
スポンサードリンク
Core i9 12900KなどIntel第12世代Alder Lake-SシリーズCPUが対応するIntel 600シリーズチップセット搭載マザーボードは新CPUソケットの「LGA1700」が採用されており、従来のLGA1200やLGA1151(LGA115X)のCPUクーラーマウントホールと互換性がないので、各社CPUクーラーの対応状況についてまとめました。
ASUS製Z690マザーボードはLGA1200用クーラー対応
ASUS製Z690マザーボードについては、Intel LGA1700標準のCPUクーラーマウントホールに加えて、従来のLGA1200/115X互換のマウントホールも併設されており、LGA1700対応マウント部品がないCPUクーラーも使用できます。ROG MAXIMUSのようなハイエンドから、TUF Gaming/PRIMEのようなエントリークラスまで、LGA1200互換で設計されているので、CPUクーラー選びで迷ったらASUS製マザーボードにすると楽です。

CPUに合わせて十分な冷却性能のCPUクーラーを選択する必要はありますが、極端な例として、プッシュピン式のLGA1200/115X対応CPUクーラーもASUS製Z690マザーボードなら問題なく使用できます。

ただし、ASUS製マザーボードは冷却性能を重視してかなり巨大なVRM電源クーラーを搭載しているモデルが多く、簡易水冷CPUクーラーは問題ありませんが、一部の空冷CPUクーラーではCPUソケット上側のVRM電源ヒートシンクとCPUクーラーヒートシンクが干渉する可能性があります。
Nocuta製空冷CPUクーラーについてはNoctua公式によって各種マザーボードとのクリアランスが検証されており、120mmサイズ空冷の代表としてNH-U12S、140~150mmサイズ空冷の代表としてNH-D15を参照すると、ASUS ROG Strix Z690シリーズで干渉する可能性が高いようです。

目次
1.Noctua
2.Fractal Design
3.Corsair
4.サイズ
5.MSI
6.NZXT
【注意】
国内では特定メーカーのCPUクーラーを複数の国内正規代理店が取り扱っている場合があります。
メーカー公式からLGA1700対応マウントパーツの配布が発表されていても、A社の代理店取り扱い品を購入していた場合、同じ製品を取り扱うB社ではなく、A社へ問い合わせる必要があるので注意してください。
Noctua
Noctua製空冷CPUクーラーのLGA1700対応状況については英語ですが公式にプレスリリースが公開されています。プレスリリース:https://noctua.at/en/noctua-announces-free-of-charge-mounting-upgrades-and-updated-cpu-coolers-for-lga1700
国内正規品を購入していた場合は、Noctua公式を経由してLGA1700互換マウントパーツが配布されます。1000円程度でLGA1700対応マウントパーツも販売が開始されています。
国内正規代理店を介して対応マウントパーツの販売は始まっていますが、無償配布はNoctua公式経由となります。
無償配布について下記のオーダーフォームから申請が可能です。なお、申請にはCPUクーラーの納品書やレシート、CPUもしくはマザーボードの納品書やレシートの2つが必要です。
78mm、通常:https://noctua.at/en/nm-i17xx-mp78-order-form
83mm、通常:https://noctua.at/en/nm-i17xx-mp83-order-form
78mm、Chromax:https://noctua.at/en/nm-i17xx-mp78-chromax-black-order-form
83mm、Chromax:https://noctua.at/en/nm-i17xx-mp83-chromax-black-order-form
国内正規品のNoctua製空冷CPUクーラーについては各モデルが順次、LGA1700対応(マウントパーツ同梱)に切り替わっていきます。
下写真は国内正規代理店の1つ、サイズ社から提供いただいたNH-D15 Chromaxですが、CPUソケット互換性のところに”LGA1700”と記載されています。店頭でNoctua製空冷CPUクーラーを購入する時はこの部分をチェックしてください。

Noctua製の空冷CPUクーラーには大きく2種類のマウントパーツがあり、CPUクーラーベースプレートに装着された部品で判別できます。(加えてシルバーの通常版とブラックのChromax版で計4種類)


各CPUクーラーで使用するLGA1700用マウントパーツは、左右固定ネジのピッチ(幅)で名前が分けられていて、『83mm幅は2つに分割』されていて、『78mm幅は1つのプレート』となっています。対応CPUクーラーの見分け一覧は公式でも解説されています。

