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GeForce RTX 3080グラフィックボードとしてPalitからリリースされた、3スロット占有3連ファンGPUクーラー搭載モデル「Palit GeForce RTX 3080 GamingPro(型番:NED3080019IA-132AA)」をレビューします。
GeForce RTX 3080搭載GALLERIA(ガレリア) ゲーミングBTO PCの中身、「Palit GeForce RTX 3080 GamingPro」(もしくはGamingPro OC)の冷却性能と静音性について徹底検証していきます。
製品公式ページ:https://www.palit.com/palit/vgapro.php?id=3739&lang=jp
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Palit GeForce RTX 3080 GamingPro レビュー目次
1.Palit GeForce RTX 3080 GamingProの外観
2.Palit GeForce RTX 3080 GamingProの分解
3.Palit GeForce RTX 3080 GamingProの温度・ファンノイズ
4.Palit GeForce RTX 3080 GamingProのレビューまとめ
Palit GeForce RTX 3080 GamingProの外観
早速、Palit GeForce RTX 3080 GamingProを開封していきます。キャラメルボックス型の外スリーブから取り出した黒色段ボールの内パッケージを開くと、スポンジスペーサー&静電防止エアパッキン袋という一般的な梱包でグラフィックボード本体が鎮座していました。
付属品はクイックマニュアルとPCIE 6PIN*2 to PCIE 8PIN変換ケーブル、そしてアクリルプレート型GPUホルダー「SAG Holder」です。
「Palit GeForce RTX 3080 GamingPro」のグラフィックボード本体を見ていきます。
「Palit GeForce RTX 3080 GamingPro」の外装の大部分は黒色プラスチック製ですが、中央から右を覆うように装着された銀色のアルミニウムプレートの光沢とのコントラストで安っぽさは感じません。近年のPalit製オリファンモデルのデザインとしてはかなり当たりな気がします。
GPロゴの描かれた中央を左上から右下に縦断するラインにはアドレッサブルLEDイルミネーションが内蔵されており、七色に点灯します。
「Palit GeForce RTX 3080 GamingPro」の全長は294mmとなっており、300mm超のモデルも多いRTX 3080オリファンモデルとしては比較的に短い製品です。とはいえほぼ300mmなので、近年主流なオープンスペースタイプのPCケースなら干渉の心配はありませんが、PCケースフロントにストレージベイがある少し古めのPCケースではグラフィックボード設置スペースのクリアランスに注意が必要です。
「Palit GeForce RTX 3080 GamingPro」は全長こそ長いものの基板とGPUクーラーがPCIブラケットの高さとほぼ同じ背の低いデザインです。
「Palit GeForce RTX 3080 GamingPro」の3連ファンGPUクーラーには85mm径の冷却ファンが3基設置されています。3基のファンは「左&中央」と「右」の2つに分けて、専用アプリケーションで個別に速度制御が可能です。
「Palit GeForce RTX 3080 GamingPro」はTDP300W超の発熱に対応するため、大型放熱フィンを採用したヒートシンクが搭載されており、PCIEスロットを3スロット占有します。
「Palit GeForce RTX 3080 GamingPro」の補助電源数はRTX 3080としては一般的なPCIE 8PIN×2となっています。
「Palit GeForce RTX 3080 GamingPro」のビデオ出力はHDMI2.1×1、DisplayPort1.4×3の4基が実装されています。
「Palit GeForce RTX 3080 GamingPro」にはオリジナルイラストのプリントされた金属製バックプレートが装着されています。基板の反りや破損を防止する保護プレートとしての役割に加えて、背面に実装されたVRAMチップとの間にはサーマルパッドが貼られているので冷却補助の役割を果たします。
「Palit GeForce RTX 3080 GamingPro」のバックプレート右端にはヘックス型エアスリットが設けられており、ファンからヒートシンクを通って背面に直接風が抜けるフロースルー構造が採用されています。
