LOUQE GHOST S1 MK3


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容積8.2Lのコンパクトサイズながら最長305mmのフルサイズグラフィックボードを搭載可能、アクセサリパーツのトップハットを組み合わせれば240サイズ簡易水冷対応を含めた9種類のレイアウト拡張が可能なMini-ITX対応PCケース「LOUQE GHOST S1 Mk3」をレビューします。
CPUクーラーにはGHOST S1専用に設計されたNoctua NH-L12 Ghost S1 Editionを使用し、Ryzen 9 5950XとRadeon RX 6800の2020年最新AMD製パーツでコンパクトかつ高性能なゲーミングPCを組んでみます。
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代理店公式ページ:https://techace.jp/index.php?route=product/product&product_id=3731
TechAce Louqe関連商品ページ:https://techace.jp/index.php?route=product/search&search=Louqe
製品公式ページ:https://www.louqe.com/ghost-s1/

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3月5日~14日までの期間限定で、LOUQE GHOST S1 Mk3およびトップハットが10%オフセールを開催中です。詳しくはTechAceブログをご覧ください!






LOUQE GHOST S1 Mk3の自作PC レビュー目次


1.LOUQE GHOST S1 Mk3について
2.LOUQE GHOST S1 Mk3の外観・梱包・付属品
3.LOUQE GHOST S1 Mk3の内部構造の概要

  ・Noctua NH-L12 Ghost S1 Editionについて

4.LOUQE GHOST S1 Mk3のグラフィックボード設置スペース
5.LOUQE GHOST S1 Mk3のストレージ設置スペース
6.LOUQE GHOST S1 Mk3の電源ユニット設置スペース
7.LOUQE GHOST S1 Mk3のファン・ラジエーター設置スペース


8.LOUQE GHOST S1 Mk3の組み立て手順・ギャラリー
  ・Ryzen 9 5950X&RX 6800を搭載したLOUQE GHOST S1 Mk3の冷え具合を試す

9.LOUQE GHOST S1 Mk3のレビューまとめ



【機材協力:Techace】



LOUQE GHOST S1 Mk3について

「LOUQE GHOST S1 Mk3」の概要を簡単で説明すると、『内部スペースを左右2分割のチャンバーとして、正面から見て右側にPSUとCPU&マザーボード、左側にグラフィックボードを配置することで最大305mmのフルサイズなハイエンドグラフィックボードを搭載可能としながら、8.2Lという超小型を実現するPCケース』です。
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「LOUQE GHOST S1 Mk3」の内部構造の概要については公式のイメージ動画や、空冷ビルド組み立て手順の動画を見ればだいたい分かると思います。




「LOUQE GHOST S1 Mk3」の外形寸法は奥行322mm×横幅140mm×高さ188mm、容積8.2リットルのコンパクトサイズです。ライザーケーブルによってマザーボードとグラフィックボードを背中合わせに配置するPCケースの先駆者的な製品「DAN-Cases A4-SFX」よりも少し大きいですが、横幅が広いので空冷CPUクーラーの互換性が高いところが特徴です。
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「LOUQE GHOST S1 Mk3」のカラーバリエーションは今回レビューするAsh(アッシュ)という名前のブラックに加えて、Limestone(ライムストーン)という名前のシルバーの2色が国内では展開されています。
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「LOUQE GHOST S1 Mk3」は上下・左右の4面パネルと、ほぼ全面のパネルを取り外すことができるのでPCケース内部へのアクセサビリティーも抜群です。
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「LOUQE GHOST S1 Mk3」には純正オプションとして”トップハット(TopHat)”と呼ばれるスペース拡張フレームが販売されています。天面に装着した時に25mm厚ケースファンに対応するMサイズと、一般的なファン含む55mm程度の厚みになる水冷ラジエーターに対応するLサイズの2種類がラインナップされています。
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トップハットという名前ですが、「LOUQE GHOST S1 Mk3」の下側にも装着することが可能なので、標準状態を含め9種類のスペース拡張が可能であることがアピールされています。
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「LOUQE GHOST S1 Mk3」にトップハットを組み合わせて240サイズ簡易水冷CPUクーラーを使用した時のビルド手順についても公式の動画が公開されています。




