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変換効率90%の80PLUS Gold認証を取得かつ1000Wの電源容量を備えたハイパフォーマンスATX電源ユニット「NZXT C1000 Gold」をレビューします。
ハードウェアスイッチで切り替え可能なセミファンレス機能の使い勝手や、GeForce RTX 3090やRadeon RX 6900 XTなどウルトラハイエンドグラフィックボードを搭載しピーク負荷が500Wオーバーに達する環境において静音動作が可能なのか徹底検証していきます。

製品公式ページ:https://nzxt.com/product/c1000
NZXT C1000 Gold レビュー目次
1.NZXT C1000 Goldの外観や概要について
2.NZXT C1000 Goldのケーブルや電源端子について
3.NZXT C1000 Goldのファンノイズ
4.NZXT C1000 Goldのレビューまとめ
【機材協力:株式会社タイムリー】
NZXT C1000 Goldの外観や概要について
早速パッケージを開封して「NZXT C1000 Gold」の外観や付属品をチェックしていきます。「NZXT C1000 Gold」はそこそこ高級な電源ユニットのパッケージとしては比較的小型で、とくに厚みが薄いのが印象的でした。NZXTのメーカーカラーとも言えるホワイト&パープルを基調に製品イラストなどもカラープリントされており、NZXTファンの所有欲を満たすデザインだと思います。

パッケージの構造はN型箱で開くと、右側にはスポンジスペーサーに保護された電源ユニット本体が収められており、各種ケーブル類はパープルカラーのナイロンバッグに入った状態で左側に収められていました。


「NZXT C1000 Gold」本体をチェックしていきます。

NZXT C1000 Goldの電源ユニット本体は次のようになっています。NZXT C1000 Goldのスチール製外装は、同社製PCケースのNZXT Hシリーズ同様に質感の高い塗装になっており高級感のある装いです。


側面にはアクセントとなる凹み加工に加えて、薄っすらとNZXT C1000 Goldの製品ロゴがプリントされています。

NZXT C1000 Goldは電源容量1000Wでメインストリーム向け電源としては比較的大容量ですが50%負荷時の変換効率90%以上を保証するGold認証の低発熱を活かして奥行はコンパクトな150mmとなっています。
電源容量の小さいC850/C750/C650も含め、いずれも奥行150mmとコンパクトなので、同社のNZXT New Hシリーズで最もコンパクトなMini-ITX対応のH210iにも対応可能です。

NZXT Cシリーズ電源の2020年に発売された初期モデルは120mm角ファンを搭載していましたが、「NZXT C1000」を含め2022年最新モデルでは近年主流な140mm角(135mm径)にアップグレードされています。
冷却ファンの定格ファン回転数は2300RPM、高耐久な流体動軸受け(FDB; Fluid Dynamic Bearing)を採用しています。

「NZXT C1000 Gold」は低負荷時に冷却ファンを停止させるセミファンレス機能ZERO RPM FAN MODEにも対応しています。セミファンレス機能はAC端子やロッカースイッチの傍に実装されたボタンでオン/オフを切り替えが可能です。

「NZXT C1000 Gold」はATX24PINからPCIE補助電源まで全てのケーブルが着脱可能なフルプラグイン式になっているので環境に合わせて使用するケーブルが選択できます。

ACコンセントケーブルは国内のPC関連でよく使われる3PINタイプの端子になっています。コンセントからの電力供給を簡単にカットできるロッカー型ハードウェアスイッチが付いています。排気用の背面エアスリットもほぼ全体に及び大きく取られているので通気性も十分です。

「NZXT C1000 Gold」はシステム負荷50%の環境下において90%以上の電力変換効率を発揮することが確認済みの80PLUS Gold認証を取得、1000Wという大容量な電源ユニットです。+12Vはシングルレールで83.5Aの出力に対応します。
10コア以上のウルトラメニーコアCPUへ電力供給を行うEPS電源や、TGP300W超のウルトラハイエンドGPUへ電力供給を行うPCIE補助電源では、それだけで20Aを超える出力を要求することもありますが、「NZXT C1000 Gold」はそれらに対して安定した電力供給が可能な容量を備えています。

