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実際は、FractalDesign Kelvinシリーズの一体型ポンプがダメな子だったとも言う。
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公式ページにはラジや水冷ブロックの追加も可能って書いてあったけど、流速が全く出なくて水路にエアが溜まったまま抜けないし、D5を直列にQDで繋いでエア抜きしようとしても、Fractalのポンプが流速落とすのでダメ。
とりあえず換装のためにPCケースから各部品を外していきました。完全にバラすと戻すのが面倒くさくなるので、適度にまとまった状態ではずしていくのが大変でした。
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換装したら使わないので、洗浄のついでにFractalのポンプ一体型水冷ブロックを分解してみました。
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…………、ヒートシンクのフィンが”マイクロ”と形容するのが躊躇われるほど粗過ぎじゃね?
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いやさ、このマイクロフィンかつ貧弱ポンプでは冷却性がいまいちだったのにも納得ですわ。
正直な感想としてFractalDesign Kelvinシリーズの本格水冷への流用は無理でした。
というか熱交換的に最も重要なヒートシンクのマイクロフィンがこれだと簡易水冷クーラーとしてもお勧めできませんね。

ということで、「余っているD5を積みたい!」→「スペース的に非常に困難で断念」→「DDCなら積めそう」→「グラボ-ラジ間にポンプ置くと配管とかメンテとか面倒くさい」→「ポンプ一体型水冷ブロックが――」→……(以下ループ)、こんな袋小路状態でした。
ところが2012年の5月発売と比較的旧型なのですが「Swiftech APOGEE Drive II」を調べてみるとどうやらポンプ一体型水冷ブロックでありながら水冷界のポンプ二大巨頭の一角であるDDCポンプを採用していると知り、NCASE M1のビルドギャラリーでも使用例を見た覚えもあったので挑戦してみました。

本当は先々週くらいにPPCSで購入した物が届く予定だったのですが、商品間違いがあった上に、安い(遅い)発送方法で「Swiftech APOGEE Drive II」を再発送される形になってしまい、本日遂に換装の儀を迎える運びとなりました。
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公式商品ページ:http://www.swiftech.com/ApogeeDrive2.aspx#tab1
PPCS商品ページ:http://www.performance-pcs.com/hot-swiftech-apogee-drive-ii-cpu-waterblock-with-integrated-pump-intel-1155-1366-version.html

対応CPUソケットは1155と1366となっていますが、Haswell、Braodwellの1150やSkylakeの1151のクーラー用のネジ位置は1155と同じなので最新のCPUでも問題なく使えます。

管理人はポンプと水枕が一体になった完成品を購入しましたが、DDCポンプをすでに持っている場合は、水冷ブロック部分とヒートシンクのみの組み立てセットも販売されています。

公式商品ページ:http://www.swiftech.com/apogeedrive2.aspx
PPCS商品ページ:http://www.performance-pcs.com/hot-swiftech-apogee-drive-ii-cpu-waterblock-no-pump-intel-1155-1366-version.html
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一口にDDCポンプと言ってもPWM対応、非対応やポンプ電源が4PINモレックスだったりファン用3PINだったりとOEMでいろいろと種類があるので好みのものがある場合は組み立てキットを使うのもありだと思います。

Has-E対応の2011版もありますが、残念ながらNarrow ILM用の固定具は売っていないので、ASrockのX99 ITXマザーボードで使うのは無理ですね。


水冷ブロックの横にあるフィッティング部分はG1/4ネジでマザーボードに対して垂直な向きから水冷ブロックと離れる方向へやや傾いています。
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またこのフィッティング部はネジ止めになっていて水冷ブロックに対して垂直と若干斜めの2種類から選ぶことが可能になっています。

固定ネジは水冷ブロック側に固定されており、バックパネルは簡素です。
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残念ながらEKWB EK-SupremacyやXSPC Raystorm Proのようにバックパネル単体でマザーボードに取り付けることはできません。バックパネルを固定できないタイプはケースにマザボを固定したままで水冷ブロックの取り付けがし難いのでその点がちょっと残念です。

ヒートシンクはニッケル鍍金なしの純銅製でしっかりと磨き上げられて綺麗な鏡面になっています。
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分解するのが面倒だったので他サイトのレビューからの転載となりますが、ヒートシンクのマイクロフィンは比較的細かくなっています。Fractalとの比較をすると一目瞭然ですね。
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転載元:http://www.tweaktown.com/reviews/4989/swiftech_apogee_drive_ii_integrated_pump_and_waterblock_review/index.html

水冷ブロックについては「Swiftech APOGEE Drive II」が2012年発売の旧型ということもあり最近流行りのジェットプレート機構はありません。ただポンプ直下にマイクロフィンがあるので無理やり流速を上げる必要はないのかも。まあその辺りは実際にCPUにOCベンチで見ていきましょうか。