LOUQE GHOST S1 Mk3の外観・付属品

まずは「LOUQE GHOST S1 Mk3」の梱包と付属品を簡単にチェックしておきます。
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「LOUQE GHOST S1 Mk3」は製品名が描かれた白色スリーブに、茶色段ボールのパッケージと言う組み合わせの梱包です。Mini-ITX対応PCケースなので、幅332mm×奥行310mm×高さ484mmとパッケージサイズも比較的コンパクト、重量も5kg程度なので女性でも両手に抱えて持ち運べます。
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段ボール箱の天面を開くと、ビニール袋に入れられたPCケース本体がスポンジ製スペーサーに保護された状態で現れます。各種付属品はビニール袋に封入された状態で上に置かれています。
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「LOUQE GHOST S1 Mk3」の付属品は、ネジセット、T10規格トルクスL字レンチ、マニュアルQRコードシートとなっておりシンプルです。
加えてオプションパーツのトップハットを組み合わせた時にPCケース天面にファン・ラジエーターを設置するために使用するファン・ラジエーター用ブラケットも付属しています。
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「LOUQE GHOST S1 Mk3」の天面前方には”RAG TAG”と呼ばれる革製タグがありますが、細いスリットで厚みにある革を挟んでいるだけでしっかりとは固定されていません。マグネットで2段階に弱く固定されている天面パネルを外すためのタグです。
天面パネルの重さ以上に力が加わると簡単に
スッぽ抜けるため、このタグでPCケース全体を持ち上げるとPCケースごと落としてしまうかもしれません。絶対にタグを持ち手にしてPCケースを持ち上げないでください。
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続いて「LOUQE GHOST S1 Mk3」のPCケース本体の外観についてチェックしていきます。
「LOUQE GHOST S1 Mk3」は外形寸法が奥行322mm×横幅140mm×高さ188mm、容積8.2リットルのコンパクトサイズかつ横幅スリムなPCケースです。
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今回レビューするカラーバリエーションのAsh(アッシュ)は前後左右に黒色塗装が施されたアルミニウム製パネルを採用しています。アルミニウム製の塗装は”New ultra smooth surface treatment”とアピールされており、粉っぽい印象の塗装です。細かい粒子感はあるもののザラザラしているわけではなく、サラサラ寄りではあります。天面と底面には全カラー共通で艶のある黒色塗装のスチールパネルが採用されています。
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「LOUQE GHOST S1 Mk3」のフロントパネルは中央下部に設置された丸型電源スイッチとその上の小さいパワーLED以外には装飾の無いシンプルなフラットデザインです。
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フロントI/Oは電源スイッチとパワーLEDだけなので、マザーボードに接続するケーブルもシンプルです。2種類のケーブルはリボンケーブルで一体になっていて、先端で分離しています。
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背面もフロントパネルと同じ表面塗装のアルミニウム製パネルになっていて、スマートなデザインです。
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フロントには通気口のないフラットパネルですが、上左右の3面パネルには小さい丸穴のエアスリットが広範囲に施されており、通気性は良好です
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底面も角が丸まった長方形型のエアベントが設けられています。四隅には厚み5mm程度の半球型のゴム足が両面テープで貼り付けられています。
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LOUQE GHOST S1 Mk3の内部構造の概要

「LOUQE GHOST S1 Mk3」の内部構造をチェックしていきます。
「LOUQE GHOST S1 Mk3」の外装パネルはT10規格のトルクスネジで固定されています。トルクスネジに対応したドライバーセットを持っていなくても、対応L字レンチが付属するので問題ありません。その他の付属ネジも基本的にトルクスネジなのでT10トルクスドライバーを1本用意しておいた方が組み易いと思います。
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「LOUQE GHOST S1 Mk3」の左右外装パネルは天面と底面のパネルで挟んで外からネジ止めされているので、内部にアクセスするにはまず天面と底面の8カ所×2のネジを全て外す必要があります。(左右パネルを外すだけであれば、底面の前後2×2か所は外さなくてもOK)
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底面パネルには標準で2.5インチストレージ×2に対応したストレージブラケットが装着されています。
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左右パネルは前後パネルのスライドレール上にはめ込まれているだけなので、天面と底面のネジ固定を解除すれば上下どちらかにスライドさせる形で取り外しが可能になります。
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以上の手順で、「LOUQE GHOST S1 Mk3」は上下左右の主要な4面のパネルを全て取り外すことができます。
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「LOUQE GHOST S1 Mk3」のサイドパネル内側を見るとダストフィルターを装着できそうなスペースがあります。ただし公式アクセサリとしてはダストフィルターはラインナップされていません。
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「LOUQE GHOST S1 Mk3」は主要な4面のパネルを全て取り外すことができるので、PCケース内部へのアクセサビリティーは非常に良好です。
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下写真は正面から見て右側チャンバーの様子ですが、PCケースフロントに当たる左側に電源ユニットスペース、右側にマザーボードスペースがあります。
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逆に正面から見て左側チャンバーはグラフィックボード用のスペースになっています。左右チャンバーを分ける隔壁のフロント寄りにはネジ穴があるので、ショート基板グラフィックボードで干渉しなければ、2.5インチストレージを設置できます。
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正面から見て右側チャンバーの奥にはマザーボードの設置スペースがあり、マザーボードトレイにはMini-ITXマザーボードに合わせて4つのスペーサーが予め装着されています。
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マザーボード固定用スペーサーは一般的な六角スタンドオフスクリューではなく、予めシャーシのマザーボードトレイ部分に固定されているので(ライザーケーブルを固定しているスタンドオフと同様に六角ベースが埋め込まれている)、マザーボード固定ネジと一緒に回ってしまう心配はありません。
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内部についてさらに少し詳しくチェックしていくため「LOUQE GHOST S1 Mk3」にMini-ITXマザーボードを設置してみました。「LOUQE GHOST S1 Mk3」はMini-ITX対応PCケースなので、当然ですがMini-ITXマザーボードを問題なく設置できます。
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マザーボードを装着した状態で「LOUQE GHOST S1 Mk3」のマザーボードトレイ裏側を見ると、CPUクーラーメンテナンスホールがかなり広く設けられています。マザーボードを装着したままでも、CPUクーラー固定用バックプレートの着脱は容易です。
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ただしマザーボード背面のM.2スロットについては注意が必要です。Intel LGA1200系は基本的に問題なさそうですが、AMD AM4はCPUソケット(のクーラー固定部分)が縦長なのでM.2スロットが端に寄っており、マザーボードトレイが被さってしまう可能性が高いです。背面のM.2スロットはマザーボードを装着したままではSSDの着脱ができないかもしれません。
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「LOUQE GHOST S1 Mk3」ではCPUクーラーの設置スペースとして、公式仕様の通り最大で全高66mm程度が確保されています。
グラボを背中合わせにするスタイルのPCケースでは先駆者的存在のDAN Cases A4-SFXはさらにスリムな反面、CPUクーラー用のスペースが全高48mmしかないので、「LOUQE GHOST S1 Mk3」とは冷却性能も重視した時に市販CPUクーラーの選択肢の幅にはかなり差があります。
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Noctua NH-L12 Ghost S1 Editionについて

