自作PC電源ユニット(PSU)の選び方を徹底解説&おすすめ電源の紹介


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自作PC用の電源ユニットの正しい選び方を理解するため電源容量・変換効率や電源ケーブルやサイズ規格など基本事項について解説をしてから、電源容量や予算別にオススメな電源ユニットについて紹介します。


目次


【自作PC電源ユニットの選び方の徹底解説】
1-1.電源ユニットのサイズ規格について
1-2.Haswell対応って何?
1-3.電源ケーブルの直出し式とプラグイン式について
1-4.電源ケーブルの種類について
1-5.自作PCの電源端子の種類について


1-6.細かいことを無視して選ぶ電源容量の早見表
1-7.自作PC用電源の変換効率規格80PLUSについて
1-8.電源ユニットの冷却ファンとファンノイズについて


【おすすめ電源ユニットの紹介】
2-1.1万円程で買えるスタンダードな600~700W級の電源ユニット
2-2.組みやすさで選ぶコンパクトで柔らかケーブルな電源ユニット

2-3.2万円程で買える700Wクラス+αな機能付き電源ユニット
2-4.エンスーCPUやマルチGPUに対応可能な1200W級の電源ユニット
2-5.超高変換効率なTitanium認証の電源ユニット
2-6.Mini-ITXに最適なSFX&SFX-Lサイズの電源ユニット



リンク.電源ユニットレビュー記事の一覧へ



【執筆:2017年12月26日、最終更新:2021年1月1日】



電源ユニットのサイズ規格について

自作PC用の電源ユニットのサイズ規格は最も主流なATXと小型PC向けのSFX(-L)の2つです。
フルタワーやミドルタワーと呼ばれる一般的な自作PCケースに対応した電源ユニットはATXサイズに対応しています。ATX電源が自作PC用電源ユニットの規格としてはデファクトスタンダードと考えてOKです。
SFX(-L)は小型PCケースに最適化された小型電源のサイズ規格です。SFX(無印)は奥行が短く、SFX-LはSFXよりも奥行きが長くなっており大型の冷却ファンを搭載できて静音・冷却性を高めた規格になっています。

ATX電源のサイズ規格で指定されているのは高さの2つです。奥行については電源ユニットごとに異なるので各製品の仕様を見て、PCケース内に収めることができるか確認してください。
PSU_size_1
電源ユニットの奥行が大きすぎるとPCケースと干渉して取り付けられなかったり、電源ケーブルが取り回しにくくなるので注意が必要です。
PSU_size_2
コンパクトPC向けフォームファクタのSFXとSFX-Lでは高さ奥行の全てが規格化されているので、組み合わせて使用するPCケースの仕様にSFX対応やSFX-L対応の表記があれば問題なく組み込めます。
PSU_size_3
以下、ATX電源(左)、SFX-L電源(中)、SFX電源(右)のサイズ比較です。
PSU_size_4
先に述べたようにSFX(-L)サイズは小型PCケースで使用するために最適化された電源サイズ規格なので、通常、自作PCの電源ユニットと言えばATX電源のことです。ATX電源と記載されていれば、高さは規格化されているのでPCケースと干渉しないか奥行だけ注意してください。
PSU_size_5



Haswell対応って何?→基本的に気にしなくていい

2014年頃とかなり昔の話になりますが、Intelの第4世代Haswell CPUでは省電力な電源ステートであるC6/C7 Powerstateが新たに追加されており、この電源ステートに対応するため要求される12Vライン最少出力(0.05A:0.6W)に電源ユニットが対応しているかどうかでHaswell対応電源と表記されているものがあります。Skylake対応やKabyLake対応など類似の表記があるものについても実態は同じです。
Haswell_cp
とはいえHaswell世代のCPU自体が2014年ごろに発売されたものなので、2014年よりも前にリリースされた電源ユニットは大体、終売で市場から消えているのであまり気にする必要はありません。
Haswell以降の後継CPUも同じ省電力機能に対応しているので、一応、購入予定の製品が2014年以降に発売されたものかどうかだけチェックすればOKです。