なおグラフィックボードの重量はPalit GeForce RTX 2080 Ti GamingPro OCが1270g、Palit GeForce RTX 3090 GamingPro OCが1190gに対して、Palit GeForce RTX 3080 GamingProは1182gでした。RTX 2080 Tiの同モデルよりも軽量になっているのはかなり意外です。
バックプレート等で基板の反りは防止されていますが、重量は1kgを軽く超過しているのでPCIEスロットへの負荷を考えると、付属のGPUホルダーを使用するか、市販のVGAサポートステイなどで垂れ下がりを防止したほうがいいかもしれません。
ちなみにGeForce RTX 3080を搭載するGALLERIAの新型PCケースでは超重量級グラフィックボードを強固に保持するGPUホルダー「リジッドサポート」が付属します。(一部モデルではカスタマイズ対象)
GALLERIAの新型PCケースは自作PCユーザーの目線から見ても非常に拡張性が高く、ユーザビリティーに優れた設計になっていて、見た目もスマートでカッコいいので、自作PC専用筐体を採用するBTO PCメーカーの中でも特にオススメです。
・「ガレリア専用 SKケース (ATX)」をレビュー。新生GALLERIAを完全解説
Palit GeForce RTX 3080 GamingProの分解
「Palit GeForce RTX 3080 GamingPro」を分解してGPUクーラーやグラフィックボード基板についてチェックしていきます。なおGPUクーラーの取り外し(分解行為)はグラフィックボードの正規保証の対象外になる行為です。今回はレビューのために自己責任で分解しておりますが、繰り返しますが保証対象外になるので基本的には非推奨の行為なのでご注意下さい。
Palit GeForce RTX 3080 GamingProは金属製バックプレートを搭載していますが、バックプレートは10カ所のネジで固定されています。
10か所のネジを外すとバックプレートは簡単に取り外しが可能です。背面のVRAMチップはサーマルパッドを介して接しており、バックプレートは基板背面の保護に加えて放熱板としての役割も果たしています。
GPUクーラー本体は基板裏面のコア周辺4カ所とPCIEブラケット側2か所のネジ6個で固定されていました。
6か所のネジを外すとケーブルの着脱にやや苦戦するもののGPUクーラーは容易に取り外しができます。
GPUクーラー本体には金属製フレームが統合されていますが、四隅のネジで固定されているだけなので、金属製フレームも簡単に取り外しが可能です。
「Palit GeForce RTX 3080 GamingPro」にはリファレンス基板が採用されています。GeForce RTX 3080搭載グラフィックボードにおいて各社で使用されるリファレンス基板にピッタリと準拠しています。(RTX 3090/3080では逆にリファレンス基板の採用が少ないので、もはや”リファレンス”と呼んでいいものか悩みますが。)
「Palit GeForce RTX 3080 GamingPro」はRTX 3080リファレンス基板が採用されているので、EKWB製のRTX 3080リファレンス基板用水冷ブロックでDIY水冷化が可能です。
「Palit GeForce RTX 3080 GamingPro」はドスパラ専売であるものの、流通数が多くて入手しやすく、またPCIEブラケットが基板左端の上下2か所に加えて、さらにビデオ出力側にもベースプレートとは別に3か所ネジ止めポイントがあり、水冷化に最適なモデルです。
GeForce RTX 3080のGPUコアにはGA102-200-A1が使用されていました。
GDDR6Xメモリは今のところ1社しか量産していないのでMicron製。今回入手した「Palit GeForce RTX 3080 GamingPro」にはMicron製の8GbのGDDR6Xメモリチップが表面に合わせて10枚搭載されています。
「Palit GeForce RTX 3080 GamingPro」のVRM電源回路はGPUコア&VRAMを挟むようにして右側に6フェーズ、左側に11フェーズで計17フェーズが実装されています。17フェーズのうちGPUコアが14フェーズ、VRAMメモリが3フェーズです。
「Palit GeForce RTX 3080 GamingPro」ではVRM電源回路およVRAMチップの冷却用ヒートシンクとして、上で紹介した金属製フレームが使用されており、MOSFETやVRAMチップとはサーマルパッドを介して接しています。
