おすすめSSDまとめ


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そもそもSSDとHDDは何が違うのかといった基礎知識、MLC/TLC/QLC/PLCのマルチレベルセルやNVMe/SATA3.0、そして次世代規格PCIE4.0など2022年最新のSSD事情について徹底解説し、当サイトで実機レビューした中から今一番オススメな自作PC用の最新SSDを用途や価格別に比較して紹介します。



2024年最新バージョンの記事を公開しました。




おすすめSSDまとめ 目次


【SSDの基礎知識】
1.SSDとHDDの違い - 用途に合わせて適切に選ぶ

  【New】 PS5増設にオススメなM.2 SSDを解説。ロード時間比較も!【別記事へ】
  ・本当に速いSSDはどれか?SSDの実用性能を比較【別記事へ】
  ・SATA SSD vs NVMe SSD vs HDD ゲームロード時間を比較【別記事へ】

2.SSDの大容量化と微細化の限界について
3.3D NANDやSLC/MLC/TLC/QLC/PLCについて
4.SLCキャッシュの容量と超過後書き込み速度は重要


5.SSDの接続規格はSATAとNVMeの2種類
6.SSDは2.5インチSATAやM.2など4種類
7.2.5インチSATA SSDについて
8.M.2 SSDについて
9.M.2 SSDにはNVMe接続とSATA接続の2種類がある
10.PCIE AICカードと2.5インチU.2について


11.PCIE4.0対応NVMe M.2 SSDについて



【オススメなSSD製品を紹介】

1.OS用SSDならWD_BLACK SN770がコスパ最強 【オススメ】
2.性能を追求するならPCIE4.0対応NVMe M.2 SSD 【オススメ】


3.データストレージにお勧めな容量1TB以上の大容量2.5インチSATA SSD
4.PCゲーム100GB超時代でも容量不足の心配無用な4TB容量のSATA SSD


5.安価なエントリークラスNVMe M.2 SSD




【執筆:2018年9月25日、最終更新:2022年10月6日】



SSDとHDDの違い - 用途に合わせて適切に選ぶ

SSD(Solid State Drive)とHDD(Hard Disk Drive)はそもそも物理的な構造が異なります。
HDDは回転する磁気ディスク上で磁気ヘッドを動かして(シーク動作)、データの読み出し・書き込みを行うので、磁気ディスクと磁気ヘッドという物理的に動く部位が存在します。
一方でSSDはメモリコントローラーとメモリチップ+αのみで構成されており、データの読み出し・書き込みにおいて物理的に動作する部位はなく、全てが電気信号のみで行われます。
SSD-HDD_internal
下はSATA3.0規格のSSDとHDDについてCrystalDiskMarkを実行した結果ですが、連続アクセス性能に数倍の差があるのに加えて、ランダム性の高いデータへのアクセスでは100倍以上の性能差があります。
この差がゲームロード時間に比例してそのまま直結するわけではありませんが、磁気ディスク上の物理的なアドレスに磁気ヘッドを都度移動させるという制約があるHDDの構造上、SSDと比較してランダムなアクセス性能が低いというのは事実です。
SSD-HDD_CDM
アクセススピードではHDDを大きく上回るSSDですが、2022年現在、SATA SSDが最大容量4TB、NVMe M.2 SSDが最大容量2TBに対して、3.5インチSATA HDDは最大容量が18TBに達しており、1つのストレージ当たりの単純な容量を比較するとHDDに軍配が上がります。
また容量単価が安価であるところもHDDの魅力です。下は2020年7月現在の最安値クラスの価格から算出したおおよそのストレージ別単価容量です。SATA SSDが1000円あたり70~80GB程度の単価容量に留まるのに対し、HDDでは最近発売されたばかりの16TB容量モデルですら3倍以上も上回る単価容量を実現しており、一般的に普及する4TB~8TBのHDDでは7,8倍もの単価容量となります。
SSD-HDD_Price