NZXT C1000 Goldのケーブルや電源端子について
「NZXT C1000 Gold」に実装されている電源コネクタの種類やケーブル長についてチェックしていきます。「NZXT C1000 Gold」のプラグインケーブルは製品パッケージ内の電源ユニット本体左側に収められていた専用ナイロンバッグの中に入っています。


「NZXT C1000 Gold」で使用するプラグインケーブルは全て、一般には比較的安価な製品に採用されることの多いスリーブまとめ型ケーブルで構成されています。

電力波形の安定化やノイズ低減のためコンデンサ等の素子を埋め込むのに適しているので、あえて取り回しの良いリボンケーブルではなくスリーブまとめ型ケーブルが採用されることもありますが、「NZXT C1000 Gold」のプラグインケーブルにはそういった素子の実装はありません。
NZXTによると『新モデルはケーブルにコンデンサがなくても電源の出力を同等・あるいはそれ以上のものにできるよう、電源ユニットの回路設計が一新されています』とのこと。

「NZXT C1000 Gold」で使用可能な電源ケーブルの長さやコネクタ数の一覧は次のテーブルのようになっています。
NZXT C1000 Goldの電源ケーブルについて個別にチェックしていきます。
NZXT C1000 GoldのATX24PINケーブルは一般的なミドルタワーPCケースに対応可能な600mmの黒色スリーブまとめ型ケーブルです。

PCIE補助電源とEPS電源のケーブルは見分けるのが面倒ですが、「NZXT C1000 Gold」のプラグインケーブルではコネクタの側面に「PCIE」と「CPU」と表記されて、自作PC初心者にも判別しやすくなっています。

「NZXT C1000 Gold」にはEPS電源ケーブルとして700mmのケーブルが2本付属します。なお750W/650Wの電源容量が小さいモデルにもEPS電源ケーブルは2本付属します。
メインストリーム向けでも高級なマザーボードではEPS電源として8+4PINや8PIN×2を要求するものもありますが、「NZXT C1000 Gold」ではEPS電源8PIN端子は2基搭載されているので問題なく対応可能です。


EPS電源ケーブルのEPS端子をチェックすると、いずれも8PINを構成する2つの4PINはロックピンで簡単に固定・分離できる構造です。

「NZXT C1000 Gold」に付属するPCIE補助電源ケーブルは8PIN(650mm)からもう1つの8PIN(150mm)が分岐するケーブルです。8PINコネクタはいずれも6+2PINに分離可能なタイプです。


「NZXT C1000 Gold」にはPCIE補助電源ケーブルとして、上記のケーブルがそれぞれ3本付属しており、最大で6個の8PINコネクタを使用できます。

SATA電源ケーブルは全長800mm(500 + 100 + 100 + 100mm)で4コネクタと、全長650mm(500 + 150mm)で2コネクタのケーブルの2種類が1本ずつ付属します。


4PINペリフェラル電源ケーブルは全長800mm(500 + 100 + 100 + 100mm)で4コネクタと、全長650mm(500 + 150mm)で2コネクタのケーブルの2種類が1本ずつ付属します。


