Crucial X6 Portable SSD 4TB



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70mm四方アンダーという指で摘まめるコンパクトサイズながら、最大800MB/sの高速転送に対応する外付けモバイルストレージ「Crucial X6 Portable SSD 4TB(型番:CT4000X6SSD9)」をレビューします。
「Crucial X6 Portable SSD 4TB」をUSB3.2 Gen2でPCの外付けストレージとすることによって、内蔵ストレージやUSBメモリと比較して、どれくらい高速に大容量データを取り扱うことができるようになるのか徹底検証していきます。

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製品公式ページ:https://www.crucial.jp/products/ssd/x6-portable-ssd
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Crucial X6 Portable SSD 4TB レビュー目次


1.Crucial X6 Portable SSD 4TBについて
2.Crucial X6 Portable SSD 4TBの外観・付属品
3.Crucial X6 Portable SSD 4TBの検証機材や動作環境について
4.Crucial X6 Portable SSD 4TBのファイルコピー性能について
5.Crucial X6 Portable SSD 4TBのレビューまとめ



*以下、USB規格に関する説明がありますが『USB3.2 Gen2 = USB3.1 Gen2』、『USB3.2 Gen1 = USB3.1 Gen1 = USB3.0』と考えて基本的に問題ありません。


【機材協力:Crucial】



Crucial X6 Portable SSDについて

「Crucial X6 Portable SSD」シリーズはUSB3.2 Gen2接続のモバイルストレージです。USB3.1 Gen2やUSB3.0などホスト側に対する下方互換も備えています。
「Crucial X6 Portable SSD」は容量別で500GB(型番:CT500X6SSD9)と1TB(型番:CT1000X6SSD9)と2TB(型番:CT2000X6SSD9)と2TB(型番:CT4000X6SSD9)の4モデルがラインナップされています。

「Crucial X6 Portable SSD」は高速帯域10GbpsのUSB3.1 Gen2接続でPCと接続するので、最大でシーケンシャル読出800MB/sの高速アクセスを実現しています。メーカーによる製品保証期間は3年間です。
Crucial X6 Portable SSD 2TB_speed

「Crucial X6 Portable SSD」シリーズはPCに接続するモバイルストレージとしてだけでなく、HDDを内蔵するコンソールゲーム機のPS4やXbox One Xとの互換性もアピールされており、ゲームインストール先として使用することでロード時間が短縮できるので、ゲーム機用の外付けストレージとしても推奨されています。
次世代機のPS5やXbox Series X/Sではネイティブ対応タイトルの起動には非対応なものの、内蔵SSDが満杯になった時にネイティブ対応タイトルの避難先としては使用できますし、旧型下方互換タイトルであれば起動も可能なので、次世代ゲーム機用の外付けストレージとしても最適な製品です。
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Crucial X6 Portable SSD スペック
容量 500GB
(型番:CT500X6SSD9)
1TB
(型番:CT1000X6SSD9)
2TB
(型番:CT2000X6SSD9)
4TB
(型番:CT4000X6SSD9)
インターフェース
USB3.2 Gen2 対応
(USB3.1 Gen2やUSB3.0など下方互換あり)
コントローラー
(メーカー非公式)
Silicon Motion SM2259XT
ASMedia ASM235CM(SATA to USB3.1 Gen2変換)
メモリ
(メーカー非公式)
Micron製QLC型96層3D NAND
外形寸法
縦64mm x 横69mm x 高さ11mm
重量
41g
連続読出 540MB/s 800MB/s
連続書込 -MB/s
MTBF -万時間
保証期間 メーカー3年



