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Micron製の最新QLC型3D NAND採用で容量のコストパフォーマンスに優れるPCIE4.0x4接続のNVMe M.2 SSD「Crucial P3 Plus SSD 4TB」でPlayStation 5の拡張スロットで本体ストレージを増設し、市販ヒートシンクと組み合わせて十分に冷えるのか検証、さらにPS5ネイティブ対応タイトルを使用してゲームロード時間を比較してみました。
製品公式ページ:https://www.crucial.jp/products/ssd/crucial-p3-plus-ssd
目次
1.Crucial P3 Plus SSDをPS5増設用M.2 SSD要件からチェック
補足.各自でヒートシンクを装着する場合のオススメ製品
2.Crucial P3 Plus SSDの冷え具合をチェック
3.PS5にCrucial P3 Plus SSDを増設する手順
4.PS5に増設したCrucial P3 Plus SSDのゲームロード時間を比較
5.レビューまとめ
【機材協力:Crucial】
Crucial P3 Plus SSDをPS5増設用M.2 SSD要件からチェック
PlayStation公式から公表されているPS5増設用M.2 SSD要件と照らし合わせて、「Crucial P3 Plus SSD」の概要をチェックしてみます。まず、PS5増設用M.2 SSD要件をおさらいしておきましょう。
PlayStation 5の拡張スロットで本体ストレージを増設するのに使用するM.2 SSDは、CSゲーマーには不慣れな自作PC向け部品のSSDを使用することになります。
PS5公式サポートページで公開されている『PlayStation 5にM.2 SSDを取り付ける方法』の要件を重要ポイントに絞ってまとめなおしました。
PS5公式サポートページを見ての通り、PS5のストレージ増設に使用するM.2 SSDには放熱ヒートシンクが必須となっています。
いくつか図解がありますが公式サポートページで掲載されている一番最後の両面ヒートシンク取り付け時の図が一番分かりやすいと思います。難しく考えず、単純に『M.2 SSD基板から上8.0mmまで』、『M.2 SSD基板から下2.45mmまで』の2つの要件を抑えておけばOKです。
「Crucial P3 Plus SSD」には今回レビューする4TB(型番:CT4000P3PSSD8)に加えて、500GB(型番:CT500P3PSSD8)、1TB(型番:CT1000P3PSSD8)、2TB(型番:CT2000P3PSSD8)の4モデルがラインナップされています。
「Crucial P3 Plus SSD」のSSD本体の外観は次のようになっています。普通にM.2 2280サイズ、M-Key型のM.2 SSDです。PCB基板は黒色です。
「Crucial P3 Plus SSD」にはM.2 SSDヒートシンクは標準では付属していないので、後ほど紹介するオススメのM.2 SSDヒートシンクなどを各自で購入して装着する必要があります。
「Crucial P3 Plus SSD」の表面には、基板中央にメモリコントローラーがあり、その両隣に2枚ずつメモリチップが実装されています。
今回レビューする最大容量の4TBモデルと2TBモデルは上記のように4枚のメモリチップが実装されていますが、1TBモデルと500GBモデルはメモリチップが2枚のみとなります。
「Crucial P3 Plus SSD」は今回レビューする最大容量の4TBモデルも含め、全容量モデルが背面には素子実装のない片面実装です。4TBの大容量で片面実装は非常に貴重な存在です。
上位モデルP5 Plusにはインハウス製メモリコントローラーが採用されていましたが、「Crucial P3 Plus SSD」はPHISON PS5021-E21Tを採用しています。
Crucialは大手メモリメーカーMicronのコンシューマー向け製品部門的なブランドなので、メモリチップはMicron製となっておりQLC型176層3D NAND (N48R)です。
「Crucial P3 Plus SSD」はSSD上に実装されたDRAMキャッシュの代わりに、PCIE3.0/4.0の高速帯域を介してシステムメモリの一部をキャッシュとして使用するHMB(Host Memory Buffer)に対応しています。
連続読み出し5500MB/s以上という性能要件について、「Crucial P3 Plus SSD」の連続読み出しの仕様値は4700~5000MB/sとなっており少し下回ります。