NZXT C1000 Goldのファンノイズ
「NZXT C1000 Gold」の負荷に対する冷却ファンの動作をチェックしてみました。「NZXT C1000 Gold」の検証機材は次のようになっています。
テストベンチ機の構成 | |
OS | Windows10 Home 64bit |
CPU |
Intel Core i9 9900K(レビュー) Core/Cache:5.1/4.7GHz, 1.300V 殻割り&クマメタル化(レビュー) |
M/B | ASUS WS Z390 PRO (レビュー) |
メインメモリ | G.Skill Trident Z Black F4-4400C19D-16GTZKK DDR4 8GB*2=16GB (レビュー) 4000MHz, CL17-17-17-37-CR2 |
システムストレージ |
Samsung SSD 860 EVO M.2 1TB MZ-N6E1T0B/IT (レビュー) |
PCケース/ ベンチ板 |
STREACOM BC1 (レビュー) |
上記のベンチ機でグラフィックボードをGeForce GTX 1650、GeForce RTX 3050、GeForce RTX 3060 Ti、GeForce RTX 3070、GeForce RTX 3080、GeForce RTX 3090、Radeon RX 6800 XT、Radeon RX 6900 XTなどに変え、もしくは電力制限等から調整を行って、特定の消費電力に対する負荷時の電源ファンのファンノイズを測定しました。測定負荷にはTime Spy/Extreme グラフィックテスト1を15分以上ループさせています。
消費電力の測定にはBluetooth接続でスマホから消費電力を見られるワットチェッカー「ラトックシステム REX-BTWATTCH1」を使用して、電源ユニットの変換損を含めたシステム全体の消費電力をチェックしています。
なお同ワットチェッカーでは消費電力は1秒ごとにW単位で表示されますが、平均的な数値になっており実際の瞬間最大値はさらに高い値を取っている場合があります。記事中では表示値からおおよその平均を取って表記しますが、実際には+100Wから+200Wの瞬間的な負荷が発生することがあるので注意してください。

・ラトックシステムのスマホ対応ワットチェッカー第2世代を試す

電源ユニットのファンノイズはサウンドレベルメーターを利用してノイズレベルを測定・比較していきます。
電源ユニットは机の上に横置きとし、電源ユニットの吸気面と向かい合わせにして50cmほど離した位置にサウンドレベルメーターを設置しています。

消費電力とファンノイズの測定結果は次のようになりました。
「NZXT C1000 Gold」のファンノイズについては、シングルグラフィックボード環境で一般的に消費される400Wはもちろん、TGP300W超のRTX 3080/3090を搭載した500W負荷まで、ノイズレベルは32dB以下という極めて優れた静音性を発揮しました。
800W前後の負荷がかかってもノイズレベルは36dB以下に収まるので、「NZXT C1000 Gold」がグラフィックボードやCPUクーラーを押しのけて騒音上のボトルネックになることはないはずです。900Wを超えるとノイズレベルが39dBを超えるので流石に耳に付く感じですが。
「NZXT C1000 Gold」の電源ユニット冷却ファンのファン速度は主に電源負荷に比例しており、1,2秒の遅延挿入はあるかもしれませんが、基本的に負荷に応じて即座にファン速度が変動します。(あとセーフティとしての温度制御の可能性も)
ファン速度は電源負荷に比例するので、電源負荷が乱高下するとファン速度も乱高下してしまうのですが、「NZXT C1000 Gold」は電源負荷が600W以下ならセミファンレス時と大差ないノイズレベルに収まるので、基本的に問題にはならないと思います。(800~900W以上の負荷と低負荷の間で乱高下するような状態は滅多にないと思いますし)
「NZXT C1000 Gold」はTGP300W超のグラフィックボードにCore i9 12900Kなどメインストリーム向け最上位CPUを組み合わせた時のピーク負荷に近い700W程度の消費電力でもファンノイズは33db以下に収まります。
シングルグラフィックボード環境なら電源ユニットのファンノイズが煩く感じることはまずない、というかPCケース内からファンの動作を認識するのも難しいレベルだと思います。

「NZXT C1000 Gold」は背面のスイッチによってセミファンレス機能ZERO RPM FAN MODEのオン/オフを切り替え可能です。
電源容量1000Wモデルの「NZXT C1000 Gold」の場合、電源負荷が500~550W以下であればファンが停止した状態から少なくとも1分以内で即座に始動することはなく、停止したままでした。