このようにSSDとHDDにはアクセススピードと単価容量において大きな隔たりがあるので、用途に合わせて適切に選択する必要があります。








SSDの大容量化と微細化の限界について

まず大前提として現在のSSDは基本的にメモリコントローラー、メモリチップ、DRAMキャッシュの3つから構成されています。(廉価SSDではDRAMキャッシュは省略されるものもある)
下はNVMe M.2 SSDのSamsung SSD 970 PROのレイアウトですが左から順にメモリコントローラーとDRAMキャッシュがあり、右半分に2枚のメモリチップが実装されており、このメモリチップがストレージとしての記憶領域になっています。
Samsung SSD 970 PRO (4)
2.5インチSATA SSDなども分解すると、実装素子の多寡に差こそあれ同様にメモリコントローラー、メモリチップ、DRAMキャッシュの3つから構成されています。
DSC04524

データは”セル”と呼ばれる記憶素子に0と1の2進数デジタルデータとして記憶されます。セル1つ1つは非常に小さいですが当然物理的な大きさがあり、容量がGB単位になればセルの数も数千から数億に達し、メモリチップの物理的な寸法はおおよそ決まっているので、メモリチップあたりに実装できるセルの数(容量)は半導体の微細化に依存します。SSDの登場当初はこの微細化を進めることでメモリチップ1枚あたりの容量を増やしていました。
セルの平面微細化
しかしながら半導体の微細化にも限界が見えてきたので、
「1つのセルに2bit以上のデータを保存できるようにする」 → マルチレベルセルの開発
「3次元(垂直)にセルを積んでいって容量を拡大する」 → 3D NANDの開発
へとSSD開発は舵が切られるようになりました。 
QLC 3D NAND



マルチレベルセルと3D NANDについて

初期のSSDにおいてデータ記憶単位であるセルは電位の高さ(電圧、Level)によって、「電位が高い状態=1」と「電位が低い状態=0」の2値のみで判別される1bit単位、「SLC(Single Level Cell)」でした。
しかしセルの物理的な微細化だけではメモリチップ1枚当たりの容量を増やすのが難しくなったため、これまで1bit(2値)しか記録できなかったセルに、2bit以上の記録をさせるように改良され、これが「MLC(Multi Level Cell)」と呼ばれました。

MLC開発当時は1bit(2値)から2bit(4値)へのマルチレベルセル化だったため、DLC(Double level Cell)ではなくMLCと呼ばれた経緯があり、現在でもMLCと呼ぶ場合は2bitのマルチレベルセルのことを指すことが多いです。
その後、順調にマルチレベルセル化は進み、15年頃から3bit(8値)のTLC(Triple Level Cell)、そして2018年後半では4bit(16値)のQLC(Quadruple Level Cell)が一般向けSSDとして製品化されています。
MLC_TLC_QLC
MLCではこれまで「0 / 1」の1bit(2値)だったセルの記録を「00 / 01 / 10 / 11」の2bit(4値)に増やしているので、例えばSLCではセルの電位が0.4Vなら記録データは0、電位1.6Vなら記録データは1と判別していたところを、0.4V/0.8V/1.2V/1.6Vに刻んで判別することになり、3bit(8値)のTLCでは0.2V刻み、4bit(16値)のQLCでは0.1V刻みと、マルチレベルセル化に伴いデータを判別するための電位の刻み幅は細かくなります。
QLC
マルチレベルセル化には容量単価が下がるというメリットはあるのですが、一方で書き込み耐性の低下やデータの長期保存における信頼性の低下も伴い、加えてベンチマーク測定でもわかりやすい傾向としてデータ書き込み速度の低下も発生します。

SLC型SSDは一般には流通していないので、一般コンシューマーはMLC型SSD、TLC型SSD、QLC型SSDの3種類から選択することになりますが、各SSDの性能の傾向は次のようになっています。
マルチレベルセル化の傾向