Crucial X6 Portable SSD 4TBの外観・付属品

まずは「Crucial X6 Portable SSD 4TB」の外観や付属品について紹介していきます。
パッケージを開くと透明プラスチック製スペーサーの中央に「Crucial X6 Portable SSD 4TB」のSSD本体が収められています。
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ポータブルSSD本体を取り出すと、その下からUSBケーブル、クイックマニュアルが現れます。
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続いて「Crucial X6 Portable SSD 4TB」のポータブルSSD本体をチェックしていきます。
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Crucial X6 Portable SSDシリーズの製品寸法は縦64mm×横64mm×高さ11mmです。小型スマートフォンの半分程度と非常にコンパクトかつ薄型です。
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上位モデルのCrucial X8 Portable SSDシリーズの筐体はブラックカラーのアルマイト仕上げアルミニウム製ユニボディコアを採用していましたが、Crucial X6 Portable SSDシリーズはプラスチック製外装です。流線形フォルムはスマートな外観に加えて手触りも優れています。
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「Crucial X6 Portable SSD 4TB」の重量は40gです。コンパクトなサイズだけでなく重量も非常に軽く、ポケットに入れていても存在感を感じません。
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Crucial X6 Portable SSDシリーズの右端にはUSBケーブルを接続するためのUSB Type-C端子が実装されています。SSD本体のType-C端子にType-C to Type-Cケーブルを接続して使用します。ホスト側がUSB Type-Aの場合、変換アダプタや変換ケーブルは付属していないので各自で用意する必要があります。
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Crucial X6 Portable SSDシリーズにはType-C to Type-Cケーブルが1本標準で付属しますが長さは0.3mなので、1.0mなど長いケーブルが欲しい場合は「エレコム USB-Cケーブル C-C USB3.1Gen2」や「エレコム USB-Cケーブル A-C USB3.1Gen2」がオススメです。いずれもUSB3.1 Gen2(帯域10Gbps)を正式にサポートしています。
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エレコム USB3.1 Gen2ケーブル Type C to Type-C 0.5m/1.0m
エレコム USB3.1 Gen2ケーブル Type C to Type-A 0.5m/1.0m
エレコム
Amazon.co.jpで詳細情報を見る



Crucial X6 Portable SSD 4TBの検証機材や動作環境について

「Crucial X6 Portable SSD 4TB」のファイルコピー性能を検証する前に、同製品の検証機材や動作環境について紹介します。
「Crucial X6 Portable SSD 4TB」の各種検証を行う環境としては、AMD Ryzen Threadripper 3970XやASRock TRX40 Taichiで構成されているベンチ機を使用しました。構成の詳細は下記テーブルの通りです。
テストベンチ機の構成
CPU AMD Ryzen Threadripper 3970X
32コア64スレッド (レビュー
マザーボード
ASRock TRX40 Taichi
レビュー
メインメモリ G.Skill Trident Z Neo
F4-3600C14Q-32GTZN
(+F4-3600C14D-16GTZN×2セット)
DDR4 8GB*8=64GB (レビュー
3600MHz, 16-16-16-36-CR1
CPUクーラー ENERMAX LIQTECH TR4 II 360
ELC-LTTRO360-TBP (レビュー
Noctua NF-A12x25 PWM x3 (レビュー
ビデオカード Palit GeForce RTX 3090 GamingPro OC
レビュー
システムストレージ
Samsung 860 PRO 256GB (レビュー
OS Windows10 Home 64bit
電源ユニット Corsair HX1200i (レビュー
ベンチ板 STREACOM BC1 (レビュー


Samsung SSD 980 PRO 1TB review_05418_DxO


「Crucial X6 Portable SSD 4TB」はアウトボックス時点でファイルシステムがexFATにフォーマット済みとなっており、使用可能な空き容量は3.63TBでした。
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ちなみにCrucial X6 Portable SSDの2TBモデルは同社製SATA SSDのBX500 2TB相当のSSDをUSB変換したポータブルSSDでしたが、今回レビューする「Crucial X6 Portable SSD 4TB」は連続読み出し800MB/sに対応していることから予想できるように、NVMe to USB3.2 Gen2変換なポータブルSSDでした。
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上述の通り「Crucial X6 Portable SSD 4TB」は最初からexFATにフォーマット済みですが、初期状態でアロケーションユニットサイズが4096Bとなっています。
Crucial X6 Portable SSD 4TB_aus
アロケーションユニットサイズが小さい方が物理容量を最大限使用できるのですが、特にランダム性の高い書き込みアクセスにおいて大幅な速度低下が発生する傾向があるので(逆に速くなるケースもあるものの程度は小さい)、当サイトのレビューではexFAT形式の外付けストレージのアロケーションユニットサイズは512KBに統一し、検証前に再フォーマットしています。Windows10によるフォーマットの既定サイズはストレージ容量によって変わるのですが速度重視で2TB容量の既定サイズで統一しています。
allocation unit size
アロケーションユニットサイズはドライブの右クリックメニューで表示されるフォーマットによってWindows10 OSの場合、128KB、256KB、512KB……と複数の候補から選択できます。フォーマットを行うとアロケーションユニットサイズを変更できますが、初期化作業のためストレージ内のデータは全て消えるので注意してください。
また現在のアロケーションユニットサイズは、コマンドプロンプトを管理者実行してチェックしたいドライブパス(アルファベット)に対して、『chkdsk E:』と入力すると確認できます。



