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EKWB製RTX 3090リファレンス基板用フルカバー水冷ブロック「EKWB EK-Quantum Vector RTX 3080/3090」を使用して、RTX 30シリーズ最上位RTX 3090のオリファンモデルPalit GeForce RTX 3090 GamingPro OCを水冷化したので、水冷化の手順や水冷化後の冷え具合をレビューしていきます。
EKWBの水冷ブロックにはサーマルパッドが標準で付属しますが、過去に行ったRTX 2080 TiやTITAN RTXの水冷化に続き、Thermal Grizzly製品の国内正規代理店 親和産業からクマさんパッドこと「Thermal Grizzly Minus Pad 8」をご提供いただいたので、今回もこちらの高性能サーマルパッドを組み合わせて水冷化していきます。
「Thermal Grizzly Minus Pad 8」はセラミック、シリコン、微粒子化された酸化アルミニウムで構成された熱伝導パッドとなっており熱伝導効率が8.0W/m・Kと高い効率を実現しています。非電導性なのでグラフィックボードと水冷ブロックの接触にも安心して使用できます。
RTX 3090のリファレンス基板モデルやZOTAC Trinityなどほぼ準拠なモデルをEKWB製水冷ブロックと専用バックプレートで水冷化する場合、必要なサーマルパッドのサイズと枚数は以下の通りでした。
・1.0mm厚、120mm x 16mm *5枚 (TG-MP8-120-20-10-1R)
・1.5mm厚、120mm x 16mm *1枚 (TG-MP8-120-20-15-1R)
・2.0mm厚、120mm x 16mm *1枚 (TG-MP8-120-20-20-1R)
本格水冷PCの基本的な知識はこちらで紹介しています。水冷PCを組む参考にということなら、この記事を読む前に目を通しておいてください。(ちょっと古い記事なのでディスコンな製品が載っていたりしますが、基本の部分は分かるはずです)
GeForce RTX 3090に使用可能な水冷ブロックについて
EKWBからNVIDIA次世代GPU GeForce RTX 30シリーズで最上位のウルトラハイエンドモデルGeForce RTX 3090や下位モデルGeForce RTX 3080のリファレンス基板(に概ね準拠する)モデルに対応するフルカバー水冷ブロック「EK-Quantum Vector RE RTX 3080/3090」シリーズが発売されています。EKWBの公式通販はPayPalで支払い可能、DHLで日本に直送してくれます。
リファレンス基板用モデル「EK-Quantum Vector RE RTX 3080/3090」シリーズのラインナップと価格の一覧は次のようになっています。
「EK-Quantum Vector RE RTX 3080/3090」シリーズの水冷ブロック本体はトップカバーがアクリルもしくはアセタル、ベースプレートが銅製もしくはニッケルメッキ処理済み銅製で計4種になっています。ニッケルメッキ処理済み銅製ベースプレート版についてはRGB LEDイルミネーションも搭載されています。銅製ベースプレート版のほうが安価ですが、耐久性を重視するのであればアセタルカバー&ニッケルメッキ処理済み銅製ベースプレート版がおすすめです。
またRTX 3090用アルミニウム製バックプレートもブラックとニッケルシルバーのカラーバリエーション全2種が発売されており、水冷ブロック同様にGeForce RTX 3090で使用できます。
「EK-Quantum Vector RE RTX 3080/3090」シリーズに対応したグラフィックボードについて、GeForce RTX 3090のリファレンス基板やそれに概ね準拠した基板を採用する、オリジナルクーラーを搭載した各社AIBモデルが対応しています。
EK-Quantum Vector RE RTX 3080/3090に対応する製品から、国内での入手性が高いモデルを抜粋すると「Palit GeForce RTX 3090 GamingPro OC」、「GALAKURO GG-RTX3090-E24GB/TP」、「Gainward GeForce RTX 3090 Phoenix GS」などがあります。RTX 3090を紹介しましたがGPUをRTX 3080に変えた各モデルも対応しています。
ちなみに国内正規品の中でもZOTAC製品はGPUクーラーに封印シールが貼られていないので、”分解による破損がなく、GPUクーラーが元通りに装着されていれば”、通常通りに正規保証を受けることができます。
もとに戻してもらえれば大丈夫です。
— ZOTAC日本 (@ZOTAC_JAPAN) 2020年12月3日
EVGAさんは不明ですが、分解したことによる破損は補償対象外ですが、こちらの検査で分解が原因ではない故障として判断されれば普通に保障対象です。
