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MagSpeed電磁気スクロールホイールを搭載する多機能マウスMX Master 3の後継として発売された、最新ワイヤレス接続Logi Boltに対応し、静音クリックスイッチや8000DPIセンサーを採用するアップグレードモデル「Logicool MX Master 3S(型番:MX2300GR)」をレビューします。
製品公式ページ:https://www.logicool.co.jp/ja-jp/products/mice/mx-master-3s.910-006567.html
レビュー目次
1.MX Master 3Sについて
2.MX Master 3Sを初期版やビジネス版と比較
3.Logi BoltとEasy-Switchについて
4.Logi Options+と設定について
5.MX Keys Combo ビジネス用のレビューまとめ
MX Master 3Sについて
早速、「MX Master 3S」を開封してマウス本体をチェックしていきます。「MX Master 3S」のパッケージはプラスチック素材削減、リサイクル素材採用など最近のトレンドを反映して細部は変更されていますが、基本的にはMX Master 3と同じでした。
「MX Master 3S」の付属品は充電用のUSB Type-Cケーブルと、Logi Boltワイヤレスレシーバーです。
「MX Master 3S」(左)とMX Master 3の無印版(中央)、ビジネス版(右)を並べてみました。見ての通り、マウスそのもののハードウェア設計は完全に同じです。
マウスを裏返して底面のシールを確認しなければ、3Sなのか、3無印版なのか、3ビジネス版なのかは判別できません。
「MX Master 3S」の形状は右手専用のシャープなデザインです。日本人の手にも馴染むちょうどいいサイズ感だと思いますが、女性向けには大きめかもしれません。
今回管理人は黒寄りのグレーっぽいカラーのグラファイト(型番:MX2300GR)を購入しましたが、「Logicool MX Master 3」にはその他に、白よりのグレーなペイルグレー(型番:MX2300PG)の2色がラインナップされています。
「MX Master 3S」で手のひらが被さる部分はシンプルな曲面ではなく、なだらかな流線形ラインの溝が設けられています。手のひらが当たる部分に凹凸ができたので、手汗で蒸れ難い構造です。
天面の傾斜は比較的に急峻で、アドバンスエルゴノミックマウスと名付けられているMX Verticalに近い印象です。長時間使用時の手首の負担を軽減する設計のようです。
「MX Master 3S」の親指を置く窪み部分の上部には左右スクロールに使える金属製の大型サムホイール、その下に戻る/進むボタンがあり、下部にある親指置きの出っ張りにもスイッチが内蔵されています。
管理人はこの出っ張り部分のボタン(ジェスチャーボタン)をウィンドウの最小化に割り当てています。
「MX Master 3S」はバッテリー内蔵式(交換不可)となっており、バッテリーの充電はマウス前方に設置されたUSB Type-C端子から行います。
MX Masterシリーズの売りとなっている、『最大3機まで使用するPCを登録して切り替えが可能』なEasy-Switch機能は「MX Master 3S」ももちろん対応しています。
「MX Master 3」の最大の魅力は『MagSpeed電磁気スクロールホイール』です。
1秒間に1,000行のスクロールでき、1pxレベルで停止できるなど、従来比90%も高速、かつ従来比87%も精密になり、さらにスクロール時の静かさも兼ね備えた史上最高と言っても過言ではないスクロールホイールに仕上がっています。
従来では金属風メッキを施したプラスチックとラバーのホイールでしたが、「MX Master 3」ではスチールのプレミアムな感触と重量によりこれまでにない気持ちの良いスクロール感を実現しています。
「MagSpeed電磁気スクロールホイール」が高速かつ静音性に優れる理由はシンプルで、従来のスクロールホイールでは物理的な摩擦によってコリコリとした抵抗感を生んでいますが、「MagSpeed電磁気スクロールホイール」はそれを電磁気的に再現しています。
摩擦でコリコリとした抵抗感を生んでいるMX Master 2Sに比べると「MX Master 3」はスクロール時の触感フィードバックが薄いですが、指先で1つ、2つとスクロールしたことを正しく認識できる程度の触感はあるので、慣れれば特に問題はないと思います。
