SilverStone SUGO 15


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容積19Lのコンパクトサイズながらモジュラー設計で240mmサイズ大型簡易水冷CPUクーラーや最長330mm&3スロット占有フルサイズグラフィックボードに対応するMini-ITX対応PCケースのアップグレードモデル「SilverStone SUGO 15(型番:SST-SG15B)」をレビューします。
コンパクトサイズに反して多種多様なビルドに対応する拡張性の高さも魅力な「SilverStone SUGO 15」ですが、今回は、240サイズ簡易水冷CPUクーラーと3スロット占有大型GPUクーラーのRadeon RX 6900 XTグラフィックボードを組み合わせた性能重視ビルドを構築してみようと思います。

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代理店公式ページ:http://www.dirac.co.jp/sst-sg15/
製品公式ページ:https://www.silverstonetek.com/product.php?pid=953&area=jp

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SilverStone SUGO 15の自作PC レビュー目次


1.SilverStone SUGO 15について
2.SilverStone SUGO 15の外観・梱包・付属品
3.SilverStone SUGO 15の内部構造の概要


4.SilverStone SUGO 15の組み立て手順・ギャラリー
  ・Ryzen 9 5950X&RX 6900 XTを搭載したSilverStone SUGO 15の冷え具合を試す

5.SilverStone SUGO 15のレビューまとめ



【機材協力:SilverStone】



SilverStone SUGO 15について

「SilverStone SUGO 15」は、低背なコンパクトサイズながらモジュラー設計を採用し様々なコンポーネント構成に対応したMini-ITXケースです。
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外形寸法が奥行368mm×横幅247mm×高さ215mm、容積19.5リットルのコンパクトサイズです。数年前に流行ったものの最近では採用製品が減っている、Mini-ITXマザーボードを横置きにするキューブ型PCケースです。
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「SilverStone SUGO 15」にはブラックとシルバーの2色が展開されています。底面からの吸排気に対応できる背の高いゴム製インシュレーターも付属しており、グラフィックボードのある左側面を底面にした縦置きレイアウトにも対応しています。
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横置き・縦置きのどちらでも重量級の超大型グラフィックボードを適切に支えることが可能な、可変グラフフィックスカードホルダーを標準搭載しているところもユーザーフレンドリーです。
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上下・左右の4面パネル、さらに前面のパネル着脱に対応し、ほぼ全面のパネルを取り外すことができるので、シャーシ内部へのアクセサビリティーも抜群です。
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外装パネルの内側には防塵性を確保しつつ通気性にも優れたマグネット式ナイロン製ダストフィルターが装着されています。
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「SilverStone SUGO 15」はそのコンパクトサイズながら充実した拡張性で、3xPCIEスロットのMini-DTXマザーボード、最大で全長330mm/全高148mm/幅3スロット占有の大型グラフィックボード、全高182mm以下のCPUクーラー、240サイズの水冷ラジエーター、奥行150mmまでのATX電源ユニット、最大3基の2.5インチストレージに対応します。
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PCケース右側面に搭載された多目的ブラケットによって、3.5インチHDDや240サイズ水冷ラジエーターなど各種冷却およびストレージコンポーネントに対応し、CPUクーラーや背面ファンなども含め、多種多様な構成が可能です。
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SilverStone SUGO 15の外観・梱包・付属品