MLC(2bit) TLC(3bit) QLC(4bit)
容量単価 高い
(2022年現在、ほぼ終売)
標準
(2022年現在主流)
安い
書き込み耐性
(容量1TB当たり)
1200TBW程度
400~600TBW程度 200TBW程度
MTBF
(平均故障時間)
一般に150~200万時間前後
連続大容量
書き込み
書き込み速度の低下は発生しない
64層以上かつ容量1TB以上なら、SATAでは発生しない
NVMeなら1GB/s以上を維持できる
メモリチップ2枚の1TBモデルでもSLCキャッシュ超過後は200MB/sに低下
(Intel 665p参考)


最近では4bit(16値)のQLC(Quadruple Level Cell)の次に、5bit(32値)のPLC(Penta Level Cell)の登場もメモリメーカー各社から予告されています。
ただマルチレベルセルによる大容量化は単位面積当たりの増え幅が反比例的に小さくなってしまうので、書き込み速度や書き込み耐性の低下を考えると5bit MLCあたりで流石に限界だと思います。
Intel Penta Level-Cell


半導体微細化が難しくなりメモリチップ1枚当たりの記憶容量を増やすため、もう1つの方法として、これまで平面的に増やしていたセルを垂直に積み上げる「3D NAND」が開発されました。
3D NAND
現在ではMicron、WD/SanDisk&KIOXIA(旧TOSHIBA)、Samsung、SK Hynixなどが主要なNANDメーカーが90層程度の3D NANDを主流としつつ、ハイエンド帯では100+層3D NANDを採用した製品も発売されてきています。
3D NAND_100+layer



SLCキャッシュの容量と超過後書き込み速度は重要

SSD大容量化のソリューションの1つ、マルチレベルセル化は書き込み速度の低下が伴うため、記憶容量の一部をSLCとして使用し、書き込み性能を向上させるSLCキャッシュ機能がTLC/QLC型SSDでは採用されています。
TLC型32層3D NANDを採用した初期のTLC型SSDでは連続した大容量データの書き込みにおいて、SLCキャッシュ超過後に書き込み速度がステップ状に大きく低下することが問題視されていました。
PNY SSD 960GB_HDTP
しかしながら、「Samsung SSD 860 EVO」、「WD Blue 3D NAND SATA SSD(SanDisk SSD Ultra 3D)」、「Crucial MX500」など、2018年以降に発売されたTLC型64層3D NANDを採用かつの容量1TB以上のSATA SSDでは、SATA接続の理想的な連続書き込み速度である500MB/sを維持できるようになって、書き込み速度の低下は解消されています。
Samsung 860 EVO 2TB_HDT

またSATA接続よりも高速なNVMe接続のSSDについても、TLC型3D NANDを採用している製品はSLCキャッシュ機能が採用されており、SLCキャッシュ超過後は書き込み速度の低下が生じます。
NVMe接続のSSDでも書き込み速度の低下は発生するものの、SATA SSDを2~3倍も上回る1GB/s以上の書き込み速度を維持できる製品が存在します。
Samsung 970 EVO Plus 1TB_HDT

また初期製品では総容量1TBあたり10GB程度の固定容量がSLCキャッシュになっていましたが、SLCキャッシュ超過後の書き込み速度が極端に遅くなるQLC型SSDの登場を皮切りにして、近年ではSLCキャッシュを空き容量に応じた可変容量で確保するSSDが増えています。
SLC cache variable

『SLCキャッシュ超過後の書き込み速度』や『SLCキャッシュの容量(固定か可変か)』、さらには『使用済みSLCキャッシュの開放の早さ』といった各SSD製品の動作は実用シーンでの快適さに大きく影響します。
この辺りの仕様はメーカースペックでは公表されないので、実機によるSSDレビューで事前に確認したいところです。
当サイトで公開しているSSD製品の詳細レビューではSLCキャッシュの挙動について、単純な使用済み容量0GBの状態でのSLCキャッシュだけでなく、一定量を使った状態も含めて検証しているので、購入を検討する時は是非参考にしてみてください。
SSD Review_SLC Cache