電源ケーブルの直出し式とプラグイン式について

電源ユニットから伸びる各種電源ケーブルについては、電源ユニットから直接ケーブルが出ている「直出し式」、構成に合わせてプラグインケーブルを着脱できる「プラグイン式(モジュラー式/フルモジュラー式)」、ATX24PINなど確実に必須になるケーブルは直出しで、SATAやPCIE補助電源などはプラグイン式な「セミモジュラー式」の3種類が存在します。
PSU_Cable_1
機能的なメリット・デメリットとしては、「直出し式」は上の写真のように電源ユニット側のスペースとしてはコンパクトにまとめることができますが、「プラグイン式」は電源ユニット末端全体にプラグイン端子が配置されており、プラグインケーブルのコネクタやケーブルで大きく余分に奥行が要求されます。
おすすめ電源ユニット_05594
一方で、「直出し式」の場合は構成によっては使用しない電源ケーブルが出てくるのでそのケーブルを収納しておくスペースが必要になりますが、「プラグイン式」であればPC構成に合わせて必要なケーブルだけを選択できるので余ったケーブルのスペースを気にする必要はありません。
おすすめ電源ユニット_03415a
以上のように「直出し式」と「プラグイン式」はそれぞれにメリットとデメリットがありますが、価格帯で見ると「直出し式」は安価な製品に、「プラグイン式」は高価な製品に採用されることが多いので予算によって自動的に決まることも多くそれほど気にする必要はないと思います。



電源ケーブルの種類について

電源ユニットから伸びる電源ケーブルは大別して、スリーブまとめ型、フラットきしめん型、個別スリーブ型の3種類があります。簡単に説明すると、安価な「スリーブまとめ型」、取り回しが良く実用性の高い「フラットきしめん型」、外見重視でオシャレな「個別スリーブ型」といった感じです。
例えばATX24PINという名前からわかるようにATX24PINの端子には+12Vや+5Vなどマザーボード側に複数のPINがあり、その各PINへ供給する電圧ごとに別々のケーブルがあって、それらをまとめてATX24PINケーブルとなっています。
スリーブまとめ型の場合はある電源端子を構成する複数の電源ケーブルを大雑把にスリーブでまとめるという簡単な構造になっており、径が大きく取り回しはあまり良くありません。比較的安価な電源ユニットに採用されることが多いです。
おすすめ電源ユニット_05602
フラットきしめん型はその名前の通り複数のケーブルがきしめん状に並べて繋がったフラットなケーブルです。折り曲げやすく、幅は若干広いですが薄いので取り回しに優れます。比較的高価な電源ユニットに採用されることが多いです。
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SATAや4PINペリフェラルなど構成ケーブルの少ない電源ケーブルでは安価な電源ユニットでもフラットきしめん型が採用されることもあります。
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最後に個別スリーブ型ですが、構成する電源ケーブルそれぞれへ個別にスリーブ化がなされた外見を重視したケーブルになっています。1本1本が個別にスリーブ化されているのでスリーブの厚みで他2つに比べて幅を取りますし、構成ケーブルはバラバラなのでケーブルガイド等を使ってまとめる必要もあり、使い勝手は決して良くありません。基本的に外見重視なケーブルとなっています。
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あと稀にケーブルの途中に電圧を安定させるための素子を埋め込むため、例えばCorsair AX1600iなど高級電源ユニットでもスリーブまとめ型を採用するケースもあるようです。
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自作PCの電源端子の種類について

自作PCで使用する電源端子の種類は「ATX24PIN」、「EPS 8PIN(EPS 4PIN)」、「PCIE 8PIN (PCIE 6PIN)」、「SATA」、「4PINペリフェラル」の5種類だけです。