まずは「SilverStone SUGO 15」の梱包と付属品を簡単にチェックしておきます。
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「SilverStone SUGO 15」では製品のオリジナルカラープリントがされた段ボール箱にPCケース本体が収められています。Mini-ITX対応PCケースなので、幅332mm×奥行310mm×高さ484mmとパッケージサイズも比較的コンパクト、重量も5kg程度なので女性でも両手に抱えて持ち運べそうです。
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段ボール箱の天面を開くと、ビニール袋に入れられたPCケース本体がスポンジ製スペーサーに保護された状態で現れます。
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各種付属品はスポンジスペーサーに凹みがあり、段ボール箱との間に収められています。
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「SilverStone SUGO 15」の付属品は、ケーブルタイ、インチネジセット、ミリネジセット、横置き用丸型ゴム足×8、縦置き用ゴム足×4となっておりシンプルです。
「SilverStone SUGO 15」は5インチベイに非対応なので、SUGO 14で付属していた5インチ拡張デバイス用フロントベゼルはありません。
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続いて「SilverStone SUGO 15」のPCケース本体の外観についてチェックしていきます。
「SilverStone SUGO 15」は背面を除く前上下左右が黒色塗装が施されたアルミニウム製パネル、外形寸法が奥行368mm×横幅247mm×高さ215mmの奥行長めなキューブ型PCケースです。
マザーボードを地面と平行で底面に設置する横置きレイアウトにおいて、上左右の3面パネルにはエアスリットが施されており、底面はソリッドパネルになっています。
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横置きレイアウト時の背面に注目すると各種部品の位置が分かりやすいと思います。底面に平置きでMini-ITX(もしくはMini-DTX)マザーボード、背面から見て右側に垂直設置でグラフィックボード、マザーボードの上側背面には120mm角もしくは140mm角のケースファンを搭載できます。
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「SilverStone SUGO 15」はフロントパネルもアルミニウム製です。外装パネルにアルミニウム素材が採用さえているのは前述の通りですが、粒度が大きめ、マットな黒色塗装が施されています。パネル厚が大きいこともあってペラペラした感じがなく、むしろ塗装の雰囲気も合わさって、アルミニウムながら重厚感があります。
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少し引っ掛けた程度で素地が見えるようなく、しっかりと強く厚みのある塗装がとなっており、またアルミニウムパネルの表面だけでなく切断面にもしっかりと黒色塗装が施されていて、よくよく見ても質感が高く感じる仕上がりです。
「SilverStone SUGO 15」の外装パネルは正三角形を組み合わせて六角形を描くエアスリットを除けば特長もありませんが、横置き時の左側後方には小さくSilverStoneのロゴが描かれています。
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SilverStone SUGO 14とフロントパネル付近を比較すると、「SilverStone SUGO 15」の質感の高さ、高級感や重厚感が伝わるのではないかと思います。サンプルイメージではヘアライン仕上げアルミニウムで想起されるようなスマートな印象を想像したのですが、実物は重厚さと高級さを感じる仕上がりです。
SUGO 14もプラスチックとスチールの組み合わせの中では頑張っているのですが、やはり塗装もしっかりしたアルミニウム製パネル採用の「SilverStone SUGO 15」と横並びで比べるとかなり違います。
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横置き時の天面前方にはフロントI/Oとして右から順に、電源スイッチ、ヘッドホン&マイク用3.5mm4極ジャック、USB Type-C端子(内部USB Type-C)×1、USB3.2 Gen1対応Type-A端子×2、リセットスイッチが設置されています。
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フロントI/Oからマザーボードに接続するケーブルは次のようになっています。
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個人的な注目ポイントとして、一般にケーブルが太くて取り回しが悪い、内部USB3.0ケーブルが細身なリボンケーブルなところが高評価でした。さらに内部USB Type-Cケーブルも非常に細く曲げやすいリボンケーブルになっています。
また電源スイッチとパワーLED、リセットスイッチとストレージLEDのフロントI/Oケーブル2組はそれぞれ、写真の先端数cm部分は分離していますが、根本は1本のケーブルにまとまっています。
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「SilverStone SUGO 15」の上下左右、4面のパネルはそれぞれ背面のハンドスクリュー2本で固定されています。ハンドスクリューを解除すると、後方へパネルをスライドさせるだけで取り外せます。
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ハンドスクリューはパネル側に脱落防止となっていること自体はSUGO 14でも共通ですが、「SilverStone SUGO 15」ではバネ仕掛けが内蔵されて、ネジの見た目も含めさらに洗練されています。
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上左右のパネルには内側にマグネット着脱で簡単に清掃ができる防塵ダストフィルターが装着されています。
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「SilverStone SUGO 15」では外装パネル内側に貼りつけられたダストフィルターもSUGO 14からアップグレードされ、高品質なナイロン製フィルターになっています
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下の比較写真を見ての通り、左側の「SilverStone SUGO 15」はフィルターの通気口の穴1つ1つがより細かく(集塵能力が高い)、さらに背景がより透けて通気性が高いことが分かります。
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「SilverStone SUGO 15」は主要な4面のパネルを全て取り外すことができるので、PCケース内部へのアクセサビリティーは非常に良好です。
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さらに、天面パネルを取り外すと前方にあるフロントパネルを固定しているネジにアクセスできます。この2か所のネジを解除すると、下側短辺にあるプラスチックのツメをヒンジにして、手前に開くような形でフロントパネルを取り外せます。
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SilverStone SUGO 15の内部構造の概要

