG251RXの発色・輝度・視野角など画質についてチェックしていきます。直接的な画質ではありませんがMSI OPTIX MAG251RXの液晶パネルは光沢のあるグレアではなくアンチグレアタイプなので暗転時に自分の顔などが映り込みません。
液晶パネルには大きく分けてIPS液晶パネルとVA液晶パネルとTN液晶パネルの3種類があり、各社個別の製品によって個体差はあるものの、この3つの液晶パネルの特性を簡単にまとめると次のテーブルのようになります。
「MSI OPTIX MAG251RX」に採用されているIPS液晶パネルはTN液晶パネルやVA液晶パネルと比べると色再現性や視野角など一般に画質に直結する性能が優れている反面、価格が高価になりがちな液晶パネルです。TN液晶パネルに比べて応答速度が遅めなので、60Hzオーバーのリフレッシュレートを実現しているIPS液晶パネル採用ゲーミングモニタは少ないため、輪をかけて高価です。とはいえ画質とリフレッシュレートを両立できるので、予算に糸目をつかないエンスーゲーマー勢に好まれています。
液晶パネルの簡易比較表 | |||
IPS | VA | TN | |
色再現性 | ◎ | 〇 | △ |
コントラスト | 〇 | ◎ | △ |
視野角 | 〇 | 〇 | △ |
応答速度 | 〇 | △ | ◎ |
価格 (高RR) |
△ (×) |
△ | 〇 |
液晶パネルの種類による性能の違いについてはこちらの記事も参照してみてください。
・ゲーミングモニタの選び方[4] IPS/VA/TN液晶パネルを比較解説
「MSI OPTIX MAG251RX」は240Hzの超高速リフレッシュレートながら、IPS液晶パネルが採用されているので視野角も良好です。
比較対象として下の写真は240Hzリフレッシュレート対応で一般的なTN液晶パネルですが、最近では左右の視野角は若干黄ばむものの大きな色の破綻はありませんが、上下については多少の角度でも色が破綻しています。
「MSI OPTIX MAG251RX」の発色について、色温度の標準設定である”通常”で、白色が極端に黄色や青色がかって見えることもなく、特に違和感はありませんでした。色温度設定には冷たい/通常/暖かいの3種類のプリセットがありますが、これらを切り替えても発色に違和感がある場合は、ユーザー設定でRGBのバランスを好みに合わせて整えてください。
ここからはカラーキャリブレータを使用して、色域・色再現性・輝度・コントラスト・均一性など画質に直結するモニタの性能について詳細な検証結果を見ていきます。なおこれらのモニタ性能(特に輝度の均一性)については同じ製品であっても個体差が大きいのでご注意ください。検証にはカラーフィルター式(色差式)のX-Rite i1 Display Pro PlusとDatacolor SpyderX、そして分光式(スペクトロメーター)のX-Rite i1 Basic Pro 2を使用しています。
余談ですが、分光式のi1 Basic Pro 2は20万円程と非常に高価ですが(2020年4月現在は後継のProが発売済みでPro2は終売)、一般的な用途であれば測定精度は十分なので、イラスト製作や写真編集でカラーキャリブレーションを行う場合、カラーフィルター式のX-Rite i1 Display ProかDatacolor SpyderX Proで十分です。ユーザー数の多さで面倒が少ないのはX-Rite i1 Displayだと思います。
「MSI OPTIX MAG251RX」のディスプレイ輝度について白色点の輝度をOSD設定別で測定しました。OSD上の輝度設定10%刻みで0%~100%の輝度変化は次のようになっています。
「MSI OPTIX MAG251RX」において、一般に見やすい明るさと言われる120cd/m^2は輝度10%前後、室内照明に依りますが個人的に見やすいと感じる明るさの180~200cd/m^2は輝度30~40%です。黒挿入を行って残像を低減させるモーションブラーリダクション機能を使用すると輝度は160cd/m^2まで下がります。
「MSI OPTIX MAG251RX」のディスプレイ輝度の均一性(Uniformity)を検証しました。画面中央の輝度が約120cd/m^2になるOSD設定において、画面を横7×縦5の35分割として各位置の白色点の輝度を測定し、120cd/m^2を基準にしたパーセンテージで等高線マップにしています。
IPS液晶パネルの輝度の均一性(Uniformity)に関する一般的な特徴として左右の端、特に四隅は若干暗くなる傾向があります。
「MSI OPTIX MAG251RX」については全体を白表示にした場合、左右端の暗さを割とハッキリ視認できました。様々な色のある通常使用においては暗さの感じ方は弱まりますが、-10%以上暗い領域も広いので均一性はあまり良くありません。
「MSI OPTIX MAG251RX」の色域と色の正確性を検証してみました。
まずはモニタのOSD設定を標準にして(ディスプレイ輝度のみ120cd/m^2になるように調整)、任意のカラープロファイルを適用しない場合、次のようになりました。
「MSI OPTIX MAG251RX」は標準設定でそのまま使用しても98% sRGBをカバーしています。
色の正確性は平均ΔEが0.75となっておりそこそこ優秀です。X-Riteによると『ΔE=1程度で2つの色を横にくっつけて見比べた時に違いが判別できるレベル』とのこと。
次にX-Rite i1 Basic Pro 2を使用してカラーキャリブレーションを行いました。キャリブレーション設定は下のスクリーンショットの通りですが、i1 Profilerの標準設定をそのまま採用しています。
X-Rite i1 Basic Pro 2によるカラーキャリブレーションで作成したICCファイルを適用し、上と同様に色域と色の正確性を測定したところ次のようになりました。
「MSI OPTIX MAG251RX」はモニタの標準OSD設定とWindows PCの標準カラー設定でも精度が高いようで、キャリブレーションによってΔEの平均値が0.72に下がり、色の正確性が僅かに高くなりましたが、あまり大きな差はないようです。
