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残像感を抑制しさらに明瞭な画面表示を実現する独自機能の改良版「DyAc+ (Dynamic Accuracy Plus)」を新搭載した、フルHD解像度で240Hzリフレッシュレートの27インチTN液晶ゲーミングモニタ「ZOWIE XL2746S」をレビューします。
240Hzリフレッシュレートや「DyAc (Dynamic Accuracy)」、ゲーム画面の明暗(Black eQualizer)や色の鮮やかさ(Color Vibrance)を調整する機能によって、FPSやRTS/MOBAゲームに求められる視認性の良さ、エイム(照準)のし易さを確保し、ゲーム別に最適な設定を専用コントローラーS.Switchによってボタン一つで素早く切り替えることが可能な、”勝つために設計された”ゲーミングモニタを徹底検証していきます。
製品公式ページ:https://zowie.benq.com/ja/product/monitor/xl/xl2746s.html
ZOWIE XL2746S レビュー目次
1.ZOWIE XL2746Sの概要
2.ZOWIE XL2746Sの開封・付属品
3.ZOWIE XL2746Sの液晶モニタ本体
4.ZOWIE XL2746SのOSD操作・設定
5.ZOWIE XL2746Sの発色・輝度・視野角
6.ZOWIE XL2746Sの240Hzリフレッシュレートについて
7.ZOWIE XL2746Sの応答速度・表示遅延
8.ZOWIE XL2746SのFreeSync/G-Sync CPについて
9.ZOWIE XL2746SのDyAc+について
10.ZOWIE XL2746Sのレビューまとめ
【機材協力:BenQ Japan】
ZOWIE XL2746Sの概要
「ZOWIE XL2746S」は解像度が1920×1080のフルHD解像度で画面サイズが27インチの液晶モニタです。液晶パネルタイプはノングレア(非光沢)、IPSパネルやVAパネルと比較して色再現性や視野角に劣るものの、応答速度が高速で競技性の高い対戦ゲームに最適なTNパネルが採用されています。コントラスト比は1,000:1、応答速度は0.5ms(GTG)、輝度は320nit(cd/m^2)です。「ZOWIE XL2746S」のリフレッシュレートはネイティブ240Hzです。240Hzの高リフレッシュレートによって応答速度が高速になるのでブレや残像がなくなってクッキリとした滑らかな表示です。60FPSでは識別の難しいゲーム内遠方で動くエネミーやオブジェクトの発見などが容易になるので、オンライン対戦FPSゲームなど競技性の高いPCゲームにおいて対戦相手よりも優位に立つことができます。
「ZOWIE XL2746S」はAMD/NVIDIA製グラフィックボードやXbox One Xを組み合わせることで利用可能な可変リフレッシュレート同期機能「AMD FreeSync (VESA Adaptive-Sync)」にも対応しており、ティアリングがなくスタッタリングを抑えた快適で鮮明なゲーミング環境を実現できます。AMD FreeSyncに対応したビデオ出力はDisplayPortとHDMIの2系統で、いずれも対応フレームレートは48Hz~240Hzと広範囲です。
前モデルXL2570からの追加要素として「ZOWIE XL2746S」はBenQ独自のモーションブラーリダクション機能をさらに改良した「DyAc+ (Dynamic Accuracy Plus)」機能を搭載しており、液晶モニタゆえの残像現象「ホールドボケ」を解消することで、残像感を抑えたより鮮明な表示を可能としています。
実用的な話としては、e-Sports向けゲーミングモニタブランドZOWIEを展開するBenQによると、FPSゲームにおいて銃を連射した時にリコイル(反動)によって着弾位置がバラつく「スプレー(Splay)」という現象に対して、マウス操作で制動しやすくなるそうです。
加えてゲーム中の見えにくい暗所や過度に明るい範囲の輪郭や明るさを適切に調整する「Black eQualizer」機能によって、隠れている敵や障害物の視認性を改善されます。
「ZOWIE XL2746S」に搭載されたビデオ入力はHDMI2.0とHDMI1.4とDisplayPort1.2とDVI-Dの4系統です。フルHD/240HzについてはHDMI2.0とDisplayPortの2系統が対応しています。HDMI1.4は最大120Hz、DVI-Dは最大144Hzに対応します。正面から見て左側面にはUSB3.0端子が2基実装されており、アップストリーム端子をPCと接続することで2基のUSBハブポートとして使用できます。
「ZOWIE XL2746S」の寸法はモニタスタンド込みで幅558mm x 高さ493mm~633mm x 奥行225mm(モニタ単体では63.5mm)となっています。付属モニタスタンドは上下チルト、左右首振りスイーベル、昇降高さ調整、ピボットに対応しています。チルト角は上20度から下5度、スイーベル角は左右45度、高さ調整は最大140mmの範囲で調節可能です。本体重量はモニタスタンドありで8.7kg、モニタスタンドなしの液晶パネル本体のみは5.4kgとなります。VESA100x100マウントにも対応しておりモニタアームも使用可能です。
ZOWIE XL2746Sの開封・付属品
まずは「ZOWIE XL2746S」を開封していきます。「ZOWIE XL2746S」のパッケージサイズは幅632mm×厚さ225mm×高さ559mmとなっており、27インチモニタが入っている箱としてはかなり大きく、重量も12kg程度です。パッケージサイズと重量は大きいですが、天面には持ち手がついているので、成人男性ならなんとか持ち運べると思います。
「ZOWIE XL2746S」はN式箱という構造になっておりスペーサーを外パッケージから引っ張り出す手間がないのが特徴的です。
パッケージを開くと液晶モニタ本体や付属品が収められた発泡スチロール製のスペーサーが現れます。スペーサーは2段になっており、上の段にはモニタスタンドやケーブルなどの付属品が、下の段には液晶モニタ本体が収められています。
「ZOWIE XL2746S」には、DisplayPortケーブル、ACケーブル、USBアップストリームケーブル、モニタスカバー、ドライバCD、マニュアル冊子類が付属します。
「ZOWIE XL2746S」のビデオ入力はDisplayPort1.2、HDMI2.0、HDMI1.4、DVI-Dの4つがありますが、付属するケーブルはDisplayPortケーブルの1本のみです。
各種ケーブルを個別に購入するのであれば、4K/120Hz対応のDisplayPort1.4ケーブルなら「サンワサプライ KC-DP14シリーズ」、HDMI2.0ケーブルなら「エレコム Premium HDMIケーブル スリムタイプ DH-HDP14ESBKシリーズ」がおすすめです。いずれも標準で付属するケーブルよりもケーブル径が細くて取り回しが良いので管理人も個人的に使用しており、おすすめのケーブルです。
エレコム PREMIUM HDMIケーブル スリムタイプ 1.0m
エレコム PREMIUM HDMIケーブル スリムタイプ 1.5m
エレコム PREMIUM HDMIケーブル スリムタイプ 2.0m
エレコム
「ZOWIE XL2746S」のモニタ本体の左右に装着するシェーディングシールドは組み立て式となっており、シールドの装着にはドライバーが必要になります。
「ZOWIE XL2746S」のOSD操作が可能で、設定プロファイルのショートカットスイッチが実装された「S.Switch」も付属します。
「ZOWIE XL2746S」に付属するモニタスタンドはフレームとフットプレートの2つの部品で構成されています。
ベースプレートの円形の窪みにある、ロックスリットに合わせてフレームを挿入し、時計回りに回してロックをはめ、奥の方向にあるレバー付きのネジを締めれば組み立て完了です。ツールレスで簡単に組み立てることができます。