今回検証する「Crucial P3 Plus SSD」の4TBモデルはPC上のCrystalDiskMark8による実測値で、連続読み出し速度4900MB/s程度でした。
「Crucial P3 Plus SSD 4TB」のようにPC上での性能がPS5の増設用ストレージ性能要件である5500MB/sに足しておらず、またPS5が機能をサポートしていない、DRAMキャッシュレスのHMB対応SSDを使用した時に実際のPS5ゲームロード時間がどうなるのかは後ほど検証結果から説明します。
ちなみに「Crucial P3 Plus SSD」の製品スペック一覧は次のようになっています。
「Crucial P3 Plus SSD」はQLC型NAND採用ということもあって書込耐性は1TBで220TBW、最大容量の4TBが800TBWとなっており、現在主流なTLC型NANDのSSDよりも製品仕様上の書込耐性は低めです。
なお”書込耐性”と呼ばれることは多いものの、『〇〇TBW以内の総書込量で破損した場合、保証期間内なら製品保証を受けられる』というメーカー保証要件の意味合いが強い数字です。
QLC型はTLC型よりも実際に書き込み耐性が低いことは構造上の事実ではありますが、PS5の増設ストレージに使用する分には、読み出しアクセスが大半を占め、書き込みアクセスは少ないので問題ないはずです。
各自でヒートシンクを装着する場合のオススメ製品
自作PC関連に不慣れな人には標準でヒートシンクを搭載したM.2 SSD製品がオススメです。ただし、今回レビューする「Crucial P3 Plus SSD」のように、自作PC向けパーツではヒートシンク非搭載が主流なので、ヒートシンク非搭載のM.2 SSDを使用する場合にオススメなヒートシンクやSSDについても紹介します。Crucial P3 Plus SSDの冷え具合をチェック
続いて、「Crucial P3 Plus SSD」の冷え具合、長期的に負荷がかかっても安定動作するのかをチェックしていきます。「Crucial P3 Plus SSD 4TB」はPlayStation 5の拡張スロットによるストレージ増設で使用可能なPCIE4.0対応M.2 SSDなので、PS5のSSD増設で十分に冷えるのか試してみました。
PlayStation 5の拡張スロットによるストレージ増設ではM.2 SSDヒートシンクの併用が推奨されているので、市販の高性能M.2 SSDヒートシンク「CFD HSN-TITAN」を組み合わせて検証を行いました。
「Crucial P3 Plus SSD 4TB」のメモリコントローラーと、メモリコントローラーに一番近いメモリチップの2カ所に温度センサーを貼り付けています。
下写真では温度センサーの位置が見て分かりやすいように透明テープで固定していますが、実際の測定ではテープ類は使用せずに直接、測定素子とサーマルパッドで挟み込む形で温度センサーを固定しています。
温度センサーのケーブルは拡張スロットの一部にあるスリットから出して、拡張スロットの標準カバーも装着しています。
最後にPlayStation 5の外装カバーも装着し、この状態で各種温度測定を行います。
PlayStation 5におけるSSDの温度測定については、
『1. アイドル: PS5のホーム画面を表示したままSSD温度が変化しなくなるまで放置』
『2. コピーインストール: PS5のゲーム(約160GB)をUSB3.1 Gen2外付けストレージから、拡張スロットのM.2 SSDへコピーインストール』
『3. ゲームプレイ&ロード: PS5内部温度が十分に高くなった状態で、PS5ネイティブ対応ゲームのロードやファストトラベルを繰り返す』
以上の3パターンで行いました。
コピーインストールでは、アイドルでSSD温度が安定した状態において、Horizon Forbidden West、ラチェット&クランク パラレル・トラブル、Marvel's Spider-Man: Miles Moralesの3タイトル、約160GBをUSB外付けストレージからコピーしています。コピー中の最大温度をチェックしています。
ゲームプレイ&ロードは、温度測定を始める前にPS5のシステム消費電力が220W前後になるHorizon Forbidden Westを高画質モードで放置し、SSD温度が変化しなくなった状態にしています。その後、Horizon Forbidden Westでゲームロードやファストトラベル、他ゲームの起動によってSSDに負荷をかけ、最大温度をチェックしています。
PlayStation 5の増設ストレージとして「Crucial P3 Plus SSD 4TB」を使用した、実用シーンにおけるSSD温度の検証結果は次のようになっています。