MX Master 3初期モデルのレビュー記事ではMX Master 2Sとの比較も行っています。2Sからの買い替えを予定している人はこちらのも参考にしてみてください。
MX Master 3Sを3初期版やビジネス版と比較
続いて、「MX Master 3S」をMX Master 3の無印版やビジネス版と比較してみます。製造時期で差が出る可能性もあるので参考までに、比較に使用している製品はMX Master 3 ビジネス版(2022年5月購入)とMX Master 3 無印版(2020年8月購入)です。なお2019年9月に購入したMX Master 3 無印版も2020年8月のものと同じ傾向でした。
「MX Master 3S」では左右クリックのスイッチが刷新されているのでこれらが静音化しているのは確実ですが、その他については製造年(使用している部品が違うかも)、製品個体差で差が出ている可能性もあります。
まずは「MX Master 3S」の右クリック音と左クリック音の比較です。
同じ条件で音を録っていますが、MX Master 3 無印版やビジネス版がカチッと甲高いクリック音が鳴っているのに対して、「MX Master 3S」はほとんど聞こえないくらいのクリック音です。
続いて「MX Master 3S」のモードシフトボタンのクリック音の比較です。
「MX Master 3S」は左右クリックだけでなく、モードシフトボタンのクリック音も静音化していました。
続いて「MX Master 3S」の進むボタンと戻るボタンのクリック音の比較です。
進むボタンと戻るボタンについては「MX Master 3S」、MX Master 3 無印版やビジネス版の3機種でクリック音に差はありません。
続いて「MX Master 3S」のジェスチャーボタンのクリック音の比較です。
意外なことに、ジェスチャーボタンのクリック音はMX Master 3 無印版が最も静かで、「MX Master 3S」やMX Master 3 ビジネス版はカチッと甲高い音が鳴るという結果でした。
最後に「MX Master 3S」のラチェットモード時のホイール音の比較です。
MX Master 3 通常版は強く回した時に軸がブレているというか、ガチャガチャ感があるのですが、「MX Master 3S」では回転がスムーズになっています。
「MX Master 3S」とMX Master 3 ビジネス版は音の傾向が若干異なるので優劣を決めるのが難しいですが、個人的には今回試した中でMX Master 3 ビジネス版が一番、回転がスムーズでラチェットモード時の音が小さいと感じました。
比較は難しいので簡単な紹介までとなりますが、「MX Master 3S」はマウスのトラッキングセンサーが従来の4000DPIよりも高精度な8000DPIに刷新されています。
従来モデルと同じく、ガラス面でも正確なトラッキングが可能なオプティカルセンサーとなっており、専用ソフトウェア Logi Options+でトラッキング感度の調整にも対応しています。
内部に実装されたセンサー素子が異なるだけで、底面の外観は「MX Master 3S」も従来モデルもほぼ同じです。
専用ソフトウェア Logi Options+をインストールすると「MX Master 3S」のマウスポインター速度(DPI)を調整できるようになります。
ポインタ速度は最大8000DPIで、50DPI刻みに任意で調整が可能です。
『センサー範囲を8K DPIに拡大』の設定を無効化すれば、MX Master 3の無印版と同様のポインター速度設定も可能です。
静音スイッチとLogi Bolt対応が目的というMX Master 3 無印版ユーザーが「MX Master 3S」に買い替えたとしても、ポインタ速度は従来機同様に使用できます。
Logi BoltとEasy-Switchについて
「MX Master 3S」が対応するLogicool独自のワイヤレス接続規格Logi Boltと、マウス・キーボードの接続先を3台まで切り替え可能なEasy-Switch機能について紹介します。MX Master 3やMX Keysの通常版を始めとしてLogicool独自のワイヤレス接続規格というと長らくUnifyingが採用されていましたが、「MX Master 3S」は新規格Logi Boltに対応しています。
Logi BoltはBluetooth Low Energyの技術をベースにした低消費電力かつ高セキュリティな次世代の通信プロトコルです。
連邦情報処理標準(FIPS)に準拠したグローバルスタンダードのセキュア接続専用モードに基づいた設計でより安全でクローズドな接続を実現しています。