SSDの接続規格はSATAとNVMeの2種類

2022年最新SSDの電気的な接続規格は大別してSATA(SATA3.0)とNVMeの2種類です。
SATAは現在ver3.0ですが、ver1.0やver2.0の製品はすでにほぼ完全に終売となっており、SATAケーブルはバージョンによらず共通なので、現在は『SATA = SATA3.0』と考えてOKです。この記事や当サイトの他の記事でもSATAと単純に書いている場合は基本的にSATA3.0のことになっています。

SATA接続規格はもともとHDDや初期のSSDを想定して策定された規格となっており、高速化を続けている最新SSDに対して接続帯域の拡張が難しい(後継の予定もない)ため、新たに策定された接続規格がNVMe(NVM Express)です。

NVMeはグラフィックボードなどの接続でも使用されているPCI-Eが接続帯域として使用されており、最も主流なのはPCIE3.0x4ですが、PCIE3.0x4よりも帯域が半減するPCIE3.0x2やPCIE2.0x4の場合もあります。SATAの接続帯域が理論値で6Gbpsに対して、NVMe(PCIE3.0x4)の接続帯域は理論値32Gbpsとなっており、NVMe接続のSSDは最大で5倍以上高速なストレージとなります。
SATA_NVMe
SATA接続SSDは最新のものでも読み出し・書き込み速度が560MB/s前後で頭打ちになりますが、2022年最新のNVMe(PCIE3.0x4)接続SSDであれば最大で3500MB/s前後のシーケンシャルアクセスが可能になります。
NVMe SSD_CDM
さらに2022年最新規格のPCIE4.0対応(PCIE4.0x4接続)のNVMe SSDであれば、最大で連続7GB/sの読み書き速度を発揮できる製品もあります。
Seagate FireCuda 530 2TB_CDM



SSDの物理的規格は2.5インチSATAやM.2など4種類

自作PCで使用するSSDの物理的な規格は大別して「2.5インチSATA」、「M.2」、「PCIE AICカード」、「2.5インチU.2」の4種類です。
名前を挙げた順に自作PC界隈で普及度が高いものになっています。それぞれストレージ自体の物理的な形状に加えて、PCに接続するためのインターフェースの物理的な形状も異なります。
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2.5インチSATA SSDについて

2.5インチSATA SSDは自作PC界隈において最も普及している標準的なSSDストレージです。
2.5インチSATA SSDは名前の通りSATA接続のストレージです。外見に多少の違いはありますが、2.5インチストレージの寸法は規格で縦70mm×横100mmと決まっており、厚さは基本的に7mmのものが多いです。ネジ穴も側面と裏面に各4か所で位置も規格で決まっています。自作PC用ストレージとしては最も標準的な規格なのであまり言及すべきポイントもありません。
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2.5インチSATA SSDを使用するには、マザーボードと繋ぐためのSATA通信ケーブルに加えて、電源ユニットから伸びるSATA電源ケーブルの計2本を接続する必要があります。接続インターフェースは3.5インチHDDと同じです。
HDDならともかく消費電力の小さいSSDにもかかわらず、1つのストレージに対して通信用と電源用で2本ずつケーブルを接続する必要があるという煩雑さは、省スペースかつケーブルレスなM.2 SSDの登場によって、最近では若干ネックになりつつあります。
おすすめSSDまとめ_02341_DxO

ちなみにコンソールゲーム機のPlayStation 4やPlayStation 4 Proの内蔵ストレージの交換に使用するのも、2.5インチSATA SSDです。
PS4 ProをHDDからSSDに換装して速度比較。換装の手順も紹介
Elgato Game Capture 4K60 Pro review_01630



