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メモリ周波数4000MHz/メモリタイミング18-22-22-42のOCプロファイルによるメモリオーバークロックに対応、AMD Ryzenプラットフォームでの互換性もアピールされている16GB×2=32GBのDDR4メモリキット「Team T-FORCE Dark Zα(型番:TDZAD432G4000HC18JDC01-AM)」をレビューします。
製品公式ページ:https://www.teamgroupinc.com/jp/product/dark-z-alpha-ddr4
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Team T-FORCE Dark Zα レビュー目次
1.Team T-FORCE Dark Zαの外観
2.メモリOC検証機材、メモリOCの基本と手順
3.Team T-FORCE Dark Zα TDZAD432G4000HC18JDC01-AMのメモリOCを試す
4.Team T-FORCE Dark Zαのレビューまとめ
---【注意】--------------------------
メモリOCで有名なXMPプロファイルは「インテル エクストリーム・メモリー・プロファイル」の略称でありIntelの策定した規格なので、AMD Ryzen/Ryzen Threadripper環境において”XMPでOCする”等の表現をするのは厳密には正しくありません。ただしXMPプロファイルに収録されたメモリ周波数とタイミングの設定値からAMD Ryzen環境に合わせたメモリOCプロファイルを自動生成する機能として、「ASUS D.O.C.P」や「MSI A-XMP」などが各社マザーボードのBIOS上に機能として用意されているので、AMD製CPU環境においてもXMPプロファイルを流用したメモリOCを当記事中では便宜上細かいことを気にせずに”XMPを使用したOC”などXMPとして表記します。
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【機材協力:Team Japan】
Team T-FORCE Dark Zαの外観
まず最初に「Team T-FORCE Dark Zα TDZAD432G4000HC18JDC01-AM」の外観をチェックしていきます。同社のハイエンドブランド製品であるT-FORCE Xtreem ARGB DDR4シリーズは専用の紙製パッケージに梱包されていますが、「Team T-FORCE Dark Zα」はブリスターパックの簡易梱包です。
ブリスターパックを開けると「Team T-FORCE Dark Zα TDZAD432G4000HC18JDC01-AM」はデュアルチャンネル対応の16GB×2枚組メモリキットなのでブリスターパックに2枚のメモリが収められていました。
「Team T-FORCE Dark Zα」は、羽ばたく鳥の翼を模したようなT-FORCEロゴと似た造形で、艶のあるブラックカラーのアルミニウム製ヒートシンクが装着されています。中央には銀色のT-FORCEロゴがあり、右下には白字でDark Zαと刻印されています。
「Team T-FORCE Dark」のヒートシンクは、0.8mmの一体型アルミニウムにパンチプレス加工を施して成型され、本体構造が強化されています。また陽極酸化処理によるカラーリングは高耐食性かつ非伝導性です。メモリICとの接着に熱伝導性接着剤を使用することで放熱性を高めています。
ヒートシンク上面についてチェックすると、Team T-FORCE Dark Zαではアルミニウム製ヒートシンクの中央に、T-FORCEロゴがある以外は装飾もありません。
Team T-FORCE Dark Zαの全高は約43.5mmとなっており、ヒートシンク付きメモリとしては高過ぎず、かといってロープロファイルでもなくという塩梅です。
メモリOC検証機材、メモリOCの基本と手順
「Team T-FORCE Dark Zα」の定格動作やXMP/手動設定を使用したオーバークロックの検証を行う前に、検証機材の紹介と、メモリOCの基本・手順についての説明をしておきます。「Team T-FORCE Dark Zα TDZAD432G4000HC18JDC01-AM」の検証を行う環境としては、Core i9 10900K&Z490マザーボード、Ryzen 7 PRO 4750G&B550マザーボードで構成される検証機を用意しました。
テストベンチ機の構成 | ||
CPU |
Intel Core i9 10900K (レビュー) |
