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当サイトで80枚近い自作PC用マザーボードをレビューしてきた管理人が、2022年最新のマザーボード事情について徹底解説します。
記事後半では現在発売中のIntel Z690/B660などIntel第12世代CPUに対応するIntel 600シリーズチップセット搭載マザーボード、AMD X570/B550などAMD Ryzen 5000/3000 CPUに対応するAMD 500シリーズチップセット搭載マザーボードという自作PC向け2大プラットフォームについて管理人の独断と偏見からおすすめなマザーボードを紹介します。
組みたいプラットフォーム(CPU)は決めたけどマザーボードに迷っている人、CPUとマザーボードの組み合わせがよくわからなくて困っている人は参考にしてみてください。
自作PCマザーボードまとめ 目次
【自作PCマザーボードの基本】
1.マザーボードやチップセットとは?
2.2022年の主なプラットフォームは2種類
・Intelメインストリーム向け600シリーズチップセットについて
・AMDメインストリーム向け500/400シリーズチップセットについて
3.マザーボードの基本サイズは3種類
【マザーボード比較記事 - 別記事リンク】
1.主要4社のIntel Z490マザーボードを徹底比較!
2.主要4社のAMD B450マザーボードを徹底比較!
【自作PCマザーボードで差が出るポイント】
1.オンボードUSBヘッダーの数に注意
2.VRM電源やEPS端子数に注意
3.有線・無線LANがWindows標準ドライバに対応かどうか注意
4.マザボとUSBメモリだけでBIOSアプデ可能な「BIOS FlashBack」
【おすすめマザーボードの紹介】
1.Intel第12世代Core-S対応のおすすめなZ690搭載マザーボード
2.AMD Ryzen 5000対応のおすすめX570/B550搭載AM4マザーボード
【執筆:2018年12月1日、最終更新:2022年5月8日】
マザーボードやチップセットとは?
PCにおいてCPUを人間の脳とするなら、マザーボードは全身に張り巡らされた血管や神経のように、USBやSATAなど各種インターフェースとCPUを接続するためのPCパーツです。CPUがUSBやSATAと直結していると思っている人も多いと思いますが、実際のところは、例えばCore i9 12900KなどIntel第12世代CPUの場合は、CPU自体が直結しているのはシステムメモリとCPU直結PCIEレーン(グラフィックボード等の接続に使う)、およびiGPUのビデオ出力だけです。Intel製CPUでもAMD製CPUでも若干の違いはありますが、CPUに直結されているものは多くありません。
USBやSATAやオンボードオーディオなど、ほぼ全てのユーザーが使用するであろう多くのインターフェースやハードウェアは、DMIというインターコネクタでCPUに接続されたチップセットに繋がり制御されています。
チップセットは、その”Chip Set”という名前のとおり、USBやSATAなど各種インターフェース・ハードウェアのコントローラー群が1つに統合されています。

チップセットはマザーボードの中核をなす部品となっており、CPUがPCの性能を決めるパーツであるなら、マザーボード(チップセット)はPCの拡張性を決めるパーツです。
マザーボードには多数の部品が張り巡らされており、その構造は一見複雑に見えますが、ブロックダイアグラムと呼ばれる上の図のように、マザーボードの実態はCPUソケットとチップセットを中心とした非常に単純な構造です。マザーボードはチップセット(とCPUソケット)を中心に各種インターフェース&ハードウェアを1枚の基板上に並べ、配線で接続する形で構成されています。