M.2 SSDについて

続いて2015年発売のSamsung SSD 950 PROの登場以降、順調に普及率を伸ばしている最新規格M.2 SSDが自作PC界隈で2番目に普及しているSSDです。
M.2 SSDは幅22mmが一般的ですが長さについてはいくつか種類があり、2230(30mm)、2242(42mm)、2260(60mm)、2280(80mm)、22110(110mm)の5つのフォームファクタが存在します。
自作PCで用いるM.2 SSDは基本的に長さ80mmの2280フォームファクタです。
M.2 SSD
M.2スロットはM.2 SSDだけでなくWiFi無線カードなど多目的に使用できるコンパクトなインターフェースとして策定された規格です。そのため用途に応じて、Key(カード側端子の切込みとM.2スロット側の出っ張り)でM.2スロットに装着できるM.2カードは限定されています。
ストレージ用M.2カード(M.2 SSD)やマザーボードのストレージ用M.2スロットはM-Keyで基本的に統一されているので、一般的な自作PCではKeyの事情を気にする必要はありません。
M.2 Slot-Key
ちなみにPCIE3.0x4対応のNVMe M.2 SSDは、帯域幅に応じてシーケンシャルアクセスで速度制限がかかるもののPCIE3.0x2やPCIE2.0x4のM.2スロットでも使用できます。またPCIE3.0x2やPCIE2.0x4のNVMe M.2 SSDもPCIE3.0x4のM.2スロットで使用できます。

最新コンソールゲーム機Playstation 5の増設ストレージ規格はM.2 SSD(かつPCIE4.0対応が必須)です。電気的な接続規格はNVMe、通信速度は最大でPCIE4.0x4に対応しています。
PS5増設にオススメなM.2 SSDを解説。ヒートシンク搭載モデルも!
PS5増設にオススメなM.2 SSDを解説



M.2 SSDにはNVMe接続とSATA接続の2種類がある

物理的な形状はM.2 2280フォームファクタで共通しているM.2 SSDですが、電気的な接続規格としてNVMe接続とSATA接続の2種類が存在します。
外形からどちらのSSDか判断することは難しいのでM.2 SSDを購入する際は間違えないように注意してください。余談ですがM.2 SSDをUSB接続化するエンクロージャーで間違い易いポイントだったりします。
おすすめSSDまとめ_02795_DxO
一応外形の違いとしてSATA接続M.2 SSDは接続端子に、M-KeyだけでなくB-Keyの切り込みがあります。
Samsung SSD 860 EVO M.2 1TB review_04499_DxO

加えてマザーボードのM.2スロットでは、『NVMe接続M.2 SSDのみ使用可能、もしくはSATA接続M.2 SSDのみが使用可能』、『NVMe接続は大丈夫だけどSATA接続のM.2 SSDを使用するとSATA端子の一部が排他利用になる』、等の制限があることも少なくないので注意が必要です。
M.2 SSDの使用・増設を検討している場合は、必ず事前にマザーボードのマニュアルからM.2スロットの対応接続規格や他IOとの排他利用の有無を確認してください。

M.2 SSDを使用する方法としてはマザーボードのM.2スロットに装着する以外に、M.2-PCIE変換拡張ボードを使用する方法もあります。M.2-PCIE変換拡張ボードはNVMe接続のM.2 SSDのみに対応しており、SATA接続のM.2 SSDには非対応なので注意してください。
M.2-PCIE変換拡張ボードはスペース的に大型ヒートシンクを装着できるので、3GB/sを超える高速なアクセススピードの反面、発熱の大きいNVMe M.2 SSDの使用方法として自作PC界隈で好まれています。
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NVMe M.2 SSDは3GB/sを超える高速なアクセススピードの反面、発熱も大きいですが、近年ではマザーボードM.2スロットに十分な性能のM.2 SSDヒートシンク搭載が標準化しており、市販M.2 SSDヒートシンクも安価で高性能なものが簡単に見つかるようになっています。
マザーボード備え付けのM.2 SSDヒートシンクの冷却性能が不十分で市販製品を探しているということであれば、PlayStation5の増設スロットにも互換なコンパクトサイズながら高い冷却性能を発揮する「CFD HSN-TITAN」、シリコンバンド固定で着脱が簡単な「SilverStone TP02」などがオススメです。






PCIE AICカードと2.5インチU.2について

最後にまとめて紹介しますが、比較的普及率の低いSSDフォームファクタとしてPCIE AICカード型と2.5インチU.2接続型の2種類があります。いずれもNVMe接続のSSDです。

