Aterm WX6000HP


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10Gb対応WANを搭載し、最大通信速度4800Mbpsの次世代規格WiFi6に対応するハイエンド無線LANルーター「Aterm WX6000HP(型番:PA-WX6000HP)」をレビューします。
フレッツ光&OCNプロバイダという定番の組み合わせでひかり電話も使用しており、ホームゲートウェイ越しに「Aterm WX6000HP」からIPoE接続をしてみたので、設定方法やPPPoEと比較した速度など簡単にレポートしていきます。
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製品公式ページ:https://www.aterm.jp/product/atermstation/product/warpstar/wx6000hp/
マニュアル:https://www.aterm.jp/support/manual/wx6000hp/index.html


よくある疑問ですがAmazonで販売されている「Aterm AX6000HP(AM-AX6000HP)」は販売チャネル用に型番を替えているだけで、製品自体は「Aterm WX6000HP(PA-WX6000HP)」と完全に同じです。

NEC Aterm AX6000HP
NEC Aterm AX6000HP
  (販売チャネルによる型番違いでWX6000HPと同等)
NEC
Amazon.co.jp で詳細情報を見る
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Aterm WX6000HP レビュー目次


1.Aterm WX6000HPの外観・付属品とスペック

2.Aterm WX6000HPの管理画面や基本的な使い方


3.ひかり電話HGW越しにIPoE接続してみた
     ・IPoE(IPv4 over IPv6)接続の速度比較

4.Aterm WX6000HPのレビューまとめ



Aterm WX6000HPの外観・付属品

最初に「Aterm WX6000HP」の外観や付属品についてチェックしていきます。
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パッケージの蓋を開くと、まずはルーター本体が現れ、段ボール紙スペーサーの下には各種付属品が収められていました。
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「Aterm WX6000HP」にはルーター本体以外に、10Gb対応LANケーブル、ACアダプタ&ACケーブル、スタンド、クイックマニュアルが付属します。
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スマートフォンのWiFi接続を簡単に行うことができる、QRコードやNFCタグも付属します。
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続いて「Aterm WX6000HP」のルーター本体についてチェックしていきます。
「Aterm WX6000HP」は少しグレー寄りのシルバーカラーのプラスチック外装となっており、白い壁紙の部屋でもルーターの存在が浮きにくいデザインです。アンテナも内蔵式なので、スタイリッシュな印象のルーターです。
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「Aterm WX6000HP」はグレー寄りな銀色なので白系統の壁紙の場所に壁掛け設置しても、ルーターが浮きすぎることがないのが良いところ。
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ちなみに「Aterm WX6000HP」に変えるまでは、Aterm WR9500Nを間に合わせで使っていて気付いたら1年も経っていたのでやっと買い替えた次第です。Oculus Quest 2とかVIVE Focus 3の無線ストリーミングの検証もあって流石に、11n(WiFi4)止まりでは支障が。


「Aterm WX6000HP」の寸法は高さ200mm×奥行215mmとなっており、このスタイルの縦置きルーターとしては奥行きが大きめで、一般的なアンテナ内蔵ルーターと比較すると1.5倍くらい大きい印象があります。幅は50mm程度なので普通です。
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「Aterm WX6000HP」の正面はシルバーカラーですが、背面は黒色です。放熱のためエアスリットが広く設けられています。
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「Aterm WX6000HP」のプラスチック製スタンドは着脱式となっており、上記のような縦置きだけでなく、背面に装着するとルーターを壁に固定できます。なお放熱の問題で横置きには非対応なので注意してください。
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「Aterm WX6000HP」のシルバー外装を正面から見て、左側面には各種LEDインジケーターが実装されています。
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逆に右側面には各種I/Oポートやスイッチ類が実装されています。ハイエンド系ルーターとしては珍しく、「Aterm WX6000HP」にはUSBポートはないので、USBストレージを使用した簡易NAS機能などは利用できません。
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USBストレージによるFTPサーバー機能の便利な使い方の1つとして、Sony製ミラーレス一眼カメラα7シリーズが対応するFTP転送との組み合わせがオススメです。SDカードの差し替えやUSBケーブルの着脱なし、無線環境で簡単にPCと写真ファイルを共有できます。