Noctuaからは同社のロープロファイル高性能CPUクーラーNH-L12をベースにして、LOUQE GHOST S1シリーズに最適化された専用モデル「Noctua NH-L12 Ghost S1 Edition」が発売されています。
今回はLOUQE GHOST S1 Mk3と同じく、Noctua製品の国内正規代理店でもあるTechaceより、「Noctua NH-L12 Ghost S1 Edition」も検証機材としてサンプル機をお借りしました。
Noctua NH-L12 Ghost S1 Edition

代理店公式ページ:https://techace.jp/index.php?route=product/product&product_id=3762
製品公式ページ:https://noctua.at/en/nh-l12-ghost-s1-edition

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「Noctua NH-L12 Ghost S1 Edition」のパッケージは 同社既存の一般モデル同様にカラープリントのパッケージになっています。外パッケージを開くと、まず付属品が収められた小分けパッケージが現れ、その下にはCPUクーラー本体が収められています。
CPUクーラー本体は茶色段ボールのスペーサーに収められており、CPUクーラー本体を保護する段ボールは簡単な組み立て式です。各種付属品は内容品一覧が天面にプリントされた小分けパッケージに収められています。
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CPUクーラーマウント関連を除く付属品は、同社製熱伝導グリス「NT-H1」、ファンを低速で動作させるための降圧変換ケーブル「Low Noise Adapter NA-RC14」、L字型プラスドライバー、エンブレムバッジシールでした。
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CPUクーラーマウント関連の付属品としては、Intelプラットフォーム用マウントバー(NM-IMB3)、Intel LGA1200用プラスチックスペーサー(ブラック、NM-IPS1)、Intel LGA1200用バックプレート(NM-IBP2)、AMDプラットフォーム用マウントバー2種(NM-AMB10、NM-AMB11)、AMD AM4用プラスチックスペーサー(グレー、NM-APS4)、AMD AM/FM用プラスチックスペーサー(ホワイト、NM-APS5)、AMDプラットフォーム用スクリュー(NM-ALS1)、マウントバー固定用ハンドスクリューナットとなっています。
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「Noctua NH-L12 Ghost S1 Edition」はトップフロー型空冷CPUクーラーですが、冷却ファンがヒートシンクの下にあるので高品位なヒートシンクが全面に出た造形です。細かくチェックしていくとヒートシンクのアルミニウム放熱フィンがシルバーのニッケルメッキで防錆処理されておりその独特の光沢も目を引きます。
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「Noctua NH-L12 Ghost S1 Edition」はニッケルメッキの施された銅製ベースコアから、同じくニッケルメッキ銅製のヒートパイプが4本伸びています。
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「Noctua NH-L12 Ghost S1 Edition」のベースコアプレートはニッケルメッキの銅製です。CPUクーラーヒートスプレッダとの接触面積を最大化するために平滑化されていますが、同社のNH-U12AやNH-D15など同社のハイエンド製品と比較すると鏡面の度合いは低めです。
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「Noctua NH-L12 Ghost S1 Edition」の冷却ファンはベースコアと放熱ヒートシンクに挟まる形でヒートシンクの下に設置されています。固定方法は同社製CPUクーラーでお馴染みの針金クリップです。
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冷却ファンの振動ノイズを抑制するため、ヒートシンク側には細長い半透明な防振ラバーパッドが貼り付けられていました。
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Noctua NH-L12 Ghost S1 Editionに標準で付属する冷却ファンは92mm角25mm厚の「Noctua NF-B9 PWM」です。「Noctua NF-B9 PWM」はファン単品でも市販されており、CPUクーラー付属品は市販品と同等スペックで定格1600RPM、PWM速度調整によって300~1600RPMの範囲内で回転数を制御できます。
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なお定格回転数は1600RPM(±10%)とのことでしたが、実際にマザーボードファン端子に接続してみると、最大で1900RPM近くまで回転速度が上がり、PWM速度調整で80%前後が1600RPMでした。
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CPUクーラーを固定するためのリテンションブラケットはベースコアにネジ止めされており、固定ネジ自体も脱落防止機構があります。Mini-ITXマザーボードの狭いスペースでの装着し易さもちゃんと考慮された設計です。
冷却ファンを装着した状態で放熱フィンがないホール部分からファンブレードと干渉することなく、リテンションブラケットのネジにアクセスできます。この辺りの設計の上手さも流石Noctuaといったところ。
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「Noctua NH-L12 Ghost S1 Edition」はLOUQE GHOST S1 Mk3専用に最適化された空冷CPUクーラーだけあって、GHOST S1に搭載可能な全高の限界である66mmピッタリサイズです。
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「Noctua NH-L12 Ghost S1 Edition」のメモリクリアランスを確認しておくと、「LOUQE GHOST S1 Mk3」において推奨されるPCIEスロットのほうにヒートパイプ先端が向くレイアウト(下写真の左)なら、一般的なMini-ITXマザーボードでメモリスロット上に冷却ファンが被さる心配はありません。
「Noctua NH-L12 Ghost S1 Edition」は縦横両方の設置に対応していますが、一般的なトップフロー型CPUクーラーで一般的なメモリスロット側にヒートパイプ先端が向くレイアウト(下写真の右)の場合、CPUソケット寄りのメモリスロットに冷却ファンが被さる可能性が高いので非推奨です。
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LOUQE GHOST S1 Mk3はマザーボードPCIEスロットにグラフィックボード自体ではなくライザーケーブルを装着するので、CPUクーラーヒートシンクがPCIEスロットに被さっても問題ないので、この向きが「Noctua NH-L12 Ghost S1 Edition」の推奨レイアウトです。
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ヒートシンク自体の全高方向のメモリに対するクリアランスについて、公式仕様では全高48mmまでのスペースがありますが、実際は冷却ファンを固定しているファンクリップがあるので2,3mm間隔は狭くなります。全高43mmのG.Skill Trident Zは数mmの余裕を残して干渉することなく設置できました。
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以上、「Noctua NH-L12 Ghost S1 Edition」の概要について紹介しましたが、同CPUクーラーをマザーボードに固定する手順や、今回のサンプルビルドに使用するRyzen 9 5950Xと組み合わせた時の冷却性能(CPUの冷え具合)については、組み立てとビルドギャラリーの章で解説します。