PCIE AICカード型は上で紹介したM.2-PCIE変換拡張ボードと使い方は同じで、マザーボードのPCIEスロットに直接装着します。M.2スロットに比べるとスペースが広いので大型ヒートシンクを装着できるため、エンスーユーザー向けの高級SSDで採用されるケースがあります。
「Intel Optane SSD 905P/900P」シリーズのように専用基板にメモリチップやメモリコントローラーを実装している製品もあれば、「Plextor M9PeY Plusシリーズ」のようにオリジナルのヒートシンク付きM.2-PCIE変換拡張ボードにNVMe接続のM.2 SSDを内蔵しただけの製品も存在します。
PCIE AIC SSD

2.5インチU.2接続SSDは自作PC向け製品としてはごくごく少数出回っているだけなので、一般的にはあまり気にする必要のない製品です。
マザーボードに直接実装された、もしくはU.2-PCIE変換拡張ボードのU.2端子に専用のケーブルを繋いでPCと2.5インチU.2 SSDを接続し、電源はSATA電源ケーブルから取得します。
ヒートシンクの大型化(SSD筐体自体が放熱ヒートシンクになる)、リムーバブルドライブ化が可能など、サーバー・ワークステーションのユーザーの一部で好まれるフォームファクタですが、かなりニッチな製品です。一番メジャー?だった「Intel Optane SSD 905P/900P」も終売になってしまいましたし。
メリットもあるにはあって管理人も使用していますが、対応製品の少なさなど導入のハードルも高いので基本的に無視してOKなやつだと思います。
U2 SSD
接続方法など使い方等が気になる人はエンタープライズ向け製品ですが「Micron 9300 Pro」のレビュー記事を参照してみてください。
15TBの超大容量SSD「Micron 9300 Pro」をレビュー
Micron 9300 Pro 15.36TB



PCIE4.0対応NVMe M.2 SSDについて

AMD Ryzen 5000シリーズCPUやIntel第12世代Core CPUなど2022年最新プラットフォームでは、次世代規格のPCIE4.0(PCI Express 4.0)がサポートされており、PCIE4.0x4帯域で接続可能なNVMe M.2 SSDが各社からリリースされています。
PCIE4.0は1レーン当たりの速度がPCIE3.0の2倍なので、現在NVMe SSDで主流な接続帯域であるPCIE3.0x4の速度が32Gbpsに対して、PCIE4.0x4の速度は64Gbpsとなります。
最大64Gbpsという高速帯域によって、連続読み出しでは理想的な7.0GB/sに達する製品も続々と登場し、連続書き込みも7.0GB/sに迫る製品があります。
NVME_PCIE4x4

PCIE4.0対応SSDについては、アーリーアダプターなPhison PS5016-E16採用リファレンスSSDがPCIE3.0対応のSamsung SSD 970 PROと比較してCDM等で測定されるIO性能くらいしか見るところがなくあまり評価は高くなかったのですが、2020年10月より発売された「Samsung SSD 980 PRO」や「WD_BLACK SN850 NVMe SSD」の登場で当サイトでの評価も大きく変わりました。詳しくは詳細レビューを参照してください。
PCIE4.0対応NVMe M.2 SSDのレビュー記事一覧へ
PCIE4.0対応NVMe M.2 SSDのレビュー記事一覧へ



OS用ならWD_BLACK SN770がコスパ最強

OSをインストールするシステムストレージとして当サイト的にイチオシなのが、「WD_BLACK SN770 NVMe SSD」です。
WDインハウス製メモリコントローラーとWD/SanDisk最新の112層TLC型3D NAND BiCS5で構成されており、DRAMキャッシュレスながら、同社上位モデルSN850に迫る非常に高い性能を発揮します。

DRAMキャッシュレスなので弱点が全くないというわけではありませんが(詳しくはレビューで)、実用的にはほぼ問題にならない程度なので、安価に高性能PCを組みたい時、システムストレージとして組み込むのにイチオシのSSDです。