「Aterm WX6000HP」には10Gb接続に対応したWANポートが1基実装されています。一般的なRJ45というLAN端子です。
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ただし10Gb LANは1つしかないので、PCとNASなど複数の10Gb対応機器を10Gb LANで接続するには、別途、10Gb対応スイッチングハブを用意する必要があります。


「Aterm WX6000HP」の初期設定では、10Gb対応ポートは標準ではWANポートの割り当てですが、1Gb対応のLAN1にWANを割り当てて、10Gb対応ポートをLAN1として使用することもできます。
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「Aterm WX6000HP」は最新高速ネットワーク規格に対応できるよう高性能なクアッドコアCPUに加えて、5GHz帯用に2基、2.4GHz帯用に1基で計3基の無線用CPUも対応しています。10Gb有線LANや最大4800MbpsのWiFi6による高速通信をスムーズに処理します。
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「Aterm WX6000HP」は無線LAN機能においても、8ストリームの5GHz帯で最大4800Mbpsの通信速度を発揮する次世代規格WiFi6をサポートしています。
なお4800Mbpsの高速通信に対応するのは同スペックのWiFiルーター間のみとなっており、現状ではWiFi6に対応するPCで2404Mbps(160MHz幅/2ストリーム)、スマートフォンで最大1200Mbps(80MHz幅/2ストリーム)です。
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「Aterm WX6000HP」はアンテナ内蔵タイプの無線LANルーターですが、NEC独自の回路設計やチューニング技術「ハイパワーシステム」により、WiFi電波の送受信可能範囲を従来機より広げています。
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またワイドレンジアンテナ構造によってクライアント機器の向きに依らず高速通信を可能にしています。Oculus Quest 2のワイヤレスPCストリーミング「Oculus Air Link」と組み合わせる時に効果が高そうな機能です。
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ルーターモードとブリッジモード(アクセスポイントモード)を切り替える物理スイッチも実装されています。IP電話環境などで 光回線終端装置(ONU)との手前に別のルーターがある場合に、物理スイッチでブリッジモードへ切り替えることができます。
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リセットスイッチは縦置き時に底面になる側面に実装されています。細い穴の奥にスイッチがあるので、押下するにはペンの芯や爪楊枝が必要です。
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Aterm WX6000HPのの管理画面や基本的な使い方

「Aterm WX6000HP」で管理画面を開くまで、アウトボックス状態から行う初期設定について紹介します。

注意点として「Aterm WX6000HP」はWANに割り当てるポートを切り替えることが可能ですが、アウトボックス時点では10Gb WANポートにWANが割り当てられています。
WANポートに1Gb LANを割り当てて使用する場合であっても、管理画面から設定を変更するまでは10Gb WAN端子にWANを接続しないと「Aterm WX6000HP」を介してインターネットに接続できません。
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ルーター設定については確実なので有線接続が推奨ですが、無線接続で初期設定を行う場合は、ルーター本体背面のシールからSSIDとパスワードを確認する、もしくはスマートフォンで接続する場合は付属のWiFi設定シートでQRコードやNFCタグを利用します。
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「Aterm WX6000HP」の初期設定画面(管理画面)を開く方法として、適当なWebブラウザ(Microsoft Edge、Google Chrome、Mozilla Firefoxなど)でURLに”http://aterm.me”と入力します。(ルーターがインターネットに接続されていなくても、ルーターとPCがLANで正常に接続されていればOK)
Firefoxなど一部のウェブブラウザでは、「ネットワークのログインページを開く」等のリンクが表示され、選択するとURL入力同様に初期設定ページを開くことができます。
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「Aterm WX6000HP」は回線の自動判定機能に対応しており、電源を入れた(DCケーブルを挿した)段階で現在のネットワーク状況に応じて自動的に動作モードのセットアップが開始されます。自動セットアップが完了するまでしばらく待ってください。
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自動セットアップが完了するとログインメニューが表示されます。管理者アカウントの初期名は「admin」
パスワードの初期値は、本商品に貼付のラベルに記載された英数字8桁のパスワード(Web PW)です。