LOUQE GHOST S1 Mk3のグラフィックボード設置スペース

「LOUQE GHOST S1 Mk3」のグラフィックボード設置スペースについてチェックしていきます。
まず概要を簡単に紹介すると、「LOUQE GHOST S1 Mk3」ではグラフィックボードの設置スペースとして、内寸的には最大で長さ方向に305mmまでのスペースが確保されています。
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厚みについては2スロットまでに対応となっており、内部スペース的にも2.5~3スロットを占有するグラフィックボードには非対応です。
GeForce RTX 3070やRadeon RX 6800までなら対応モデルも多少ありますが、GeForce RTX 3080やRadeon RX 6800 XTといった最新のハイエンドグラフィックボードは2.5スロット以上の厚みのものしか基本的ないので、「LOUQE GHOST S1 Mk3」に搭載するのは難しそうです。
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「LOUQE GHOST S1 Mk3」はマザーボードと背中合わせにしてグラフィックボードを配置するタイプのPCケースなので、標準でPCIEスロットを延長するライザーケーブルが付属しています。
PCIEライザーケーブルというと分岐の有無はあれど幅広なリボンケーブルと印象が強いですが、「LOUQE GHOST S1 Mk3」のものはコバルトカラーのリード線で構成されているところが特に目を引きます。
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このライザーケーブルは「Cobalt PCI-e Gen 4+ riser cable」と名付けられています。高温に耐えうるコバルト(青色)カラーの被膜、ノイズを抑制する銅製バリア膜、銀メッキが施された銅線部分など、2020年最新規格のPCIE4.0規格の要求を十分に上回る品質を実現しています。
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グラフィックボード設置スペースをより大きく確保するためPCIEブラケットの固定ネジ部分がPCケース外側に配置されているので、PCIEブラケットカバーが装着されています。隙間から埃が混入するのを防止し、外見もスマートになります。
なおこのタイプは外側の折り返し部分でグラフィックボードのPCIEブラケットをネジ止めすることが多いですが、「LOUQE GHOST S1 Mk3」はグラフィックボード側にはネジ止めはなく、カバーとシャーシで挟んで固定する構造になっています。PCIEスロットにもロックがないので、「LOUQE GHOST S1 Mk3」は振動が生じる持ち運びシーンではグラフィックボードの固定に少々不安があります。
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「LOUQE GHOST S1 Mk3」へ実際に長さ270mmのRadeon RX 6800リファレンスモデルを設置してみたところ、かなりの余裕をもってスペースに収めることができました。これぐらい余剰スペースがあれば着脱で困ることもありませんし、電源ケーブルの取り回しも安心です。
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フロント寄りのスペースに電源ケーブルの余剰を収納できるので、最長305mm対応ですが実用的には270mm程度を上限に搭載するグラフィックボードを選択するのがオススメです。
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グラフィックボードの高さ方向のクリアランスについて、Radeon RX 6800リファレンスモデルはPCIEブラケットよりも10mm程度高い位置にPCIE補助電源があるのですが、固めの電源ケーブルでもなんとか天面パネルと干渉しないようにケーブルを収納できました。この部分を上手く収納するのは自作PC初心者には難しいポイントかもしれません。
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今回のサンプルビルトでは「Cooler Master V850 SFX Gold」を使用しましたが、自作PC初心者だと上述のPCIE補助電源コネクタ付近のケーブルの取り回しで苦戦する可能性が高いので、万全を期すなら、非常に柔らかくて取り回しの良いショートケーブルキット「SST-PP05-E」を使用できるSilverStone製のSFX(-L)電源ユニットを使用するのがオススメです。
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「SilverStone SX700-PT」をレビュー。Platinum認証SFX電源を徹底検証
SilverStone SX700-PT