「SilverStone SUGO 15」の内部構造をチェックしていきます。
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「SilverStone SUGO 15」は主要な4面のパネルを全て取り外すことができるので、PCケース内部へのアクセサビリティーは非常に良好です。
下写真において、右側がPCケースフロントですが、下側がグラフィックボード用スペース、上側に拡張ブラケットがあり右上は5インチベイが設置できます。右側の5インチベイ用スペースとグラフィックボード用スペースに挟まれる形で、右側中央には電源ユニットスペースがあり、上側からネジ止めする構造です。
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PCケース内部の右側面にはファン・ラジエーター、3.5インチストレージなどを設置可能な拡張ブラケットが設置されています。
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拡張ブラケットはPCケースリアに設置するファン・ラジエーターとの組み合わせも含めて、各ユーザーに合わせた様々なビルドを可能にしてくれます。
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ちなみに「SilverStone SUGO 15」で240サイズ簡易水冷クーラーを組み合わせる場合、SFXやSFX-Lの電源ユニットがオススメです。オフセット配置できる変換ブラケットを使用することで、電源ユニットとラジエーターの間に20mm程度の余裕が生まれるので、水冷ラジエーターから伸びるチューブの取り回しが容易になります。
SilverStone SUGO 14のレビューで作成したサンプルビルドのように、ATX電源でも無理ではありませんが、ラジエーターから垂直に伸びるチューブをかなり強引に曲げることになります。
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「SilverStone SUGO 15」の内部構造については上記拡張ブラケットで5インチベイをサポートしないことを除けば、先日レビューしたSilverStone SUGO 14と完全に一致しているので詳しくはこちらを参照してください。
「SilverStone SUGO 14」をレビュー。RTX3090&240mm水冷で徹底検証
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SilverStone SUGO 15の組み立て手順・ギャラリー

コンパクトPCケースは手順を誤るとケーブルが装着できなくなって最初の方からやり直しになったり、一般的なATX対応ミドルタワーPCケースに比べて組み立てが急に難しく(面倒に)なるので、手際よく上手に組めるよう「SilverStone SUGO 15」の組み立て手順について解説していきます。

まずは事前にマザーボードへCPU、CPUクーラーマウントパーツを装着しておきます。IOケーブルやSATAケーブルが接続し難くなるのでメモリはまだ装着しないでください。
使用する場合はM.2 SSDも最初に装着しておいてください。背面については後からでも問題ありませんが、表面は組み立てが進むと装着が難しくなっていきます。
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あと今回検証機材として使用しているASRock B550 Phantom Gaming-ITX/axのようにSATAポートがマザーボード基板と水平に実装されている場合はPCケースの中間シャーシが被さってSATAケーブルの着脱ができなくなるので、使用する場合は事前にケーブルを装着しておいてください。