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「Aterm WX6000HP」の管理画面の基本的な使い方や気になる機能について紹介していきます。
「Aterm WX6000HP」はNEC製ルーターなので当然ですが、管理画面は日本語UIにしっかり対応しており、海外ルーターのローカライズと違って変な翻訳もありません。専門用語が分からないというケースを除けば、見た通りに理解できる管理画面です。
管理画面トップには「Aterm WX6000HP」の現在の動作モード、IPv4やIPv6での現在のインターネット接続の可否が表示されます。
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管理人の環境ではひかり電話のホームゲートウェイ(意味合いとしてはほぼルーターと同じ)越しに「Aterm WX6000HP」を接続しており、ホームゲートウェイでPPPoEによるインターネット接続設定をしていたので、「Aterm WX6000HP」は自動判定によってローカルルータモードで起動しました。
ホームゲートウェイと「Aterm WX6000HP」でDHCPホストが多重になるので、背面スイッチでブリッジモードに切り替えるように注記が表示されますが、「Aterm WX6000HP」を超えてホームゲートウェイからIPアドレスが割り振られることはないので、ホームゲートウェイに接続されている機器が「Aterm WX6000HP」だけならそのままでも特に問題はないはずです。

管理画面を下にスクロールすると、6個のボックスに大別されて各種設定項目が表示されます。
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PPPoE、IPv6プラス、OCNバーチャルコネクトなどインターネット接続に関する設定を変更したい場合は、基本設定のボックスにある「基本設定」を開きます。
標準では自動判定がONになっていますが、OFFに切り替えると動作モードのドロップダウンメニューからインターネット接続方式が選択できます。次の章でOCNバーチャルコネクトを例に紹介しますが、「Aterm WX6000HP」はIPoE(IPv4 over IPv6)にも対応しています。
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「Aterm WX6000HP」の初期設定では10Gb WANにWANポートが割り当てられていますが、詳細設定のボックスにある「その他の設定」から、「10GポートWAN/LAN切り替え機能」で1Gb LAN1にWANポートを切り替えられます。WANポートを切り替えると管理画面上ではLAN1が10Gb LANになります。
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なお「Aterm WX6000HP」は2021年9月現在、最新ファームウェア ver2.1.1において、ジャンボフレーム(Jumbo Frame, Jumbo Packet, MCU等と表記)には非対応でした。Atermシリーズのジャンボフレーム対応機種一覧を見ると、同世代下位モデルのWX3600HPは対応しているのに「Aterm WX6000HP」が非対応というのは解せない仕様です。
まあ、現状でジャンボフレーム対応が必要になるのは10Gb LANで相互通信する時くらいなので、10Gb LANが1基しかない「Aterm WX6000HP」はあってもなくても、というのが正直なところではあるものの。
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5~10GbのマルチギガビットLAN対応NASで重要になる機能と言われることの多いジャンボフレームですが、補足としてもう少し厳密に言うと、ジャンボフレームには『ルーター側CPU(SoC)の性能が低い時にボトルネックを解消する効果』があります。
Intel製デスクトップ向けCPUを搭載しているような高価なハイエンドNASならジャンボパケット無効でも問題ありませんが、モバイル向けSoC等ではSoCの性能(CPU性能)がボトルネックになるため、マルチギガビットLANの性能をフルに発揮しようとするとジャンボパケット対応が必要になります。