また金属製フレームもそれ自体の放熱フィンによって冷却するだけでなく、GPUコア周辺部でサーマルパッドを介してGPUクーラーヒートシンク本体と接しています。
とはいえ、「Palit GeForce RTX 3080 GamingPro」の金属フレームは基板補強としては十分な強度があるものの、面積が狭い(フレームが細い)のでVRM電源ヒートシンクとして十分な放熱性能を発揮できるのか気になるところ。
「Palit GeForce RTX 3080 GamingPro」のGPUクーラー本体をチェックすると、GPUコアと接する部分は銅製ベースプレートが採用され、ベースコアからは6本の銅製ヒートパイプが伸び、アルミニウム製放熱フィンが3スロットスペース内いっぱいに展開されています。
GPUコアと接する部分には冷却性能の高さで定評のある銅製ベースプレートが採用されて、ニッケルメッキ処理も施されています。またVRAMチップとVRM電源回路は別の金属製フレームで冷却する構造ですが、金属製フレーム自体もGPUコア周辺でヒートシンク本体とサーマルパッドを介して接しているので、理想的ではありませんが悪いとも言い辛く、評価が難しいところ。
GPUコアと接するベースプレートからは6本の極太ヒートパイプが左右に抜ける構造で、GPUクーラーヒートシンクの放熱フィン全体へ効率的に熱を拡散します。
3スロットを占有するGPUクーラー内いっぱいにアルミニウム製放熱フィンが整然と並び収められている様は圧巻です。
Palit GeForce RTX 3080 GamingProの温度・消費電力・ファンノイズ
「Palit GeForce RTX 3080 GamingPro」の負荷時のGPU温度やファンノイズや消費電力についてチェックしていきます。最初に、Palit GeForce RTX 3080 GamingProに搭載されているGPU「GeForce RTX 3080」のスペックについて簡単に確認しておきます。
「GeForce RTX 3080」はGA102-200コアが使用されておりCUDAコア数は8704、GPUコアクロックはベース1440MHz、ブースト1710MHzです。VRAMには従来よりも高速な19.0GbpsのGDDR6Xメモリを10GB容量搭載しています。典型的なグラフィックボード消費電力を示すTGPは320Wに設定されており、PCIE補助電源として8PIN×2以上を要求します。
「Palit GeForce RTX 3080 GamingPro」については、リファレンス仕様の通りブーストクロックは1710MHz、パワーリミット(TGP)もまたリファレンス通り350Wに設定されています。電力制限は+9.4%で最大350Wまで解除が可能です。
NVIDIA GeForce RTX 3090/3080/3070 詳細スペック比較 | ||||
GPU名 | RTX 3090 |
RTX 3080 | RTX 3070 |
RTX 2080 Ti |
GPUダイ | GA102-300 | GA102-200 | GA104-300 | TU102-300 |
製造プロセス | Samsung 8nm |
Samsung 8nm | Samsung 8nm | 12nm FinFET |
CUDAコア数 | 10496 | 8704 | 5888 | 4352 |
TMU/ROP | -/- | -/- | -/- | 272/88 |
ベースクロック | 1395MHz | 1440MHz | 1500MHz | 1350MHz |
ブーストクロック (FE) |
1695MHz | 1710MHz | 1725MHz | 1545MHz (1635MHz) |
メモリ | 24GB GDDR6X | 10GB GDDR6X | 8GB GDDR6 | 11GB GDDR6 |
バス幅 | 384-bit | 320-bit | 256-bit | 352-bit |
メモリクロック | 4875 MHz | 4750 MHz | 4000 MHz | 3500 MHz |
有効メモリクロック | 19500 MHz | 19000 MHz | 16000 MHz | 14000 MHz |
メモリ帯域 | 936 GB/s | 760 GB/s | 512 GB/s | 616 GB/s |
PCIEレーン | PCIE4.0x16 | PCIE4.0x16 | PCIE4.0x16 | PCIE3.0x16 |
マルチGPU |
NVLink SLI | - | - | NVLink SLI |
TGP(TDP) | 350W |
320W | 220W | 250W (FE:260W) |
補助電源 |