マザーボードに各種パーツを装着して下準備が完了したら、PCケースから上下左右の4面パネルを全て取り外します。天面ファンブラケットや拡張プラケットも外してください、
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PCケースシャーシが剥き身の状態になったら、先ほど各種パーツを組み込んだマザーボードを、マザーボードトレイに設置します。
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フロントI/Oの各種ケーブルや、必要な数のSATA通信ケーブルをマザーボードに接続します。
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次は電源ユニットと電源ケーブルの接続に移ります。今回のサンプルビルドでは電源ユニットとして、SFX-L規格のコンパクトサイズながら変換効率Platinum認証/電源容量1000Wのハイパフォーマンス電源ユニット「SilverStone SX1000」を使用しています。
またSilverStone SX1000の付属ケーブルはコンパクトPCに最適化されたショートケーブルですが、付属ケーブルよりも柔らかく、短めでちょうどいいSATAケーブルが入っているショートケーブルキット「SilverStone SST-PP05-E」を組み合わせました。
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「SilverStone SX1000」をレビュー。SFX-Lで1000W電源容量!
SilverStone SX1000

「SilverStone SUGO 14」の電源ユニット固定用ブラケットはATXサイズ対応なので、SFXサイズやSFX-Lサイズ電源ユニットを使用する場合は、変換ブラケットが必要になりますが、SilverStone SX1000には変換ブラケットが付属しません。
SilverStone SX1000を使用する場合は、オフセット配置で電源ユニット冷却ファンの手前のスペースを大きく確保できる「SilverStone PP08B」がオススメです。
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「SilverStone SUGO 15」で240サイズ簡易水冷クーラーを組み合わせる場合、SFXやSFX-Lの電源ユニットがオススメです。オフセット配置できる変換ブラケットを使用することで、電源ユニットとラジエーターの間に20mm程度の余裕が生まれるので、水冷ラジエーターから伸びるチューブの取り回しが容易になります。
SilverStone SUGO 14のレビューで作成したサンプルビルドのように、ATX電源でも無理ではありませんが、ラジエーターから垂直に伸びるチューブをかなり強引に曲げることになります。
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電源ユニットをPCケースに固定したら、ATX24PIN電源、EPS電源、PCIE補助電源、SATA電源など使用する電源ケーブルをプラグインコネクタに接続します。
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ATX24PIN電源ケーブルとEPS 8PIN電源ケーブルをマザーボードに接続します。拡張ブラケットに240サイズラジエーターを使用する場合、これらのケーブルは下を這うようにして配線するとスペースが干渉しません。
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合わせてこのタイミングで、使用する場合は、ストレージトレイに2.5インチストレージを設置し、SATA通信ケーブル、SATA電源ケーブルを接続します。
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ここまで組みあがったら保留していたシステムメモリをマザーボードに装着します。まだ内部スペースは広いので問題なく装着できるはずです。
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続いてCPUクーラー、今回のサンプルビルドでは240サイズ簡易水冷CPUクーラーを設置していきます。
240サイズ簡易水冷CPUクーラーには同社製品の「SilverStone PERMAFROST PF240-ARGB」を使用しています。
「SilverStone SUGO 15」の場合はファンや水冷ヘッドを中で光らせても意味がないので、水冷ヘッドのLEDケーブルを接続せずに束ねており、ファンは先日当サイトでレビューした、水冷ラジエーターにも最適な高性能ファン「Thermaltake TOUGHFAN 12」を使用しています。
やや変則的な構成になっていますが、電源ユニット冷却ファンと対面する前方(下写真で左)のファンは吸気、グラフィックボードの冷却のためグラフィックボードがある面のエアスリットが吸気になるようもう一方は排気にしました。
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CPUとCPUクーラー間の熱伝導グリスには当サイト推奨で管理人も愛用しているお馴染みのクマさんグリス(Thermal Grizzly Kryonaut)を塗りました。使い切りの小容量から何度も塗りなおせる大容量までバリエーションも豊富で、性能面でも熱伝導効率が高く、塗布しやすい柔らかいグリスなのでおすすめです。
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グリスを塗る量はてきとうでOKです。管理人はヘラとかも使わず中央山盛りで対角線だけ若干伸ばして塗っています。特にThermal Grizzly Kryonautは柔らかいグリスでCPUクーラー固定時の圧着で伸びるので塗り方を気にする必要もありません。
Thermal Grizzly Kryonaut_apply
サーマルグリスの代用品として、数年スパンの長期使用においても性能低下が基本的になく再利用も可能、グリスが零れてマザーボードが汚れたり壊れる心配もないので、炭素繊維サーマルシート「Thermal Grizzly Carbonaut」もオススメです。
「Thermal Grizzly Carbonaut」はRyzen 9 3900Xを冷やせるか!?
Thermal Grizzly Carbonaut_Ryzen 9 3900X