「Aterm WX6000HP」は標準では2.4GHz帯と5GHz帯で別々のSSIDが割り振られていますが、無線LAN設定のボックスにある「無線LAN基本設定」から、「バンドステアリング」を有効にすると、SSIDが1つに統合されてPC等の接続先との通信環境に応じて自動的に接続帯域を使い分けるようになります。
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「Aterm WX6000HP」は2.4GHz帯と5GHz帯に対して、それぞれ2つずつのSSIDを割り振ることができます。
標準では各帯域のプライマリSSIDのみが有効、セカンダリSSIDは無効になっていますが、各帯域の無線LAN詳細設定を開いて、「対象ネットワークを選択」のドロップダウンメニューからセカンダリSSIDを選択すると、セカンダリSSIDに関する設定が表示されます。「無線機能」のスイッチをONに切り替えればセカンダリSSIDを使用できるようになります。
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「Aterm WX6000HP」は5GHz帯で8ストリームによる最大4800Mbpsの高速通信に対応しています。標準設定ではクワッドチャンネル機能(4ストリーム)がONになっていますが、オクタチャンネル機能に切り替えることで8ストリームに対応します。
なお現状ではWiFi6に対応するPCで2404Mbps(160MHz幅/2ストリーム)、スマートフォンで最大1200Mbps(80MHz幅/2ストリーム)です。4800Mbpsの高速通信に対応するのは同スペックのWiFiルーター間のみとなっており、Aterm WX6000HP同士で無線接続するという使い方でもなければ標準設定のクワッドチャンネルのままで問題ありません。
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ひかり電話HGW越しにIPoE接続してみた

ホームゲートウェイ越しに「Aterm WX6000HP」からIPoE接続をしてみたので、設定方法やPPPoEと比較した速度など簡単にレポートしていきます。


ひかり電話HGWを外せない場合のIPoE接続機器について

管理人の自宅は、フレッツ光&OCNプロバイダという定番の組み合わせです。それだけであれば光回線終端装置(ONU)から直にAterm WX6000HPへ繋いでしまえばOKなのですが、一般電話回線の代わりにひかり電話を使用しているのでホームゲートウェイ(RX-600MI)を外せません。

ちなみに”ホームゲートウェイ(HGW)”と別物のような名前が付いていますが、ただのルーターです。回線契約をした時に有料オプションでルーターを追加する時に、その機器がホームゲートウェイと呼ばれていたりしますが、基本的にただのルーターなので使うかどうかは各自のお好みとなります。
例外的にホームゲートウェイが『ひかり電話機能を搭載したルーター』であったり、『光回線終端装置(ONU)を内蔵したルーター(eo光 10ギガ回線など)』だったりして、その場合はホームゲートウェイが必須となってしまいます。
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というわけで繰り返しますが、管理人の環境ではひかり電話を使っているので、ホームゲートウェイを外せないため、RX-600MIと「Aterm WX6000HP」で二重ルーターな状態になってしまいます。二重ルーター状態が問題かというと各自の環境によります。