まずはATX24PINですが、自作PCを組む上でマザーボードと接続する必須の電源端子となっており自作PC用電源を買えば必ずついている端子なので、ケーブル長が問題なければ特に気にする必要はありません。”ATX”と名前が付いていますが、コンパクトPC用のSFX(-L)電源にもATX24PINは必ずついています。
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EPS 8PIN(EPS 4PIN)はCPUに電力供給を行うための電源端子です。EPS 8PINは2つのEPS 4PINで構成されているので(厳密には違いますが)、電源ケーブル側のEPS 8PINは通常2つに分割できるものが多いです。
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EPS端子の構成はマザーボード毎に異なって主に4PIN*1、8PIN*1、8+4PIN、8PIN*2の4種があります。
IntelやAMDのメインストリーム向けCPU(Intel Core i5やAMD Ryzen 5など)に対応するマザーボードで要求されるEPS端子は4PIN*1か8PIN*1となっており、電源容量の小さい電源であっても少なくともEPS 8PINは用意されてているのでATX24PIN同様に必要なEPS端子が4PIN*1か8PIN*1であれば特に気にする必要はありません。
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ただしIntel Skylake-XやAMD Ryzen Threadripperなどエンスー向けCPUに対応するマザーボードやメインストリーム向けCPU対応でもOCに対応した高級マザーボードではCPU用電源として8+4PIN、8PIN*2を要求する場合があります。電源容量の小さい電源ユニットではEPS端子が8PIN 1つしか用意されていないものも多いので、こういったマザーボードを使用する場合は電源ユニットのEPS端子数に注意が必要です。
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PCIE 8PIN (PCIE 6PIN)は消費電力がPCIEスロットから供給可能な75Wを超える高性能なグラフィックボードへ追加の電力供給を行う補助電源端子として主に使用されます。PCIE補助電源としてはPCIE 8PINPCIE 6PINの2種類があります。PCIE 8PINは6+2PINで構成されていており、2PINを外して6PINとして使用できるコネクタもあります。
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GPU別にみてみるとGeForce GTX 1660やRadeon RX 570などミドルクラスのGPUでは6PIN*1以上、GeForce RTX 2070 SUPERやRadeon RX 5700 XTなどミドルハイクラスのGPUでは8PIN*1以上、GeForce RTX 2080 SUPERやGeForce RTX 2080 TiなどハイエンドGPUでは8+6PINが要求されます。
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NVIDIA GeForce RTX 2080 TiやAMD Radeon RX Vega 64などハイエンドGPUに大幅なファクトリーOCが施された上位AIBモデルでは8PIN*2や8PIN*3を要求するようなものも存在します。
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ちなみに複数のPCIE補助電源端子を搭載するグラフィックボードでは、電源ユニットメーカーやGPUメーカーから、補助電源端子数に合わせて電源ケーブルを1本ずつ接続するのが推奨されています。


SATAはその名前の通りHDDやSSDなどSATA接続のストレージへ電源を供給することを主目的とした電源端子です。DVDドライブやブルーレイドライブなど光学ドライブへの電源供給でも使用します。簡易水冷CPUクーラーの水冷ポンプへの電源供給やファンコントローラーなどその他の周辺機器への電力供給でも幅広く使用される端子です。
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4PINペリフェラルはSATA電源登場前にストレージや光学ドライブへの電源供給に使用されていた電源端子です。現在では、すでにストレージや光学ドライブはSATA電源に代わられていますが、簡易水冷CPUクーラーの水冷ポンプやファンコンなど周辺機器への電源端子としてはSATA電源と平行して使用されています。
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細かいことを無視して選ぶ電源容量の早見表

自作PCで消費電力を食うパーツは基本的にCPUとグラフィックボードの2つです。HDDを10数個積むとか極端な構成でなければグラボを除くCPU(マザボ含む)等の消費電力はせいぜい100Wなのであとはグラフィックボードに何を積んでいるかでおおよそのシステムの消費電力が決まります。

たまに勘違いされることがありますが、『電源容量は安定した電圧で電力供給可能な最大電力』のことであって、電源容量1200Wの電源は常に1200Wを消費するわけではありません。実際の消費電力はあくまでCPUやGPUの種類とシステムへの負荷の大きさによります。

電源容量については基本的に下の早見表からグラフィックボード別で選べばOKです。
まともな製品であれば電源容量に合わせた電源ケーブル構成になっているので電源端子が不足することはないと思います。ただしEPS端子については8PIN端子が1つしかない電源ユニットも多いので、8+4PINや8PIN*2を要求するマザーボードと組み合わせて使用する場合はEPS端子の数だけは注意してください。
あと、Core i9 10900KやRyzen 9 3950Xなどメインストリーム向け最上位CPUのOC環境や、Intel Core-XやAMD Ryzen Threadripperなどエンスー向けCPU環境ではCPU単体で200W以上を消費するので、下の早見表に対して+100W~200Wを余分に高く電源容量を見積もって下さい。

電源容量の早見表
NVIDIA AMD 電源容量
PCIE補助電源
RTX 3090
RX 6900 XT
800W以上
8PIN*2~
RTX 3080
(RTX 2080 Ti / SUPER)
RX 6800 XT
750W以上
8+6PIN or 8PIN*2~
RTX 3070
RX 6800
Radeon VII
650W以上
8+6PIN or 8PIN*2~
RTX 2070 SUPER
RX 5700 XT
500W以上
8PIN*1~
RTX 2060 SUPER
GTX 1070 Ti / GTX 1070
RX 5700
500W以上
8PIN*1~
GTX 1660 Ti / SUPER
GTX 1060 6GB/3GB