LOUQE GHOST S1 Mk3のストレージ設置スペース

「LOUQE GHOST S1 Mk3」のストレージ設置についてチェックしていきます。
まず分かりやすいところとして、「LOUQE GHOST S1 Mk3」の底面フロント寄りには2基の2.5インチストレージを設置可能なストレージベイが装着されています。
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ストレージベイに2基のSSDを固定する手順について、まず上段のSSDを底面のネジ穴で固定し、それから下段のSSDを側面のネジ穴で固定します。
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「LOUQE GHOST S1 Mk3」におけるもう1つのストレージ設置スペースはグラフィックボード用左側チャンバーの前方、隔壁上にあります。隔壁のフロント寄りにはネジ穴があるので、ショート基板グラフィックボードで干渉しなければ、2.5インチストレージを設置できます。
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グラフィックボードの全長が200mmを超えるとバックプレートやPCB基板が2.5インチストレージと接触してしまうため、このスペースのストレージ設置はフルサイズグラフィックボードと排他利用です。
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LOUQE GHOST S1 Mk3の電源ユニット設置スペース

「LOUQE GHOST S1 Mk3」の電源ユニット設置についてチェックしていきます。
「LOUQE GHOST S1 Mk3」では天面からぶら下げるような形でSFX(-L)電源ユニットを固定するためのネジ穴が配置されています。
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PCケース前方に電源ユニットの設置スペースがあり、延長ケーブルを介してPCケース後方でACケーブルを接続する構造です。
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まずは「LOUQE GHOST S1 Mk3」にSFXサイズ電源ユニットを組み込んだ場合のクリアランスをチェックしていきます。検証機材には奥行100mmのSFXサイズ電源ユニット「Cooler Master V850 SFX Gold」を使用します。
「Cooler Master V850 SFX Gold」をレビュー
Cooler Master V850 SFX Gold

奥行100mmの「Cooler Master V850 SFX Gold」を搭載した場合、プラグインコネクタ面と向かい合うPCケース底面パネルとの距離は65mm程度でした。
これだけスペースがあれば底面に2.5インチストレージや120mmサイズケースファンを設置しても問題なく電源ケーブルの配線が可能です。
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またAC延長ケーブルのL字コネクタについて「Cooler Master V850 SFX Gold」はスムーズに延長ケーブルを配線できるベストなレイアウトでした。
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続いて「LOUQE GHOST S1 Mk3」にSFX-Lサイズ電源ユニットを組み込んだ場合のクリアランスをチェックしていきます。検証機材には奥行130mmの同社製SFX-Lサイズ電源ユニット「SilverStone SX800-LTI」を使用します。
TITANIUM認証取得SFX-L電源「SST-SX800-LTI」をレビュー
SilverStone SST-SX800-LTI


奥行130mmの「SilverStone SX800-LTI」を搭載した場合、プラグインコネクタ面と向かい合うPCケース底面パネルとの距離は35mm程度でした。
底面パネルを取り外してしまえば、ケーブルの着脱は容易なので、ケーブルとコネクタを収納するスペースとして考えれば十分ですが、底面に2.5インチストレージやケースファンを設置するのは難しそうです。
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またAC延長ケーブルのL字コネクタについてSilverStone SX800-LTIのレイアウトは「LOUQE GHOST S1 Mk3」にとってのワーストケースですが配線は可能でした。
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LOUQE GHOST S1 Mk3のファン・ラジエーター設置スペース