封印シールが貼られてないからそもそも分解は保証対象外という決まりはないのですよ。
リファレンス基板に見えて実はマイナーチェンジされていたためRTX 3080/3090の発売当初は混乱もあったのですが、現在はEKWBから専用フルカバー水冷ブロック「EK-Quantum Vector Trinity RTX 3080/3090」が発売されているので、入手性が高く、保証面でも万全な「ZOTAC GAMING GeForce RTX 3090 Trinity」は水冷化にオススメのモデルです。
「EK-Quantum Vector RE RTX 3080/3090」シリーズの大きな特徴の1つとしてアクリル/アセタル製カバーの内部構造で成形されていたジェットプレート構造に金属製のジェットプレートに変わっています。
「EK-Quantum Vector RE RTX 3080/3090」のうち”D-RGB”の添え字があるモデルについては水冷ブロックにアドレッサブルRGB LEDイルミネーションも搭載されています。
「EK-Quantum Vector RE RTX 3080/3090」に搭載されたLEDイルミネーションはARGB対応VD-G型汎用3PINなので、ASUS AURA Sync、ASRock Polychlome RGB Sync、GIGABYTE RGB Fusion、MSI Mystic Lightなどマザーボードのライティング制御機能による操作に対応しています。
ちなみに「EK-Quantum Vector RE RTX 3080/3090 RGB - Nickel + Acetal」に標準で付属する、LEDイルミネーションは不要であれば分解して簡単に取り外すことができます。
今回はGeForce RTX 3090の水冷化にアセタル製水冷トップとニッケルメッキ処理済み銅製ベースプレートの「EK-Quantum Vector RTX 3080/3090 RGB - Nickel + Acetal」を使用しています。
実際に使用するのは"RE"の添え字がない初期出荷モデルですが、互換性向上以外には違いがないので以降、「EK-Quantum Vector RE RTX 3080/3090 RGB - Nickel + Acetal」と呼ぶことにします。
「EK-Quantum Vector RE RTX 3080/3090 RGB - Nickel + Acetal」のパッケージはEKWB製水冷ブロックでは毎度お馴染みですが、上段に各種付属品、下段に柔らかいスポンジで保護された水冷ブロック本体という梱包です。
上でも書いたように今回は(管理人の好みとして毎回同じなのですが)、強度に優れたアセタル製トップカバー、銅製ベースプレートにニッケルメッキ処理が施された「EK-Quantum Vector RE RTX 3080/3090 RGB - Nickel + Acetal」を購入しました。
右端にはアドレッサブルRGB LEDイルミネーションが内蔵されており、ARGB対応VD-G型汎用3PIN LEDヘッダーケーブルが伸びています。
使わないLEDイルミネーションはあってもケーブルが邪魔なので、上述の通りサクッと取り外してしまいました。
EKWB製水冷ブロックと一緒に使える同社のアルミニウム製バックプレート「EK-Quantum Vector RE RTX 3080/3090 Backplate - Nickel」も用意しています。
ちなみにEKWB製バックプレートはパッケージのお尻のほうにネジ類がパーティション分けされてはいっています。見落としてしまう人も多いようなので注意してください。
GeForce RTX 3090リファレンス基板向けにEKWB製バックプレートはブラックとニッケル(シルバー)の2色が展開されています。汚れに強く塗装が剥がれにくいのでニッケルを選択しています。
GTX 980から5,6世代(80、Ti、TITANなど含む)に渡ってEKWB製水冷ブロックを使い続けていますが、今回はベースプレートのメッキに汚れ、バックプレートのメッキに消えない指紋があったりと、実用上は問題ないレベルですが若干製造品質が悪く感じました。コロナの影響なのか、RTX 3090/3080のリリース前後は情報不足でゴタゴタしていたようなのでその影響なのか。
ともあれ以下、「EK-Quantum Vector RE RTX 3080/3090 RGB - Nickel + Acetal」と「EK-Quantum Vector RE RTX 3080/3090 Backplate - Nickel」を使用してGeForce RTX 3090を水冷化していきます。
GeForce RTX 3090のクーラーを水冷ブロックに換装する
早速、GeForce RTX 3090にEKWB製RTX 3090リファレンス基板専用フルカバー水冷ブロック「EKWB EK-Quantum Vector RE RTX 3080/3090」を使用して水冷化していきます。グラフィックボードの分解・水冷化の際はネジ等小さいパーツが多いので分解や組立中はもちろん分解後の保管中にも失くさないように、小さい蓋つきプラスチックパックやチャック付きポリ袋を用意しておくと便利です。