8PIN×2~ | 8PIN×2~ | 8PIN×1~ | 8PIN×2~ |
対応ビデオ出力 |
DP1.4 HDMI2.1 |
DP1.4 HDMI2.1 |
DP1.4 HDMI2.1 |
DP1.4 HDMI2.0 USB Type-C |
登場時期 |
20年9月24日 |
20年9月17日 | 20年10月 | 18年9月 |
価格 | 1499ドル~ | 699ドル~ | 499ドル~ | 999ドル~ FE:1199ドル |
「Palit GeForce RTX 3080 GamingPro」のGPU温度とファンノイズの検証負荷としては約20分間に渡たり連続してGPUに100%近い負荷をかける3DMark TimeSpy Stress Testを使用しています。
Palit GeForce RTX 3080 GamingProのテスト終盤におけるGPU温度は最大71度、ファン回転数は最大1800~1900RPM程度に達しています。300Wを超えるTGPのGPUを冷やしていることを考えればファン速度は高いものの、GPU温度が70度台前半に収まっているので、まずまずの結果、及第点は与えられるレベルだと思います。
意外なことにTGP350WのPalit GeForce RTX 3090 GamingPro OCでもGPU温度とファン速度はそう大きく変わりません。
「Palit GeForce RTX 3080 GamingPro」はアイドル時にファンが停止するセミファンレス機能に対応し、ファンの始動閾値は50度前後、停止閾値は40度前後でヒステリシスループになっています。また製品によっては回転数が上下してふらつくことの多い始動直前や停止直前も、閾値を下回った瞬間にピタッと切り替わっています。
GPUコアクロックについては「Palit GeForce RTX 3080 GamingPro」の仕様値ではブースト1710MHzとなっていましたが、負荷テスト中の実動平均は1786MHzとなりました。
また実用条件に近い冷却性能の検証として、実際にPCケースへ「Palit GeForce RTX 3080 GamingPro」を組み込み、Time Spy Extreme グラフィックテスト1を1時間に渡ってループさせてGPU温度やファン回転数がどうなるかを確認してみました。
検証機材のPCケースには「Cooler Master MASTERCASE MAKER 5t」を使用しています。CPUクーラーは120サイズ簡易水冷でラジエーターを天面前方に設置、またPCケースのフロントに吸気ファンとして2基とリアに排気ファンとして1基の140mm角ケースファンをそれぞれ設置し、ファン回転数は1000RPMに固定しています。
PCケースに入れた状態で長時間負荷をかけると「Palit GeForce RTX 3080 GamingPro」のGPUの最大温度は76度に、ファン回転数も2200RPM程度に達し、ベンチ板上での測定よりも300RPM程度上昇しています。ファン回転数が2000RPMを超過してくると流石にPCケースに入れていてもファンノイズが耳に届いてきます。PCを置く距離に依っては煩く感じることもありそうです。
「Palit GeForce RTX 3080 GamingPro」のGPUクーラーは内排気ファンということもありPCケースの吸排気を最適化しないと冷却効率が下がるので、フロントx2/リアx1で140mmファンを設置して1000RPMで回していますが、さすがに300Wを超えるTGPなので、ベンチ板での比較的に理想な環境のままとはいきませんでした。実際にPCケースへ組み込むユーザーはPCケースの吸排気にも注意してみてください。
GALLERIAの新型PCケースは自作PCユーザーの目線から見ても非常に拡張性が高く、ユーザビリティーに優れた設計になっています。詳細レビューも公開しているので是非、参考にして下さい。
・「ガレリア専用 SKケース (ATX)」をレビュー。新生GALLERIAを完全解説
加えて1時間のストレステスト終盤にスマホで使用できるサーモグラフィカメラ「FLIR ONE Pro」(レビュー)を使用してゲーム負荷時のグラフィックボード上の各所の温度をチェックしました。
「Palit GeForce RTX 3080 GamingPro」は、バックプレート表面や、背面や側面の隙間から確認できるPCB基板上のVRM電源回路やPCIE補助電源コネクタ付近の温度は、ホットスポットの最大値で80度後半から90度付近に達しています。
TGP320WなのでVRM電源周りの発熱も大きいのですが、金属製バックプレートも放熱板として活用することで、なんとか100度を超えないように抑えきっています。