参考までにX-Rite i1 Basic Pro 2で行った品質検証(色の正確性の検証)の結果は次のようになっています。X-Rite i1 Basic Pro 2は分光式(スペクトロメーター)のカラーキャリブレータなので、測定精度はこちらの方が高いはずです。
MSI OPTIX MAG251RXの240Hzリフレッシュレートについて
「MSI OPTIX MAG251RX」の最大の特徴の1つである240Hzリフレッシュレートについてチェックしていきます。まずは「MSI OPTIX MAG251RX」の特徴の1つである”240Hzリフレッシュレート”について、その意味自体は特に説明せずとも読者はご存知だと思いますが、一般的な60Hzリフレッシュレートの液晶モニタが1秒間に60回の画面更新を行うのに対して、240Hzリフレッシュレートであれば標準的な60Hzの4倍となる1秒間に240回の画面更新を行います。
1秒間に240回の画面更新を行う240Hzリフレッシュレートの物理的なメリットとしては、単純に秒間コマ数が増えるので映像がより滑らかになります。上の章で詳しく検証したようにリフレッシュレートが上がると応答速度も上がって細部がクッキリとしたシャープな映像に見えやすくなり、加えて画面更新間隔が短くなるので表示遅延が小さくなり、一般的な60Hz環境よりもスピーディーなプレイで他者を圧倒しやすくなります。
「MSI OPTIX MAG251RX」ではNVIDIA GeForce RTX20/GTX16シリーズやAMD Radeon VII/RX Vega/5XXシリーズなど最新グラフィックボードのDisplayPort1.2もしくはHDMI2.0のビデオ出力に接続することによって、モニタリフレッシュレートを144Hzや240Hzなどに自由に設定できます。
モニタリフレッシュレートの設定は、NVIDIA製GPUの場合は上のスクリーンショットのようにNVIDIAコントロールパネルから、AMD製GPUの場合はWindowsのディスプレイ設定から行います。
「MSI OPTIX MAG251RX」に搭載されている2基のHDMIビデオ入力はいずれもver2.0なので、フルHD/240Hzに対応しています。
またUSB Type-C端子もDisplayPortと互換のDP-Alt Mode(DisplayPort Alternate Mode)で動作しているので、フルHD/240Hzに対応しており、加えて後述する可変リフレッシュレート同期機能「G-Sync Compatible」にも対応します。
オンライン対戦FPSなど競技性の高いゲームにおいて240Hzリフレッシュレートのモニタを使用した時の実用的なアドバンテージとして、ゲーム内視線を左右に振った時の視認性が上がるという例は直感的にもわかりやすいメリットですが、その他にもゲーム内遠方に存在して動いているエネミーやオブジェクトの視認性が上がるというメリットも存在します。
下の比較動画では4分割して映像を並べていますが、右下以外の3つは右下画面の緑枠部分を拡大するよう接写して、「SONY DSC-RX100M5」の16倍速(960FPS)スーパースローモーションムービーで撮影したものになっています。リフレッシュレート別で左上は60Hz、右上は120Hz、左下は240Hzとなっていますが、赤枠で囲った建物の出入り口付近で左方向に移動する敵の動きはリフレッシュレートが上がるほど視認しやすくなるのがわかると思います。
NVIDIA公式からもハイリフレッシュレートなゲーミングモニタとハイフレームレートに対応可能な高性能グラフィックボードを使用するメリットについて紹介する「動画が公開されています。
なお「MSI OPTIX MAG251RX」でフルHD解像度/240FPSを狙うには、元から軽めのPCゲームや画質設定を下げた最新PCゲームであってもグラフィックボードのGPU性能がそれなりに要求されます。液晶モニタに「MSI OPTIX MAG251RX」を使用するのであれば2019年最新のハイエンドGPUであるNVIDIA GeForce RTX 2080 SUPERやNVIDIA GeForce RTX 2080 Tiがおすすめです。
・GeForce RTX 20XX/GTX 16XXシリーズのレビュー記事一覧へ
MSI OPTIX MAG251RXの応答速度・表示遅延
次にゲーミングモニタのハードウェア性能として特に重要な、「MSI OPTIX MAG251RX」の応答速度や表示遅延についてチェックしていきます。まずは「MSI OPTIX MAG251RX」の応答速度について検証していきます。
なおゲーミングモニタを選ぶ、もしくはモニタの応答速度や残像を評価する上で重要な予備知識である『液晶モニタの応答速度とオーバードライブ機能』についてはこちらの記事で簡単に紹介しているので、よくわからないという人は先に確認してみてください。
・ゲーミングモニタの選び方[1] 応答速度とオーバードライブについて
「MSI OPTIX MAG251RX」のOSDメニュー上ではオーバードライブ機能は「応答速度」の名前で配置されています。オーバードライブ補正の強度を通常/速い/最も速いの3段階で設定ができて、標準設定は速いになっています。
「MSI OPTIX MAG251RX」のオーバードライブ設定は240Hzにおいては”最も速い”が最適な設定ですが、144Hzや60Hzなどにリフレッシュレートを下げるとオーバーシュートの逆像が発生します。低リフレッシュレートでオーバーシュートの発生しない綺麗な応答を実現するには、144Hzや60Hzでは”速い”を選択する必要があるので注意してください。
応答速度の確認には「UFO Test: Ghosting」を使用します。同テストではUFOが移動する背景カラーを選択できますが、今回の検証ではブラック/グレー/ホワイトの3色を選択しています。
背景カラーがブラックの場合は各液晶パネルにおいて応答速度は高速な数値を示すので、概ね理想的な応答を確認することになります。背景カラーがホワイトの場合の応答速度は、ドキュメントやウェブページでテキストをスクロールした時の文字の滲み度合いの参考になります。背景カラーがグレーの場合、中間色に移るまでの応答速度を比較することになるので、一般的なゲームプレイにおける物理的な残像の少なさの指標として参考になります。