Crucial X6 Portable SSD 4TBのファイルコピー性能について

続いて本題となる「Crucial X6 Portable SSD 4TB」のファイルコピー性能を検証していきます。

ファイルコピー検証の前に、まずは「Crucial X6 Portable SSD 4TB」の基本的な読み出し性能と書き込み性能を確認するため、CrystalDiskMark7.0.0(デフォルト, Mix , 8GiB)のベンチマーク結果を比較してみました。
「Crucial X6 Portable SSD 4TB」は公式に発表されている仕様値通り、連続読み出しと連続書き込みで800MB/s越えの高速アクセスを発揮します。
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Crucial X6 Portable SSDの容量2TBモデルは連続アクセススピードが500~540MB/s程度なので、同じ70mm四方アンダーという指で摘まめるコンパクトサイズのままで2倍の大容量を実現し、さらにSSD性能も50%近く向上しているのは非常に魅力的です。
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ちなみにCrucial製USB外付けSSDの上位モデルCrucial X8 Portable SSD 2TBをUSB3.2 Gen2で接続すると、公式に発表されている仕様値通り、連続読み出しで1000MB/s越えの高速アクセスを発揮し、また4Kランダム性能も40MB/s超と高速です。
Crucial X6 Portable SSDと比較して製品サイズが2倍近く大きくなり、容量も最大で2TBになりますが、SSD性能を重視するならCrucial X8 Portable SSDも検討する価値があると思います。
Crucial X8 Portable SSD 2TB_CDM7

「Crucial X6 Portable SSD 4TB」に対して大容量データの連続書き込みを実行してみたところ、使用済み容量がゼロの状態では100GBを超える大容量なSLCキャッシュを使用でき、理想的な700~800MB/s程度の書き込み速度を安定して発揮しました。
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使用済み容量0GBの状態で50GB動画ファイル×2を連続してコピーしていったところ、740GB程度を書き込んだところで、書き込み速度の低下が発生しました。以降はSLCキャッシュの開放が完了するまで、書き込み速度は80MB/s程度に低下します。
Crucial X6 Portable SSD 4TB_slc-cache-empty
2.6TB程度を書き込んで(空き容量が1TBちょうどくらい)、SLCキャッシュが十分に開放されるように通電したままで半日ほど放置してから、同様に100GB程度の書き込みを実行してみたところ、「Crucial X6 Portable SSD 4TB」は空き容量1TB程度の状態で実効値として30GB程度のSLCキャッシュを使用できました。
容量の大部分を使用した状態でも30GB程度のSLCキャッシュを使用できるので一定のインターバルをおいて(SLCキャッシュが順次開放されるように)総容量が30GB以下のデータを取り扱う限りは、実用上、SLCキャッシュ超過後の書き込み速度低下で不便を感じることはないと思います。
Crucial X6 Portable SSD 4TB_HDT_1TB-aviable
ただしSLCキャッシュを超過すると書き込み速度は80MB/s程度まで大きく低下してしまい、SLCキャッシュの開放も若干遅めに感じたので、30GBを超えるファイルを頻繁に読み書きする用途には向きません。その点は注意してください。

ちなみに容量下位モデルのCrucial X6 Portable SSD 2TBでは空き容量が300GB程度の状態で実効値として90GB程度のSLCキャッシュを使用できました。「Crucial X6 Portable SSD 4TB」もせめて50GB~100GBはコンスタントにSLCキャッシュを使用できればよかったのですが。
Crucial X6 Portable SSD 4TB_SLC-cache_300GB-Free