小さいパックは作業時にネジ類を放り込んでおくと紛失し難くなります。ポリ袋は分解したグラボの元々のネジを保管するのに使用できます。
分解前の用意についてはこの辺りにして早速、GeForce RTX 3090を分解していきます。
RTX 3090リファレンス基板専用フルカバー水冷ブロック「EKWB EK-Quantum Vector RE RTX 3080/3090」は複数メーカー、複数モデルのRTX 3090グラフィックボードに対応していますが、今回の水冷化では「Palit GeForce RTX 3090 GamingPro OC(型番:NED3090S19SB-132BA)」を使用しています。
・RTX 3090搭載ガレリアの中身は冷えて静かなのか徹底検証 【DIY水冷の味方】
「Palit GeForce RTX 3090 GamingPro OC」はメーカー独自にアレンジもなくしっかり?とRTX 3090リファレンス基板が採用されており、またPCIEブラケットが基板左端の上下2か所に加えてさらにビデオ出力側にもベースプレートとは別に3か所ネジ止めポイントがあり、水冷化に最適なモデルです。
なお今回は水冷化のため自己責任でGPUクーラーを取り外していますが、GPUクーラーの取り外し(分解行為)はグラフィックボードの正規保証の対象外になる行為です。今回はレビューのために分解しておりますが、繰り返しますが保証対象外になるので基本的には非推奨の行為なのでご注意下さい。
水冷化に使用する「Palit GeForce RTX 3090 GamingPro OC」についても、バックプレートやGPUクーラーを固定するネジの一部に封印シールが貼られているため、分解に当たってこのシールが破けると高い確率で正規保証外となります。
Palit GeForce RTX 3090 GamingPro OCは金属製バックプレートを搭載していますが、バックプレートは10カ所のネジで固定されています。
10か所のネジを外すとバックプレートは簡単に取り外しが可能です。VRAMチップにサーマルパッドが残ってしまった場合、同製品のサーマルパッドはパサついていて綺麗には取れない、再利用はできないので諦めてVRAMチップ上に残らないように剥がしてしまってください。
GPUクーラー本体は基板裏面のコア周辺4カ所とPCIEブラケット側2か所のネジ6個で固定されています。
上の6カ所のネジを外すとGPUクーラーの固定はなくなるのですが、ファンケーブルとLEDケーブルが短く、ここが地味に取り外しが難しいポイントになります。最初に右端のLEDケーブルを外すと、ファンケーブルを外しやすくなるはずです。
以上でグラフィックボード基板を取り出すことができました。基板に残ったサーマルパッドやグリスを拭き取ったら水冷化の下準備は完了です。
念のため下写真と基板レイアウトや実装された素子を比較確認して、水冷化に使用するGeForce RTX 3090が同じ基板かどうかを確認してください。(EK-Quantum Vector RE RTX 3080/3090は銅製ベースプレートのレイアウトに遊びがあるので、LEDヘッダーのサイズなど多少の違いなら問題ありません)
さてここからはEKWB製水冷ブロックを先ほど分解したGeForce RTX 3090の基板に装着します。
冒頭でも紹介したように今回はThermal Grizzly minus Pad 8という高性能なサーマルパッドを使用します。なお冒頭でも書いたようにEKWB製フルカバー水冷ブロック「EKWB EK-Quantum Vector RE RTX 3080/3090」にもサーマルパッドは付属するので必須ではありません。
RTX 3090のリファレンス基板モデルやZOTAC Trinityなどほぼ準拠なモデルをEKWB製水冷ブロックと専用バックプレートで水冷化する場合、必要なサーマルパッドのサイズと枚数は以下の通りでした。
・1.0mm厚、120mm x 16mm *5枚 (TG-MP8-120-20-10-1R)
・1.5mm厚、120mm x 16mm *1枚 (TG-MP8-120-20-15-1R)
・2.0mm厚、120mm x 16mm *1枚 (TG-MP8-120-20-20-1R)
Thermal Grizzly minus Pad 8は汎用サイズで販売されているので当然ですがグラフィックボードの基板に合わせて各自でカットする必要があります。とはいえハサミでカットするだけなので簡単です。貼り付けるサーマルパッドの厚みもマニュアルに記載があるので特に迷うこともないと思います。
サーマルパッドを貼ったらGPUコアに熱伝導グリスを塗り直し、GPUクーラーを取り付けます。熱伝導グリスには毎度おなじみ管理人愛用のクマさんグリス(Thermal Grizzly Kryonaut)を塗りました。熱伝導効率も高く、柔らかいグリスで塗布しやすいのでおすすめです。