「Crucial P3 Plus SSD 4TB」は適切なM.2 SSDヒートシンクを組み合わせれば、メモリコントローラーとメモリチップともに50度未満の温度に収まっており、PS5増設用SSDとしては十分な冷え具合です。熱暴走の心配もなく、安心して運用できます。
PS5にCrucial P3 Plus SSDを増設する手順
PlayStation 5の拡張スロットに市販のM.2 SSD、「Crucial P3 Plus SSD」を増設する手順について紹介します。PS5でカバーが取り外し方向へスライドしないようにロックしているのは、縦置きした時に上側奥に当たる角にある2つの丸形の出っ張りだけなので、ここを外に引っ張って浮かせ、縦置き時の下方向へカバーを押すor引くと簡単に外れます。
M.2 SSD増設用の拡張スロットは正面から見て右側面の手前に配置されています。
拡張スロットにネジ止めされた金属製カバーを取り外すと、最大でM.2 22110サイズに対応したM.2スロットが現れます。なおPS5のSSD増設には1番のプラスドライバーが必要です。
M.2 SSD固定用ネジ&スペーサーが、標準ではM.2 22110サイズに合わせて装着されているので、まずはこれを取り外します。
80(M.2 2280)、110(M.2 22110)のようにサイズに合わせて基板上には数字が記載されています。Crucial P3 Plus SSDはM.2 2280サイズなので、80の数字が書いてある穴にスペーサーを装着します。
スペーサーを装着したらM.2スロットにM.2 SSDを挿入します。M.2 SSDは水平から10度くらい、少しだけ斜めにしてゆっくりと挿入してください。小さく薄い基板なので、破損しないように注意を。M.2スロットに奥まで挿入出来たらネジを固定します。
あとは金属製カバーを装着しなおして、物理的な作業としての増設は完了です。
PS5に増設したCrucial P3 Plus SSDのゲームロード時間を比較
さて、ここからは最も重要な項目、PlayStation 5に市販のM.2 SSD「Crucial P3 Plus SSD」を増設した時に、標準搭載SSDと同等、もしくはそれ以上に高速にPS5ネイティブ対応タイトルをプレイできるのか、ゲームロード時間を比較してみました。「Crucial P3 Plus SSD 4TB」はPC上でアクセススピードを測定すると連続読み出し速度は4900MB/s程度を示しますが、PS5でフォーマットした際に表示される読み出し速度は4100MB/s程度でした。どちらもPS5増設SSDの性能要件を下回っていますが、実際のゲームロードにおける影響はこの後で詳しくチェックします。
増設可能なストレージ容量について紹介しておくと、まず大前提としてPlayStation 5の標準内蔵SSDではシステム等で容量が使用されるので、ゲームなどのインストール先としてユーザーが自由に使用できるのは650GB程度です。
「Crucial P3 Plus SSD」の4TB容量モデルをPS5の増設ストレージに使用すると4.01TBを新たにストレージとして使用できました。
続いてM.2 SSD増設でインストール先として指定して起動も可能になったPS5ネイティブ対応タイトルのゲームロード時間を比較します。
ゲームロード時間の比較には、PS5ネイティブ対応タイトルから、「Final Fantasy VII REMAKE INTERGRADE」、「FORSPOKEN (Demo)」、「Ghost of Tsushima Director's Cut」、「Horizon Forbidden West」、「Marvel's Spider-Man Remastered」、「ラチェット&クランク パラレル・トラブル」、「Tales of ARISE」、以上の6タイトルを使用しています。
「Crucial P3 Plus SSD 4TB」をPS5の増設ストレージとして使用した時のゲームロードやコピーインストールの性能を標準内蔵SSDと比較すると次のようになっています。
今回の測定では若干、PS5内蔵SSDのほうが速い傾向も見られるものの、ほとんど測定誤差のような違いです。差は大きくても1秒以下となっており体感的に遅くなったと感じることもないはずです。
レビューまとめ
「Crucial P3 Plus SSD 4TB」でPlayStation 5の拡張スロットで本体ストレージを増設し、PS5ネイティブ対応タイトルを使用してゲームロード時間を比較してみた結果について箇条書きで簡単にまとめると次の通りです。- PS5のロード時間は内蔵SSDと増設M.2 SSDでほぼ同じ
- SSD容量をそのままPS5ネイティブ対応タイトルのインストール先に使用できる
- Crucial P3 Plus SSDは500GBから最大4TBまで幅広くラインナップされている