組み立てたモニタスタンドはモニタ本体の下側から斜めに挿入してロックをはめるだけで簡単に取り付けることができます。
モニタスタンドの取り外しは、根本の下にあるスイッチでロックを外して、装着した時と逆に動かして引き出すだけです。
ZOWIE XL2746Sの液晶モニタ本体
続いて「ZOWIE XL2746S」の液晶モニタ本体をチェックしていきます。「ZOWIE XL2746S」は若干狭めなフレームありデザインが採用されています。フレーム内パネル上には非表示領域が1mmほどあってフレームを含めると、左右の非表示領域の幅は14mm程度、上側は13mm程度、下側は18mm程度となっています。
またZOWIE XL2746Sのフレームは、内側が外に広がる方向に傾斜が付いており、かつ反射が起こり難い凹凸表面処理も施されているので、画面からの光反射が低減され、ゲーマーに最適な設計となっています。
背面は四角錘の下を切り取ったようなシルエットで、上部中央にはメタリックレッドのZOWIEロゴが描かれています。ゲーミングモニタとしてはシンプルで万人に受け入れられやすいデザインです。
モニタスタンドの上部には持ち運びに便利なハンドルがあります。またフレーム下部の赤色のホール部分はACケーブルやビデオケーブルを通してまとめることができます。
「ZOWIE XL2746S」のモニタスタンドは昇降とチルトとスイーベルに対応していますが、不意に動かしてしまっても、各自の最適な設定へ簡単に戻すことができるマーカーがあります。
専用OSDコントローラー&プロファイルショートカットスイッチの「S.Switch」を置くために、モニタスタンド手前右側には円形の窪みがあります。
「ZOWIE XL2746S」のモニタ本体の厚さは最薄部で22mm、最厚部で65mmほどでした。近年では最厚部50mmを切る液晶モニタもあるので、「ZOWIE XL2746S」は厚くはないものの薄くもない標準的な製品です。モニタ本体重量は5.4kg程度です。
液晶モニタ本体背面の中央から右にかけて下を向く方向で各種I/Oポートが設置されています。「ZOWIE XL2746S」にはI/Oポートとして左から順に、マイク出力3.5mmジャック、DVI-D端子、HDMI1.4、HDMI2.0、DisplayPort1.2、USB3.0アップストリーム端子が設置されています。
またI/Oポートの左側にはACケーブルを接続するための端子が設置されています。
正面から見て左側面には2基のUSB3.0ハブポートとヘッドホン出力3.5mmジャック、マイク入力3.5mmジャックが設置されています。
左側面のUSBハブポートの隣にある赤いボタンはヘッドホンハンガーになっています。ばね仕掛けで収納されており、押し込んでロックを外してから引っ張ると、スティック状ヘッドホンハンガーを引き出すことができます。
「ZOWIE XL2746S」の付属モニタスタンドの上下チルトの可動域は仕様通り下に5度、上に20度です。
「ZOWIE XL2746S」の付属モニタスタンドの左右スイーベルの可動域は左右90度(45度)に対応しています。
モニターの高さはモニター本体とスタンドの付け根部分が上下に動く構造になっており、全高で493mm~633mmの範囲内で調整できます。
「ZOWIE XL2746S」はVESA100x100規格のVESAマウントに対応しておりサードパーティ製のモニターアームを使用できます。モニタ単体の重量も5.4kgほどなのでモニターアームを問題なく利用可能です。
モニターアームについては管理人は「Lumen MA-GS102BK」、もしくは色違いでほぼ同機能な「サンワダイレクト 100-LA018」という製品をおすすめしています。モニターアームというとエルゴトロン製が一番の売れ筋ですが、クランプのネジが下に伸びているタイプのモニターアームは机に干渉して使えないという問題があり、MA-GS102BKはクランプを上側から六角レンチで締めるタイプでテーブル下の隙間が狭いデスクでも使用できるので管理人も使っています。
「Lumen MA-GS102BK」はモニタとアームを接続する部分がクイックリリースのブラケット式になっていてモニタアームからモニタ本体の着脱が非常に簡単です。ピボット機能もあるので設置後にモニタを縦・横で向きを切り替えることもできます。ただ関節の滑りに若干難があるので潤滑剤を塗布するのがおすすめです。
あと「ZOWIE XL2746S」のVESAネジ穴は背面外装から窪んだ場所にあるので、外装とモニターアームなどのVESA接続機器が干渉する可能性があり、そういった場合はスペーサーを使用してください。
VESA100x100規格ではネジ規格もM4と決まっているのでM4のスペーサーであれば基本的に何でもいいのですが、別件で購入していたNUC用VESAマウント拡張ブラケット「SilverStone SST-MVA01 NUC用VESAマウント拡張ブラケット」に付属するスペーサーがちょうど使用できたので、管理人はこれを流用しています。M4ネジのスペーサーなら何でも使用できるのですが、「ZOWIE XL2746S」で使用できるスペーサーがよくわからないという人は2000円ほどしますが、とりあえずこれを買えば干渉を回避できます。
ZOWIE XL2746SのOSD操作・設定
「ZOWIE XL2746S」のOSD操作はモニタ正面右下に設置されている5つのボタンやS.Switchという専用の有線コントローラーを使用します。5つのOSDボタンのいずれかを押下すると画面右下に基本メニューが表示されます。各ボタンの上には画面上にアイコンや矢印でその時のボタンの機能が表示されるので直感的に操作できます。
基本メニューで右から2つ目、リストアイコンが表示されているボタンを選択すると詳細設定メニューが表示されます。「ZOWIE XL2746S」の詳細設定メニューは液晶モニタの6分の1くらいの領域に大きく表示されるので文字が小さくて見えにくいなど操作性の心配はないと思います。「ZOWIE XL2746S」は初めて起動した時にOSD言語として日本語が適用されています。もし別の言語だった場合も下記の手順で日本語UIに切り替えが可能です。
基本メニューにおいて左側3つはショートカットキーとなっており、標準設定では左から「画質モード」「DyAc」「Black eQualizer」が割り当てられています。
ショートカットキーに割り当てる機能はOSD詳細設定メニューから変更が可能です。
また専用コントローラーS.Switchによる操作は次のようになっています。ゲーマーボタンによるプロファイルのショートカット適用だけでなく、モニタのOSD操作ボタン同様にOSDをフルコントロール可能です。
「ゲーマー1」「ゲーマー2」「ゲーマー3」の3つの画質設定プロファイルについてはシュートカットキーによる適用だけでなく、OSDメニューやS.Switchから上書き保存が可能です。
専用コントローラーS.SwitchはUSBケーブルでモニタに接続されていますが、ケーブルの長さには余裕があるので、手元に置いておけばショートカットボタンでゲームタイトルや状況に合わせた3種類のモニタ設定プロファイルを素早く切り替えることができます。
「ZOWIE XL2746S」のOSDメニューには大きく分けて、DyAcやBlack eQualizerなど「ゲーム機能設定」、輝度・色調など「画質設定」、入力やアスペクト比など「画面表示機能設定」、OSDやショートカットなど「システム設定」の4つの項目が用意されています。
「ZOWIE XL2746S」の画質モードは「FPS1」「FPS2」「RTS」「ゲーマー1」「ゲーマー2」「ゲーマー3」「動画」「標準」の8つのプロファイルがあります。
一般にオーバードライブと呼ばれる応答速度を調整する機能は、「ZOWIE XL2746S」では従来のBenQモニタ製品同様に「AMA (Advanced Motion Accelerator)」の名前で設置されており、強さの順にプレミアム、高、オフの3段階で、ほぼ全ての画質モードにおいて標準設定は高設定となっています。