2022年の主なプラットフォームは2種類
2022年現在、一般コンシューマー向けに販売されているデスクトップPC用CPUは、メインストリーム向けの「Intel第12世代AlderLake-S」シリーズと「AMD Ryzen 5000/3000」シリーズです。数年前まではエンスージアスト向けの「Intel Core-X」シリーズと「AMD Ryzen Threadripper」シリーズもあったのですが、2022年現在は最新製品のリリースが止まっています。
各CPUシリーズには対応CPUソケットおよび対応チップセットがあり、CPUとチップセットの組み合わせはプラットフォームと呼ばれますが、システムメモリやCPUクーラーなどの互換性の表記において、CPUシリーズ、CPUソケット、チップセットのどれがプラットフォームを代表して記載されるかは製品やメーカーによって異なるので、円滑に自作PCパーツを選ぶためにも下のテーブルを押さえておいてください。
2022年最新の主なプラットフォーム表記 | |||
CPU | CPUソケット | チップセット | OC |
Intel 第12世代 AlderLake-S Core i9 12900K, i7 12700F, Core i5 12400など |
LGA1700 (CPUクーラーはLGA1200/115Xと 非互換) |
Intel 600シリーズ Z690, H670, B660, H610 |
K付きCPUとZ690の組み合わせのみ メモリOCは非K付きも対応 |
Intel 第11世代 Core i9 11900K, i7 11700F, Core i5 11400など |
LGA1200 (CPUクーラーはLGA115Xと互換) |
Intel 500シリーズ Z590, H570, B560, H510 |
K付きCPUとZ590の組み合わせのみ メモリOCは非K付きも対応 |
Intel Core-X Core i9 10980XE, Core i9 10940Xなど |
LGA2066 (CPUクーラーはLGA2011と互換) |
Intel X299 |
対応 |
AMD Ryzen 5000/3000 Ryzen 9 5900X, Ryzen 7 3700X, Ryzen 5 4650Gなど |
AM4 | AMD 500/400シリーズ X570, B550 X470, X450 (X370など300シリーズも互換性あり) |
|
AMD Ryzen Threadripper Threadripper 3970Xなど |
TRX4 (sTRX4) (CPUクーラーは TR4と互換) |
AMD TRX40 |
Intelメインストリーム向け600シリーズチップセットについて
「Intel第12世代AlderLake-S」に対応するIntel 600シリーズチップセット(Z690, H670, B660, H610)の違いを抜粋して比較すると次のようになります。USBポート数やSATAポート数はそのチップセットの内蔵コントローラーで制御可能な最大数なのでマザーボード製品によって実際の実装数は異なります。
Intel 600シリーズ チップセット比較 | ||||||
チップセット | Z690 | H670 |
B660 | H610 | ||
対応メモリ |
DDR5 DDR4 |
DDR4 |
||||
ch辺りのメモリ数 (合計) |
2 (4) |
2 (2) |
||||
CPU-PCH間バス | DMI4.0 x8 (≒PCIE4.0x8) | DMI4.0 x4 (≒PCIE4.0x4) | ||||
CPUコア倍率OC | O K付きCPUのみ |
X | ||||
メモリOC |
O K付きCPU以外もメモリOCは可能 |
X | ||||
マルチGPU | O | X | ||||
PCIEレーン数(ver) | 12 (4) 16 (3) |
12 (4) 12 (3) |
6 (4) 8 (3) |
6 (4) 8 (3) |
||
RAID 構成 | NVMe 0,1,5 / SATA 0,1,5,10 | X | ||||
PCH内蔵WiFi | Intel AX211 WiFi 6E対応 |
|||||
最大USB2.0ポート数 (以下、上位USBも含む) |
14 | 12 | 10 | |||
USB3.2 Gen 1 | 10 | 8 | 6 | 4 | ||
USB3.2 Gen 2 | 10 | 4 | 2 | |||
USB3.2 Gen 2x2 |
4 | 2 | - | |||
SATA3.0ポート数 | 8 | 4 | ||||
Thunderbolt |
ver4対応 (外部コントローラ) |
- |
チップセット直結のPCIEレーンにサードパーティー製のSATAコントローラーやUSB3.1 Gen2コントローラーを接続することで上のテーブルよりも多いSATAポートやUSBポートを実装する製品もあります。
CPUオーバークロックなど一部のチップセットを搭載したマザーボード限定機能を重視してIOを絞りつつ安価な価格を実現するZ690マザーボードのような製品もあるので、実際の仕様は製品によるというのが実状です。
Intel第12世代Core-Sでは組み合わせて使用するマザーボードによってサポートされるメモリ規格が変わるので注意が必要です。
ASRock、ASUS、GIGABYTE、MSIの主要4社の製品を見たところ、ハイエンドからアッパーミドルまでの上位製品は基本的にDDR5対応となっています。ミドルクラス以下ではDDR5対応とDDR4が混在し、メーカー毎にラインナップ展開が異なります。
ASUS製Z690マザーボードを例に挙げるとDDR5対応の「ASUS PRIME Z690-P」とDDR4対応の「ASUS PRIME Z690-P D4」のようにほぼ似た名前、対応メモリ以外の仕様もほぼ同じ、といった製品もあるので使用するメモリに合わせて購入するマザーボードには注意してください。(各社表記なしはDDR5対応、DDR4対応の場合は”DDR4”や”D4”の表記が末尾に付くことが多いようです)