続いて本題となる外付けストレージの性能評価で最重要項目となるファイルコピーにおける読み出し・書き込みについて性能比較をしてみました。
ファイルコピー性能の比較対象として、「Crucial X8 Portable SSD 2TB」のUSB3.2 Gen2とUSB3.2 Gen1との2種類の接続状態や「Crucial X6 Portable SSD 2TB」に加えて、USB3.2 Gen2接続のモバイルストレージ「WD_BLACK P50 1TB」、NVMe M.2 SSDの「Crucial P1 SSD 2TB」と「Samsung SSD 970 PRO 1TB」、2.5インチSATA SSDの「WD Blue 3D NAND SATA SSD 2TB」、USBフラッシュメモリの「SanDisk Extreme PRO USB3.1フラッシュメモリ 256GB」でも同様に検証を行いました。

検証に使用するデータとしては次のような50GBの動画ファイル、80GBで多数のファイルが入ったゲームのフォルダ(The Witcher 3とRise of the tomb Raiderなどのゲームフォルダ)、1KB~1MBの画像ファイル10,000枚が入った3GBのフォルダ、5MB~8MBの画像ファイル1,000枚が入った7GBのフォルダの4種類を使用しています。
Copy File_1
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データのコピーにおいては当然ですが、元データのあるストレージの読み出し性能とコピー先の書き込み性能の両方が重要になります。測定においては書き込み先/読み出し元の対象となるストレージが必要になるため、各ストレージのコピー相手にはM.2-PCIE変換アダプタ Aquacomputer kryoM.2に設置したSamsung SSD 970 PRO 1TBを使用しています。
Copy_movie-game
IntelやAMDのメインストリーム向け環境では2つのNVMe M.2 SSDに対して同時にアクセスが発生した場合に、CPU-チップセット間の帯域がボトルネックになることがありますが、今回検証機材として使用するTRX40マザーボードではCPU直結PCIEレーンで両方を接続しているので、帯域がボトルネックになることがありません。
2つのSamsung SSD 970 PRO 1TBに対して同時に連続読み出しを実行したところ、理想的な3500MB/sを安定して発揮しています。
TR4_NVMe SSDx2_Copy

「Crucial X6 Portable SSD 4TB」など各種検証ストレージとSamsung 970 PRO 1TBとの間で50GBの動画ファイル、80GBのゲームフォルダ、各種画像フォルダなどのコピーに要した時間の比較結果は次のようになりました。
まずは50GBの動画ファイルのコピーについてですが、動画ファイルは単一の大容量ファイルなので実際のコピーではベンチマークのシーケンシャルリード・ライト性能が重要になってきます。
動画ファイル(50GB)のコピー読み出しにおいて、「Crucial X6 Portable SSD 4TB」によるコピー時間は125秒ほどとなっており、ベンチマークの連続読み出しでは上回っていたCrucial X6 Portable SSD 2TBよりも遅いという意外な結果になりました。
Crucial X8 Portable SSD 4TB_copy_1_movie_read