二重ルーター状態をもう少し具体的に説明すると、『ローカルネットワーク内にローカルIPアドレスを配布するDHCPホストが複数ある状態』です。
下の模式図のようにルーター1とルーター2の両方でDHCPホスト機能が有効になっていると、ルーター1はPC1とルーター2(WAN側)にIPアドレスを配布してネットワーク1を構築します。一方でルーター2はPC2とNASでネットワーク2を構築します。こうなるとネットワーク1とネットワーク2は別のネットワークなので、PC1からNASへのアクセス設定が面倒になります。(無理ではないけど設定が面倒になる)
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こういう状況でPC1からNASへ簡単にアクセスしたい場合は、ルーター2のDHCPホスト機能を無効化(ブリッジモードに切り替え)して、ルーター2以下の機器も全てネットワーク1に入れてしまう必要があります。
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上の模式図のようにルーター1にルーター2以外の機器が接続されていると、家庭内の機器が複数のネットワークに分かれてしまい問題なのですが、ルーター1にはルーター2しか接続しておらず、その他の全ての機器はルーター2に接続する形であれば、二重ルーター状態でも実用上は特に問題ありません。
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以上のような基本を踏まえて、管理人の環境を説明すると、光回線終端装置(ONU)とホームゲートウェイは玄関横の分電盤と一緒に情報ボックスに入っており、「Aterm WX6000HP」はリビングに設置という物理的な条件があります。またひかり電話で必須となるホームゲートウェイのRX-600MIはOCNのIPoE(IPv4 over IPv6)接続機能、OCNバーチャルコネクトに対応していません
さらに言うと、「Aterm WX6000HP」やゲーミングルーターなど高性能SoCを搭載したルーターを中心にローカルネットワークを構築し、インターネット接続を行わないのはもったいないので、ホームゲートウェイにはひかり電話機能だけに専念というか、インターネット接続周りは素通りにしてもらいたいわけです。


情報ボックスから壁埋めLANケーブルを使用して接続する機器が「Aterm WX6000HP」だけであれば、PCやゲーム機など家中の機器をルーター2に接続するように集約すれば問題なく、まさに管理人の環境がこれです。
結論だけまとめると、ホームゲートウェイのインターネット接続設定を無効化して、「Aterm WX6000HP」でOCNバーチャルコネクトによるインターネット接続を行えばOKなので、非常に簡単。
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ただし派生パターンとして、『情報ボックスから壁埋めLANケーブルを使用して接続する機器が複数あり、OCNバーチャルコネクトなどIPoE(IPv4 over IPv6)接続機能を利用したい』となると、IPoE(IPv4 over IPv6)接続に対応したルーターをもう1台用意して、情報ボックス内に設置する必要があります。
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OCN IPoEインターネット接続機能の利用を申し込む

インターネット接続プロバイダがOCNの場合、IPoE(IPv4 over IPv6)接続機能は「OCNバーチャルコネクト」と名付けられています。OCNバーチャルコネクト自体はOCNプロバイダ契約者なら無料で利用できます。

OCNバーチャルコネクトには対応ルーターが必要ですが、OCNからはプロバイダ契約者向けの有料サービス「OCN v6アルファ」が提供されており、同サービスを契約するとIPoE(IPv4 over IPv6)接続に対応した「IPoE対応ルーター 01」というNEC Aterm製の無線LANルーターがレンタルされます。
OCN v6アルファ

OCNバーチャルコネクトは市販ルーターでも利用できますが対応モデルが限られており、市販ルーターの対応モデル一覧が公表されています。「Aterm WX6000HP」などNEC Aterm製品についてはここ1,2年の最新機種なら大体は対応しています。
NEC Aterm_OCN IPoE