「MSI OPTIX MAG251RX」に採用されているIPS液晶パネルは傾向として応答速度が比較的遅いのですが、最大リフレッシュレートの240Hzで動作させた場合(オーバードライブ設定は最適値:最も速い)、1つ2つ前のフレームが残る程度でした。
さらに「MSI OPTIX MAG251RX」のリフレッシュレートを変えてみたり、他の液晶モニタを比較対象にしたりしながら、「UFO Test: Ghosting」の様子を「SONY DSC-RX100M5」の16倍速(960FPS)スーパースローモーションムービーで撮影し、比較してみます。
まずはオーバードライブ設定をOFFのままで、「MSI OPTIX MAG251RX」のリフレッシュレートを60Hzと240Hzに変えて「UFO Test: Ghosting」の様子を比較してみました。
リフレッシュレートを上げるとそれに比例して応答速度も伸びてはいますが、リフレッシュレートの伸びに追いついていない様子で、240Hzでも1つ2つ前のフレームが見え残像感は残っています。
「MSI OPTIX MAG251RX」のリフレッシュレートを240Hzにした時、オーバードライブ設定を最大設定の最も速いに変更するとオーバーシュートの逆像が発生することなく、応答速度が僅かながら改善します。
ハイリフレッシュレートで理想的な応答を見せるオーバードライブ設定は相対的に補正が強過ぎるため、リフレッシュレートを下げるとオーバーシュートが発生してしまうことが多いですが、「MSI OPTIX MAG251RX」でも240Hzで最適な応答を見せる最も速い設定は144Hzや60Hzでオーバーシュートが発生します。
「MSI OPTIX MAG251RX」を144Hzリフレッシュレートで使用する時に”最も速い”に設定すると僅かながらオーバーシュートが発生しますが、程度は軽微なので違和感がなければ”最も速い”で良いと思います。60Hzリフレッシュレートで使用する時は標準設定の”速い”に設定するとオーバーシュートのない綺麗な応答を実現できます。可変リフレッシュレート同期機能有効時に180Hz~240Hzを想定するなら最も速い設定がオススメだと思います。
「MSI OPTIX MAG251RX」と同じく240Hzリフレッシュレートに対応した24.5インチサイズのゲーミングモニタ「Pixio PX5 HAYABUSA2」と240Hz動作時の応答速度を比較してみました。
発売時期的にいずれもAUO製のフルHD/240Hz/24.5インチ/IPS液晶のパネルを採用していると思いますが、パネル個体差なのか、オーバードライブ設定の詰め具合なのか、「MSI OPTIX MAG251RX」のほうが若干応答速度が遅く、残像が強めに出ているのがわかります。
「MSI OPTIX MAG251RX」は240Hzモニタとしてだけでなく、144Hzに対応した安価なIPS液晶モニタとしても優秀です。3万円前後で購入できる安価なフルHD/144HzのIPS液晶ゲーミングモニタと144Hzリフレッシュレートで応答速度を比較すると、「MSI OPTIX MAG251RX」のほうが残像が少ないのは一目瞭然です。「MSI OPTIX MAG251RX」は240Hzを出せる環境にないミドル~ミドルハイクラスのGPUを使用しているユーザーにもオススメできます。
また「UFO Test: Ghosting」において下の写真のようにUFOが微かに表示された瞬間を始点に、その地点のUFOが完全に消えた時点を終点にして、その間隔のフレーム数を応答速度として算出し比較してみました。なおオーバードライブ機能によって発生するオーバーシュート/アンダーシュートによる逆像が発生してから消えるまでの時間は別に計算しています。
評価の目安として、”1000msをリフレッシュレートで割って2倍した数値”よりも測定値が小さければ、画面更新に応答速度が追いついています。60Hzの場合は33.3ms、120Hzの場合は16.6ms、144Hzの場合は13.9ms、240Hzの場合は8.3msを下回っていればOKです。
まずは背景カラーがブラックの時の「MSI OPTIX MAG251RX」やその他の比較対象モニタの応答速度の計測結果となります。背景カラーがブラックの場合は各液晶パネルにおいて応答速度は高速な数値を示すので、概ね理想的な応答を確認することになります。
続いて背景カラーがホワイトの時の「MSI OPTIX MAG251RX」やその他の比較対象モニタの応答速度の計測結果となります。背景カラーがホワイトの場合の応答速度は、ドキュメントやウェブページでテキストをスクロールした時の文字の滲み度合いの参考になります。
最後に背景カラーがグレーの時の「MSI OPTIX MAG251RX」やその他の比較対象モニタの応答速度の計測結果となります。背景カラーがグレーの場合、中間色に移るまでの応答速度を比較することになるので、一般的なゲームプレイにおける物理的な残像の少なさの指標として参考になります。
「MSI OPTIX MAG251RX」は240Hzリフレッシュレート動作において、素の残像とオーバーシュートによる逆像という違いこそあれ競技ゲーマー向け製品のZOWIE XL2546と同等の応答速度を実現しています。応答速度が遅い傾向のあるIPS液晶モニタなので残像の発生度外視で強引にリフレッシュレートを引き上げたという心配もありましたが杞憂でした。
他社の240Hz対応IPS液晶モニタと比較すると応答速度が僅かながら遅いのですが、これについては最速のオーバードライブ設定である”最も速い”が、144~240Hzの広範囲でオーバーシュートによる乱れが発生し難いチューニングになっているからだと思います。このあたりは一長一短なところです。
最後に「MSI OPTIX MAG251RX」の表示遅延(内部遅延)について測定を行いました。