「WD_BLACK SN770 NVMe SSD 1TB」をレビュー
WD_BLACK SN770 NVMe SSD 1TB




性能を追求するならPCIE4.0対応NVMe M.2 SSD

PCIE4.0対応SSDについては、上の解説で触れたようにアーリーアダプターなPhison PS5016-E16採用リファレンスSSDが、Samsung SSD 970 PROなどPCIE3.0対応SSDと比較してCDM等で測定されるIO性能くらいしか見るところがなくあまり評価は高くなかったのですが、「Samsung SSD 980 PRO」や「WD_BLACK SN850 NVMe SSD」の登場でその評価も一変しました。
Samsung SSD 980 PROは、基礎的な各種ベンチマークや実際のファイルコピーテストだけでなく、SSDの実用性能を検証するPCMark10ストレージテストでもSamsung SSD 970 PROを40%近くも上回る性能を発揮し、堂々の最速更新を果たしています。
Samsung SSD 980 PRO 1TB_PCM10_vs-970PRO

すでにIntel環境では第11世代CPUから、AMD環境では一足早くRyzen 3000シリーズCPUからPCIE4.0のサポートが始まっており、最新世代のIntel第12世代CPUやAMD Ryzen 5000シリーズCPUも当然、PCIE4.0接続のNVMe SSDに対応しています。
ちょうどいい頃合いですし、今、性能重視でSSDを購入するのであればPCIE4.0対応SSDを選ぶのがオススメです。
当サイトでは10種類以上のPCIE4.0対応NVMe M.2 SSDについて詳細レビューを公開しているので是非参考にしてみてください。

PCIE4.0対応NVMe M.2 SSDのレビュー記事一覧へ
PCIE4.0対応NVMe M.2 SSDのレビュー記事一覧へ


性能で選ぶなら「WD_BLACK SN850X NVMe M.2 SSD」が当サイト的にイチオシのPCIE4.0対応NVMe M.2 SSDです。
前モデルSN850無印は高い性能に比例して発熱も大きかったのですが、後継モデル「WD_BLACK SN850X NVMe M.2 SSD」は高速化を果たしつつ、低消費電力化も実現しています。
比較的に簡素なマザーボード備え付けのSSDヒートシンクで十分に冷やせて、SLCキャッシュの扱いも賢いので総合的に使い易い製品です。

「WD_BLACK SN850X NVMe SSD 1TB / 2TB」をレビュー
WD_BLACK SN850X NVMe SSD 1TB


WD_BLACK SN850 NVMe SSDに性能で一歩及びませんでしたが、発熱が比較的に小さくSSD自体の放熱ソリューションも考慮されていて相対的に優れたポイントもあるので、「Samsung SSD 980 PRO」もPCIE4.0対応NVMe M.2 SSDとして買って間違いのない製品だと思います。

「Samsung SSD 980 PRO 1TB」をレビュー。堂々の最速更新
Samsung SSD 980 PRO 1TB


「Samsung SSD 980 PRO」と「WD_BLACK SN850X NVMe SSD」の2大ブランドに加えてオススメな製品を挙げるとしたら、後発の製品は横並びで優秀なのであとはメーカーや価格からお好みで、という感じですが、「Seagate FireCuda 530」や「SK Hynix Platinum P41」や「PLEXTOR M10P」も検討してみてもいいと思います。






データストレージにお勧めな容量1TB以上の大容量2.5インチSATA SSD

大容量な動画・写真データやPCゲームのインストール先に使用するデータストレージに最適な容量1TB以上の2.5インチSATA SSDについては最新のTLC型64層3D NANDを採用した製品がオススメです。

安価なTLC型ながら連続した大容量データの書き込みであっても書き込み速度の低下が発生しないので「Samsung SSD 870 EVO」、「WD Blue 3D NAND SATA SSD(SanDisk SSD Ultra 3Dはブランド違いで中身は同じ)」、「Crucial MX500」の3大製品からお好みで選べばOK。
SATA SSDのレビュー記事一覧へ
SATA SSD