最終的にネジ止めで圧着されるのでグリスの塗り方は割とてきとうでOKです。管理人は一応米の字に伸ばして塗っています。
熱伝導グリスを塗ったら上から水冷ブロックを被せてネジ止めを行います。EKWB製オリジナルバックプレートを使用する場合は下写真の赤色の丸で囲ったネジのみを固定してください。
続いてEKWBのアルミニウム製バックプレートを設置します。バックプレートや基板背面にもマニュアルの表記に合わせてサーマルパッドをカットして貼り付けます。
あとはバックプレートもネジ止めすればGeForce RTX 3090の水冷化が完了です。
ちなみにEKWB製バックプレートはパッケージのお尻のほうにネジ類がパーティション分けされてはいっています。見落としてしまう人も多いようなので注意してください。
余談ですが、GeForce RTX 3090の水冷化に当たって、リファレンス基板はビデオ出力が1スロット内に収まっているので、サードパーティ製の1スロット化ブラケットを購入していました。
グラフィックボードの標準クーラーを取り外した時点で基板上の素子と干渉しないか、ネジ穴はピッタリ合うかをチェックして、上手くいった!と喜んだのも束の間。
今までRTX 2080 Tiまで1スロットに収まっていたはずのEKWB製水冷ブロックがまさかの2スロット占有になっていました……。完全に予想外でした。
EKWBの製品ページを再確認したところ確かに水冷ブロック寸法も厚み20mm程度に大きくなっており、TDP300W超の発熱に対応するために銅製ベースプレートを大型化したと書かれていました。
水冷ブロックが2スロットを占有してしまう以上、ブラケットだけを1スロット化しても支えが減るだけで旨みは一切ないので、標準のPCIEブラケットに戻して水冷化を完了しました。
水冷化GeForce RTX 3090を組み込む
RTX 3090リファレンス基板専用フルカバー水冷ブロック「EKWB EK-Quantum Vector RE RTX 3080/3090」で水冷化したGeForce RTX 3090をメイン機に組み込んでいきます。まずはメイン機から水冷化TITAN RTX NVLink SLIを取り外します。グラフィックボードだけで50万円以上かけた最強マシンでしたが、NVIDIAがSLIを見捨てたためマルチGPUとしてはほとんど活躍の機会はありませんでした……。
ちなみに別売りのRTX30シリーズ(Ampere世代)用のNVLink SLIブリッジさえ用意すればGeForce RTX 3090もマルチGPUの構築は可能です。ブリッジの入手が超困難ですが。
実はNVIDIAやGIGABYTEから発売済みの4スロットスペースだけでなく、NVIDIA RTX A6000用に2スロットスペースのNVLinkブリッジも発売されています。
前回は上写真のようにQuadro RTX 8000用の2スロットスペースNVLinkブリッジでマルチGPUを構築しましたが、グラボさえ用意すれば、そのままGeForce RTX 3090 NVLink SLIに乗せ換えることも可能でした。ただしPCゲームのマルチGPUに関してはNVIDIA本営にやる気がないようなので
しかしながら下の公式ブログポストに書かれている通り、対応タイトルについてはShadow of the Tomb RaiderやGears of War 4などDirectX12対応ゲーム、Red Dead Redemption 2やQuake 2 RTXなどVulkan対応ゲームが挙げられていますが、正直、数も少なく今後ビックタイトルが対応していく予感もなく……。残念ながらRyzen 9/TRみたいな2個1構造のGPUが登場するまでマルチGPUの復権はないと思います。
GTX 980から始まりTITAN X Maxwell、GTX 1080、TITAN X Pascal、GTX 1080 Ti、TITAN Xp、RTX 2080 Ti、TITAN RTXと3世代8モデル、このレビューサイトの開設より前からの付き合いで、5年以上に渡って管理人のメイン機に採用してきたNVIDIA製GPUによるマルチGPU環境でしたが、今回は採用を見送りました。
過去の写真を漁って見つかったのがTITAN X Maxwellの時(2016年3月ごろ)の写真。
余談が長くなりましたが、水冷化RTX 3090への換装に話を戻します。
稼働中に漏れる水冷はダメですが、パーツ交換やメンテナンスは漏れる前提で行動するのが大原則です。というわけで多少はクーラントが漏れても大丈夫なように、水路を分断する部分にタオルを敷いておきます。
毎度お馴染みですが、管理人のメイン機ではグラフィックボードの前後にKoolance製クイックディスコネクト「QD3」を入れています。グラフィックボードの前後にクイックディスコネクトがあるので、システム全体の水抜きを行わずに水冷化グラボの交換が行えます。
チューブを繋いだクイックディスコネクトをグラフィックボードの前後に繋ぎなおしてチューブの片方をボトルに突っ込んで、もう片方から息を吹き込めば簡単に排水でき、クーラントの排出も最小限で済みます。