多数の無線信号が同時かつ複雑に存在するオフィス環境など、ワイヤレス接続の安定性やセキュリティ対策といったユーザーニーズに応える新設計です。
Logi Boltのワイヤレス接続ドングルは、黒色プラスチックの頭部分に刻印されたロゴを除けば、Unifyingドングル(MX Master 3 無印版やMX Keys 通常版などに付属する最新版)とほぼ同じ外形です。
「MX Master 3S」にはLogi Boltのワイヤレス接続ドングルが1つ付属しますが、Logi Boltドングルは単品でも購入できます。
MX Master 3SはBluetoothとLogi Boltの2種類のワイヤレス接続に対応しており、Easy-Switch機能によって接続先をワンタッチで簡単に切り替えることができます。
管理人はこの機能のためにMX Masterシリーズを使用しているといっても過言ではありません。登録方法は、ボタンを押すと1、2、3の接続先に合わせて数字に内蔵されたLEDが点灯するので、それぞれで個別にUnifyingレシーバーもしくはBluetoothを登録するだけです。
「MX Master 3S」は付属レシーバーとはアウトボックス時点で1番にペアリング済みですが、追加で購入したLogi Boltレシーバーは新たにペアリングを行う必要があります。
ペアリング機能は専用ソフトウェアのLogi Options+に内包されています。Logi Options+は「MX Master 3S」の公式サポートページ、もしくはLogi Options+自体の公式ページからダウンロードできます。
Logi Options+ 公式ページ:https://www.logicool.co.jp/ja-jp/software/logi-options-plus.html
サポートページ:https://support.logi.com/hc/ja/articles/5218049509783-Download-MX-Master-3S
Logi Options+を起動するとPCに接続されたLogi Options+の対応機器一覧が表示されます。画面右上にある紫色のボタン『デバイスの追加』を選択すると、新たにデバイスをペアリングできます。
ペアリングしたいマウス・キーボードのEasy-Switchボタンを長押しするとペアリングが開始されます。
「MX Master 3S」の場合は登録したいナンバーのLEDが点滅していればペアリング待機状態です。すでに別のレシーバーでペアリング済みの場合はさらにスイッチを長押しします。
「MX Master 3S」ではペアリングの際にデバイス認証の作業があります。左右のマウスクリックを画面表示に従って行います。
10回ほどマウスクリックを繰り返すのですが、それまで左右どちらかのマウスクリックだったのに、最後だけ必ず左右両方のマウスクリックを要求されます。流れ作業でポチポチやってると地味に操作を誤って、最初からやり直す羽目に。ご注意を。
以上の手順でLogi Boltに対応したマウス・キーボードをLogi Boltレシーバーにペアリングできます。
Logi Options+と設定について
「MX Master 3S」は専用ソフトウェア Logi Options+によるファンクションキーの機能割り当てやスクロールホイール動作の設定に対応しています。専用ソフトウェアから様々な設定が可能なところはMX Master 3の無印版と同じですが、「MX Master 3S」では使用するソフトウェアが従来のOptionsから、”Logi Options+”という新ソフトウェアに変わっているので、一応、注意してください。(MX Master 3SはOptionsではそもそも認識されません)
ちなみにLogi Options+と従来ソフトウェアのOptionsは同時にインストールでき、Logi Options+がインストールしてあると、Logi Options+対応機器はOptionsで設定できなくなり、Logi Options+に移動するよう表示が変わります。
Logi Options+は「MX Master 3S」の公式サポートページ、もしくはLogi Options+自体の公式ページからダウンロードできます。
Logi Options+ 公式ページ:https://www.logicool.co.jp/ja-jp/software/logi-options-plus.html
サポートページ:https://support.logi.com/hc/ja/articles/5218049509783-Download-MX-Master-3S
