有機ELでHDRは輝度性能不足って本当?Switch2で簡単に判別する方法を解説

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全白で1000cd/m^2以上の超高輝度を発揮するFALD対応液晶と比較して、輝度性能が低い有機ELはHDR用ゲーミングモニタとして使用できるのか、どういう条件・環境なら有機ELの輝度性能でも十分なのか解説します。

輝度性能が足りるかどうかは普段使いのSDR白色輝度次第ですが、Nintendo Switch 2(初代でも可)を使えば比較的簡単に有機ELが使えるかどうか判別できます。

目次
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有機ELの輝度性能はHDRには不十分?

有機ELの輝度性能がHDRゲーミングに十分かどうかは、普段、SDR表示しているゲーミングモニタのSDR白色の明るさ次第です。

HDRの魅力の1つである高輝度表現(ダイナミックレンジの広さ)を正しく、十分に体験するには、高APLなシーンにおいて”最大輝度で600cd/m^2以上、50%のベース輝度で70~80cd/m^2以上をキープできる”くらいの輝度性能が必要というのが、当サイトにおける評価基準です。

上記の輝度性能があればベターであり、さらに1000cd/m^2以上を安定して出せるとベストですが、実効最大輝度が400cd/m^2程度の有機ELゲーミングモニタも条件次第ではHDRに通用します。

DisplayHDR 400/600の評価が低い理由

盲目的に輝度の絶対値からVESA DisplayHDR 400/600を否定するレビュアーも少なくありません。

しかし、リアルさや迫力を追求するなら輝度絶対値の高さも必要ですが、ゲームではUIがSDR白色(255値)を当然のように使うという運用上の問題が高輝度階調や高彩度の表現の足かせになっていて、それを解消できるだけでもHDRの恩恵は大きいです。

VESA DisplayHDR 400/600認証の最大の問題は液晶バックライト制御にFALDが必須ではないところです。

認証ティア液晶
ローカルディミング
有機EL
DisplayHDR 400
DisplayHDR 600
1D型でも取得可能
FALD対応は任意
現状では輝度性能的に取得できない
DisplayHDR 1000
DisplayHDR 1400
FALD対応が必須
True Black各種取得できない取得可能

1D型ローカルディミングは垂直列のどこかに輝点があるだけで広範囲にバックライトが点灯してしまうので、ハローやバックライト点滅が目障りに感じるところが最大の問題です。

全体的な黒浮きを妥協してバックライトを最大輝度に固定するか、グローバルディミングにした方がマシとすら感じます。

最低限500~1000程度の分割数でFALDにさえ対応していれば液晶モニタでHDRに必要な輝度性能も、やはり普段のSDR白色輝度次第です。

なぜかというと、ゲームにおけるHDR体験(ダイナミックレンジの拡張)については、

  • リアル・大迫力な高輝度の追求(絶対値としての高輝度)
  • UIなどベース輝度と、太陽・エフェクトなど高輝度の分離

という2つの側面があります。

前者は1000cd/m^2超の高輝度性能が推奨されますが、後者は必ずしもそうではないからです。そしてゲームにおいてはむしろ後者の方が重要です。

『UIなどベース輝度と、太陽・エフェクトなど高輝度との分離』がゲームにおけるHDRで如何に重要なのかについては長くなるので、詳しくはSwitch2のディスプレイレビュー内の説明を参照してみてください。

現在PCゲーミング向けに流通している有機ELモニタはVESA DisplayHDR 400 True Black取得もしくは同規格相当となっており、高輝度性能は350~450cd/m^2程度なので絶対値としては決して高くありませんが、

ベース輝度を120cd/m^2とするならベース輝度と高輝度の分離という意味でHDRを導入するのに十分な性能です。

実効最大輝度が400cd/m^2程度でもダイナミックレンジを2~3倍に拡張されるからです。

ちなみに2025年末現在、VESA DisplayHDR 500 TrueBlack認証を取得で輝度性能が若干上がった製品も発売されています。これだとベース輝度200cd/m^2程度でもなんとか対応できそうです。

逆に言うとSDR白色が200~300cd/m^2以上で使っている、太陽の差し込む明るいリビングとか、照明の強い明るい環境ではベース輝度が不足するので有機ELは不適当です。

『普段使いのSDR白色輝度が120cd/m^2程度』という条件に合致するなら、HDR用含めゲーミングモニタは有機ELの方がオススメです。

ピクセルレベルで明るさを制御でき、完全な黒色も表現できる有機ELなので輝度絶対値の低さを補って、体感的に高いコントラスト性能を発揮します。

大抵の人はHDR最大輝度の低さに不満を覚えるよりも、コントラストのメリハリとかで大幅に綺麗になったと感じやすいので。

Switch 2でモニタの明るさを判別する方法

厳密な数値の測定には測色計が必要ですが、普段使っているPCモニタのSDR白色を50~100cd/m^2刻みでざっくりと判別するだけならNintendo Switch 1/2を使えば簡単です。

Switch 2の本体ディスプレイは明るさ調整バーをちょうど真ん中当たりにするとSDR白色輝度が120cd/m^2程度になります。自動明るさ調整機能は無効にしてください。