モニタにはGPUのビデオ出力が送られてきてから実際にモニタに表示されるまで遅延が存在し、この遅延が大きいと例えば、FPSゲームでゲームパッドのトリガーやマウスのクリックによる操作からワンテンポ遅れて、マズルフラッシュが表示される、といった現象が発生します。人間は当然目で見てから操作するので、格闘ゲームやFPSゲームなど1,2フレームを争うような競技性の高いゲームにおいてはモニタの表示遅延が可能な限り小さいことが望まれます。
モニタの表示遅延測定においてはモニタ以外の要因で表示遅延に差が出ると問題があるので、検証モニタへビデオ出力を行うPCはCore i9 9900KとGeForce RTX 2080 Tiを搭載した次のベンチ機で統一しています。
テストベンチ機の構成 | |
CPU | Intel Core i9 9900K(レビュー) Core/Cache:5.1/4.7GHz, 1.300V 殻割り&クマメタル化(レビュー) |
CPUクーラー | Fractal Design Celsius S36(レビュー) Noctua NF-A12x25 PWM (レビュー) |
メインメモリ | G.Skill Trident Z Black F4-4400C19D-16GTZKK DDR4 8GB*2=16GB (レビュー) 4000MHz, CL17-17-17-37-CR2 |
マザーボード |
ASUS WS Z390 PRO (レビュー) |
ビデオカード | ZOTAC RTX 2080Ti AMP Extreme Core (レビュー) |
システムストレージ |
Samsung SSD 860 EVO M.2 1TB MZ-N6E1T0B/IT (レビュー) |
OS | Windows10 Home 64bit |
電源ユニット | Corsair HX1200i (レビュー) |
ベンチ板 | STREACOM BC1 (レビュー) |
キーボード | HyperX Alloy FPS メカニカルゲーミングキーボード (レビュー) |
モニタの表示遅延を測定する具体的な方法としては、キー押下時にそのキーのLEDが点灯するキーボードを使用して、LEDの点灯から画面表示への反映までの間隔を遅延時間として測定します。画面表示の確認については簡単にメモ帳を使用しています。この様子を「SONY DSC-RX100M5」の16倍速(960FPS)スーパースローモーションムービーで撮影し、遅延フレーム数を数えて遅延時間を算出します。同計測を各モニタ(と各リフレッシュレート)ごとに10回ずつ行って、その平均値を表示遅延とします。
「MSI OPTIX MAG251RX」やその他の比較モニタの表示遅延の測定結果は次のようになりました。グラフの通りリフレッシュレートを上げると応答速度だけでなく表示遅延も改善するのでゲーマーにとってハイリフレッシュレート液晶モニタを選択するメリットは大きいです。
「MSI OPTIX MAG251RX」については、同じく240Hz対応でガチの競技ゲーマー向け製品であるZOWIE XL2546と比べると同リフレッシュレートにおいて僅かに大きい表示遅延となりましたが、ほぼ誤差レベルの違いだと思います。
また上のグラフからはリフレッシュレートが上がると表示遅延が小さくなるという関係がわかります。「MSI OPTIX MAG251RX」のような240Hzリフレッシュレートでは2019年に入って普及しつつある120~144HzのIPS液晶モニタよりも表示遅延がさらに小さくなります。
表示遅延が小さいメリットとしては、視認と操作の繰り返し応答が良くなることに加えて、例えば下の動画のように壁に隠れたターゲットが壁から出てきた時、画面に表示されるのが実際に速くなります。
MSI OPTIX MAG251RXのFreeSync/G-Sync CPについて
続いて「MSI OPTIX MAG251RX」の大きな特徴の1つである可変リフレッシュレート同期機能「AMD FreeSync / NVIDIA G-Sync Compatible(VESA Adaptive-Sync)」についてチェックしていきます。モニタの画面更新(リフレッシュ)に関する基本的な予備知識や、「AMD FreeSync (VESA Adaptive-Sync)」と「NVIDIA G-Sync Compatible」の関係についてはこちらの記事を参考にしてください。
・ゲーミングモニタの選び方[3] FreeSyncとG-Sync Compatibleについて
なお当サイトのレビューではNVIDIA環境について、G-Syncモジュールが搭載されたモニタにおける可変リフレッシュレート同期機能を単純にG-Syncと呼び、AMD FreeSync(VESA Adaptive-Sync)に対応したモニタにおける可変リフレッシュレート同期機能はG-Sync CompatibleもしくはAdaptive-Syncと呼びます。またドライバでそのモニタが正式にサポートされている場合はG-Sync Compatible認証取得済みと補足します。
「MSI OPTIX MAG251RX」は製品公式ページで、G-Sync Compatible対応が謳われており、またNVIDIAが公開しているG-Sync Compatible認証取得リストにおいてGeForce Driver 441.66以降で対応と公表されているのですが、2020年3月23日公開のGeForce Driver 445.75でもまだ「MSI OPTIX MAG251RX」はNVIDIAコントロールパネル上で非正式サポートモニタと表記されていました。今後のドライバアップデートでサポート対象になると思いますが。
「AMD FreeSync (VESA Adaptive-Sync) / NVIDIA G-Sync Compatible」には対応可能なフレームレート(リフレッシュレート)の上限と下限が製品ごとに設定されており、「MSI OPTIX MAG251RX」は48Hz~240Hzの範囲内で可変リフレッシュレート同期に対応しています。また「AMD FreeSync」に対応するビデオ入力はHDMI2.0とDisplayPort1.2の両方です。「NVIDIA G-Sync Compatible」に対応するビデオ入力は機能の仕様上、DisplayPortのみですが、「MSI OPTIX MAG251RX」の場合はDP-Alt ModeのUSB Type-Cも対応します。