「Swiftech APOGEE Drive II」は水冷ブロック、DDCポンプ、ポンプ用ヒートシンクの3層構造となっているので、Fractalのものに比べると2倍強の厚みがあります。とはいえ空冷トップフローの小型CPUクーラーと同じかそれ以下の高さなので、高さ方向の干渉については気にする必要はないと思います。
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DDCポンプは発熱が大きい?のかヒートシンクが付いていることも多いですが、クーラント充填とエア抜きで1時間ほどポンプを回し続けていますがヒートシンクを作っても特に熱くはありませんでした。

ちなみにポンプの電源である4PINモレックスに加えて、PWMによる速度調整とポンプ回転数とLED電源をあわせた汎用ファン4PINの2つのケーブルが延びています。
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外観を見るのはこのあたりにして、早速サブ機へ組み込んでいきます。
マザーボードはASUS MAXIMUS VIII Impactを使っていますが、縦・横どちらの配置でもマザボ上の部品との干渉はありませんでした。Maximus Impactシリーズは上側にVRM、下側にサウンドボードがあるので干渉天国状態ですが一般的なITXマザボであれば、縦向きの干渉は無視してもいいと思います。
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管理人がNCASE M1で見たビルド例では縦向きに水冷ブロックをつけていましたが。管理人が試したところ横向きのほうがスペースに余裕がありました。ただDDR4メモリのヒートシンクの高さによっては横向きに固定すると干渉するかもしれないので要注意です。
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管理人は以前レビュー用にKingston様から提供いただたいた「HyperX Savage DDR4メモリ」を使っており、ヒートシンク付きOCメモリとしては背が低いメモリだったのが功を奏したようです。
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ポンプトップのSwiftechロゴはLEDでライトアップできるようになっており、同梱されているカラーパネルを変えることで、赤、青、緑に光らせることが出来ます。管理人はこだわりもなかったのでデフォルトの赤色にしました。まあNCASE M1の場合、ラジ&ファンに挟まれて見えませんし。
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ちゃちゃっと水路も完成させて早速、クーラントの充填を行いました。以前同様に水漏れチェックのためQDを使ってラジエーターなしのループで充填していきます。漏れていた時にすぐわかるようにティッシュを挟んでおくのを忘れずに。
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水漏れもなさそうなのでクーラント充填完了です。DDCポンプがパワフルなおかげでFractalのを使っていたときを比べて圧倒的に早くパッと見てわかるエアも抜けていきました。万歳!
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以前よりは狭くなりましたが、CPUブロック上のヒートシンクとラジエーターファンの間も2cmほどスペースがあるのでクリアランスも全く問題なさそうですね。
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あと別の人のNCASE M1ビルドを見て「これいいな!」と思い、ACケーブルとネームプレートの位置を入れ替えました。この位置にアングルがあるとクーラントの充填が楽で非常に便利です。
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以上でサブ機の「Swiftech APOGEE Drive II」への換装完了です。
記事も長くなったので、パフォーマンスの検証はまた別記事にしようと思います。

毎回起動時にBIOSでCPUファンにエラーが出るので調べてみたら、DDCポンプの回転数をマザボのCPUファンに接続していたのですが、DDCポンプは通電から回転し始めるまで数秒のラグがあるので、マザーボードから見るとCPUファンが回っていないように見えて、起動時にエラーが出たようです
Mini-ITXのマザーボードはファン端子の数が少なく、M8Iの場合だとCPUファンとケースファンそれぞれ1基ずつになっています。この内、外部センサーで制御できるのはケースファンのみなので、こちらはラジエーターファンを接続して、消去法的にポンプのPWMをCPUファンで制御する形にしていたのですが、思わぬ落とし穴でした。ファン拡張ボードもいいですが、mini-ITXでもファン端子はCPU以外に最低でも2基くらいは実装して欲しい。

早速ベンチを回してみました。
Cinebenchでは水温が25度で6700Kの定格でCPUの最大温度が44度となりました。Fractalの水冷ブロック使ってたときはこの計測で55度くらいだったので十分に冷えていると思います。
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また計測時間が20分ほどで若干短いのですがGoW:UEをWQHDのUltraテクスチャ設定でプレイした時の水温、CPU温度、GPU温度、ファン回転数が次のようになっています。
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5月を前にして次第に暖かくなってきているので水温も結構上昇しています。6700K定格&R9 NANOのOCだと240ラジだけではなかなか厳しくなってくるようですね。とはいえ水温40度前後には何とか収まりそうですし、ファンの回転数もうるさくなってはきますが1400RPM程度で使っているファンは水温依存のPWM制御で最大1800RPMまでは上がるのでエアコンを入れていれば夏場でも何とかなりそうです。







(注:記事内で参考のため記載された商品価格は記事執筆当時のものとなり変動している場合があります)



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