OCN IPoEインターネット接続機能の提供状況を確認するにはOCNマイページにアクセスします。ログインIDとパスワードはOCNプロバイダ契約をした時に送付されてきたPPPoE接続用のID・パスワードが記載された用紙に書いてあります。
OCNバーチャルコネクトは無料サービスですが、未提供の場合は利用申し込みが必要になります。
(2020年6月にサービス開始なので、それ以降にOCNプロバイダ&光回線の契約をした場合は最初から有効になっているかも。どちらにせよ下記の手順で提供済みかどうか確認できます)
ocn ipoe (1)
マイページのトップ、提供中のサービスで「OCN 光 ……」の下にある「もっと見る」を選択すると、登録した電話番号を使用した二段階認証が表示されるので指示の通りに認証します。
ocn ipoe (2)
認証が完了すると契約状況に関するページが表示されるので、下にスクロールしていき「IPoEの提供状況」を見ます。市販のルーターを使用する場合は上の「IPoE」の右側が提供中/未提供のどちらかを確認します。
ocn ipoe (3)
未提供の場合は「提供ご希望の方はこちら」のリンクを選択し、手続きを進めます。
ocn ipoe (4)
なお上記手続きでは、フレッツ光回線&OCNプロバイダの組み合わせの場合、NTT東日本/西日本(フレッツ光回線)へIPv6アドレスの払い出しを依頼する必要があり、OCNプロバイダがそれを代行してくれるのですが、その際にフレッツ光回線のお客様ID(CAF + 10桁の数字)が必要になります。
フレッツ光回線のお客様IDは光回線契約時に発行される「フレッツアクセスサービスお申込み内容のご案内」という青色文字の用紙に記載されているので、事前に用意しておいてください。
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戸建てだと問題ないのですが、分譲のマンション・アパートの場合、フレッツ光回線の契約者名義が建物&部屋番号になっていることがあり、名義確認の封筒がOCNプロバイダの契約者住所に届くことがあります。
その場合は用紙に記載されているOCNサービスセンターへ直接電話してサポーターにフレッツ光回線の契約者名義が建物&部屋番号になっていることを伝えればOKです。必要事項を記入して封筒を返送するよりも対応が早いので電話がオススメです。

IPoE接続の提供手続きが完了すると、プロバイダ契約時に発行されるメールアドレスのOCNメールにメールが届きます。再度、上で説明した「IPoEの提供状況」をチェックすると提供中に変わっているはずです。
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OCN IPoEインターネット接続機能の利用を申し込む

OCN IPoEインターネット接続機能が提供中になったら、あとはルーターの接続設定をPPPoEなどこれまでの設定からOCNバーチャルコネクトに切り替えるだけです。なお下記のパターンで接続設定を説明していきます。
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まずはホームゲートウェイの管理画面にアクセスします。適当なウェブブラウザで「http://192.168.1.1/」と入力すれば開くはず。
基本設定の「接続先設定 (IPv4 PPPoE)」と「接続先設定 (IPv6 PPPoE)」を開いて、現在有効になっているセッションを切断・停止します。設定を保存したまま接続だけ無効にできるので削除まではしなくてもOKです。
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「Aterm WX6000HP」の物理スイッチがルーターモードになっていて、回線の自動判定機能がON(標準設定のまま)の場合、上記の操作でホームゲートウェイのインターネット接続を切断した段階で、回線の自動判定機能が起動し、管理画面にアクセスすると下のようなページが表示されます。
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管理人の環境では上記の表示のまま数分待つとログインページが表示され、ログインすると管理ページのトップに記載される動作モードがOCNバーチャルコネクトに変わり、インターネット接続設定も完了(当然、インターネットに繋がります)していました。
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OCNバーチャルコネクトについては動作モードを切り替える以外にユーザーが行う接続設定はありません。
「IPoEの提供状況」が提供中になっている状態で、自動判定機能がONになっていればOCNバーチャルコネクトでインターネット接続されるはずですが、上手くいかない場合は自動判定機能をOFFにして手動で動作モードをOCNバーチャルコネクトにしてみてください。
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OCNのIPoE接続環境確認サイトで下のように表示されたら、IPoE(IPv4 over IPv6)接続は成功です。
ocn ipoe check

フレッツ光回線とOCNプロバイダみたいに回線とプロバイダが別の組み合わせだと、どこで何を申し込めばいいのか(フレッツ光とOCNどっちのページを見ればいいのか、ID・パスワードの用紙も2種類ありますし)、IPoE接続の申し込みが大変で、そこまでが山場でした。手順が分かれば問題ないのですが、最初の手探りが辛かったです。
OCNバーチャルコネクトに至っては、PPPoEと違ってID・パスワードが不要でインターネット接続設定が完全に全自動なので、サービス提供になるまでの苦労と比較して肩透かし感が。