400W以上
6PIN*1~
GTX 1660
GTX 1650 SUPER
RX 5500 XT
RX 570 4/8GB
400W以上
6PIN*1~
GTX 1650
GTX 1050 Ti / GTX 1050
RX 560 2/4GB 300W以上
補助電源なし~

グラフィックボードについては詳しい話は次の記事で説明しているので参考にしてください。
おすすめグラボまとめ。予算・性能別で比較。各社AIBモデルの選び方
おすすめグラボまとめ

補足事項として電源ユニットの+12V出力にはシングルレールとマルチレールというものがあります。例えば簡単化して電源容量1200Wの電源では+12Vを最大100A出力可能ですが、シングルレールであれば極論としてEPS 8PINケーブル1本に100Aを出力できます。(実際は過電流保護が40~50Aくらいで働くはずですが)
一方でマルチレールはどうかというと、電源ユニットのプラグイン端子や電源ケーブル毎に事前に+12Vのレールが分けられていて各レールから出力可能な最大電流(電力)に制限があります。
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普通に自作PCを組む分にはシングルレールとマルチレールについて気にする必要はありません。Intel Core i9やAMD Ryzen ThreadripperでCPUをガッツリOCしたいとか、ハイエンドグラフィックボードのマルチGPUを組みたいという人はシングルレールを選んだ方が電源周りで面倒がないくらいに思っておけばOKです。



自作PC用電源の変換効率規格80PLUSについて

自作PC向け電源ユニットにはコンセントから得られる交流100VをPCへ供給するための直流電力に変換する際の電力変換効率の規格「80PLUS」が策定されています。80PLUSでは電源容量に対する負荷が50%や100%の時に変換効率が決まった値を超えているとその効率に合わせた認証が与えられます。
80plus_list

例えば540W消費するシステム(CPUやGPU)に電源ユニットが電力供給を行う場合、コンセントから電源ユニットへはシステムに供給される電力だけでなく、交流電力を+12Vや+5Vの直流電力に変換する際に生じる変換損失を含む電力が供給されます。逆説的になりますが、1200WのGold認証電源であれば変換効率が90%なので60Wが変換損失として発生します。
power_c
変換損は熱になるので電源ユニットは60W分の発熱が発生し、当然冷却ファン等で冷やしてやる必要があります。簡単に考えると変換効率がGoldよりも2%高いPlatinum認証であれば48Wに、さらに2%高いTitanium認証であれば36Wまで変換損(電源ユニットの発熱)を減らすことができます。同じシステムであっても変換効率の高い電源ユニットを使用することで、全体の消費電力を減らし、電源ユニットの発熱を小さくすることができます。電源ユニットの発熱が小さければ当然、電源ユニットの冷却ファンの静音化にも繋がります。

また電源ユニットのAC-DC変換効率は一般的に電源容量に対する負荷0~100%に関してみると逆V字を描きます。電源ユニットで最も変換効率が高くなるのは電源容量の50%の負荷に対してなので、例えばCore i7 8700K&GTX 1080 Tiなど350W~400Wを消費するシステムでは倍の700~800W電源容量の電源ユニットを選択すると最も良好な変換効率を期待できます。
80Plus_efficiency

2021年現在は変換効率としてGold認証を選択するのが管理人的にはおすすめです。予算が許すのであればさらに高い変換効率を誇るPlatinum認証やTitanium認証の電源ユニットを選んでもよいと思います。
80Plus



電源ユニットの冷却ファンとファンノイズについて

電源ユニットの安定性についてはEnermax、Corsair、SilverStone、CoolerMaster、Thermaltake、Seasonicなど有名メーカーの製品で変換効率がGold認証以上の電源ユニットであれば基本的に品質や性能はしっかりしているので問題ないのですが、電源ユニットの冷却ファンについては実用上の快適さ(ファンノイズの小ささ)に直結するので注意したいポイントです。
ATX電源の冷却ファンについては2010年代前半では120mm角のファンを搭載するものが多かったですが、2021年現在のトレンドとして140mm角のファンを採用する製品が増えてきています。ファンの径が大きければその分、低回転で大きい風量を生み出せて静音性も確保しやすいので、電源ユニットを選ぶ際は冷却ファンのサイズにも注目してみてください。
DSC09075_DxO
また電源ユニットの冷却ファンは負荷や温度に比例してコントロールされますが、温度と負荷が共に低い状態で冷却ファンを完全に停止させるセミファンレス機能を採用する電源ユニットが最新の高級モデルでは増えてきています。
ファンレス動作可能な負荷の閾値は電源容量の大きさに比例する傾向があり、最大変換効率となる負荷の倍の電源容量にこだわらず、容量が大きい電源ユニットを選ぶという選択肢もありだと思います。セミファンレス機能の閾値や動作については各社の製品によって異なるので製品仕様やマニュアルを確認してみてください。
Fanstop