暗所を明るく(白く)表示して視認性を改善する「Black eQualizer」機能については0~20の21段階で設定が可能です。0は無効で、レベルを上げるほど明るく(白く)なります。設定値については画質モードによって異なります。
モーションブラーリダクション機能「DyAc+」については補正の強さ順にプレミアム、高、オフの3段階で設定でき、ほぼ全ての画質モードにおいて標準設定はプレミアム設定となっています。「ZOWIE XL2746S」のDyAc+はリフレッシュレートが100Hzから240Hzの時に使用でき、加えて輝度や応答速度のOSD設定も自由に行うことが可能です。
「ZOWIE XL2746S」には入力遅延を最小化する「インスタントモード」という機能があります。基本的に有効にしておけばOKな設定です。
「ZOWIE XL2746S」のOSD操作ではボタンを押下した時にピッとブザーが鳴りますが、OSDメニューからブラーのオン/オフの切り替えが可能です。
また電源ボタンのLEDインジケーターの輝度を2段階で調整でき、完全に消灯させることも可能です。
最近のゲーミングモニタに便利機能として採用の多い定番のOSDクロスヘア表示や、可変リフレッシュレート同期機能の動作確認に便利な、リアルタイムリフレッシュレートをOSD表示する機能は、「ZOWIE XL2746S」に搭載されていないのは少し残念です。
ZOWIE XL2746Sの発色・輝度・視野角
ZOWIE XL2746Sの発色・輝度・視野角など画質についてチェックしていきます。直接的な画質ではありませんがZOWIE XL2746Sの液晶パネルは光沢のあるグレアではなくアンチグレアタイプなので暗転時に自分の顔などが映り込みません。
液晶パネルには大きく分けてIPS液晶パネルとVA液晶パネルとTN液晶パネルの3種類があり、各社個別の製品によって個体差はあるものの、この3つの液晶パネルの特性を簡単にまとめると次のテーブルのようになります。
「ZOWIE XL2746S」に採用されているTN液晶パネルはIPS液晶パネルやVA液晶パネルと比べると色再現性、コントラスト比、視野角など一般に画質に直結する性能は劣っている傾向があります。代わりに価格面では他2つよりも安価であることに加え、応答速度が高速であるというメリットがあります。
とりわけ応答速度についてはIPS液晶パネルやVA液晶パネルを大きく上回るので、高リフレッシュレートなモニタの多くでTN液晶パネルは採用されており、『競技ゲーマー向けの液晶モニタといえば、TN液晶モニタ』と言っても過言ではありません。
そのためTN液晶パネルを採用した製品は、解像度やモニタサイズの割りに安価な液晶モニタ製品、高速リフレッシュレートで比較的高価なゲーマー向け液晶モニタ製品に二分化しています。
液晶パネルの簡易比較表 | |||
IPS | VA | TN | |
色再現性 | ◎ | 〇 | △ |
コントラスト | 〇 | ◎ | △ |
視野角 | 〇 | 〇 | △ |
応答速度 | 〇 | △ | ◎ |
価格 (高RR) |
△ (×) |
△ | 〇 |
液晶パネルの種類による性能の違いについてはこちらの記事も参照してみてください。
・ゲーミングモニタの選び方[4] IPS/VA/TN液晶パネルを比較解説
「ZOWIE XL2746S」で使用されているTN液晶パネルはIPS液晶パネルやVA液晶パネルと比較すると色再現性など発色の面では若干劣る傾向がありますが、真正面から見るかぎりではそこそこ綺麗です。
ただし「ZOWIE XL2746S」の視野角についてはやはりTN液晶パネルなので見る方向によっては大きく色が破綻してしまいます。
液晶パネル正面から上方向にズレると比較的浅い角度でも全体的に白みがかかっていき、最終的には色が破綻して見れない絵になってしまいます。白背景テキストが一般的なWebページやドキュメントでは少しでも上方向に角度が付くと、文字が判別しにくくなったり、かなり色味が変わったりします。
上からに比べて実用上は発生しにくいケースですが、下から見ると少し角度が付くだけで色調が破綻して、おおざっぱなRGBと黒色以外は判別できなくなります。
液晶パネル正面から左右にズレると角度が大きくなるにつれて画面が黄ばんで暗くなります。カラフルなページでは特に気にならないのですが、白色では目に見えて黄色く感じます。
「ZOWIE XL2746S」についてはカラフルな画面なら問題ないのですが表示内容によっては、1~2m程度離れていても正面から見たときに付く僅かな角度で左右端が黄色がかって見えます。
2020年に入ってから各社より発売が相次いでいるIPS液晶パネルを採用した240Hz対応ゲーミングモニタと比較すると、視野角という意味で見やすさは大きく劣るので注意が必要です。
「ZOWIE XL2746S」の発色について、色温度の標準設定である”通常”で、白色が極端に黄色や青色がかって見えることもなく、特に違和感はありませんでした。色温度設定には冷たい/通常/暖かいの3種類のプリセットがありますが、これらを切り替えても発色に違和感がある場合は、ユーザー設定でRGBのバランスを好みに合わせて整えてください。
ここからはカラーキャリブレータを使用して、色域・色再現性・輝度・コントラスト・均一性など画質に直結するモニタの性能について詳細な検証結果を見ていきます。なおこれらのモニタ性能(特に輝度の均一性)については同じ製品であっても個体差が大きいのでご注意ください。検証にはカラーフィルター式(色差式)のX-Rite i1 Display Pro PlusとDatacolor SpyderX、そして分光式(スペクトロメーター)のX-Rite i1 Basic Pro 2を使用しています。
余談ですが、分光式のi1 Basic Pro 2は20万円程と非常に高価ですが(2020年4月現在は後継のProが発売済みでPro2は終売)、一般的な用途であれば測定精度は十分なので、イラスト製作や写真編集でカラーキャリブレーションを行う場合、カラーフィルター式のX-Rite i1 Display ProかDatacolor SpyderX Proで十分です。ユーザー数の多さで面倒が少ないのはX-Rite i1 Displayだと思います。
「ZOWIE XL2746S」のディスプレイ輝度について白色点の輝度をOSD設定別で測定しました。OSD上の輝度設定10%刻みで0%~100%の輝度変化は次のようになっています。
「ZOWIE XL2746S」において、一般に見やすい明るさと言われる120cd/m^2は輝度10%前後、室内照明に依りますが個人的に見やすいと感じる明るさの180~200cd/m^2は輝度30~40%です。
黒挿入を行って残像を低減させるモーションブラーリダクション機能を使用すると他社製品では200cd/m^2以下に輝度が下がるのが一般的ですが、「ZOWIE XL2746S」のDyAc+では輝度固定ではなく通常モード同様に0~100%で任意に調整でき、高設定で最大480cd/m^2、残像をより低減させるプレミアム設定でも430cd/m^2と非常に明るい画面表示が可能なところが特徴です。
「ZOWIE XL2746S」のディスプレイ輝度の均一性(Uniformity)を検証しました。画面中央の輝度が約120cd/m^2になるOSD設定において、画面を横7×縦5の35分割として各位置の白色点の輝度を測定し、120cd/m^2を基準にしたパーセンテージで等高線マップにしています。
液晶モニタにおいて輝度の低下が特に大きい四隅&四辺は、上のような領域分割測定では見落とされてしまうので、同様に中央120cd/m^2を基準にして個別に測定したところ次のようになりました。
「ZOWIE XL2746S」については全体を白表示にした場合、左右端が若干暗く見えます。純粋な輝度低下の問題もありますが、TN液晶パネルの特性である視野角の低さによって、正面から見た時の僅かな角度で黄色がかって見える影響のほうが大きいように思います。