「AMD FreeSync (VESA Adaptive-Sync) / NVIDIA G-Sync Compatible」が正常に動作してリフレッシュレートが可変になると、「MSI OPTIX MAG251RX」のOSDメニュー右上に表示されるリフレッシュレートがフレームレートに合わせて変動するようになるので(OSDメニューの開閉したタイミングでのリフレッシュレートが表示される)、機能が正しく動作しているかはここを見て確認してください。
以下、「MSI OPTIX MAG251RX」でAMD FreeSync (VESA Adaptive-Sync) / NVIDIA G-Sync Compatibleを使用する手順について説明しますが、共通の確認事項として、最初に「MSI OPTIX MAG251RX」のOSDメニューのゲーミング設定の小項目にあるAdaptive-SyncがONになっていることを確認します。「MSI OPTIX MAG251RX」では標準設定がOFFなので、OFFになっている場合はONに切り替えて下さい。
AMD FreeSyncの使い方
可変リフレッシュレート同期「AMD FreeSync」を有効化する手順について説明します。AMD製GPU搭載PCの場合はRadeon設定のウィンドウ右上にある歯車アイコンを選択、トップメニュータブからディスプレイを選択の手順で表示される「Radeon FreeSync」のスライドスイッチから機能を有効化します。
また上で紹介した参考記事中で解説しているように、AMD FreeSyncではテアリング解消とマウス遅延低減のどちらを優先するかで垂直同期の有無を各自で選択する必要があります。垂直同期は通常ゲーム内設定でON/OFFの切り替えが可能ですが、ドライバ側が上書きしてゲーム内からは切り替えられない場合があります。ゲーム内で設定して希望通りの動作にならない時はRadeon Settingsのゲームプロファイルもチェックしてください。
NVIDIA G-Sync Compatibleの使い方
可変リフレッシュレート同期「NVIDIA G-Sync Compatible」を有効化する手順について説明します。2019年1月15日以降の最新ドライバによってNVIDIA GeForce環境でもAdaptive-Syncが利用可能になりました。ドライバの更新に合わせてG-Sync Compatible認証を取得するモニタが増えています。
417.71以降の最新ドライバをインストールして、DisplayPortビデオ出力にAdaptive-Sync対応モニタを接続すると、G-Sync対応モニタを接続した時と同様にAdaptive-Syncを有効化するための設定が、NVIDIAコントロールパネル上の「G-Syncの設定」に表示されます。
「G-SYNC、G-SYNCとの互換性を有効化(Enable G-SYNC, G-SYNC Compatible)」のチェックボックスをチェックして、下のモニタアイコンに使用するモニタの名前が表示・選択されていることを確認し、適用をクリックすればNVIDIA GeForce環境でAdaptive-Syncを有効化できます。
なお今回レビューする「MSI OPTIX MAG251RX」のようにG-SYNC Compatible認証を取得していない一般のAMD FreeSync/VESA Adaptive-Sync対応モニタでも、互換性が検証されていないと注記が表示されますが、NVIDIA製GPU環境においてAdaptive-Syncを利用できます。
AMD FreeSync/NVIDIA G-Sync Compatibleの効果
可変リフレッシュレート同期機能「AMD FreeSync (VESA Adaptive-Sync) / NVIDIA G-Sync Compatible」の効果やメリットについて説明していきます。機能的にはほぼ同じなので以下まとめてFreeSyncと呼ぶことがあります。AMD FreeSync (VESA Adaptive-Sync) / NVIDIA G-Sync Compatibleの検証に際してはリプレイ機能があって同一シーンで検証がしやすいので「Project Cars 2」を使用しています。またフレームレートやテアリングの発生の様子を確認しやすいように、画面左上にはGPUフレームレートOSD、画面左端にはGPUフレームバッファで色の変わるカラーバーが表示されるようにしています。加えてモニタが対応していればモニタOSDのリフレッシュレート表示機能も使用します。
画面右上のフレームレートはGPUフレームバッファから算出されているので必ずしもリフレッシュレートとは一致しません。画面左端のカラーバーは連続するフレーム間、つまりn番目とn+1番目のフレームではそれぞれ異なる色になっているため、同時に複数色のカラーバーが表示されている画面はテアリングが発生していることを意味します。
まずは同期なし、垂直同期、FreeSync、FreeSync+垂直同期の違いを分かりやすく体感してもらうため、モニタリフレッシュレート60HzにおいてGPU側出力フレームレートが30FPS~60FPSの間で変動するようにして、「SONY DSC-RX100M5」の16倍速(960FPS)スーパースローモーションムービーで撮影して、画面表示の様子を比較してみました。
同期なしでは盛大にテアリングが発生し、垂直同期ではスタッター(カクつき)が発生しているのがわかります。一方でFreeSyncと垂直同期の両方を有効にした場合はテアリングもスタッターも発生しません。ただし例外として動画で50秒以降のフレームレートが40FPSを下回るとAMD FreeSyncの対応フレームレート外となるためスタッターが発生しています。またFreeSyncのみを有効にして垂直同期は無効の場合、同期なしと比べて圧倒的にテアリングが減っているのがわかります。ただし対応フレームレート内であっても稀にテアリングが発生し、対応フレームレート外では同期なし同様にテアリングが発生します。