Intel 600シリーズチップセット搭載マザーボードのうち、コアクロックのOCに対応しているのは最上位のZ690だけです。
下位チップセットのH670やB660では定格のBy Core Usage倍率を上回るような動作倍率設定(OC設定)を行うことはできません。
一方で、動作倍率の引き下げによる省電力化は可能ですし、定格動作倍率の中でも動作電圧のマイナスオフセットによる省電力化、一定電力制限内での性能向上を狙うことは可能です。
省電力運用ならH670やB660の下位チップセット搭載マザーボードでも十分と言えばあながち間違いでもありませんが、V-Fカーブ調整に対応するのはZ690だけなので実のところ省電力運用においてもZ690は上位互換です。
Mini-ITX環境はI/O数的に下位チップセットで十分かと思いきや、省電力運用や冷却リソースが限られた中での性能追求ならZ690がベストな選択肢になり得ます。

AMDメインストリーム向け500/400シリーズチップセットについて
「AMD Ryzen 5000/3000」に対応するAMD 500シリーズチップセット(X570, B550)、AMD 400シリーズチップセット(X470, B450)、および旧製品ですが互換性のある300シリーズチップセット(X370, B350)の違いを抜粋すると次のようになっています。USBポート数やSATAポート数はそのチップセットの内蔵コントローラーで制御可能な最大数なのでマザーボード製品によって実際の実装数は異なります。
AMD 500/400シリーズチップセット比較 | ||||
チップセット | X570 | B550 | X470 | B450 |
第3世代Ryzen対応 | O | O BIOSアップデートが必要 市場在庫は注意 |
||
Ryzen 3X00 XT | 対応BIOSアップデートが必要 市場在庫は注意 |
|||
オーバークロック | O (コア、メモリともに対応) | |||
CPU-チップセット間 | PCIE4.0x4 (~PCIE3.0x8) |
PCIE3.0x4 |
||
CPU直結PCIE | PCIE4.0 |
PCIE3.0 |
||
マルチGPU | O | X |
||
PCIE4.0レーン数(最大) | 16 | N/A | ||
PCIE3.0レーン数(最大) | N/A | 6 | N/A | |
PCIE2.0レーン数(最大) | N/A | N/A | 8 | 6 |
RAID 構成 | SATA/NVMe 0,1,10 | |||
USB3.1 Gen.2 | - | 2 | 2 | 2 |
USB3.1 Gen.1 | - | 2 | 6 | 2 |
USB2.0 | - | 6 | ||
SATA3.0(最大) | - | 6 | 6 | 4 |
PCIE / SATA3.0 (最大数の範囲内で選択) |
- | 3.0x2 / 0 or 3.0x0 / 2 |
2.0x2 / 2 or 2.0x4 / 0 |
2.0x2 / 2 or 2.0x4 / 0 |
AMD X570チップセットについては、SATA、USB、PCIEに対して非常に多くのオプションが用意されており、実際の拡張性はマザーボード製品によって大きく異なるため、上のような表で一概まとめることが難しくなっています。
とりあえずX570チップセットについては『B550、前世代のX470やB450など下位チップセットよりも拡張性が高い』ことは間違いなく、『12コアを超えるRyzen 9シリーズに対応するためVRM電源&クーラーが高品質』であるという2点を抑えておけば大丈夫だと思います。


マザーボードの基本サイズは3種類
2022年現在、主要なマザーボードのサイズ(フォームファクタ)はATXとMicroATXとMini-ITXの3種類です。各フォームファクタの寸法は、ATXが縦305mm x 横244mm、MicroATXは縦244mm x 横244mm、Mini-ITXが縦170mm x 横170mmとなっています。
フォームファクタ毎にサイズとマザーボード固定ネジ穴は規格として統一されているので、”ATX対応”や”Mini-ITX対応”の記載があるPCケースなら基本的に問題なく設置できます。
ATXフォームファクタが自作PCにおいては最も標準的なサイズとなっており、初めて自作PCを組むならこのサイズを選ぶのが鉄板だと思います。以下Intel LGA115XやAMD AM4のATXマザーボードを例に紹介しますが、CPUソケットの右に4基のメモリスロット、下半分に7段のPCIEスロット(サイズやN/Aなどは製品による)が基本的なレイアウトです。
MicroATXフォームファクタは今現在においてコンパクトなATXというより、サイズや構成パーツを減らして安価にした廉価版ATXという位置づけの製品が多いサイズです。メモリスロットはATX同様の4基もしくは2基で、写真のように縦が短いのでPCIEスロットは最大4段となります。
Mini-ITXフォームファクタはコンパクトなPCを構築するのに特化したマザーボードで、小さいですがハイクラスのATXマザーボード並みに高価なものが多いです。PCケースや電源ユニットも限られるので自作PC上級者向けなフォームファクタだと思います。見ての通りATXの半分程度の面積しかないので、メモリスロットは2基、PCIEスロットもGPU用に最低限の1基となっています。