画面中央の白色点が約120cd/m2になるOSD設定において「ZOWIE XL2746S」のブラックレベルを測定したところ次のようになりました。ブラックレベルの測定にはX-Rite i1 Display Pro Plusを使用しています。
またこの時のコントラスト比も算出したところ次のようになっています。なおコントラスト比に大きく影響するブラックレベルはコンマ2桁での測定になるため測定精度が若干怪しく、ブラックレベル0.01の差でコントラスト比が大きく変わるので参考程度と考えてください。
続いて「ZOWIE XL2746S」の色域と色の正確性を検証してみました。
まずはモニタのOSD設定を標準モードにして(ZOWIE XL2746Sの場合、標準設定のFPSモード等はゲーム内での視認性に特化しているため変更しています。またディスプレイ輝度のみ120cd/m^2になるように調整)、任意のカラープロファイルを適用しない場合、次のようになりました。
「ZOWIE XL2746S」は標準モードでそのまま使用しても98% sRGBをカバーしています。
色の正確性は平均ΔEが2.64となっており若干誤差は大きいようです。X-Riteによると『ΔE=2~3程度で2つの色を離して見比べた時に違いが分かるレベル』とのこと。
次にX-Rite i1 Basic Pro 2を使用してカラーキャリブレーションを行いました。キャリブレーション設定は下のスクリーンショットの通りですが、i1 Profilerの標準設定をそのまま採用しています。
「ZOWIE XL2746S」には5種類のガンマが設定できますが、ガンマ1~ガンマ5はそれぞれガンマの値が2.0、2.2、2.4、2.6、2.8に相当するようなモードになっています。以降は一般的なガンマ2.2相当となるようにガンマ2モードで測定を行います。
また色温度を標準設定にするとRGBの強さに差が大きいとアラートが出たので、手動で調整できるユーザー設定モードでR(赤)=98, G(緑)=98, B(青)=100としてキャリブレーションを行いました。
X-Rite i1 Basic Pro 2によるカラーキャリブレーションで作成したICCファイルを適用し、上と同様に色域と色の正確性を測定したところ次のようになりました。
「ZOWIE XL2746S」はモニタの標準OSD設定とWindows PCの標準カラー設定でも精度が高い(モニタ性能の限界に近い)ようで、キャリブレーションによってΔEの平均値が2.50に下がり、色の正確性が僅かに高くなりましたが、あまり大きな差はありませんでした。
参考までにX-Rite i1 Basic Pro 2で行った品質検証(色の正確性の検証)の結果は次のようになっています。X-Rite i1 Basic Pro 2は分光式(スペクトロメーター)のカラーキャリブレータなので、測定精度はこちらの方が高いはずです。
上の測定結果ではカラーキャリブレーション後も色の正確性はΔE 2.5でしたが、X-Rite i1 Basic Pro 2で測定した色の正確性はΔE 0.8でした。
また分光型測色計(スペクトロメーター)で測定した輝度120cd/m^2における白色点のカラースペクトラムが次のようになっています。
カラースペクトラムから発色の良いモニタを見分けるざっくりとしたポイントは『RGB各色のピークが鋭く立ち上がり、かつ高さが同程度であること』です。一般的な液晶モニタは白色LEDバックライト(青色LEDを光源として赤緑(≒黄)蛍光体を組み合わせて白色を生成する)を採用しているので青色のピークが高くかつ鋭くなります。白色を基準として測定した場合、緑と赤のピークの高さは色温度のOSD設定で若干上下します。以上から簡単化すると『緑と赤のピークが鋭くなっているかどうか』をチェックすればカラースペクトラムの良し悪しがざっくりと判定できます。
「ZOWIE XL2746S」のカラースペクトラムについては青色ピークの立ち上がりは鋭いものの、緑と赤の分離が弱く、また青に比べてピークも低いという一般的な液晶モニタらしい特徴です。
ZOWIE XL2746Sの240Hzリフレッシュレートについて
「ZOWIE XL2746S」の最大の特徴の1つである240Hzリフレッシュレートについてチェックしていきます。まずは「ZOWIE XL2746S」の特徴の1つである”240Hzリフレッシュレート”について、その意味自体は特に説明せずとも読者はご存知だと思いますが、一般的な60Hzリフレッシュレートの液晶モニタが1秒間に60回の画面更新を行うのに対して、240Hzリフレッシュレートであれば標準的な60Hzの4倍となる1秒間に240回の画面更新を行います。
1秒間に240回の画面更新を行う240Hzリフレッシュレートの物理的なメリットとしては、単純に秒間コマ数が増えるので映像がより滑らかになります。上の章で詳しく検証したようにリフレッシュレートが上がると応答速度も上がって細部がクッキリとしたシャープな映像に見えやすくなり、加えて画面更新間隔が短くなるので表示遅延が小さくなり、一般的な60Hz環境よりもスピーディーなプレイで他者を圧倒しやすくなります。
「ZOWIE XL2746S」ではNVIDIA GeForce RTX20/GTX16シリーズやAMD Radeon VII/RX Vega/5XXシリーズなど最新グラフィックボードのDisplayPort1.2もしくはHDMI2.0のビデオ出力に接続することによって、モニタリフレッシュレートを144Hzや240Hzなどに自由に設定できます。
モニタリフレッシュレートの設定は、NVIDIA製GPUの場合は上のスクリーンショットのようにNVIDIAコントロールパネルから、AMD製GPUの場合はWindowsのディスプレイ設定から行います。
「ZOWIE XL2746S」に搭載されている2基のHDMIビデオ入力のうち一方はver2.0なので、フルHD/240Hzに対応しています。
オンライン対戦FPSなど競技性の高いゲームにおいて240Hzリフレッシュレートのモニタを使用した時の実用的なアドバンテージとして、ゲーム内視線を左右に振った時の視認性が上がるという例は直感的にもわかりやすいメリットですが、その他にもゲーム内遠方に存在して動いているエネミーやオブジェクトの視認性が上がるというメリットも存在します。
下の比較動画では4分割して映像を並べていますが、右下以外の3つは右下画面の緑枠部分を拡大するよう接写して、「SONY DSC-RX100M5」の16倍速(960FPS)スーパースローモーションムービーで撮影したものになっています。リフレッシュレート別で左上は60Hz、右上は120Hz、左下は240Hzとなっていますが、赤枠で囲った建物の出入り口付近で左方向に移動する敵の動きはリフレッシュレートが上がるほど視認しやすくなるのがわかると思います。
NVIDIA公式からもハイリフレッシュレートなゲーミングモニタとハイフレームレートに対応可能な高性能グラフィックボードを使用するメリットについて紹介する「動画が公開されています。
なお「ZOWIE XL2746S」でフルHD解像度/240FPSを狙うには、元から軽めのPCゲームや画質設定を下げた最新PCゲームであってもグラフィックボードのGPU性能がそれなりに要求されます。液晶モニタに「ZOWIE XL2746S」を使用するのであれば2019年最新のハイエンドGPUであるNVIDIA GeForce RTX 2080 SUPERやNVIDIA GeForce RTX 2080 Tiがおすすめです。
・GeForce RTX 20XX/GTX 16XXシリーズのレビュー記事一覧へ
ZOWIE XL2746Sの応答速度・表示遅延
次にゲーミングモニタのハードウェア性能として特に重要な、「ZOWIE XL2746S」の応答速度や表示遅延についてチェックしていきます。まずは「ZOWIE XL2746S」の応答速度について検証していきます。
なおゲーミングモニタを選ぶ、もしくはモニタの応答速度や残像を評価する上で重要な予備知識である『液晶モニタの応答速度とオーバードライブ機能』についてはこちらの記事で簡単に紹介しているので、よくわからないという人は先に確認してみてください。