Palit GeForce RTX 3080 GamingProを含めていくつかのグラフィックボードについてサウンドレベルメーターを利用してゲーム負荷時のノイズレベルを測定・比較しました。
検証機材はベンチ台の上に平置きにしているので、サウンドレベルメーターをスタンドで垂直上方向に50cm程度離して騒音値を測定しています。
この測定方法において電源OFF時の騒音値は30dB未満です。目安として騒音値が35dBを超えたあたりからファンノイズがはっきりと聞こえるようになりますが、35~38dB以下であればPCケースに入れてしまえばファンノイズが気になることはそうそうないと思います。40dB前後になるとベンチ台上で煩く感じ始め、45dBを超えるとヘッドホンをしていてもはっきり聞き取れるくらいになります。
A特性で測定しているのである程度は騒音値にも反映されていますが、同じ騒音値でも周波数(ファン回転数)が高いほど体感としては大きな音に感じやすく、また不快に感じたり感じなかったりは音の性質(細かい乱高下の有無や軸ブレ)にもよるので注意してください。
ノイズレベルの測定結果は次のようになっています。
Palit GeForce RTX 3080 GamingProのファンノイズは1800RPMという高めなファン回転数の通り、騒音値も37.2dBと高めです。とはいえ38dB未満であればまだPCケースに入れてしまえば煩く感じることはないレベルに収まります。
ただしPCケース内に入れた時のファン速度2200RPMをベンチ台上で測定するとノイズレベルは42.9dB程度なので、測定時の体感の通り、PCケースに入れてもファンノイズがハッキリと聞こえ、PCとの距離によっては煩く感じてしまいます。PCケースの吸排気次第でもあるので、ケースファンのファンノイズとの兼ね合いで上手くトータルのシステムとして静音動作を狙っていきたいところです。
Palit GeForce RTX 3080 GamingProの消費電力と瞬間的な最大電源負荷を測定しました。
測定負荷には上で行った温度検証と同様に3DMark TimeSpy ストレステストを使用しています。テスト全体から1秒間隔でモニタリングを行い、平均値を”消費電力”、最大値を”瞬間的な最大電源負荷”とします。なお電源ユニットに対する実際の最大瞬間負荷は測定値より50~100W上回る場合があるので、電源ユニットの電源容量選択の参考にする場合は注意してください。
消費電力の測定は電源ユニット「Corsair HX1200i」のCorsair Linkによる電力ログ機能を用いてコンセントからの入力ではなく変換ロスを差し引いたシステムへの出力電力をチェックしています。また電力測定の際は上記の主電源ユニットに加えて、CPUへの電力供給を行うEPS端子へ接続するために別の副電源ユニットを使用しています。
この方法であれば、CPU(後述のiGPUも)に負荷をかけても、CPUによる消費電力の変動はメイン電源ユニットCorsair HX 1200iの測定値には影響しません。しかしながら、測定値にはまだATX24PIN経由で供給されるマザーボードやDDR4メモリの電力が含まれるので、iGPUを使用した時の3DMark TimeSpy ストレステスト中の消費電力と最大電源負荷を同様に測定し、各種グラフィックボード使用時と差分を取る形でグラフィックボード単体の消費電力と最大電源負荷を算出します。
Palit GeForce RTX 3080 GamingProの消費電力は314W、最大瞬間負荷は445Wでした。Palit GeForce RTX 3080 GamingProのTDP(パワーターゲット)は320Wに設定されており、TDP350WのRTX 3090と比較して+30W程度で、概ね仕様値通りの消費電力になっていると思います。
GeForce RTX 3080は性能の伸びも大きいですが、同時にグラフィックボードの消費電力も増大しています。300W越えというと従来ではハイエンドGPUをかなりアグレッシブにOCしたモデルでもないとなかなかお目にかかれない数値なので、リファレンス仕様でここまでの電力を許容してきたのはかなり意外でした。
とはいえGPU消費電力が高くでも、大きくて高性能なGPUクーラーさえ積んでいれば、しっかり冷やせて、なおかつ静かであるということも上の検証で見た通りです。
GeForce RTX 3080を導入するにあたっては、公式仕様で指定されているように電源容量は850W以上の電源ユニットを組み合わせ、PCケースの吸排気も十分に確保する、という2点にさえ注意すれば問題なく運用できるレベルの製品を各社用意していると思います。
Palit GeForce RTX 3080 GamingPro レビューまとめ