プラスアルファでATXサイズよりも横幅が20~30mmほど長いE-ATX(Extended ATX)や一部ベアボーンPCで採用されているSTXのような変わり種もありますが、普通に自作PCを組む分にはATXとMicroATXとMini-ITXの3種類を押さえておけば大丈夫です。
マザーボードを選ぶポイント 1 :オンボードUSBヘッダーの数に注意
マザーボードを選ぶポイントのその1は、マザーボード基板上に実装されたオンボードUSBヘッダーの数です。マザーボード上には2022年現在、内部USBヘッダーとして内部USB Type-Cヘッダー、内部USB3.0ヘッダー、内部USB2.0ヘッダーの3種類が存在します。
PCケース標準搭載フロントI/Oでは内部USB3.0と内部USB2.0を1つずつ(もしくは一方)を使用することが多く、さらにCorsair Link(iCUE)やNZXT CAM対応製品などCPUクーラーやLEDコントローラーで内部USB2.0を使用するPCパーツも増えてきているので、『内部USB3.0ヘッダーを1つ、内部USB2.0ヘッダーを2つ搭載』したマザーボードがおすすめです。

気に入ったマザーボードでUSB2.0ヘッダーが不足する場合はUSB2.0ヘッダー増設ハブの「NZXT INTERNAL USB HUB」や「Thermaltake H200 PLUS」がオススメです。
・Corsair iCUE(旧CorsairLink)対応機器レビュー

・NZXT CAM対応機器レビュー

マザーボードを選ぶポイント 2 :VRM電源やEPS端子数に注意
TDP65W以下のスタンダードなCPUであればあまり気にする必要はないのですが、Intel Core i9 9900KやAMD Ryzen 7 2700Xなどメインストリーム向けCPUの最上位モデルや、10コア以上のIntel Core i9やAMD Ryzen Threadripperなどエンスー向けCPUを、定格もしくは手動オーバークロックで運用しようと思っているのであれば、CPUへ電力供給を行うVRM電源やEPS端子の品質・構成にも注意してください。CPUへ電力供給を行うため電源ユニットから+12V電源を接続するEPS端子の構成はマザーボード毎に異なって主に4PIN*1、8PIN*1、8+4PIN、8PIN*2の4種類があります。700Wクラスの標準的な電源ユニットではEPS 8PIN電源ケーブルが1本のものも少なくないので、マザーボードのEPS端子数については組み合わせる電源ユニットにも影響してくるポイントです。
Intel 300シリーズやAMD 400シリーズチップセットを搭載するメインストリーム向けマザーボードの多くに実装されるEPS端子は4PIN*1か8PIN*1となっています。Intel Core i5やAMD Ryzen 7などTDP65W以下のCPUならこれで問題ありませんし、TDP90Wクラスの上位CPUであっても定格運用であれば8PIN*1で十分対応できます。


Intel Skylake-XやAMD Ryzen Threadripperなどエンスー向けCPUに対応するマザーボードやメインストリーム向けCPU対応でもOCに対応した高級マザーボードでは、CPU用電源として8+4PIN、8PIN*2が実装されています。電源容量の小さい電源ユニット(と言っても700Wクラスの標準的なもの)では、EPS 8PIN電源ケーブルが1つしか用意されていないものも多いので、マザーボードと電源ユニットのEPS端子数には注意が必要です。


EPS端子を経由して電源ユニットから引っ張ってきた+12V電圧の電力を各CPUへ送るのに最適な電圧に調整する役割を果たすのがVRM電源です。
+12Vを異なる電圧の電力に変換するので変換損、つまり熱が発生します。変換損の大きさは基本的にCPUの消費電力に比例するので、多コア・高クロックで消費電力が大きいCPUほどVRM電源への負荷もまた大きくなります。