・ゲーミングモニタの選び方[1] 応答速度とオーバードライブについて
「ZOWIE XL2746S」のOSDメニュー上ではオーバードライブ機能は「AMA (Advanced Motion Accelerator)」の名前で設置されており、強さの順にプレミアム、高、オフの3段階で、ほぼ全ての画質モードにおいて標準設定は”高”設定となっています。
「ZOWIE XL2746S」のオーバードライブ設定は240Hzにおいては”高”が最適な設定です。”プレミアム”にすると応答速度は速くなりますが盛大にオーバーシュートが発生します。
また”高”設定では144Hzや60Hzなどにリフレッシュレートを下げるとオーバーシュートの逆像が発生します。「ZOWIE XL2746S」は240Hz動作に特化した設計となっており、60~144Hzリフレッシュレートで応答遅れによる残像やオーバーシュートが発生しないような設定は用意されていないので注意が必要です。
応答速度の確認には「UFO Test: Ghosting」を使用します。同テストではUFOが移動する背景カラーを選択できますが、今回の検証ではブラック/グレー/ホワイトの3色を選択しています。
背景カラーがブラックの場合は各液晶パネルにおいて応答速度は高速な数値を示すので、概ね理想的な応答を確認することになります。背景カラーがホワイトの場合の応答速度は、ドキュメントやウェブページでテキストをスクロールした時の文字の滲み度合いの参考になります。背景カラーがグレーの場合、中間色に移るまでの応答速度を比較することになるので、一般的なゲームプレイにおける物理的な残像の少なさの指標として参考になります。
「ZOWIE XL2746S」に採用されているTN液晶パネルは傾向として応答速度が速く、最大リフレッシュレートの240Hzで動作させた場合(オーバードライブ設定は最適値:高)、オーバーシュートによる逆像が1つ見える程度です。同じくベストタイミングで比較すると、240Hz対応IPS液晶では2つ前のフレームも若干残るのでやはりTN液晶は応答速度において優位なのがわかります。
オーバードライブ設定を”プレミアム”にするとベストタイミングにおいて、薄っすらとオーバーシュートの逆像が残るだけとなり、240Hzの超高速リフレッシュレートで、単一フレームの表示にほぼ成功しているのがわかります。
ただし過渡応答でのオーバーシュートの発生は”プレミアム”のほうが酷くなるので、実際の画面表示としては反転色で滲む感じになり、あまりオススメはできません。
さらに「ZOWIE XL2746S」のリフレッシュレートを変えてみたり、他の液晶モニタを比較対象にしたりしながら、「UFO Test: Ghosting」の様子を「SONY DSC-RX100M5」の16倍速(960FPS)スーパースローモーションムービーで撮影し、比較してみます。
「ZOWIE XL2746S」のリフレッシュレートを240Hzにした時、オーバードライブ設定を最大設定の”プレミアム”に変更するとオーバーシュートの逆像が大きく発生します。標準設定の”高”でもオーバーシュートが確認できますが、程度は比較的軽いので基本的にはこの設定が推奨です。
ハイリフレッシュレートで理想的な応答を見せるオーバードライブ設定は相対的に補正が強過ぎるため、リフレッシュレートを下げるとオーバーシュートが発生してしまうことが多いですが、「ZOWIE XL2746S」でも240Hzで最適な応答を見せる”高”設定は144Hzや60Hzでオーバーシュートが発生します。
「ZOWIE XL2746S」でオーバードライブ設定を”高”にすると144Hzや60Hzではオーバーシュートが発生しますが、一方で”オフ”にしてしまうと補正が無くなって応答速度が遅くなり、普通に残像が生じます。中間の丁度いい設定がないので、”高”設定で諦めるのが無難です。「ZOWIE XL2746S」はe-Sports特化なゲーミングモニタということもあって240Hz動作を前提にしたチューニングになっているようです。
また「UFO Test: Ghosting」において下の写真のようにUFOが微かに表示された瞬間を始点に、その地点のUFOが完全に消えた時点を終点にして、その間隔のフレーム数を応答速度として算出し比較してみました。なおオーバードライブ機能によって発生するオーバーシュート/アンダーシュートによる逆像が発生してから消えるまでの時間は別に計算しています。
評価の目安として、”1000msをリフレッシュレートで割って2倍した数値”よりも測定値が小さければ、画面更新に応答速度が追いついています。60Hzの場合は33.3ms、120Hzの場合は16.6ms、144Hzの場合は13.9ms、240Hzの場合は8.3msを下回っていればOKです。
まずは背景カラーがブラックの時の「ZOWIE XL2746S」やその他の比較対象モニタの応答速度の計測結果となります。背景カラーがブラックの場合は各液晶パネルにおいて応答速度は高速な数値を示すので、概ね理想的な応答を確認することになります。
続いて背景カラーがホワイトの時の「ZOWIE XL2746S」やその他の比較対象モニタの応答速度の計測結果となります。背景カラーがホワイトの場合の応答速度は、ドキュメントやウェブページでテキストをスクロールした時の文字の滲み度合いの参考になります。
最後に背景カラーがグレーの時の「ZOWIE XL2746S」やその他の比較対象モニタの応答速度の計測結果となります。背景カラーがグレーの場合、中間色に移るまでの応答速度を比較することになるので、一般的なゲームプレイにおける物理的な残像の少なさの指標として参考になります。
ここからはSONY DSC-RX100M5の960FPS(16倍速)よりもさらに高速な5760FPSのスーパースローモーションカメラを使用して「ZOWIE XL2746S」の応答速度を比較検証していきます。
まずは「ZOWIE XL2746S」を同社製240Hz対応TN液晶モニタの旧モデルであるZOWIE XL2546と比較しました。240Hzリフレッシュレートにおいて応答速度設定の高とプレミアムの2種類をそれぞれ載せています。
「ZOWIE XL2746S」のほうがZOWIE XL2546よりもオーバーシュートの逆像の影響が小さく、シンプルに応答速度が高速になっていることがわかります。
次に2020年に入って各社から発売の相次いでいる240Hz対応IPS液晶モニタから代表してASUS TUF Gaming VG279QMと比較してみました。
どちらかと言うと「ZOWIE XL2746S」の方が高速ですが、IPS液晶のASUS TUF Gaming VG279QMも以外に善戦しており、グレー背景では5760FPSのスーパースローモーションでも見分け難いレベルです。
グレー背景では「ZOWIE XL2746S」のTN液晶とIPS液晶の性能差は分かり難いのですが、理想的な応答性能に近づく黒背景になると「ZOWIE XL2746S」のほうがIPS液晶よりも圧倒的に高速であることがわかります。
最後に「ZOWIE XL2746S」の表示遅延(内部遅延)について測定を行いました。
モニタにはGPUのビデオ出力が送られてきてから実際にモニタに表示されるまで遅延が存在し、この遅延が大きいと例えば、FPSゲームでゲームパッドのトリガーやマウスのクリックによる操作からワンテンポ遅れて、マズルフラッシュが表示される、といった現象が発生します。人間は当然目で見てから操作するので、格闘ゲームやFPSゲームなど1,2フレームを争うような競技性の高いゲームにおいてはモニタの表示遅延が可能な限り小さいことが望まれます。
モニタの表示遅延測定においてはモニタ以外の要因で表示遅延に差が出ると問題があるので、検証モニタへビデオ出力を行うPCはCore i9 9900KとGeForce RTX 2080 Tiを搭載した次のベンチ機で統一しています。
テストベンチ機の構成 | |