NH-D15やNH-P1では83mm幅のマウントバーツが使用されており、LGA互換の追加部品として「NM-i17xx-MP83 mounting-kit」を使用します。
購入したCPUクーラーがChromaxバージョンの場合は、マウントバーが黒色の「NM-i17xx-MP83 chromax.black mounting-kit」があります。
なおマウントキット「NM-i115x-1200 kit」や「NM-AM4 mounting-kit」を使用すると後述の78mm幅製品も83mm幅変わるので注意してください。

「NM-i17xx-MP83 mounting-kit」と「NM-i17xx-MP83 chromax.black mounting-kit」は単品でも1000円程度で購入可能です。
Noctua NM-i17xx-MP83 mounting-kit / Chromax
<
TSUKUMO><
PCショップアーク><PCワンズ>
<パソコン工房><ソフマップ><ビックカメラ>
Noctua
Amazon.co.jp で詳細情報を見る<
<パソコン工房><ソフマップ><ビックカメラ>
NU-U12AやNH-U12Sでは78mm幅のマウントバーツが使用されており、LGA互換の追加部品として「NM-i17xx-MP78 mounting-kit」を使用します。
購入したCPUクーラーがChromaxバージョンの場合は、マウントバーが黒色の「NM-i17xx-MP78 chromax.black mounting-kit」があります。

「NM-i17xx-MP78 mounting-kit」と「NM-i17xx-MP78 chromax.black mounting-kit」は単品でも1000円程度で購入可能です。
Noctua NM-i17xx-MP78 mounting-kit / Chromax
<
TSUKUMO><
PCショップアーク><PCワンズ>
<パソコン工房><ソフマップ><ビックカメラ>
Noctua
Amazon.co.jp で詳細情報を見る<
<パソコン工房><ソフマップ><ビックカメラ>
Fractal Design
Fractal Design製CPUクーラーの国内正規代理店は株式会社アスクの1社のみとなっており、アスクからIntel LGA1700ソケットに対応させるためのアップグレードキットの無償配布が公表されています。プレスリリース:https://www.ask-corp.jp/news/2021/10/cpu-cooler-lga1700-upgrade-kit.html
なおアップグレードキットは数量に限りがあり在庫が無くなり次第、もしくは商品在庫に対応マウントパーツの同梱が完了次第、配布終了になるとのことです。
Fractal Design Celsiusシリーズ
Fractal Design CelsiusシリーズについてはLGA1700対応マウントパーツとして、リテンションブラケットとスタンドオフスクリュー×4の2種類が送付されます。Asetek純正品のLGA1700対応部品は黒色塗装ですが、Fractal Design Celsiusシリーズの対応パーツを申し込むと、CPUクーラー付属品同様に光沢のあるガンメタリック塗装の部品が送付されます。

リテンションブラケットは一見してほぼ同じに思えますが、LGA1700はLGA1200とLGA2066の中間幅なので、スタンドオフのネジ山を通すネジ穴部分がひょうたん型からストレート型に変わっています。(形状は共通なので黒色のAsetek純正部品を参考写真としています)

Fractal Design Lumenシリーズ
Fractal Design CelsiusシリーズについてはLGA1700対応マウントパーツとして、リテンションブラケット、バックプレート、ネジピラーの3種類が送付されます。
実はバックプレートは従来付属品と共通で、ネジピラーの根本の突起が変わっており、LGA1200とLGA2066の中間幅のLGA1700に対応するよう調整されています。

あとリテンションブラケットでスタンドオフのネジ山を通すネジ穴部分が、ひょうたん型からストレート型に変わっています。

Corsair
Corsair製簡易水冷CPUクーラーの国内正規代理店は、株式会社アスクと株式会社リンクスインターナショナルの2社なので、各自の入手した製品がどちらの取り扱いかで問い合わせ先が変わります。いずれもIntel LGA1700ソケットに対応させるためのアップグレードキットの無償配布が公表されています。
アスク:https://www.ask-corp.jp/news/2021/10/cpu-cooler-lga1700-upgrade-kit.html
リンクス:https://www.links.co.jp/2021/10/post-932/
なおアップグレードキットは数量に限りがあり在庫が無くなり次第、もしくは商品在庫に対応マウントパーツの同梱が完了次第、配布終了になるとのことです。
Corsair製簡易水冷CPUクーラーについては「Corsair LGA1700 Intel Retention Standoffs Spare Part」というスタンドオフを交換するだけでいいようです。