「LOUQE GHOST S1 Mk3」のケースファンや水冷ラジエーターの設置スペースについてチェックしていきます。

「LOUQE GHOST S1 Mk3」では底面プレートや、トップハットを組み合わせた時に天面で使用できるファン・ラジエーターブラケットに120mm角サイズファンに対応した横長のネジ穴スリットが設けられています。
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「LOUQE GHOST S1 Mk3」のPCケース底面前方、標準では2.5インチストレージベイが装着されているスペースには、ストレージベイと排他利用になりますが、厚み25mmの一般的な120mm角ケースファンを設置できます。
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底面と隔壁の間隔は33mm程度なので25mm厚のケースファンを設置しても、左右チャンバー間で電源ケーブルを通すスペースは十分にあります。
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加えて別売りアクセサリのトップハットを組み合わせればPCケース天面に240サイズラジエーターも搭載でき、公式動画では「LOUQE GHOST S1 Mk3」にトップハットを組み合わせて240サイズ簡易水冷CPUクーラーを使用した時のビルド手順が紹介されています。




LOUQE GHOST S1 Mk3の組み立て手順・ギャラリー

コンパクトPCケースは手順を誤るとケーブルが装着できなくなって最初の方からやり直しになったり、一般的なATX対応ミドルタワーPCケースに比べて組み立てが急に難しく(面倒に)なるので、手際よく上手に組めるよう「LOUQE GHOST S1 Mk3」の組み立て手順について解説していきます。

今回のサンプルビルドではCPUクーラーに「Noctua NH-L12 Ghost S1 edition」を使用するので、まず最初に、マザーボードへCPUとメモリを装着しておきます。使用する場合はM.2 SSDも最初に装着しておいてください。
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続いてNoctua NH-L12 Ghost S1 EditionのCPUクーラー固定パーツをマザーボードに装着します。
Noctua NH-L12 Ghost S1 Editionはマルチプラットフォーム対応CPUクーラーなのでマウントパーツの種類がいくつかありますが、AMD AM4プラットフォームでは下写真に写っている、AMDプラットフォーム用マウントバー(NM-AMB10とNM-AMB11のどちらかを使用)、AMD AM4用プラスチックスペーサー(グレー、NM-APS4)、Intel LGA115X用バックプレート(NM-IBP2)、AMDプラットフォーム用スクリュー(NM-ALS1)を使用します。
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AMD AM4プラットフォームではマウントバーが長いもの(NM-AMB11)と短いもの(NM-AMB10)の2種類がありますが、CPUソケットに対してどの向きでCPUクーラーを固定するかで使用するマウントバーが変わります。
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Noctua NH-L12 Ghost S1 EditionをAM4プラットフォームに固定する際は、AM4マザーボードに標準で装着されているCPUクーラー固定器具を取り外しますが、バックプレートは流用します。
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プラットフォームによって固定に使用するパーツが若干異なりますが、CPUクーラーの固定方向に合わせてマウントバーをCPUソケット周りに装着するという手順は共通です。
Noctua NH-L12 Ghost S1 Editionのクリアランスの解説で紹介したように、AMD AM4プラットフォームの場合は基本的に長い方のマウントバーを使用して縦に装着します。
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マザーボードに各種パーツを装着して下準備が完了したら、PCケースから上下左右の4面パネルを全て取り外します。
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PCケースシャーシが剥き身の状態になったら、先ほど各種パーツを組み込んだマザーボードをマザーボードトレイに設置します。
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フロントI/Oの各種ケーブルやライザーケーブル、必要な数のSATA通信ケーブルをマザーボードに接続します。
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次は電源ユニットと電源ケーブルの接続に移ります。今回のサンプルビルドでは電源ユニットとして上でも紹介した、変換効率Gold認証/電源容量850Wのハイパフォーマンスながら奥行き100mmとコンパクトなSFX電源ユニット「Cooler Master V850 SFX Gold」を使用します。
「LOUQE GHOST S1 Mk3」で電源ユニットを設置する時に見落としやすいポイントとして(公式ビルド動画でもそうなっているのですが)、先にPCIE電源ケーブルを電源ユニットに装着しておき、電源ユニットとPCケース隔壁の間を通すようにしてPCケース天面側からグラフィックボード用チャンバーに取り回します。
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電源ユニットをPCケースに固定したら、ATX24PIN電源、EPS電源、SATA電源など使用する電源ケーブルをプラグインコネクタに接続します。
ATX24PIN電源ケーブルとEPS 8PIN電源ケーブルをマザーボードに接続します。合わせてこのタイミングで、使用する場合は、PCケースボトムに2.5インチストレージや120mmサイズケースファンを設置し、これらに対してもケーブルを接続します。
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続いてCPUクーラー、今回のサンプルビルドではNoctua NH-L12 Ghost S1 editionを設置していきます。
CPUとCPUクーラー間の熱伝導グリスには当サイト推奨で管理人も愛用しているお馴染みのクマさんグリス(Thermal Grizzly Kryonaut)を塗りました。使い切りの小容量から何度も塗りなおせる大容量までバリエーションも豊富で、性能面でも熱伝導効率が高く、塗布しやすい柔らかいグリスなのでおすすめです。
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グリスを塗る量はてきとうでOKです。管理人はヘラとかも使わず中央山盛りで対角線だけ若干伸ばして塗っています。特にThermal Grizzly Kryonautは柔らかいグリスでCPUクーラー固定時の圧着で伸びるので塗り方を気にする必要もありません。
Thermal Grizzly Kryonaut_apply
サーマルグリスの代用品として、数年スパンの長期使用においても性能低下が基本的になく再利用も可能、グリスが零れてマザーボードが汚れたり壊れる心配もないので、炭素繊維サーマルシート「Thermal Grizzly Carbonaut」もオススメです。
「Thermal Grizzly Carbonaut」はRyzen 9 3900Xを冷やせるか!?
Thermal Grizzly Carbonaut_Ryzen 9 3900X