ちなみに当サイトの電源ユニットのレビューではシステムの消費電力別に騒音計(サウンドレベルメーター)を使用したファンノイズの検証も行っているので参考にしてみてください。
PSU_noise_test



1万円台で買えるスタンダードな600~700W級のおすすめ電源ユニット

Intel第10世代CometLake-SやAMD第3世代Ryzenなどメインストリーム向けCPUとシングルグラフィックボードを搭載する標準的な自作PC用に、1万円台で購入できてコスパの高いおすすめ電源ユニットを紹介します。

Antec NeoECO GOLDシリーズは、2017年末の発売以来、1万円以下という圧倒的なコストパフォーマンスで一般自作erに選ばれるだけでなく、BTO PCでの採用も多く、人気のあるPC用電源ユニットとして挙げられることが多い製品です。
当サイトでも実際にNE550 Goldの実機を検証してみたところ、安定した電源供給能力、小型PCケースにも導入しやすいコンパクトな筐体、RTX 2060やRTX 2070などミドルクラスGPUをターゲットにした時の優れた静音性、そして1万円を切る安価な価格帯など、「買って失敗しない」電源ユニットだと感じました。
定番電源Antec NeoECO GOLDはなぜ選ばれるのか? 【PR】
NeoECO GOLD with RTX 2060


上の製品よりは若干割高になりますが、フルプラグイン型で電源ケーブルを自由に選択でき、EPS電源コネクタが2個あり、PCIE補助電源やSATA電源なども豊富な「XPG Core Reactor」シリーズもオススメです。
大容量な850Wモデル「XPG Core Reactor 850W」については詳細レビューを公開していますが、記事タイトルの通りファンレスレベルの卓越した静音性を発揮する製品です。
「XPG Core Reactor 850W」は劇的に静かなゲーマー向け電源だ 【PR】
XPG Core Reactor 850W




組みやすさで選ぶコンパクトで柔らかケーブルな電源ユニット

Intel CoffeeLake-SやAMD Ryzenなどメインストリーム向けCPUとシングルグラフィックボードを搭載する標準的な自作PC用という点では上と同じですが、この章では”自作PCの組みやすさ”に焦点を当ててオススメの電源ユニットを紹介していきます。

まずオススメする機種は「Fractal Design Ion+ Platinum 850W」です。奥行150mmのコンパクトサイズに加えて、”フニャフニャ”の擬音で形容するのが相応しい超柔らかな電源ケーブル「UltraFlexケーブル」によって干渉フリーと組みやすさも兼ね備えた電源ユニットです。その名の通り変換効率92%のPlatinum認証を取得する電源ユニットとなっており、高い変換効率のため低発熱なので静音性にも優れています。
「Fractal Design Ion+ Platinum 860W」をレビュー
Fractal Design Ion+ Platinum 860W


次にオススメするのはPlatinum認証取得電源ユニットとしては世界最小の奥行140mmサイズのコンパクトATX電源ユニット「SilverStone Strider Platinum ST85F-PT」です。
Mini-ITXやMicro ATXに対応するコンパクトPCケースでは電源ユニット設置スペースの奥行方向の余裕が小さいものも多いですが、2021年現在ATX電源ユニットで主流な奥行160mmと比較して、奥行140mmの「SilverStone Strider Platinum ST85F-PT」なら20mm余分にスペースが確保できるのでコンパクトPCを組みやすくなります。
「SilverStone Strider Platinum ST85F-PT」をレビュー
SilverStone Strider Platinum ST85F-PT


「LEADEX III GOLD ARGB PRO 850W」は、EPS/PCIE/SATA/4PINペリフェラルのプラグインコネクタ形状を共通化した”SUPER CONNECTOR”を採用し、プラグインケーブル自体も非常に細く柔らかいので、単純な配線のし易さでは数ある自作PC向け電源の中でも最高の製品です。