自然に漏れない程度に水抜きができたら、出入り口部分を養生テープなどで塞ぎます。漏れる前提で細心の注意を。
DIY水冷環境は組み立てよりも、”クーラントを漏らさずに分解する”のが一番難しいというのが持論なのです、Koolance QD3を上手く使えば、安全かつ10分もかからない短時間で簡単に水冷化グラフィックボードを取り外せます。
あとは前の章で水冷化したGeForce RTX 3090を装着し、今回はマルチGPUからシングルGPUでターミナル部分のレイアウトが変わったので長さを調節したチューブ(こちらも前後がKoolance QD3)を挿し直せば、水冷化グラボの交換は完了です。
電源を入れてポンプを回し(通常はシステム電源を切って4PINペリフェラルやSATAのACアダプタでポンプだけ動かすのが安全)、クーラントを水路に充満させます。今回はグラボの交換だけでなく、水冷ブロックのターミナル前後のフィッティングを少し変えたので、この部分から(フィッティングの初期不良などで)漏れないかは心配だったのですが、水漏れもなく無事に終わりました。
270mmのフルサイズグラボ×2から、水冷化で長さ200mm程度になったグラボ1枚になったので、ケース内がかなりスッキリしました。空きのできたPCIEスロットに何か挿したい衝動が……。
さて、EKWB製水冷ブロックでGeForce RTX 3090の水冷化およびメイン機への組み込みも無事に完了したので、市販されている空冷CPUクーラー搭載製品と比較してどれくらい冷えるのか検証してみました。
実際にPCに組み込んだ水冷化RTX 3090に対して、比較対象である、水冷化前のPalit GeForce RTX 3090 GamingPro OC、およびオリファンモデルの中でも特に冷えると高評価なASUS TUF-RTX3090-O24G-GAMINGはベンチ板測定のデータを採用しています。
GPU温度の検証負荷としては約20分間に渡たり連続してGPUに100%近い負荷をかける3DMark TimeSpy Stress Testを使用しています。
TimeSpy Stress Test中のGPU温度の推移をまとめたグラフがこちら。基本的に理想的な冷え具合を発揮するベンチ板上の測定、標準空冷クーラー(と言っても全長300mm3スロット占有3連ファンの大型!)で最大71度に達するPalit GeForce RTX 3090 GamingPro OCですが、EKWB製フルカバー水冷ブロックで水冷化すると最大44度で余裕の40度台でした。
またRTX 3090オリファンモデルの中でも特に冷却性能に優れていると評価の高いASUS TUF-RTX3090-O24G-GAMING(動作モードも冷却性能重視のPerformance Mode)でも最大62度なので、PCケースに組み込んだ実用環境で水冷化RTX 3090は空冷の一般的なオリファンモデルより20~30度も冷えます。
今回水冷化に使用した「EKWB EK-Quantum Vector RTX 3080/3090」のように高品質なフルカバー水冷ブロックであれば、水温+10度前後にGPU温度は収まるので20~25度の室温環境ならGPU温度50度未満、40度台での運用は難しくないはずです。
付け加えると、空冷オリファンモデルではファン径90~100mmで小径とはいえ1800~2000RPM程度で動作するのに対して、DIY水冷はユーザーによって異なるものの、今回の環境では120mmサイズのラジエーター冷却ファンは1000RPM以下の低速動作となっていて、当然静音性も抜群でした。
管理人はMORA-3という9基×2の120mm/140mmファンで冷却する外付けラジエーターを使用しており、そこに静音性の高さに定評のあるNoctua NF-A12x25 PWMを搭載しているのでDIY水冷としてもやや特殊な環境ですが。
以上、EKWB製水冷ブロックでGeForce RTX 3090を水冷化レビューでした。
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TGP350WのRTX 3090を40度台で運用できる!?
— 自作とゲームと趣味の日々 (@jisakuhibi) December 29, 2020
EKWB製フルカバー水冷ブロックEK-Quantum Vector RTX 3080/3090を使用してGeForce RTX 3090を水冷化したので、水冷化の手順や水冷化後の冷え具合をレビュー。https://t.co/rGMuPGoG6u pic.twitter.com/7E9YDROwTK
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(注:記事内で参考のため記載された商品価格は記事執筆当時のものとなり変動している場合があります)
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