CPU | Intel Core i9 9900K(レビュー) Core/Cache:5.1/4.7GHz, 1.300V 殻割り&クマメタル化(レビュー) |
CPUクーラー | Fractal Design Celsius S36(レビュー) Noctua NF-A12x25 PWM (レビュー) |
メインメモリ | G.Skill Trident Z Black F4-4400C19D-16GTZKK DDR4 8GB*2=16GB (レビュー) 4000MHz, CL17-17-17-37-CR2 |
マザーボード |
ASUS WS Z390 PRO (レビュー) |
ビデオカード | ZOTAC RTX 2080Ti AMP Extreme Core (レビュー) |
システムストレージ |
Samsung SSD 860 EVO M.2 1TB MZ-N6E1T0B/IT (レビュー) |
OS | Windows10 Home 64bit |
電源ユニット | Corsair HX1200i (レビュー) |
ベンチ板 | STREACOM BC1 (レビュー) |
キーボード | HyperX Alloy FPS メカニカルゲーミングキーボード (レビュー) |
モニタの表示遅延を測定する具体的な方法としては、キー押下時にそのキーのLEDが点灯するキーボードを使用して、LEDの点灯から画面表示への反映までの間隔を遅延時間として測定します。画面表示の確認については簡単にメモ帳を使用しています。この様子を「SONY DSC-RX100M5」の16倍速(960FPS)スーパースローモーションムービーで撮影し、遅延フレーム数を数えて遅延時間を算出します。同計測を各モニタ(と各リフレッシュレート)ごとに10回ずつ行って、その平均値を表示遅延とします。
「ZOWIE XL2746S」やその他の比較モニタの表示遅延の測定結果は次のようになりました。グラフの通りリフレッシュレートを上げると応答速度だけでなく表示遅延も改善するのでゲーマーにとってハイリフレッシュレート液晶モニタを選択するメリットは大きいです。
「ZOWIE XL2746S」については、同社旧製品のZOWIE XL2546と比べると同リフレッシュレートにおいて僅かに大きい表示遅延となりましたが、ほぼ誤差レベルの違いだと思います。
また上のグラフからはリフレッシュレートが上がると表示遅延が小さくなるという関係がわかります。「ZOWIE XL2746S」のような240Hzリフレッシュレートでは2019年に入って普及しつつある120~144HzのIPS液晶モニタよりも表示遅延がさらに小さくなります。
表示遅延が小さいメリットとしては、視認と操作の繰り返し応答が良くなることに加えて、例えば下の動画のように壁に隠れたターゲットが壁から出てきた時、画面に表示されるのが実際に速くなります。
ZOWIE XL2746SのFreeSync/G-Sync CPについて
続いて「ZOWIE XL2746S」が対応する可変リフレッシュレート同期機能「AMD FreeSync / NVIDIA G-Sync Compatible(VESA Adaptive-Sync)」についてチェックしていきます。「ZOWIE XL2746S」は製品公式ページにおいて対応の有無も含めてアピールされていませんが、FreeSyncやG-Sync Compatibleといった可変リフレッシュレート同期機能に実は対応しています。ただし「ZOWIE XL2746S」の最大の魅力であるモーションブラーリダクション機能DyAc+とは排他利用です。
モニタの画面更新(リフレッシュ)に関する基本的な予備知識や、「AMD FreeSync (VESA Adaptive-Sync)」と「NVIDIA G-Sync Compatible」の関係についてはこちらの記事を参考にしてください。
・ゲーミングモニタの選び方[3] FreeSyncとG-Sync Compatibleについて
なお当サイトのレビューではNVIDIA環境について、G-Syncモジュールが搭載されたモニタにおける可変リフレッシュレート同期機能を単純にG-Syncと呼び、AMD FreeSync(VESA Adaptive-Sync)に対応したモニタにおける可変リフレッシュレート同期機能はG-Sync CompatibleもしくはAdaptive-Syncと呼びます。またドライバでそのモニタが正式にサポートされている場合はG-Sync Compatible認証取得済みと補足します。
「AMD FreeSync (VESA Adaptive-Sync) / NVIDIA G-Sync Compatible」には対応可能なフレームレート(リフレッシュレート)の上限と下限が製品ごとに設定されており、「ZOWIE XL2746S」は48Hz~240Hzの範囲内で可変リフレッシュレート同期に対応しています。また「AMD FreeSync」に対応するビデオ入力はHDMI2.0とDisplayPort1.2の両方です。「NVIDIA G-Sync Compatible」に対応するビデオ入力は機能の仕様上、DisplayPortのみです。
AMD FreeSyncの使い方
可変リフレッシュレート同期「AMD FreeSync」を有効化する手順について説明します。AMD製GPU搭載PCの場合はRadeon設定のウィンドウ右上にある歯車アイコンを選択、トップメニュータブからディスプレイを選択の手順で表示される「Radeon FreeSync」のスライドスイッチから機能を有効化します。
また上で紹介した参考記事中で解説しているように、AMD FreeSyncではテアリング解消とマウス遅延低減のどちらを優先するかで垂直同期の有無を各自で選択する必要があります。垂直同期は通常ゲーム内設定でON/OFFの切り替えが可能ですが、ドライバ側が上書きしてゲーム内からは切り替えられない場合があります。ゲーム内で設定して希望通りの動作にならない時はRadeon Settingsのゲームプロファイルもチェックしてください。
NVIDIA G-Sync Compatibleの使い方
可変リフレッシュレート同期「NVIDIA G-Sync Compatible」を有効化する手順について説明します。2019年1月15日以降の最新ドライバによってNVIDIA GeForce環境でもAdaptive-Syncが利用可能になりました。ドライバの更新に合わせてG-Sync Compatible認証を取得するモニタが増えています。
417.71以降の最新ドライバをインストールして、DisplayPortビデオ出力にAdaptive-Sync対応モニタを接続すると、G-Sync対応モニタを接続した時と同様にAdaptive-Syncを有効化するための設定が、NVIDIAコントロールパネル上の「G-Syncの設定」に表示されます。
「G-SYNC、G-SYNCとの互換性を有効化(Enable G-SYNC, G-SYNC Compatible)」のチェックボックスをチェックして、下のモニタアイコンに使用するモニタの名前が表示・選択されていることを確認し、適用をクリックすればNVIDIA GeForce環境でAdaptive-Syncを有効化できます。
なお今回レビューする「ZOWIE XL2746S」のようにG-SYNC Compatible認証を取得していない一般のAMD FreeSync/VESA Adaptive-Sync対応モニタでも、互換性が検証されていないと注記が表示されますが、NVIDIA製GPU環境においてAdaptive-Syncを利用できます。
AMD FreeSync/NVIDIA G-Sync Compatibleの効果