SUPER FLOWER LEADEX III GOLD ARGB PRO 850W review_02155_DxO-tile
上で紹介した2機種と比較して「LEADEX III GOLD ARGB PRO 850W」は電源変換効率が80Plus Gold認証で1段階低く、冷却ファンの動作設定チューニングも含めて静音性が若干下がりますが、ユーザーフレンドリーな構造から自作PC初心者には特にオススメです。
「LEADEX III GOLD ARGB PRO 850W」をレビュー
SUPER FLOWER LEADEX III GOLD ARGB PRO 850W




2万円程で買える700Wクラス+αな機能付き電源ユニット

Intel CoffeeLake-SやAMD Ryzenなどメインストリーム向けCPUとシングルグラフィックボードを搭載する標準的な自作PC用という点では上と同じですが、高変換効率なPlatinum認証取得、ソフトウェア制御&モニタリング機能やLEDイルミネーションなど付加価値的機能も備えた、2万円程度で購入可能なハイパフォーマンス電源ユニットを紹介します。

変換効率92%のPlatinum認証取得で電源容量850Wの「Thermaltake Toughpower iRGB PLUS 850W Platinum」が非常におすすめです。
12球アドレッサブルLED搭載冷却ファンによるライティング機能も備えており、光物が苦手なユーザーはライティングをOFFにできます。ハイエンドグラフィックボード環境でも電源ユニット冷却ファンの回転数は600RPM程度と静音性も抜群です。価格もリーズナブルな2.1万円となっておりコストパフォーマンスも優秀なのでメインストリーム向け電源としては当サイト一押しの製品となっています。
「Thermaltake Toughpower iRGB PLUS 850W Platinum」をレビュー
Thermaltake Toughpower iRGB PLUS 850W Platinum


ほかのおすすめモデルとしては、当サイトの各種レビューで活躍するベンチ機において1200Wの大容量モデルを使用中の「Corsair HXi」シリーズです。
Platinum認証で変換効率も良好、メインストリーム向けに電源容量として標準的な750Wモデルや少し余裕のある850Wモデルが用意されています。専用アプリCorsair Linkから消費電力等のモニタリングや冷却ファンの動作設定も可能となっており操作性に優れているのも魅力です。特にモニタリング&ログ機能はThermaltakeよりも優れています。




超高変換効率なTitanium認証のおすすめ電源ユニット

50%負荷時の変換効率が94%と非常に高い変換効率を誇る次世代ハイエンド電源といっても過言ではないTitanium認証を取得した電源ユニットについて紹介します。

Titanium認証取得の電源ユニットとしてはSeasonic PRIME Titanium Ultraシリーズが圧倒的な信頼性の高さから自作ユーザーに好評を博していて、特にオススメの製品です。
当サイトでもレビュー記事を公開していますが、高負荷においても抜群の静音性を発揮しており、性能的には文句の付け所のない製品です。ただ電源容量単価でみると割高なので予算と要相談だと思います。予算が許すなら買って後悔のない電源ユニットです。
「Seasonic PRIME Ultra 850 Titanium SSR-850TR」をレビュー
Seasonic PRIME Ultra 850 Titanium SSR-850TR


国内ではSeasonic純正として販売されていないPrime TXの1000WモデルをベースにしたOEMの「Antec Signature 1000 Titanium」も極めて高い静音性を実現しており、やはり値は張りますが、予算が許すなら文句なしにオススメな製品です。
「Antec Signature 1000 Titanium」をレビュー
Antec Signature 1000 Titanium




エンスーCPUやマルチGPUに対応可能なおすすめの1200W級電源ユニット

Intel Core-XやAMD Ryzen Threadripperなど2021年最新のエンスー向けCPUに、NVIDIA GeForce RTX 3090やAMD Redeon RX 6900 XTのマルチGPUを組み合わせても対応可能な、電源容量1000W以上の高級電源ユニットのオススメモデルについて紹介します。

まずオススメするモデルは当サイトでもレビュー記事を公開している「Thermaltake Toughpower iRGB PLUS 1250W Titanium - TT Premium Edition」です。電源容量1250Wで変換効率も現行最高クラスのTitanium認証となっており、冷却ファンの静音性の高さも抜群なので文句なしの1台です。
「Thermaltake Toughpower iRGB PLUS 1250W Titanium」をレビュー
Thermaltake Toughpower iRGB PLUS 1250W Titanium