サーマルグリスを塗ったら水冷ヘッドを固定します。CPUソケット周辺のスペースは十分あるので特に水冷ヘッドの固定で困ることはないはずです。
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水冷ヘッドを固定したら、斜め下から上側シャーシフレームの裏に挿し込む感じで拡張ブラケットを装着します。チューブの太さにもよりますが、ラジエーターから垂直に伸びるチューブは割と強引に電源ユニットに接しながら折れ曲がる感じになります。最後に左右2か所ずつをネジ止めして設置完了です。
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簡易水冷CPUクーラーが設置できたら、グラフィックボードをPCIEスロットに設置します。
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Radeon RX 6900 XTのリファレンスモデルは3スロット占有ですが全長は267mmなので、300mm超にも対応する「SilverStone SUGO 15」なら内部スペースにはケーブルの取り回しも含めて十分な余裕があります。
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以上で「SilverStone SUGO 15」の組み立ての難しいところは一通り完了です。あとは必要に応じて天面ファンマウントプレートで120mmファンを設置し、最後に上下左右の4面パネルを装着したら出来上がりです。
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「SilverStone SUGO 15」に3スロット占有フルサイズグラフィックボードと240サイズ簡易水冷CPUクーラーを使用して自作PCを組むとPCケース内部はこんな感じになります。
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Ryzen 9 5950X&RX 6900 XTを搭載したSilverStone SUGO 15の冷え具合を試す

今回、Ryzen 9 5950XとRadeon RX 6900 XTを組み合わせて構築したSilverStone SUGO 15のサンプルビルドについて、CPUとGPUの冷却性能を簡単にチェックしてみました。

まずはCPUの冷却性能について、Ryzen 9 5950Xを定格で動作させて、動画のエンコードで30分程度に渡ってフル負荷をかけ続けました。
CPU温度は平均で77.3度、最大で81.5度まで上昇していますが、CPUコアクロックは全コアが実動平均4.2GHzで安定動作しました。120mmファン×2が1400RPM程度で動作していますが、今回使用している「Thermaltake TOUGHFAN 12」や「Noctua NF-A12x25 PWM」なら静音性も十分です。
ATX対応ミドルタワー環境と比べると同じ240サイズ簡易水冷であってもCPU温度が上がる傾向は感じますが、コンパクトサイズな「SilverStone SUGO 15」でもメインストリーム向け最上位CPUを運用できると考えていい結果だと思います。
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続いてGPUの冷却性能について、これは搭載するグラフィックボードのGPUクーラーにも依るところが大きいのですが、今回は上に掲載している写真の通り、Radeon RX 6900 XTのリファレンスモデルで検証を行いました。
約20分間に渡たり連続してGPUに100%近い負荷をかける3DMark TimeSpy Stress TestでGPU温度やファン速度をチェックしたところ、GPU温度は80度未満、GPUクーラー冷却ファンも1200RPMに収まる良い結果が得られました。
冒頭に書いたように実際の静音性や冷却性能は各グラフィックボードのGPUクーラーに依るところも大きいものの、「SilverStone SUGO 15」はTGP300W超クラスのグラフィックボードを搭載しても高い静音性を維持してしっかりと冷却できる一例にはなったと思います。
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SilverStone SUGO 15のレビューまとめ