AMD Ryzen 7 PRO 4750G (レビュー) |
M/B | ASUS ROG MAXIMUS XII EXTREME (レビュー) |
GIGABYTE B550I AORUS PRO AX (レビュー) MSI MPG B550I Gaming Edge WiFi (レビュー) |
CPUクーラー | Fractal Design Celsius S36 (レビュー) Noctua NF-A12x25 PWM (レビュー) |
Corsair H150i PRO RGB (レビュー) Noctua NF-A12x25 PWM (レビュー) |
グラフィックボード |
MSI GeForce GT 1030 2GH LP OC ファンレス (レビュー) |
|
システム ストレージ |
Samsung 860 PRO 256GB (レビュー) |
|
OS | Windows10 Home 64bit | |
電源ユニット |
Corsair HX1200i (レビュー) | |
ベンチ板 | STREACOM BC1 (レビュー) |
ベンチ機のシステムストレージにはSamsung製MLCタイプ64層V-NANDのメモリチップを採用する18年最速のプロフェッショナル向け2.5インチSATA SSD「Samsung SSD 860 PRO 256GB」を使用しています。Samsung SSD 860 PROシリーズは容量単価が高価ではあるものの、システムストレージに最適な256GBや512GBモデルは製品価格としては手を伸ばしやすい範囲に収まっており、Intel Core-XやAMD Ryzen TRのようなハイエンドデスクトップ環境はもちろん、メインストリーム向けでもハイパフォーマンスな環境を目指すのであれば、システムストレージ用に一押しのSSDです。
・「Samsung SSD 860 PRO 256GB」をレビュー
メモリについては必要な容量(現在のゲーミングデスクトップPCなら16~32GBあれば十分)さえ満たせば、OCによる性能の向上はCPUやGPUのOCに比べると実感しにくい部類である、というのがIntel環境における通説でした。そのため管理人も一口にOCメモリと言っても性能向上を狙うよりはオシャレなヒートシンク目当てに自作PCの装飾的な感覚で購入するのが個人的にはオススメな買い方だと思っていました。
しかしながらAMD RyzenおよびAMD Ryzen Threadripper環境では、『Infinity FabricというCPU内外のコンポーネントを相互接続するインターコネクトの動作周波数がメモリ周波数に同期する』という構造上、メモリ周波数がエンコードや3Dゲームを含めた総合的なパフォーマンスに大きく影響することが知られています。 またIntel環境においても144FPS~240FPSのハイフレームレートなPCゲーミングではCPUボトルネックの緩和にメモリ周波数のOCが効いてきます。
OCメモリの選び方や具体的なオーバークロックの設定方法については、こちらの記事を参考にしてください。
・【できる!メモリOC】 OCメモリの選び方から設定まで完全解説
Team T-FORCE Dark Zα TDZAD432G4000HC18JDC01-AMのメモリOCを試す
「Team T-FORCE Dark Zα TDZAD432G4000HC18JDC01-AM」を、Intel第10世代Core-S&Z490マザーボードや、AMD Ryzen 4000G&B550マザーボードの検証機材にセットアップしてメモリオーバークロックの動作検証を行っていきます。Team T-FORCE Dark Zαシリーズにはメモリ周波数3200MHz~4000MHzまでのXMPプロファイル、メモリ容量/枚数が8GB×2=16GB or 16GB×2=32GBなどいくつかのモデルがラインナップされています。
なおOCプロファイル(XMP)についてはあくまでメーカーによる”動作確認済み”の選別品であって”動作保証ではない”ので注意してください。マザーボードやCPUとの相性によってはXMPプロファイル通りに動作しない場合もあります
OCプロファイルによるメモリ周波数4000MHz/メモリタイミングCL18のオーバークロックに対応する16GB×2=32GBメモリキット「Team T-FORCE Dark Zα TDZAD432G4000HC18JDC01-AM」については、Hynix製の2Rankメモリモジュールが採用されていました。(製品型番およびスペックはそのままでも、メモリモジュールについてはロットやバージョンで変更される可能性があります。)