コピー読み出し中の読み出し速度の推移を確認してみると、本来であればエクスプローラーの読み出し速度では550~600MB/sで一定するはずなのですが、読み出し速度が安定せず波打っています。
「Crucial X6 Portable SSD 4TB」はSLCキャッシュ領域外からの読み出し速度が遅いという単純な原因でした。
ファイルコピーテストでは4種類のコピー書き込みを行ってから、コピー読み出しを行うので、動画ファイルのコピー書き込みの後に3種類のテストデータを書き込みます。この際に動画ファイルの一部、もしくは全てがSLCキャッシュ外に格納されるため、SLCキャッシュ外からデータを読み出すのに時間がかかるようです。
SLCキャッシュからキャッシュ外への格納をバックグラウンドで行っているため、その兼ね合いで一時的に速度が下がっているという可能性もありますが、少なくとも今回のテストデータでは書き込み完了後、SSDに通電したまま数十分待っても状況は改善しませんでした。
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簡単な実験として、動画ファイルを「Crucial X6 Portable SSD 4TB」を書き込んだ直後に、「Crucial X6 Portable SSD 4TB」から読み出して相手ストレージへコピーすると理想的な550~600MB/sで一定しました。
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動画ファイル(50GB)のコピー書き込みにおいて、「Crucial X6 Portable SSD 4TB」によるコピー時間は92秒ほど、シンプルにSLCキャッシュ内へ書き込みを行うためベンチマークに比例したコピー速度を発揮しています。
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続いてゲームフォルダのコピーについてですが、ゲームフォルダは大小様々なファイルを含むので、実際のコピーではベンチマークの連続性能だけでなく、ランダム性能も重要になってきます。
ゲームフォルダ(80GB)のコピー読み出しにおいて、「Crucial X6 Portable SSD 4TB」によるコピー時間は183秒程でした。動画ファイルのコピー読み出しと違ってCrucial X6 Portable SSD 2TBよりも遅いという結果にこそなっていませんが、やはりベンチマークスコアから考えると低めのコピー速度です。
期待値より低いとはいえ、USB3.0接続SSDと比較して30%程度高速、内蔵SATA SSDと同等という高速な転送を実現しています。
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ゲームフォルダ(80GB)のコピー書き込みにおいて、「Crucial X6 Portable SSD 4TB」はUSB3.0接続SSDを50%程度も上回るパフォーマンスを発揮しています。ただしUSB接続モバイルストレージはランダム性のある書き込みに弱い傾向がありますが、内蔵SATA SSDと同等の書き込み速度です。
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続いて1KB~1MBの画像ファイル10,000枚が入った3GBのフォルダのコピーについてですが、1つ1つのファイルサイズは1KB~1MBと比較的小さいのでゲームフォルダのコピーテストよりもベンチマークのランダム性能が重要になります。ただし合計サイズが3GBと小さいのでキャッシュ性能もコピー速度に効いてきます。
小容量画像ファイルを多数含むフォルダ(3GB)のコピー読み出しにおいて、「Crucial X6 Portable SSD 4TB」のコピー時間は31秒ほどとなっており、Crucial X6 Portable SSD 2TBに対して遅れを取ります。やはりSLCキャッシュ外からのアクセスが発生するためか、それとも少サイズファイルのコピーに弱いのか、後述の書き込みでも同傾向だったので後者の可能性もありそうです。
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小容量画像ファイルを多数含むフォルダ(3GB)のコピー書き込みにおいて、「Crucial X6 Portable SSD 4TB」のコピー時間は43秒ほどでした。書き込みはSLCキャッシュ内で行われるのでベンチマーク結果通り、Crucial X6 Portable SSD 2TBとCrucial X8 Portable SSD 2TBの中間に付けるかと思いきや、意外な結果でした。
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最後にデジタルカメラで撮影した原寸ファイルを想定した5MB~8MBの画像ファイル1,000枚が入った7GBのフォルダのコピーについてですが、1つ1つのファイルサイズは5MB以上で比較的大きいので、完全にシーケンシャル性能というわけではありませんが、シーケンシャルに近い形でアクセスが発生します。やはりキャッシュ性能も効いてきます。
比較的大きい画像ファイルを多数含むフォルダ(7GB)のコピー読み出しにおいて、「Crucial X6 Portable SSD 4TB」のコピー時間は19秒程度でした。やはりSLCキャッシュ外からのアクセスが発生するため、Crucial X6 Portable SSD 2TBに後れを取ります。
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比較的大きい画像ファイルを多数含むフォルダ(7GB)のコピー書き込みにおいて、「Crucial X6 Portable SSD 4TB」は17秒ほどのコピー時間を要しています。SLCキャッシュ内でコピー書き込みが完結するのでベンチマーク通り、Crucial X6 Portable SSD 2TBとCrucial X8 Portable SSD 2TBの中間の性能です。
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Crucial X6 Portable SSD 4TBのレビューまとめ

最後に「Crucial X6 Portable SSD 4TB(型番:CT4000X6SSD9)」を検証してみた結果のまとめを行います。簡単に箇条書きで以下、管理人のレビュー後の所感となります。