続いて144Hzリフレッシュレートにおいて、GPU側出力フレームレートが100FPS前後で変動するようにして、先ほど同様に同期なし、垂直同期、FreeSync、FreeSync+垂直同期の様子を16倍速(960FPS)スーパースローモーションムービーで撮影して比較してみました。
FreeSync有効であれば同期なしのテアリングや垂直同期のスタッターに悩まされることなく滑らかで綺麗な映像が表示できています。FreeSyncの60Hz/50FPS前後と144Hz/100FPS前後を比較すると当然ですが後者の方がコマ割りが増えるので16倍速スローモーションでもスムーズに見えます。
FreeSyncのみを有効した時に映像フレームレートが対応フレームレート範囲外になるとテアリングが発生しますが、リフレッシュレートを上回ってしまう場合については、Radeon設定のRadeon Chillの最大FPSに”リフレッシュレートから3,4FPSを引いた値”を指定してください。(グローバル設定だけでなくゲームタイトル別に設定が可能)
なおNVIDIA GeForce環境でAdaptive-Syncを利用する場合も、フレームレートがリフレッシュレートを超過するとテアリングが発生するので、テアリングを完全になくすには垂直同期を有効化する必要があります。もしくは垂直同期無効においてテアリングをなくすには、NVIDIAコントロールパネルの「Max Frame Rate」に”リフレッシュレートから3,4FPSを引いた値”を指定してください。(グローバル設定だけでなくゲームタイトル別に設定が可能)
これの設定以外にもRivaTunerやNvidia Profile Inspectorを使用してゲーム内フレームレートがモニタリフレッシュレートを上回らないように設定することも可能です。
下の比較はいずれもFreeSyncが有効になっているのでスタッターもなく滑らかですが、単純にFreeSyncだけを有効にすると対応フレームレートの上限となるリフレッシュレートを超えた時にテアリングが発生します。
リフレッシュレートが144Hz(フレームレートの上限が144FPS)の場合は120FPS~140FPSが上限になるようにフレームレートに制限をかければ、マウス操作を低遅延しつつ、テアリングの発生も最小限に抑えて快適なゲームプレイが可能です。
またPUBGやCS:GOのようなオンライン対戦FPSや格闘ゲームなど1,2フレームを争う競技性の高いPCゲームでは、表示遅延(入力遅延)が発生する垂直同期は嫌われる傾向にありますが、144Hzや240Hzといったハイリフレッシュレートモニタにおいて、同期機能を無効化した場合に発生するテアリングがどのように影響するのか検証してみました。
テアリングはモニタ表示更新中のフレームバッファの更新で発生しますが、目で見た時の違和感はn番目とn+1番目のフレームの絵の差に影響されます。コマ割りが細かくなる高フレームレートではn番目とn+1番目の絵の違いは当然、低フレームレートの場合よりも小さくなります。そのため50FPSでは画面の分断のように知覚できたテアリングは、200FPSのような高フレームレートでは細かいノイズのような形で知覚されます。
100FPSを超える高フレームレートでは大きな分断に見えるテアリングの代わりに、細かいノイズのように感じるテアリングが増えてきます。『細かいノイズの発生程度であれば高リフレッシュレートモニタのテアリングは実用上は大した問題ではなく、可変リフレッシュレート同期機能は不要である』という意見がありますが、高リフレッシュレートモニタのアドバンテージとして先に解説した「ゲーム内遠方に存在して動いているエネミーやオブジェクトの視認性」と合わせて考えると、このノイズの有無は遠方の細かいエネミーやオブジェクトの発見に影響します。なので高リフレッシュレートモニタを使用するのであれば可変リフレッシュレート同期機能はあったほうがいい、というのが管理人の意見です。
MSI OPTIX MAG251RXのHDR表示やHDCP対応について
最後に「MSI OPTIX MAG251RX」のHDR表示やHDCP対応について簡単にチェックします。「MSI OPTIX MAG251RX」はHDR表示にも対応しており、標準輝度は400nits(cd/m^2)で、VESAがPCモニター向けに展開している輝度認証のVESA DisplayHDR 400を取得しています。
「MSI OPTIX MAG251RX」はフルHD解像度/240Hz/FreeSync(G-Sync Compatible)有効において、HDR表示も問題なく併用することができました。
最近は4K未満の物理解像度でも仮想的に4K入力に対応し(実際の表示はモニタ側で物理解像度へスケーリング)、HDR10コンテンツやデジタル著作権保護HDCP2.2に対応するゲーミングモニタも少なくありませんが、「MSI OPTIX MAG251RX」はそういった機能には対応しておらず、PS4 ProやXbox One Xを接続しても4KやHDCP2.2といったコンテンツは利用できません。なお解像度はフルHDに限定されますが、「MSI OPTIX MAG251RX」はHDRコンテンツに対応しています。
Xbox One Xを接続すると、可変リフレッシュレート同期機能やフルHD/120Hzなどが使用できます。
HDRについて簡単に説明すると、HDR(ハイダイナミックレンジ)というのは、RGBの光の三原色の映像情報に加えて、輝度(明るさ)の情報が備わった映像ソースのことです。従来の表示機器や映像ソースでは10^3程度のダイナミックレンジしかありませんでしたが、HDRに対応することでダイナミックレンジが10^5程度と100倍近く拡張され、従来よりも細かい階調で明るさや暗さを表現できるようになり、「明るい場所は明るく、暗い場所は暗く」なるように画面の明るさを操作することで、白飛びや黒潰れをなくして高画質を実現しています。