電源負荷が550~600Wに達するとファンが停止した状態から即座に始動し始めました。

セミファンレス機能に対応した電源ユニットの一部ではファン始動時、瞬間的にファンが全速になり大きなファンノイズを発することがありますが、「NZXT C1000 Gold」は始動時の急激なファン速度の変化もなく、静かに始動します。
ただ、電源負荷が閾値を超えてファンが一度始動すると、閾値よりも十分に低い電源負荷で10分程度放置してもファンは始動したままになりました。PCをシャットダウンしてから起動しなおすと再び、ファンが停止した状態になるのですが。
NZXT C1000 Goldのレビューまとめ
最後に「NZXT C1000 Gold」を検証してみた結果のまとめを行います。簡単に箇条書きで以下、管理人のレビュー後の所感となります。良いところ
- 電源容量1000W、変換効率90%以上のGold認証取得のハイパフォーマンス電源ユニット
- +12Vは83.5Aのシングルレール出力
- 奥行150mmのコンパクトなサイズのATX電源ユニット
- シングルグラフィックボード環境の500W以下の負荷に対してノイズレベルは32dB未満
- セミファンレス機能ZERO RPM FAN MODEに対応
- ファンレス機能は背面スイッチで簡単にON/OFF含めモード切り替えが可能
- 10年間の長期保証
- このスペックで価格は2.5万円ほどと高コストパフォーマンス(2022年7月現在)
- 電源ケーブルは全て黒色スリーブまとめ型
- セミファンレスは一度始動するとシャットダウンまで停止しない
「NZXT C1000 Gold」は50%負荷時の変換効率が90%以上の80PLUS Gold認証を取得かつ電源容量も1000Wの大容量、+12V出力はシングルレール83.5Aとなっており、GeForce RTX 3090/3080やRadeon RX 6900/6800 XTなどTGP300W超級グラフィックボードにも余裕で対応できます。
冷却ファンの静音性についても「NZXT C1000 Gold」は、一般的なシングルグラフィックボード環境における400W程度から、TDP300W超な最新ハイエンドGPU環境における500W程度、さらには700W程度というハイエンドゲーミングPCのピーク負荷まで、ノイズレベル32dB以下という極めて優れた性能を発揮しました。
「NZXT C1000 Gold」にはセミファンレス機能ZERO RPM FAN MODEも搭載されており、ハードウェアスイッチで簡単にON/OFFの切り替えが可能です。セミファンレスで問題になりがちな、ファン始動時の急激なファン速度の上昇や、始動と停止を繰り返すことで(落差が大きいため)耳障りに感じるといった現象もありません。
PC電源として優れているのはもちろん、電源ユニットの筐体デザインもNZXT H7やNZXT H510など同社製の人気PCケースとコンセプトを共有した高品位なフラットデザインが採用されており、オールNZXTでクールな自作PCを組みたいユーザーにとって嬉しい製品だと思います。
「NZXT C1000 Gold」はATXサイズ電源ユニットとしてはコンパクトな奥行150mmであるところも魅力です。 コンパクトゲーミングPCを一から組む時に最適なのはもちろん、電源ユニットスペースの制限が決まっている既存PCにおいてPCケースとの干渉を気にせず、古くなった電源を交換したり、より大容量・高静音な電源へアップグレードしたりもでき、そのコンパクトさゆえに多様なニーズにマッチします。
以上、「NZXT C1000 Gold」のレビューでした。

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変換効率90%の80PLUS Gold認証を取得かつ1000Wの電源容量を備えたハイパフォーマンスATX電源ユニット「NZXT C1000 Gold」をレビュー。
— 自作とゲームと趣味の日々 (@jisakuhibi) July 20, 2022
TGP300W超グラボを搭載する環境において静音動作が可能なのか徹底検証https://t.co/BaBzWOTb03 pic.twitter.com/Od28FEDm78
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(注:記事内で参考のため記載された商品価格は記事執筆当時のものとなり変動している場合があります)
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