Logi Options+のインストール作業自体は、ダウンロードしたインストーラーを起動して、あとはポチポチとクリックしていくだけなので非常に簡単です。
インストール後にアカウントのログインを求められますが、複数機器間で設定のバックアップをクラウド保存したり、複数のPCでシームレスに操作を切り替える機能 FLOWを使用しないのであれば、ログインする(アカウントを作成する)必要はありません。その場合は、右上のスキップを選択します。
Logi Options+と従来ソフトウェアのOptionsの両方に対応している機器がある場合、Optionsの設定データの一部を引き継ぐことができます。
Logi Options+のインストール関連についてはこの辺りにして、「MX Master 3S」の各種設定についてチェックしていきます。
トップメニューから「MX Master 3S」のイメージアイコンを選択すると、親指ボタンやモードスイッチに割り当てる機能、カーソル速度、スクロール速度など設定画面が表示されます。
個人的にオススメな設定として、親指ボタンにウィンドウ最小化の割り当ては非常に便利です。ジェスチャー機能の1つにしてもいいですが、管理人はシンプルにウィンドウ最小化だけを割り当てています。
「MX Master 3S」はLogi Options+から、マイクロソフトOfficeやAdobe CCなど特定のアプリに対する固有のキーやファンクションを設定できます。PCゲームなど標準プロファイルのないアプリに対して任意のプロファイルを作成することも可能です。
複数のPCでシームレスに操作を切り替える機能 FLOWについてもLogi Options+から設定できます。管理人的にはハードウェアスイッチを使用したLogi Boltレシーバーの切り替えだけで十分なので使いませんが。
レビューまとめ
以前レビューしたMX Master 3 ビジネス版はLogi Boltに対応したこと以外の使用感は通常版と完全に同じでしたが、「MX Master 3S」はLogi Boltの対応に加えて、左右クリック音の静音化、8000DPIのトラッキングセンサーといったアップグレード要素があります。左右クリックの静音化については比較動画の通りハッキリと体感できます。
一方、トラッキングセンサーについてはPCゲーミング(特にFPS)だと色々と工夫のし甲斐があるのですが、デスクトップ作業がメインターゲットな「MX Master 3S」だとポインタ速度が高速になるというのが主な効果なので、4000DPI以上に対応していてもあまり意味はないような気がします。
「MX Master 3S」の設定で確認してみたところ管理人も普段1300DPI程度の設定で使用していたようなので。
Unifyingとの互換性が無くなるというデメリットはあるものの、Logi Bolt対応は意外と「MX Master 3S」を使用する上で恩恵の大きいアップグレード要素です。
公式にはセキュリティ面や低遅延化がアピールされていますが、「MX Master 3S」が対応するLogi BoltではWiFi6など高速なWiFi通信環境下でMX Master 3を使用していても、マウスカーソルの動きが不安定になることがなくなりました。
Unifyingの接続もメチャクチャ不安定というわけではないのですが、レシーバーの配置や距離にはかなり注意していても、1カ月に数回程度、WiFi電波と干渉するせいか、マウスカーソルがカクカクと飛ぶ現象がありました。
普段使いのモニタ正面をレシーバーの配置ベストポジションとして、そこから数メートル離れた位置で操作しても安定するようになったので、やはりLogi Boltに変えた効果はあったように思います。
以上、「MX Master 3S」のレビューでした。
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Logi Boltに対応し、静音クリックスイッチや8000DPIセンサーを採用するアップグレードモデル「Logicool MX Master 3S」をレビュー。
— 自作とゲームと趣味の日々 (@jisakuhibi) June 19, 2022
MX Master 3の無印版やビジネス版とクリック音、ホイール音を比較してみたhttps://t.co/PHc9cfZYW0 pic.twitter.com/ZYU4nL0wYa
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(注:記事内で参考のため記載された商品価格は記事執筆当時のものとなり変動している場合があります)
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