HDRに関する説明は色々とあると思いますが、管理人は『明るい場所はより明るく、暗い場所はより暗く』と大雑把に理解しています。「明るい場所は明るく、暗い場所は暗く」するということは必ずしも”見えやすく”なるわけではありません。というか暗い場所は暗くなるので必然、暗い部分は見えにくくなります。逆に明るい場所が明るくなったら見えやすくなるかというと、再現可能な輝度の領域が増すので、ディスプレイによる描画は現実に近づきますが、太陽を覗き込んだ時のように特に明るい場所の周辺は光で潰れて(目の調光機能的な問題で)見えにくくなります。もちろん明暗が分かれることで境界線がクッキリして見えやすくなる場合もあります。
一部のゲーミングモニタに暗所を明るく(白く)して見えやすくする機能があるように、HDR表示は見やすさには直結しないので、見やすさという意味で画質が良くなるのかというと、その点はケースバイケースです。SDRダイナミックレンジの範囲内で平滑化されていた時に比べて、暗い部分が強調されることを考えると見えにくさの方が体感しやすい気がします。
HDRは原理的にはモニタから見える映像を”リアル”に近づける機能です。ただし実際のところはモニタ個別の色調設定などの都合で鮮やかになり過ぎたり色味が変わったりするので、「実際の視覚と同じ」という意味でリアルかというと疑問符が付くのですが。「明るい場所は明るく、暗い場所は暗く」なるので立体感は増して、平面表示の中に奥行を感じやすくなるという点ではリアルな表示に近づきます。個人的にはHDR表示の効果はSDRに比べて、鮮やかになって、立体感が増すと感じています。
4Kモニタの広告をフルHDモニタで見る以上に、SDRモニタでHDRについて体感的に理解することは困難です。なのでHDRについては店頭など実機で体験して気に入れば購入するくらいが正直なところおすすめです。HDRについては正直に言って”百聞は一見に如かず”な機能です。SDRモニタ上で調べるよりもHDR表示の実機を見て気に入るかどうかが全てな機能だと思います。
MSI OPTIX MAG251RXのアンチモーションブラーについて
「MSI OPTIX MAG251RX」にはMSI独自モーションブラーリダクション機能「アンチモーションブラー」が実装されています。同機能に関する詳細な仕様についてはMSIからは公表されていませんが、実機の動作を確認してみたところ、「アンチモーションブラー 」は一般に言うところのMotion Blur Reduction(モーションブラーリダクション、残像抑制)機能の1種のようです。モーションブラーリダクション機能についてはこちらの記事で簡単に紹介しているので、よくわからないという人は先に確認してみてください。
・ゲーミングモニタの選び方[2] モーションブラーリダクションについて
「MSI OPTIX MAG251RX」のモーションブラーリダクション機能「アンチモーションブラー」について、標準ではグレーアウトしており選択できませんが、Adaptive-SyncをOFFにして、リフレッシュレートが120Hz、144Hz、240Hzの時に選択可能となります。細かい調整等はなくアンチモーションブラーを有効にすると、輝度や応答速度など一部の設定にアクセスできなくなります。
まずはモーションブラーリダクション機能「アンチモーションブラー」が具体的にどのような動作をしているのか確認していきます。「MSI OPTIX MAG251RX」で240Hzリフレッシュレートのアンチモーションブラーが動作している時の様子を60倍速(3600FPS)スーパースローモーションムービーで撮影してみました。60倍速動画で240Hz(4倍速)のモニタを撮影しているので、モニタの1フレームが更新されるまでを撮影した動画は15フレームに分割されます。
モニタの1フレームが更新されるまでは15フレームに分割されていますが、15フレームのうち3フレーム程度が完全に点灯し、残りの12フレーム程度が完全に消灯しているのが分かります。
また黒フレーム挿入によるMotion Blur Reduction機能では、残像感を低減させる効果が期待できる反面、バックライトを消灯するので時間平均の輝度が下がって画面が暗くなるというデメリットが指摘されます。
「アンチモーションブラー (Extreme Low Motion Blur)」では、キャリブレーター、肉眼、写真撮影(シャッター速度を適度に遅く)等いくつかの方法確認してみたところ、確かに輝度が下がりました。
「MSI OPTIX MAG251RX」ではアンチモーションブラーをONにすると画面輝度は160cd/m^2程度、標準表示における輝度20%と同等になります。通常の室内利用では問題ないはずですが、室内照明がかなり明るい環境等では注意が必要です。
「MSI OPTIX MAG251RX」に搭載された「アンチモーションブラー」などモーションブラーリダクション機能は、人の目の錯覚が引き起こす残像やボヤケを解消する機能なので、写真や動画を見せて残像が抑制されている様子を実際に見せるというような解説は厳密には不可能です。
そのためレビューでは管理人が試用してみたインプレッションを伝えることくらいしかできないのですが、「アンチモーションブラー」を有効にすると動いている物体の輪郭がクッキリとして確かに視認しやすくなりました。下の写真は管理人が「UFO Test: Strobe Crosstalk」を見た時の感覚を表現したイメージ図ですが、「アンチモーションブラー」を有効にすると輪郭のボヤケがなくなってネイティブスピードでも倍速ハイスピード動画のスローモーションで輪郭を追っている時に近い感覚で追従して見ることができました。
MSI OPTIX MAG251RXのレビューまとめ
最後に「MSI OPTIX MAG251RX」を検証してみた結果のまとめを行います。簡単に箇条書きで以下、管理人のレビュー後の所感となります。良いところ
- 画面サイズ24.5インチでフルHD解像度のゲーミングモニタとしてはちょうどいいサイズ
- 発色や視野角など画質に優れたIPS液晶パネル
- 液晶パネルは反射防止のアンチグレア
- ビデオ入力はDisplayPort1.2とHDMI2.0×2とUSB Type-Cの計4系統
- 全てのビデオ入力においてフルHD解像度で240Hzリフレッシュレートの高速動作