VRM電源の性能(低発熱かどうか、大電流を安定供給できるかどうか)についてはVRM電源フェーズ数のような公式ページの情報から推し量るのが難しいというのが実情です。例えばVRM電源フェーズ数が多い方が1フェーズ当たりの負荷が小さくなって発熱が分散するので良いとも言われますが、同じCPUで負荷をかけて10フェーズVRM電源のマザーボードと13フェーズVRM電源のマザーボードを比較すると、10フェーズの方が冷えるというケースもあります。VRM電源の低発熱性については回路を構築している素子が影響しますし、実際の温度はVRM電源クーラーにも依るところが大きいためです。


またVRM電源フェーズ数やVRM電源回路を構築する素子がほぼ同じでもレイアウトを変えるだけで、熱が分散して冷えやすくなるといったケースも存在します。


VRM電源については一般論として、高品質な素子を使っていて、VRM電源フェーズが多くて、VRM電源クーラーが大きければ良いとはいうものの、実際のところは負荷をかけて調べてみないとわからないことも多いというのが管理人の経験則です。
当サイトではOC向きな高級マザーボードのレビューでは比較的アグレッシブなOC設定でVRM電源に負荷をかけてサーモグラフィで検証も行っているので、気になるマザーボードがあれば参考にしてください。
マザーボードを選ぶポイント 3 :有線・無線LANがWindows標準ドライバに対応かどうか注意
近年では2.5Gb LANやWiFi6Eといった最新ネットワーク接続規格が普及しつつあり、それに伴ってマザーボードでも新しいNIC(ネットワークコントローラー)が搭載されています。こういった新しいNICはWindows10/11の標準ドライバでは動作しないことがあります。
光学ドライブを搭載しないPCが増え、UBSメモリによるドライバ提供もまだ普及していないので、Windows10/11の標準ドライバで動作しないNICがあると、事前にドライバをダウンロードしておく、USB接続の有線LAN/無線LANを用意するといった対応が必要になるので注意してください。
マザーボードを選ぶポイント 4 :マザボとUSBメモリだけでBIOSアプデ可能な「BIOS FlashBack」
マザーボードのBIOS(UEFI)をアップデートする方法は、BIOS上に用意されているユーティリティを使用するか、各社が配布しているWindows上で実行可能なソフトウェアを使用するかの2種類が主な方法ですが、第3の方法として、ASUS、ASRock、GIGABYTE、MSIなど主要4社のマザーボードの一部には「BIOS FlashBack」と呼ばれる機能(各社で名称は若干異なりますが)が実装されています。冒頭で挙げたBIOSアップデートを行う基本的な方法2種類はいずれも、マザーボードに加えて、アップデート前のBIOSで動作するCPUとメモリが必要になり、加えてマザーボードのBIOS(のデータ)が破損していないことも前提になります。BIOSアップデートという観点からは、非対応CPUに対応させるケースを除けば、特に問題にならない条件ですが、『BIOSが正常に起動できる環境になりとBIOSをアップデートできない』ので、BIOSデータが万一にでも破損した場合、ユーザーによるBIOSの修復は基本的に不可能になります。
一方で「BIOS FlashBack」はマザーボードとUSBメモリ(BIOSファイルが適切に保存された)さえあれば、CPUとメモリがなくてもBIOSのアップデートが行えます。各マザーボードごとにBIOSファイルの保存形式は異なるので、「BIOS FlashBack」に対応したマザーボードを使用している場合、安定動作するBIOSファイルをUSBメモリに対応形式で保存しておくのがおすすめです。