最後に「Palit GeForce RTX 3080 GamingPro」を検証してみた結果のまとめを行います。簡単に箇条書きで以下、管理人のレビュー後の所感となります。良いところ
- 4K/120FPSゲーミングにも対応可能、4KゲーミングモンスターなGPU
- RTX 2080を実ゲームで60%以上も上回るグラフィック性能
- 前世代最上位モデルRTX 2080 Tiと比較しても30%程度も高速
- 699ドルからなので奮発すれば手を出せるハイエンドGPU
- TGP320Wの発熱を騒音値38dB未満で冷やしきる静音性
- 全長300mmと非常に長いのでPCケースとの干渉に注意
- ケース内吸排気次第ではファンノイズが煩く感じるかも
NVIDIA GeForce RTX 30シリーズのナンバリングモデルで上から2番目に位置する「GeForce RTX 3080」は、前世代同クラスとGeForce RTX 2080と比較して60%以上(マイナーアップデート版のRTX 2080 SUPER比で54%程度)、前世代最上位GeForce RTX 2080 Tiと比較しても30%程度も上回るグラフィック性能を実現し、前世代から圧倒的な飛躍を遂げています。
鏡面や影の表現がよりリアルになる高画質レンダリング機能「Raytracing(レイトレーシング)」に対応し、4K/60FPS+のラグジュアリーな超高画質PCゲーミングや、フルHD/240FPSのスーパーハイフレームレートなPCゲーミングに最適なハイエンドGPUです。
2020年最新の超高画質なPCゲームですら素の最高画質設定で4K/60FPSをキープでき、高画質設定のまま4K/120FPSのハイフレームレートで快適なプレイも難しくなく、RTX 3080は4Kゲーミングモンスターの登場といっても過言ではありません。
4K解像度の60FPS~120FPSに対応可能なGeForce RTX 3080を使用するのであれば、4K/144Hzゲーミング液晶モニタ「LG 27GN950-B」、4K/120Hz有機ELの「Alienware 55 AW5520QF」や「LG OLED TV 48CXPJA」など4K解像度&ハイリフレッシュレートなディスプレイと組み合わせてラグジュアリーなゲーミング環境を構築したいところです。
その他にもバトルロイヤル系ゲームに最適な240Hzオーバーの超高速ゲーミングモニタと組み合わせてガチで勝利を狙うゲーマーにもフルHDで高FPSを稼げるRTX 3080はオススメです。
・240Hz+の超ハイリフレッシュレートなゲーミングモニタのレビュー記事一覧へ
「Palit GeForce RTX 3080 GamingPro」については、TGP320Wの発熱に対して、同測定環境においてノイズレベル38dB未満という静音性を発揮しました。PCケースに入れてしまえばファンノイズが気になることはない程度のレベルです。
RTX 3080オリファンモデルの中には33~35dB程度に収まるさらに静音性にすぐれた製品もあるので、それらと比べると見劣りするのですが、実用的にファンノイズがメチャクチャ煩いということもないので、及第点には達していると思います。
RTX 3080搭載ガレリアBTO PCの中身と考えると、理想的なノイズレベル38dB程度で運用できればPCケースを超えてファンノイズが煩く感じることはまずありませんが、吸排気次第でGPUクーラーの冷却効率が下がってしまうとファンノイズも徐々に増していくため、RTX 3080搭載ガレリアBTO PCのメーカーにはその辺りをトータルのシステムとして静かになるよう、上手くチューニングして欲しいところです。
以上、「Palit GeForce RTX 3080 GamingPro」のレビューでした。
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GeForce RTX 3080グラフィックボード「Palit GeForce RTX 3080 GamingPro」をレビュー。
— 自作とゲームと趣味の日々 (@jisakuhibi) October 20, 2020
GeForce RTX 3080搭載GALLERIA(ガレリア) ゲーミングBTO PCの中身の冷却性能と静音性について徹底検証していきます。https://t.co/08I1o0F01U
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(注:記事内で参考のため記載された商品価格は記事執筆当時のものとなり変動している場合があります)
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