- 可変リフレッシュレート同期機能AMD FreeSync(VESA Adaptive-Sync)に対応
(DisplayPortとHDMIで48FPS~240FPSの範囲内で対応) - NVIDIA G-Sync Compatible認証を取得予定(445.75では未取得)
- モーションブラーリダクション機能「アンチモーションブラー」を搭載
- HDRコンテンツにも対応
- OSDフルアクセスやホットキー設定が可能なPCアプリ「Gaming OSD 2.0」に対応
- モニタ本体重量3.1kgかつVESAマウント対応でモニターアームを使用可能
- 価格が6万円ほどと、同スペック製品に比べてやや割高
- モニタスタンドの組み立てにドライバーが必要
- モニタスタンドの機能は昇降とチルトのみ
「MSI OPTIX MAG251RX」は1920×1080のフルHD解像度、ネイティブ240Hzの高速リフレッシュレート、IPS液晶パネルというハイスペックな液晶パネルを採用したゲーミングモニタです。応答速度が遅いと言われていたIPS液晶パネル採用製品ながら、競技ゲーマーに愛用されるTN液晶パネルの240Hzゲーミングモニタと比較して遜色ない応答速度を実現しています。
また240HzかつIPS液晶と同スペックな他社製品の多くはフルHD解像度に対して画面サイズが27インチなのでピクセルが粗く感じるきらいがありますが、「MSI OPTIX MAG251RX」の24.5インチというサイズはフルHDに対してちょうどいいサイズであるところも魅力です
「MSI OPTIX MAG251RX」は240Hzの最速リフレッシュレートに加え、視野角・発色にも優れて高画質さまで兼ね備えているので近年流行りのバトルロイヤル系ゲームを高FPSでガチプレイするのに管理人イチオシのゲーミングモニタです。
「MSI OPTIX MAG251RX」は可変リフレッシュレート同期機能「AMD FreeSync (VESA Adaptive-Sync)」に対応しています。FreeSync対応フレームレートとして48FPS~240FPSの幅広いフレームレートをカバーしており、60FPS前後しか維持できない最新の高画質な重いゲームから、100FPS以上を維持できる競技性の高い軽めなゲームまで、テアリングやスタッターのないクリアで滑らかな表示を実現します。
これまではAMD製GPUを搭載した環境でしか使用できない機能でしたが、19年1月からはNVIDIA製GPUでも可変リフレッシュレート同期機能Adaptive-Syncが利用できるようになったので間口もかなり広くなったと思います。
さらに「MSI OPTIX MAG251RX」は今後配信される最新GeForceドライバにおいてNVIDIA製GPUとの互換性を証明するG-Sync Compatible認証も取得予定なので、国内シェアの高いNVIDIA環境でも安心して使用できます。
フルHD/240Hz/IPS液晶/VRR-Sync対応というスペックのゲーミングモニタは各社から発売されていますが、「MSI OPTIX MAG251RX」には、ビデオ入力としてUSB Type-Cを搭載していること、OSD設定にフルアクセスでき、ホットキー設定も可能なPCアプリ「MSI Gaming OSD 2.0」に対応していることなど独自の魅力があります。
アラームクロックやOSDクロスヘアなどPCゲームをプレイする時に役立つ便利機能をショートカットキー1つで操作でき、またプレイするPCゲームに合わせた画質モードの切り替えもワンタッチなので、MSIがE-Sports向けモニタを謳うのも納得です。同種スペック製品に比べると製品価格は若干高めですが、これらの機能に魅力を感じるなら十分お釣りがくると思います。
以上、「MSI OPTIX MAG251RX」のレビューでした。
記事が参考になったと思ったら、ツイートの共有(リツイートやいいね)をお願いします。
MSI OPTIX MAG251RX レビュー
— 自作とゲームと趣味の日々 (@jisakuhibi) April 3, 2020
良い
✅240HzリフレッシュレートのIPS液晶
✅FHD/24.5インチはちょうどいいサイズ感
✅G-Sync CP対応
✅OSDフルアクセス&ホットキー対応の
専用PCアプリGaming OSD2.0が便利
✅USB Type-Cなど4基のビデオ入力
悪いor注意
⛔価格がやや割高https://t.co/fiGueKOsCy
関連記事
・予算と性能で選ぶオススメのゲーミングモニタを解説・PCモニタ・ディスプレイのレビュー記事一覧へ
・280HzのIPS液晶が最速を更新「ASUS TUF Gaming VG279QM」をレビュー
・GamingOSD2.0が超便利!「MSI OPTIX MAG251RX」をレビュー
・フルHD/240Hz/IPSのベストサイズ「Pixio PX5 HAYABUSA2」をレビュー
・「ZOWIE XL2746S」をレビュー。DyAc+は明るさを損なわないMBR機能
・G-Sync CP対応フルHD/240Hz/IPS液晶モニタ「Alienware 27 AW2720HF」をレビュー
・144Hz/IPS液晶で2万円の超コスパ「Pixio PX247」をレビュー
・リモコン操作&USB Type-C対応「BenQ EX2780Q」をレビュー
・G-Sync CP対応144Hz/WQHD/IPS液晶モニタ「AORUS AD27QD」をレビュー
・「LG 27GL850-B」をレビュー。応答速度1msの実力を徹底検証!
・4K/120Hz/有機ELゲーミングモニタ「Alienware 55 AW5520QF」をレビュー
・3840x1600/175Hz/G-Sync対応「LG 38GL950G-B」をレビュー
・4K/120Hz/G-Sync HDR対応「ASUS ROG SWIFT PG27UQ」をレビュー
・UWQHD/120Hz/G-Sync対応「LG 34GK950G-B」をレビュー
(注:記事内で参考のため記載された商品価格は記事執筆当時のものとなり変動している場合があります)
スポンサードリンク