前置きはこの辺りにして「Team T-FORCE Dark Zα TDZAD432G4000HC18JDC01-AM」のメモリOCを実践していきます。
まずはIntelのメインストリーム向けCPUである第10世代Core-Sの10コア20スレッドモデルCore i9 10900KとZ490マザーボードの環境で「Team T-FORCE Dark Zα TDZAD432G4000HC18JDC01-AM」のOCプロファイルによるOCを実践してみました。Intel Z490マザーボードにはASUS ROG MAXIMUS XII EXTREMEを使用しています。
BIOSから行うOC設定として、特にひねりもなくメモリに収録されたOCプロファイルを適用しました。
Intel第10世代CPU&Z490環境は高速なメモリ周波数も比較的に安定しやすいプラットフォームということもあって、OCプロファイルを適用するだけで、1枚当たり16GBの大容量メモリモジュール2枚組でメモリ周波数4000MHz&メモリタイミング18-22-22-42の高速動作が安定しました。
続いて第3世代Ryzenと同じZen2 CPUコアと、7nmプロセスで改良・製造されるRadeon Graphicsを組み合わせた、RenoirことAMD第4世代Ryzen APUの8コア16スレッドモデル「AMD Ryzen 7 PRO 4750G」とB550マザーボードを組み合わせた環境で「Team T-FORCE Dark Zα TDZAD432G4000HC18JDC01-AM」のOCプロファイルによるOCを実践してみました。B550マザーボードにはGIGABYTE B550I AORUS PRO AXを使用しています。
BIOSから行うOC設定として、メモリに収録されたOCプロファイルを適用しました。ただ、これだけだとCommand Rateが2Tになるので、手動設定で1Tに指定しました。
第3世代Ryzen同様に、Ryzen 4000Gシリーズもまたメモリ周波数3600MHz/CL16がスイートスポットになっていて、メモリ周波数4000MHz以上は実用的に安定動作を狙うのが難しくなるのですが(特にInfinity Fabric周波数の同期が難しい)、 Ryzen 7 PRO 4750G&GIGABYTE B550I AORUS PRO AXの環境において、「Team T-FORCE Dark Zα TDZAD432G4000HC18JDC01-AM」は同メモリに収録されたOCプロファイルを適用するだけでメモリ周波数4000MHz/CL18が簡単に安定動作しました。
ちなみにメモリ周波数3600MHz/CL16の第3世代Ryzen&Ryzen 4000Gの定番OC設定と比較して、上記のメモリ周波数4000MHz/CL18に手動OCした時のiGPUの性能向上は1割弱でした。堅実に性能は伸びますが、OCの手軽さや性能向上に対するコスパを考えると、やはり3600MHz/CL16が鉄板な気がします。
なお、GIGABYTE B550I AORUS PRO AX(BIOS:F3)ではOCプロファイルを適用するだけで安定動作したのですが、MSI MPG B550I Gaming Edge WiFi(BIOS:1.41)ではOCプロファイルを適用してもPOSTプロセスの時点で停止してしまいました。
MSI MPG B550I Gaming Edge WiFiにおいてメモリ周波数4000MHzで正常に起動できない原因は「Gear Down Mode」でした。従来、Ryzen環境でメモリ周波数3200MHz以上を狙う場合、GDMは有効が推奨されていたのですが、同メモリにおいては逆に無効化していないと4000MHz以上でPOSTに失敗します。
これについては自動設定にしていて有効化してしまうMSI MPG B550I Gaming Edge WiFiが悪いというよりも、自動設定で無効化できたGIGABYTE B550I AORUS PRO AXを誉めるポイントだと思います。
ともあれ「Team T-FORCE Dark Zα TDZAD432G4000HC18JDC01-AM」をRyzen 4000G環境において4000MHz動作させるための必須条件が判明したわけですが、正常動作が確認できた上のタイミングも参考に微調整を繰り返したものの、残念ながらMSI MPG B550I Gaming Edge WiFiの環境で安定動作させることはできませんでした。
下のスクリーンショットは今回試した中で最も長くRamtestで安定したケースで、時間で25分ほど、カバー率700%には達しましたが、この後5分以内にクラッシュしています。(放置していた間に再起動していたので、おそらく下の動画と同じ現象が発生したのだと思います。)