サイズ
サイズ取り扱いの各種CPUクーラーのIntel LGA1700マウント対応状況についてはこちらの公式ページでまとめられています。公式ページ:https://www.scythe.co.jp/alder_lake-s
CPUクーラーの固定にバックプレートを使用するタイプのサイズ製空冷CPUクーラーについては、LGA1700に対応するためのマウントキット「SCMK-1700」が税込み980円で11月4日より発売されます。当アップグレードキットについては無償配布は行われません。


「SCMK-1700」の対応CPUクーラーは下記の通りです。記載のないサイズ製CPUクーラーは非対応なので注意してください。
- 無限5シリーズ:SCMG-5000/SCMG-5100/SCMG-5100TUF/SCMG-5102AR
- 虎徹MARK IIシリーズ:SCKTT-2000/SCKTT-2000TUF
- 風魔1および風魔2シリーズ:SCFM-1100/SCFM-2000※SCFM-1000は非対応
- 忍者5:SCNJ-5000
- 大手裏剣3シリーズ:SCBSK-3000/SCBSK-3000R
- 手裏剣2:SCSK-2000
- 超天シリーズ:SCCT-1000TUF※SCCT-1000は非対応

プッシュピン式のCPUクーラーについても「白虎 弐(BYAKKO2)」や「IZUNA」といった一部のモデルはそのままでIntel LGA1700に対応します。

MSI
MSI製CPUクーラーはアスクやアユートといった国内正規代理店が取り扱っていますが、Intel LGA1700ソケットに対応させるためのアップグレードキットについてはMSI Japan公式が無償配布を行います。LGA1700対応アップグレードキットの配布対象は同社製簡易水冷CPUクーラーのMAG CORELIQUID Rシリーズと、MPG CORELIQUID Kシリーズです。
この2シリーズについては今後の出荷分から順次、LGA1700対応キットが同封される予定です。LGA1700対応キットが同封されている場合、製品パッケージにLGA1700対応のシールを貼る予定とのこと。


無償配布の詳しい応募方法については下記の公式ページを参照してください。
無償配布応募ページ:https://jp.msi.com/Promotion/mag-coreliquid-r-k-series-upgrade-kit-for-intel-lga1700

NZXT
2021年10月29日現在、LGA1700への対応方法については未発表です。予定はあるようなので公式の発表をお待ちください。対応します。
— NZXT Japan (@NZXTJapan) October 8, 2021
マウンタの提供方法は現在検討中となっています。新CPU登場時の対応情報のお知らせがいつも遅くなってしまいすみません。
記事が参考になったと思ったら、ツイートの共有(リツイートやいいね)をお願いします。
Intel第12世代Alder Lake-Sが対応するCPUソケットLGA1700は、従来のLGA1200やLGA1151のCPUクーラーマウントホールと互換性がありません。
— 自作とゲームと趣味の日々 (@jisakuhibi) October 29, 2021
各社CPUクーラーがLGA 1700にどのように対応しているか情報をまとめました。https://t.co/0Bh46cHb33 pic.twitter.com/BJi8qBxy0w
・Intel第12世代Alder Lake-S Core CPUのスペック・性能・ラインナップを解説

・Intel 600シリーズマザーボードの関連記事一覧へ

関連記事
・Intel第12世代Alder Lake-Sのレビュー記事一覧へ
・Intel第12世代Rocket Lake-Sのレビュー記事一覧へ

・Intel第10世代Comet Lake-Sのレビュー記事一覧へ

・【できる!自作PC】最新CPUの選び方とオススメCPUを徹底解説

・主要4社Z490マザーボードを徹底比較!第10世代Core-Sにイチオシはどれか?

・Core i9 10900Kの殻割りクマメタル化&銅製IHSの冷却性能を検証

・おすすめの自作PCマザーボードを徹底解説

(注:記事内で参考のため記載された商品価格は記事執筆当時のものとなり変動している場合があります)
スポンサードリンク
正式対応版買った方が良さそうです(´・ω・`)