Thermaltake Toughpower iRGB PLUS 1250W Titanium
Thermaltake
Amazon.co.jpで詳細情報を見る
TSUKUMO><ドスパラ

管理人が現在、ベンチ機で使用している「Corsair HX1200i」もおすすめです。電源容量1200Wで変換効率Platinum認証というハード面の品質だけでなく、専用アプリCorsair Link/iCUEから消費電力等のモニタリングや冷却ファンの動作設定も可能となっており操作性に優れているのも魅力です。
「Corsair HX1000i」をレビュー。発売から5年経っても余裕で現役なハイエンド電源
Corsair HX1000i


変換効率Titanium認証を取得し電源容量1600Wの最強電源ユニット「Corsair AX1600i」もかなりおすすめな電源です。価格は7万円程と非常に高価ですが2021年に購入できる電源ユニットとしては間違いなく最高の電源ユニットなのでこだわりの最強自作PCを目指すならぜひ検討してみてください。レビュー記事も公開中です。
Titanium認証1600Wで奥行200mmの最強電源「Corsair AX1600i」をレビュー
Corsair AX1600i

Corsair AX1600i 1600W Titanium認証
Corsair
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TSUKUMO><PCショップアーク><ドスパラ
パソコン工房



Mini-ITXに最適なSFX&SFX-Lサイズのおすすめ電源ユニット

Mini-ITX対応PCケースへの組み込みに最適なSFXとSFX-Lサイズのおすすめ電源ユニットについて紹介します。

ATX電源ユニットと比べて選択肢が少なく購入できる製品がそもそも限られているのですが、SFX/SFX-Lサイズの電源ユニットついて管理人はSilverStone製の電源ユニットを特にオススメしています。
SilverStone製を勧める理由は同社電源ユニットで使用可能な互換ケーブルとして同社から発売されている「SST-PP05-E」の存在です。SST-PP05-EはSilverStone製電源ユニットの付属ケーブルと酷似した電源ケーブルですが、付属ケーブルよりも細くて柔らかいので、SFX/SFX-Lサイズの電源ユニットを組み込むようなスペースの限られた小型PCにおいて、初心者でも簡単にケーブルを収めることができます。
SST-PP05-E



自作PC用電源としては最もコンパクトなSFX電源ユニットとしては、便利なショートケーブルキットSST-PP05-Eを使用できる「SilverStone SX650-G」や「SilverStone SX500-G」がオススメです。
前世代機種よりも冷却ファンが大型化し、ロッカースイッチ型のハードウェア電源スイッチの追加でより使いやすくなっており、SFXサイズ電源ユニットの定番モデルと言っても過言ではない製品です。
SFX電源の新定番「SilverStone SST-SX650-G」をレビュー
SilverStone SST-SX650-G

SilverStone SST-SX650-G SFX電源/Gold認証650W
SilverStone SST-SX500-G SFX電源/Gold認証500W
SilverStone
Amazon.co.jpで詳細情報を見る
TSUKUMO><ドスパラ

またSilverStoneからは50%負荷時の変換効率が92%以上の高変換効率Platinum認証を取得する上位モデル「SilverStone SX700-PT」も発売されています。
「SilverStone SX700-PT」をレビュー
SilverStone SX700-PT

電源ケーブルが独立スリーブ型なのでケーブルの取り回しはSilverStone製品に劣りますが、「Corsair SF600 Platinum」や「Corsair SF750 Platinum」は、高変換効率なPlatinum認証取得かつ、電源ユニット冷却ファンが静音性重視なチューニングになっているので、静音性を重視するユーザーにオススメです。
Platinum認証SFX電源ユニット「Corsair SF750 Platinum」をレビュー
Corsair SF750 Platinum



SFX-Lサイズの電源ユニットについては、電源容量800WでTitanium認証取得の「SilverStone SX800-LTI」が発売されています。
Core i9 10900K/Ryzen 9 3950XとGeForce RTX 2080 Tiのようなハイエンド構成でも安定した電源供給が可能で静音性にも優秀です。高価ですが性能面は抜群なので予算が許すのであれば文句なしにオススメです。上で紹介したショートケーブルキットSST-PP05-Eも使用できます。
TITANIUM認証取得SFX-L電源「SST-SX800-LTI」をレビュー
SilverStone SST-SX800-LTI




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