サーマルグリスを塗ったらCPUクーラーヒートシンクを固定します。マウントバーのネジとリテンションブラケットとネジ穴が合うようにヒートシンクを乗せて、リテンションブラケット左右のネジを締めます。
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CPUクーラーが固定出来たら、PCケースボトムの増設機器、2.5インチストレージや120mmサイズファンの設置を行います。
今回のサンプルビルドでは冷却性能重視で120mm角25mm厚ケースファンを増設しました。まずはケースボトムにファンをネジ止めします。スリットに合わせて位置を微調整できるようにネジは最後まで締めず仮止めにしておいてください。
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隔壁の切込み部分にケースファンの位置が合うように微調整して、底面パネルをシャーシにネジ止めします。ケースファンの位置が問題なければケースファンの固定ネジも最後まで締めてください。
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今回は奥行100mmのSFXサイズ電源ユニットと25mm厚の120mm角ケースファンを組み合わせましたが、電源ケーブルはPCケース内に上手く収めることができました。
まだ多少の余裕はあるので、SFXサイズ電源ならSATA通信&SATA電源ケーブルが必要になる2.5インチSSD×2のPCケースボトム増設にも対応できそうです。
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ここまでが「LOUQE GHOST S1 Mk3」を組む上で順番が難しいところとなっており、後はグラフィックボードを設置してパーツの組み込みは完了です。
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Radeon RX 6800リファレンスモデルはPCIEブラケットよりも10mm程度高い位置にPCIE補助電源があるのですが、固めの電源ケーブルでもなんとか天面パネルと干渉しないようにケーブルを収納できました。この部分を上手く収納するのは自作PC初心者には難しいポイントかもしれません。
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今回のサンプルビルトでは「Cooler Master V850 SFX Gold」を使用しましたが、自作PC初心者だと上述のPCIE補助電源コネクタ付近のケーブルの取り回しで苦戦する可能性が高いので、万全を期すなら、非常に柔らかくて取り回しの良いショートケーブルキット「SST-PP05-E」を使用できるSilverStone製のSFX(-L)電源ユニットを使用するのがオススメです。
SST-PP05-E_SST-PP05-L

「SilverStone SX700-PT」をレビュー。Platinum認証SFX電源を徹底検証
SilverStone SX700-PT

CPUクーラー、グラフィックボード、各種ケーブルなどと干渉していないか注意しつつ、サイドパネルを装着します。
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「LOUQE GHOST S1 Mk3」の専用CPUクーラーとして設計されているだけあって、Noctua NH-L12 Ghost S1 Editionはサイドパネルとの間隔が1mm程度と本当にギリギリです。
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「LOUQE GHOST S1 Mk3」に2スロット占有フルサイズグラフィックボードと専用空冷クーラーNoctua NH-L12 Ghost S1 Editionを使用して自作PCを組むとPCケース内部はこんな感じになります。
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Ryzen 9 5950X&RX 6800を搭載したLOUQE GHOST S1 Mk3の冷え具合を試す

今回、Ryzen 9 5950XとRX 6800を組み合わせて構築したLOUQE GHOST S1 Mk3のサンプルビルドについて、CPUとGPUの冷却性能を簡単にチェックしてみました。
サンプルビルドではCPUクーラーにNoctua NH-L12 Ghost S1 Editionを使用し、またPCケース底面にThermaltake TOUGHFAN 12を増設していて、いずれもマザーボードファン端子に接続していたので、結果が分かりやすいようにファン速度はCPUクーラー冷却ファンを1600RPM、ケースファンを1400RPMに固定しました。
LOUQE GHOST S1 MK3_test_Fan-Speed
まずはCPUの冷却性能について、Ryzen 9 5950Xを標準設定(マザーボードはASRock B550 Phantom Gaming-ITX/axでBIOS:1.61)で動作させて、動画のエンコードで30分程度に渡ってフル負荷をかけ続けました。
LOUQE GHOST S1 MK3_cpu-stress_ss
CPU温度は90度に達して温度上限による電力制御も機能していますが、16コア32スレッドCPUのRyzen 9 5950XがCPUコアクロック(HWiNFOのEffective Clock)は実動平均3.8GHz程度で安定しています。
CPUクーラー冷却ファンは1600RPM程度とやや高速ですが92mm角の小型ファンなので静音性も十分、というか今回のサンプルビルドでは電源ユニット冷却ファンの方が煩いくらいです。
LOUQE GHOST S1 MK3_cpu-stress_temp
今回のサンプルビルドで使用したマザーボードASRock B550 Phantom Gaming-ITX/ax(BIOS:1.61)は電力制限周りのモニタリング値を弄っているようで、標準設定のままでもPBO的な動作になっています。そのため、一応、上のグラフに掲載したもののCPU Package Powerのモニタリング値があてになりません。