上くらい安定していれば、この設定をベースに微調整で、1時間以上/1600%以上のクリア条件も達成できそうな気がするのですが、調整を繰り返しても下の動画のような感じで、Ramtestがエラー検出せず画面がブラックアウトして自動的に再起動という現象が発生しました。
GIGABYTE B550I AORUS PRO AXのようにOCプロファイル一発というケースもあれば、MSI MPG B550I Gaming Edge WiFiのように簡単な手動調整だけでは安定させるのが難しいケースもあり、組み合わせて使用するマザーボードに依存するところが大きいというのが率直な感想です。
「Team T-FORCE Dark Zα TDZAD432G4000HC18JDC01-AM」はメモリ周波数を3600MHzに落とせば基本的に動作するはずですが、4000MHzのOCプロファイルが安定動作するかはマザーボードとの相性も大きいので、導入を検討している人は注意してください。
Team T-FORCE Dark Zαのレビューまとめ
最後に「Team T-FORCE Dark Zα TDZAD432G4000HC18JDC01-AM」を検証してみた結果のまとめを行います。簡単に箇条書きで以下、管理人のレビュー後の所感となります。良いところ
- T-FORCEロゴを模したブラックカラーのヒートシンク
- 簡単にメモリのOCが可能なXMPプロファイルを収録
- Intel第10世代環境でOCプロファイルによって2枚組32GBの4000MHz/CL18が正常動作
- AMD Ryzen 4000GでOCプロファイルによって2枚組32GBの4000MHz/CL18が正常動作
- Ryzen 4000G環境で4000MHz動作させる場合はGear Down Modeを無効化
- 4000MHzが安定するかはMBに依るところも大きい(特にRyzen 4000Gでは)
「Team T-FORCE Dark Zα TDZAD432G4000HC18JDC01-AM」の検証ではメーカー動作確認済みのOCプロファイルを使用することによって、Intel第10世代Core-S&Z490マザーボード環境とAMD Ryzen 4000Gシリーズ&B550環境においてデュアルチャンネル2枚組み32GB容量で、メモリ周波数4000MHz&メモリタイミング18-22-22-22のオーバークロックが手軽に行え、安定動作が確認できました。
ただし、RenoirことAMD Ryzen 4000Gシリーズ&B550環境において、OCプロファイルを適用するだけのお手軽OCは、GIGABYTE B550I AORUS PRO AX(BIOS:F3)では安定動作するものの、MSI MPG B550I Gaming Edge WiFi(BIOS:1.41)では起動後にある程度は安定するものの微調整を繰り返してもストレステストをクリアするのは難しいという明暗が分かれる結果も確認できました。
Ryzen&B550環境ではメモリとマザーボードの相性に依るところも大きいものの、OCプロファイルで一発安定にならなくても、メモリ周波数4000MHzが正常に起動して、なおかつ数分程度Ramtestが動作するのであれば、tRCやtWRRDといったサブタイミングを調整することで安定動作を狙えるかもしれません。
主要タイミングだけで行える簡単なカジュアルOCの範疇からは1歩2歩ほどはみ出してしまった感はあるものの、AMD Ryzen 4000G&B550環境において、16GB×2枚組み32GBの大容量ながらメモリ周波数4000MHz/CL18が動く可能性のあるメモリとして「Team T-FORCE Dark Zα TDZAD432G4000HC18JDC01-AM」が期待できることは間違いありません。
メモリ周波数4000MHzはピーキーな製品ですが、3200MHzや3600MHzのCL14~CL18であれば最新プラットフォームなら比較的簡単に安定動作を期待できるので、適当なOCプロファイルを搭載したOCメモリは1ランク上の自作PCを目指すユーザーにオススメです。
以上、「Team T-FORCE Dark Zα TDZAD432G4000HC18JDC01-AM」のレビューでした。
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(注:記事内で参考のため記載された商品価格は記事執筆当時のものとなり変動している場合があります)
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