これらの3製品についてはほぼ横並びな性能ですが、「WD Blue 3D NAND SATA SSD(SanDisk SSD Ultra 3D)」は書き込み耐性と価格のバランスが良く、「Crucial MX500」は比較的安価で、「Samsung SSD 870 EVO」は若干容量単価が高いですが実用性能や書き込み耐性が優秀、という感じです。
大きく差があるわけではないので、値段やメーカーなど各自のお好みで選べばOKです。






PCゲーム100GB超時代でも容量不足の心配無用な超大容量4TBのSSD

QLC NANDメモリを採用した2.5インチSATA SSD「Samsung SSD 870 QVO」は4TBや8TBといった超大容量を比較的安価に導入できるので、PCゲーム100GB超時代でも容量不足の心配無用なゲームデータストレージとしてオススメのSSDです。

「Samsung SSD 870 QVO」シリーズは、QLC型NAND採用ながら現行最新かつ主流なTLC型NAND採用のSATA3.0 SSDと同等のアクセススピードを実現しています。4bitマルチレベルセルゆえの理論的な書き込み耐性の低さは少々気になるものの、PCゲームのインストール先であれば読み出しアクセスメインになるのでそのデメリットも基本的には無視できます。

1TB/2TBといった一般的な容量のモデルは現在主流なTLC型NANDを採用した同社・他社製品と価格差が小さく(一方で書き込み耐性が低く、書き込み速度の低下も大きいので)、正直言って魅力に欠けますが、4TB以上の製品はコンシューマー向けでリリースしているのがSamsungとWDのみという状況もあり、かつTLC型SSD製品よりも安価なので、コストパフォーマンスにおいて非常に魅力的です。

前モデルになりますが、「Samsung SSD 860 QVO」の4TBモデルについてレビュー記事を公開しているので参考にしてみてください。






安価なエントリークラスNVMe M.2 SSD

NVMe M.2 SSDは2.5インチSATA SSDに比べて高価という印象が強いですが、DRAMキャッシュレスにすることでSATA SSDに近い容量単価を実現しつつ、性能もNVMe SSDらしく高性能という、コストパフォーマンスに優れた製品も近年ではリリースされています。
M.2 SSDには配線が不要で、マザーボードのM.2スロットに挿すだけでOKな手軽さという魅力もあるので、こういった安価な製品はNVMe M.2 SSDの入門モデルとしてオススメです。

安価なNVMe M.2 SSDとして好評を博したWD Blue SN550の後継モデル「WD Blue SN570 NVMe SSD」も安価なNVMe M.2 SSDとして悪くない製品ではあるものの、上で紹介したWD_BLACK SN770 NVMe SSDが非常に良かったので相対的に評価が難しいところです。
価格差もそれほどではないのでコスパ優先でNVMe M.2 SSDを選ぶにしてもWD_BLACK SN770 NVMe SSDの方がオススメ、というのが正直な感想です。
ただ「WD Blue SN570 NVMe SSD」はPCIE3.0x4接続だけあって非常に低消費電力(低発熱)なので、SSDの冷却に不安のあるシステムへの組み込み用としては良いと思います。
WD Blue SN570 NVMe SSD 1TB_Power_1_Read_1

「WD Blue SN570 NVMe SSD 1TB」をレビュー
WD Blue SN570 NVMe SSD 1TB


エントリークラス製品ではありませんが、DRAMキャッシュ搭載のTLC型SSDで比較的に安価かつ高性能なNVMe M.2 SSDということであれば「Samsung SSD 970 EVO Plus 1TB」がオススメです。
PCIE3.0x4帯域の製品なので、同社最新製品の980 PROよりも安価に導入できます。PCIE3.0x4接続の競合製品と比較して数倍大きいSLCキャッシュが確保されているので書き込みタスクが頻発しても快適に運用できるところも魅力です。
「Samsung SSD 970 EVO Plus 1TB」をレビューSamsung SSD 970 EVO Plus 1TB





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(注:記事内で参考のため記載された商品価格は記事執筆当時のものとなり変動している場合があります)



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