そこでシステム消費電力(電源ユニット入力電力)を参照すると、アイドル時80W程度に対して、テスト開始直後が260~280W、温度上限による電力制限が効いてくるテスト終盤では240W前後でした。
LOUQE GHOST S1 Mk3専用に設計された「Noctua NH-L12 Ghost S1 Edition」は一般的なCPUクーラーと比較すると小型な部類ですが、それでもTDP100W超クラスのメインストリーム向け最上位CPUを定格で静音性を維持しつつ運用できる冷却性能があると考えていい結果だと思います。
LOUQE GHOST S1 MK3_cpu-stress_power


続いてGPUの冷却性能について、これは搭載するグラフィックボードのGPUクーラーにも依るところが大きいのですが、今回は上に掲載している写真の通り、「AMD Radeon RX 6800」のリファレンスモデルで検証を行いました。
約20分間に渡たり連続してGPUに100%近い負荷をかける3DMark TimeSpy Stress TestでGPU温度やファン速度をチェックしたところ、GPU温度は70度前後、GPUクーラー冷却ファンも1700~1800RPMに収まるそこそこ良い結果が得られました。
冒頭に書いたように実際の静音性や冷却性能は各グラフィックボードのGPUクーラーに依るところも大きいものの、「LOUQE GHOST S1 Mk3」はTGP250Wクラスのグラフィックボードを搭載しても高い静音性を維持してしっかりと冷却できる一例にはなったと思います。
LOUQE GHOST S1 MK3_gpu-stress_ss



LOUQE GHOST S1 Mk3のレビューまとめ

最後に「LOUQE GHOST S1 Mk3」の実機サンプルを検証してみた結果のまとめを行います。簡単に箇条書きで以下、管理人のレビュー後の所感となります。

良いところ
  • 黒色ベースのシンプルなスタイル (シルバーのカラバリもラインナップ)
  • 容積8.2Lのコンパクト、かつ幅140mmのスリムなMini-ITX対応PCケース
  • 最長305mm/2スロット占有のフルサイズグラフィックボードを搭載可能なスペース
  • 付属ライザーケーブルはPCIE4.0規格互換
  • 標準で全高66mmまでの空冷CPUクーラーに対応
    専用Noctua製クーラーNH-L12 Ghost S1 Editionも別売りされている
  • 別売りアクセサリのトップハットを組み合わせれば、最大で240サイズ簡易水冷にも対応
  • 最大で3基の2.5インチストレージを搭載可能
悪いところor注意点
  • 革製タグでPCケース全体を持ち上げてはいけない
  • アルミパネルの塗装は汚れで色ムラがでやすいのが気になるかも
  • 固定ネジがT10規格のトルクスネジ(L字レンチが標準で付属)
  • グラフィックボードの固定は弱いので、振動や衝撃のある持ち運びには不向きかも

「LOUQE GHOST S1 Mk3」は8.2Lのコンパクトサイズかつ140mmのスリム幅という限られたスペースの中で、”2スロット占有フルサイズグラフィックボードを搭載できる”という高性能PCの構築において一つの水準となる条件を満たす優秀なPCケースです。2020年最新の高性能グラフィックボードであるGeForce RTX 3070やRadeon RX 6800を搭載できます。

グラフィックボードを背中合わせにすることでスリム幅を実現するタイプのPCケースは、CPUクーラースペースが狭く、CPUに対する冷却性能や静音性に乏しいというデメリットがあったのですが、「LOUQE GHOST S1 Mk3」の場合は、ハイエンド空冷の雄、Noctuaによって専用に設計された空冷CPUクーラーNoctua NH-L12 Ghost S1 Editionが選択肢として用意されているので、TDP100Wオーバーのメインストリーム向け最上位CPUにも空冷特化なビルドで対応できるところも魅力です。

加えて純正別売りアクセサリのトップハットを組み合わせれば最大で9種類の内部レイアウトに拡張が可能となり、120mm角ケースファンによるケース内エアフローの改善、240mmサイズ簡易水冷CPUクーラーによる200WクラスのCPUオーバークロック対応など、ビルドの幅もさらに広がります。

「LOUQE GHOST S1 Mk3」は上下左右のパネルを全て取り外してPCケース内部にフルアクセスが可能なので、Mini-ITX対応コンパクトPCケースながら非常に組み易いところも評価ポイントでした。この記事で紹介している電源ユニットなどを組み合わせれば電源ケーブル配線の難易度も下がるので、自作PC初心者でも組み易いコンパクトPCケースだと思います。

以上、「LOUQE GHOST S1 Mk3」のレビューでした。
LOUQE GHOST S1 MK3


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(注:記事内で参考のため記載された商品価格は記事執筆当時のものとなり変動している場合があります)



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