良いところ
  • USB3.1 Gen2接続により連続読み書き800MB/sの高速アクセスを実現
  • USB3.1 Gen1(USB3.0)接続と比較して実際のファイルコピーにおいて最大30%以上も高速に
  • 外部電源不要なUSB端子からのバスパワー駆動
  • 70mm四方アンダーなコンパクトサイズかつ、40g程度と非常に軽量
  • PlayStation 5やXbox Series X/Sの外付けストレージとして使用すれば、
    ネイティブタイトルの避難先や広報互換タイトルのインストール先にできる
  • HDD内蔵ゲーム機なら外付けストレージにすることでゲームロード時間を最大で半分に短縮
悪いところor注意点
  • USBフラッシュメモリと比べるとサイズは大きい
  • 初期アロケーションユニットサイズが原因でランダム書き込みが遅い可能性がある
    WindowsシステムのexFATフォーマットで512KBに指定すると解消できる
  • SLCキャッシュ外からの読み出しが遅い

「Crucial X6 Portable SSD 4TB」はNVMe SSD相当の内部SSDを帯域10Gbpsの高速規格USB3.2 Gen2に変換するタイプのUSB外付けSSDです。基礎的なベンチマークではSATA3.0 SSDを上回り、読み出し/書き込みで800MB/sを超える高速なアクセススピードを発揮しています。

Crucial X6 Portable SSDの最大魅力は70mm四方アンダー(2.5インチやM.2 2280といった既存のSSDを流用する形では実現できない小ささ)という指で摘まめるコンパクトサイズながら最大4TBという大容量を実現しているところです。
既存の1TB/2TBモデルでは帯域10GbpsのUSB3.2 Gen2に対して内蔵SSDが6GbpsのSATA3.0相当なので最大性能は560MB/s程度に留まり、USB3.2 Gen2のフルスペックを発揮することはできませんでした。そのため速度を追求するのであれば上位モデルのCrucial X8 Portable SSDがラインナップされているので、ポータビリティーを追求するならCrucial X6 Portable SSD、という具合で住み分けでしたが、「Crucial X6 Portable SSD 4TB」は両者の中間に位置する速度で最大容量の4TBとなっており、良いとこどりをした製品と言えます。(製品スペック的には)

「Crucial X6 Portable SSD 4TB」はQLC型NANDが採用されたSSDなので連続した大容量書き込みによってSLCキャッシュ容量を超過してしまうと書き込み速度が80MB/s程度までガクッと落ちるという弱点があります。
ただし、残り容量が1000GBと容量の大部分が使用済みの状態でも実効値で30GB程度のSLCキャッシュを使用できるので、SLCキャッシュの開放が間に合わない短期で読み書きを行うデータ容量が30GB以下という条件なら、実用上、SLCキャッシュの超過で不便を感じることはないはずです。

ただし「Crucial X6 Portable SSD 4TB」には、SLCキャッシュ内外の読み出し速度が違う(SLCキャッシュ外の読み出し速度が遅い)という性能評価を複雑化する仕様がありました。
前述の通り4TBの大容量で性能はX6 2TBとX8 2TBの中間というスペックで、確かに書き込みタスクではそうなる可能性が高いものの、一方の読み出しでは、コピー書き込み直後のデータなのか、SLCキャッシュ外へ格納済みのデータなのかでパフォーマンスが変わるため、平均的に考えるとX6 2TBと大差ないファイルコピー性能になる可能性が高いように思います。
『70mm四方アンダーという指で摘まめるコンパクトサイズながら最大4TBという大容量』であるところはスペック通りに間違いなく魅力ですが、『最大800MB/sの読み書き性能』については期待値を若干下方修正して臨むのが良いかと思います。

また「Crucial X6 Portable SSD 4TB」はコンソールゲーム機との互換性もアピールされています。最新ゲーム機のPlayStation 5やXbox Series X/Sではネイティブ対応タイトルの起動には非対応なものの、内蔵SSDが満杯になった時にネイティブ対応タイトルの避難先としては使用できますし、旧型下方互換タイトルであれば起動も可能なので、次世代ゲーム機用の外付けストレージとしても最適な製品です。

以上、「Crucial X6 Portable SSD 4TB」のレビューでした。
Crucial X6 Portable SSD 4TB


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