- Crucial P3 Plus SSDは最大容量の4TBも片面実装
- Crucial P3 Plus SSDはQLC型NAND採用なので容量単価が安い
- Crucial P3 Plus SSDは一般的なM.2 SSDヒートシンクで問題なく運用が可能
ゲームロードやUSBストレージからのコピーインストールの検証結果の通り、「Crucial P3 Plus SSD 4TB」をはじめとして、拡張スロットで増設したM.2 SSDの性能はPS5の内蔵SSDとほぼ同等です。
将来的に差が出る可能性は否定できないのでSSD性能が高いに越したことはありませんが、今回検証したタイトルについて言えば、PC上で連続読み出し7000MB/s超の最新製品でも、5000MB/s程度のPCIE4.0対応初期製品でもパフォーマンスには大きな差はありませんでした。
PCIE4.0対応で連続読み出し性能が3500MB/s~5000MB/sの変わり種な製品、PS5が非サポートのHMBをPC利用では前提としてDRAMキャッシュレスの製品などでも同様です。
2022年10月現在市販されているPCIE4.0対応NVMe M.2 SSDについてはどれを使用しても基本的にゲームロード性能には製品個別の比較でも内蔵SSDとの比較でも大差はないようなので、『1.容量に対して価格が安価である(別売りの場合はヒートシンクも込みで)』、『2.PS5互換サイズのSSDヒートシンクを搭載している』、以上2点を優先して選べばOKだと思います。
「Crucial P3 Plus SSD」に関しては、PS5のSSD増設で必須となるPCIE4.0接続に対応しているものの、PC上での連続読み出し性能が4700~5000MB/sでPS5公式の推奨スペックよりも若干低くなっています。
またQLC型NAND採用、DRAMキャッシュレスといった主流からは離れた構成なのでPS5に組み込んだ時に”ゲームは正常に動作するのか”、”内蔵SSDや7000MB/s超の最新製品と比べてロード時間が遅くならないか”は気になるところでしたが、2022年現在のメジャーなPS5ネイティブ対応タイトルによる検証結果の通り、「Crucial P3 Plus SSD」は内蔵SSDと遜色ないパフォーマンスを発揮しました。
実勢能に差がないのであれば、「Crucial P3 Plus SSD」は、M.2 SSDヒートシンクを各自で用意する必要があるので余分に1,000~2,000円程度はかかりますが、1TBなら税込み14,000円程度、2TBでも3万円を切るという容量単価の安さがシンプルに魅力です。
加えて最大の注目ポイントとして「Crucial P3 Plus SSD」には最大容量4TBのモデルがラインナップされています。
PCIE4.0対応SSDの4TBモデルというとWD_BLACK SN850XやSeagate FireCuda 530といったCrucialと同じくらい定番かつ信頼性のあるメーカー製品は8~10万円と非常に高額になりますが、「Crucial P3 Plus SSD 4TB」は税込み5.6万円と大幅に安価です。(もちろん単純な額面はPS5本体と同じなので高価ですが)
また他社製の4TB容量モデルは基本的にSSD基板背面にもメモリチップや素子がある両面実装ですが、「Crucial P3 Plus SSD 4TB」は背面に何もない片面実装なので、M.2 SSDヒートシンクの選択の幅が広く、冷却も容易であることもメリットとして挙げられます。
QLC型NANDを採用するSSDはSLCキャッシュを超過すると書き込み速度の低下が大きく、書き込み耐性が低いというデメリットはあるものの、PS5の増設ストレージならそういったデメリットは無視できます。
容量単価が現状では最重視されるPS5の増設ストレージという用途に置いて、「Crucial P3 Plus SSD」は非常に魅力的な製品だと思います。
以上、『Crucial P3 PlusでPS5のロード時間を比較してみた』でした。
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【4TBが5万円台!?】
— 自作とゲームと趣味の日々 (@jisakuhibi) October 26, 2022
PCIE4対応M.2 SSD「Crucial P3 Plus SSD」でPlayStation 5の拡張スロットにストレージを増設し、PS5ネイティブ対応タイトルでゲームロード時間を比較してみました。
市販ヒートシンクで十分に冷えるのかもチェック。https://t.co/reAqTPmJXW pic.twitter.com/z6Qm7DvAsu
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