可変リフレッシュレート同期機能「AMD FreeSync (VESA Adaptive-Sync) / NVIDIA G-Sync Compatible」の効果やメリットについて説明していきます。機能的にはほぼ同じなので以下まとめてFreeSyncと呼ぶことがあります。AMD FreeSync (VESA Adaptive-Sync) / NVIDIA G-Sync Compatibleの検証に際してはリプレイ機能があって同一シーンで検証がしやすいので「Project Cars 2」を使用しています。またフレームレートやテアリングの発生の様子を確認しやすいように、画面左上にはGPUフレームレートOSD、画面左端にはGPUフレームバッファで色の変わるカラーバーが表示されるようにしています。加えてモニタが対応していればモニタOSDのリフレッシュレート表示機能も使用します。
画面右上のフレームレートはGPUフレームバッファから算出されているので必ずしもリフレッシュレートとは一致しません。画面左端のカラーバーは連続するフレーム間、つまりn番目とn+1番目のフレームではそれぞれ異なる色になっているため、同時に複数色のカラーバーが表示されている画面はテアリングが発生していることを意味します。
まずは同期なし、垂直同期、FreeSync、FreeSync+垂直同期の違いを分かりやすく体感してもらうため、モニタリフレッシュレート60HzにおいてGPU側出力フレームレートが30FPS~60FPSの間で変動するようにして、「SONY DSC-RX100M5」の16倍速(960FPS)スーパースローモーションムービーで撮影して、画面表示の様子を比較してみました。
同期なしでは盛大にテアリングが発生し、垂直同期ではスタッター(カクつき)が発生しているのがわかります。一方でFreeSyncと垂直同期の両方を有効にした場合はテアリングもスタッターも発生しません。ただし例外として動画で50秒以降のフレームレートが40FPSを下回るとAMD FreeSyncの対応フレームレート外となるためスタッターが発生しています。またFreeSyncのみを有効にして垂直同期は無効の場合、同期なしと比べて圧倒的にテアリングが減っているのがわかります。ただし対応フレームレート内であっても稀にテアリングが発生し、対応フレームレート外では同期なし同様にテアリングが発生します。
続いて144Hzリフレッシュレートにおいて、GPU側出力フレームレートが100FPS前後で変動するようにして、先ほど同様に同期なし、垂直同期、FreeSync、FreeSync+垂直同期の様子を16倍速(960FPS)スーパースローモーションムービーで撮影して比較してみました。
FreeSync有効であれば同期なしのテアリングや垂直同期のスタッターに悩まされることなく滑らかで綺麗な映像が表示できています。FreeSyncの60Hz/50FPS前後と144Hz/100FPS前後を比較すると当然ですが後者の方がコマ割りが増えるので16倍速スローモーションでもスムーズに見えます。
FreeSyncのみを有効した時に映像フレームレートが対応フレームレート範囲外になるとテアリングが発生しますが、リフレッシュレートを上回ってしまう場合については、Radeon設定のRadeon Chillの最大FPSに”リフレッシュレートから3,4FPSを引いた値”を指定してください。(グローバル設定だけでなくゲームタイトル別に設定が可能)
なおNVIDIA GeForce環境でAdaptive-Syncを利用する場合も、フレームレートがリフレッシュレートを超過するとテアリングが発生するので、テアリングを完全になくすには垂直同期を有効化する必要があります。もしくは垂直同期無効においてテアリングをなくすには、NVIDIAコントロールパネルの「Max Frame Rate」に”リフレッシュレートから3,4FPSを引いた値”を指定してください。(グローバル設定だけでなくゲームタイトル別に設定が可能)
これの設定以外にもRivaTunerやNvidia Profile Inspectorを使用してゲーム内フレームレートがモニタリフレッシュレートを上回らないように設定することも可能です。
下の比較はいずれもFreeSyncが有効になっているのでスタッターもなく滑らかですが、単純にFreeSyncだけを有効にすると対応フレームレートの上限となるリフレッシュレートを超えた時にテアリングが発生します。
リフレッシュレートが144Hz(フレームレートの上限が144FPS)の場合は120FPS~140FPSが上限になるようにフレームレートに制限をかければ、マウス操作を低遅延しつつ、テアリングの発生も最小限に抑えて快適なゲームプレイが可能です。
またPUBGやCS:GOのようなオンライン対戦FPSや格闘ゲームなど1,2フレームを争う競技性の高いPCゲームでは、表示遅延(入力遅延)が発生する垂直同期は嫌われる傾向にありますが、144Hzや240Hzといったハイリフレッシュレートモニタにおいて、同期機能を無効化した場合に発生するテアリングがどのように影響するのか検証してみました。
テアリングはモニタ表示更新中のフレームバッファの更新で発生しますが、目で見た時の違和感はn番目とn+1番目のフレームの絵の差に影響されます。コマ割りが細かくなる高フレームレートではn番目とn+1番目の絵の違いは当然、低フレームレートの場合よりも小さくなります。そのため50FPSでは画面の分断のように知覚できたテアリングは、200FPSのような高フレームレートでは細かいノイズのような形で知覚されます。
100FPSを超える高フレームレートでは大きな分断に見えるテアリングの代わりに、細かいノイズのように感じるテアリングが増えてきます。『細かいノイズの発生程度であれば高リフレッシュレートモニタのテアリングは実用上は大した問題ではなく、可変リフレッシュレート同期機能は不要である』という意見がありますが、高リフレッシュレートモニタのアドバンテージとして先に解説した「ゲーム内遠方に存在して動いているエネミーやオブジェクトの視認性」と合わせて考えると、このノイズの有無は遠方の細かいエネミーやオブジェクトの発見に影響します。なので高リフレッシュレートモニタを使用するのであれば可変リフレッシュレート同期機能はあったほうがいい、というのが管理人の意見です。
ZOWIE XL2746SのDyAc+について
「ZOWIE XL2746S」にはZOWIE独自モーションブラーリダクション機能の改良版となる「DyAc+ (Dynamic Accuracy Plus)」が実装されています。登場当初こそ『ゲーム中の動きに”Clarity(明瞭さ)”を提供する』という売り文句を除けば、同機能に関する詳細な仕様についてはBenQからは公表されていませんが、現在では『DyAcは、CRT(ブラウン管)の現像原理をシミュレーションしたバックライトコントロール技術に基づいて、残像感軽減効果を生み出す独自技術です』と紹介されており、実際に動作を確認してみても「DyAc (Dynamic Accuracy)」は一般に言うところのMotion Blur Reduction(モーションブラーリダクション、残像抑制)機能の1種でした。
DyAc紹介ページ:https://zowie.benq.com/ja/what-is-dyac.html
モーションブラーリダクション機能についてはこちらの記事で簡単に紹介しているので、よくわからないという人は先に確認してみてください。
・ゲーミングモニタの選び方[2] モーションブラーリダクションについて
「ZOWIE XL2746S」のモーションブラーリダクション機能「DyAc+」については補正の強さ順にプレミアム、高、オフの3段階で設定でき、ほぼ全ての画質モードにおいて標準設定はプレミアム設定となっています。「ZOWIE XL2746S」のDyAc+はリフレッシュレートが100Hzから240Hzの時に使用でき、加えて輝度や応答速度のOSD設定も自由に行うことが可能です。
まずはモーションブラーリダクション機能「DyAc+」が具体的にどのような動作をしているのか確認していきます。「ZOWIE XL2746S」で240HzリフレッシュレートのDyAc+が動作している時の様子を5900FPSのスーパースローモーションムービーで撮影してみました。5900FPSで240Hz動作のモニタを撮影しているので、モニタが1回更新されるまでを撮影した動画は約25フレームに分割されます。