最後に「SilverStone SUGO 15」の実機サンプルを検証してみた結果のまとめを行います。簡単に箇条書きで以下、管理人のレビュー後の所感となります。

良いところ
  • 黒色ベースのシンプルなキューブスタイル (シルバーカラーもラインナップ)
  • 質感の高い塗装が施された5面アルミニウムパネルを搭載
  • 全高の低い横置きと、幅狭で省スペースな縦置きの両方に対応
  • 容積19.5LのコンパクトサイズなMini-ITX対応PCケース
  • 最長330mm/3スロット占有のフルサイズグラフィックボードを搭載可能なスペース
  • 大型グラフィックボードを支える可変グラフィックボードホルダーを標準搭載
  • 拡張ブラケットは最大240mmサイズの水冷ラジエーターや3.5インチHDDに対応
  • 3基の2.5インチストレージトレイを搭載、拡張ブラケットには2基の3.5インチHDDを設置可能
  • ATX、SFX-L、SFXの自作PCで主流な電源ユニットに対応
  • フロントI/OにUSB3.2 Gen2x2も対応可能(MB次第で)なUSB Type-Cポートを搭載
  • 内部USB3.0ケーブルや内部USB Type-Cケーブルは非常に細くて取り回しが良い
悪いところor注意点
  • 電源ユニットの奥行はケーブルスペースも考えると基本的に150mm程度まで
  • AC端子の向きとロッカースイッチの位置によっては、スイッチとケーブルコネクタが干渉する
  • 拡張ブラケットに140mmファン搭載時は、メモリの全高クリアランスが42mm程度
  • SUGO14と違い、5インチ拡張デバイスには非対応

「SilverStone SUGO 15」は19.5Lというコンパクトで限られたスペースの中で、『240サイズの簡易水冷CPUクーラーとフルサイズグラフィックボードを搭載できる』というハイパフォーマンスPCの構築において一つの水準となる条件を満たし、Mini-ITXマザーボードの標準的なSATA端子数である4端子をフル活用できるストレージスペースを備え、大容量・高静音性なATX電源ユニットにも対応する非常に優秀なPCケースです。

「SilverStone SUGO 15」は240サイズ簡易水冷CPUクーラーに対応しているので、Intel Core i9 10900KやAMD Ryzen 9 5950XのようなTDP100W超のメインストリーム向け最上位CPUも問題なく運用でき、グラフィックボードも全長330mmかつ3スロットのスペースがあるのでGeForce RTX 3090やRadeon RX 6900 XTといったウルトラハイエンドGPUを組み合わせることができます。

「SilverStone SUGO 15」は上下左右のパネルを全て取り外してPCケース内部にフルアクセスが可能なので、Mini-ITX対応コンパクトPCケースながら非常に組み易いところも評価ポイントでした。ネジ類も基本的に使用するものはインチネジとミリネジの2種類しかなく(ハンドスクリューなど少数の例外もありますが)、この記事で紹介している電源ユニットなどを組み合わせれば電源ケーブル配線の難易度も下がるので、自作PC初心者でも組み易いコンパクトPCケースだと思います。

基本的な内部構造は同社のSUGO 14と共通なのでコスパはこちらの方が優れますが、「SilverStone SUGO 15」は5面に質感の高いアルミニウム製パネルを採用し、フロントI/OにUSB Type-Cポートや、集塵性と通気性に優れたナイロン製ダストフィルターを搭載するなど、価格に見合った1ランク上の自作PCを構築できるので、ハイエンドスペックでこだわりの自作PCを組むのであればSUGO 15をオススメしたいです。

以上、「SilverStone SUGO 15」のレビューでした。
SilverStone SUGO 15



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(注:記事内で参考のため記載された商品価格は記事執筆当時のものとなり変動している場合があります)



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