IPoE(IPv4 over IPv6)接続の速度比較

IPoE(IPv4 over IPv6)接続が利用可能になった後もOCNプロバイダから配布された従来のPPPoE接続のID・パスワードは利用できるので、IPoE接続とPPPoE接続の通信速度やレイテンシを比較してみました。

速度比較には「みんなのネット回線速度(みんそく)」というサイトを使いました。その他に「インターネット回線の速度テスト | Fast.com」や「Speedtest by Ookla」もよく使っています。

まずPPPoE接続時の測定結果がこちら。22時から0時で速度低下が顕著に起こりやすい時間帯で測定しています。
PPPoE (3)
PPPoE (4)

続いてIPoE接続時の測定結果がこちら。
IPoE (3)
IPoE (4)

現住所のフレッツ光&OCNプロバイダの回線は、立地が良い?のかPPPoEのままでもかなり高速なので差があまりつかないのですが(旧住所は夜間に通信速度が20Mbps前後、Pingが100ms超とかなり酷く)、それでも一応、IPoE接続にすることで通信速度が向上し、遅延も低下しました。
夕方以降にフレッツ光&OCNプロバイダの組み合わせで速度低下が顕著な環境の人は、対応ルーターさえあれば無償で利用できる機能なので、ルーターの買い替えと合わせて試してみる価値はあると思います。



Aterm WX6000HPのレビューまとめ

最後にWiFi無線ルーター「Aterm WX6000HP」を検証してみた結果のまとめを行います。簡単に箇条書きで以下、管理人のレビュー後の所感となります。

良いところ
  • 銀色なので白系統の壁紙に壁掛け設置してもルーターが浮きにくい
  • 10Gb対応ポートを1基搭載しており、WAN/LANの切り替えが可能
  • WiFi6(802.11ax)の5GHz帯は最大通信速度4800Mbpsに対応
  • クアッドコアCPU搭載でサクサク動く、無線用CPUをさらに3つ搭載
  • IPoE(IPv4 over IPx6)接続機能OCNバーチャルコネクトに対応
  • NEC製なので当然、管理画面の日本語もカンペキ
悪いところor注意点
  • 横置きには非対応
  • ジャンボフレームには非対応
  • 販売価格は税込み2.7~3.0万程度と高価

自宅ネットワークの中核に据える無線LANルーターを新調するにあたって、『壁掛けするので白色壁紙に浮きにくい』、『OCNバーチャルコネクト(IPoE, IPv4 over IPv6)に対応』、『ワイヤレスVR HMDの検証に必要なので無線規格はWiFi6』、『できれば10Gb LAN搭載』の条件を挙げてヒットしたのが「Aterm WX6000HP」でした。
そういった理由なので個人的には概ね満足していますが、「Aterm WX6000HP」がオススメかというと、買って失敗というわけではありませんが、”他人に勧めるほどではない”というのが正直なところです。迷って買うというより、買いたい人が買う製品かなと。

実用的にWiFi6対応が役立つシーンはありますが、最大通信速度の4800Mbpsについては”同等スペックルーター間の無線通信”という用途に現状では限られるので、WiFi6対応無線LANルーターへの買い替えを検討するなら、一般的には5GHz帯が1200Mbpsに対応していれば問題ナシ、ちょっと背伸びするにしても2400MbpsでスマホやモバイルPCには事足りるので、NEC Atermから選ぶのであれば下位モデル「Aterm WX3000HP」の方がオススメです。

白壁紙への壁掛けとの親和性という意味では、ハイエンド製品になると黒色外装ばかりなので「Aterm WX6000HP」は唯一無二ですが、上記の通り、通信速度を最大2400Mbpsにランクダウンさせれば、バッファローの「WSR-3200AX4S/NWH」とかI-O DATAの「WN-DAX3600QR」とか完全に白色外装な選択肢もあります。(最大1200Mbpsで良ければさらに安価に)


以上、「Aterm WX6000HP」のレビューでした。
Aterm WX6000HP



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