まずはDyAc+の設定を”高”設定にしたところ、モニタが1回更新されるまでは25フレームに分割されていますが、25フレームのうち7フレーム程度が完全に明転し、残りの18フレーム程度が完全に消灯しているのが分かります。なお輝度も0~100%で調整できますが明転/暗転時間に変化はなく、明転時のバックライト輝度だけが変化します。
一方でDyAc+の設定を”プレミアム”設定にしたところ、25フレームのうち4~5フレーム程度が完全に明転し、残りの21フレーム程度が完全に消灯しているのが分かります。なお輝度も0~100%で調整できますが明転時間に変化はなく、明転時のバックライト輝度だけが変化します。
なお120Hzや144Hz動作時はリフレッシュレートに合わせて明転と暗転の時間が変わります。(120Hzで高設定の場合は14:36で2倍に) またZOWIE XL2546など旧モデルに採用されるDyAc無印版と動作を比較したところ、高設定とプレミアム設定で明転/暗転時間の比率はDyAc+でもほぼ同じでした。
また黒フレーム挿入によるMotion Blur Reduction機能では、残像感を低減させる効果が期待できる反面、バックライトを消灯するので時間平均の輝度が下がって画面が暗くなるというデメリットが指摘されます。
しかしながら「ZOWIE XL2746S」のDyAc+は機能を有効にしても、同機能によって輝度が固定されず、標準動作と同様に0~100%で任意に輝度を調整でき、高設定で最大480cd/m^2、残像をより低減させるプレミアム設定でも430cd/m^2と非常に明るい画面表示が可能です。
明転/暗転時間の比率もDyAc+とDyAc無印では一致していたので、DyAc+における改良点は最大で500cd/m2に迫る高輝度を実現したところのようです。e-Sports大会の会場等で照明が非常に明るくても、モーションブラーリダクション機能を問題なく使えるようにしたのだと思います。
「ZOWIE XL2746S」に搭載された「DyAc+」などモーションブラーリダクション機能は、人の目の錯覚が引き起こす残像やボヤケを解消する機能なので、写真や動画を見せて残像が抑制されている様子を実際に見せるというような解説は厳密には不可能です。
そのためレビューでは管理人が試用してみたインプレッションを伝えることくらいしかできないのですが、「DyAc+」を有効にすると動いている物体の輪郭がクッキリとして確かに視認しやすくなりました。下の写真は管理人が「UFO Test: Strobe Crosstalk」を見た時の感覚を表現したイメージ図ですが、「DyAc+」を有効にすると輪郭のボヤケがなくなってネイティブスピードでも倍速ハイスピード動画のスローモーションで輪郭を追っている時に近い感覚で追従して見ることができました。
ZOWIE XL2746Sのレビューまとめ
最後に「ZOWIE XL2746S」を検証してみた結果のまとめを行います。簡単に箇条書きで以下、管理人のレビュー後の所感となります。良いところ
- 画面サイズ27インチでゲーミングモニタとしてはちょうどいいサイズ
- 応答速度に優れたTN液晶パネル
- 液晶パネルは反射防止のアンチグレア
- ビデオ入力はDisplayPort1.2とHDMI2.0とHDMI1.4とDVI-Dの計4系統
- DP1.2とHDMI2.0においてフルHD解像度で240Hzリフレッシュレートの高速動作
- 可変リフレッシュレート同期機能AMD FreeSync(VESA Adaptive-Sync)に対応
(DisplayPortとHDMIで48FPS~240FPSの範囲内で対応) - モーションブラーリダクション機能「DyAc+」を搭載
最大500cd/m2クラスの明るさなので環境照明に左右されず使える - 専用OSDコントローラー「S.Switch」が付属
- モニタスタンドの調整機能が便利
- モニタ側面に収納式のヘッドホンハンガーを搭載
- モニタ本体重量5.4kgかつVESAマウント対応でモニターアームを使用可能
- TN液晶パネル採用なので視野角が狭く、発色もIPS液晶採用製品に劣る
- 240Hz特化なオーバードライブ設定なので144Hzや60Hzではオーバーシュートが発生
- OSDクロスヘアやリアルタイムリフレッシュレートなど便利機能はなし
- 価格が8万円ほどと240Hz対応モニタとしては割高
「ZOWIE XL2746S」はネイティブ240Hzリフレッシュレート&ZOWIE独自のモーションブラーリダクション機能「DyAc+」によってe-Sports大会のリファレンスモニタを狙う製品だと言っても過言ではありません。DyAc無印の最大350cd/m2程度の輝度から、改良版のDyAc+で最大500cd/m2クラスの輝度を実現してきたのは、e-Sports大会の明るい照明でもMBR機能が問題なく使用できることを狙ったと見て間違いないと思います。
IPS液晶よりも高速なTN液晶による240Hzの高リフレッシュレートな映像表示に加えてモーションブラーリダクション機能「DyAc+ (Dynamic Accuracy Plus)」によって環境照明に左右されずかつてない明瞭さを実現できる「ZOWIE XL2746S」は、PUBGやCS:GOやOverWatchやApex Legendsといったオンライン対戦FPSゲームで、とにかく勝ちを狙うガチゲーマーにとって大きな武器になるはずです。
一方でやはりTN液晶パネルは視野角が狭く、発色もIPS液晶パネルに劣るので、画面の見やすさでは240Hz対応IPS液晶モニタに軍配が上がります。厳密にチェックしていくと応答速度はTN液晶パネルの「ZOWIE XL2746S」の方が高速ですが、グレー背景での応答速度比較で見たように一般的なゲームシーンを想定すると意外と見え方に差がないと感じる可能性もあります。
”勝つことこそ至上命題”というユーザーにとっては「ZOWIE XL2746S」は最適解だと思いますが、ブラウジングなど普段使いもしたい、綺麗な画面で高画質PCゲームもプレイしたい、ということであれば240Hz対応のIPS液晶モニタを選択するのが無難です。
また、あまりアピールされていませんが「ZOWIE XL2746S」は可変リフレッシュレート同期機能「AMD FreeSync (VESA Adaptive-Sync)」に対応しています。FreeSync対応フレームレートとして48FPS~240FPSの幅広いフレームレートをカバーしており、60FPS前後しか維持できない最新の高画質な重いゲームから、100FPS以上を維持できる競技性の高い軽めなゲームまで、テアリングやスタッターのないクリアで滑らかな表示を実現します。
これまではAMD製GPUを搭載した環境でしか使用できない機能でしたが、19年1月からはNVIDIA製GPUでも可変リフレッシュレート同期機能Adaptive-Syncが利用できるようになったので間口もかなり広くなったと思います。
以上、「ZOWIE XL2746S」のレビューでした。
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ZOWIE XL2746S レビュー
— 自作とゲームと趣味の日々 (@jisakuhibi) April 20, 2020
良い
✅フルHDで240Hzリフレッシュレート
✅モーションブラーリダクション機能「DyAc+」を搭載
最大500cd/m2で照明に左右されない
✅G-Sync CPに対応(DyAc+と排他)
✅専用OSDコントローラーS.Switch
悪いor注意
⛔TN液晶なので視野角が狭いhttps://t.co/SYrfIZTvve
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(注:記事内で参考のため記載された商品価格は記事執筆当時のものとなり変動している場合があります)
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>「Pixio PX247」に搭載されていないのは少し残念です。
誤字ですかね?