BIOSアップデートに失敗した時、マザーボードが物理的に破損しているということはめったになく、基本的には何らかの理由で、アップデート作業中に新たに書き込まれたBIOSデータが壊れている、つまり電気的な破損によって正常に動作しなくなります。
こうなってしまうとCPUやメモリがあってもシステムが正常に起動しないので、ユーザーがBIOSを修復することは基本的に不可能ですが、「BIOS FlashBack」は前述の通りマザーボードとUSBメモリさえあれば大丈夫であり、かつ現在のBIOSデータの状態にも依存しないので、アップデートの失敗等でデータが破損したBIOSを正常な状態に修復することが可能です。
新しいCPUへの対応だけでなく、BIOSアップデートには脆弱性の修正や機能の追加や動作の安定なども含まれるので、BIOSをアップデートした方がいいケースも少なくありませんが、管理人的にはやや納得のいかないところがあるものの、マザーボードの国内サポートにおいてユーザーによるBIOSアップデートの失敗による故障は有償修理になる可能性が高いという実状があります。
「BIOS FlashBack」が実装されている製品は各社の上位マザーボードになることが多いので、必然的に高価になりますが、BIOSアップデートに失敗した時にユーザー各自で修復が可能であるという保守性を考えるとおすすめな機能です。
Intel第12世代AlderLake-S対応のおすすめなZ690チップセット搭載マザーボード
Intelの最新メインストリーム向けCPUとなるCore i9 12900Kなど第12世代AlderLake-S CPUに対応するIntel 600シリーズチップセット搭載LGA1700マザーボードのおすすめモデルについて紹介します。Intel第12世代CPUで最上位のCore i9 12900Kは非常に消費電力が大きいCPUとして知られていますが、長期間電力制限PL1で125W~150Wに設定して運用するのであれば特にマザーボードを選ぶこともありません。
一方で、定格最大動作倍率常に動作するよう電力制限を無効化したり、手動OCで全コア5.0GHz超を狙ったりする場合は、マザーボードVRM電源回路の規模や品質も要求されるので、その分野においてオススメなマザーボードをいくつか抜粋して紹介していきます。
Z690マザーボードとして比較的に安価な製品であり、従来規格のDDR4メモリに対応するので特にオススメなのが、「ASUS TUF B450-PRO GAMING」です。
Core i9 12900Kの冷却に簡易水冷CPUクーラーを使用し、VRM電源はパッシブ空冷でもVRM電源温度が80度以下に収まるという非常にタフ(TUF)な性能を発揮します。
数千円程度の差額で無線LAN非搭載な廉価モデルがラインナップされているところも選びやすいポイントの1つだと思います。
同じくDDR4メモリに対応するZ690マザーボードでオススメなのが、「ASUS ROG STRIX Z690-A GAMING WIFI D4」です。
PCIEスロット固定ラッチの解除を簡単にする新機能「PCIe Slot Q-Release」、M.2 SSDをツールレスで着脱できる「M.2 Q-LATCH」などASUS独自のユーザビリティに優れた新機能が採用されています。

Intel Z690チップセットなどIntel 600シリーズマザーボードについてはその他にもいろいろとレビュー記事を公開しているので参考にしてください。
・Intel第12世代Alder Lake-Sのレビュー記事一覧へ

AMD Ryzen 5000対応のおすすめX570/B550搭載AM4マザーボード
12コア24スレッドのRyzen 9 5900Xや16コア32スレッドのRyzen 9 5950Xなどマルチスレッド性能のコスパが絶賛爆発中なAMD Ryzen 5000シリーズCPUに対応するX570/B550チップセット搭載AM4マザーボードのおすすめ機種について紹介します。コストパフォーマンスを重視して2万円程度で購入できるB550マザーボードとしては「ASUS TUF GAMING X570-PLUS (WI-FI)」がオススメです。
X570マザーボードの中では比較的安価なモデルながら、X470マザーボードのハイエンドモデル並みのVRM電源回路を搭載しており、12コア以上のRyzen 9シリーズにも対応できます。
4~5万円クラスのX570搭載ハイエンドモデルについては主要4社の製品はいずれも完成度が高いですが、中でも「MSI MEG X570S ACE MAX」は管理人の一押しです。
Ryzen 9シリーズも対応できる高耐久・低発熱な90A対応Dr. MOSで構成される18フェーズVRM電源回路を搭載し、X570チップセットクーラーもファンレス仕様にリニューアルされ、非常に完成度の高い製品なので数あるX570マザーボードの中でもオススメの1枚です。
X570/B550チップセット搭載AM4マザーボードについてはその他にもいろいろとレビュー記事を公開しているので参考にしてください。
・AMD Ryzen 5000シリーズCPUのレビュー記事一覧へ

・Ryzen 5000対応X570/B550チップセット搭載AM4マザーボードのレビュー記事一覧

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(注:記事内で参考のため記載された商品価格は記事執筆当時のものとなり変動している場合があります)
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とのことですが、私も同じように認識しません、ソケットを付け直すと認識しますか?