初代Switchの有機ELモデルの場合は55%程度、液晶モデルの場合は60%程度でSDR白色輝度が120cd/m^2程度になります。

Nintendo Switch 2のホーム画面(テーマ ホワイト)をスクショにして普段使っているモニタへPCなど他の機器で表示します。あと可能ならPCモニタの色温度もSwitch 2と同程度に揃えます。

Nintendo Switch 2でもホーム画面を表示して本体ディスプレイかPCモニタかどちらが明るいか比べます。

見比べて同程度の明るさなら、普段使っているPCモニタの明るさは120cd/m^2程度なので有機ELゲーミングモニタでも輝度性能は十分です。

2025年現在、VESA DisplayHDR 400 True Black認証を取得している有機ELモニタの輝度性能でHDRに対応できるのは、贔屓目に見てもせいぜいSwitch 2の60%前後(200cd/m^2未満)までです。

200cd/m^2前後の場合はVESA DisplayHDR 500 True Black認証を取得している最新製品であればなんとか対応できると思います。

普段使っているPCモニタの方が、Switch 2の明るさ設定70%以上よりも明るい場合は、有機ELは諦めて、600~1000cd/m^2以上の輝度性能があるFALD対応液晶を選んで下さい。

4K / 144Hz / 量子ドットIPS液晶
VESA DisplayHDR 1000 / 2304分割FALD対応
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HDRでオススメの有機ELゲーミングモニタ

有機ELゲーミングモニタの中からHDRゲーミング用にオススメの製品や、製品を選ぶ上で重要なポイントについて解説します。

HDRでも色温度・彩度を調整できるかが重要

有機ELパネルを採用したゲーミングモニタは大手から新興かつ中華系のマイナーメーカーまで色々と発売されていますが、大本のパネルはLG製WOLEDパネルかSamsung製QD-OLEDパネルなので、同じパネルなら高輝度性能や色の鮮やかさ(色域の広さ)といった画質に直結するパネル性能は大差ありません。

HDRゲーミング用モニタ選びでは『色温度と彩度をHDR表示でも調整できる』ことが最重要です。

色温度D65固定や実質sRGB低色域といったエンドユーザー目線で発生するHDRの問題を解消できるソフトウェア面がHDRゲーミングの入門機として重要になります。

どれだけ高輝度でも好みに合わない色調は見ても楽しめないので、輝度性能の前に色温度と彩度について調べた方が良いです。

  • HDR規格通りにD65をチューニングされていることが多い
    • ホワイトポイントが暖色なので黄色く濁って感じる
    • 日本人は7000~8000K程度の透明感のある白色を好む
  • HDRではsRGBカラーはそのまま表示される
    • 過飽和彩度なSDRを見慣れているので色褪せて感じる
    • 実はP3やRec2020の広色域カラーを使わないゲームも多い

HDR表示で色温度や彩度の調整に対応していない製品が絶対にダメというわけではありませんが、HDR規格そのままのゲーム映像は大抵の人にとって『黄色く濁って、色褪せて感じる』ものなので、有機ELに限らず、HDR用ゲーミングモニタ選びではHDR表示でも色温度や彩度の画質調整に対応したものを選ぶのが無難です。

オススメ1: MOBIUZ EX271UZ

BenQのカジュアルゲーミングブランド MOBIUZから発売中の「MOBIUZ EX271UZ」はSamsung製QD-OLEDパネルを採用し、HDR表示中も色温度・彩度など各種画質設定をSDR表示同様に調整できます。

リモコンによるOSD操作やビデオ入力別の画質設定適用にも対応しており、OSD設定などソフトウェア周りが最強の1台です。使っていて不便を感じることはないと思います。

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オススメ2: ASUS ROG Swift OLED PG32UCDM

「ASUS ROG Swift OLED PG32UCDM」はSamsung製QD-OLEDパネルを採用し、HDR表示中も色温度・彩度など各種画質設定をSDR表示同様に調整できます。

ちなみにASUS製は最初期に発売された「ASUS ROG Swift OLED PG27AQDM」(FWアップデートで機能追加)も含めて、基本的に全ての有機ELゲーミングモニタでHDR表示中も彩度や色温度の画質調整に対応しています。

ASUSからは同じくSamsung製QD-OLEDパネルで26.5インチサイズの「PG27UCDM」や、末尾違いで紛らわしいですがLG製WOLEDパネルで480Hzモードにも対応する「PG32UCDP」などもラインナップされています。

ディスプレイサイズ、解像度、最大リフレッシュレート(デュアルモード)など種類が豊富で、各自気に入った製品を選べるので迷ったらASUS製を探すと楽です。

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オススメ3: ASUS ROG Swift OLED PG27AQWP-W

「ASUS ROG Swift OLED PG32UCDM」はLG製の最新プライマリーRGBタンデム有機ELパネルパネルを採用し、HDR表示中も色温度・彩度など各種画質設定をSDR表示同様に調整できます。

VESA DisplayHDR 500 TrueBlack認証を取得していて全白輝度が300cd/m^2以上なので、従来製品では薄暗く感じやすいベース輝度200cd/m^2前後が要求される環境でもHDR用ゲーミングモニタとして通用すると思います。

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以上、『有機ELでHDRは輝度性能不足って本当?Switch2で簡単に判別する方法を解説』でした。

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型番:KCT-008GY
サイズ: 30cm×30cm
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